JP2731580B2 - 白色導電性六チタン酸カリウム繊維及びその製造法 - Google Patents

白色導電性六チタン酸カリウム繊維及びその製造法

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JP2731580B2 JP8130389A JP8130389A JP2731580B2 JP 2731580 B2 JP2731580 B2 JP 2731580B2 JP 8130389 A JP8130389 A JP 8130389A JP 8130389 A JP8130389 A JP 8130389A JP 2731580 B2 JP2731580 B2 JP 2731580B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、プラスチックスの補強材及び導電性付与剤
或いは帯電防止剤として有用な、繊維表面に二酸化チタ
ンの被覆層を有し、更にその上に酸化スズ−酸化アンチ
モン系導電性被覆層を有していることを特徴とする白色
導電性チタン酸カリウム繊維及びその製造法に関する。
従来の技術 プラスチックス等に対する補強性の白色導電材料とし
て、表面が酸化スズで覆われた繊維状チタン酸カリウム
を主成分とする白色導電性物質が特公昭61−26933号で
提案されている。しかしながら、この白色導電性物質
は、粉体抵抗値が高く導電性付与剤としては不満足なも
のであり、導電層を酸化スズと酸化アンチモンの組成に
変えても粉体抵抗値が50〜100Ω・cm程度のものしか得
られないという問題点を有している。また特開昭61−13
6532号にもチタン酸カリウム繊維表面にアンチモンを含
有する酸化スズからなる被覆層を形成させた白色導電性
物質が開示されている。該公開特許公報によると、白色
導電性物質中の酸化アンチモンと酸化スズの全含有率が
49〜51%で粉体抵抗値が20〜30Ω・cmを示すとされてい
る。しかしながらこの物質は、チタン酸カリウム繊維表
面の被覆層の厚さが厚過ぎること及び比重の大きい酸化
スズの含有率が高過ぎることの為に単位重量当たりの補
強効果及び導電性付与効果に劣るという問題点を有して
いるのみならず、高価格である酸化スズの含有率が高い
為に白色導電性物質の価格が必然的に高くなるので実用
性に乏しい。尚、特開昭61−136532号明細書には、チタ
ニア繊維表面にアンチモンを含有する酸化スズからなる
被覆層を形成させても、粉体抵抗値が150Ω・cm程度の
白色導電性物質しか得られないと記載されているが、チ
タニア繊維は強度が小さく、補強性の導電性物質の基材
材料としても好ましいものではない。
特開昭62−122005号にはチタン酸カリウム繊維の構成
成分中のアルカリが溶出する条件で酸処理し、該酸処理
後のアルカリ分の減少したチタン酸カリウム繊維の表面
に導電性金属化合物を被覆してなる導電性に優れた繊維
状白色導電性フィラーの製造方法が開示されている。し
かしながら、該公開特許公報により得られる白色導電性
物質は、その物質中のアンチモン成分と酸化スズの全含
有率が49〜51%で粉体抵抗値が20〜30Ω・cmを示すとさ
れており、特開昭61−136532号の白色導電性物質と同様
な問題点を有している。
特開昭63−233016号には不純物含有量3重量%以下の
高品位酸化チタンの表面に酸化スズ及び酸化アンチモン
から成る導電層を有することを特徴とする針状導電性酸
化チタンが開示されているが、この針状導電性酸化チタ
ンは長さが10μm以下と短い為に補強材としての性能に
問題がある。
発明が解決しようとする課題 このように従来の繊維状白色導電性物質は高価であっ
たり、粉体抵抗値が高かったり、あるいは補強性に問題
があったりして補強性の白色導電性物質として好ましい
ものではなく、新規な材料の開発が望まれていた。
本発明は従来の白色導電性物質のような欠点を有しな
い、安価でかつ優れた補強効果と導電性付与効果を有す
る白色導電性物質及びその製造法を提供することを目的
とする。
課題を解決する手段 本発明者らは上記の課題を解決する為鋭意研究を行っ
た結果、トンネル構造を有する六チタン酸カリウム繊維
表面に酸化スズ−酸化アンチモン系導電性皮膜を生成せ
しめるに際し、予め該六チタン酸カリウム繊維表面を結
晶性良好な二酸化チタンで被覆処理すると上記目的を満
足し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は繊維表面に二酸化チタンの被覆層を有
し、更にその上に酸化スズ−酸化アンチモン系皮膜を有
することを特徴とする白色導電性六チタン酸カリウム繊
維を提供するものである。本発明は更に、上記白色導電
性六チタン酸カリウム繊維の製造方法に関する。
本発明の白色導電性六チタン酸カリウム繊維は、平均
繊維長が10μm以上でかつ平均アスペクト比(平均繊維
長/平均繊維径)10以上の二酸化チタン被覆六チタン酸
カリウム繊維を基体物質とし、該二酸化チタン被覆六チ
タン酸カリウム繊維表面に酸化スズと酸化アンチモンを
含む導電層を有するものである。基体物質である二酸化
チタン被覆六チタン酸カリウム繊維の組成は、TiO2/K2O
(モル比)で6.1〜7.5好ましくは6.4〜7.2である。二酸
化チタン被覆六チタン酸カリウム繊維のTiO2/K2O(モル
比)が6.1よりも小さい時には、六チタン酸カリウム繊
維表面の二酸化チタンの皮膜の厚さが薄すぎる為、二酸
化チタン被覆六チタン酸カリウム繊維表面に酸化スズ−
酸化アンチモン系導電性皮膜を形成させる際に、基体の
六チタン酸カリウムに含有されるカリウム成分が酸化ス
ズ−酸化アンチモン系皮膜に拡散することを防ぐことが
できず、所望の導電性を有する白色導電性六チタン酸カ
リウム繊維を得ることができない。またTiO2/K2O(モル
比)を7.5よりも大きくして六チタン酸カリウム繊維表
面の二酸化チタン皮膜の厚さを厚くしても、基体の六チ
タン酸カリウムに含有されるカリウム成分が酸化スズ−
酸化アンチモン系皮膜に拡散することを防ぐ効果の向上
を期待できないので経済的でない。
本発明において、酸化スズ−酸化アンチモン系皮膜は
酸化スズの水和物と酸化アンチモンの水和物からなる被
覆層を加熱、焼成することにより得られる。得られた被
覆層の構造の詳細は不明であり、酸化スズ、酸化アンチ
モンおよびそれらの複合酸化物が混在している可能性
や、酸化スズの結晶のなかにアンチモンが固溶した構造
を有する可能性が考えられるが、本明細書中では、ス
ズ、アンチモン、および酸素の3元素よりなる被覆層を
酸化スズ−酸化アンチモン系被覆層と呼ぶこととする。
基体の二酸化チタン被覆六チタン酸カリウム繊維に被
覆する導電層は、酸化アンチモン成分をSb2O3として好
ましくは5〜30重量%含有し、残りが酸化スズよりなる
物質で、その好ましい被覆量は該二酸化チタン被覆六チ
タン酸カリウム繊維100重量部に対し10〜70重量部であ
る。導電性のアンチモン含有量が5重量%よりも少ない
時には良好な導電性を確保することができない場合があ
り、30重量%以上では導電性が低下したり、繊維の白度
が失われて青黒くなりすぎることがある。また導電層の
被覆量が10重量部より少ないと良好な導電性を確保でき
ない場合がある。また、70重量部より多くても処理量の
増加に応じた導電性向上が期待できず経済的でないだけ
でなく、基体六チタン酸カリウム繊維表面の被覆層の厚
さが厚くなり過ぎること及び比重の大きい酸化スズの含
有率が大きくなり過ぎることの為に単位重量当たりの補
強効果及び導電性付与効果が減少するので望ましくな
い。
本発明の白色導電性六チタン酸カリウム繊維は、その
表面に酸化スズ−酸化アンチモン系導電性皮膜を形成さ
せる際に基体の六チタン酸カリウムに含有されるカリウ
ム成分が酸化スズ−酸化アンチモン系皮膜に拡散するこ
とを防ぐ目的で導電層と基体の六チタン酸カリウムとの
間に結晶性良好な二酸化チタンの皮膜を形成させた物質
なので、従来の白色導電性チタン酸カリウム繊維に比べ
て、より少ない導電層の被覆量で良好な導電性を示す。
即ち、本発明の白色導電性六チタン酸カリウム繊維は基
体の六チタン酸カリウム繊維が持つ優れた補強性と酸化
スズ−酸化アンチモン系導電物質が有する優れた導電性
を有効に活用した白色導電性物質なので単位重量当たり
の導電性付与効果及び補強効果に優れており、特に熱可
塑性樹脂の強化及び導電性付与材として有効である。
本発明の白色導電性チタン酸カリウム繊維の基体であ
る二酸化チタン被覆チタン酸カリウム繊維は以下の二つ
の方法で製造される。
即ち第一の方法は、従来のトンネル構造を有する六チ
タン酸カリウム繊維(K2Ti6O13)をチタニウム塩水溶液
中に分散させて水性スラリーとし、該スラリーにアルカ
リを添加して中和するか、又は該スラリーを加温して、
チタニウムの水和酸化物をチタン酸カリウム繊維表面に
沈着させた後、濾過、洗浄、乾燥後600℃以上に加熱す
る方法であり、第二の方法は、チタン原料化合物とカリ
ウム原料化合物とを、一般式K2O・nTiO2(但しn=2〜
4)で示される割合で配合混合した後、900〜1200℃で
焼成して、塊状のチタン酸カリウム繊維を生成せしめ、
次いで該塊状生成物を水又は温水中に浸漬して単繊維に
解繊した後、該スラリーに酸を添加してpHを9.3〜9.7に
調整後、更に酸を添加してpHを7.0〜9.1に調整すること
により、チタン酸カリウム繊維の組成がTiO2/K2O(モル
比)で6.1〜7.5になるように処理し、次いで600℃以上
に加熱する方法である。
第一の方法において、従来のトンネル構造チタン酸カ
リウム繊維表面に二酸化チタンの皮膜を生成させる際の
チタニウム塩としては、硫酸チタン、硫酸チタニル、四
塩化チタン等が使用できる。チタニウムの水和酸化物を
生成させる際に中和剤として使用するアルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、アンモニア等がある。水和酸化チタ
ンで被覆した後の加熱温度は600℃以上六チタン酸カリ
ウムの溶融点以下ならば特に問題はないが、工業的な実
施を考慮すると700〜1000℃の範囲が好適である。加熱
温度が600℃よりも低い場合にはチタン酸カリウム繊維
表面に生成した二酸化チタンの結晶性が悪い為に、該二
酸化チタン被覆六チタン酸カリウム繊維表面に酸化スズ
−酸化アンチモン系導電性皮膜を生成させる際に、基体
チタン酸カリウムに含有されるカリウム成分が酸化スズ
−酸化アンチモン系皮膜中に拡散することを防ぐことが
できず、所望の導電性の白色導電性物質が得られ難くな
る。加熱時間は30分〜2時間が適当である。
第二の方法の二酸化チタン被覆チタン酸カリウム繊維
の製造に際し、チタン原料化合物としては含水酸化チタ
ン、二酸化チタン、及びルチル鉱などを挙げることがで
き、カリウム原料化合物としては焼成時にK2Oを生じる
化合物、例えばK2O,KOH,K2CO3及びKNO3などを挙げるこ
とができる。
焼成温度は、900〜1200℃の範囲が好ましい。即ち、
焼成温度が900℃より低いと反応が遅く得られるチタン
酸カリウム繊維の長さが短い。又、焼成温度が1200℃よ
り高いと装置の浸食が激しくなり実用的でない。尚、焼
成時間は1〜10時間、好ましくは2〜4時間が適切であ
る。塊状焼成物の解繊操作は、焼成物を適量の水又は温
水中に投入して1〜5時間浸漬後、撹拌することにより
なされる。
解繊終了時のスラリーのpHはスラリー濃度により異な
るが、通常12〜13程度であり、チタン酸カリウム繊維は
四チタン酸カリウム水和物単一相あるいは四チタン酸カ
リウム水和物と六チタン酸カリウムの混合相の状態にあ
る。従って、この状態で濾過、洗浄、乾燥、焼成の操作
を行っても、本発明の白色導電性チタン酸カリウム繊維
の基体として有効なトンネル構造六チタン酸カリウム繊
維の単一相を得ることはできず、層状構造を有する四チ
タン酸カリウムが混在する。
そこでまず、トンネル構造六チタン酸カリウムの単一
相を得ることを目的として解繊終了時のスラリーに酸を
添加してスラリーのpHを9.3〜9.7に調整する。次いで該
六チタン酸カリウム水和物繊維表面層のK2O成分を抽出
して二酸化チタン被覆六チタン酸カリウム繊維を得る目
的でスラリーに酸を添加して該スラリーのpHを7.0〜9.1
に調整する。この操作によりチタン酸カリウム繊維のK2
O成分に対するTiO2成分のモル比を6.1〜7.5に制御する
ことができる。スラリーのpHを調整する為に添加する酸
としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸等が使用で
きる。
組成変換処理を施した後の加熱温度は600℃以上六チ
タン酸カリウムの溶融点以下ならば特に問題はないが、
工業的な実施を考慮すると700〜1000℃の範囲が好適で
ある。加熱温度が600℃よりも低い場合には、チタン酸
カリウムの結晶構造を層状構造から白色導電性チタン酸
カリウムの基体繊維として有効なトンネル構造に変換す
るために長時間を要するために好ましくないのみなら
ず、チタン酸カリウム繊維表面に生成した二酸化チタン
の結晶性が悪い為に、該二酸化チタン被覆六チタン酸カ
リウム繊維表面に酸化スズ−酸化アンチモン系導電性皮
膜を生成させる際に、基体チタン酸カリウムに含有され
るカリウム成分が酸化スズ−酸化アンチモン系皮膜中に
拡散することを防ぐことができず、所望の導電性の白色
導電性物質が得られ難くなる。
皮膜としての二酸化チタンはアナターゼ型、ルチル型
のどちらでも良い。
二酸化チタン被覆チタン酸カリウム繊維表面への酸化
スズ−酸化アンチモン系導電層の被覆処理は、二酸化チ
タン被覆チタン酸カリウム繊維を分散したスラリーに塩
化スズと塩化アンチモンの塩酸水溶液とアンモニア水溶
液とを該スラリーのpHが3〜9を維持するように同時添
加することによって酸化スズと酸化アンチモンの水和物
から成る被覆層を形成させた後、濾過洗浄後400〜700℃
に加熱することによりなされる。該スラリー中の二酸化
チタン被覆チタン酸カリウム繊維の濃度は50〜250g/
が適当である。酸化スズ及び塩化アンチモン溶液中の塩
化スズの濃度は、二酸化チタン被覆チタン酸カリウム繊
維100部に対し酸化スズをSnO2として7〜67重量部の割
合で被覆するのに必要な量であり、塩化アンチモンの濃
度は、SnO2に対し酸化アンチモンをSb2O3として5〜30
重量%の割合で被覆するのに必要な量である。
濾過洗浄後の加熱温度が400℃よりも低い時は、酸化
スズと酸化アンチモンの水和物を酸化スズ−酸化アンチ
モン系導電物質に変換することができず、また加熱温度
が700℃よりも高い場合には二酸化チタンと酸化スズ−
酸化アンチモン系導電物質との間に反応が起こり、所望
の導電性が得られ難くなるので好ましくない。加熱時間
は加熱温度により異なるが、通常30分〜3時間が適当で
ある。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
以下の実施例は単に例示の為に記すものであり、発明の
範囲がこれらによって制限されるものではない。
実施例 1 平均繊維長15μm、比表面積4.2m2/gのトンネル構造
六チタン酸カリウム繊維(K2O・6TiO2)1000gをTiO2
して5g/の硫酸チタニル水溶液14中に分散した後、
0.7N−水酸化ナトリウムを滴下してスラリーのpHを6に
調整し、六チタン酸カリウム繊維表面を水和酸化チタン
で被覆した。濾過後、濾液の電導度が50μS/cmになるま
で洗浄した後、900℃で1時間加熱し、アナターゼ型二
酸化チタンで被覆された六チタン酸カリウム繊維を得
た。
該二酸化チタン被覆六チタン酸カリウム繊維500gを純
水5中に分散させ、80℃に加熱保持した。ついで別途
用意した3.7N−塩酸水溶液315mlに塩化スズ(SnCl4・5H
2O)267g及び塩化アンチモン(SbCl3)40.3gを溶解した
溶液とアンモニア水溶液とをスラリーのpHが8を維持す
るように1時間かけて同時滴下した。濾過洗浄後550℃
で1時間加熱処理して、本発明による白色導電性六チタ
ン酸カリウム繊維を得た。
高周波誘導結合プラズマ発光分析法により該白色導電
性六チタン酸カリウム繊維の組成分析を行ったところ、
TiO2/K2O(モル比)=6.5、酸化スズの含有率がSnO2
して18%、酸化アンチモンの含有率がSb2O3として4%
であった。
実施例 2 アナターゼ型酸化チタン1400gと炭酸カリウム800gと
を乾式混合した後、アルミナ製ルツボに入れ、電気炉中
で昇温速度200℃/時、保持温度950℃、保持時間2時間
の条件で焼成した後、200℃/時の速度で降温した。
焼成物をステンレス製容器中10の温水に投入して5
時間浸漬した後、500rpmで撹拌を開始し、スラリーの温
度を60℃に調整した。2N−塩酸を滴下してpHを9.5に調
整した。この後撹拌を更に続けると四チタン酸カリウム
の層間からカリウムイオンが溶出する為、pHが高くなる
が、塩酸滴下後、30分間撹拌を続けた場合のpHの上昇が
0.2以下になるまで、30分間隔で塩酸を滴下してpHを9.5
に調整した。この後更に塩酸を滴下してスラリーのpHを
8.8に調整した。濾過洗浄後、950℃で2時間焼成して平
均繊維長240μm、比表面積3.5m2/gのルチル型酸化チタ
ンで被覆した六チタン酸カリウム繊維を得た。
次に、上記のルチル型酸化チタン被覆六チタン酸カリ
ウム繊維450gを純水4中に分散させ、70℃に加熱保持
した。ついで別途用意した3.7N−塩酸水溶液216mlに塩
化スズ(SnCl4・5H2O)195g及び塩化アンチモン(SbC
l3)20.4gを溶解した溶液とアンモニア水溶液とをスラ
リーのpHが7を維持するように1.5時間かけて同時滴下
した。濾過洗浄後600℃で1時間加熱処理して、本発明
による白色導電性六チタン酸カリウム繊維を得た。
高周波誘導結合プラズマ発光分析法により該白色導電
性六チタン酸カリウム繊維の組成分析を行ったところ、
TiO2/K2O(モル比)=6.4、酸化スズの含有率がSnO2
して14%、酸化アンチモンの含有率がSb2O3として2%
であった。
比較例 1 実施例1に用いたトンネル構造六チタン酸カリウム繊
維(K2O・6TiO2)500gを純水5中に分散させ、80℃に
加熱保持した。ついで別途用意した3.7N−塩酸水溶液31
5mlに塩化スズ(SnCl4・5H2O)267g及び塩化アンチモン
(SbCl3)40.3gを溶解した溶液とアンモニア水溶液とを
スラリーのpHが8を維持するように1時間かけて同時滴
下した。濾過洗浄後550℃で1時間加熱処理して、トン
ネル構造六チタン酸カリウム繊維表面に直接酸化スズ−
酸化アンチモン系導電性皮膜を生成させた白色導電性六
チタン酸カリウム繊維を得た。
高周波誘導結合プラズマ発光分析法により該白色導電
性六チタン酸カリウム繊維の組成分析を行ったところ、
TiO2/K2O(モル比)=6.0、酸化スズの含有率がSnO2
して18%、酸化アンチモンの含有率がSb2O3として4%
であった。
比較例 2 アナターゼ型酸化チタン1400gと炭酸カリウム800gと
を乾式混合した後、アルミナ製ルツボに入れ、電気炉中
で昇温速度200℃/時、保持温度950℃、保持時間2時間
の条件で焼成した後、200℃/時の速度で降温した。
焼成物をステンレス製容器中10の温水に投入して5
時間浸漬した後、500rpmで撹拌を開始し、スラリーの温
度を60℃に調整した。2N−塩酸を滴下してpHを9.5に調
整した。この後撹拌を更に続けると四チタン酸カリウム
の層間からカリウムイオンが溶出する為、pHが高くなる
が、塩酸滴下後、30分間撹拌を続けた場合のpHの上昇が
0.2以下になるまで、30分間隔で塩酸を滴下してpHを9.5
に調整した。濾過洗浄後、950℃で2時間焼成し、平均
繊維長20μm、比表面積3.3m2/gの六チタン酸カリウム
繊維を得た。
次に、上記の六チタン酸カリウム繊維450gを純水4
中に分散させ、70℃に加熱保持した。ついで別途用意し
た3.7N−塩酸水溶液216mlに塩化スズ(SnCl4・5H2O)19
5g及び塩化アンチモン(SbCl3)20.4gを溶解した溶液と
アンモニア水溶液とをスラリーのpHが7を維持するよう
に1.5時間かけて同時滴下した。濾過洗浄後600℃で1時
間加熱処理して、トンネル構造六チタン酸カリウム繊維
表面に直接酸化スズ−酸化アンチモン系電導性皮膜を生
成させた白色導電性六チタン酸カリウム繊維を得た。
高周波誘導結合プラズマ発光分析法により該白色導電
性六チタン酸カリウム繊維の組成分析を行ったところ、
TiO2/K2O(モル比)=6.0、酸化スズの含有率がSnO2
して14%、酸化アンチモンの含有率がSb2O3として2%
であった。
前記実施例1,2及び比較例1,2で得られた白色導電性六
チタン酸カリウム繊維、更に参考例としてチタン酸カリ
ウム繊維表面に直接酸化スズ−酸化アンチモン系導電性
皮膜を生成させた白色導電性チタン酸カリウム繊維市販
品2種(大塚化学製WK−200及びWK−300)について、そ
の粉体抵抗を、試料粉末を280kg/cm2で圧縮成形後横河
ヒューレットパッカード社製のユニバーサルブリッジを
用いてその直流抵抗を測定した後下記の式から算出する
方法で測定し、第1表の結果を 得た。尚、第1表には該白色導電性チタン酸カリウム繊
維の酸化スズ及び酸化アンチモンの含有率を高周波誘導
結合プラズマ発光分析法により分析した結果も示した。
酸化スズ及び酸化アンチモンの含有率は各々SnO2,Sb2O3
として表示した。
第1表に明らかなように、本発明による二酸化チタン
被覆六チタン酸カリウムを基体繊維とした白色導電性六
チタン酸カリウム繊維は、チタン酸カリウム繊維表面に
直接酸化スズ−酸化アンチモン系導電性皮膜を形成させ
た白色導電性チタン酸カリウム繊維よりも著しく小さい
粉体抵抗値を有する。
発明の効果 本発明による二酸化チタン被覆六チタン酸カリウム繊
維表面に酸化スズ−酸化アンチモン系導電性皮膜を形成
させた白色導電性六チタン酸カリウム繊維は、従来のチ
タン酸カリウム繊維表面に直接酸化スズ−酸化アンチモ
ン系導電性皮膜を形成させた白色導電性チタン酸カリウ
ム繊維に比較し、高価でかつ比重が大きい酸化スズのよ
り小さい被覆量で良好な粉体抵抗値を示すので、経済的
でかつ単位重量当たりの補強効果及び導電性付与効果に
著しく優れており、熱可塑性樹脂への補強及び導電性付
与材として有効であるのみならず、導電性塗料、導電性
接着剤、導電性インク、導電性シート等幅広い用途に有
効に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/20 (56)参考文献 特開 平2−221460(JP,A) 特開 昭62−59528(JP,A) 特開 昭62−122005(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に二酸化チタンの被覆層を有し、更に
    その上に酸化スズ−酸化アンチモン系導電性被覆層を有
    していることを特徴とする白色導電性六チタン酸カリウ
    ム繊維。
  2. 【請求項2】チタン酸カリウム繊維をチタニウム塩水溶
    液中に分散後、該スラリーを加温又は該スラリーにアル
    カリを添加することにより該チタン酸カリウム繊維表面
    にチタニウムの水和酸化物を生じせしめ、600℃以上に
    加熱処理して、二酸化チタン被覆チタン酸カリウム繊維
    とし、該二酸化チタン被覆六チタン酸カリウム繊維の水
    性スラリーに、塩化スズ及び塩化アンチモン水溶液とア
    ンモニア水溶液とを、該スラリーのpHが3〜9を維持す
    るように同時添加することによって、該二酸化チタン被
    覆六チタン酸カリウム繊維表面に酸化スズと酸化アンチ
    モンの水和物を形成させた後400〜700℃に加熱処理する
    ことを特徴とする請求項1記載の白色導電性六チタン酸
    カリウム繊維の製造法。
  3. 【請求項3】チタン原料化合物とカリウム原料化合物と
    を、一般式K2O・nTiO2(但しn=2〜4)で示される割
    合で配合混合した後、900〜1200℃で焼成して、塊状の
    チタン酸カリウム繊維を生成せしめ、次いで該塊状生成
    物を水又は温水中に浸漬して単繊維に解繊した後、該ス
    ラリーに酸を添加してpHを9.3〜9.7に調整後、更に酸を
    添加してpHを7.0〜9.1に調整することにより、チタン酸
    カリウム繊維の組成がTiO2/K2O(モル比)で6.1〜7.5に
    なるように処理し、次いで600℃以上に加熱処理して、
    二酸化チタン被覆チタン酸カリウム繊維とし、該二酸化
    チタン被覆六チタン酸カリウム繊維の水性スラリーに、
    塩化スズ及び塩化アンチモン水溶液とアンモニア水溶液
    とを、該スラリーのpHが3〜9を維持するように同時添
    加することによって、該二酸化チタン被覆六チタン酸カ
    リウム繊維表面に酸化スズと酸化アンチモンの水和物を
    形成させた後400〜700℃に加熱処理することを特徴とす
    る請求項1記載の白色導電性六チタン酸カリウム繊維の
    製造法。
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