JP3201954B2 - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JP3201954B2 JP14348496A JP14348496A JP3201954B2 JP 3201954 B2 JP3201954 B2 JP 3201954B2 JP 14348496 A JP14348496 A JP 14348496A JP 14348496 A JP14348496 A JP 14348496A JP 3201954 B2 JP3201954 B2 JP 3201954B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録媒体、可逆性
感熱記録媒体、表示装置、センサー等に利用される反復
使用可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の可逆性感熱材料は、結晶転移、脱
水、固液変化等を利用しているが、いずれも発色状態で
の定着ができない。また、特開昭58−191190号
公報、特開昭60−193691号公報、米国特許第3
666525号明細書に記載されたものは、発色剤、顕
色剤、およびバインダーから成り、その発色は熱を用い
るが消色は、水、水蒸気またはある種の有機溶剤によっ
て行うもので、熱エネルギーの制御によって発色、消色
の双方を繰り返せるものではない。以上のように従来の
発色剤と顕色剤との反応を利用した可逆性感熱記録媒体
は種々の問題を含んでいる。また、特開平2−1882
93号公報及び特開平5−92661号公報に記載され
ているものには、発色剤と可逆性をもつ酸性物質を主成
分とするもので、発色と消色の双方を熱エネルギーの制
御によって行なうものであるが、顕減色剤として、没食
子酸と高級脂肪族アミンとの塩及びビス(ヒドロキシフ
ェニル)酢酸と高級脂肪族アミンとの塩を使用してい
る。特開平4−247985号公報に記載されているも
のも、発色剤と可逆性をもつ酸性物質を主成分とするも
のだが、ここでは顕減色剤としてリン酸エステルを使用
しており、ビスフェノールA等のようなフェノール性水
酸基を含有する酸性物質を用いて良好な可逆性を有する
可逆性感熱記録媒体は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
はない熱エネルギーの制御のみによって発色および消色
し、かつメモリー性を有し、更に発色濃度が高く、画像
の安定性、保存性をも具備したラクトン環を有する電子
供与性呈色性化合物とフェノール性水酸基を有する電子
受容性化合物を用いた優れた可逆性感熱記録媒体を提供
することを、その課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる現状に鑑み本発明
者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特
定のフェノール性水酸基を有する電子受容性化合物、及
び特定の有機化合物と高温時での相溶性が良好な特定の
樹脂を含有させることにより、その課題を解決し得るこ
とを見出し、本発明に至った。
【0005】本発明は、支持体上にラクトン環を有する
電子供与性呈色性化合物、フェノール性水酸基を有する
電子受容性化合物、下記式(I)〜(V)で表される化
合物より選ばれる少なくとも1種の有機化合物、消色作
用のある熱可塑性樹脂を主成分として構成され、消色作
用のある熱可塑性樹脂の含有量が全体の15〜70重量
%である感熱記録層を設けた可逆性感熱記録媒体におい
て、そのフェノール性水酸基を有する電子受容性化合物
が、下記式(VI) 〜(VIII)で表される化合物を少なくと
も1種以上含むことを特徴とする可逆性感熱記録媒体あ
る。
【化6】 R1 −CO−N(R2 )R3 (I) R1 −CO−NH−R4 NH−CO−R2 (II) R1 −CO−O−R2 (III) R1 −NH−CO−NH−R2 (IV) R1 −CO−R2 (V) ・R1 :アルキル基、アリール基、アルケニル基、ヒド
ロキシアルキル基 ・R2 ,R3 :水素原子、アルキル基、アリール基、ヒ
ドロキシアルキル基、アルケニル基、 ・R4 :アルキレン基
【化7】 ・R5 ,R6 :アルキル基、アリール基、ヒドロキシア
ルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、(R
5 とR6 は2つついていてもよい) ・R7 :水素原子、水酸基 ・nは2、4、5又は6の数
【化8】 ・R8 ,R9 :水素原子、アルキル基
【化9】 ・R10 ,R11 ,R12:水素原子、アルキル基、シク
ロヘキシル基(R 10 とR 11 は2つついていてもよい) ・R13: 水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸
【0006】フェノール性水酸基を有する電子受容性化
合物として化合物(VI)〜(VIII)の代わりに、下記式
【化10】 14:水素原子、アルキル基、アルコキシ基(なお、ア
ルキル基の場合は2つついていてもよい)15:アルキル基、ハロゲン原子、水素原子で表される
化合物を用いることもできる。また、フェノール性水酸
基を有する電子受容性化合物として化合物(VI) 〜(VII
I )の代わりに、コハク酸ビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)セバケー
ト又は3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ルエチレンステアリックアシッドエステルを用いること
もできる。発色状態にある組成物は、これを発色温度よ
り低温の消色温度域及び発色温度より高温の消色温度域
のいずれかに加熱しても消色することができ、その消色
状態は常温においても安定的に存在するものである。本
発明は、このような発色温度より低温側と高温側の両方
に消色温度域を有するという新規な可逆的な発消色挙動
を示す可逆性感熱記録媒体である。
【0007】本発明によれば、低分子化合物との相溶性
が良好な消色作用のある熱可塑性樹脂、上記式(I)〜
(V)で示される有機化合物、ラクトン環を有する電子
供与性呈色性化合物、フェノール性水酸基を有する電子
受容性化合物が主成分である事を特徴とし、熱エネルギ
ーの制御によって、発色および消色する事ができる感熱
記録層を設けた可逆性感熱記録媒体を提供する。本発明
の可逆的感熱記録媒体は、発色温度までの加熱により透
明状態になり、冷却によって発色し、その発色状態は常
温においても安定的に存在する。一方、発色状態にある
組成物は、これを発色温度より低温の消色温度域及び発
色温度より高温の消色温度域のいずれかに加熱しても消
色することができ、その消色状態は常温においても安定
的に存在するものである。本発明は、このような発色温
度より低温側と高温側の両方に消色温度域を有するとい
う新規な可逆的な発消色挙動を示す可逆性感熱記録媒体
である。
【0008】本発明の可逆性感熱記録媒体における発色
と消色、即ち画像形成と画像消去の原理を図1によって
説明する。グラフの縦軸は発色濃度を、横軸は温度を示
す。破線は加熱による画像形成過程(発色過程)を示
し、実線は加熱による画像消去過程(消色過程)を示し
ている。Aは完全消去状態における濃度を、BはT1
2 間の温度で加熱消去した時の濃度を、C、DはT2
以上の加熱による透明状態における濃度を、Eは完全発
色状態におゅる濃度を示している。本発明において、感
熱記録層が図面T1 以下の温度において、消色状態
(A)にある時、これに記録を行なうつまり発色状態を
得るには、感熱ヘッド等により、T2 〜T3 間の温度に
加熱して、冷却すると破線に従って、T1 以下で発色し
て記録画像(E)を形成する。これはT1 以下の温度で
は、そのまま発色状態(E)を保持しており、記録メモ
リー性は失われない。
【0009】次に記録画像の消去を行なうには、一つの
手段として、形成された記録画像をT1 〜T2 間の温度
(これを低温消去温度という)で加熱保持する事によ
り、消去状態(B)になる。この状態でT1 以下の温度
に戻しても、そのまま消去状態(A)を保持している。
又、もう一つの手段として、T3 〜T4 間の温度(これ
を高温消去温度という)に加熱した後、冷却すると実線
に従ってT2 以下で消色状態(B)を形成し、これはT
1 以下の温度ではそのまま消去状態(A)を保持してい
る。なお、T4 はこれ以上加熱するとフェノール物質の
昇華や樹脂の分解等により、記録特性変化や媒体自体の
着色等の問題を生じてしまう温度である。即ち、記録画
像の形成過程はA、B、Cの経過によりEに至り記録が
保持される。一方、記録画像の消去過程はE、Bもしく
はE、B、C、Dの経路によりAに至り消去状態が保持
される。この記録画像の形成と消去の挙動特性は可逆性
を有し、何回もの繰り返しが可能である。また、消色温
度域が発色温度の上下にあることにより、画像形成シス
テムへのさまざまな応用が可能である。
【0010】本発明を構成する感熱記録層の組成物は、
ラクトン環を有する電子供与性呈色性化合物、フェノー
ル性水酸基を有する電子受容性化合物、式(I)〜
(V)で表される化合物より選ばれる少なくとも1種の
有機化合物、消色性を有する熱可塑性樹脂から構成され
る。本発明において、式(I)〜(V)で表される化合
物としては、通常炭素数8以上、特に8〜30であるこ
とが好ましく、また、融点58℃以上、特に58〜16
0℃である化合物が記録特性上好ましい。以下に本発明
に使用し得る一般式(I)〜(V)で表される化合物の
代表例を示す。
【0011】式(I)で示される有機化合物としては、
例えば下記の化合物が挙げられる。酢酸アミド、プロピ
オン酸アミド、酪酸アミド、吉草酸アミド、カプロン酸
アミド、エナント酸アミド、カプリン酸アミド、ベラル
ゴン酸アミド、ウンデシル酸アミド、ラウリン酸アミ
ド、トリデシル酸アミド、ミリスチン酸アミド、ペンタ
デシル酸アミド、パルミチン酸アミド、ヘプタテシル酸
アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘ
ン酸アミド、セロチン酸アミド、モンタン酸アミド、オ
レイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミ
ド、吉草酸アニリド、カプロン酸アニリド、ペラルゴン
酸アニリド、カプリン酸アニリド、ウンデシル酸アニリ
ド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニリド、パル
ミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、ベヘン酸ア
ニリド、カプリン酸メチルアミド、ラウリン酸メチルア
ミド、ミリスチン酸メチルアミド、パルミチン酸メチル
アミド、ステアリン酸メチルアミド、ラウリン酸ドデシ
ルアミド、ミリスチン酸ドデシルアミド、パルミチン酸
ドデシルアミド、ステアリン酸ドデシルアミド、ステア
リルステアリン酸アミド、オレイルステアリン酸アミ
ド、ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン
酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等である。
【0012】式(II)示される有機化合物としては、例
えば下記の化合物が挙げられる。メチレンビスステアリ
ン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレン
ビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンイソビスステアリン酸アミド、エチレンビ
スヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス
ステアリン酸アミド、ジステアリルセバシン酸アミド、
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキチメチレンビスオ
レイン酸アミド、m−キシレンビスステアリン酸アミド
等。
【0013】式(III )示される有機化合物としては、
例えば下記の化合物が挙げられる。セロチン酸メチル、
ヘプタコサン酸メチル、モンタン酸メチル、メリシン酸
メチル、セロチン酸エチル、モンタン酸エチル、メリシ
ン酸エチル、ラクセル酸エチル、ステアリン酸ステアリ
ル、ステアリン酸ベヘニル、ミリスチン酸グリコール、
ステアリン酸グリコール、ラウリン酸グリセロール、ミ
リスチン酸グリセロール、パルミチン酸グリセロール、
ステアリン酸グリセロール等。式(IV)で示される有
機化合物である尿素誘導体としては、例えばN−ブチル
−N′−ステアリル尿素、N−フェニル−N′−ステア
リル尿素、N−ステアリル−N′−ステアリル尿素、キ
シレンビスステアリル尿素等が挙げられる。式(V)で
示される化合物であるケトンとしては、例えばジステア
リルケトン等が挙げられる。
【0014】式(VI)〜(IX)で示されるフェノール性
水酸基を有する電子受容性化合物としては、例えば下記
の化合物が挙げられる。4,4′−シクロヘキシリデン
ビス(3−メチルフェノール)、5,5′−(1,1−
シクロヘキシリデン)ビス(1,1′−ビフェニル)−
2−オール、9,9′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン、9,9′−ビス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン、4,4′,4″−エチ
リデントリス(2−メチルフェノール)、4,4′−
(3,4−ジオール−ベンジリデン)ビス(2,6−ジ
メチルフェノール)、1−(4−ヒドロキシフェニル)
−1−(3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1−
(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(2
−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキサン、4,4′
−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔2−
シクロヘキシル−5−メチルフェノール〕、4,4′−
シクロペンチリデンビス(2−メチルフェノール)、
4,4′−(1−フェニルエチリデンビス)〔2−メチ
ルフェノール〕、4,4′−シクロヘキシリデンビス
(2,6−ジメチルフェノール)、4,4′−シクロヘ
キシリデンビス〔2−(1,1−ジメチルエチル)フェ
ノール〕、4,4′−シクロヘキシリデンビス〔2−シ
クロヘキシルフェノ−ル〕、2,2′−〔(2−ヒドロ
キシフェニル)メチレン〕ビス〔3,5−ジメチルフェ
ノ−ル〕、4,4′−〔(3,4−ジヒドルキシフェニ
ル)メチレン〕ビス〔2,3,6−トリメチルフェノー
ル〕、4,4′−〔(3−メトキシ−4−ヒドロキシフ
ェニル)メチレン〕ビス〔2−シクロヘキシル−5−メ
チルフェノール〕、2−(2−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ
−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オク
チルオキシフェニル)ベンゾトリアゾールである。本発
明においては、これらの中でも、4,4′−シクロヘキ
シリデンビス〔2−シクロヘキシルフェノール〕、4,
4′−シクロヘキシリデンビス〔3−メチルフェノー
ル〕が非常に高い発色濃度が得られる点で好ましい。
【0015】ラクトン環を有する電子供与性呈色性化合
物は、従来公知のロイコ染料、例えばトリアリールメタ
ン系化合物やフルオラン系化合物等が用いられる。具体
例を示すと、例えば、クリスタルバイオレットラクト
ン、3−ジプロピルアミノ−7−クロロフルオラン、3
−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−N,N−n−プロピル−n−ブチルアミノ−7−ア
ミノフルオラン、3−ブチルアミノ−7−t−ブチルフ
ルオラン、3−ブチルアミノ−7−メチルフェニルフル
オラン、3−オクチルアミノ−7−アニリノフルオラ
ン、3−ヘキサデカアミノ−7−メチルアミノフルオラ
ン、3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−7−o−クロロアニリノフル
オラン、3−ジブチルアミノ−7−p−3−アセチルア
ニリノフルオラン、3−ピロリジノ−7−o−トルイジ
ノフルオラン、3−N,N−シクロヘキシル−n−ブチ
ルアミノ−7−p−アセチルアミノフルオラン、3−オ
クチルアミノ−7−(2,4−ジニトロアニリノ)フル
オラン、3−N,N−n−ブチル−n−プロピルアミノ
−7−m−アセチルアニリノフニオラン、3−ジエチル
アミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン等が挙げ
られる。
【0016】消色作用のある熱可塑性樹脂としては、前
記の式(I)〜(V)で表される化合物より選ばれる少
なくとも1種の有機化合物と、該有機化合物の融点の温
度から200℃の間の温度で相溶状態を形成することの
できる樹脂が用いられる。ここでいう相溶状態とは、顕
微鏡により50倍で観察した時、相分離が認められない
均質な状態をいう。本発明においては、このような樹脂
の中でもそのガラス転移温度(以下「Tg」と称す)が
30〜110℃であり、該Tg以上でゴム状弾性領域を
もつ疎水性樹脂が好適に用いられる。特に酢酸ビニル
系、アクリル酸系、メタクリル酸系の単独重合体、共重
合体が好ましい。
【0017】具体例としては、ポリ酢酸ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、アクリル酸−メタ
クリル酸共重合体、アクリル酸−塩化ビニル共重合体、
ポリアクリル酸−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピオン
酸ビニル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリ
エステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体
等が挙げられる。以上の樹脂のうち、特にポリ酢酸ビニ
ル、アクリル酸−メタクリル酸共重合体が好適である。
本発明においては、上記の如き樹脂に限定されることな
く、Tg以上でゴム状弾性領域を有する樹脂を適宜使用
することができる。なお、ゴム状弾性領域を持たない樹
脂は良好な可逆性が得られない。
【0018】本発明の可逆性感熱記録媒体においては、
上記の如き各成分の割合は使用する成分の物性によって
適切な比率を選択する必要がある。ラクトン環を有する
電子供与性呈色性化合物とフェノール性水酸基を有する
電子受容性化合物との割合は重量比で7:1〜1:3の
範囲が適当であり、好ましくは2:1〜1:1の範囲で
ある。一般式(I)〜(V)で表される有機化合物の含
有量は重量比でラクトン環を有する電子供与性呈色性化
合物とフェノール性水酸基を有する電子受容性化合物の
合計量に対し、同量の1〜6倍量が適当であるが、好ま
しくは3〜4倍量の範囲である。また、消色作用のある
熱可塑性樹脂の含有量はかかる4成分全体の15〜70
重量%であり、好ましくは20〜60重量%、特に好ま
しくは30〜55重量%である。なお、熱可塑性樹脂の
含有量が15重量%未満の場合は良好な可逆特性が得ら
れず、70重量%より多いと発色濃度が低下する。
【0019】本発明の可逆性感熱記録媒体は例えば次の
方法によって得ることができる。まず初め、ラクトン環
を有する電子供与性呈色性化合物、式(VI)〜(IX)で
表されるフェノール性水酸基を有する電子受容性化合
物、式(I)〜(V)で表される有機化合物、消色性の
ある熱可塑性樹脂、又、必要に応じて発色の鮮明性を向
上するためにさらに炭酸カルシウム、酸化カルシウム、
シリカ等のフィラーや可塑剤を添加し、トルエン、TH
F等の溶剤を加え分散機にて混合して感熱記録層塗布液
を調製する。ついで、この感熱記録層塗布液をプラスチ
ックシート、紙等の支持体上に塗布乾燥後の膜厚が2〜
20μmになるように均一に塗工する。このようにして
本発明の可逆性感熱記録媒体が得られる。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例及び比較例により、さら
に詳細に説明する。下記例中の「部」は「重量部」を意
味する。 実施例1 下記の組成よりなる感熱記録層用塗液をガラスビーズを
用いた分散装置にて1時間分散して作製した後、厚さ7
5μmのPETフィルム上にバーコーターを用いて塗布
し、155℃で5分間乾燥して、厚さ10μmの感熱記
録層を設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール) 2部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 8部 トルエン 80部
【0021】実施例2 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′−シクロペンチリデンビス(2−メチルフェノール) 3部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 7部 トルエン 80部
【0022】実施例3 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 9,9′−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン 3部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 7部 トルエン 80部
【0023】実施例4 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフェノール) 3部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 7部 トルエン 80部
【0024】実施例5 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′,4″−エチリデントリス(2−メチルフェノール) 3部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 7部 トルエン 80部
【0025】実施例6 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール 4部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 8部 トルエン 80部
【0026】実施例7 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)セバケート 4部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 8部 トルエン 80部
【0027】実施例8 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチレンステアリックアシ ッド 4部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 8部 トルエン 80部
【0028】実施例9 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール) 2部 エチレンビスステアリン酸アミド 8部 アクリル酸系樹脂(三菱レイヨン社製、ダイヤナールBR−113 6部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 8部 トルエン 80部
【0029】実施例10 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で本発明の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール) 2部 N−ステアリル−N′−ステアリル尿素 1部 ベヘン酸アミド 7部 アクリル酸系樹脂(三菱レイヨン社製、ダイヤナールBR−113 1部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 6部 トルエン
【0030】比較例1 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で比較用の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 ビスフェノールA 4部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 10部 トルエン 80部
【0031】比較例2 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で比較用の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール) 2部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 10部 トルエン 80部
【0032】比較例3 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で比較用の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール) 4部 ステアリン酸アミド 10部 ポリ酢酸ビニル(電気化学工業社製、サクノールSN-10 ) 1.5部 トルエン 80部
【0033】比較例4 下記の組成の塗液で、実施例1と同様の方法で比較用の
可逆性感熱記録媒体を作製した。 クリスタルバイオレットラクトン 2部 4,4′−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール) 4部 ステアリン酸アミド 10部 ポリビニルアルコール 8部 トルエン 80部
【0034】実施例1〜10及び比較例1〜4につい
て、まず130℃に加熱したホットプレートにのせ加熱
後、常温まで冷却し、発色状態(発色濃度)及び発色過
程に要する降温(冷却)時間〔反応速度〕を評価した。
次に160℃に加熱したホットプレートにのせ加熱後、
冷却し発色温度より高い消色温度域での消色状態(消色
濃度)及び消色過程に要する降温(冷却)時間〔反応速
度〕を評価した。これを再び同様の130℃加熱→冷却
及び160℃加熱→冷却を行い、再現性を評価すること
によって可逆特性を評価した。なお、評価は濃度をマク
ベス濃度計(マクベス社製、RD−914)で測定し、
反応速度及び可逆特性は目視により判定した。これらの
結果は表1に示すとおりである。表1の結果から明らか
なように、本発明の可逆性感熱記録媒体は比較例の発色
濃度より明らかに発色濃度が高く、かつ、繰り返しの発
色・消色性が良く、優れた可逆特性を有してこることが
確認できた。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明による可逆性感熱記録媒体は、熱
エネルギーの制御によって容易に発色および消色を行な
うことができ、高コントラストでメモリー性を有するの
で書き換え型の感熱記録媒体としても使用することがで
きる。しかも、消色温度が発色温度より低い領域と高い
領域の両方の領域にあるため、さまざまな用途への応用
が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可逆性感熱記録媒体の温度変化によ
る発色濃度変化を示すグラフである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にラクトン環を有する電子供与
    性呈色性化合物、フェノール性水酸基を有する電子受容
    性化合物、下記式(I)〜(V)で表される化合より
    選ばれる少なくとも1種の有機化合物、消色作用のある
    熱可塑性樹脂を主成分として構成され、消色作用のある
    熱可塑性樹脂の含有量が全体の15〜70重量%である
    感熱記録層を設けた可逆性感熱記録媒体において、その
    フェノール性水酸基を有する電子受容性化合物が、下記
    式(VI)〜 (VIII) で表される化合物を少なくとも1種以
    上含むことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 【化1】 R1 −CO−N(R2 )R3 (I) R1 −CO−NH−R4−NH−CO−R2 (II) R1 −CO−O−R2 (III ) R1 −NH−CO−NH−R2 (IV) R1 −CO−R2 (V) ・R1 :アルキル基、アリール基、アルケニル基、ヒド
    ロキシアルキル基 ・R2 ,R3 :水素原子、アルキル基、アリール基、ヒ
    ドロキシアルキル基、アルケニル基、 R4 :アルキレン基 【化2】 ・R5 ,R6 :アルキル基、アリール基、ヒドロキシア
    ルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、(R
    5 とR6 は2つついていてもよい) ・R7 :水素原子、水酸基 ・nは2、4、5または6の数 【化3】 ・R8 ,R9 :水素原子、アルキル基 【化4】 ・R10 ,R11 ,R12:水素原子、アルキル基、シク
    ロヘキシル基(R 10 とR 11 は2つついていてもよい)
    13: 水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基
  2. 【請求項2】 フェノール性水酸基を有する電子受容性
    化合物として前記(VI) 〜(VIII )の代わりに下記式
    (IX)で表される化合物を、少なくとも1種用いること
    を特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。 【化5】 14:水素原子、アルキル基、アルコキシ基(なお、ア
    ルキル基の場合は2つつ いていてもよい)15:アルキ
    ル基、ハロゲン原子、水素原子
  3. 【請求項3】 フェノール性水酸基を有する電子受容性
    化合物として前記(VI) 〜(VIII )の代わりに、コハク
    酸ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
    ニル)エステル、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
    ヒドロキシフェニル)セバケート又は3,5−ジ−t−
    ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチレンステアリック
    アシッドエステルを用いることを特徴とする請求項1に
    記載の可逆性感熱記録媒体。
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