JP3189689B2 - アクチュエータ駆動装置とサスペンション装置 - Google Patents

アクチュエータ駆動装置とサスペンション装置

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JP3189689B2 JP16825196A JP16825196A JP3189689B2 JP 3189689 B2 JP3189689 B2 JP 3189689B2 JP 16825196 A JP16825196 A JP 16825196A JP 16825196 A JP16825196 A JP 16825196A JP 3189689 B2 JP3189689 B2 JP 3189689B2
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    • B60G17/0152Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements characterised by the action on a particular type of suspension unit
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F15FLUID-PRESSURE ACTUATORS; HYDRAULICS OR PNEUMATICS IN GENERAL
    • F15BSYSTEMS ACTING BY MEANS OF FLUIDS IN GENERAL; FLUID-PRESSURE ACTUATORS, e.g. SERVOMOTORS; DETAILS OF FLUID-PRESSURE SYSTEMS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F15B13/00Details of servomotor systems ; Valves for servomotor systems
    • F15B13/01Locking-valves or other detent i.e. load-holding devices
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    • F15FLUID-PRESSURE ACTUATORS; HYDRAULICS OR PNEUMATICS IN GENERAL
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  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動流体の給排に
より伸縮するアクチュエータを作動流体の給排を通して
駆動するアクチュエータ駆動装置と、このアクチュエー
タを車体と車輪との間に介装して該車体を懸架し、作動
流体の給排を通して車高を調整するサスペンション装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のアクチュエータは、種々の分野
で利用されており、例えば車両に関しては、サスペンシ
ョン装置における車体の懸架に用いられており、車体と
車輪との間に介装されている(特開平4−108023
等)。そして、この種のサスペンション装置では、アク
チュエータへの作動流体の給排を通して車高を調整する
ことができるので、次のような利点がある。例えば、車
両が80km/h程度以上の高速走行状態に至るとその
車高を通常速度走行時より低くして走行安定性を図った
り、乗員数や積載物重量の変動に拘らずその車高を一定
にしたり、乗員の乗降の際にはその車高を走行中の車高
より低くして乗降性の改善を図ることがなされている。
また、車高をハイレベルとロウレベルに任意に切り換え
可能なスイッチを設け、これらスイッチで指定された車
高にすることで、乗員の好みに応じて車高を低くしたり
高くしたりすることもできる。これらの場合、現在の車
高(以下、現在車高という)がその目標となる目標車高
に一致するよう、油圧系の回路における種々の制御弁を
駆動制御し、それに応じてアクチュエータが伸縮駆動さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
サスペンション装置では、上記した種々の利点があるも
のの次のような問題点が指摘されるに至っている。
【0004】上記した特開平4−108023にもその
第2図に示されているように、各輪のアクチュエータを
含んだ油圧回路には、油圧ポンプからの管路中に、通
常、逆止弁(第2図におけるチェック弁16)と2ポー
ト2位置切り換え電磁弁(第2図における切換弁34)
が組み込まれている。この切り換え電磁弁は、アクチュ
エータを伸長して車高を上昇させる際に、管路を閉鎖す
る位置を採るよう制御され、この管路閉鎖により、油圧
ポンプからアクチュエータへのオイル圧送を可能とす
る。その一方、アクチュエータを縮めて車高を降下させ
る際には、管路を開放する位置を採るよう制御され、ア
クチュエータから排出されたオイルを、その上流の逆止
弁と相俟ってリザーバタンクに排出させる。
【0005】ところで、管路の閉鎖・開放を切り換える
電磁弁は、その内部にオイルの流路を形成するためのス
プールをソレノイドで移動させる構成を採るため、この
内部のオイル流路が必然的にオリフィスとして機能す
る。よって、アクチュエータからオイルを排出して車高
を降下させる際に、作動流体はこのオリフィスを通過す
ることになる。よって、オリフィス通過時に圧力損失を
起こすと共に、このオリフィスが流路抵抗となって、そ
の通過速度が低下し、アクチュエータからのオイルの排
出速度は遅くなる。この結果、サスペンション装置にあ
っては、高速走行時や乗員の乗降時、或いは車高のロウ
レベル設定時等に車高降下の速度が遅くなり、車高調整
に時間がかかっていた。
【0006】この場合、電磁弁内部のオリフィスを拡張
して、具体的にはスプールを大きくして内部のオイル流
路を拡張して車高降下時の作動流体の通過速度を高める
こともできるが、この拡張に伴って電磁弁が大型となる
ので車両への搭載性が悪化すると共に取り扱い難くな
り、現実的ではない。
【0007】なお、サスペンション装置以外の装置であ
っても、アクチュエータからのオイルの排出速度の低下
は起こり、この排出速度の低下に起因する不具合は生じ
る。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、アクチュエータからオイル(作動流体)を排出す
る際の排出速度を向上させることをその目的とする。ま
た、アクチュエータを用いたサスペンション装置にあっ
ては、車高降下調整時には速やかに車高を降下させるこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題を解決するため、第1の発明のアクチュエータ
駆動装置は、作動流体の給排により伸縮するアクチュエ
ータを、作動流体の給排を通して駆動するアクチュエー
タ駆動装置であって、作動流体を前記アクチュエータに
圧送して供給する供給源と、該供給源からの作動流体を
前記アクチュエータに供給する管路と、弁体を移動自在
に収納した弁室を備え、該弁室に前記弁体を挟んで前記
供給源の側の供給圧力と前記アクチュエータの側のアク
チュエータ圧力とを受け、両圧力の差圧により前記弁室
内の前記弁体を応動させる差圧弁と、前記アクチュエー
タから排出された作動流体を排出するリターン管路と、
前記差圧弁に前記供給圧力を受けさせる供給側管路と連
通され、該供給側管路を流れる作動流体を排出する排出
管路と、前記供給側管路に配置された絞りと、前記排出
管路に配置され、前記排出管路を通過する作動流体の圧
力が所定圧力以上となると管路を開くリリーフ手段とを
し、前記差圧弁は、前記弁室を、前記リターン管路と
接続して備え、前記弁体を、前記供給源から作動流体が
圧送される間には前記弁室における前記リターン管路の
接続箇所を閉鎖し、前記アクチュエータから作動流体が
排出される間には前記接続箇所の閉鎖を解くよう、前記
弁室内において前記差圧により応動させてなることを特
徴とする。
【0010】上記構成を有する第1の発明のアクチュエ
ータ駆動装置では、供給源からアクチュエータに作動流
体を圧送する際、この供給圧力とアクチュエータ圧力と
を受ける差圧弁は、その差圧により弁室内の弁体を応動
させ、弁体により弁室におけるリターン管路の接続箇所
を閉鎖させる。これにより、供給源から圧送された作動
流体は、リターン管路に流れ込むことなくアクチュエー
タに供給される。その一方、アクチュエータから作動流
体が排出される場合には、この差圧弁は、その際の差圧
により弁室内の弁体を応動させ、弁体により弁室におけ
るリターン管路の接続箇所の閉鎖を解く。このため、ア
クチュエータから排出された作動流体は、弁体による接
続箇所の閉鎖が解かれて開放されたリターン管路を通過
して排出される。
【0011】この結果、作動流体は、リターン管路の通
過の際に、当該リターン管路において従来の技術におけ
る電磁弁が存在しない分だけ流路抵抗を受けないので、
その通過速度が従来より高まる。よって、この第1の発
明のアクチュエータ駆動装置によれば、アクチュエータ
から作動流体を排出する際の排出速度を向上させること
ができる。また、リターン管路での作動流体の通過・非
通過の切り換えを行なうに当たり、電気的に駆動する電
磁弁を必要とせず、供給圧力とアクチュエータ圧力との
差圧により機械的に上記の切り換えを行なうことができ
る。このため、この第1の発明のアクチュエータ駆動装
置によれば、電気的な制御機器とその制御が不要となる
ことを通して、構成の簡略化とコスト低下とを図ること
ができる。
【0012】この場合、アクチュエータから作動流体を
排出するに当たり、積極的にこの排出を行なうには、予
め供給圧力を低下させておくために供給源を停止してお
くことが好ましい。なお、供給源が停止されていなくて
も、予期しない偶発的な原因でアクチュエータ圧力が供
給圧力に勝った場合には、差圧弁によりリターン管路の
接続箇所の閉鎖が解かれ、アクチュエータからはリター
ン管路を経て作動流体が排出される。上記した第1の発
明のアクチュエータ駆動装置は、既述した機能を果たす
差圧弁を有するのみならず、前記差圧弁に前記供給圧力
を受けさせる供給側管路と連通され、該供給側管路を流
れる作動流体を排出する排出管路と、前記供給側管路に
配置された絞りと、前記排出管路に配置され、前記排出
管路を通過する作動流体の圧力が所定圧力以上となると
管路を開くリリーフ手段とを有する。従って、この第1
の発明のアクチュエータ駆動装置では、供給源からの作
動流体の供給圧力が所定圧力以上となると、リリーフ手
段により排出管路が開かれて、この排出管路から作動流
体が排出される。よって、排出管路では、管路の圧力は
管路の開放に伴い降下し、差圧弁に供給圧力を受けさせ
る供給側管路にあっては、当該管路に配置された絞りに
より、その絞り下流では排出管路からの作動流体排出に
伴いやはり管路の圧力が降下する。その一方、アクチュ
エータ圧は、降下することはない。従って、差圧弁は、
この降下した供給圧力と降下していないアクチュエータ
圧とを受けるので、その差圧によりリターン管路の接続
箇所の閉鎖を解くよう弁室内において弁体を応動させ
る。よって、リターン管路は、開放されてアクチュエー
タの側の作動流体を排出可能とする。ところで、供給源
からの作動流体の供給圧力が所定圧力以上となると、ア
クチュエータ圧も通常の場合より高まる。しかし、上記
したようにリターン管路は開放されるので、このリター
ン管路からアクチュエータ側の作動流体が排出されて、
アクチュエータ圧は降下する。しかも、この作動流体排
出は、リターン管路の通過の際に既述したように流路抵
抗を受けないで、速やかに行なわれる。よって 、この第
4態様のアクチュエータ駆動装置によれば、供給源から
の作動流体の供給圧力が所定圧力以上となると、これに
伴い高まったアクチュエータ圧を速やかに降下させるこ
とができ、アクチュエータ圧の上昇に伴う不具合、例え
ば作動流体の管路からの漏洩等を回避することができ
る。この場合、供給源からの作動流体の供給圧力が所定
圧力を下回って正常な供給圧力に復帰すれば、リリーフ
手段は排出管路を閉鎖し、差圧弁は、この正常な供給圧
力と上記のように降下したアクチュエータ圧とを受ける
ので、その差圧によりリターン管路の接続箇所を閉鎖す
るよう弁体を応動させる。よって、供給源から圧送され
た作動流体は、リターン管路に流れ込むことなくアクチ
ュエータに供給され、アクチュエータ圧も正常な圧力に
速やかに復帰する。
【0013】上記した構成の第1の発明のアクチュエー
タ駆動装置において、前記差圧弁は、前記供給源から前
記アクチュエータに至る前記管路に設けられて、前記両
圧力を受けるよう配設されており、前記弁体は、前記供
給源から作動流体が圧送される間には、前記リターン管
路の接続箇所を閉鎖すると共に、前記供給源から前記弁
室に流入した作動流体を圧力損失を起こして前記アクチ
ュエータに流すものとすることもできる。
【0014】第1の発明のこの第1態様のアクチュエー
タ駆動装置では、差圧弁を供給源からアクチュエータに
至る管路に配設して、この差圧弁に、直接、供給圧力と
アクチュエータ圧力とを受けさせる。そして、この差圧
弁が両圧力の差圧により弁体を応動させるに当たり、供
給源から作動流体が圧送される間には、弁体はリターン
管路の接続箇所を閉鎖すると共に、圧力損失を起こして
作動流体をアクチュエータに流す。このため、供給源か
ら作動流体が圧送される間は、差圧弁の弁体が起こす圧
力損失により、アクチュエータ圧力は供給圧力より常に
低くなり、差圧弁の弁体を応動させる差圧を、差圧弁自
体で発生させることができる。よって、この第1態様の
アクチュエータ駆動装置によれば、供給源からアクチュ
エータに至る管路に差圧弁の弁体を応動させるための差
圧を生じさせる他の機器、例えばチェック弁,オリフィ
ス等が不要となり、構成の簡略化とコスト低下とを図る
ことができる。また、装置の小型化も図ることができ
る。
【0015】上記した第1発明の第1態様のアクチュエ
ータ駆動装置において、前記弁体は、前記供給源から前
記弁室に流入した作動流体が通過する間に圧力損失を起
こさせて該作動流体を通過させる絞り機構を有する弁室
内管路を備えるものとすることもできる。
【0016】第1の発明のこの第2態様のアクチュエー
タ駆動装置では、弁体の備えた弁室内管路を作動流体が
通過する間に、その絞り機構により、簡単に圧力損失を
起こさせ、弁体応動のための差圧を発生させることがで
きる。よって、この第2態様のアクチュエータ駆動装置
によれば、差圧を生じさせる他の機器が不要となると共
に、差圧を絞り機構で簡単に発生できるので、より一層
の構成の簡略化とコスト低下とを図ることができる。
【0017】この場合、絞り機構としては、オリフィス
を例示でき、このほか、弁体に形成された細長で小径の
単純な流路であっても良い。
【0018】上記した第1の発明若しくは第1,第2態
様のアクチュエータ駆動装置において、前記差圧弁は、
前記アクチュエータ側の前記弁室の端部において、前記
弁室と前記リターン管路とが接続されるようにして配設
され、前記弁室の端部における前記リターン管路の接続
箇所に傾斜して形成されたシート面を有し、前記弁体
は、前記弁室に移動自在に収納され、前記弁室内におい
て前記差圧に応じて移動する第1の弁体と、該第1の弁
体と前記シート面との間に配置され、前記シート面に当
接した場合には前記接続箇所を閉鎖する球形の第2の弁
体とを有するものとすることもできる。
【0019】第1の発明のこの第3態様のアクチュエー
タ駆動装置では、弁体にてリターン管路の接続箇所を閉
鎖するに当たり、弁室内においては、第1の弁体が差圧
に応じて移動する。そして、この第1の弁体により球形
の第2の弁体が押されて接続箇所のシート面に当接し、
接続箇所が閉鎖される。よって、第1の弁体には、弁室
内において差圧に応じて移動できる精度のみが要求さ
れ、第2の弁体には、シート面に当接して接続箇所を閉
鎖できる精度のみが要求され、第1,第2の弁体の間の
同軸調整等が不要となる。このため、この第3態様のア
クチュエータ駆動装置によれば、第1,第2の弁体の加
工精度や組み付け精度の簡略化を通して、加工並びに組
み付け工程を簡略化することができ、コスト低減を図る
ことができる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】また、上記の課題を解決するため、第2の
発明のサスペンション装置は、作動流体の給排により伸
縮するアクチュエータを車体と車輪との間に介装して該
車体を懸架し、作動流体の給排を通して前記アクチュエ
ータを伸縮駆動して車高を調整するサスペンション装置
であって、作動流体を圧送して供給する供給源と、該供
給源からの作動流体を前記アクチュエータに供給する管
路と、弁体を移動自在に収納した弁室を備え、該弁室に
前記弁体を挟んで前記供給源の側の供給圧力と前記アク
チュエータの側のアクチュエータ圧力とを受け、両圧力
の差圧により前記弁室内の前記弁体を応動させる差圧弁
と、前記アクチュエータから排出された作動流体を排出
するリターン管路と、前記差圧弁に前記供給圧力を受け
させる供給側管路と連通され、該供給側管路を流れる作
動流体を排出する排出管路と、前記供給側管路に配置さ
れた絞りと、前記排出管路に配置され、前記排出管路を
通過する作動流体の圧力が所定圧力以上となると管路を
開くリリーフ手段とを有し、前記差圧弁は、前記弁室
を、前記リターン管路と接続して備え、前記弁体を、前
記供給源から作動流体が圧送される間には前記弁室にお
ける前記リターン管路の接続箇所を閉鎖し、前記アクチ
ュエータから作動流体が排出される間には前記接続箇所
の閉鎖を解くよう、前記弁室内において前記差圧により
応動させてなることを特徴とする。
【0025】上記構成を有する第2の発明のサスペンシ
ョン装置では、供給源からアクチュエータに作動流体を
圧送して車高上昇を図る際には、差圧弁の弁体によりリ
ターン管路の接続箇所を閉鎖させる。これにより、供給
源から作動流体をアクチュエータに供給して、車高を上
昇させる。その一方、アクチュエータから作動流体を排
出して車高降下を図る場合には、差圧弁の弁体によりリ
ターン管路の接続箇所の閉鎖を解く。このため、アクチ
ュエータからは、弁体による接続箇所の閉鎖が解かれて
開放されたリターン管路を経て、作動流体が排出され
る。
【0026】この結果、アクチュエータからの作動流体
の排出は、リターン管路の通過の際に、当該リターン管
路における電磁弁を通過しない分だけ流路抵抗を受けな
いで行なわれるので、アクチュエータからの排出時にお
ける作動流体の通過速度を高めることができる。よっ
て、この第2の発明のサスペンション装置によれば、作
動流体の排出速度の向上を通して、速やかに車高を降下
させることができる。また、リターン管路での作動流体
の通過・非通過の切り換えを行なうに当たり、電気的に
駆動する電磁弁を必要とせず、供給圧力とアクチュエー
タ圧力との差圧により機械的に上記の切り換えを行なう
ことができる。このため、この第2の発明のサスペンシ
ョン装置によれば、電気的な制御機器とその制御が不要
となることを通して、構成の簡略化とコスト低下とを図
ることができる。上記した第2の発明のサスペンション
装置は、既述した機能を果たす差圧弁を有するのみなら
ず、前記差圧弁に前記供給圧力を受けさせる供給側管路
と連通され、該供給側管路を流れる作動流体を排出する
排出管路と、前記供給側管路に配置された絞りと、前記
排出管路に配置され、前記排出管路を通過する作動流体
の圧力が所定圧力以上となると管路を開くリリーフ手段
とを有するものとすることもできる。従って、この第2
の発明のサスペンション装置では、供給源からの作動流
体の供給圧力が所定圧力以上となると、リリーフ手段に
より排出管路が開かれて、この排出管路から作動流体が
排出される。よって、排出管路では、管路の圧力は管路
の開放に伴い降下し、差圧弁に供給圧力を受けさせる供
給側管路にあっては、当該管路に配置された絞りによ
り、その絞り下流では排出管路からの作動流体排出に伴
いやはり管路の圧力が降下する。その一方、アクチュエ
ータ圧は、降下することはない。従って、差圧弁は、こ
の降下した圧力と降下していないアクチュエータ圧とを
受けるので、その差圧によりリターン管路の接続箇所の
閉鎖を解くよう弁室内において弁体を応動させる。よっ
て、リターン管路は、開放されてアクチュエータの側の
作動流体を排出可能とする。ところで、供給源からの作
動流体の供給圧力が所定圧力以上となると、アクチ ュエ
ータ圧も通常の場合より高まる。しかし、上記したよう
にリターン管路は開放されているので、このリターン管
路からアクチュエータ側の作動流体が排出されて、アク
チュエータ圧も降下する。しかも、この作動流体排出
は、リターン管路の通過の際に既述したように流路抵抗
を受けないで、速やかに行なわれる。よって、この第4
態様のサスペンション装置によれば、供給源からの作動
流体の供給圧力が所定圧力以上となると、これに伴い高
まったアクチュエータ圧を速やかに降下させることがで
き、アクチュエータ圧の上昇に伴う不具合、例えば作動
流体の漏洩や、予期しない車高上昇等を回避することが
できる。この場合、供給源からの作動流体の供給圧力が
所定圧力を下回って正常な供給圧力に復帰すれば、リリ
ーフ手段は排出管路を閉鎖し、差圧弁は、この正常な供
給圧力と上記のように降下したアクチュエータ圧とを受
けるので、その差圧によりリターン管路の接続箇所を閉
鎖するよう弁体を応動させる。よって、供給源から圧送
された作動流体は、リターン管路に流れ込むことなくア
クチュエータに供給され、アクチュエータ圧も正常な圧
力に速やかに復帰する。このため、車高も正常な値に復
帰させることができる。
【0027】上記した構成の第2の発明のサスペンショ
ン装置において、前記差圧弁は、前記供給源から前記ア
クチュエータに至る前記管路に設けられて、前記両圧力
を受けるよう配設されており、前記弁体は、前記供給源
から作動流体が圧送される間には、前記リターン管路の
接続箇所を閉鎖すると共に、前記供給源から前記弁室に
流入した作動流体を圧力損失を起こして前記アクチュエ
ータに流すものとすることもできる。
【0028】第2の発明のこの第1態様のサスペンショ
ン装置では、差圧弁に、直接、供給圧力とアクチュエー
タ圧力とを受けさせる。そして、供給源から作動流体が
圧送される間には、弁体はリターン管路の接続箇所を閉
鎖すると共に、圧力損失を起こして作動流体をアクチュ
エータに流す。よって、供給源から作動流体が圧送され
る間は、差圧弁の弁体を応動させるための差圧を、差圧
弁自体で発生させることができる。この結果、この第1
態様のサスペンション装置によれば、供給源からアクチ
ュエータに至る管路に差圧弁の弁体を応動させるための
差圧を生じさせる他の機器、例えばチェック弁,オリフ
ィス等が不要となり、構成の簡略化とコスト低下とを図
ることができる。
【0029】上記した第1発明の第1態様のサスペンシ
ョン装置において、前記弁体は、前記供給源から前記弁
室に流入した作動流体が通過する間に圧力損失を起こさ
せて該作動流体を通過させる絞り機構を有する弁室内管
路を備えるものとすることもできる。
【0030】第2の発明のこの第2態様のサスペンショ
ン装置では、弁体の備えた弁室内管路を作動流体が通す
る間に、その絞り機構により、簡単に圧力損失を起こさ
せ、弁体応動のための差圧を発生させることができる。
よって、この第2態様のサスペンション装置によれば、
差圧を生じさせるための他の機器が不要となると共に、
差圧を絞り機構で簡単に発生できるので、より一層の構
成の簡略化とコスト低下とを図ることができる。
【0031】この場合、絞り機構としては、オリフィス
を例示でき、このほか、弁体に形成された細長で小径の
単純な流路であっても良い。
【0032】上記した第2の発明若しくは第1,第2態
様のサスペンション装置において、前記差圧弁は、前記
アクチュエータ側の前記弁室の端部において、前記弁室
と前記リターン管路とが接続されるようにして配設さ
れ、前記弁室の端部における前記リターン管路の接続箇
所に傾斜して形成されたシート面を有し、前記弁体は、
前記弁室に移動自在に収納され、前記弁室内において前
記差圧に応じて移動する第1の弁体と、該第1の弁体と
前記シート面との間に配置され、前記シート面に当接し
た場合には前記接続箇所を閉鎖する球形の第2の弁体と
を有するものとすることもできる。
【0033】第2の発明のこの第3態様のサスペンショ
ン装置では、弁体にてリターン管路の接続箇所を閉鎖す
るに当たり、弁室内においては、差圧に応じて移動する
第1の弁体により球形の第2の弁体が押されて接続箇所
のシート面に当接し、接続箇所が閉鎖される。よって、
第1の弁体には、弁室内において差圧に応じて移動でき
る精度のみが要求され、第2の弁体には、シート面に当
接して接続箇所を閉鎖できる精度のみが要求され、第
1,第2の弁体の間の同軸調整等が不要となる。このた
め、この第3態様のサスペンション装置によれば、第
1,第2の弁体の加工精度や組み付け精度の簡略化を通
して、加工並びに組み付け工程を簡略化することがで
き、コスト低減を図ることができる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能であり、第1の他の態様は、上記した第
1の発明のアクチュエータ駆動装置又は第2の発明のサ
スペンション装置において、前記差圧弁は、前記供給圧
力を受ける第1弁室と、該第1弁室の受圧面積より狭い
受圧面積で前記アクチュエータ圧力を受ける第2弁室と
を連結してなる前記弁室と、前記第1弁室内に水密且つ
摺動可能に収納された第1弁体と、前記第2弁室内に水
密且つ摺動可能に収納された第2弁体とを接合してなる
前記弁体とを有し、前記第1弁室と第2弁室との連結部
は、大気開放されていることが好ましい。
【0039】この第1の他の態様では、両圧力の受圧面
積に上記のように広狭を持たせると共に、第1弁室と第
2弁室との連結部には空気の大気放出又は大気導入を可
能とする。このため、弁体をリターン管路の接続箇所を
閉鎖するよう応動させる際には、受圧面積の広い第1弁
室の側から弁体に大きな力を第2弁室に向けて作用させ
て弁体を摺動させることができると共に、第2弁室側に
摺動する第1弁体によりその容積が減少する連結部での
空気の大気放出を通して、弁体の弁室における摺動を阻
害しない。よって、確実にリターン管路の接続箇所を閉
鎖でき、この際に供給源に弁体摺動のための負荷をかけ
ることがない。その一方、弁体をリターン管路の接続箇
所の閉鎖を解くよう応動させる際には、第2弁室から離
れる側に摺動する第1弁体によりその容積が増大する連
結部での大気導入を通して、弁体の弁室における摺動を
阻害しない。よって、確実にリターン管路をその接続箇
所の閉鎖の解除を通して開くことができ、速やかにアク
チュエータから作動流体を排出することができる。この
ため、速やかに車高を降下させることができる。
【0040】なお、弁体をリターン管路の接続箇所の閉
鎖を解くよう応動させる際に供給源を停止させて予め供
給圧力を低下させておけば、第1弁室側への弁体の速や
かな摺動を通して、より一層速やかにアクチュエータか
ら作動流体を排出することができる。そして、これに伴
い速やかに車高を降下させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るサスペンショ
ン装置の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1
は、実施例のサスペンション装置10の流体回路を概略
的に示す概略構成図であり、この図1に示すように、サ
スペンション装置10は、流体圧シリンダを用いた流体
圧式サスペンションとして次のように構成される。
【0042】サスペンション装置10は、左前輪WFL、
右前輪WFR、左後輪WRLおよび右後輪WRRにそれぞれ対
応して、アクチュエータ11i(11FL,11FR,11
RL,11RR)を備えている。なお、以下の説明におい
て、添え字iは、各輪に対応して付したFL,FR,RLおよ
びRRを任意に代表するものとする。
【0043】アクチュエータ11iは、一種のシリンダ
ピストン装置であり、該当する車輪を支持するサスペン
ション部材12iと車体との間(即ち、車輪と車体との
間)に介装されて車体を懸架する。そして、このアクチ
ュエータ11iは、その作動流体室に対し作動流体(本
実施例にあってはオイル)が給排されることによりピス
トンを上下動させ、対応する車輪における車高を上下に
変更する。なお、このアクチュエータ11iの管路上流
には、それぞれアキュムレータ13iと可変絞り14i
とからなる減衰力可変機構15iが設けられており、こ
の減衰力可変機構15iにより、アクチュエータ11i
は、車体の上下動に対する減衰力を変更できるようにな
っている。
【0044】サスペンション装置10は、上記のアクチ
ュエータ11iに給排されるオイルを貯留するリザーブ
タンク16を備え、このリザーブタンク16から次のよ
うにしてオイルを給排する。
【0045】リザーブタンク16内のオイルは、モータ
18により駆動するポンプ20に吸引管21を通って吸
引され、ポンプ下流に圧送される。そして、このポンプ
20からは、第1逆止弁22を経てメイン供給管23を
通り、下流で分岐した前輪用供給管24,後輪用供給管
25に至る。この前輪用供給管24は、その下流で左前
輪用管路30と右前輪用管路31に分岐しており、左前
輪用管路30には左前輪WFLの車高を調整するための前
輪用制御弁26が、右前輪用管路31には右前輪WFRの
車高を調整するための前輪用制御弁126がそれぞれ配
設されている。また、後輪用供給管25もその下流で左
後輪用管路32と右後輪用管路33に分岐されており、
左後輪用管路32には左後輪WRLのための後輪用制御弁
28が、右後輪用管路33には右後輪WRRのための後輪
用制御弁128がそれぞれ配設されている。
【0046】前輪用制御弁26は、図示するように、そ
の前後の管路の連通を双方向に図る双方向連通ポジショ
ン26aと、ポンプ20の側からのオイルの通過を遮断
し、アクチュエータ11iの側からのオイルの通過を所
定圧力以上の場合に許容する一方向連通ポジション26
bとを選択的に採る2位置切換弁である。そして、この
前輪用制御弁26は、通常は図示する一方向連通ポジシ
ョン26bを採り、車高調整時(上昇・降下時)には双
方向連通ポジション26aに切り換えられる。なお、前
輪用制御弁126並びに後輪用制御弁28,128も同
様である。
【0047】そして、前輪用制御弁26,126および
後輪用制御弁28,128は、一方向連通ポジションを
採る場合に、車高降下の際のアクチュエータ11iの常
用内圧ではこのアクチュエータ11iの側からはオイル
を通過させず、この常用内圧を越えた圧力がアクチュエ
ータ11iに加わったときにのみアクチュエータ11i
の側からオイルが流れるよう構成されている。この制御
弁の構成により、前輪用制御弁26,126と後輪用制
御弁28,128を一方向連通ポジションに切り換えて
その時の車高を維持することができる。なお、この車高
維持の場合には、これら制御弁の切り換えと共に、モー
タ18は停止制御されポンプ20もその運転が停止され
ている。
【0048】従って、ポンプ20により圧送されメイン
供給管23を経て前輪用供給管24,後輪用供給管25
に至ったオイルは、前輪用制御弁26,126と後輪用
制御弁28,128が図示する一方向連通ポジション2
6b,126b,28b,128bから双方向連通ポジ
ション26a,126a,28a,128aに切り換え
られると、これら制御弁を通過して、それぞれのアクチ
ュエータ11iに供給される。このため、オイルの供給
を受けたアクチュエータ11iに該当する車輪では、車
高が上昇する。この場合、上記した前輪用制御弁と後輪
用制御弁の切り換えは個別になされるので、各輪ごとに
車高を上昇させることができる。
【0049】一方、サスペンション装置10は、アクチ
ュエータ11iからオイルを排出して車高を降下させる
ための構成として、メイン供給管23から分岐してリザ
ーブタンク16に至るリターン管40を備え、このリタ
ーン管40を差圧弁41により開閉する。この図1およ
び要部の拡大概略図である図2に示すように、差圧弁4
1は、弁体42を摺動自在に収納した弁室43を備え
る。そして、差圧弁41は、弁室43を、第1逆止弁2
2の上流でメイン供給管23から分岐した供給圧導入管
44と上記のリターン管40と接続させて配設されてい
る。
【0050】リターン管40は、第1逆止弁22の下流
でメイン供給管23から分岐した上部リターン管40a
とリザーブタンク16に至る下部リターン管40bとか
ら構成されている。そして、上部リターン管40aは、
弁室43の右端側面に接続され、下部リターン管40b
は弁室43の右端に傾斜して形成されたシート面43a
とその窪み部で接続されている。このため、差圧弁41
は、供給圧導入管44を経てポンプ20からのオイルの
供給圧力Ppと、上部リターン管40aを経てアクチュ
エータ11iの側のアクチュエータ圧力Paとの両圧力
を弁体42を挟んで弁室43に受ける。従って、この差
圧弁41は、この両圧力の差圧により弁室43内におい
て弁体42を左右に応動させる。
【0051】弁体42は、上記の両圧力が作用する弁体
本体部42aと、先端が半球状凸部とされた弁体シール
部42bとを有する。そして、この弁体42は、弁体シ
ール部42bの当該凸部がシート面43aに当接する
と、下部リターン管40bの接続箇所を閉鎖するよう構
成されている。
【0052】上記した差圧弁41により、リターン管4
0は次のようにして開閉され、アクチュエータ11iに
ポンプ20からオイルが給排される。
【0053】ポンプ20からアクチュエータ11iにオ
イルを圧送して該当する車輪での車高上昇を図る場合に
は、第1逆止弁22が起こす圧力損失により、供給圧力
Ppがアクチュエータ圧力Paより高くなる。よって、
この両圧力を受ける差圧弁41は、その差圧により弁体
42を右方向に摺動させて弁体シール部42b先端の半
球状凸部をシート面43aに当接させる。このため、下
部リターン管40bの接続箇所が閉鎖されて、リターン
管40は管路が閉じられた状態となる。
【0054】これにより、ポンプ20から圧送されたオ
イルは、リターン管40の下部リターン管40bに流れ
込むことなくメイン供給管23を通過し、前輪用供給管
24および後輪用供給管25に流入する。そして、各輪
では、該当する前輪用制御弁26,126又は後輪用制
御弁28,128における一方向連通ポジション26b
等から双方向連通ポジション26a等への切り換えを経
て、上記したようにそれぞれのアクチュエータ11iに
オイルが供給され車高が上昇する。
【0055】一方、ポンプ20を停止させて第1逆止弁
22上流の供給圧力Ppが低下し第1逆止弁22下流の
アクチュエータ圧力Paが高まる場合、即ち車高降下時
には、差圧弁41は、その差圧により弁体42を左方向
に摺動させて弁体シール部42bをシート面43aから
離間させる。このため、下部リターン管40bの接続箇
所の閉鎖が解かれ、リターン管40は管路が開かれた状
態となる。この場合、ポンプ20の停止は車高降下に先
立ち行なわれるので、ポンプ停止から車高降下までの間
に、第1逆止弁22上流の管路におけるオイルは、通
常、停止したポンプ20を経てリザーブタンク16に戻
る。よって、この場合の供給圧力Ppはほぼ大気圧と等
しくなっている。
【0056】このようにアクチュエータ圧力Pa>供給
圧力Ppとなると、各輪のアクチュエータ11iからは
オイルが排出され、この排出されたオイルは、リターン
管40の上部リターン管40aに流入し、弁体シール部
42bの側の弁室を経てシート面43aと弁体シール部
42bの先端部との間の隙間を通過する。その後は、下
部リターン管40bの接続箇所から当該リターン管に流
入してこれを通過し、リザーブタンク16に回収(排
出)される。そして、こうしてアクチュエータ11iか
らオイルを排出し、車高降下を行なう。なお、オイル排
出の場合であっても、前輪用制御弁26,126と後輪
用制御弁28,128の切り換えは個別になされるの
で、各輪ごとに車高を降下させることができる。
【0057】前輪用制御弁26等が図1に示す一方向連
通ポジションを採る際に、何らかの原因でアクチュエー
タ11iの内圧が異常に上昇して上記したようにオイル
がメイン供給管23に排出される場合が有り得る。この
場合には、アクチュエータ圧力Paの上昇(異常上昇)
によりアクチュエータ圧力Pa>供給圧力Ppとなるの
で、差圧弁41は、弁体42を左方向に摺動させて下部
リターン管40bの接続箇所の閉鎖を解き、リターン管
40の管路を開く。よって、このような異常事態が起き
た場合には、リターン管40を経て速やかにオイルがリ
ザーブタンク16に回収される。
【0058】また、サスペンション装置10は、それぞ
れのアクチュエータ11iに車高センサ35iを備え
る。そして、この車高センサ35iは、車高を各輪ごと
に検出、それぞれに対応する検出車高hiを表わす検出
信号を電子制御装置(ECU)60へ出力する。
【0059】ECU36は、CPU、ROM、RAM、
タイマ等を有するマイクロコンピュータを備えてなり、
各輪ごとの車高センサ35iのほか、操舵角センサ,車
速センサ,上下加速度(上下G)センサ,車高設定スイ
ッチ,ブレーキセンサ,イグニッションスイッチ(IG
SW)等を含むセンサ・スイッチ群37の信号やメイン
供給管23の圧力を検出する圧力センサ62の信号を取
り込む。そして、これら信号に基づいて、前輪用制御弁
26,126と後輪用制御弁28,128およびモータ
18へ車高調整に必要な種々の駆動信号を出力し、車高
調整処理を実行する。また、このECU36は、減衰力
可変機構15iの可変絞り14iとも接続されており、
この可変絞り14iの絞り開度を調整することで、アク
チュエータ11iによる減衰力の変更処理をも実行す
る。
【0060】この場合、車高設定スイッチは、乗員によ
り操作されるものであり、その操作位置に応じて車高の
レベルをHIGH ,NORMAL ,LOW のいずれかに設定し、そ
の信号を出力する。この車高設定スイッチで設定された
車高は、車両の車高を当該設定車高に維持することが望
ましいとされる標準車高である。なお、車高設定スイッ
チを車高変化モードの設定スイッチとし、HIGH モード
が選択されれば、車高を通常走行時はHIGH に高速走行
時にはNORMAL とする信号を出力し、NORMAL モードが選
択されれば、車高を通常走行時はNORMAL に高速走行時
にはLOW とする信号を出力するよう構成することもでき
る。この場合には、車速に応じて標準車高がHIGH ,NOR
MAL ,LOW のいずれかに定まる。
【0061】次に、ECU36により実行される車高調
整処理について、図3のフローチャートを用いて説明す
る。
【0062】図3のフローチャートは、IGSWスイッ
チの操作直後から所定時間毎に繰り返し実行処理され
る。なお、IGSWスイッチの操作の直後に限っては、
後述するフラグのクリア等のいわゆる初期化処理が実行
される。
【0063】この車高調整処理が開始されると、まず、
上記した各種センサ,スイッチをスキャンして車高調整
に必要な信号を読み込む(ステップS100)。このス
テップS100で読み込まれる信号は、車速センサから
の車速(検出車速)や、車高センサ35iからの検出車
高hi(即ち、左前輪車高hFL、右前輪車高hFR、左後
輪車高hRLおよび右後輪車高hRR)のほか、ブレーキス
イッチからのフットブレーキの有無に関する信号や、操
舵角センサからの操舵角(検出操舵角),車高設定スイ
ッチからの車高設定信号等である。なお、このスキャン
に伴って必要な信号処理(例えば、入力した操舵角から
操舵角速度を演算する処理等)が実行される。
【0064】このセンサスキャンに続いては、読み込ん
だ上記の各種信号に基づいて、車高調整を実行する局面
にあるか否かを判断する(ステップS105)。つま
り、車両が急旋回の状態や高速での旋回の状態にある
と、車両には大きなローリングが発生するが、このよう
な場合に車高調整を行なうことは走行安定性の上から好
ましくない。よって、このステップS105で、例えば
操舵角センサからの信号に基づいて車高調整の実行局面
にないと否定判断すると、車高調整は必要ないので車高
を維持する(ステップS110)。具体的には、前輪用
制御弁26,126と後輪用制御弁28,128に一方
向連通ポジション26b,126b,28b,128b
への切換信号を出力してこれら制御弁のポジションを切
り換え、モータ18には停止信号を出力してこれを停止
して、既述したように車高を維持する。そして、その後
は、ステップS100からの処理を繰り返す。
【0065】一方、ステップS105で肯定判断する
と、車高調整の目標となる目標車高hT を、その時の車
速と車高設定スイッチからの車高設定信号(標準車高h
H )等に基づき設定する(ステップS120)。続い
て、検出車高hiが目標車高hTに一致しているか否か
を判断する(ステップS125)。この場合、本実施例
では左右の前輪ごとと左右の後輪ごとに個別に車高調整
できるので、左右の前輪については、検出車高hiとし
て左前輪車高hFLと右前輪車高hFRの平均値を用いて上
記判断を下し、左右の後輪については、検出車高hiと
して左後輪車高hRLと右後輪車高hRRの平均値を用いて
上記判断を下すこととした。なお、検出車高hiが目標
車高hT に一致しているとの判断は、検出車高hiが目
標車高hT を中心とした所定範囲内(目標車高hT ±
e)にある時に下される。
【0066】そして、このステップS125で肯定判断
すれば、車高調整は必要ないとして上記したステップS
110に移行して車高維持を行なう。例えば、左右の前
輪についてのみ肯定判断した場合には、その判断対象と
なった左右の前輪で車高が維持される。
【0067】一方、ステップS125で検出車高hiが
目標車高hT とは異なると否定判断した場合には、目標
車高hT と検出車高hiとの車高差△hを演算し、その
車高差△hがなくなる側、即ち検出車高hiがステップ
S120で設定済みの目標車高hT に一致する側に車高
調整を行なう(ステップS130)。なお、この場合の
車高調整も、否定判断の対象となった車輪(左右の前輪
又は左右の後輪若しくは全車輪)についてなされる。
【0068】この車高調整の処理内容をより具体的に説
明すると、検出車高hiが目標車高hT より低い場合に
は、モータ18を運転すると共に、前輪用制御弁26,
後輪用制御弁28に双方向連通ポジション26a,28
aへの切換信号を出力してこれら制御弁のポジションを
切り換える。これにより、ポンプ20からメイン供給管
23を経て各アクチュエータ11iにオイルが圧送さ
れ、既述したように車高の上昇調整がなされる。この場
合、前輪用制御弁26,後輪用制御弁28が双方向連通
ポジション26a,28aを採る時間、即ち車高上昇制
御量は、車高差△hに応じて定まり、車高差△hと関連
付けて予めRAMに記憶したマップが参照される。
【0069】一方、検出車高hiが目標車高hT より高
い場合には、モータ18を停止して予めアクチュエータ
圧力Pa>供給圧力Ppとしておくと共に、前輪用制御
弁26,126又は後輪用制御弁28,128に双方向
連通ポジション26a等への切換信号を出力してこれら
制御弁のポジションを切り換える。これにより、差圧弁
41は既述したように下部リターン管40bの接続箇所
の閉鎖を解いてリターン管40の管路を開くので、アク
チュエータ11iから排出されたオイルはリターン管4
0を経て排出され、車高の降下調整がなされる。この場
合、前輪用又は後輪用の上記各制御弁が双方向連通ポジ
ション26a等を採る時間、即ち車高降下制御量も、上
記マップと車高差△hとに応じて定まる。
【0070】以上説明したように本実施例のサスペンシ
ョン装置10では、車高降下のためにアクチュエータ1
1iからオイルを排出する場合には、ポンプ20の駆動
用のモータ18を停止して予めアクチュエータ圧力Pa
を供給圧力Ppより高い圧力とし、この両圧力を受ける
差圧弁41の弁体42を下部リターン管40bの接続箇
所の閉鎖を解くよう移動させてリターン管40の管路を
開く。そして、アクチュエータ11iから排出されたオ
イルは、この管路が開かれたリターン管40を通過して
リザーブタンク16に回収される。この場合、リターン
管40の通過の間には、その上部リターン管40aと弁
体シール部42bの側の弁室およびシート面43aと弁
体シール部42bの先端部との間の隙間並びに下部リタ
ーン管40bをオイルが通過するに過ぎず、従来の如き
このリターン管における電磁弁は存在しない。
【0071】このため、アクチュエータ11iからのオ
イル排出に当たり、リターン管における電磁弁を通過し
ない分だけ流路抵抗を受けないので、このオイル排出の
際のオイルの通過速度を高めることができる。よって、
本実施例のサスペンション装置10によれば、オイル排
出時のリターン管40におけるオイルの通過速度の向上
を通して、車高の降下速度を高め速やかに車高を降下さ
せることができる。
【0072】しかも、オイルが上部リターン管40aか
ら下部リターン管40bに流入する際には、シート面4
3aと弁体シール部42bの先端部との間の隙間を確保
し、当該隙間におけるオイルの有効通過面積を、弁体4
2の移動距離を長くすることで、容易に上部リターン管
40a,下部リターン管40bの管路面積と同等若しく
はそれ以上とすることができる。よって、この隙間をオ
イルが通過する際には、電磁弁の如くの流路抵抗を確実
に受けないようにすることができると共に、上部リター
ン管40aから下部リターン管40bにかけての流路を
広くしてオイルの排出流量を多くすることができる。こ
のため、本実施例のサスペンション装置10によれば、
確実にオイルの排出速度を高めて車高降下速度を向上さ
せることができる。
【0073】また、リターン管40の管路の閉鎖と解除
を通してオイルの通過・非通過の切り換えを行なうに当
たり、電気的に駆動する電磁弁を必要としない。そし
て、このオイルの通過・非通過の切り換えを、供給圧力
Ppとアクチュエータ圧力Paの差圧により弁体42を
応動させる差圧弁41を用いて機械的に行なうことがで
きる。このため、このサスペンション装置10によれ
ば、車高調整のための電磁弁とその駆動制御が不要とな
ることを通して、構成の簡略化とコスト低下とを図るこ
とができる。
【0074】更に、本実施例のサスペンション装置10
では、メイン供給管23を前輪用供給管24と後輪用供
給管25に分岐して、車高調整のための回路を前輪と後
輪とで別系統とした。このため、車両全車輪について速
やかに車高を降下させることができることは勿論、左右
の前輪のみで車高を降下させる場合や左右の後輪のみで
車高を降下させる場合であっても、該当する車輪につい
て速やかに車高を降下させることができる。
【0075】次に、他の実施例について説明する。な
お、その説明に当たっては、上記した実施例のサスペン
ション装置10と同一の部材又は同一の働きをなす部材
については、同一の符号を用いてその説明を省略し、異
なる構成についてのみ説明することとする。まず、第2
実施例について説明する。
【0076】第2実施例のサスペンション装置では、図
4に示すように、差圧弁41は、弁体42の弁体本体部
42aの外周にOリング45を有し、弁体42と弁室4
3との間の水密性を高めている。よって、この第2実施
例のサスペンション装置によれば、次の利点がある。
【0077】アクチュエータ11iからのオイル排出時
には、ポンプ20の停止を受けてアクチュエータ圧力P
aが供給圧力Ppより高くされる。この場合、弁体42
と弁室43との間の水密性が、機械加工されたこの両部
材の寸法公差の差異でのみ規定されていると、アクチュ
エータ圧力Paが供給圧力Ppより高いことから、両部
材の間の微小な隙間から弁体シール部42bの側の弁室
内のオイルが供給圧導入管44の側の弁室に漏出する。
そして、ポンプ20の停止時における第1逆止弁22上
流側のメイン供給管23内のオイルのリザーブタンク1
6への戻りが上記のオイルの漏出の程度に比べて緩やか
であると、供給圧導入管44の側の弁室の圧力が上昇し
てアクチュエータ圧力Paにある程度近似する。このた
め、差圧弁41では、差圧により弁体42を供給圧導入
管44の側に円滑に摺動できない虞もある。
【0078】しかしながら、上記の第2実施例のサスペ
ンション装置では、Oリング45により弁体42と弁室
43との間の水密性を高めて上記したオイルの漏出を回
避できる。よって、アクチュエータ圧力Paと供給圧力
Ppとの差圧により弁体42を供給圧導入管44の側に
円滑に摺動させて確実に下部リターン管40bの接続箇
所の閉鎖を解くことができる。このため、第2実施例の
サスペンション装置によれば、アクチュエータ11iか
らのオイル排出を通した車高降下を速やかに且つ確実に
行なうことができる。
【0079】第3実施例のサスペンション装置10Aで
は、図5に示すように、差圧弁50は、第1実施例にお
ける第1逆止弁22に替わってメイン供給管23に直接
配設されている。そして、この差圧弁50は、弁体51
を摺動自在に収納した弁室52を備え、弁室52の左端
と右端側面とでメイン供給管23と接続されている。よ
って、差圧弁50は、その上流側の供給圧力Ppと下流
側のアクチュエータ圧力Paとを弁体51を挟んで弁室
52に受ける。従って、この差圧弁50は、第1実施例
の差圧弁41と同様、上記の両圧力の差圧により弁室5
2内において弁体51を左右に応動させる。
【0080】この差圧弁50にあっても、弁室52の右
端は、傾斜して形成されたシート面52aとされてお
り、その窪み部にリターン管40が接続されている。つ
まり、この実施例にあっては、リターン管40は、メイ
ン供給管23に配設された差圧弁50から分岐してリザ
ーブタンク16に至る。
【0081】弁体51は、差圧弁41における弁体42
と同様に、上記の両圧力が作用する弁体本体部51a
と、先端が半球状凸部とされた弁体シール部51bとを
有し、弁体シール部51bにより、リターン管40の接
続箇所を閉鎖・解除するよう構成されている。
【0082】また、弁体51は、弁体本体部51aの側
から弁体シール部51bに亘って形成された内部通路5
3を有し、この内部通路53の途中には、オイル通過の
際にその上下で圧力損失を起こす絞り機構54を有す
る。このため、ポンプ20からオイルが圧送されると、
そのオイルは、差圧弁50の弁体51における内部通路
53を通過する間に絞り機構54により圧力損失を起こ
す。
【0083】従って、車高上昇のためにポンプ20から
オイルが圧送される間は、差圧弁50の弁体51が起こ
す圧力損失により、アクチュエータ圧力Paは供給圧力
Ppより常に低くなる。このため、この両圧力を受ける
差圧弁50は、両圧力(Pp>Pa)の差圧により弁体
51を右方向に摺動させて弁体シール部51b先端の半
球状凸部をシート面52aに当接させる。よって、リタ
ーン管40は、弁室52との接続箇所が閉鎖されて、管
路が閉じられた状態となる。
【0084】これにより、ポンプ20から圧送されたオ
イルは、弁体51における内部通路53を通過して差圧
弁50下流のメイン供給管23に流れ込み、前輪用供給
管24および後輪用供給管25に流入する。そして、各
輪では、該当する制御弁での一方向連通ポジションから
双方向連通ポジションへの切り換えを経て、それぞれの
アクチュエータ11iにオイルが供給され車高が上昇す
る。
【0085】一方、ポンプ20を停止させて差圧弁50
上流の供給圧力Ppが低下しアクチュエータ圧力Paが
高まる場合、即ち車高降下時には、差圧弁50は、その
差圧により弁体51を左方向に摺動させて弁体シール部
51bをシート面52aから離間させる。このため、リ
ターン管40は、弁室52との接続箇所の閉鎖が解か
れ、管路が開かれた状態となるので、各輪のアクチュエ
ータ11iから排出されたオイルは、弁体シール部51
bの側の弁室を経てシート面52aと弁体シール部51
bの先端部との間の隙間を通過してリターン管40に流
入し、リザーブタンク16に回収(排出)される。よっ
て、オイル排出がなされたアクチュエータ11iに該当
する車輪では、車高が降下する。なお、アクチュエータ
圧力Paが異常上昇した際も、差圧弁41の場合と同様
にリターン管40の管路が開かれ、リターン管40を経
て速やかにオイルがリザーブタンク16に回収される。
【0086】この場合、上記したように圧力損失を起こ
す弁体51としては、次のような構成を例示することが
できる。その第1例としては、図6に示すように、弁体
51は、その略中央に形成された有底の第1内部通路5
3aと、この通路を弁室52の右端側と連通させるよう
弁体シール部51bに空けられた第2内部通路53bと
を有する。そして、第2内部通路53bはその径が小径
とされており、第1内部通路53aは大径とされている
ので、第2内部通路53bは、オリフィスとして機能
し、当該通路をオイルが通過する際に圧力損失を起こさ
せる。つまり、第2内部通路53bが第1内部通路53
aと協同して絞り機構54としての機能を果たす。
【0087】第2例は、図7に示すように、弁体51
は、弁体本体部51aの外周に軸方向に沿って形成され
たv字状の外周溝55を有する。この外周溝55は、そ
の断面積が弁室52の断面積は勿論、メイン供給管23
の管路面積より小さく、その長さが溝面積に比して長い
ことから、絞りとして機能し、当該溝をオイルが通過す
る際に圧力損失を起こさせる。つまり、この外周溝55
が絞り機構54としての機能を果たす。なお、この外周
溝55に相当する溝(内周溝)を弁室52の内周壁面に
形成してもよいことは勿論である。
【0088】以上説明した第3実施例のサスペンション
装置10Aによれば、第1実施例のサスペンション装置
10と同様の効果(リターン管における流路抵抗の低減
と排出流量確保を通したオイル排出速度の向上、並びに
車高の降下速度の向上)に加え、以下の効果を奏するこ
とができる。
【0089】第3実施例のサスペンション装置10Aで
は、差圧弁50の弁体51を応動させるための差圧を、
この差圧弁50における弁体51で発生させることがで
きる。よって、このサスペンション装置10Aによれ
ば、メイン供給管23の管路に差圧弁の弁体を応動させ
るための差圧を生じさせる第1逆止弁22が不要とな
り、構成の簡略化とコスト低下とを図ることができると
共に、装置の小型化をも図ることができる。
【0090】第4実施例のサスペンション装置10Bで
は、図8に示すように、差圧弁56は、差圧弁41と同
一形状の弁室43を備え、この弁室43内には、第1の
弁体57と第2の弁体58とを有する。第1の弁体57
は、弁室43内において左右方向に摺動自在に収納され
ており、供給圧導入管44からは供給圧力Ppを、上部
リターン管40aからはアクチュエータ圧力Paを受け
る。よって、この第1の弁体57は、この両圧力の差圧
に応じて左右に摺動する。また、第2の弁体58は、球
体であり、第1の弁体57とシート面43aとの間に収
納されている。そして、この第2の弁体58は、シート
面43aに当接すると、下部リターン管40bの接続箇
所を閉鎖するよう、その球径が定められている。
【0091】下部リターン管40bの管路途中には、シ
ート面43aとの接続箇所の管路の延長線上に、スプリ
ング収納室59が形成されている。そして、この収納室
には、弁室43に向けて進退可能なプッシュロッド60
と、当該ロッドを弁室43の側に付勢するスプリング6
1が収納されている。なお、プッシュロッド60は、下
部リターン管40bの内径と近似した径のロッドとして
描画されているが、下部リターン管40bにおけるオイ
ルの通過を阻害しないよう、下部リターン管40bの内
径に比して十分小径のロッドとされている。
【0092】次に、上記の差圧弁56を有するサスペン
ション装置10Bにおけるオイルの給排の様子について
説明する。
【0093】車高上昇のためにポンプ20からオイルを
圧送する間は、供給圧力Pp>アクチュエータ圧力Pa
であることからその差圧により差圧弁56は、第1の弁
体57を右方向に摺動させる。これにより、第2の弁体
58は、この第1の弁体57により球形の右側に押され
てシート面43aに当接し、下部リターン管40bの接
続箇所を閉鎖する。よって、リターン管40は、下部リ
ターン管40bの接続箇所においてその管路が閉じられ
た状態となる。この際、第2の弁体58は、プッシュロ
ッド60をスプリング61の付勢力に抗して押圧する。
【0094】これにより、ポンプ20から圧送されたオ
イルは、メイン供給管23を経て前輪用供給管24およ
び後輪用供給管25に流入し(図1参照)、各輪では、
該当するアクチュエータ11iにオイルが供給されて車
高が上昇する。
【0095】一方、車高を降下させるためにポンプ20
を停止させて供給圧力Ppを低下させアクチュエータ圧
力Paが高まった場合には、差圧弁56は、その差圧に
より第1の弁体57を左方向に摺動させる。これによ
り、第2の弁体58は、第1の弁体57からの力を受け
なくなると共に、プッシュロッド60を介してスプリン
グ61の付勢力を左方向に受ける。このため、第2の弁
体58はシート面43aから強制的に離されるので、下
部リターン管40bにおける接続箇所の閉鎖が解かれ、
リターン管40は管路が開かれた状態となる。よって、
各輪のアクチュエータ11iから排出されたオイルは、
第2の弁体58の側の弁室を経てシート面43aと第2
の弁体58との間の隙間を通過して下部リターン管40
bに流入し、リザーブタンク16に回収(排出)され
る。このため、オイル排出がなされたアクチュエータ1
1iに該当する車輪では、車高が降下する。なお、アク
チュエータ圧力Paが異常上昇した際も、差圧弁41の
場合と同様にリターン管40の管路が開かれ、リターン
管40を経て速やかにオイルがリザーブタンク16に回
収される。
【0096】この場合、スプリング61のセット荷重F
は、以下のように定められている。上記したように、ス
プリング61には、ポンプ20からのオイル圧送時には
プッシュロッド60がスプリング収納室59の側に押し
込められ、アクチュエータ11iからのオイル排出時に
はプッシュロッド60が弁室43の側に押し出されて第
2の弁体58をシート面43aから離すことができるだ
けのセット荷重Fが求められる。この関係を式にて表わ
すと、以下のようになる。
【0097】 F<(Pp−Pa)・S1+Pa・S2 … この場合、Pp>Pa、即ちポンプ20からのオイル圧
送時(車高上昇時)であり、S1は第2の弁体58の受
圧面積、S2はシート面43aにおけるシート面積であ
る。
【0098】一方、アクチュエータ11iからのオイル
排出時(車高降下時)にあっては、次のようになる。 F>Pa・S2 …
【0099】従って、上記の,を満たすようなスプ
リング61であれば、オイルの給排時に、第2の弁体5
8のシート面43aへの当接と第2の弁体58のシート
面43aからの離間とを確実に図ることができる。
【0100】以上説明した第4実施例のサスペンション
装置10Bによれば、第1実施例のサスペンション装置
10と同様の効果に加え、以下の効果を奏することがで
きる。
【0101】この第4実施例のサスペンション装置10
サスペンション装置10Bでは、供給圧力Ppとアクチ
ュエータ圧力Paの差圧に応じて第1の弁体57を移動
するようにし、これとは別体の第2の弁体58によりリ
ターン管40の下部リターン管40bにおける接続箇所
の閉鎖並びに解除を図ることとした。このため、第1の
弁体57には、差圧に応じて弁室43内で左右に摺動で
きる精度のみが要求され、第2の弁体58には、シート
面43aに当接して接続箇所を閉鎖できる精度のみが要
求されるに過ぎず、この両部材の間の同軸調整が不要と
なる。この結果、この第4実施例のサスペンション装置
10Bによれば、第1の弁体57,第2の弁体58の加
工精度や組み付け精度の簡略化を通して、加工並びに組
み付け工程を簡略化することができ、延いては装置のコ
スト低減を図ることができる。
【0102】また、この第4実施例のサスペンション装
置10Bによれば、車高降下に際してアクチュエータ1
1iからオイルを排出する場合に、スプリング61の付
勢力にて第2の弁体58を強制的にシート面43aから
離し、リターン管40の下部リターン管40bにおける
接続箇所の閉鎖を確実に解く。このため、各輪のアクチ
ュエータ11iからは速やかに且つ確実にオイル排出が
なされるので、速やかな車高降下を図ることができるこ
とは勿論、車高降下の信頼性をも向上させることができ
る。
【0103】次に、第5実施例のサスペンション装置1
0Cについて説明する。このサスペンション装置10C
は、図9に示すように、第1実施例のサスペンション装
置10における差圧弁41を有し、この差圧弁41に供
給圧力Ppを受けさせる供給圧導入管44の管路途中
に、オリフィス70を有する。よって、差圧弁41は、
オリフィス70の起こす圧力損失により、ポンプ20下
流の供給圧力Ppより若干低い供給圧力Pp0を受け
る。この場合、オリフィス70は、供給圧力Pp,アク
チュエータ圧力Paが常用圧力範囲にある際には供給圧
力Pp0がアクチュエータ圧力Paより高くなるよう設
計されている。
【0104】よって、供給圧力Pp,アクチュエータ圧
力Paが常用圧力範囲にある場合には、第1実施例と同
様にして差圧弁41は作動する。即ち、車高上昇のため
にポンプ20からオイルを圧送する間は、上記したよう
にPp>Pp0>Paであることからその差圧により差
圧弁41は、弁体42を右方向に摺動させる。これによ
り、弁体シール部42bがシート面43aに当接して、
下部リターン管40bの接続箇所を閉鎖する。よって、
リターン管40は、下部リターン管40bの接続箇所に
おいてその管路が閉じられた状態となるので、ポンプ2
0からはメイン供給管23等の管路を経て各輪のアクチ
ュエータ11iに供給され(図1参照)、各輪では車高
が上昇する。
【0105】一方、車高を降下させるためにポンプ20
を停止させて供給圧力Ppおよび供給圧力Pp0を低下
させアクチュエータ圧力Paが高まった場合(Pa>P
p0,Pp)には、差圧弁41は、その差圧により弁体
42を左方向に摺動させる。これにより、弁体シール部
42bはシート面43aから離れるので、下部リターン
管40bにおける接続箇所の閉鎖が解かれ、リターン管
40は管路が開かれた状態となる。よって、各輪のアク
チュエータ11iから排出されたオイルは、弁体シール
部42bの側の弁室を経て下部リターン管40bに流入
し、リザーブタンク16に回収(排出)される。このた
め、オイル排出がなされたアクチュエータ11iに該当
する車輪では、車高が降下する。なお、アクチュエータ
圧力Paが異常上昇した際も上記のようにリターン管4
0の管路が開かれ、リターン管40を経て速やかにオイ
ルがリザーブタンク16に回収される。
【0106】このほか、サスペンション装置10Cは、
弁室43の左端からリザーブタンク16に至るよう配設
され、供給圧導入管44と弁室43を介して連通された
上部排出管71を備える。そして、この上部排出管71
には、リリーフ弁72を有する。なお、上部排出管71
は、供給圧導入管44とオリフィス70の下流で直接連
通されていても良い。
【0107】上部排出管71は、オリフィス70を通過
した供給圧導入管44におけるオイルを、リリーフ弁7
2が開弁したときにリザーブタンク16に排出させる。
リリーフ弁72は、その上流の管路圧力、即ち供給圧力
Pp0がアクチュエータ圧力Paの常用圧力範囲の上限
値以上の圧力となると、上部排出管71の管路を開くよ
う構成されている。この場合、供給圧力Pp0が上記の
上限値以上の圧力となることは、ポンプ20による供給
圧力Ppが何らかの原因で異常上昇し、この供給圧力P
pがその常用圧力範囲の上限値以上の圧力となったこと
と同義であり、この際、アクチュエータ圧力Paもその
常用圧力範囲の上限値以上の圧力となる。なお、リリー
フ弁72における管路閉鎖圧力、即ちリリーフ弁72が
一旦その管路を解放した後に管路を閉鎖する場合の圧力
は、管路解放時の圧力より低くされている。よって、リ
リーフ弁72により管路が解放されると、管路解放の状
態が所定期間確保される。
【0108】以上説明した第5実施例のサスペンション
装置10Cによれば、第1実施例のサスペンション装置
10と同様の効果に加え、以下の効果を奏することがで
きる。
【0109】既述したようにポンプ20による供給圧力
Ppがその常用圧力範囲の上限値以上の圧力となると、
供給圧力Pp0の上昇を受けてリリーフ弁72により上
部排出管71の管路が開かれる。このため、この上部排
出管71からは、その管路のオイルばかりか供給圧導入
管44の側の弁室43内のオイルと供給圧導入管44に
おけるオリフィス70下流の管路のオイルがリザーブタ
ンク16に排出される。こうしたオイル排出により、供
給圧導入管44の側の弁室43内のオイル圧力(供給圧
力Pp0)は比較的大きく降下する。なお、供給圧導入
管44におけるオリフィス70下流には、ポンプ20か
ら圧送されたオイルが流入するが、オリフィス70を通
過する都合上その流入量は少ないので、供給圧力Pp0
が上部排出管71の管路解放以前の圧力のまま維持され
ることはない。その一方、上部排出管71は第1逆止弁
22の下流側の管路とは独立しているので、アクチュエ
ータ圧力Paは、上部排出管71の管路解放の影響を受
けず、供給圧力Ppの上昇に伴って上昇した常用圧力範
囲の上限値以上の圧力のままである。
【0110】従って、差圧弁41は、この降下した供給
圧力Pp0と降下していないアクチュエータ圧力Paと
を受け(Pa>Pp0)、その差圧により弁体42を左
方向に摺動させる。これにより、弁体シール部42bの
シート面43aからの離間により下部リターン管40b
の接続箇所の閉鎖が解かれ、リターン管40は管路が開
かれた状態となる。よって、各輪のアクチュエータ11
iからは、弁体シール部42bの側の弁室を経て下部リ
ターン管40bに流入し、リザーブタンク16に回収
(排出)される。このため、オイル排出がなされたアク
チュエータ11iでは、常用圧力範囲の上限値以上の圧
力であったアクチュエータ圧力Paが、このオイル排出
により降下する。この場合のアクチュエータ11iから
のオイル排出は、リターン管40の通過の際に既述した
ように流路抵抗を受けないで、速やかに行なわれる。し
かも、上部リターン管40aから下部リターン管40b
にかけての流路を広くしてオイルの排出流量を多くする
ことができる。
【0111】よって、この第5実施例のサスペンション
装置10Cによれば、ポンプ20からのオイルの供給圧
力Ppが異常上昇しても、これに伴い高まったアクチュ
エータ圧力Paを速やか且つ多流量でのオイル排出を通
して急速に降下させることができる。この結果、供給圧
力Pp,アクチュエータ圧力Paの異常上昇に伴う不具
合、例えばオイルの管路からの漏洩や、ポンプ20の過
負荷或いは予期しない車高上昇等を確実に且つ速やかに
回避することができる。
【0112】この場合、ポンプ20からの供給圧力Pp
がその常用圧力範囲の圧力に復帰すれば、リリーフ弁7
2は上部排出管71の管路を閉鎖する。よって、差圧弁
41は、供給圧力Ppの復帰に伴って復帰した供給圧力
Pp0と上記のように降下したアクチュエータ圧力Pa
とを受けるので(Pp>Pp0>Pa)、その差圧によ
り弁体42を右方向に摺動させ、弁体シール部42bよ
り下部リターン管40bの接続箇所を閉鎖する。よっ
て、供給圧力Ppの圧力復帰後は、ポンプ20からはメ
イン供給管23を経て各輪のアクチュエータ11iに供
給され、アクチュエータ圧力Paもその常用圧力範囲の
圧力に速やかに復帰する。これにより、車高も速やかに
元の値に復帰させることができる。
【0113】なお、上記した第5実施例のサスペンショ
ン装置10Cのように供給圧力Ppの異常上昇に伴い異
常上昇したアクチュエータ圧力Paをアクチュエータ1
1iからのオイル排出を通して降下させる従来のサスペ
ンション装置は、特開平4−108023に提案されて
いる。即ち、その第2図に示されているように、アクチ
ュエータ圧力Paを受けるリリーフ弁をアクチュエータ
側の回路に設け、アクチュエータ圧力Paが高まるとこ
のリリーフ弁によりアクチュエータからリザーブタンク
にオイルを排出させる。しかし、この従来のサスペンシ
ョン装置では、アクチュエータから排出されたオイルは
リリーフ弁におけるオリフィスを通過するので、その際
に流路抵抗を受ける。よって、この従来のサスペンショ
ン装置では、オイル排出速度は低く、しかも排出流量も
少ないために、アクチュエータ圧力Paは徐々にしか降
下しない。これに対して、第5実施例のサスペンション
装置10Cでは、上記したように速やかなアクチュエー
タ圧力Paの降下を図ることができる利点がある。
【0114】次に、第6実施例のサスペンション装置1
0Dについて説明する。このサスペンション装置10D
は、図10に示す差圧弁80を、サスペンション装置1
0における差圧弁41に替わって有する。この差圧弁8
0は、供給圧導入管44と接続された第1弁室81と、
この第1弁室より断面積が狭く上部リターン管40aと
接続された第2弁室82とを有し、この第1,第2弁室
を連結したものを差圧弁全体としての弁室として備え
る。そして、差圧弁80は、広い受圧面積の第1弁室8
1に供給圧導入管44から供給圧力Ppを受け、第1弁
室81より狭い受圧面積の第2弁室82に上部リターン
管40aからアクチュエータ圧力Paを受ける。
【0115】第2弁室82の右端は、差圧弁41等と同
様に傾斜したシート面82aとそれており、その窪み部
で下部リターン管40bが接続されている。そして、差
圧弁80は、第1弁室81内には第1弁体83を摺動可
能に収納し、第2弁室82内には第2弁体84を摺動可
能に収納し、この第1,第2弁体を接合したものを差圧
弁全体としての弁体85として備える。このため、供給
圧力Ppは第1弁体83に作用し、アクチュエータ圧力
Paは第2弁体84に作用することになる。
【0116】第1弁体83,第2弁体84は、その外周
にそれぞれOリング83a,84aを有し、第1弁室8
1,第2弁室82との間で水密化が図られている。よっ
て、第1弁体83,第2弁体84は、水密状態でそれぞ
れの弁室内を摺動する。
【0117】第2弁体84は、先端が半球状凸部とされ
た弁体シール部84bをシート面82aの側に有する。
そして、この第2弁体84は、弁体シール部84bの当
該凸部をシート面82aに当接させて、下部リターン管
40bの接続箇所を閉鎖する。
【0118】また、差圧弁80は、第1弁室81と第2
弁室82との連結部86に、大気解放されたエアー通気
管87を接続して備え、この連結部86を大気解放させ
ている。
【0119】上記のように構成された差圧弁80は、ポ
ンプ20からのオイルの供給圧力Ppとアクチュエータ
圧力Paとの両圧力を弁体85を挟んで受け、その差圧
により次のようにして弁体85を摺動させて下部リター
ン管40bの接続箇所の閉鎖並びに解除を行なう。
【0120】車高上昇のためにポンプ20からオイルを
圧送する間は、第1逆止弁22(図1参照)が起こす圧
力損失により、供給圧力Ppがアクチュエータ圧力Pa
より高くなる。よって、この両圧力を受ける差圧弁80
は、その差圧により弁体85を右方向に摺動させる。こ
の際、第1弁体83は、高い圧力の供給圧力Ppを広い
受圧面積の第1弁室81の側で受け、第2弁体84は、
低い圧力のアクチュエータ圧力Paを狭い受圧面積の第
2弁室82の側で受けることから、差圧弁80は、弁体
85を第1弁室81の側から第2弁室82の側に大きな
力で摺動させる。しかも、弁体85の右方向の摺動によ
りその容積が減少する連結部86では、エアー通気管8
7を通して内部の空気が大気に放出され、弁体85の右
方向摺動を阻害しない。
【0121】よって、弁体85は、大きな力を受けて右
方向に円滑に摺動し、シート面82aには第2弁体84
の弁体シール部84b先端の凸部が当接する。このた
め、差圧弁80を有するサスペンション装置10Dによ
れば、確実に下部リターン管40bの接続箇所を閉鎖し
て既述したように車高上昇を図ることができると共に、
ポンプ20に弁体85摺動のための特段の負荷をかける
ことがなく好ましい。
【0122】一方、車高降下のためにポンプ20を停止
させて供給圧力Ppを低下させおき、アクチュエータ1
1iからオイルを排出する場合には(Pa>Pp)、差
圧弁80は、その弁体85に受圧面積の狭い第2弁室8
2の側であっても高い圧力のアクチュエータ圧力Paを
受けるので、この弁体85を第1弁室81の側に摺動さ
せる。この際、弁体85の左方向の摺動によりその容積
が増大する連結部86では、エアー通気管87を通して
その内部に大気が導入され、弁体85の左方向摺動を阻
害しない。よって、弁体85は、左方向に円滑に摺動し
て、シート面82aから弁体シール部84b先端の凸部
を離間させる。このため、この差圧弁80を有するサス
ペンション装置10Dによれば、確実に下部リターン管
40bの接続箇所の閉鎖を解いて、既述したように車高
降下を速やかに図ることができる。
【0123】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、第
1逆止弁22下流における各輪のアクチュエータ11i
への管路構成は任意であり、前後輪についての左右の車
輪のアクチュエータ11i同士(アクチュエータ11FL
とアクチュエータ11FR,アクチュエータ11RLとアク
チュエータ11RR)を連通可能な管路構成を採るサスペ
ンション装置に適用することもできる。
【0124】また、第1逆止弁22に替えてメイン供給
管23にオリフィスを配設した構成を採ることもでき
る。この場合には、当該オリフィスをオイルが通過する
際にその上下で差圧が生じるので、差圧弁41等を上記
したように駆動することができる。更には、前輪用制御
弁26,126や後輪用制御弁28,128を、管路を
完全に遮断するポジションと双方向連通ポジションとを
採る制御弁としてもよいことは勿論である。このほか、
アクチュエータへのオイル(作動流体)の給排を通して
当該アクチュエータを伸縮駆動する装置であれば、サス
ペンション装置以外の装置にも適用できることは勿論で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】流体圧式サスペンションとして構成した実施例
のサスペンション装置10の流体回路を概略的に示す概
略構成図。
【図2】図1の流体回路の差圧弁41を中心とした要部
拡大概略図。
【図3】サスペンション装置10のECU36により実
行される車高調整処理を示すフローチャート。
【図4】第2実施例のサスペンション装置で用いた差圧
弁41の概略構成図。
【図5】第3実施例のサスペンション装置10Aで、第
1実施例の第1逆止弁22に替わって用いた差圧弁50
の概略構成図。
【図6】この差圧弁50をその有する弁体51と共に例
示した差圧弁50の概略構成図。
【図7】同じく、この差圧弁50の有する弁体51を例
示した概略斜視図。
【図8】第4実施例のサスペンション装置10Bで、第
1実施例の差圧弁41に替えて用いた差圧弁56の概略
構成図。
【図9】第5実施例のサスペンション装置10Cにおけ
る流体回路の差圧弁41を中心とした要部拡大概略図。
【図10】第6実施例のサスペンション装置10Dで、
第1実施例の差圧弁41に替えて用いた差圧弁80の概
略構成図。
【符号の説明】
10,10A〜10D…サスペンション装置 11i(11FL,11FR,11RL,11RR)…アクチュ
エータ 15i…減衰力可変機構 16…リザーブタンク 18…モータ 20…ポンプ 21…吸引管 22…第1逆止弁 23…メイン供給管 24…前輪用供給管 25…後輪用供給管 26,126…前輪用制御弁 28,128…後輪用制御弁 36…ECU 40…リターン管 40a…上部リターン管 40b…下部リターン管 41…差圧弁 42…弁体 42a…弁体本体部 42b…弁体シール部 43…弁室 43a…シート面 44…供給圧導入管 45…Oリング 50…差圧弁 51…弁体 51a…弁体本体部 51b…弁体シール部 52…弁室 52a…シート面 53…内部通路 53a…第1内部通路 53b…第2内部通路 54…絞り機構 55…外周溝 56…差圧弁 57…第1の弁体 58…第2の弁体 59…スプリング収納室 60…プッシュロッド 61…スプリング 62…圧力センサ 70…オリフィス 71…上部排出管 72…リリーフ弁 80…差圧弁 81…第1弁室 82…第2弁室 82a…シート面 83…第1弁体 84…第2弁体 83a,84a…Oリング 84b…弁体シール部 85…弁体 86…連結部 87…エアー通気管 WFL…左前輪 WFR…右前輪 WRL…左後輪 WRR…右後輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−122810(JP,A) 特開 平3−86615(JP,A) 特開 平4−87824(JP,A) 特開 平1−94009(JP,A) 特開 平4−143113(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 1/00 - 25/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体の給排により伸縮するアクチュ
    エータを、作動流体の給排を通して駆動するアクチュエ
    ータ駆動装置であって、 作動流体を前記アクチュエータに圧送して供給する供給
    源と、 該供給源からの作動流体を前記アクチュエータに供給す
    る管路と、 弁体を移動自在に収納した弁室を備え、該弁室に前記弁
    体を挟んで前記供給源の側の供給圧力と前記アクチュエ
    ータの側のアクチュエータ圧力とを受け、両圧力の差圧
    により前記弁室内の前記弁体を応動させる差圧弁と、 前記アクチュエータから排出された作動流体を排出する
    リターン管路と、 前記差圧弁に前記供給圧力を受けさせる供給側管路と連
    通され、該供給側管路を流れる作動流体を排出する排出
    管路と、 前記供給側管路に配置された絞りと、 前記排出管路に配置され、前記排出管路を通過する作動
    流体の圧力が所定圧力以上となると管路を開くリリーフ
    手段とを有 し、 前記差圧弁は、 前記弁室を、前記リターン管路と接続して備え、 前記弁体を、前記供給源から作動流体が圧送される間に
    は前記弁室における前記リターン管路の接続箇所を閉鎖
    し、前記アクチュエータから作動流体が排出される間に
    は前記接続箇所の閉鎖を解くよう、前記弁室内において
    前記差圧により応動させてなることを特徴とするアクチ
    ュエータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクチュエータ駆動装置
    であって、 前記差圧弁は、前記供給源から前記アクチュエータに至
    る前記管路に設けられて、前記両圧力を受けるよう配設
    されており、 前記弁体は、前記供給源から作動流体が圧送される間に
    は、前記リターン管路の接続箇所を閉鎖すると共に、前
    記供給源から前記弁室に流入した作動流体を前記弁室か
    ら流出する間に圧力損失を起こして前記アクチュエータ
    に流すものであるアクチュエータ駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のアクチュエータ駆動装置
    であって、 前記弁体は、前記供給源から前記弁室に流入した作動流
    体が通過する間に圧力損失を起こさせて該作動流体を通
    過させる絞り機構を有する弁室内管路を備えるアクチュ
    エータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3いずれか記載の
    アクチュエータ駆動装置であって、 前記差圧弁は、 前記アクチュエータ側の前記弁室の端部において、前記
    弁室と前記リターン管路とが接続されるようにして配設
    され、前記弁室の端部における前記リターン管路の接続
    箇所に傾斜して形成されたシート面を有し、 前記弁体は、 前記弁室に移動自在に収納され、前記弁室内において前
    記差圧に応じて移動する第1の弁体と、 該第1の弁体と前記シート面との間に配置され、前記シ
    ート面に当接した場合には前記接続箇所を閉鎖する球形
    の第2の弁体とを有するアクチュエータ駆動装置。
  5. 【請求項5】 作動流体の給排により伸縮するアクチュ
    エータを車体と車輪との間に介装して該車体を懸架し、
    作動流体の給排を通して前記アクチュエータを伸縮駆動
    して車高を調整するサスペンション装置であって、 作動流体を圧送して供給する供給源と、 該供給源からの作動流体を前記アクチュエータに供給す
    る管路と、 弁体を移動自在に収納した弁室を備え、該弁室に前記弁
    体を挟んで前記供給源の側の供給圧力と 前記アクチュエ
    ータの側のアクチュエータ圧力とを受け、両圧力の差圧
    により前記弁室内の前記弁体を応動させる差圧弁と、前記アクチュエータから排出された作動流体を排出する
    リターン管路と、 前記差圧弁に前記供給圧力を受けさせる供給側管路と連
    通され、該供給側管路を流れる作動流体を排出する排出
    管路と、 前記供給側管路に配置された絞りと、 前記排出管路に配置され、前記排出管路を通過する作動
    流体の圧力が所定圧力以上となると管路を開くリリーフ
    手段とを有し、 前記差圧弁は、 前記弁室を、前記リターン管路と接続して備え、 前記弁体を、前記供給源から作動流体が圧送される間に
    は前記弁室における前記リターン管路の接続箇所を閉鎖
    し、前記アクチュエータから作動流体が排出される間に
    は前記接続箇所の閉鎖を解くよう、前記弁室内において
    前記差圧により応動させてなることを特徴とするサスペ
    ンション装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のサスペンション装置であ
    って、前記差圧弁は、前記供給源から前記アクチュエータに至
    る前記管路に設けられて、前記両圧力を受けるよう配設
    されており、 前記弁体は、前記供給源から作動流体が圧送される間に
    は、前記リターン管路の接続箇所を閉鎖すると共に、前
    記供給源から前記弁室に流入した作動流体を前記弁室か
    ら流出する間に圧力損失を起こして前記アクチュエータ
    に流すものであるサ スペンション装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のサスペンション装置であ
    って、前記弁体は、前記供給源から前記弁室に流入した作動流
    体が通過する間に圧力損失を起こさせて該作動流体を通
    過させる絞り機構を有する弁室内管路を備えるサ スペン
    ション装置。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし請求項7いずれか記載の
    サスペンション装置であって、前記差圧弁は、 前記アクチュエータ側の前記弁室の端部において、前記
    弁室と前記リターン管路とが接続されるようにして配設
    され、前記弁室の端部における前記リターン管路の接続
    箇所に傾斜して形成されたシート面を有し、 前記弁体は、 前記弁室に移動自在に収納され、前記弁室内において前
    記差圧に応じて移動する第1の弁体と、 該第1の弁体と前記シート面との間に配置され、前記シ
    ート面に当接した場合には前記接続箇所を閉鎖する球形
    の第2の弁体とを有するサ スペンション装置。
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