JP4521114B2 - 光反射体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光反射体に関し、さらに詳しくは、液晶ディスプレイバックライト用反射板又は反射枠などとして好適な光反射体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、機械物性(特に、耐衝撃特性),電気的特性,透明性などに優れていることから、エンジニアリングプラスチックとして、OA機器や電気・電子機器分野,建築分野などの様々な分野において幅広く利用されている。そして、これらの利用分野の中で、特に液晶ディスプレイバックライト用反射板の用途においては、高反射率性,遮光性,耐光性などの特性が要求されており、本出願人は、既にその用途に適したポリカーボネート組成物について出願している(特開平10−36656号公報)。
【0003】
しかしながら、近年、液晶ディスプレイのカラー化,高精細化,高輝度化が進行するにつれて、液晶ディスプレイ用バックライトの高輝度化がますます要求されてきており、単に上記組成物を用いただけでは充分な輝度を均一に発現することはできない。通常、高輝度化には反射板表面を鏡面仕上げにすることがよく知られているが、その際、照明に用いる冷陰極管直下と、冷陰極管と冷陰極管の谷間での輝度むらが大きくなり、均一にするためには厚めの拡散シートにより輝度を犠牲にしなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、輝度を損なうことなく、均一な輝度を得ることができる光反射体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、光沢度(85°)と光沢度(20°)の比を制御することにより得られた光反射体がその目的に適合しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
1.(a)ポリカーボネート樹脂、(b)酸化チタン粉末及び(c)オルガノシロキサンを含有するポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光反射体であって、該光反射体の表面の光沢度について、下記式(1)
光沢度(85°)/光沢度(20°)>2 ・・・(1)
を満足することを特徴とする光反射体。
2.ポリカーボネート樹脂組成物が、(a)成分100質量部に対して、(b)成分0.01〜30質量部及び(c)成分0.001〜5質量部を配合してなるものである前記1記載の光反射体。
3.光反射体の表面の光沢度について、下記式(2)
光沢度(85°)/光沢度(20°)>5 ・・・(2)
を満足するものである前記1又は2に記載の光反射体。
4.(c)成分のオルガノシロキサンが、反応性基含有オルガノポリシロキサンである前記1〜3のいずれかに記載の光反射体。
5.反応性基が、アルコキシ基、水酸基又は水素である前記4記載の光反射体。
6.光反射体が液晶ディスプレイバックライト用反射板又は反射枠である前記1〜5のいずれかに記載の光反射体。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の光反射体原料のポリカーボネート組成物において、(a)成分として用いられるポリカーボネート樹脂としては、種々のものが挙げられるが、一般式(I)
【0008】
【化1】
Figure 0004521114
【0009】
で表される構造の繰り返し単位を有する重合体が好適である。
上記一般式(I)において、X1 及びX2 は、それぞれ炭素数1〜6の直鎖状,分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,tert−ブチル基,n−アミル基,イソアミル基,n−ヘキシル基,イソヘキシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などを挙げることができる。このX1 及びX2 はたがいに同一であっても異なっていてもよい。a及びbは、それぞれX1 及びX2 の置換数を示し、0〜4の整数である。X1 が複数ある場合、複数のX1 はたがいに同一でも異なっていてもよく、X2 が複数ある場合、複数のX2 はたがいに同一でも異なっていてもよい。
【0010】
Yは単結合,炭素数1〜8のアルキレン基(例えばメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチリレン基,ヘキシレン基など),炭素数2〜8のアルキリデン基(例えばエチリデン基,イソプロピリデン基など),炭素数5〜15のシクロアルキレン基(例えばシクロペンチレン基,シクロヘキシレン基など),炭素数5〜15のシクロアルキリデン基(例えばシクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン基など),−S−,−SO−,−SO2 −,−O−,−CO−結合又は式(II-1)もしくは式(II-2)
【0011】
【化2】
Figure 0004521114
【0012】
で表される結合を示す。
上記重合体は、通常一般式(III)
【0013】
【化3】
Figure 0004521114
【0014】
(式中、X1 ,X2 ,a,bおよびYは、前記に同じである。)
で表される二価フェノールと、ホスゲンや炭酸エステル化合物等のカーボネート前駆体とを反応させることによって容易に製造することができる。
すなわち、例えば塩化メチレン等の溶媒中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲン等のカーボネート前駆体との反応により、或いは溶媒の存在下又は不存在下、二価フェノールと炭酸エステル化合物等のカーボネート前駆体とのエステル交換反応などによって製造することができる。
【0015】
前記一般式(III)で表される二価フェノールとしては様々なものを挙げることができる。特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称、ビスフェノールA〕が好ましい。ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等を挙げることができる。この他、二価フェノールとしては、ハイドロキノン等を挙げることができる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0016】
炭酸エステルとしては、例えばジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートなどを挙げることができる。
前記二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させてポリカーボネートを製造する際に、必要に応じて分子量調節剤を用いることができる。この分子量調節剤については特に制限はなく、従来ポリカーボネートの製造において慣用されているものを用いることができる。このようなものとしては、例えばフェノール,p−クレゾール,p−tert−ブチルフェノール,p−tert−オクチルフェノール,p−クミルフェノール,p−ノニルフェノール,p−ドデシルフェノールなどの一価フェノールを挙げることができる。
【0017】
この(a)成分のポリカーボネート樹脂は、前記の二価フェノールの一種を用いたホモポリマーであってもよく、また二種以上を用いたコポリマーであってもよい。更に、多官能性芳香族化合物を上記二価フェノールと併用して得られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネート樹脂であってもよい。
その多官能性芳香族化合物は、一般に分岐剤と言われ、1,1,1−トリス(4−ヒドキシフェニル)エタン、α,α’,α''−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4''−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などを挙げることができる。
【0018】
また、数平均重合度5以上からなるオルガノシロキサンブロックからなるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体であってもよい。
さらには、各種のポリカーボネート樹脂二種以上からなる混合物であってもよい。
本発明の原料の組成物において、(a)成分として用いられるポリカーボネート樹脂は、機械的強度、特にアイゾット衝撃強度及び成形性などの点から、粘度平均分子量が13,000〜30,000の範囲にあるもの、特に15,000〜25,000の範囲にあるものが好ましい。なお、その粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10-5Mv0.83の式により算出した値である。
【0019】
このような特性を有するポリカーボネート樹脂は、例えばタフロンFN3000A、FN2500A、FN2200A、FN1900A、FN1700A、FN1500A(商品名,出光石油化学社製)のような芳香族ポリカーボネート樹脂として市販されている。
本発明の原料の樹脂組成物において、(b)成分として用いられる酸化チタン粉末は、本質的に低反射性(高透明性)である(a)成分のポリカーボネート樹脂に低透明化,高白度化をもたらし、高反射性を付与するとともに、該ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上させる作用を有している。
【0020】
(b)成分としての酸化チタンは上述のように(a)成分のポリカーボネート樹脂に低透明性、高反射性を付与する目的から微粉末の形態で使用されるが、各種粒度の微粉末の酸化チタンは、塩素法または硫酸法のいずれの方法によっても製造することができる。
本発明において使用される酸化チタンは、ルチル型およびアナターゼ型のいずれでもよいが、熱安定性、耐候性等の点でルチル型が好ましい。またその微粉末粒子の形状は特に限定されるものではなく、鱗片状,球状,不定形等適宜選択使用できる。
【0021】
この(b)成分として使用される酸化チタンは、アルミニウム及び/又は珪素の含水酸化物の他、アミン化合物、ポリオール化合物等で表面処理したものが好ましい。この処理をすることによりポリカーボネート樹脂組成物中での均一分散性及びその分散状態の安定性が向上する。
ここに言うアルミニウムや珪素の含水酸化物,アミン化合物及びポリオール化合物としては、それぞれアルミナ含水物,シリカ含水物,トリエタノールアミン及びトリメチロールエタンなどを例示することができる。
【0022】
上記表面処理における処理方法自体は特に限定されるものではなく、任意の方法が適宜採られる。この処理により酸化チタン粒子表面に付与される表面処理剤の量は特に限定されるものではないが、酸化チタンの光反射性、ポリカーボネート樹脂組成物の成形性を考慮すれば酸化チタンに対し1〜15質量%程度が適当である。
【0023】
本発明の組成物において、(b)成分として用いられる上記酸化チタン粉末の粒子径については特に制限はないが、前記効果を効率よく発揮するには、平均粒子径が、好ましくは0.01〜5.0μm、更に好ましくは0.05〜1.0μmのものを使用すればよい。
本発明の原料の組成物においては、(c)成分として、オルガノシロキサンが用いられる。このオルガノシロキサンとしては、種々のものがあり、反応性基として、アルコキシ基、水酸基又は水素を含むオルガノシロキサンが挙げられる。中でも、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンが好ましく、具体的には、アルコキシ基が直接又は二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合したオルガノキシシリル基を含有し、直鎖状,環状,網状及び一部分岐を有する直鎖状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。特に直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0024】
このようなアルコキシ基が直接又は二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合したオルガノキシシリル基を含有するオルガノポリシロキサンとしては、例えば一般式(IV)
【0025】
【化4】
Figure 0004521114
【0026】
〔式中、R1 は一価炭化水素基を示し、Aは一価炭化水素基、アルコキシ基(−OR4 ) 又は一般式(V)
−R2 SiR3 x (OR4 (3-x) ・・・(V)
(式中、R2 は二価炭化水素基を示し、R3 及びR4 は一価炭化水素基を示す。又、xは0〜2の整数である。)
で示されるオルガノキシシリル基含有一価炭化水素基を示す。但し、一分子中のAのうち、少なくとも1個はアルコキシ基又はオルガノキシシリル基含有一価炭化水素基である。また、mは1〜300の整数であり、nは0〜300の整数であり、かつm+nは1〜300の整数である。〕
で表される直鎖状オルガノポリシロキサンを挙げることができる。
【0027】
ここで、一般式(IV)において、R1 で示される一価炭化水素基としては、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基、ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基が例示される。そして、Aで示される一価炭化水素基の具体例は、上記R1 の場合と同じである。
【0028】
一方、一般式(V)において、R2 で示される二価炭化水素基としては、具体的には、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレン基等のアルキレン基が例示される。また、R3 及びR4 で示される一価炭化水素基は、上記と同じであり、オルガノキシシリル基含有一価炭化水素基としては、具体的には、トリメトキシシリルエチレン基,トリエトキシシリルエチレン基,ジメトキシフェノキシシリルフロピレン基,トリメトキシシリルプロピレン基,トリメトキシシリルブチレン基,メチルジメトキシシリルプロピレン基,ジメチルメトキシシリルプロピレン基等が例示される。
【0029】
そして、このようなオルガノポリシロキサンの分子量は、特に限定されず、ポリカーボネート樹脂組成物中のポリカーボネート樹脂の分子量低下を抑制することができることから、一般式(IV)において、m及びnは、各々、mは1〜300の整数であり、nは0〜300の整数であり、かつm+nは1〜300の整数であることが望ましい。
【0030】
また、このようなオルガノポリシロキサンは、様々な手法によって得られる。例えば、白金系触媒の存在下、ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノキシシリル基と脂肪族不飽和炭化水素結合を有する炭化水素化合物とを付加反応させることによって製造することができる。また、白金系触媒の存在下、脂肪族不飽和炭化水素結合を有する炭化水素基含有オルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水素原子を有するオルガノキシシランとを付加反応させることによって製造することができる。
【0031】
上記(c)成分のオルガノシロキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の光反射体の原料の樹脂組成物は、前記の各成分(a),(b)及び(c)を含有するものであるが、その好ましい配合割合は、(a)成分であるポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(b)成分である酸化チタン粉末0.01〜30質量部、さらに好ましくは0.1〜20質量部及び(c)成分であるオルガノシロキサン0.001〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜3質量部である。
【0032】
ここで、(b)成分が0.01質量部未満では、白色度が十分に得られない場合がある。。また、30質量部を超えると、比重が大きくなる割には、白色度の向上が見られない場合があり、これを超えてまで配合する必要はない。そして、(c)成分が0.001質量部未満では、ポリカーボネートの分子量低下の抑制効果が小さい場合がある。また、5質量部を超えると、ポリカーボネート樹脂組成物の混練時に、スクリュー上を滑ってフィードが不安定になる場合がある。さらに、強度,剛性等の機械的強度が低下する懸念がある。
【0033】
本発明の原料の樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により(d)成分として、各種添加剤、例えば、酸化防止剤,明度向上剤,滑剤(離型剤),難燃剤,ドリップ防止剤,他の無機充填剤などを適宜含有させてもよい。
本発明の原料の樹脂組成物は、(a)成分,(b)成分,(c)成分及び各種添加剤を配合し、混練することにより調製することができる。該配合及び混練方法としては、通常の樹脂組成物に適用される方法がそのまま適用でき、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸または2以上の多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法が好適である。なお、混練温度は特に限定されないが、通常240〜340℃の範囲から好適に選ばれる。
【0034】
このようにして得られた樹脂組成物を、通常の成形方法、例えば射出成形法や圧縮成形法などを用いて平面板又は曲面板に成形することにより、本発明の光反射体が得られる。
本発明においては、その射出成形又は圧縮成形の金型の表面(光反射体の反射面に相当する部分)を平均粒径40〜200μmのガラスビーズ、アルミナまたはその混合物等で研磨(プラスト処理)する必要がある。その研磨された金型を使用することによって、下記式(1)、好ましくは下記式(2)を満足する光反射体を得ることができる。
光反射体の表面の光沢度について、
光沢度(85°)/光沢度(20°)>2 ・・・(1)
光沢度(85°)/光沢度(20°)>5 ・・・(2)
このように製造された光反射体は輝度を損なうことなく、均一な輝度が得られる。
【0035】
この光反射体は、例えば照明装置用や液晶ディスプレイバックライト用などの反射板や反射枠に好ましく用いられるが、特に液晶ディスプレイバックライト用として好適である。
【0036】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で用いた材料の種類と量は下記のとおりである。
(a)ポリカーボネート(PC樹脂)
タフロンFN1700A〔商品名,出光石油化学社製,ビスフェノールA型のポリカーボネート,粘度平均分子量17,000〕(100質量部)
(b)酸化チタン粉末
PF726〔商品名,石原産業社製〕(18質量部)
(c)オルガノシロキサン
メトキシ変性シリコーンBY16−160(商品名,東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)(0.5質量部)
【0037】
(d)その他の添加剤
(d−1)難燃剤
アデカスタブPFR(商品名,旭電化工業社製,フェニル・レゾルシンポリホスフェート,リン含有量10.8質量%)(2.4質量部)
(d−2)明度向上剤
ホスタルックスKS−N(商品名,ヘキスト社製)、4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4’−(5−メチルベンゾオキサゾール2−イル)スチルベン(0.01質量部)
(d−3)ドリップ防止剤
CD076(商品名,旭ICIフルオロポリマー社製)(0.36質量部)
(d−4)酸化防止剤
トリフェニルホスフィン(0.12質量部)
【0038】
また、光反射体の性能は、下記の要領に従って評価した。
(1)光沢度
30×30×3mmのテストピースを使用しJIS K 7105に準拠して測定した。(%)
装置:光沢度測定用光学部VGS(日本電色工業社製)
計測部:SZシグマ90(日本電色工業社製)
ランプ:5V−1.25A
(2)輝度,輝度の均一性
黒色アクリル板(厚み2mm)製箱状ケース(148mm×104mm×30mm)に、シボ加工したプレート(148mm×104mm×3mm)を底面に設置し、プレート面より4mmの高さに冷陰極管(HMBS26E、ハリソン電機社製)を設置した。これを乳白色のアクリル板(アクリライトL432、三菱レイヨン社製、2mm)で覆い、その輝度ムラを目視で判断した。その判断の結果は下記のように表した。
○:優れている
×:劣る
また、輝度は中心部をミノルタ社製LS−110を用いて測定した。
【0039】
実施例1〜3及び比較例1
前記に示す種類と量の各成分を、50mmφ単軸押出機により、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、押出してペレット化し、樹脂組成物を調製した。得られたペレットを120℃で5時間乾燥処理したのち、平面(S55C鏡面#1000)を第1表に示す無機材料でプラスト処理を行った金型を使用して射出成形を行って、物性測定用の試験片を作製した。その試験片の性能評価結果を第2表に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004521114
【0041】
【表2】
Figure 0004521114
【0042】
【発明の効果】
本発明の光反射体は、輝度を損なうことなく、均一な輝度を得ることができ、特に液晶ディスプレイバックライト用反射板又は反射枠として有用である。

Claims (9)

  1. (a)ポリカーボネート樹脂、(b)酸化チタン粉末及び(c)オルガノシロキサンを含有するポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光反射体であって、該光反射体が表面(光反射体の反射面に相当する部分)をブラスト処理された金型を使用することによって得ることができる光反射体であり、その表面のJIS K7105に準拠して測定した光沢度について、下記式(1)
    光沢度(85°)/光沢度(20°)>2 ・・・(1)
    を満足することを特徴とする光反射体。
  2. ポリカーボネート樹脂組成物が、(a)成分100質量部に対して、(b)成分0.01〜30質量部及び(c)成分0.001〜5質量部を配合してなるものである請求項1記載の光反射体。
  3. 光反射体の表面のJIS K7105に準拠して測定した光沢度について、下記式(2)
    光沢度(85°)/光沢度(20°)>5 ・・・(2)
    を満足するものである請求項1又は2に記載の光反射体。
  4. (c)成分のオルガノシロキサンが、反応性基含有オルガノシロキサンである請求項1〜3のいずれかに記載の光反射体。
  5. 反応性基が、アルコキシ基、水酸基又は水素である請求項4記載の光反射体。
  6. 光反射体が液晶ディスプレイバックライト用反射板又は反射枠である請求項1〜5のいずれかに記載の光反射体。
  7. 前記ブラスト処理がガラスビーズ、アルミナまたはその混合物を使用するブラスト処理である請求項1〜6のいずれかに記載の光反射体。
  8. 表面(光反射体の反射面に相当する部分)がブラスト処理された金型を使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光反射体の成形方法。
  9. 前記ブラスト処理がガラスビーズ、アルミナまたはその混合物を使用するブラスト処理である請求項8に記載の光反射体の成形方法。
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