JP3177964B2 - 発色方法、該方法を用いる酵素免疫測定法及びイムノクロマト法 - Google Patents
発色方法、該方法を用いる酵素免疫測定法及びイムノクロマト法Info
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Description
素原子又はハロゲン原子である。)で表されるインドリ
ル誘導体に酵素を作用させる発色方法において、一般式
り、該メチレン鎖には鎖中に酸素原子又はカルボニル基
を含んでもよく、R4 、R5 、R6 及びR7 は水素原子
又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で表されるフ
リーラジカル化合物及び/又は一般式
−ジイル基であり、金属は鉄、銅、亜鉛、コバルト、イ
ンジュウム、ネオジム、マンガン又はユウロピウムであ
る。)で表されるジアミン誘導体と金属との錯体を形成
したキレート化合物の存在下に発色を行う発色方法に関
する。さらに、本発明は、この発色方法を用いる酵素免
疫測定法(以下、EIAという。)及び該EIAを組み
込んだイムノクロマト法に関する。
ト法等でインドリル誘導体が、発色基質として用いられ
ていた(METHODS IN ENZYMOLOG
Y,Vol.121,497−509(1986);特
開平9−133681号公報等参照)。
免疫反応によって結合した酵素の活性を、インドリル誘
導体を用いて測定することが行われている。インドリル
誘導体は、酵素と反応してインジゴ色素を生じ、時間の
経過とともにニトロセルロース膜上に沈着するため、目
視による測定が可能である。
は、インドリル誘導体を酵素と反応させて発色測定を行
うまでに20分から60分を必要とするため、反応時間
を短縮することが求められていた。また、イムノクロマ
ト法では、検体をニトロセルロース膜に点着し、インド
リル誘導体を含む展開液を展開させた後、検出部位の発
色量を測定して結果を得るまでに、少なくとも10分、
通常は15分間から数時間を要するため、イムノクロマ
ト法の特徴である簡便性を生かした緊急検査への対応に
は、さらなる測定時間の短縮が求められていた。
式〔化4〕で表されるインドリル誘導体に酵素を作用さ
せる際に、前記一般式〔化5〕で表されるフリーラジカ
ル化合物、及び/又は前記一般式〔化6〕で表されるキ
レート化合物の存在下で発色を行うと、発色に要する時
間が短縮されることを見出し本発明を完成した。
記一般式〔化4〕で表されるインドリル誘導体のR1を
酵素の作用により脱離させ、この分解した2分子を縮合
させてインジゴ色素を生成させる際に、前記一般式〔化
5〕で表されるフリーラジカル化合物、及び/又は前記
一般式〔化6〕で表されるキレート化合物を存在させる
ことを特徴とする発色方法である。生成するインジゴ色
素は所定の反応時間経過後、その発色を、目視又は機器
により測定することができる。
識抗体又は抗原の酵素活性を、請求項1に記載の一般式
〔化1〕で表されるインドリル誘導体を用いて測定する
酵素免疫測定法において、請求項1に記載の一般式〔化
2〕で表されるフリーラジカル化合物、及び/又は請求
項1に記載の一般式〔化3〕で表されるジアミン誘導体
と金属との錯体を形成したキレート化合物の存在下に発
色させることを特徴とする酵素免疫測定方法である。
の検出部位に結合した酵素標識抗体又は抗原の酵素活性
を、請求項1に記載の一般式〔化1〕で表されるインド
リル誘導体を用いて測定するイムノクロマト法におい
て、請求項1に記載の一般式〔化2〕で表されるフリー
ラジカル化合物、及び/又は請求項1に記載の一般式
〔化3〕で表されるジアミン誘導体と金属との錯体を形
成したキレート化合物との存在下に発色させることを特
徴とするイムノクロマト法である。
5〕で表されるフリーラジカル化合物、及び前記一般式
〔化6〕で表されるキレート化合物は、前記一般式〔化
4〕で表されるインドリル誘導体を含む反応溶液中に添
加することができる。
カル化合物、及び/又は前記一般式〔化6〕で表される
キレート化合物は、通常前記一般式〔化4〕で表される
インドリル誘導体を含む緩衝液中に添加して使用し、例
えば、0.1mMから100mM、好ましくは1mMか
ら20mM程度を用いることができる。
が好ましく、緩衝液としては、例えば、ジエタノールア
ミン−塩酸緩衝液、アミノメチルプロパンジオール−塩
酸緩衝液、炭酸緩衝液、グリシン緩衝液、CHES−N
aOH緩衝液(CHES:N−シクロヘキシル−3−ア
ミノプロパンスルホン酸)、CAPSO−NaOH緩衝
液(CAPSO:N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ
−3−アミノプロパンスルホン酸)、CAPS−NaO
H(CAPS:N−シクロヘキシル−2−アミノエタン
スルホン酸)緩衝液等を挙げることができる。さらに
は、緩衝液には、所望により塩化マグネシウムなどの塩
類を添加することもできる。
カル化合物は、環状のアミンオキシルフリーラジカル基
を有する化合物であり、Aとしては、置換又は無置換の
炭素数2〜3のメチレン鎖であり、該メチレン鎖には、
鎖中に酸素原子又はカルボニル基を含むこともできる。
−(CH2 )3 −、−(CH2 )2−、−CH2 −O−
CH2 −、−CH2 −CO−CH2 −等で表される基を
挙げることができる。
ば、水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ
基等を挙げることができる。
カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバ
モイル基、プロピルカルバモイル基、フェニルカルバモ
イル基等を挙げることができる。
R5 、R6 及びR7 は、同一又は異なった水素原子、又
は炭素数1〜3のアルキル基である。炭素数1〜3のア
ルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソピロピル基など挙げることができる。
にアルキル基が置換した化合物は、フリーラジカル基の
安定化をはかることができる。
カル化合物は、既に容易に入手可能な化合物であり、例
えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−
オキシル フリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル フリ
ーラジカル、4−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−1−オキシル フリーラジカル、4
−カルバモイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−1−オキシル フリーラジカル、4−アミノ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ
ル フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルモ
ルホリン−1−オキシル フリーラジカル、2,2,
5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル フリ
ーラジカル、3−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラ
メチルピロリジン−1−オキシル フリーラジカル、3
−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジ
ン−1−オキシル フリーラジカル、3−カルバモイル
−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキ
シル フリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン−1−オキシル フリーラジカ
ル(AAQ−2)等を挙げることができる。
導体のR8 は、エチレン基、シクロヘキサン−1,2−
ジイル基等を挙げることができる。
ート化合物としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸
(EDTA)、trans−1,2−ジアミンシクロヘ
キサン−N,N,N’,N’−四酢酸等へ鉄、銅、亜
鉛、コバルト、インジュウム、ネオジム、マンガン、ユ
ウロピウム等の金属が配位した化合物を挙げることがで
きる。
例えば、EDTA−鉄、EDTA−銅、EDTA−亜
鉛、EDTA−コバルト、EDTA−インジュウム、E
DTA−マンガン、EDTA−ユウロピウム、tran
s−1,2−ジアミンシクロヘキサン−N,N,N’,
N’−四酢酸−鉄、trans−1,2−ジアミンシク
ロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸−銅等を挙げ
ることができる。
4〕で表されるインドリル誘導体は、R1 が酵素分解性
の脱離基であり、例えば、−PO3 2- ・2M+ で表され
る基(Mは水素、アルカリ金属又はトルイジンであ
る。)、β−D−ガラクトピラノシル基、又はβ−D−
グルコピラノシル基等を挙げることができる。
誘導体に作用させる酵素として、ホスファターゼを使用
する場合には、前記一般式〔化4〕で表されるインドリ
ル誘導体は、一般式
されるインドリル誘導体である。
ーゼを使用する場合には、一般式
−D−ガラクトピラノシル基である。)で表されるイン
ドリル誘導体である。
ーゼを使用する場合には、一般式
−D−グルコピラノシル基である。)で表されるインド
リル誘導体等である。
R3 で表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素、
臭素、ヨウ素等を挙げることができる。なお、R2 及び
R3 で表されるハロゲン原子は、インドリンの4位、及
び/又は5位に置換していることが好ましい。
誘導体において、アルカリ金属としては、例えば、ナト
リウム、カリウム等を挙げるとができる。
誘導体としては、例えば、3−インドリルリン酸、5−
ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸、5−ブロ
モ−6−クロロ−3−インドリルリン酸、3−インドリ
ルリン酸 2ナトリウム塩、5−ブロモ−4−クロロ−
3−インドリルリン酸 2ナトリウム塩、5−ブロモ−
6−クロロ−3−インドリルリン酸 2ナトリウム塩、
5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸 p−
トルイジン塩、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリ
ルリン酸 p−トルイジン塩等を挙げることができる。
誘導体としては、例えば、3−インドリル−β−D−ガ
ラクトピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6
−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシ
ド等を挙げることができる。
誘導体としては、例えば、3−インドリル−β−D−グ
ルコピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インド
リル−β−D−グルコピラノシド、5−ブロモ−6−ク
ロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド等を
挙げることができる。
薬を用いるEIA、該EIAを組み込んだイムノクロマ
ト法に使用することができ、他にもイムノブロット法、
電気泳動によるホスファターゼ類のアイソザイム分析、
組織染色、酵素を標識物とするDNA、RNA等の遺伝
子測定等に使用することができる。
抗体からなる酵素標識試薬、固相に結合させた抗原又は
抗体からなる固相試薬等を組み合わせて周知の方法に従
い測定を行うことができる。
は抗体とを、共有結合を作る方法を利用して製造するこ
とができる。共有結合による方法としては、例えば、グ
ルタールアルデヒド法、過ヨウ素酸法、マレイミド法、
ピリジル・ジスルフィド法、周知の各種架橋剤(マレイ
ミド試薬等)を用いる方法等を挙げることができる(例
えば、「蛋白質核酸酵素」別冊31号,37〜45頁
(1987)参照)。
れる各種免疫測定用の固相に抗体、又は抗原を結合させ
て製造することができる。固相としては、プラスチック
製の試験管、プラスチック製のマイクロプレートウエ
ル、ポリスチレン等のラテックス粒子、ガラスビーズ、
プラスチックビーズ等のビーズ、セルロース、ニトロセ
ルロース、グラスウール等の膜、磁性粒子等を挙げるこ
とができる。
合又は非共有結合による方法として 固相と抗体又は抗原
を物理吸着させる方法を利用し、抗原又は抗体とを反応
させて製造することができる。
固相試薬に結合させる免疫反応物質を抗原又は抗体とし
たが、本願明細書で言う「抗体又は抗原」は、抗原抗体
反応(免疫反応)が可能であり、免疫複合体を形成する
ものであればよく、例えば、ポリクローナル抗体、モノ
クローナル抗体、これら抗体の断片(Fab,Fa
b’,F(ab’)2 等)、ハプテン等も包含する意味
で用いる。
試薬及び酵素標識試薬を用いた周知の1ステップ法、デ
ィレイ1ステップ法、2ステップ法等のサンドイッチ
法、競合法等であり、免疫反応により固相上に免疫複合
体を形成して結合した酵素又は固相に未結合の酵素の活
性を測定することにより実施することができる。
ート化合物を用いるEIAは、例えば、ニトロセルロー
ス膜のろ紙を固相として前記EIAを組み込んだイムノ
クロマト法に適用することができる。
合した酵素と、前記の一般式〔化4〕で表されるインド
リル誘導体との反応による発色時間を短縮することがで
きるため、検体中に含まれる微量の測定対象物であって
も短時間での測定が可能となる。
キレート化合物は、ろ紙上に点着して展開液中に添加す
ることができる。
で表されるインドリル誘導体は、反応によって生成する
色素が水不溶性のインジゴ色素であるため、ろ紙を用い
たイムノクロマト法、イムノブロット法等に好適に用い
られる。
後に生ずるインジゴ色素の発色を、目視により標準カラ
ーチャートと比較することにより、さらに、色彩色差
計、吸光光度計等の測定機器を用いることにより行うこ
とができる。
しては、生体内に存在する物質、薬剤等であり、例え
ば、テオフィリン、フェニトイン、バルプロ酸等の薬
剤、サイロキシン、エストロゲン、エラストラジオール
等の低分子ホルモン、CEA、AFP、便中ヘモグロビ
ン(FOBT)等の癌マーカー、ヒト免疫不全ウイル
ス、(HIV)、ヒト成人T細胞白血病ウイルス(HT
LV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイル
ス(HCV)等のウイルス、梅毒トレポネマ(トレポネ
ーマ・パリダム;TP)等の原虫、甲状腺刺激ホルモン
(TSH)、インスリン等の高分子ホルモン、IL−
1、IL−2、IL−6等のサイトカイン、EGF、P
DGF等の各種グロースファクター、さらに、前記ウイ
ルスの適当なDNA、RNA等、CRP等の炎症に関連
するタンパク質等の抗原、及びこれら抗原に対する抗体
等が挙げられる。
としては、例えば、全血、血清、血漿、尿、リンパ液等
の体液、便抽出液等が挙げられる。
らに詳細に説明する。
TP17抗原の作製 リコンビナントTP17抗原0.12mgに2−イミノ
チオラン100nmolを加え、温度30℃で30分間
放置し、抗原にチオール基を導入した。ついで、アルカ
リ性ホスファターゼ3mgにN−スクシイミジル−4−
マレイミドブチレイト(GMBS;同仁化学社製)30
0nmolを加え、温度30℃で60分間放置しマレイ
ミド基を導入した。その後、チオール化TP17抗原1
00μgと、マレイミド化アルカリ性ホスファターゼ
2.5mgを混合し、温度4℃で一昼夜カップリング反
応を行い、ゲルろ過により精製し、標識体の活性のあっ
た分画を分取してアルカリ性ホスファターゼ標識したリ
コンビナントTP17抗原(以下、アルカリ性ホスファ
ターゼ標識TP17抗原という。)を得た。
P17抗原活性の確認は、以下のようにして行った。
ス膜(ミリポア社製)の上端から15mmの位置に、リ
コンビナントTP17抗原3μlを点着し、温度37℃
で30分間乾燥させ、これを試験片とした。この試験片
の上端に、ろ紙(厚さ1mm,巾10mm,長さ15m
m;ワットマンWF1.5;ワットマン社製)が試験片
に5mm重なるように固定した。前記ゲルろ過により得
られた各分画25μl、及びTP抗体陽性血清25μl
を試験管に取り混合し、この混合液にTP17抗原点着
試験片の下端を浸し5分間放置した。つぎに、0.05
%の5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸
(BCIP;ベーリンガーマンハイム社製)を含有する
溶液250μlが入つた試験管に試験片を移し、10分
間放置した。アルカリ性ホスファターゼ標識TP17抗
原の存在したゲルろ過分画を使用した試験片は、抗原点
着部位が青く発色した。
ア社製)の上端から15mmの位置にリコンビナントT
P17抗原を塗布装置(ショットマスター;武蔵エンジ
ニアリング社製)でライン状に点着後乾燥し、吸着固定
化して検出部位を作成した。また、ニトロセルロース膜
の上5mmには、巾10mm、長さ20mmのろ紙(ワ
ットマン社WFワインフィル夕ー1.5)を付設し、吸
収パッドとした。参考例1で製造したアルカリ性ホスフ
ァ夕ーゼ標識TP17抗原溶液20μlを、幅5mm、
長さ5mmに切つたPVAシート(ベルイータ;カネボ
ウ社製)に点着後、乾燥し、このシート(標識体パッ
ド)を、ニトロセルロース膜の上端から25mmの位置
に置いた。この部分は検体滴下部となる。
ニトロセルロース膜の下端10mmの位置に幅5mm、
長さ20mmのろ紙(ミリポア社AP25)を付設し
た。この部分に、20mg/mlのBCIP液を5μl
点着した。さらに、基質パッドに、それぞれ50mMの
EDTA−Cu/10μl、100mMのEDTA−F
e/ 5μl、50mMのEDTA−Co/10μl、5
0mMのEDTA−Nd/10μlを点着した。この部
位は、基質液パッドとなる。以上の方法に従って、抗T
P17抗体測定用の試験片を作製した。比較例として、
基質パッドにキレート化合物を添加しない試験片(コン
トロール)を作製した。
陽性被検液(TPPA価20,40,80倍)15μl
を点着後、100mMのCHES緩衝液(pH10.
5,1mM塩化マグネシウム入り)200μlを基質パ
ッドに滴下し、吸収展開させ、反応を開始した。陽性検
出時間を目視によって測定した。その結果を〔表1〕に
示す。
抗体の作製 ウサギIgG抗体30mgを、リン酸緩衝液(50m
M,pH4.7)4mlに溶解し、これにp−キノン3
0mg/ml・エチルアルコール溶液を加え、室温で2
時間暗所で反応させた。反応後、溶液を1 50mM塩化
ナトリウムで平衡化したPD−10(ファルマシア社
製)で緩衝液を置換し目的物を得た。このIgG p−
キノン付加物溶液に、アルカリ性ホスファターゼ30m
g(オリエンタル社;2500IU/mg)を加え、冷
所(温度4〜10℃)で18時間反応させた。反応終了
後、Superdex−100(ファルマシア社製)を
用いて精製し、アルカリ性ホスファターゼ標識抗体を得
た。
合物による発色時間の測定 参考例2で作製したアルカリ性ホスファターゼ標識抗体
を、Tris−塩酸酸緩衝液(100mM,pH=7.
5,0.1mM塩化亜鉛)で50ng/ml、100n
g/ml又は150ng/mlまで希釈し、それぞれ幅
5mm, 長さ30mmのニトロセルロース膜(ミリポア
社製)の上端から1 5mmの位置に、塗布装置(ショッ
トマスター;武蔵エンジニアリング社製)でライン状に
点着後乾燥し、吸着固定化した。さらに、このニトロセ
ルロース膜に、実施例1と同様にして、ニトロセルロー
ス膜の両端に基質パッドおよび吸収パッドを付設した。
ルロース膜(アルカリ性ホスファターゼ標識抗体濃度5
0,100,150ng/ml塗布)の基質パッドに、
20mg/ml−BCIPを5μlづつ点着し、さら
に、100mM EDTA- Cu、50mM EDTA
−Fe、100mM EDTA−Zn、100mM 4
−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−
1−オキシルラジカル(AAQ−2;同仁化学社製)を
それぞれ5μlづつ点着し、温度37℃で10分間乾燥
させて試験片を作製した。この試験片の基質パッドに、
CHES緩衝液(100mM,pH=10.5,1mM
塩化マグネシウム入り)200μlを滴下し基質を展開
させた。目視によって発色が確認できるまでの時間を計
測した。キレート化合物又はラジカル化合物を、基質パ
ッドに添加しないコントロールの試験片と共に、その結
果を〔表2〕に示す。
の測定 実施例3で作製した試験片(アルカリ性ホスファターゼ
標識抗体濃度150ng/ml塗布膜)5枚を用意し、
これに付設した基質パッドそれぞれに、BCIP20m
g/ml、および10mM EDTA−Fe2μl、5
μl、100mM EDTA−Fe1μl、2μl、5
μlづつ点着し、温度37℃で10分間乾燥させた。こ
の基質パッドに、100mMCHES緩衝液(pH=1
0.5,1mM塩化マグネシウム入り)200μlを滴
下を展開させた。目視によって発色が確認できるまでの
時間を測定した。その結果を〔表3〕に示す。
−Flowメンブラン;ミリポア社製)の上端から1 5
mmのところに、リン酸緩衝液に置換した抗HBs抗体
2.86μgを点着し、乾燥した。さらに、アルカリフ
ォスファ夕ーゼ標識抗HBs抗体(Scantibod
ies社製;平均分子量=35万)をリン酸緩衝液に置
換し、標識体パッドに0.16μg、基質パッドには、
BCIP(べーリンガーマンハイム社製;0.125m
g)を、それぞれ点着乾燥した。展開液には、100m
MCHES緩衝液(pH10.5,1mM塩化マグネシ
ウム入り)を使用し、これに500mM AAQ−2
(同仁化学社製)を加え、終濃度を5mMとした。展開
液ポット部、検体滴下窓及び検出窓を備えたプラスチッ
ク製のケースに、前記ニトロセルロース膜、基質パッ
ド、標識体パッド、吸収パッドを配置してHBs抗原測
定試験片を作製した。
まない100mMCHES緩衝液(pH=10.5,1
mM塩化マグネシウム入り)を用い、HBs抗原測定試
験片(コントロール)を作製した。
(18.5U/ml,8.5U/ml,4.2U/m
l,2.2U/ml,1.1U/ml)を含む血清25
μlを、標識体パッドに設けた検体滴下部に滴下し、直
後に展開液ポット部を押し、展開液をニトロセルロース
膜に展開させ、陽性検出時間を測定した。コントロール
と共に、その3回の測定結果を〔表4〕に示す。
製)の上端からI 5mmのところに、リン酸バッファに
置換したHBs抗原(明治乳業社製)0.7μgを点
着、乾燥した。また、HBs抗原と、アルカリホスファ
夕ーゼをマレイミド−ヒンジ法(酵素標識法1頁、石川
栄治著;学会出版センター)に従い反応させ、アルカリ
ホスファ夕ーゼ標識HBs抗原(平均分子量=約300
万)を得た。本標識抗原をリン酸緩衝液に置換し、標識
体パッド0.025μg、基質パッドにはBCIP
(0.1mg)をそれぞれ点着乾燥した。展開液には、
グッドバッファを使用し、更に500mMのAAQ−2
(同人化学社製)を加えて終濃度を5mMとし、セルロ
ース膜、基質パッド、標識体パッド及び吸収パッドを、
前記プラスチック製のケースに配置して抗HBs抗体測
定用試験片を作製した。
まない100mMCHES緩衝液(pH=10.5,1
mM塩化マグネシウム入り)を用い、抗HBs抗体測定
用試験片(コントロール)を作製した。
体(30mU/ml,19.0mU/ml,9.6mU
/ml,5.0mU/ml,2.5mU/ml,1.2
mU/ml)を含む血清25μlを検体滴下部に滴下
し、直後に展開液ポット部を押し、展開液を展開させ、
陽性検出時間を目視で測定した。コントロールと共に、
その3回の測定結果を〔表5〕に示す。
測定幅5mm×長さ5.0cmの ニトロセルロース膜(ミリ
ポア社製)の上端から1 5mmのところに、アルカリ性
ホスファターゼ標識抗体(平均分子量=30万)80n
gを点着乾燥し、展開液にAAQ−2(1.25mM,
2.5mM,5mM,10mM,20mM)をそれぞれ
加えた100mM CHES−NaOH緩衝液(0.1
mM−MgCl2 )を用いた。さらに、基質パッドに
は、BCIP(0.1mg)を点着、乾燥した。この試
験片の展開部ポットを押し、展開液を展開させ、15分
後におけるアルカリ性ホスファターゼ標識抗体点着上の
発色強度を、色差計(ミノルタ社製)によって測定し
た。展開液にAAQ−2を添加しない試験片を比較例と
して、その結果を図1に示す。
と、酵素とを反応させて発色させるに際して、フリーラ
ジカル化合物及び/又はキレート化合物を添加すること
によって、従来の方法に比べインジゴ色素の生成を促進
し、測定までに要する時間を短縮することができる。
A、および該EIAを組み込んだイムノクロマト法は、
測定時間が短縮され、さらに、微量物質の高感度測定が
可能となった。
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1 は酵素分解性基、R 2及びR3 は水素原子
又はハロゲン原子である。)で表されるインドリル誘導
体に酵素を作用させる発色方法において、一般式 【化2】 (式中、Aは置換又は無置換の炭素数2〜3のメチレン
鎖であり、該メチレン鎖には鎖中に酸素原子又はカルボ
ニル基を含んでもよく、R4 、R5 、R6 及びR7 は水
素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で表さ
れるフリーラジカル化合物、及び/又は一般式 【化3】 (R8 はエチレン基又はシクロヘキサン−1,2−ジイ
ル基であり、金属は鉄、銅、亜鉛、コバルト、インジュ
ウム、ネオジム、マンガン又はユウロピウムである。)
で表されるジアミン誘導体と金属との錯体を形成したキ
レート化合物の存在下に発色を行うことを特徴とする発
色方法。 - 【請求項2】 前記一般式〔化2〕の式中のR4 、
R5 、R6 及びR7 は、炭素数1〜3のアルキル基であ
る請求項1に記載の発色方法。 - 【請求項3】 前記一般式〔化2〕の式中の炭素数2〜
3のメチレン鎖への置換基は、水酸基、カルボキシル
基、カルバモイル基又はアミノ基である請求項1に記載
の発色方法。 - 【請求項4】 前記一般式〔化3〕の式中のジアミン誘
導体は、エチレンジアミン四酢酸、又はtrans−
1,2−ジアミンシクロヘキサン−N,N,N’,N’
−四酢酸である請求項1に記載の発色方法。 - 【請求項5】 前記酵素は、ホスファターゼであり、前
記一般式〔化1〕の式中のR1 が−PO3 2- ・2M+ で
表される脱離基(Mは水素原子、アルカリ金属又はトル
イジンである。)である請求項1乃至4のいづれか1項
に記載の発色方法。 - 【請求項6】 前記酵素は、β−ガラクトシダーゼであ
り、前記一般式〔化1〕の式中の脱離基R1 がβ−D−
ガラクトピラノシル基である請求項1乃至4のいづれか
1項に記載の発色方法。 - 【請求項7】 前記酵素は、β−グルコシダーゼであ
り、前記一般式〔化1〕の式中の脱離基R1 がβ−D−
グルコピラノシル基である請求項1乃至4のいづれか1
項に記載の発色方法。 - 【請求項8】 酵素標識抗体又は抗原の酵素活性を、請
求項1に記載の一般式〔化1〕で表されるインドリル誘
導体を用いて測定する酵素免疫測定法において、請求項
1に記載の一般式〔化2〕で表されるフリーラジカル化
合物、及び/又は請求項1に記載の一般式〔化3〕で表
されるジアミン誘導体と金属との錯体を形成したキレー
ト化合物の存在下に発色させることを特徴とする酵素免
疫測定方法。 - 【請求項9】 前記酵素標識抗体又は抗原は、固相に免
疫複合体を形成して結合した酵素標識抗体又は抗原であ
る請求項8に記載の酵素免疫測定法。 - 【請求項10】 固相の検出部位に結合した酵素標識抗
体又は抗原の酵素活性を、請求項1に記載の一般式〔化
1〕で表されるインドリル誘導体を用いて測定するイム
ノクロマト法において、請求項1に記載の一般式〔化
2〕で表されるフリーラジカル化合物、及び/又は請求
項1に記載の一般式〔化3〕で表されるジアミン誘導体
と金属との錯体を形成したキレート化合物との存在下に
発色させることを特徴とするイムノクロマト法。 - 【請求項11】 前記固相は、ろ紙である請求項10に
記載のイムノクロマト法。
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