JP3193824B2 - チタン酸アルカリ土類金属塩多結晶繊維の製造方法 - Google Patents

チタン酸アルカリ土類金属塩多結晶繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体・圧電体の材
料、金属・プラスチック等の補強繊維、ブレーキパッド
等の摺動部における摩擦材の基材繊維、塗料の充填材等
として有用なチタン酸アルカリ土類金属からなる多結晶
繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン酸アルカリ土類金属塩は、強度,
耐熱性,断熱性,耐摩耗性等に優れ、かつ高誘電性を有
する合成無機化合物であり、ファインセラミックス原料
として、例えばその焼結体は誘電体・圧電体等のエレク
トロニクス産業用素材として実用されている。近時はチ
タン酸アルカリ土類金属塩に形状異方性を付与し、その
形状異方性による特性・性能の向上、用途の拡大・多様
化の試みが鋭意なされている。形状異方性を有するチタ
ン酸アルカリ土類金属塩の製造方法として、これまでに
も種々の工夫がなされ、例えば、含水二酸化チタンの針
状粒子粉末にバリウム化合物粉末を混合して焼成処理す
る方法(特開昭57-88030号公報) 、水和チタン酸カリウ
ム粉末もしくは二酸化チタン水和物と二価金属イオンを
含む溶液を、密閉容器中もしくは熱水条件下に反応させ
る方法( 特開昭55-113623 号公報) 、二チタン酸カリウ
ムの結晶性繊維状物と二価金属の化合物の水溶液を反応
させる方法(特開昭62-21799号公報) 、二チタン酸カリ
ウムや六チタン酸カリウム等のチタン酸アルカリ金属塩
をチタン源とし、これにアルカリ土類金属の無機もしく
は有機化合物と、フラックス成分(アルカリ金属のハロ
ゲン化物等)を混合して焼成処理する方法(特開平2-16
4800号公報) 、繊維状チタニア化合物を原料とし、その
表面にアルカリ土類金属の炭酸塩を沈着させたうえ、熱
処理する方法(特開平3-16917 号公報) 等、多数の提案
がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の製
造方法により得られるチタン酸アルカリ土類金属塩は、
いずれも極微細のウィスカ状である。そのため、これを
焼結原料粉末として、例えば圧電体等の焼結品を製造す
る場合は、粒子同士の接触界面の摩擦抵抗による粒界の
接触不良を生じ易く高緻密質の焼結品を得ることが困難
であり、その形状異方性に基づく配向性による材質改善
効果を十分に発現させることも困難である。また、例え
ば樹脂塗料の充填材・顔料等として使用する場合は、比
表面積・吸油量(JIS K5101) の著しい増大(塗料の増粘
傾向が顕著)による塗料調製の困難を免れず、塗膜性能
改善効果も乏しい。しかも、ウィスカ状の極微細繊維
は、アスベスト繊維に指摘さていると同様に微細粉塵
(断面径約1μm以下)の発生による健康面での問題が
付随する。そこで、本発明は、上記欠点がなく、焼結原
料として高緻密質な焼結体の製造を可能とし、また金属
やプラスチック等に配合して高配向性による良好な補強
効果等が得られるチタン酸アルカリ土類金属塩の多結晶
繊維を、複雑な処理工程を要することなく製造する方法
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のチタン酸アルカ
リ土類金属塩多結晶繊維の製造方法は、TiO2 または
加熱によりTiO2 を生成するチタン化合物と、K2
または加熱によりK2 Oを生成するカリウム化合物と
を、TiO2 /K2 Oのモル比が1.5〜2.7となる
割合に配合した混合物を加熱溶融し、溶融生成物を冷却
凝固して得られる、繊維状二チタン酸カリウム結晶を含
む塊状物を酸水溶液で処理することにより、多結晶繊維
形態を有する水和チタン酸の粉末を得た後、上記水和チ
タン酸粉末と、アルカリ土類金属の酸化物もしくは加熱
により酸化物となるアルカリ土類金属化合物とを、MO
/TiO2 (式中、Mはアルカリ土類金属)のモル比が
1/1〜1.5/1となる比率に配合すると共に、フラ
ックスとしてアルカリ金属ハロゲン化物を、前記混合物
100重量部に対し、20〜100重量部配合して均一
に混合し、上記混合物を温度600〜1000℃で焼成
処理することにより、水和チタン酸を、チタン酸アルカ
リ土類金属塩に組成変換せしめ、ついで、焼成物中に残
留する原料物質を水ないしは酸水溶液で分離除去するこ
とを特徴としている。
【0005】
【作用】水和チタン酸(TiO2 ・n H2 O)の多結晶
繊維をチタン源化合物とし、これにアルカリ土類金属化
合物とフラックス成分を前記所定の割合に配合して調製
された混合物の焼成工程において、アルカリ土類金属は
フラックスの融液を介して水和チタン酸の結晶中に拡散
し反応する。その反応工程において、水和チタン酸の結
晶は、当初の繊維形態を殆ど損なわれることなく、チタ
ン酸アルカリ土類金属塩〔MTiO3 〕の結晶構造と化
学組成に変換する。すなわち、チタン源化合物として使
用した水和チタン酸の繊維形態をほぼそのまま受け継い
だチタン酸アルカリ土類金属塩〔MTiO3 〕の多結晶
繊維が収得される。
【0006】以下、本発明について詳しく説明する。 〔チタン源化合物(多結晶繊維形状を有する水和チタン
酸)の製造〕本発明により得られるチタン酸アルカリ土
類金属塩は、出発原料中のチタン源化合物である水和チ
タン酸の繊維形態をほぼそのまま受け継いだ繊維形態を
有し、従ってチタン源化合物である水和チタン酸の繊維
形態は重要である。そのチタン源化合物として本発明に
使用される水和チタン酸結晶は、TiO2または加熱に
よりTiO2 を生成するチタン化合物と、K2 Oまたは
加熱によりK2 Oを生成するカリウム化合物との混合物
を加熱溶融し、その溶融生成物を冷却凝固し、ついてカ
リウム溶出と解繊処理を行うことにより得られる多結晶
繊維である。
【0007】まず、上記水和チタン酸結晶の製造につて
い説明する。TiO2 または加熱によりTiO2 を生成
するチタン化合物は、精製アナターゼ粉末、精製ルチル
粉末、あるいは塩化物〔TiCl2,TiCl3 等〕、硫
酸塩〔Ti(SO4 2 等〕、水和物〔H4 TiO4,
4 TiO3 等〕等であり、K 2 Oまたは加熱によりK2
Oを生成するカリウム化合物は、代表的には炭酸カリウ
ム( K2 CO3 )であり、このほか水酸化物,硝酸塩等
が使用することもできる。上記チタン化合物とカリウム
化合物を、TiO2 /K2 Oのモル比が、約1.5〜
2.7となる割合に混合する。両者の混合割合をこのよ
うに規定するのは、その加熱溶融生成物の冷却凝固にお
いて初生相として二チタン酸カリウム結晶(K2 O・2
TiO2 )を効率よく生成させるためであり、また二チ
タン酸カリウム結晶を初生相として生成させるのは、こ
のものが層状の結晶構造を有し、Kイオンの溶出および
多結晶繊維への解繊処理を効率よく達成することができ
るからである。しかも、このモル比の範囲の混合物は、
比較的低い温度域(約1150℃以下)で溶融反応を行
わせることができ、溶解設備のメンテナンスや熱経済性
等の点でも好適である。
【0008】上記チタン化合物とカリウム化合物との混
合物を加熱溶融し、溶融生成物を冷却容器に注ぎ出し、
一方向凝固を行わせて塊状物を得る。塊状物は、冷却凝
固過程の温度勾配に沿って初生相として成長した繊維状
二チタン酸カリウム結晶の束状集合体である。得られた
塊状物は、ついでこれを液中に浸漬し、結晶中のKイオ
ンの全量を溶出させて水和チタン酸に組成変換すると共
に、繊維同士の結合を解き、多結晶繊維に解繊する。こ
の脱カリウム・解繊処理は、酸水溶液、例えば0.8%
以上の硫酸水溶液、0.8%以上の塩酸水溶液等を処理
液として適当時間浸漬することにより行われる。二チタ
ン酸カリウム結晶(層状構造)中のKイオンはH+ やH
3 + イオンで置換され、またこれに伴う膨潤・剥離に
より解繊される。そのKイオンの溶出・解繊を促進する
ためにプロベラ等による攪拌が必要に応じて施される。
解繊された繊維を液中から回収し(必要に応じ洗浄し)
たうえ、脱水乾燥する。こうして得られる水和チタン酸
の多結晶繊維は、長さ約50〜200μm、幅約10〜
50μm、厚さ約5〜10μm、アスペクト比(長さ/
幅)約3〜7の板状繊維形態を有している。
【0009】〔原料混合物の調製〕原料混合物は、上記
溶融工程と脱カリウム・解繊処理工程を経由して得られ
る多結晶繊維形態を有する水和チタン酸〔TiO2 ・n
2 O〕の粉末をチタン源化合物とし、これにアルカリ
土類金属酸化物(または加熱により該酸化物を生成する
アルカリ土類金属化合物〕と、フラックス成分とを均一
に混合することにより調製される。アルカリ土類金属の
化合物には、Ba,Mg,Ca,St,Be等の酸化物
のほか、水酸化物、ハロゲン化物(塩化物,臭化物,ふ
っ化物等)、または炭酸塩,硝酸塩,リン酸塩等の無機
酸塩類、酢酸塩,蓚酸塩,ステアリン酸塩等のカルボン
酸塩や、アルコキシド等の有機化合物等であって、焼成
反応温度域で分解しMOを生成する化合物が適宜使用さ
れる。チタン源(水和チタン酸)〔TiO2 ・n H
2 O〕に対するアルカリ土類金属化合物の配合比率は、
MO/TiO2 (Mはアルカリ土類金属を表す)のモル
比で1/1〜1.5/1とする。配合比率の下限を1/
1とするのは、それより低い配合比では、MOと反応し
ないTiO2 の余剰の残留のため、目的とするチタン酸
アルカリ土類金属塩〔MTiO3 〕の単相を得ることが
できず、上限を1.5/1とするのは、それを超える
と、残留する未反応MOの除去処理が困難となるからで
ある。
【0010】フラックス成分は、焼成工程において、そ
の融液を介して水和チタン酸の結晶とアルカリ土類金属
との反応を行わせる作用を有し、その反応によりチタン
源として使用した水和チタン酸の当初の繊維形態を保持
した、チタン酸アルカリ土類金属塩の多結晶繊維が生成
する。フラックス成分であるアルカリ金属(Na,K,
Li,Ce等)のハロゲン化物は、塩化物,臭化物,ふ
っ化物等である。そのアルカリ金属ハロゲン化物は1種
の単独使用としてよく、また所望により2種以上が複合
的に使用される。その選択は任意であるが、取扱いの容
易性からは塩化物が好ましく使用される。また、複合使
用の場合において、例えば、塩化ナトリウム(NaC
l)と塩化カリウム(KCl)を、NaCl/KCl
(モル比)約0.5/1〜1/0.5の割合に混合して
使用することは、それらの単独使用に比べ、フラックス
の融点を下げ、焼成処理を比較的低温域で行うことを可
能とし、熱経済性の改善に有効である。チタン源化合物
とアルカリ土類金属化合物との混合物に対するフラック
ス成分の配合割合は特に限定されないが、反応を促進さ
せ、チタン酸アルカリ土類金属塩〔MTiO3 〕単相繊
維の収率を高める点から、チタン源化合物とアルカリ土
類金属化合物との合計量100重量部に対し、20重量
部以上とするのよい。しかし、その配合割合が高くなり
過ぎると、その後に行うフラックス除去処理の困難が増
し、コスト高となるので、100重量部までとするのが
適当である。
【0011】上記原料混合物を調製するための混合方法
には特に制限はなく、乾式または湿式混合法として知ら
れる各種の方法を適用して行えばよい。湿式混合法によ
る場合は、混合物をスプレードライア等に供して適当な
粒度の造粒粉として使用することも混合物の均一性を確
保するのに好ましいことである。
【0012】〔焼成処理〕原料混合物の焼成処理は、温
度600〜1000℃に加熱し、フラックスを溶融状態
として適当時間(例えば0.5〜5Hr)保持すること
により行われる。焼成処理温度の下限を600℃とする
のは、それより低温度では、水和チタン酸とアルカリ土
類金属との反応を効率よく進めることができないからで
あり、1000℃を上限とするのは、それを超える高温
度では、多結晶繊維の水和チタン酸の繊維形態が損なわ
れることになるからである。好ましくは、600〜80
0℃である。
【0013】〔焼成物の洗浄処理〕焼成反応終了後、反
応生成物であるチタン酸アルカリ土類金属塩〔MTiO
3〕を含む焼成物を、水,温水、または酸水溶液で洗浄
処理して、焼成物中に残留するフラックスや、未反応物
質を除去する。その処理効率を高める点からは、酸水溶
液、例えばpH約3以下の塩酸,あるいは硫酸水溶液等
を使用するのが有利である。また、必要に応じ、処理液
にプロベラ攪拌が加えられる。処理液から残分を回収
し、洗浄し、脱水乾燥することにより、目的物であるチ
タン酸アルカリ土類金属塩の多結晶繊維形態を得る。そ
の繊維形態は、長さ約50〜200μm、幅約10〜5
0μm、厚さ約5〜10μm、アスペクト比(長さ/
幅)約3〜7である。
【0014】
【実施例】〔チタン源(水和チタン酸多結晶繊維)の製
造〕 (1) 原料調製: 精製アナターゼ粉末(99.8%) と工業用炭酸カリウム
末(99.5 %) とを、TiO2 / K2 Oのモル比が約2と
なる割合に混合。 (2) 加熱溶融および溶融生成物の冷却凝固: 上記原料を白金るつぼに入れ、温度1100℃で40分間を要
して加熱溶融。溶融生成物を皿状容器(銅製)に流し込
み、繊維状二チタン酸カリウム結晶(K2 Ti2 5
を含む塊状物を得る。 (3) 脱カリウム・解繊処理: 塊状物を50倍(重量比) の水に一夜浸漬した後、工業用
硫酸(62.5 %) を、塊状物と同量添加し、プロベラ攪拌
下、4時間を要して脱カリウム(Kの全量溶出)と解繊
を行い、下記の繊維を得る。 繊維組成:水和チタン酸(TiO2 ・n H2 O)〔X線
回折〕。 繊維サイズ(平均):長さ200μm、幅50μm、厚
さ10μm、 アスペクト比4〔走査型電子顕微鏡〕。
【0015】〔実施例1〕 (1) 原料調製:前記工程で得たチタン源化合物である水
和チタン酸の多結晶繊維粉末に、アルカリ土類金属化合
物として炭酸カルシウム(CaCO3 )、およびフラックス
として塩化ナトリウム(NaCl)と塩化カリウム(KCl) を、
下記の割合に配合。これを水中に分散し、攪拌混合の
後、脱水乾燥して出発原料とする。 チタン源化合物〔水和チタン酸粉末〕 …70g アルカリ土類金属化合物〔炭酸カルシウム〕 …131.55g フラックス〔塩化ナトリウム〕 …20.23g 〔塩化カリウム〕 …51.62g (炭酸カルシウム/チタン源化合物モル比(CaO/T
iO2 ):1.5/1 フラックス/(チタン源化合物+炭酸カルシウム)の重
量比:1/5)。
【0016】(2) 焼成処理:上記原料を白金るつぼに入
れ、処理温度を800 ℃とし、1時間加熱保持。 (3) 洗浄処理:焼成物の50倍(重量比)の水に塩酸を添
加した酸性水溶液〔pH 3,液温 60 ℃〕に焼成物を投入
して攪拌を加え、未反応の炭酸カルシウム、およびフラ
ックス成分を除去。繊維を液中から回収し、脱水乾燥。 繊維の収率(チタン源化合物である水和チタン酸粉末重
量に対する比)は、ほぼ100%であり、繊維組成およ
びサイズは次のとおりである。 繊維組成:CaTiO3 (ペロブスカイト)〔X線回
折〕 繊維サイズ(平均):長さ200 μm、幅50μm、厚さ10
μm、アスペクト比(長さ/幅)4〔走査型電子顕微
鏡〕。 図1に上記ペロブスカイト繊維の電子顕微鏡(SEM)像
を、図3にX線回折パターンを示す。
【0017】〔実施例2〕 (1) 原料調製:前記水和チタン酸の多結晶繊維粉末に、
アルカリ土類金属化合物として炭酸バリウム(BaCO3
を、フラックスとして塩化ナトリウム(NaCl)と塩化カリ
ウム(KCl) を下記の割合に配合。混合物を水中に投入
し、攪拌混合の後、脱水乾燥して出発原料とする。 チタン源化合物〔水和チタン酸〕 …25g アルカリ土類金属化合物〔炭酸カルシウム〕 …92.62g フラックス〔塩化ナトリウム〕 …5.46g 〔塩化カリウム〕 …13.93g (炭酸バリウム/チタン源化合物モル比(BaO/Ti
2 ):1.5/1 フラックス/(水和チタン酸+炭酸バリウム)の重量
比:1/5。
【0018】(2) 焼成処理:実施例1と同じ(処理温度
800 ℃, 時間1Hr)。 (3) 洗浄処理:実施例1と同じ〔塩酸酸性水溶液(pH
3,液温 60 ℃)中で攪拌し、未反応物質,フラックス
成分を除去して繊維を回収〕。 繊維の収率は、ほぼ100%であり、繊維組成およびサ
イズは次のとおりである。繊維組成:BaTiO3 (チ
タン酸バリウム)〔X線回折〕 繊維サイズ(平均):長さ200 μm、幅50μm、厚さ10
μm、アスペクト比(長さ/幅)4〔走査型電子顕微
鏡〕。 図2に上記チタン酸バリウム繊維の電子顕微鏡(SEM)像
を、図4にX線回折パターンを示す。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、複雑な処理工程や特殊
な装置を必要とせず、水和チタン酸の多結晶繊維をチタ
ン源化合物として焼成工程と洗浄工程を経由する簡素な
工程により、水和チタン酸の繊維形態を略そのまま受け
継いだ板状多結晶繊維形態を有するチタン酸アルカリ土
類金属塩繊維を製造することができる。本発明により製
造されるチタン酸アルカリ土類金属塩多結晶繊維は、形
状異方性による配向性が高く、ファインセラミックス原
料として、例えば圧電体・誘電体等の焼結原料、自動車
用ブレーキパッド等の摩擦材の基材繊維、プラスチック
や金属の補強繊維、塗料の充填材等として、その高配向
性による特性・性能の改善効果を得ることができる。ま
た、本発明のチタン酸アルカリ土類金属塩多結晶繊維
は、塗料や樹脂等の充填材として使用する場合にも、ウ
ィスカ状の極微細繊維を使用する場合のような不具合
(増粘による均一混練の困難等)を付随することがな
く、ブレーキ等の摩擦材に適用した場合にも、実使用時
の摩擦面から発生する粉塵中に、環境衛生上有害とされ
ている極微細繊維片(断面径約1μm以下)が混在する
おそれもない。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたチタン酸アルカリ土類金属
塩多結晶繊維の例を示す図面代用顕微鏡写真(倍率×1
00)である。
【図2】実施例2で得られたチタン酸アルカリ土類金属
塩多結晶繊維の例を示す図面代用顕微鏡写真(倍率×1
00)である。
【図3】実施例1で得られたチタン酸アルカリ土類金属
塩多結晶繊維のX線回折パターンの例を示す図である。
【図4】実施例2で得られたチタン酸アルカリ土類金属
塩多結晶繊維のX線回折パターンの例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−260822(JP,A) 特開 昭57−88030(JP,A) 特開 昭55−113623(JP,A) 特開 昭62−21799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 23/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TiO2 または加熱によりTiO2 を生
    成するチタン化合物と、K2 Oまたは加熱によりK2
    を生成するカリウム化合物とを、TiO2 /K2 Oのモ
    ル比が1.5〜2.7となる割合に配合した混合物を加
    熱溶融し、 溶融生成物を冷却凝固して得られる、繊維状二チタン酸
    カリウム結晶を含む塊状物を酸水溶液で処理することに
    より、多結晶繊維形態を有する水和チタン酸の粉末を得
    た後、 上記水和チタン酸粉末と、アルカリ土類金属の酸化物も
    しくは加熱により酸化物となるアルカリ土類金属化合物
    とを、MO/TiO2 (式中、Mはアルカリ土類金属)
    のモル比が1/1〜1.5/1となる比率に配合すると
    共に、フラックスとしてアルカリ金属ハロゲン化物を、
    前記混合物100重量部に対し、20〜100重量部配
    合して均一に混合し、 上記混合物を温度600〜1000℃で焼成処理するこ
    とにより、水和チタン酸を、チタン酸アルカリ土類金属
    塩に組成変換せしめ、 ついで、焼成物中に残留する原料物質を水ないしは酸水
    溶液で分離除去することを特徴とするチタン酸アルカリ
    土類金属多結晶繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 水和チタン酸の多結晶繊維が、長さ:5
    0〜200μm、幅:10〜50μm、厚さ:5〜10
    μm、アスペクト比(長さ/幅):3〜7の繊維サイズ
    を有することを特徴とする請求項1に記載のチタン酸ア
    ルカリ土類金属多結晶繊維の製造方法。
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