JP2621561B2 - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JP2621561B2
JP2621561B2 JP7771290A JP7771290A JP2621561B2 JP 2621561 B2 JP2621561 B2 JP 2621561B2 JP 7771290 A JP7771290 A JP 7771290A JP 7771290 A JP7771290 A JP 7771290A JP 2621561 B2 JP2621561 B2 JP 2621561B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願発明は、車体及び車輪間に介挿した流体シリンダ
の作動を姿勢変化,車高変化に応じて制御する制御弁を
備えた能動型サスペンションに係り、特に、流体シリン
ダの作動流体を封止する機構を設けた能動型サスペンシ
ョンに関する。
〔従来の技術〕
従来、この種の能動型サスペンションとしては、例え
ば特開昭63−106132号公報記載のものが知られている。
この従来例は、車体と車輪との間に介挿された流体シ
リンダに対する作動流体の供給,排出を流量制御弁を介
して行う能動型サスペンションにおいて、流体シリンダ
と流量制御弁とを連結する給排通路に、開閉弁を挿入し
た構成を有している。開閉弁としては例えば電磁式やパ
イロット圧式のものが用いられている。この内、電磁式
のものは常閉の2位置2ポートの電磁操作形切換弁で成
り、イグニッションスイッチ又はコントローラからの制
御信号がオンのときに弁開となって給排通路を通過させ
る。また、パイロット圧式のものは常閉の2位置2ポー
トのパイロット操作形切換弁で成り、パイロット圧とし
ては流体圧源からの供給圧を導いており、この供給圧が
所定値を越えたときに弁開となるように設定されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した従来例にあっては、エンジン
始動時において各輪に封止されている作動圧は各輪の荷
重変化,開閉弁からのオイルリーク,雰囲気温度の変化
等により不定であり、仮に制御弁から前回エンジン停止
時の圧力が供給されたとしても、エンジン始動時に開閉
弁の閉から開への切換があった瞬間にシリンダ圧が急変
し、これによって車両姿勢も急変し、乗員が違和感を覚
えるという問題がある。
また、特に電磁式開閉弁の場合、該開閉弁の開閉する
給排通路には高圧が作動し且つ大流量の作動油が流れる
ため、開閉弁本体及びそれを駆動するソレノイドが大と
なり、コスト,スペースの面で不利である。
さらに、特に油圧式開閉弁の場合、パイロット圧とし
ての供給圧が実際に低下して初めて、開閉弁が閉となる
ため、フェイル時の作動圧封止動作が遅れるという問題
がある。つまり、電磁式開閉弁の場合には、コントロー
ラの異常やセンサの異常が認められたら、供給圧が低下
してしまう前に即座に開閉弁を閉としてフェイル時の速
やかな対応が可能であるのに対して、かかる油圧式開閉
弁の場合は供給圧が低下してしまった後で開閉弁が閉と
なるため、その応答が後追いとなり、シリンダ圧の封止
が遅れ、車体姿勢が急変してしまうという問題があっ
た。
本願各発明は、上述した各問題に鑑みてなされたもの
で、その解決しようとする第1の課題は、開閉弁として
電磁式のものを用いることに因るコストの増大を抑え且
つ省スペース化を図るとともに、エンジン停止時におけ
るシリンダ内の作動流体の封じ込めを確実に行い、しか
も、始動時の車体姿勢の急変を防止することである。ま
た、第2の課題は、第1の課題を解決するとともに、シ
ステムフェイル発生時におけるシリンダ作動圧の封止を
確実に行えるようにすることである。
〔課題を解決するための手段〕
上記第1の課題を解決するため、請求項(1)記載の
発明は第1図に示すように、車両エンジンを回転駆動源
として作動する流体圧源と、車体と各車輪との間に個別
に介挿された流体シリンダと、前記流体圧源に供給側流
路及び戻り側流路を介して接続されるとともに前記流体
シリンダ各々に給排流路を介して接続され、当該流体シ
リンダに供給される作動流体を個別に制御可能な制御弁
とを備えた能動型サスペンションにおいて、前記各給排
流路に個別に挿入され且つパイロット圧が設定圧よりも
低い時には前記流体シリンダ側から前記制御弁側への流
体の逆流を阻止するパイロット圧作動形の開閉弁と、こ
の開閉弁各々のパイロット圧流路が集合されて接続され
る第1ポートと前記供給側流路及び戻り側流路に接続さ
れる第2及び第3ポートとを有し、当該第1及び第2ポ
ート間と当該第1及び第3ポート間とを選択的に連通さ
せる電磁弁と、エンジン駆動状態では第1及び第2ポー
ト間を連通させ且つエンジン停止状態では第1及び第3
ポート間を連通させるように前記電磁弁を制御する電磁
弁制御手段とを備え、前記電磁弁制御手段は、前記流体
圧源の始動を検知して該検知時に前記第1及び第3ポー
ト間を連通させる第1の制御手段と、前記開閉弁の全て
が開状態になったことを検知して該検知後に前記第1及
び第2ポート間を連通させる第2の制御手段とを含むと
ともに、前記流体圧源の始動開始後、前記各流体シリン
ダの作動圧が低圧側から徐々に上昇するように前記各制
御弁の作動を制御する作動圧制御手段を有する。
また、第2の課題を解決するために、請求項(1)記
載の構成における電磁弁制御手段に、当該サスペンショ
ンシステムの異常発生を検知しこの検知時に前記第1及
び第3ポート間を連通させる第3の制御手段を含めてい
る。
さらに、第3の課題を解決するために、第1図(b)
に示すように、請求項(1)記載の構成における電磁弁
制御手段は、前記流体圧源の始動を検知して該検知時に
前記第1及び第3ポート間を連通させる第2の制御手段
と、前記開閉弁の全てが開状態になったことを検知して
該検知後に前記第1及び第2ポート間を連通させる第3
の制御手段とを含むとともに、前記流体圧源の始動開始
後、前記確流体シリンダの作動圧が低圧側から徐々に上
昇するように前記確制御弁の作動を制御する作動圧制御
手段を付加している。
〔作用〕
本出願の請求項(1),(2)記載の各発明における
作用の要部は以下のようである。いま、サスペンション
システムが正常状態であってエンジンが回転していると
すると、液体圧源から所定圧の作動油が供給されてい
る。この状態では、電磁弁制御手段が電磁弁を制御して
第1,第2ポート間を連通させており、これにより、開閉
弁の全てのパイロット圧が所定値以上となっているか
ら、開閉弁は開状態を維持し、その給排流路が連通して
いる。そこで、制御弁は姿勢変化等を防止する指定信号
を受けたときに、流体シリンダの圧力や流体シリンダへ
の流量を制御するから、これによりシリンダの作動が制
御され姿勢変化等が抑制される。
この状態においてエンジンが停止すると、電磁弁制御
手段は電磁弁を制御して第1,第3ポート間を連通させ
る。これにより、開閉弁のパイロット圧は戻り側流路の
圧力と同じ大気圧となるので、パイロット圧が所定圧以
下に低下した時点で開閉弁の全てが閉じる。そこで、流
体シリンダ内の作動油は封じ込められ、エンジン停止時
の作動圧がほぼ保持され、エンジン停止に伴う車高値の
急低下が確実に防止される。これとともに、開閉弁はパ
イロット圧で給排流路を開閉しているから、従来のよう
に各輪に電磁式のものを使用する場合に比べてソレノイ
ドに因るコスト増,設置スペースの大形化を抑制でき
る。
しかも、流体圧源の始動時,即ちエンジン始動時に、
電磁弁制御手段の第1の制御手段が電磁弁の第1及び第
3ポート間を連通させるとともに、作動圧制御手段が各
制御弁を制御して各流体シリンダの作動圧を低圧側から
徐々に上昇させる。そして、電磁弁制御手段の第2の制
御手段が、開閉弁の全てが開状態になったことを検知
し、この検知後に電磁弁の第1及び第2ポート間を連通
させる。このため、エンジンが始動しても、その初期状
態では開閉弁のパイロット圧が戻り側流路の大気圧と同
一になるので、開閉弁が閉じてシリンダ圧が封入されて
いる。この状態で圧力制御弁の出力する出力圧は低圧側
から徐々に上昇されていき、その時点で封入されている
シリンダ圧を越えた時点で開閉弁のチェック機能が解除
となるからシリンダ圧の急変,即ち車体姿勢の急変が防
止される。このチェック解除状態は直ちに検知されて、
開閉弁のパイロット圧は今度は供給側流路の圧力と同じ
になるから、開閉弁が強制的に開となって通常のシリン
ダ制御が可能になる。
特に、請求項(2)記載の発明では、サスペンション
に異常が生じた場合、電磁弁制御手段内の第3の制御手
段によって電磁弁の第1,第3ポートが連通される。この
ため、開閉弁のパイロット圧が戻り側流路の大気圧と同
じになり、開閉弁全部が閉じられ、シリンダ内の作動油
が閉じ込められるから、異常発生時の車体姿勢の急変が
防止される。
〔実施例〕
以下、本願発明の一実施例を添付図面の第2図乃至第
6図に基づき説明する。
第2図において、10は、4輪の車輪側部材と車体側部
材との間にアクチュエータが介挿される、油圧式の能動
型サスペンションを示す。
この能動型サスペンション10は、流体圧源としての油
圧源12と、この油圧源12の負荷側に各車輪に対応して装
備された制御弁としての前左〜後右圧力制御弁14FL〜14
RR、開閉弁としてのオペレートチェック弁16FL〜16RR、
及び流体シリンダとしての油圧シリンダ18FL〜18RRとに
加えて、オペレートチェック弁16FL〜16RRと油圧源12と
を接続する電磁切換弁20を備えるとともに、この電磁切
換弁20及び圧力制御弁14FL〜14RRの作動を制御する手段
としてコントローラ22,加速度検出器24,異常状態検出器
26,及びキースイッチ28を備えている。なお、車体及び
各車輪間には車体の静荷重を支持するコイルスプリング
が設けられている。
油圧源12は、作動油を貯蔵するリザーバタンク30と、
車両エンジンを回転駆動源とする油圧ポンプ32と、所定
のライン圧を設定するリリーフ弁34と、蓄圧用のメイン
アキュムレータ36と、作動油を冷却するオイルクーラ38
とを有する。タンク30には供給側配管40及び戻り側配管
42が接続されており、供給側配管40は油圧ポンプ32を介
して負荷側に至るともに、戻り側配管42にはオイルクー
ラ38が介挿されている。油圧源12の出力側では、リリー
フ弁34が両配管40,42に接続されるとともに、メインア
キュムレータ36が供給側配管40に接続されている。
油圧源12から延びる供給側配管40は前後左右に分岐し
て圧力制御弁14FL〜14RRの供給ポートに各々接続され、
この圧力制御系14FL〜14RRの戻りポートに個別に接続さ
れた戻り側配管42が合流して油圧源12に至る。
圧力制御弁14FL〜14RRの夫々は、挿通孔内で摺動可能
なスプールを有した弁ハウジングと、スプールの一端側
に作用させたフィードバック圧に対応して他端側に作用
させるパイロット圧を調整可能な比例ソレノイドとを有
した、従来周知の3ポート比例電磁減圧弁(例えば特開
平1−122717号参照)で形成されている。そして、3ポ
ートの内、供給ポート及び戻りポートは配管40,42に接
続され、出力ポートは給排通路としての給排配管44に接
続されている。このため、比例ソレノイドに供給する指
令電流iを調整することによりスプールの位置を制御で
き、出力ポートから出力される制御圧PCを指令電流iに
比例して第3図の如く制御できる。第3図中、PMAXは設
定ライン圧に相当する最大制御圧,iN,PNは中立作動時の
指令電流,制御圧である。
圧力制御弁14FL〜14RRに接続された給排配管44は、各
々、オペレートチェック弁16FL〜16RRを介して油圧シリ
ンダ18FL〜18RRのシリンダ室Lに連通している。
オペレートチェック弁16FL〜16RRの夫々は、パイロッ
ト操作形の逆止弁であって、第4図に示すように筒状の
弁ハウジング48を有する。この弁ハウジング48の内部に
は挿通孔48Aが穿設され、この挿通孔48Aに連通した状態
で入力ポート48i,出力ポート48o,及びパイロットポート
48pが設けられるとともに、挿通孔48Aには、ポペット48
B及びこれに対向するスプール48Cが共に摺動自在に配設
されている。ここで、入力ポート48iが給配管路44を介
して圧力制御弁14FL(〜14RR)の出力ポートに接続さ
れ、出力ポート48oが供排管路44を介して油圧シリンダ1
8FL(〜18RR)のシリンダ室Lに接続され、パイロット
ポート48pがパイロット圧配管50を介して後述する電磁
切換弁20に接続されている。
ポペット48Bは、入力ポート48i及び出力ポート8oとの
間に形成された弁座48Dに当接する方向にコイルスプリ
ング48Eによって付勢され、スプール48Cのポペット48B
とは反対側にパイロットポート48pからのパイロット圧P
Pが与えられている。ここで、ポペット48Bのリリーフ圧
(本実施例では大気圧よりは高い所定値)をPPO、スプ
ール48Cの有効面積をA、コイルスプリング48Eのばね定
数をk、ポペット変位量をxとしたとき、コイルスプリ
ング48Eのプリセット圧力FOは下記式で表される。
FO=PPO・A いま、パイロット圧Ppと入力圧Piとの関係がRi≧Pp
場合、スプール48Cはポペット48Bから分離しており、ポ
ペット48Bに力は伝達されず、ポペット48Bはリリーフ弁
の機能のみを果たす。即ち、入力ポート48iの圧力Pi
対して「Pi・A=PPO・A」の条件で釣り合い、Pi>PPO
の場合はリリーフ状態で開であり、Ri≦PPOの場合は閉
の状態にある。
一方、Pi<Ppの場合には、スプール48Cに作用する
「(Pp−Pi)・A」の力はポペット48Bを押し、あたか
もポペット48Bとスプール48Cがが一体となった状態で動
く。したがって、入力圧Piにより発生し、ポペット48B
とスプール48Cとに作用する力は、内力となって相殺す
るため、ポペット48Bは下記式の状態で釣り合う。
Fo+k・x=Pp・A …(2) そして、上記(1)式及び(2)式より、ポペット48
Bの逆止弁機能が解除(x>0)される条件は、(Pp−P
PO)・A>0であるから、RpPPOのとき逆止弁が開状態
となり、Pp≦PPOのとき閉状態となる。
さらに、弁ハウジング48Aのポペット48B側の底部の外
側には、オン・オフスイッチ54が保持具56によって設置
されており、スイッチ54の作動子54Aは弁ハウジング48A
の底部を密封状態で挿通して内部に至る。そして、ポペ
ット48Bが弁座48Dを閉塞している状態から所定距離だけ
開放方向に移動されたときに、作動子54Aが押されてス
イッチ54がオンになるように設定されている。このスイ
ッチ54のスイッチ信号SWはコントローラ22に供給され
る。
さらに、油圧シリンダ18FL〜18RRの各々は第2図に示
すように単動式シリンダで成り、そのシリンダチューブ
18aに、ピストン18bにより隔設されたシリンダ室Lを有
し、シリンダチューブ18aの下端が車輪側部材に取り付
けられ、ピストンロッド18cの上端が車体側部材に取り
付けられら。各シリンダ室Lは、絞り弁58を介して小容
量のサブアキュムレータ60に接続され、圧力制御弁14FL
〜14RRが応答しきれないバネ下共振域の油圧振動を吸収
する。
さらに、電磁切換弁20は第2図に示すように3ポート
2位置の電磁操作形切換弁で成る。そして、4個のオペ
レートチェック弁16FL〜16RRに一端が接続されたパイロ
ット圧配管50の他端側が途中で集合・接続されており、
1本の配管50となって切換弁20のシリンダポートA(第
1ポート)に至る。また切換弁20のポンプポートP(第
2ポート)は配管62を介して供給側配管40に連通し、タ
ンクポートT(第3ポート)は配管64を介して戻り側配
管42に連通している。この切換弁20のソレノイドにはコ
ントローラ22から切換制御信号CSが供給されるようにな
っており、その切換制御信号CSがオフ(比通電)の場合
にはシリンダポートA〜タンクポートT間が接続し、切
換制御信号CSがオン(通電)の場合にはシリンダポート
A〜ポンプポートP間が接続される。
一方、加速度検出器24は、車体の所定位置に装備され
た横加速度センサ等で成り、その検出信号Gをコントロ
ーラ22に出力する。異常状態検出器26は、電源回路,圧
力制御弁14FL〜14RR等の断線等の異常条件を検出し、そ
の検出信号Fをコントローラ22に出力する。さらに、キ
ースイッチ28からはキー操作位置に応じた信号Kがコン
トローラ22に供給される。
コントローラ22は、演酸処理用のマイクロコンピュー
タを含んで構成され、加速度検出器24からの検出信号G
に基づき所定の処理を実行して姿勢変化を抑制する指令
値を演算し、指令電流i,…,iを圧力制御弁14FL〜14RRに
供給する一方、異常状態検出器26からの検出信号Fに基
づき異常状態を判断し、異常状態発生時には電磁切換弁
20に供給する切換制御信号CSを強制的にオフとする。ま
た、コントローラ22は、キースイッチがアクセサリ位置
に操作されたときに電源が投入され、その後、電源オフ
となるまで後述する第5図の処理が繰り返される。
次に、本実施例の動作を説明する。
最初に第5図の処理を実行する。コントローラ22はそ
の電源オンで起動し、同図ステップにおいてキースイ
ッチ28からのスイッチ信号Kを読み込み、ステップに
おいてイグニッションスイッチオンか否かを判断し、エ
ンジンのオンまでステップ,の処理を繰り返して待
機する。ステップにおいて、エンジン・オンの判断の
ときは引き続いてステップに移行し、各圧力制御弁14
FL〜14RRに与える指令電流iをi=0に初期設定する。
次いでステップに移行し、各オペレートチェック弁
16FL〜16RRに設けてあるスイッチ54全部からのスイッチ
信号OPを各々読み込み、ステップに移行する。ステッ
プでは、ステップで入力したスイッチ信号OPが全て
オフ、即ち4個のオペレートチェック弁16FL〜16RRが全
て閉状態を保持している始動初期状態が否かを判断す
る。このステップの判断結果が始動初期状態である場
合にはステップに移行して、電磁弁20に供給する切換
制御信号CSをオフとした後、ステップ,の処理を行
う。ステップでは指令電流iを徐々に上昇させるため
に指令電流i=i+Δi(Δi:所定微小値)を演算し、
ステップではステップで演算した指令電流iを各圧
力制御弁14FL〜14RRに供給させる。この後、ステップ
に戻り、上記処理を繰り返す。
その処理中に、オペレートチェック弁16FL〜16RRが全
て開状態となり、ステップにおいて始動初期状態を過
ぎたと判断された場合、ステップ,の処理を行う。
ステップでは異常状態検出器26の検出信号Fを読み込
み、ステップではその入力信号Fの値に基づき異常
(フェイル)状態発生か否かを判断する。この判断が本
サスペンションシステムの正常状態の場合、スチップ
,に移行する。
ステップにおいてコントローラ22は再びキースイッ
チ28からのスイッチ信号Kを読み込み、ステップにて
エンジン・オンか否かを判断する。の判断にて、イグニ
ッションスイッチのオン,即ちエンジン・オンが確認さ
れた場合、ステップに移行して、切換制御信号CS=オ
ンを電磁弁20に出力する。
次いでステップ〜の処理を繰り返す。この内、ス
テップでは加速度検出器24の検出信号Gを読み込み、
ステップではその読み込み値Gに基づき車体姿勢の変
動を抑制,減衰させる指令電流iを各輪毎に演算する。
さらにステップにて演算した指令電流iを圧力制御弁
14FL〜14RRに個別に供給する。この後、ステップに移
行し、上述した処理を電源オフとなるまで繰り返す。
上述したステップ〜の処理を繰り返す中で、ステ
ップにてYESの判断,即ち異常発生の場合、又は、ス
テップにてNOの判断,即ちエンジン・オフが判断され
たときは、エンジン停止であるとしてステップ〜の
処理を繰り返す。ステップでは切換制御信号CS=オフ
を指令し、ステップ,では姿勢制御用の指令電流i
=0を設定し、これを指令する。この後、ステップに
戻り、同様の処理を電源オフとなるまで繰り返す。
ここで、異常状態検出器26,キースイッチ28,スイッチ
54,及び第5ステップ,,〜,〜,の処
理が電磁弁制御手段を構成し、この内の、キースイッチ
28及び第5図ステップ,,の処理が第1の制御手
段に対応し、スイッチ54及び第5図ステップ,,
の処理が第2の制御手段に対応し、異常状態検出器26及
び第5図ステップ,,の処理が第3の制御手段に
対応している。また第5図ステップ,,の処理が
作動圧制御手段に対応している。
次に、全体動作を説明する。
いま、エンジン停止状態で停車しているとする。この
停車状態では電源オフであり、電磁切換弁20に対する切
換制御信号CF=オフであるから、電磁切換弁20は非通電
時の位置、即ちシリンダポートA〜タンクポートT間の
開状態を維持している。これにより各オペレートチェッ
ク弁16FL〜16RRのパイロット圧も大気圧であって、該チ
ェック弁16FL〜16RRが閉じられ、給排配管44が遮断され
ている。つまり、各油圧シリンダ18FL〜18RRの作動圧が
封入されている。
この状態からキースイッチ28をアクセサリ位置まで回
転させるとコントローラ22による制御が開始され、さら
に、イグニッション・オン位置まで回転させるとエンジ
ンが始動される。これにより油圧ポンプ32が駆動開始す
るので、ポンプ吐出圧が直ちに規定の値まで上昇し、リ
リーフ弁34で設定されるライン圧が各圧力制御弁14FL〜
14RRに供給される。
このエンジン始動初期状態では、コントローラ22はオ
ペレートチェック弁16FL〜16RRの作動状況をスイッチ信
号OPに基づき判断し(第5図ステップ,参照)、電
磁切換弁20の非通電時の位置を維持させる(第5図ステ
ップ参照)。しかし、そのオペレートチェック弁16FL
〜16RRのパイロット圧は未だ大気圧であるから、該オペ
レートチェック弁16FL〜16RRは作動しておらず、単にリ
ークが少ないチェック弁のみとして機能し、シリンダ作
動圧を封入している。これとともに、コントローラ22は
圧力制御弁14FL〜14RRに対する指令電流iを低圧側から
徐々に上昇させる(第5図ステップ,,参照)の
で、圧力制御弁14FL〜14RRが出力する制御圧PCも指令電
流iに応じて滑らかに上昇する。そして、制御圧>封入
シリンダ圧となった時点でオペレートチェック弁16FL〜
16RRが開状態となり、シリンダ圧の封入が解除されると
ともに、封入シリンダ圧と制御圧PCとがスムーズに繋が
る(第6図参照)。
このため、例えば長期の停車状態のため、シリンダリ
ークに因って封入シリンダ圧が前回停止時の値よりも低
下していた場合でも、従来のようにエンジン始動時に車
高が急増するという状態が的確に排除され、乗員に無用
な違和感を与えることもない。
このように制御圧PCが徐々に上昇して、各輪のオペレ
ートチェック弁16FL〜16RR全てが開となると、コントロ
ーラ22はエンジン始動初期状態を脱した(第5図ステッ
プ参照)として通常の制御動作に入る。
この通常制御状態では、サスペンションシステムが正
常であってエンジン駆動中とすると(第5図ステップ
〜参照)、電磁切換弁20に対する切換制御信号CSをオ
ンにする(第5図ステップ参照)。これにより、電磁
切換弁20は通電時の切換位置,即ちシリンダポートA〜
ポンプポートP間を連通させるから、オペレートチェッ
ク弁16FL〜16RRのパイロット圧配管50の圧力が供給側配
管40のライン圧(供給圧)と同じになり、したがって、
オペレートチェック弁16FL〜16RRが強制的に開かれ、シ
リンダ圧が制御圧PCによって制御される状態になる。
そして、加速度信号Gに応じて車体の揺動を抑制,減
衰させるアクティブ姿勢制御が行われる(第5図ステッ
プ〜参照)。
この状態において、例えば電源異常などの異常状態が
生じると、このフェイル状態が検知される。そして、切
換制御信号CS=オフとされるので(第5図ステップ参
照)、電磁切換弁20は非通電の切換位置をとり、パイロ
ット圧配管44と戻り側配管42とが連通される。これによ
り、オペレートチェック弁16FL〜16RRのパイロット圧が
ほぼ大気圧となって、閉状態となり、チェック弁として
機能する。つまり、油圧シリンダ18FL〜18RRの作動圧が
封じ込められ、しかもオペレートチェック弁16FL〜16RR
のリークは少ないので、その封入圧に基づく車高値が長
期間にわたり保持される。一方、この異常状態では指令
電流i=0が出力されて(第5図ステップ,参
照)、アクティブな姿勢制御が中止されるが、サブアキ
ュムレータ60がガスばねとして作用する次善の策として
のパッシブなサスペンション特性が得られ、少なくとも
従来のパッシブ型と同等の姿勢抑制が行われる。
さらに、電磁切換弁20によって供給側配管40とパイロ
ット圧配管44とが連通されている正常制御状態であって
も、油圧源12の故障に起因して、供給圧がオペレートチ
ェック弁16FL〜16RRのパイロット圧基準値PPOよりも低
下すると、オペレートチェック弁16FL〜16RRは自動的に
閉状態となる。これがため、油圧供給系の異常状態が発
生した場合でも上述と同様に次善のサスペンション状態
を比較的良好に得る。
さらに、サスペンションシステムが正常な場合でも、
停車してエンジン回転が停止されると、この状態が検知
されて異常発生時と同様に作動圧の封入が行われる。こ
れにより、エンジン停止に伴う車高低下が確実に防止さ
れるとともに、エンジン・オフ時の作動圧がオペレート
チェック弁16FL〜16RRにより長時間保持されて、その車
高値が良好に維持される。
このように動作する中において、開閉弁としてはパイ
ロット圧作動形の切換弁を使用し、この切換弁夫々のパ
イロット圧を一個の電磁弁でまとめて切り換えるため、
従来のように各輪の開閉弁に電磁弁を使用する場合に比
べて、電磁ソレノイドの数が減ること、さらにはパイロ
ット圧切換用電磁弁もパイロット圧(低圧)を形成する
だけの容量があればよいので、全体としてコンパクトで
あり、省スペースを推進でき、また製造コストも低減で
きる。同時に、電力消費も少なくなり、バッテリの負担
を軽減できる。
なお、本願発明の電磁弁制御手段に含まれる第2の制
御手段は、オペレートチェック弁16FL〜16RRの開動作
を、前述したようにスイッチ54により検知する構成に限
定されることなく、例えば制御圧PC>シリンダ圧となっ
てオペレートチェック弁16FL〜16RRが開き、シリンダ圧
が微増することに伴う油圧シリンダ18FL〜18RRのストロ
ーク増を、ストロークセンサにより検知するとしてもよ
い。
さらに、前述した実施例においてエンジン始動初期状
態から脱して通常制御状態に移行したとき、アクティブ
な姿勢制御のみを行うようにしたが、車高制御を合わせ
て行うようにしてもよい。
さらにまた、本願発明における開閉弁としてのオペレ
ートチェック弁は、必ずしも前述した実施例記載の構成
に限定されることなく、例えばポペット弁及び第1スプ
リングから成るチェック弁と、パイロット圧を受けるパ
イロットピストン及び該ピストンに抗する第2スプリン
グを有するプッシュ機構とを備えた弁であって、パイロ
ットピストンがパイロット圧から受ける力が第2スプリ
ングより大きくなったとき、そのパイロットピストンが
ポペット弁を押して、それまでパイロット弁にて閉鎖し
ていた両ポートを開ける構成のものであってもよい。
さらにまた、本願発明の構成に係る作動流体として
は、作動油のみに限定されることなく、例えば比圧縮性
の気体を使用するものであってもよい。また、コントロ
ーラはイグニッション・オンの状態で起動するようにし
てもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、請求項(1)記載の発明によれ
ば、各給排流路に逆止弁機能を有するパイロット圧作動
形の開閉弁を個別に挿入し、この開閉弁各々のパイロッ
ト圧流路を集合し、この集合した流路を車両運転状態に
応じて供給側流路又は戻り側流路に電磁弁により選択的
に連通させるようにしたため、従来のように各開閉弁と
して電磁操作形のものを使用する場合に比べて、全体と
して電磁ソレノイドの数が減少すること、しかも電磁弁
は開閉弁の低圧のパイロット圧を形成するだけであるか
ら小容量で済むことによって、製造コストが減少すると
ともに、小形化され省スペース化が図られる一方、電力
消費が少なくなり、バッテリ負荷を軽減させて、燃費の
向上が図られる。
さらに、電磁弁制御手段内の第1の制御手段によっ
て、流体圧源の始動が検知され該検知時にパイロット圧
流路及び戻り側流路が連通するように電磁弁が制御さ
れ、第2の制御手段によって開閉弁の全てが開状態にな
ったことが検知され該検知後にパイロット圧流路及び供
給側流路が連通するように電磁弁が制御されるととも
に、作動圧制御手段によって流体圧源の始動開始後、各
流体シリンダの作動圧が低圧側から徐々に上昇するよう
に各制御弁が制御されることから、エンジン始動時に各
シリンダの封入圧が変化していても、制御弁の出力圧
(制御圧)>シリンダ圧の間は給排流路が遮断されてお
り、しかも滑らかに上昇する出力圧がシリンダ圧を越え
た時点で開閉弁が連通し、その後は強制的に開状態が維
持されることから、制御弁の出力圧がスムーズに封入圧
に繋がってエンジン始動時の車両急変が確実に防止され
る。
また、請求項(2)記載の発明では、電磁弁制御手段
内の第3の制御手段によって、システムの異常状態発生
が検知され、この検知時にパイロット圧流路を戻り側流
路に連通させるように電磁弁が切り換えられるので、異
常状態が発生しても即座に開閉弁が閉とされて、流体シ
リンダの作動圧がその時点の値で封じ込められ、車両姿
勢の急変が防止される。この作動圧保持の制御は、前述
した従来の油圧式開閉弁のように、実際に供給圧が低下
してから後追いで行われるものとは異なり、異常が認め
られた段階で供給圧の高低に無関係に進められるので、
フェイル時の封入動作が迅速且つ確実に行える。そし
て、開閉弁としてオペレートチェック弁を用いているか
ら、前述した従来例記載のようにスプール弁を用いる場
合に比べて、リークがより少なく、フェイル時の姿勢を
長期間保持できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はクレーム対応図、第2図乃至第6図は本発明の
一実施例を示す図であって、第2図は全体構成を示すブ
ロック図、第3図は圧力制御弁が出力する制御圧の特性
図、第4図はオペレートチェック弁の断面図、第5図は
コントローラの処理を示す概略フローチャート、第6図
はエンジン始動時の圧力変化例を示す特性図である。 図中、主要符号は、10……能動型サスペンション、12…
…油圧源、14FL〜14RR……圧力制御弁、16FL〜16RR……
オペレートチェック弁、18FL〜18RR……油圧シリンダ、
20……電磁切換弁、22……コントローラ、26……異常状
態検出器、28……キースイッチ、40……供給側配管、42
……戻り側配管、44……給排配管、50……パイロット圧
配管、54……スイッチ、である。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正晴 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 福山 研輔 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 実開 平1−123905(JP,U) 実開 平1−157007(JP,U) 実開 昭62−202404(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両エンジンを回転駆動源として作動する
    流体圧源と、車体と各車輪との間に個別に介挿された流
    体シリンダと、前記流体圧源に供給側流路及び戻り側流
    路を介して接続されるとともに前記流体シリンダ各々に
    給排流路を介して接続され、当該流体シリンダに供給さ
    れる作動流体を個別に制御可能な制御弁とを備えた能動
    型サスペンションにおいて、 前記各給排流路に個別に挿入され且つパイロット圧が設
    定圧よりも低い時には前記流体シリンダ側から前記制御
    弁側への流体の逆流を阻止するパイロット圧作動形の開
    閉弁と、この開閉弁各々のパイロット圧流路が集合され
    て接続される第1ポートと前記供給側流路及び戻り側流
    路に接続される第2及び第3ポートとを有し、当該第1
    及び第2ポート間と当該第1及び第3ポート間とを選択
    的に連通させる電磁弁と、エンジン駆動状態では第1及
    び第2ポート間を連通させ且つエンジン停止状態では第
    1及び第3ポート間を連通させるように前記電磁弁を制
    御する電磁弁制御手段とを備え、前記電磁弁制御手段
    は、前記流体圧源の始動を検知して該検知時に前記第1
    及び第3ポート間を連通させる第1の制御手段と、前記
    開閉弁の全てが開状態になったことを検知して該検知後
    に前記第1及び第2ポート間を連通させる第2の制御手
    段とを含むとともに、前記流体圧源の始動開始後、前記
    各流体シリンダの作動圧が低圧側から徐々に上昇するよ
    うに前記各制御弁の作動を制御する作動圧制御手段を有
    することを特徴とする能動型サスペンション。
  2. 【請求項2】前記電磁弁制御手段は、当該サスペンショ
    ンシステムの異常発生を検知し、この検知時に前記第1
    及び第3ポート間を連通させる第3の制御手段を含むこ
    とを特徴とした請求項(1)記載の能動型サスペンショ
    ン。
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