JP2724695B2 - チタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法 - Google Patents

チタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法

Info

Publication number
JP2724695B2
JP2724695B2 JP21372295A JP21372295A JP2724695B2 JP 2724695 B2 JP2724695 B2 JP 2724695B2 JP 21372295 A JP21372295 A JP 21372295A JP 21372295 A JP21372295 A JP 21372295A JP 2724695 B2 JP2724695 B2 JP 2724695B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potassium
aluminum
water
sulfate
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21372295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0959097A (ja
Inventor
宏樹 村田
正義 鈴江
利弘 亀和
智英 幸泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Tomita Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Tomita Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd, Tomita Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
Priority to JP21372295A priority Critical patent/JP2724695B2/ja
Priority to EP96916355A priority patent/EP0776998A4/en
Priority to US08/776,784 priority patent/US5942205A/en
Priority to PCT/JP1996/001571 priority patent/WO1997000340A1/ja
Publication of JPH0959097A publication Critical patent/JPH0959097A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2724695B2 publication Critical patent/JP2724695B2/ja
Priority to US09/109,415 priority patent/US6013238A/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチタン酸アルミン酸
カリウムウィスカーの製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、種々の複合材料
に応用可能な新素材として、ウィスカーの研究が進めら
れている。ウィスカーとは断面積が7.9×10-5in
2以下で長さが断面の平均直径の10倍以上の単結晶と
定義される微小な単結晶であり、結晶内の転移や欠陥等
が皆無に近いため同一組成の多結晶体に比べその機械的
強度は数十〜数百倍に達するともいわれている。斯かる
ウィスカーとしては、これまでにチタン酸カリウムウィ
スカー、ホウ酸マグネシウムウィスカー及びホウ酸アル
ミニウムウィスカー等が合成されており、これらのウィ
スカーは耐薬品性、耐熱性、断熱性、耐摩擦性等に優れ
た性質を有することが知られている。
【0003】一方、これまでにチタン酸アルミン酸カリ
ウムの非ウィスカー形状物は知られいる。例えば特公昭
62−41176号公報では炭酸カリウム、酸化アルミ
ニウム及び酸化チタンの粉末を摩砕混合し、1200℃
で3時間仮焼し、これを再度摩砕混合し1200℃で約
20時間焼成することにより、K2.0Al12.0Ti616
〜K2.4Al2.4Ti5.616の組成のチタン酸アルミン
酸カリウム粉状結晶体が製造されている。また、特公昭
58−12236号公報では炭酸カリウム、酸化アルミ
ニウム及び酸化チタン原料とフラックス原料としてモリ
ブデン酸カリウムと酸化モリブデンの混合粉末を出発原
料とし、1300℃にて約4時間焼成し、その後800
℃付近まで徐冷することにより、最大直径1mm、長さ
10mmのK2-xAl2-xTi8-x16(0<x≦1)の
組成を有するチタン酸アルミン酸カリウム柱状単結晶が
製造されている。しかしながら、これらはいずれもウィ
スカー形状を有するものではなかった。
【0004】従来、優れた強度性能を発揮することが知
られているウィスカーは、一般にその形状において径が
0.01〜1.0μm、長さが5〜30μm程度であ
り、斯かるサイズがウィスカーの内部欠陥の減少、ひい
ては強度の発揮と強い相関性を有している。即ち、上記
の形状範囲より大きく成長させると多結晶化し易くなる
と共に機械強度の低下を招き、また逆に上記の形状範囲
より小さいものは補強材として十分な効果を有しない。
しかしながら、このような微細形状をコントロールする
ことは非常に困難である。
【0005】チタン酸アルミン酸カリウムにおいては、
従来からアルミニウム供給成分として用いられていた酸
化アルミニウムは高い硬度を有するため原料混合時に微
細混合することは困難であり、また高温においても非常
に安定な物質であるため結晶育成するために高温で長時
間の反応を要するものであった。高温にて長時間反応育
成した結晶は粗大な形状となることが避けられず、その
ため微細形状を有するウィスカーを得るのは困難であっ
た。
【0006】また、モリブデン酸カリウムと酸化モリブ
デンの混合粉末を上記原料粉末の溶融剤として用いる方
法も提案されているが、この溶融剤は高温において粘度
が高く、その結果、結晶が粗大化するため、この方法に
よっても微細形状を有するウィスカーを得ることは困難
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、微細形状を有
するチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法
を提供するものである。
【0008】本発明によれば、一般式 TiO2・nH2
O(nは0〜8の実数)で示される粒子形状又は繊維形
状のチタン供給成分の中から選ばれた少なくとも一種
と、アルミニウム水酸化物、含水酸化アルミニウム、ア
ルミニウム無機酸塩及びアルカリ金属のアルミン酸塩の
中から選ばれた少なくとも一種のアルミニウム供給成分
とを、溶融剤の存在下900〜1300℃の温度に加熱
し、更に冷却することにより反応、育成させてチタン酸
アルミン酸カリウムウィスカーを製造する方法であっ
て、溶融剤がカリウムの塩化物、カリウムの硫酸塩及び
カリウムの臭化物からなる群より選ばれた少なくとも一
種であることを特徴とするチタン酸アルミン酸カリウム
ウィスカーの製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、チタン供給成分
としては一般式 TiO2・nH2O(nは0〜8の実
数)で示される粒子形状又は繊維形状のチタン供給成分
の中から選ばれた少なくとも一種を用いる。具体例とし
ては、水和チタニア粒子、単斜晶酸化チタン粒子、アナ
ターゼ酸化チタン粒子及びルチル酸化チタン粒子又はこ
れらの繊維状物を挙げることができる。繊維状物を原料
とする場合でも、その製造方法は特に制限はなく、直接
湿式反応にて作成した酸化チタン又は水酸化チタン系繊
維状物質及び該繊維状物質の加熱処理品等が挙げられ
る。
【0010】本発明のアルミニウム供給成分としては、
アルミニウム水酸化物、含水酸化アルミニウム、アルミ
ニウム無機酸塩及びアルカリ金属のアルミン酸塩の中か
ら選ばれた少なくとも一種を用いる。アルミニウムの水
酸化物としては、水酸化アルミニウム等を例示できる。
含水酸化アルミニウムとしては、ベーマイト(AlO
(OH))、ジアスポア、トーダイト等を例示できる。
アルミニウムの無機酸塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩
化物、非水溶性アルミニウム塩基性塩等を例示できる。
アルミニウムの硫酸塩としては、硫酸アルミニウム、硫
酸アルミニウム14〜18水和物、硫酸アルミニウムカ
リウム、硫酸アルミニウムカリウム12水和物、硫酸ア
ルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム1
2水和物、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸アンモ
ニウムアルミニウム12水和物等を例示できる。アルミ
ニウムの硝酸塩としては、硝酸アルミニウム、硝酸アル
ミニウム9水和物等を例示できる。アルミニウムの塩化
物としては、塩化アルミニウム、塩化アルミニウム6水
和物等を例示できる。非水溶性アルミニウム塩基性塩と
しては、一般式Al・(X)a・(OH)b・mH2
(式中XはSO4又はClを、a、b及びmはそれぞれ
0.025≦a≦0.250、2.57≦b≦3.0
0、0≦m≦2.0である。)で表わされるものを例示
できる。アルカリ金属のアルミン酸塩としては、アルミ
ン酸カリウム、アルミン酸ナトリウム等を例示できる。
これらアルミニウム供給成分は単独で又は2種以上混合
して使用され得る。これらのアルミニウム供給成分は大
気中加熱により分解して活性な酸化アルミニウムを発生
するものであり、アルミニウム供給成分として酸化アル
ミニウムを直接用いる場合に比べてより低い温度もしく
は短時間で反応を進行させることができる。また、炭酸
カリウムのように非常に高い溶解性を有する融剤成分を
必要としない。
【0011】溶融剤としては、カリウムの塩化物、カリ
ウムの硫酸塩及びカリウムの臭化物からなる群より選ば
れた少なくとも一種を使用する。カリウムの塩化物とし
ては塩化カリウム等を、硫酸塩としては、硫酸カリウ
ム、亜硫酸カリウム、ピロ硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カ
リウム等を、カリウムの臭化物としては、臭化カリウム
等を、それぞれ例示できる。本発明では、更に溶融剤と
してアルカリ金属の塩化物、アルカリ金属の硫酸塩、ア
ルカリ金属の臭化物等を併用することができる。アルカ
リ金属の塩化物としては、カリウムの塩化物に加えて塩
化ナトリウム、塩化リチウム等を例示できる。アルカリ
金属の硫酸塩としては、カリウムの硫酸塩に加えて硫酸
ナトリウム、硫酸ナトリウム10水和物、亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸ナトリウム7水和物、ピロ硫酸ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム1水和物等が
挙げられる。アルカリ金属の臭化物としては、臭化カリ
ウムに加えて臭化ナトリウム等を例示できる。本発明で
は、これら溶融剤を単独で使用してもよいし、2種以上
混合して使用してもよい。
【0012】チタン供給成分とアルミニウム供給成分の
割合としては、酸化チタンと酸化アルミニウムのモル比
で18:1〜22:5、好ましくは14:1〜6:1の
割合にて配合し、溶融剤を全重量の30〜95重量%、
好ましくは50〜80重量%の範囲となるように添加
し、更に更に溶融剤中のカリウム成分(カリウムの塩化
物、カリウムの硫酸塩及びカリウムの臭化物)が溶融剤
全重量の70重量%以上、好ましくは80重量%以上と
なるように配合するのがよい。
【0013】チタン供給成分、アルミニウム供給成分及
び溶融剤の混合方法は特に限定されるものではなく、混
合後において各供給成分及び溶融剤が微細に分散されて
いる状態である限りいかなる混合方法をも適用できる。
微細な分散の点からは混合と粉砕を兼ねた工程を持つ方
法が望ましい。また、予め各供給成分及び溶融剤を溶解
分散させ、この溶液をスプレードライ乾燥、棚段乾燥又
はドラムドライヤー式乾燥等の方法にて水分を蒸発乾固
する方法を採用してもよく、斯くして各成分が均質に分
散した原料粉末を調製できる。
【0014】また、一般式 Al・(X)a・(OH)b
・mH2O(式中XはSO4又はClを、a、b及びmは
それぞれ0.025≦a≦0.250、2.57≦b≦
3.00、0≦m≦2.0である。)で示される非水溶
性アルミニウム塩基性塩をアルミニウム供給成分として
用いる場合、単に乾式混合にてチタン供給成分と溶融剤
とを混合する以外に、その非水溶性を利用し、チタン供
給成分表面にアルミニウム供給成分であるアルミニウム
塩基性塩を付着させたものを好ましく用いることができ
る。このものは、チタン供給成分の水分散液中にて、例
えばアルミニウムの硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、水
酸化物及びアルコラート類からなる群より選ばれた少な
くとも一種と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属
炭酸塩、アルカリ金属アルミン酸塩、アンモニウムの炭
酸塩及びアンモニウムの水酸化物よりなる群より選ばれ
た少なくとも一種とを反応させて、チタン供給成分上に
アルミニウム塩基性塩を付着させる方法により得られ
る。斯かる方法により得られた混合物は、作成時に副生
した副生成塩を水洗し又は水洗せずに乾燥あるいは更に
溶融剤を加えた状態にて乾燥を行う。溶融剤を混合せず
に乾燥した混合物は、乾式混合にて所定量の溶融剤を加
え原料粉末とする。ここで用いるチタン供給成分の組
成、形状は特に限定されるものではないが、表面積の大
きな微細な粒子形状物又は繊維形状物が微細混合の面か
ら好適である。
【0015】前記混合物の加熱焼成に際し、混合物の状
態や形状は特に限定されるものではなく、粉末状態にて
そのまま加熱焼成する方法、顆粒化した後加熱焼成する
方法、シート状にて加熱焼成する方法、ブロック状に成
形して加熱焼成する方法等の各種方法を採用できる。前
記混合物を顆粒化するに当たっては、例えば撹拌機能を
備えたミキサー又はブレンダー内等で、必要に応じて水
分又は加熱により容易にガス化し得る有機バインダーを
添加しながら顆粒化する方法を挙げることができる。前
記混合物をシート状に成形するに当たっては、例えば混
合粉末を加圧状態にてシート化するか、水分又は加熱に
より容易にガス化し得る有機バインダーを添加した後、
押出機等を用いてシート化する方法を挙げることができ
る。前記混合物をブロック状に成形するに当たっては、
原料粉末をそのままもしくは水分又は加熱により容易に
ガス化し得る有機バインダーを添加して成形を容易にし
た後、所定の金型内に原料粉末を入れ、加圧により成形
しブロック状原料とする方法を挙げることができる。
【0016】上記で所望の状態とされた原料は、次いで
セラミック質等の耐熱容器上に設置され、その耐熱容器
と共にトンネルキルンや電気炉等を用いて加熱焼成する
方法等により加熱焼成される。粉末のまま、もしくは顆
粒化した原料を用いる場合は、ロータリーキルンや流動
焼成法により焼成することもできる。シート状に成形し
た原料を用いる場合は、セラミック質等の耐熱容器もし
くは耐熱板上等に設置し、連続的に加熱焼成する方法を
採用できる点が優れている。
【0017】加熱焼成条件としては、900 〜130
0℃、好ましくは1000〜1200℃にて10分〜1
0時間程度、好ましくは30分〜5時間程度加熱した
後、室温まで冷却する。この際、焼成温度が900℃未
満では、原料物質が未反応のまま残ってしまうため、目
的物の単一層のウィスカーが得られず、好ましくない。
また1300℃を超える温度で焼成するとウィスカー間
の溶着、アスペクト比の低下、結晶の粗大化及び多結晶
化が起こるので好ましくない。
【0018】以上のようにして得られたチタン酸アルミ
ン酸ウィスカーは、必要に応じて熱水、温水、希酸水溶
液、希アルカリ水溶液により水溶性成分を溶解した後、
濾別、水洗、乾燥し、好ましくは分級することにより不
純物が除去され繊維形状の整った微細なチタン酸アルミ
ン酸カリウムウィスカーとすることができる。このもの
の代表的な性状は、繊維径0.05〜10μm、繊維長
5〜100μm、アスペクト比10〜100の針状単結
晶であり、補強性、耐熱性、断熱性及び耐薬品性に優れ
るので、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セメント、金
属、セラミックス等の補強材、耐熱材、断熱材、耐食材
として好適に使用し得ることが期待できる。
【0019】
【実施例】以下に参考例及び実施例を挙げ、本発明を一
層明瞭なものとする。
【0020】参考例 アナターゼ型二酸化チタン粉末(平均粒子径0.7μ
m)及び炭酸カリウム粉末(平均粒径3μm)を4:1
(モル比)の割合で混合し、これに溶融剤としてK2
oO4を1:8(モル比)で加え混合した。得られた混
合物を白金製ルツボ内に入れ、電気炉中にて1100℃
で4時間加熱焼成した後、4℃/時間の速度で900℃
まで徐冷し、その後室温(20℃)まで冷却したところ
繊維状結晶の塊を得た。
【0021】得られた塊を水中で解繊し、更に濾別、水
洗して溶融剤を除去した後乾燥し白色粉末を得た。得ら
れた繊維状物質を粉末X線分析にて同定したところ、全
てK2Ti49相であることを確認した。また繊維結晶
の径は0.1〜1μm、平均長さは20μmであった。
【0022】このチタン酸カリウム繊維を、1N酢酸溶
液100mlに対して5gの割合で浸漬し、約3時間撹
拌しながらK2O成分の抽出を行った後濾別、水洗、及
び100℃にて12時間乾燥し、水和チタニア繊維を得
た、得られた繊維状物質をX線回折にて同定したとこ
ろ、全てH2Ti49相を示した。また繊維結晶の径は
0.1〜1μm、平均長さは18μmであった。
【0023】実施例1 参考例にて作成したH2Ti49繊維10gを水250m
lに分散した後、無水硫酸アルミニウム(Al2(S
43)6.75gを水に溶解し、50mlとした溶液
及び水酸化ナトリウム(NaOH)1.56gを水に溶
解し10mlとした溶液を同時に撹拌しながらゆっくり
と加えて反応させた。この間、反応温度を30〜40℃
に保持して3時間反応を続行した。反応終了後、反応液
のpHは7.63であった。尚、この時点で反応液を少
量取り、濾過、水洗、乾燥した後化学分析した結果、H
2Ti49繊維と共に非水溶性のAl・(SO40.151
・(OH)2.85・0.4H2Oで示されるアルミニウム
塩基性塩が生成していた。反応終了後、更に硫酸カリウ
ム(K2SO4)31gと臭化カリウム12.5gを加
え、室温にて15分保持した。作成したスラリーをステ
ンレス製容器に入れ、乾燥機により80℃にて12時間
乾燥し、水分を除去した。その後、乳鉢にて乾燥品を十
分に粉砕し、粉末原料とした。得られた原料粉末を電子
顕微鏡によるエネルギー分散型X線分析装置(EDS)
にて分析した結果、H2Ti49繊維表面付近にAl成
分が多く存在し、且つ硫酸カリウムと塩化カリウムが粉
末内で均一に分散したものであった。
【0024】更に得られた原料粉末をアルミナ製ルツボ
内に入れ、電気炉にて5℃/分の速度にて1150℃ま
で昇温し、該温度で2時間保持した後、800℃まで1
0℃/分の速度で降温し、以後、徐冷により室温まで冷
却し焼成物を得た。焼成物は水中にて煮沸し、水洗、濾
別により溶融剤を除去し、乾燥することにより、淡黄色
粉末を得た。このものはX線分析、元素分析からK2.0
Al2.0Ti6.016であり、平均径1μm、平均長さ2
0μmのチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーであっ
た。
【0025】実施例2 アナターゼ型二酸化チタン粉末(平均粒子径0.7μ
m)及び水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を7:
1(モル比)の割合で混合し、これに溶融剤として塩化
カリウムを全量に対して70重量%の割合となるように
加え混合した。得られた混合物を磁製ボールミルに入
れ、スラリー濃度30重量%となるように水を添加し
た。磁製ボールミルにより12時間混合粉砕した後、ス
ラリーを取り、スプレードライ法により乾燥し、原料粉
末を得た。更に原料粉末を内径60mmの円筒状の金型
内に入れ、加圧により外径60mm、厚み10mmの円
筒状の成形体を得た。得られた成形体をアルミナ製ルツ
ボ内に入れ、電気炉にて5℃/分の速度にて1000℃
まで昇温し、その温度にて1時間保持した後、800℃
まで10℃/分の速度で降温し、以後徐冷により室温
(20℃)まで冷却し焼成物を得た。焼成物は水中にて
煮沸し、水洗、濾別により溶融剤を除去し、乾燥するこ
とにより、淡黄色粉末を得た。このものはX線分析、元
素分析からK1.0Al1.0Ti7.016であり、平均径2
μm、平均長さ30μmのチタン酸アルミン酸カリウム
ウィスカーであった。
【0026】実施例3 ルチル型二酸化チタン粉末(平均粒子径1.2μm)及
び硝酸アルミニウム(Al(NO33・9H2O)を
6.5:1.5(モル比)の割合で混合し、これに溶融
剤として硫酸カリウムと硫酸ナトリウムを5:1(重量
比)の割合にて混合した混合粉末を全量に対して75重
量%の割合となるように加え混合した。得られた混合粉
末をミキサーにより撹拌しながら、水を全量に対して最
終8重量%の割合となるように添加し、顆粒化を行っ
た。顆粒化した原料を100℃にて10時間乾燥した
後、このものをアルミナ製さや内に厚さ50mmとなる
ように入れ、電気炉にて5℃/分の速度にて1200℃
まで昇温し、その温度にて2時間保持した後、800℃
まで20℃/分の速度で降温し、以後徐冷により室温
(20℃)まで冷却し焼成物を得た。焼成物は水中にて
煮沸し、水洗、濾別により溶融剤を除去し、乾燥するこ
とにより、淡黄色粉末を得た。このものはX線分析、元
素分析からK1.5Al1.5Ti6.516であり、平均径2
μm、平均長さ50μmのチタン酸アルミン酸カリウム
ウィスカーであった。
【0027】実施例4 アナターゼ型二酸化チタン粉末(平均粒子径0.7μ
m)及びアルミン酸カリウム3水和物(KAlO3・3
2O)を6:2(モル比)の割合で混合し、これに溶
融剤として硫酸カリウムを全量に対して80重量%の割
合となるように加え混合した。得られた混合粉末を、ビ
ーカー内にてスラリー濃度が30重量%となるように水
を添加した。スラリーは撹拌下にて1時間混合した後、
スプレードライ法により乾燥し、原料粉末を得た。この
ものをアルミナ製さや内に厚さ10mmとなるように入
れ、電気炉にて10℃/分の速度にて1250℃まで昇
温し、その温度にて3時間保持した後、800℃まで5
℃/分の速度で降温し、以後徐冷により室温(20℃)
まで冷却し焼成物を得た。焼成物は水中にて煮沸し、水
洗、濾別により溶融剤を除去し、乾燥することにより、
淡黄色粉末を得た。このものは平均径3μm、平均長さ
80μmのチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーであ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀和 利弘 徳島県鳴門市撫養町小桑島字前浜202 (72)発明者 幸泉 智英 徳島県徳島市国府町和田字七反田24−64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 TiO2・nH2O(nは0〜8
    の実数)で示される粒子形状又は繊維形状のチタン供給
    成分の中から選ばれた少なくとも一種と、アルミニウム
    水酸化物、含水酸化アルミニウム、アルミニウム無機酸
    塩及びアルカリ金属のアルミン酸塩の中から選ばれた少
    なくとも一種のアルミニウム供給成分とを、溶融剤の存
    在下900〜1300℃の温度に加熱し、更に冷却する
    ことにより反応、育成させてチタン酸アルミン酸カリウ
    ムウィスカーを製造する方法であって、溶融剤がカリウ
    ムの塩化物、カリウムの硫酸塩及びカリウムの臭化物か
    らなる群より選ばれた少なくとも一種であることを特徴
    とするチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方
    法。
JP21372295A 1995-06-14 1995-08-22 チタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法 Expired - Fee Related JP2724695B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21372295A JP2724695B2 (ja) 1995-08-22 1995-08-22 チタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法
EP96916355A EP0776998A4 (en) 1995-06-14 1996-06-10 TITANATE WHISKER AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
US08/776,784 US5942205A (en) 1995-06-14 1996-06-10 Titanate whiskers and process for their preparation
PCT/JP1996/001571 WO1997000340A1 (fr) 1995-06-14 1996-06-10 Trichite de titanate et son procede de production
US09/109,415 US6013238A (en) 1995-06-14 1998-07-02 Titanate whiskers and process for their preparation

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21372295A JP2724695B2 (ja) 1995-08-22 1995-08-22 チタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0959097A JPH0959097A (ja) 1997-03-04
JP2724695B2 true JP2724695B2 (ja) 1998-03-09

Family

ID=16643917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21372295A Expired - Fee Related JP2724695B2 (ja) 1995-06-14 1995-08-22 チタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2724695B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0959097A (ja) 1997-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2848387T3 (es) Procedimiento para la producción de partículas de grano fino
JP3062497B1 (ja) 薄片状チタン酸塩の製造方法
JPS62230610A (ja) ジルコニウムゾル及びゲルの製造方法並びにこれらを用いるジルコニアの製造方法
JP4091337B2 (ja) チタン酸マグネシウムカリウム及びチタン酸リチウムカリウムの製造方法
JP2724695B2 (ja) チタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法
JP3102789B1 (ja) 板状8チタン酸カリウム及びその製造方法
JP2791460B2 (ja) チタン酸アルミン酸カリウムウィスカー及びその製造方法
JP2946032B2 (ja) チタン酸塩ウィスカー及びその製造方法
JPH04321517A (ja) 薄片状六チタン酸カリウム多結晶体粒子の製造方法
JP3193824B2 (ja) チタン酸アルカリ土類金属塩多結晶繊維の製造方法
JPH0527571B2 (ja)
Zaremba Molten salt synthesis of potassium hexatitanate
JP3616361B2 (ja) 特定形状を有するチタン酸金属化合物の製造方法
JP3616362B2 (ja) 特定形状を有するチタン酸金属化合物の製造方法
JPH09255337A (ja) チタン酸アルカリ土類金属粉末およびその製造方法
JP3616363B2 (ja) 特定形状を有するチタン酸金属化合物の製造方法
JP2000313620A (ja) 粒状8チタン酸カリウムの製造方法
JPH0635329B2 (ja) 酸化ジルコニウム粉体の製造方法
JP2627955B2 (ja) 繊維状チタン酸アルカリ土類金属塩の製造法
JP2639989B2 (ja) チタン酸金属塩ウイスカー及びその製造法
JP3237140B2 (ja) 水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末の製造法
JPH01301520A (ja) アルミナ・ジルコニア複合粉末の製造方法
RU2366609C1 (ru) Способ получения кристаллического титаната калия
JPS63144116A (ja) 酸化物粒子の製造方法
JPS60210528A (ja) 繊維状チタン酸アルカリ金属の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees