JP3185905B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JP3185905B2
JP3185905B2 JP11610693A JP11610693A JP3185905B2 JP 3185905 B2 JP3185905 B2 JP 3185905B2 JP 11610693 A JP11610693 A JP 11610693A JP 11610693 A JP11610693 A JP 11610693A JP 3185905 B2 JP3185905 B2 JP 3185905B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート樹脂
組成物に関する。さらに詳しくは耐衝撃性等の機械的物
性や寸法安定性に優れるとともに、難燃性に優れた成形
品を得ることができるポリカーボネート樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
カーボネート樹脂は機械的強度(特に、耐衝撃特性),
電気的特性,透明性などに優れ、エンジニアリングプラ
スチックとして、OA機器,電気・電子機器分野,自動
車分野等様々な分野において幅広く利用されている。そ
して、これらの利用分野の中には、OA機器,電気・電
子機器分野を中心として、難燃性を要求される分野があ
る。ポリカーボネート樹脂は、各種熱可塑性樹脂の中で
は酸素指数が高く、一般的に自消性を有する樹脂と言わ
れている。しかしながら、OA機器,電気・電子機器分
野で要求される難燃性のレベルは、一般的にUL94規
格で、V−0レベルと高く、難燃性を付与するには、通
常難燃剤、難燃助剤を添加することによって行われてい
る。ポリカーボネート樹脂の場合、その難燃剤として最
も多く使用されているのが、臭素系の難燃剤である。し
かるに、臭素系難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂
組成物は、燃焼時に発生するガス、例えば、デカブロモ
ジフェニルエーテル等を添加した際に発生するガスが、
特に近年最も問題にあっているダイオキシンを含み、人
体に与える影響から環境問題になってきている。
【0003】したがって、ポリカーボネート樹脂の難燃
化には、非臭素系難燃剤の検討が進んでいる。例えば、
特公昭47−40445号公報(バイエル)には、パー
フルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩を添加し
たポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。しか
し、ここに開示されている技術では、燃焼時に滴下が生
じ、直下の材料を発火させる欠点がある。また、特公昭
60−38419号公報(G.E.)には、ポリカーボ
ネート樹脂及びパーフルオロアルカンスルホン酸のアル
カリ金属塩にシリコーンを添加することによって、燃焼
時の滴下を防止する技術が開示されているが、ポリカー
ボネート樹脂を高流動化することによって燃焼時に滴下
が生じ、直下の材料を発火させる欠点がある。さらに、
特公昭60−16473号公報(G.E.)には、ポリ
カーボネート樹脂及びパーフルオロアルカンスルホン酸
のアルカリ金属塩にガラス繊維を添加することによっ
て、燃焼時の滴下を防止する技術が開示されているが、
燃焼時に滴下が生じ、直下の材料を発火させることがあ
る。また、ここには、燃焼時間の短縮については、何等
触れられていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記状況に鑑み、非臭素系難燃剤により難燃化されたポ
リカーボネート樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ね
た。その結果、ポリカーボネート系樹脂及びパーフルオ
ロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土
類金属塩の難燃剤と特殊な反応性シリコーンとを併用す
ることによって、目的とする性状のポリカーボネート樹
脂組成物が得られることを見出した。本発明は、かかる
知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明
は、(A)ポリカーボネート系樹脂100重量部,
(B)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属
塩又はアルカリ土類金属塩0.01〜0.5重量部,(C)
二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合のオルガノキ
シシリル基を含有するオルガノポリシロキサン0.03〜
5重量部及び(D)無機充填材5〜120重量部からな
ることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物を提供
するものである。
【0005】本発明の樹脂組成物を構成する(A)成分
のポリカーボネート系樹脂は、通常の直鎖状のポリカー
ボネート樹脂、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキ
サン共重合体あるいは熱可塑性ランダム分岐ポリカーボ
ネート、その他等からなるものである。初めに、(A)
成分の一つであるポリカーボネート樹脂(PC)として
は、様々なものがある。好ましくは一般式(III)
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、Xは、それぞれ水素原子,ハロゲ
ン原子(例えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素
数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基,エチル基,
プロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,アミル基,
イソアミル基,ヘキシル基など)であり、このXが複数
の場合、それらは同一であってもよいし、異なっていて
もよく、a及びbは、それぞれ1〜4の整数である。そ
して、Yは、単結合,炭素数1〜8のアルキレン基又は
炭素数2〜8のアルキリデン基(例えば、メチレン基,
エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンテリレン
基,ヘキシレン基,エチリデン基,イソプロピリデン基
など),炭素数5〜15のシクロアルキレン基又は炭素
数5〜15のシクロアルキリデン基(例えば、シクロペ
ンチレン基,シクロヘキシレン基,シクロペンチリデン
基,シクロヘキシリデン基など),又は−S−,−SO
−,−SO2 −,−O−,−CO−結合もしくは式(IV)
あるいは(IV')
【0008】
【化3】
【0009】で表される結合を示す。〕で表される二価
フェノールとホスゲンまたは炭酸ジエステル化合物とを
反応させることによって容易に製造することができるも
のである。すなわち、例えば、塩化メチレンなどの溶媒
中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在下、
二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体
との反応により、あるいは二価フェノールとジフェニル
カーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル
交換反応などによって製造される。
【0010】ここで、前記一般式(III) で表わされる二
価フェノールとしては、様々なものがあるが、特に、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通
称:ビスフェノールA〕が好適である。ビスフェノール
A以外のビスフェノールとしては、例えば、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ナフチルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−(4−イソプロピルフェニル)メタン;ビス(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;
1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1−エ
チル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ペンタン;4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ペンタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン;1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)デカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロプロパンなどのジヒドロキシジアリ
ールアルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジ
ヒドロキシジアリールシクロアルカン類、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−クロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロ
キシジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリール
エーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒド
ロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケ
トン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィ
ド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドな
どのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’
−ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル
類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ンなどのジヒドロキシアリールフルオレン類などが挙げ
られる。また、該一般式(VI)で表される2価フェノール
類以外に、ヒドロキノン,レゾルシノール,メチルヒド
ロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1,5−ジヒ
ドロキシナフタレン;2,6−ジヒドロキシナフタレン
などのジヒドロキシナフタレン類等が挙げられる。これ
らの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよく、
2種以上を組合わせて用いてもよい。また、炭酸ジエス
テル化合物としては、ジフェニルカーボネート等のジア
リールカーボネートやジメチルカーボネート,ジエチル
カーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられ
る。そして、末端停止剤としては、通常、ポリカーボネ
ートの重合に用いられるものでよく、各種のものを用い
ることができる。具体的には、一価フェノールとして、
例えば、フェノール,p−クレゾール,p−tret−ブチ
ルフェノール,p−tret−オクチルフェノール,p−ク
ミルフェノール,ブロモフェノール,トリブロモフェノ
ール,ノニルフェノールなどが挙げられる。
【0011】本発明において、(A)成分の一つである
ポリカーボネート樹脂は、前記二価フェノール一種を用
いたホモポリマーであってもよいし、二種以上を組合わ
せて用いたコポリマーであってもよい。また、それらの
混合物であってもよい。さらに、多官能性芳香族化合物
を前記二価フェノールと併用して得られる熱可塑性ラン
ダム分岐ポリカーボネート樹脂であってもよい。このよ
うなポリカーボネート樹脂は、機械的強度及び成形加工
性の点から、その粘度平均分子量が10,000〜100,
000のものが好ましく、特に20,000〜40,000
のものが好適である。
【0012】また、(A)成分としては、ポリカーボネ
ート−ポリオルガノシロキサン共重合体(PC−PDM
S共重合体)を用いることができる。このPC−PDM
S共重合体は、様々なものがある。好ましくは一般式
(V)
【0013】
【化4】
【0014】〔式中、X,a,b及びYは、前記と同じ
である。〕で表わされる構造の繰返し単位を有するポリ
カーボネート部と、一般式(VI)
【0015】
【化5】
【0016】〔式中、R5 ,R6 およびR7 は、それぞ
れ水素原子,炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチ
ル基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチ
ル基,アミル基,イソアミル基,ヘキシル基など)また
はフェニル基であり、それぞれ同じであっても異なるも
のであってもよい。また、pおよびqは、それぞれ0ま
たは1以上の整数である。〕で表わされる構造の繰返し
単位を有するポリオルガノシロキサン部とからなるもの
である。このポリオルガノシロキサン部の重合度は5以
上が好ましい。上記のPC−PDMS共重合体は、上記
一般式(V)で表わされる繰返し単位を有するポリカー
ボネート部と、上記一般式(VI)で表わされる繰返し単位
を有するポリオルガノシロキサン部とからなるブロック
共重合体であって、粘度平均分子量10,000〜50,0
00、好ましくは15,000〜35,000のものであ
る。
【0017】このPC−PDMS共重合体は、例えば、
予め製造されたポリカーボネート部を構成するポリカー
ボネートオリゴマー(PCオリゴマー)と、ポリオルガ
ノシロキサン部を構成する、末端に反応性基を有するポ
リオルガノシロキサン(例えばポリジメチルシロキサン
(PDMS),ポリジエチルシロキサン等のポリジアル
キルシロキサンあるいはポリメチルフェニルシロキサン
等)とを、塩化メチレン,クロロベンゼン,クロロホル
ム等の溶媒に溶解させ、ビスフェノールの水酸化ナトリ
ウム水溶液を加え、触媒としてトリエチルアミンやトリ
メチルベンジルアンモニウムクロライド等を用い、界面
反応することにより製造することができる。また、特公
昭44−30108号公報や特公昭45−20510号
公報に記載された方法によって製造されたポリカーボネ
ート−ポリオルガノシロキサン共重合体を用いることも
できる。ここで、一般式(V)で表わされる繰返し単位
を有するPCオリゴマーは、溶剤法、すなわち塩化メチ
レンなどの溶剤中で公知の酸受容体、分子量調節剤の存
在下、前記一般式(III)
【0018】
【化6】
【0019】〔式中、X,a,b及びYは、前記と同じ
である。〕で表わされる前記二価フェノールとホスゲン
のようなカーボネート前駆体との反応又は二価フェノー
ルとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆
体とのエステル交換反応によって製造することができ
る。このPC−PDMS共重合体の製造に供されるPC
オリゴマーは、前記二価フェノール1種を用いたホモポ
リマーであってもよく、また2種以上を用いたコポリマ
ーであってもよい。そして、前記一般式(V)で表され
るポリカーボネート部及び前記一般式(VI)で表されるポ
リオルガノシロキサン部の合計量に対するポリオルガノ
シロキサン部の割合は、0.1〜40重量%、好ましくは
0.5〜35重量%である。
【0020】さらに、(A)成分としては、熱可塑性ラ
ンダム分岐ポリカーボネートを用いることができる。こ
の分岐ポリカーボネートを得るために用いられる分岐剤
としては、例えば、フロログルシン、メリト酸、トリメ
リト酸、トリメリト酸クロリド、無水トリメリト酸、没
食子酸、没食子酸n−プロピル、プロトカテク酸、ピロ
メリト酸、ピロメリト酸第二無水物、α−レゾルシン
酸、β−レゾルシン酸、レゾルシンアルデヒド、トリメ
チルクロリド、イサチンビス(o−クレゾール)、トリ
メチルトリクロリド、4−クロロホルミルフタル酸無水
物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸;2,4,4’−
トリヒドロキシベンゾフェノン;2,2’,4,4’−
テトラヒドロキシベンゾフェノン;2,4,4’−トリ
ヒドロキシフェニルエーテル;2,2’,4,4’−テ
トラヒドロキシフェニルエーテル;2,4,4’−トリ
ヒドロキシジフェニル−2−プロパン;2,2’−ビス
(2,4−ジヒドロキシ)プロパン;2,2’,4,
4’−テトラヒドロキシジフェニルメタン;2,4,
4’−トリヒドロキシジフェニルメタン;1−〔α−メ
チル−α−(4’−ジヒドロキシフェニル)エチル〕−
3−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)
エチル〕ベンゼン;1−〔α−メチル−α−(4’−ジ
ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビ
ス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;2,6−ビス
(2−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェノール;4,6−ジメチル−2,4,6−トリス
(4’−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン;4,6
−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−2−ヘプタン;1,3,5−トリス(4’−
ヒドロキシフェニル)ベンゼン;1,1,1−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン;2,2−ビス
〔4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キシル〕プロパン;2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−
5’−イソプロピルベンジル)−4−イソプロピルフェ
ノール;ビス〔2−ヒドロキシ−3−(2’−ヒドロキ
シ−5’−メチルベンジル)−5−メチルフェニル〕メ
タン;ビス〔2−ヒドロキシ−3−(2’−ヒドロキシ
−5’−イソプロピルベンジル)−5−メチルフェニ
ル〕メタン;テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン;トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン;2’,4’,7−トリヒドロキシフラバン;2,
4,4−トリメチル−2’,4’,7−トリヒドロキシ
フラバン;1,3−ビス(2’,4’−ジヒドロキシフ
ェニルイソプロピル)ベンゼン;トリス(4’−ヒドロ
キシアリール)−アミル−s−トリアジン等が挙げられ
る。この他、(A)成分のポリカーボネート系樹脂とし
ては、例えば、アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,
アゼライン酸,セバシン酸,デカンジカルボン酸等の直
鎖状脂肪族二価カルボン酸を共重合モノマーとする共重
合体であってもよい。
【0021】次に、本発明の樹脂組成物を構成する
(B)成分のパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカ
リ金属塩又はアルカリ土類金属塩としては、各種のもの
を挙げることができる。好ましいものとしては、一般式
(VII) (Cn 2n+1SO3)m M ・・・(VII) 〔式中、nは1〜10の整数を示し、MはLi,Na,
K,Cs等のアルカリ金属、又はMg,Ca,Sr,B
a等のアルカリ土類金属を示し、mはMの原子価を示
す。〕で表される化合物が挙げられる。例えば、特公昭
47−40445号公報に記載されているものがこれに
該当する。ここで、Mは好ましくはKであり、また、適
当なパーフルオロアルカンスルホン酸としては、パーフ
ルオロメタンスルホン酸,パーフルオロエタンスルホン
酸,パーフルオロプロパンスルホン酸,パーフルオロブ
タンスルホン酸,パーフルオロメチルブタンスルホン
酸,パーフルオロヘキサンスルホン酸,パーフルオロヘ
プタンスルホン酸,パーフルオロオクタンスルホン酸等
を挙げることができ、これらのカリウム塩が特に好まし
い。
【0022】そして、本発明の樹脂組成物を構成する
(C)成分の二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合
のオルガノキシシリル基を含有するオルガノポリシロキ
サン(以下、「オルガノポリシロキサン」と略す。)
は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を構成する
(A)成分のポリカーボネート樹脂の分子量の低下を抑
制し、耐衝撃性および熱安定性を保持する機能を有す
る。したがって、本発明のポリカーボネート樹脂組成物
には、必須の成分である。(C)成分のオルガノポリシ
ロキサンとしては、種々のものがある。具体的には、二
価炭化水素基を介してケイ素原子に結合のオルガノキシ
シリル基を含有し、直鎖状,環状,網状および一部分岐
を有する直鎖状のオルガノポリシロキサンが挙げられ
る。特に、二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合の
オルガノキシシリル基を含有する直鎖状オルガノポリシ
ロキサンが好ましい。このような二価炭化水素基を介し
てケイ素原子に結合のオルガノキシシリル基を含有する
オルガノポリシロキサンとして、例えば、直鎖状オルガ
ノポリシロキサンは、一般式(I)
【0023】
【化7】
【0024】〔式中、R1 は一価炭化水素基を示し、A
は一価炭化水素基または一般式(II) −R2 SiR3 x (OR4)(3-x) ・・・(II) (式中、R2 は二価炭化水素基を示し、R3 及びR
4 は、一価炭化水素基を示す。また、xは0〜2の整数
である。)で示されるオルガノキシシリル基含有一価炭
化水素基を示す。但し、Aの内、少なくとも1個はオル
ガノキシシリル基含有一価炭化水素基を示す。また、m
は1〜300の整数であり、nは0〜300の整数であ
り、かつm+nは0〜300の整数である。〕で表され
るオルガノポリシロキサンである。
【0025】ここで、一般式(I)において、R1 で示
される一価炭化水素基としては、具体的には、メチル
基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘ
キシル基等のアルキル基、ビニル基,アリル基,ブテニ
ル基,ペンテニル基,ヘキセニル基等のアルケニル基、
フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基、ベ
ンジル基,フェネチル基等のアラルキル基、クロロメチ
ル基,クロロプロピル基,3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基等の置換アルキル基等が例示される。そして、
Aで示される一価炭化水素基は、上記と同じである。一
方、一般式(II)において、R2 で示される二価炭化水素
基としては、具体的には、メチルメチレン基,エチレン
基,メチルエチレン基,プロピレン基,ブチレン基等の
アルキレン基が例示される。また、R3 及びR4 で示さ
れる一価炭化水素基は、上記と同じであり、オルガノキ
シシリル基含有一価炭化水素基としては、具体的には、
トリメトキシシリルエチレン基,トリエトキシシリルエ
チレン基,ジメトキシフェノキシシリルプロピレン基,
トリメトキシシリルプロピレン基,トリメトキシシリル
ブチレン基,メチルジメトキシシリルプロピレン基,ジ
メチルメトキシシリルプロピレン基等が例示される。そ
して、(C)成分の分子量は、特に限定されず、本発明
のポリカーボネート樹脂組成物中のポリカーボネート樹
脂の分子量低下を抑制することができることから、一般
式(II)において、mおよびnは、各々、mは1〜300
の整数であり、nは0〜300の整数であり、かつm+
nは1〜300の整数であることが望ましい。
【0026】このような(C)成分のオルガノポリシロ
キサンは、様々な手法によって得られる。例えば、白金
系触媒の存在下、ケイ素原子結合水素原子を有するオル
ガノポリシロキサンおよびオルガノキシシリル基と脂肪
族不飽和炭化水素結合を有する炭化水素化合物とを付加
反応させることによって製造することができる。また、
白金系触媒の存在下、脂肪族不飽和炭化水素結合を有す
る炭化水素基含有オルガノポリシロキサンとケイ素原子
結合水素原子を有するオルガノキシシランとを付加反応
させることによって製造することができる。
【0027】更に、本発明の樹脂組成物を構成する
(D)成分の無機充填材としては、各種のものがあり、
ポリカーボネート樹脂の組成物の機械的強度,耐久性又
は増量を目的に用いられる。具体的には、例えば、チタ
ン酸カリウムウィスカー、鉱物繊維(例えば、ロックウ
ール)、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維(例えば、ス
テンレス繊維)、ホウ酸アルミニウムウィスカー、窒化
ケイ素ウィスカー、ボロン繊維、テトラポット状酸化亜
鉛ウィスカー、タルク、クレー、マイカ、パールマイ
カ、アルミ箔、アルミナ、ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、ガラスバルーン、カーボンブラック、黒鉛、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化チ
タン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、シリカ、アスベスト、石英
粉等が挙げられる。これらの無機充填剤は、予め表面処
理を施してもよく、また無処理であっても差し支えな
い。その表面処理剤としては、例えば、シランカップリ
ング剤系,高級脂肪酸系,脂肪酸金属塩系,不飽和有機
酸系,有機チタネート系,樹脂酸系,ポリエチレングリ
コール系等の各種処理剤での化学的または物理的表面処
理を挙げることができる。
【0028】これらの中で、繊維状フィラーであるガラ
ス繊維としては、含アルカリガラス,低アルカリガラ
ス,無アルカリガラス等を原料としたいずれをも好適に
用いることができる。このガラス繊維の長さは、好まし
くは0.01〜2mm、より好ましくは0.05〜1mmの
範囲にあるものである。これらのガラス繊維は、前記の
ポリカーボネート樹脂との混練に際して、破断すること
があるので、混練に強する際のサイズとしては、一般
に、長さが1〜6mmの範囲にあるものが好ましい。ま
た、その直径は、通常1〜20μmで十分である。そし
て、これらのガラス繊維の形態は、特に制限はなく、例
えば、ロービング,ミルドファイバー,チョップドスト
ランドなど、いずれの形態のものも用いることができ
る。また、これらのガラス繊維は単独でも二種以上を組
み合わせて用いることができる。さらに、これらのガラ
ス繊維は、ポリカーボネート系樹脂との接着性をよくす
る目的で、表面処理剤で表面処理したのち、適当な集束
剤で集束処理したものを用いることが望ましい。ここ
で、表面処理剤としては、例えば、アミノシラン系,エ
ポキシシラン系,ビニルシラン系,アクリルシラン系等
のシラン系、チタネート系、アルミニウム系、クロム
系、ジルコニウム系、ホウ素系カップリング剤などが挙
げられる。これらの中では、シラン系カップリング剤及
びチタネート系カップリング剤、特にシラン系カップリ
ング剤が好適である。ガラス繊維を上記表面処理剤で処
理する方法については特に制限はなく、従来用いられて
いる方法、例えば、水溶液法,有機溶媒法,スプレ法な
ど任意の方法を用いることができる。また、集束剤とし
ては、例えば、ウレタン系、アクリル系、アクリロニト
リル−スチレン系共重合体系、エポキシ系などがあり、
いずれも用いることができる。これらの集束剤を用いて
ガラス繊維を集束処理する方法については、特に制限は
なく、従来慣用されている方法例えば、浸漬塗り、ロー
ラ塗り、吹き付け塗り、流し塗り、スプレー塗りなど任
意の方法を用いることができる。
【0029】また、ガラスフレーク(不定形)として
は、長径が2,000μm以下、好ましくは0.5〜1,00
0μmであり、かつアスペクト比(フィラーの長径と厚
みの比)が5以上、好ましくは10以上のものが用いら
れる。板状フィラーの長径が2,000μmを超えると、
樹脂に配合したときに分級が生じ、樹脂と均一に混合す
ることが困難となるとともに、得られた成形品に斑点を
生じさせるおそれがあるため、好ましくない。また、板
状フィラーのアスペクト比が5未満のものでは、得られ
る成形品の寸法安定性における異方性の低減や熱変形温
度の向上が不十分であるとともに、耐衝撃強度が低下し
がちになるために好ましくない。そして、好ましいタル
ク(板状)は、平均粒径が0.2〜15μm、好ましくは
0.2〜10μm、マイカ(板状)は、平均粒径が1〜2
50μm、好ましくは2〜100μmのものが好適であ
る。こらのタルクやマイカの製造法は、特に限定される
ものではなく、例えば、次のような方法によって製造す
ることができる。すなわち、原石をチューブミル型粉砕
機,衝撃式粉砕機,ミクロンミル型粉砕機,遠心ローラ
ー型レイモンドミル等の装置で粉砕する。そして、微粉
砕を要する場合には、更にミクロンミル,ジエット型粉
砕機,ジエット・オ・マイザー,ミクロナイザー,ジエ
ットパルペライザー,攪拌摩砕ミル(タワーミル),振
動ミル,コロイドミル等で乾式または湿式微粉砕すれば
よい。次いで、これらの粉砕したタルクやマイカをサイ
クロン,マルチロン,ミクロンセパレーター,ミクロプ
レックス,サイクロンエアセパレーター,ウルトラセパ
レーター,ジエットクロン,クラシクロン,レーキ分級
機,ハイドロサイクロン,水力分級機,遠心分級機等の
装置で、一回または複数回繰返して乾式または湿式分級
し、その物性を調製することによって得ることができ
る。更に、酸化チタンとしては、ルチル型及びアナター
ゼ型のいずれであってもよいが、熱安定性,耐候性に優
れるルチル型を用いるのが好ましい。そして、酸化チタ
ンは、各種表面処理剤で処理し、その表面を被覆すると
効果的である。その処理剤としては、水和アルミ,シリ
カ,亜鉛等が通常用いられる。その他、酸化チタンの樹
脂中での分散性を向上させるために、シリコーンオイル
やポリオール等を用いることもできる。
【0030】本発明の樹脂組成物は、前記の各成分
(A),(B),(C)及び(D)からなり、それらの
配合割合は、(A)成分であるポリカーボネート樹脂1
00重量部に対して、(B)成分であるパーフルオロア
ルカンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金
属塩0.01〜0.5重量部、好ましくは0.02〜0.4重量
部、(C)成分であるオルガノポリシロキサン0.03〜
5重量部、好ましくは0.1〜1重量部、及び(D)無機
充填材5〜120重量部、好ましくは7〜110重量部
からなるものである。ここで、(B)成分が0.01重量
部未満では、燃焼時間が長くなる。また、0.5重量部を
超えると、プロセス安定性が悪くなり、燃焼時間も短縮
されない。そして、(C)成分が0.03重量部未満で
は、燃焼時の滴下防止効果が小さい。また、5重量部を
超えると、射出成形機のスクリュー上を滑って噛み込み
不良となり、成形品を得ることができない。更に、
(D)成分が5重量部未満では、フィラーを添加した割
りには、剛性,強度等の機械的物性が低下する懸念があ
り好ましくない。また、120重量部を超えると、比重
の割りには、剛性,強度等の機械的物性の向上効果がみ
られない。そして、成形品作製時のスクリューの摩耗が
激しくなり好ましくない。
【0031】なお、本発明の樹脂組成物には、前記
(A),(B),(C)及び(D)成分以外に、必要に
応じて、本発明の目的を阻害しない範囲で、(E)成分
として、各種の添加剤又はその他の合成樹脂,エラスト
マー等を配合することができる。先ず、添加剤として
は、例えば、ヒンダードフェノール系,亜リン酸エステ
ル系,リン酸エステル系,アミン系等の酸化防止剤、例
えば、ベンゾトリアゾール系,ベンゾフェノン系等の紫
外線吸収剤、例えば、ヒンダードアミン系などの光安定
剤、例えば、脂肪族カルボン酸エステル系,パラフィン
系,シリコーンオイル,ポリエチレンワックス等の内部
滑剤、離型剤、常用の難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、
着色剤等が挙げられる。
【0032】ここで、前記のヒンダードフェノール系酸
化防止剤としては、BHT(2,6−ジ第三ブチル−p
−クレゾール)、チバガイギー社製の「イルガノックス
1076」(商品名)及び「イルガノックス1010」
(商品名)、エチル社製の「エチル330」(商品
名),住友化学(株)製の「スミライザーGM」(商品
名)などが好ましく用いられる。また、その他の合成樹
脂としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレ
フタレート,ホリブチレンテレフタレートなど),ポリ
アミド,ポリアリレート,ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ポリメチルメタクリレート,ポリスチレン,AS樹
脂,ABS樹脂及び上記(A)成分であるポリカーボネ
ート以外のポリカーボネート等の各樹脂を挙げることが
できる。そして、エラストマーとしては、例えば、イソ
ブチレン−イソプレンゴム,スチレン−ブタジエンゴ
ム,エチレン−プロピレンゴム,アクリル系エラストマ
ー,ポリエステル系エラストマー,ホリアミド系エラス
トマー,コアシエル型のエラストマーであるMBS,M
AS等が挙げられる。
【0033】本発明の樹脂組成物は、前記の各成分
(A),(B),(C)及び(D)と、必要に応じて
(E)を配合し、混練することによって得ることができ
る。そして、該配合及び混練には、通常用いられている
方法、例えば、リボンブレンダー,ヘンシェルミキサ
ー,バンバリーミキサー,ドラムタンブラー,単軸スク
リュー押出機,2軸スクリュー押出機,コニーダ,多軸
スクリュー押出機等を用いて行うことができる。なお、
混練に際しての加熱温度は、通常250〜300℃の範
囲で選ばれる。かくして得られる樹脂組成物は、既知の
種々の成形方法、例えば、射出成形,中空成形,押出成
形,圧縮成形,カレンダー成形,回転成形等を適用する
ことができ、各種成形品を製造するのに供することがで
きる。
【0034】
【実施例】更に、本発明を製造例,実施例および比較例
により、詳しく説明する。 製造例1−1 〔PCオリゴマーの製造)400リットルの5%水酸化
ナトリウム水溶液に、60kgのビスフェノールAを溶
解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調
製した。次いで、室温に保持したビスフェノールAの水
酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間の流量
で、また塩化メチレンを69リットル/時間の流量で内
径10mm,管長10mの管型反応器にオリフィス板を
通して導入し、これにホスゲンを並流して10.7kg/
時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反応させた。こ
こで用いた管型反応器は二重管となっており、ジャケッ
ト部分には冷却水を通して反応液の排出温度を25℃に
保った。また、排出液のpHは10〜11を示すように
調製した。このようにして得られた反応液を静置するこ
とにより、水相を分離除去し、塩化メチレン相(220
リットル)を採取した。塩化メチレンを蒸発により除き
フレーク状のポリカーボネートオリゴマーを得た。ここ
で得られたポリカーボネートオリゴマーの重合度は3〜
4であった。
【0035】製造例1−2 〔反応性PDMSの合成〕オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン1483g、1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン18.1gおよび86%硫酸35gを混合し、
室温で17時間攪拌した。その後、オイル相を分離し、
炭酸水素ナトリウム25gを加え1時間攪拌した。濾過
した後、150℃,3torrで真空蒸留し、低沸点物
を除いた。2−アリルフェノール60gと塩化白金−ア
ルコラート錯体としてのプラチナ0.0014gとの混合
物に、上記で得られたオイル294gを90℃の温度で
添加した。この混合物を90〜115℃の温度に保ちな
がら3時間攪拌した。生成物を塩化メチレンで抽出し、
80%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰の2−アリ
ルフェノールを除いた。その生成物を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、真空中で115℃の温度まで溶剤を留去し
た。得られた末端フェノールPDMSはNMRの測定に
より、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返し数は150
であった。
【0036】製造例1−3 〔PC−PDMS共重合体の製造〕製造例1−2で得た
反応性PDMS185gを塩化メチレン2リットルに溶
解させ、製造例1−1で得たPCオリゴマー10リット
ルと混合した。そこへ、水酸化ナトリウム26gを水1
リットルに溶解させたものとトリエチルアミン5.7cc
を加え500rpmで室温にて1時間攪拌した。その
後、5.2重量%の水酸化ナトリウム水溶液5リットルに
ビスフェノールA600gを溶解させたもの、塩化メチ
レン8リットルおよびp−tert−ブチルフェノール81
gを加え500rpmで室温にて2時間攪拌した。しか
る後、塩化メチレン5リットルを加え、さらに水5リッ
トルで水洗、0.01規定水酸化ナトリウム水溶液5リッ
トルでアルカリ洗浄、0.1規定塩酸5リットルで酸洗浄
および水5リットルで水洗を順次行い、最後に塩化メチ
レンを除去し、チップ状のPC−PDMS共重合体を得
た。得られたPC−PDMS共重合体のMv(粘度平均
分子量)は、20,000で、PDMS鎖長(n:ジメチ
ルシラノオキシ単位)は、150で、更に、PDMS含
有率は、4重量%であった。なお、粘度平均分子量(M
v),PDMS鎖長(n:ジメチルシラノオキシ単位)
及びPDMS含有率の測定は以下の方法で行った。 1)粘度平均分子量(Mv) 粉砕した成形品を塩化メチレン溶液に溶解して、不溶分
をフィルターにて取り除き、蒸発させてフィルムを作
り、そのフィルムを再度塩化メチレンに溶解させ、20
℃でウベローデ粘度管にて粘度を測定し、これより極限
粘度〔η〕を求めた後、次式にて算出した。 〔η〕=1.23×10-5Mv0.83 2)PDMS鎖長(n:ジメチルシラノオキシ単位数)1 H−NMRで0.2ppmに見られるジメチルシロキサ
ンのメチル基のピークと2.6ppmに見られるPC−P
DMS結合部のメチレン基のピークの強度比で求めた。 3)PDMS含有率1 H−NMRで1.7ppmに見られるビスフェノールA
のイソプロピルのメチル基のピークと0.2ppmに見ら
れるジメチルシロキサンのメチル基のピークの強度比で
求めた。
【0037】製造例2 〔分子の側鎖にアルコキシシリル基を有するポリジメチ
ルシロキサンの製造〕攪拌機,還流機,温度計を備えた
1リットル丸底フラスコに、ヘキサメチルジシロキサン
151g,オクタメチルシクロテトラシロキサン482
g,テトラメチルシクロテトラシロキサン167g及び
活性白土3.0gを仕込み、マントルヒーターにて60℃
で8時間加熱、攪拌した。冷却後、濾過し、無色透明の
油状物760gを得た。得られた油状物の構造は、NM
R測定により以下のように決定された。
【0038】
【化8】
【0039】次いで、攪拌機,還流機,温度計を備えた
500ミリリットル丸底フラスコに、上記の油状物24
7g,ビニルトリメトキシシラン153g及び塩化白金
酸の3%アルコール溶液0.15gを仕込み、マントルヒ
ーターにて80℃で4時間加熱、攪拌した。120℃,
30mmHgで減圧蒸留し、過剰のビニルトリメトキシ
シランを除去した後、濾過し、淡褐色透明の油状物36
3gを得た。得られた油状物の構造は、NMR測定によ
り以下のように決定された。
【0040】
【化9】
【0041】製造例3 〔分子の両末端にアルコキシシリル基を有するポリジメ
チルシロキサンの製造〕攪拌機,還流機,温度計を備え
た1リットル丸底フラスコに、テトラメチルジシロキサ
ン92g,オクタメチルシクロテトラシロキサン708
g及び活性白土3.0gを仕込み、マントルヒーターにて
60℃で8時間加熱、攪拌した。冷却後、濾過し、無色
透明の油状物760gを得た。得られた油状物の構造
は、NMR測定により以下のように決定された。
【0042】
【化10】
【0043】次いで、攪拌機,還流機,温度計を備えた
500ミリリットル丸底フラスコに、上記の油状物30
7g,ビニルトリメトキシシラン73g及び塩化白金酸
の3%アルコール溶液0.15gを仕込み、マントルヒー
ターにて80℃で4時間加熱、攪拌した。120℃,3
0mmHgで減圧蒸留し、過剰のビニルトリメトキシシ
ランを除去した後、濾過し、淡褐色透明の油状物365
gを得た。得られた油状物の構造は、NMR測定により
以下のように決定された。
【0044】
【化11】
【0045】実施例1〜10及び比較例1〜4 第1表に示す配合量にしたがって、ポリカーボネート系
樹脂,パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩,オル
ガノポリシロキサン及び無機充填材をドライブレンドし
た後、ベント付き二軸押出機〔東芝機械(株)製,TE
M−35〕を用いてトップフィードし、280〜300
℃で混練し、ペレットを作製した。但し、無機充填材と
して、ガラス繊維を用いた場合、ガラス繊維をサイドフ
ィードした。得られたペレットを120℃で6時間乾燥
後、成形温度280℃で射出成形〔成形機:東芝機械
(株)製IS25P〕して試験片を作製した。実施例お
よび比較例で得られた試験片については、その品質評価
として、UL94規格に基づく難燃性の評価を実施し
た。その結果を第2表に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】なお、実施例及び比較例において用いた各
原料は、次の通りである。 (A)ポリカーボネート系樹脂 1)ポリカーボネート樹脂(PC) A1 :タフロンA2200〔出光石油化学(株)製,M
v=22,200〕 A2 :タフロンA1700〔出光石油化学(株)製,M
v=18,000〕 A3 :タフロンA1900H〔出光石油化学(株)製,
Mv=19,000〕 2)PC−PDMS共重合体 製造例1−3による。 3)分岐ポリカーボネート IB2500〔出光石油化学(株)製〕 (B)パーフルオロブタンスルホン酸アルカリ塩 メガファックスF114〔大日本インキ化学(株)製,
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩〕 (C)オルガノポリシロキサン C1 :製造例2で製造した。 メトキシ基含有量 21.4重量% 動粘度 20cSt C2 :製造例3で製造した。 メトキシ基含有量 12.7重量% 動粘度 15cSt C3 :ジメチルシリコーン〔東レ・ダウコーニング・シ
リコーン(株)製〕 (D)無機充填材 D1 :チョップドストランドガラス繊維〔旭ファイバー
グラス(株)製,03MA409C〕 D2 :タルク FFR〔浅田製粉(株)製〕 D3 :マイカ M−325〔レプコ社製〕 D4 :酸化チタン CR−60〔石原産業(株)製〕
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明のポリカーボネー
ト樹脂組成物によれば、ポリカーボネート系樹脂に、パ
ーフルオロシルカリスルホン酸のアルカリ金属塩又はア
ルカリ土類金属塩,オルガノポリシロキサン及び無機充
填材を配合することによって、難燃性に優れた成形品を
得ることができる。したがって、本発明のポリカーボネ
ート樹脂組成物は、各種の成形品、例えば、OA機器あ
るいは電気・電子分野などの難燃性製品の成形に利用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 83:04) (56)参考文献 米国特許4767818(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート系樹脂100重
    量部,(B)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカ
    リ金属塩又はアルカリ土類金属塩0.01〜0.5重量部,
    (C)二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合のオル
    ガノキシシリル基を含有するオルガノポリシロキサン0.
    03〜5重量部及び(D)無機充填材5〜120重量部
    からなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (C)成分のオルガノキシシリル基を含
    有するオルガノポリシロキサンが、一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 は一価炭化水素基を示し、Aは一価炭化水
    素基または一般式(II) −R2 SiR3 x (OR4)(3-x) ・・・(II) (式中、R2 は二価炭化水素基を示し、R3 及びR4
    それぞれ一価炭化水素基を示す。また、xは0〜2の整
    数である。)で示されるオルガノキシシリル基含有一価
    炭化水素基を示す。但し、Aの内少なくとも1個はオル
    ガノキシシリル基含有一価炭化水素基を示す。また、m
    は1〜300の整数であり、nは0〜300の整数であ
    り、かつm+nは1〜300の整数である。〕で表され
    るオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求
    項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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