JP3193643B2 - エレベータの主ロープ用巻取装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの新設
時、乗かごと釣合いおもり間を連結する主ロープの据付
作業に好適なエレベータの主ロープ用巻取装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のエレベータの新設時に、乗かごと
釣合いおもり間を連結する主ロープの据付方法は、例え
ば特開昭５２−７１０４３号公報に記載されている。こ
の公報によれば、乗かごは機械室の床よりホイストを介
して吊下げられ、釣合いおもりはピットに角材等により
支持され、電動ウィンチが最上階に設けられている。そ
してドラムより新設ロープを引き出し、所定長さ分だけ
切断する。次いで、この切断された主ロープの一端を前
記釣合いおもりに仮固定する。そして主ロープの他端を
前記電動ウィンチの巻上用ロープに緊結して、吊上げ、
機械室の巻上機シーブ及びそらせ車を介して、最上階に
位置する乗かごに仮固定する。同様にして、他の主ロー
プも１本ずつ掛け回して仮固定し、その後、主ロープ長
さを調整する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
エレベータの主ロープの据付け方法においては、長尺の
電動ウィンチが必要であるばかりか、その設置撤去や電
源の確保など煩わしい準備作業が必要である。

【０００４】本発明の目的は、上記の欠点に鑑みて、電
動ウィンチを要することなく、新設時、主ロープを据付
けることができるエレベータの主ロープ用巻取装置を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、昇降路
内に昇降可能に配置された乗かご及び釣合いおもりと、
巻上機に設けられたシーブに巻回され、前記乗かご及び
釣合いおもりを連結する主ロープと、この主ロープをド
ラムに巻回し、このドラムを着脱自在に支持する支持枠
とを備えたエレベータの主ロープ用巻取装置において、
前記ドラムの耳部に設けられた摺動部と、前記支持枠に
回動自在に取付けられ、制動シューを備えた制動枠とこ
の制動枠に設けられたハンドルを介して押し下げると、
前記制動シューが前記摺動部と接触し、制動する構成と
したことにより達成される。

【０００６】本発明においては、主ロープ用巻取装置を
機械室に設置する。そして、所定長さに切断された主ロ
ープを巻いたドラムを巻取装置に装着する。次いで、こ
の主ロープの一端を巻上機シーブ及びそらせ車を介し
て、昇降路に主ロープを繰り出す。主ロープの自重によ
り、ドラムの回転が早くなるので、巻取装置のハンドル
を押し下げて、制動を掛け、ロープの他端が釣合いおも
りに達すると、機械室で主ロープを固定し、主ロープ端
を乗かご及び釣合いおもりに仮固定する。同様の作業を
その他の主ロープについても行ない、その後、主ロープ
長さを調整し、作業を完了する。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
１〜図４を用いて説明する。

【０００８】図３は本発明になるエレベータの主ロープ
用巻取装置を用いて主ロープ掛作業中の昇降路の断面
図、図４は主ロープ掛作業完成時の昇降路の断面図であ
る。

【０００９】図において、１は昇降路、２は昇降路１の
上部に設けられた機械室、３及び４は、昇降路１に設け
られた乗かご及び釣合いおもり、５、６、７は機械室に
設けられた本発明になる巻取装置、巻上機のシーブ及び
そらせ車である。そして、据付中は、乗かご３は機械室
１の床８からチェーンブロック９により吊下げられ、ま
た、釣合いおもり４は角材１０により支持されている。
完成するとチェーンブロック９及び角材１０は撤去され
乗かご３及び４は主ロープ１２により、シーブ６及びそ
らせ車７を介してそれぞれがかご３のソケット３１と釣
合いおもり４のソケット４１に固定されている。

【００１０】図１は本発明になる巻取装置５の斜視図、
図２はその正面図である。図１において５１は主ロープ
１２を巻回したドラムで、支持枠５２の内部に設けられ
たころ５３は前記ドラム５１の耳部５４の摺動部５４１
と接触、回転する。ドラム５１の上部には支持枠５２に
長ボルト５８を介して回動自在に取付けられた制動枠５
５が設けられている。この制動枠５５は前記耳部５４の
上方部に制動シュー５６が設けられ、制動枠５５のハン
ドル５７を押すと、制動シュー５６と耳部５１の摺動部
５４１とが接触し、ドラム５１を制動するように構成さ
れている。

【００１１】次に、本発明になる巻取装置を用いて、主
ロープの据付方法を説明する。

【００１２】（１）まず、主ロープ１２が巻回されたド
ラム５１を巻取装置５の支持枠５２に設置する。

【００１３】（２）主ロープ１２の一端をドラム５１か
ら引き出し、シーブ６とそらせ車７を介して、昇降路１
に主ロープ１２を繰り出す。

【００１４】（３）主ロープ１２の長さが長くなると自
重により落下速度が増すので、ハンドル５７を押し、制
動し、適宜の速度で繰り出すようにする。

【００１５】（４）主ロープ１２が釣合いおもり４に達
すると、ドラム５１を停止させ、機械室において、図示
しない固定具で、主ロープ１２を固定する。

【００１６】（５）主ロープ１２の一端を釣合いおもり
４のソケット４１に仮固定し、他端を乗かご３のソケッ
ト３１に仮固定する。

【００１７】（６）同様の作業をその他のロープ１２に
ついても行ない、すべての主ロープ取付けが完了する
と、チェーンブロック９および角材１０を撤去し、主ロ
ープの張力を調整し、完了する。

【００１８】このように本発明になる巻取装置を用いる
ことにより、従来のように電動ウィンチが必要なくな
り、安価な作業費で、主ロープ掛け作業を行なうことが
できる。

【００１９】

【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
巻取装置に装着したドラムを手動で制動が掛けられるよ
うに構成したので、主ロープ掛け作業中、主ロープの自
重により主ロープの速度が早くなっても、容易にドラム
に制動を掛けることができ、安全に作業を行なうことが
できる。従って、従来のように、電動ウィンチが不要と
なり、その為の据付けや面倒な作業が不要となり、作業
費を低減することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になるエレベータの主ロープ用巻取装置
の斜視図である。

【図２】図１の正面図である。

【図３】主ロープの取付作業中の昇降路の断面図であ
る。

【図４】主ロープの取付完了時の昇降路の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 昇降路 ３ 乗かご ４ 釣合いおもり ５ 巻取装置 ５１ ドラム ５２ 支持部 ５４ 耳部 ５４１ 摺動部 ５５ 制動枠 ５６ 制動シュー ５７ ハンドル ６ シーブ １２ 主ロープ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降路内に昇降可能に配置された乗かご
   及び釣合いおもりと、巻上機に設けられたシーブに巻回
   され、前記乗かご及び釣合いおもりを連結する主ロープ
   と、この主ロープをドラムに巻回し、このドラムを着脱
   自在に支持する支持枠とを備えたエレベータの主ロープ
   用巻取装置において、前記ドラムの耳部に設けられた摺
   動部と、前記支持枠に回動自在に取付けられ、制動シュ
   ーを備えた制動枠とこの制動枠に設けられたハンドルを
   介して押し下げると、前記制動シューが前記摺動部と接
   触し、制動する構成としたことを特徴とするエレベータ
   の主ロープ用巻取装置。