JP2688943B2 - 試料中の物質の測定方法 - Google Patents

試料中の物質の測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生化学、免疫学をはじめ医学、薬学などの
分野、とりわけ臨床検査の分野で利用される試料中の物
質の測定方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、血液の微量成分を測定することにより癌をはじ
めとする種々の疾患や感染症などの診断に有用なことが
明らかになってきた。また血液中の微量成分として患者
の血液中の薬剤についてもその濃度を測定することによ
り、あらかじめ投与された薬剤量をモニターすることが
できる。このように血液等の体液中の微量成分の測定
は、臨床医学や検査の分野で重要になってきた。
従来、このような目的で開発された試料中の微量成分
の測定法には種々のものがあるが、その中でも、免疫化
学反応を利用したラジオイムノアッセイ(radio immuno
assay,RIA)多びエンザイムイムノアッセイ(enzyme im
munoassay,EIA)は特異性や感度の点で選れた方法とし
てよく知られた方法である。これらは、微量測定可能な
放射性同位元素又は酵素を標識物質とし、標識物質と抗
体(又は抗原)とが結合した標識抗体(又は抗原)を用
い、抗原抗体反応の特異性を利用して試料中の微量成分
を測定する方法である。上記の測定方法中、RIAは測定
に特殊な設備や装置が必要で、また放射性物質の取扱に
危険性を含んでいることや廃棄物の公害汚染の問題など
があることから、上述のような欠点がないEIAが注目さ
れるようになってきた。EIAは、普及性の点で利点があ
り、特に臨床検査の分野で今後使用される頻度が増えて
来ることが予想されている。
EIAによる測定方法としては、その測定システムの差
異からサンドイッチ法、二抗体法、ホモジニアスEIA法
等の種々の方法が知られているが、酵素で標識した抗原
(又は抗体)を測定すべき抗体(又は抗原)と反応させ
て、その結合したもの(bound form)と結合しなかった
もの(free form)とを、固相に固定化された抗原又は
抗体を用いて分離する、いわゆるB/F分離を行なうこと
により、測定精度の向上が図られることが知られ、汎用
されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、EIA法は一般に測定感度は比較的高い
が、測定時の反応時間が長いという問題があった。特に
日常の臨床検査では多数の試料(検体)を取り扱ってい
るため、短時間で測定できる必要があることから、反応
時間の短い測定方法が要望されていた。
測定時間を短縮する方法としては、従来より種々の手
段が構じられてきたが、その結果、逆に感度の低下をき
たすことになる等の問題があり、有用なものは見出され
ていない。その一例として、標識抗原や表紙抗体の濃度
を上げると測定時間は短縮できることが知られている。
しかし、上記の固相を用いる方法では、目的とする抗原
抗体反応とは異なる単なる物理化学的な吸着現象で標識
抗原や標識抗体が固相上に吸着されるので、測定可能な
表紙物質も固相上に固定化される結果となる。そのた
め、固相上に吸着された上記非特異物質が測定時のバッ
クグランドの上昇をもたらし、実質的に感度上昇に障害
を与えている。
本発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、血
液をはじめとする種々の試料中の物質、微量成分を測定
するにあたり、従来の免疫化学的測定方法の問題点を改
良し、測定時間の短縮が図れるとともに、バックグラン
ドの上昇等を伴わず且つ測定感度を上げることができる
方法を開発し、特に臨床検査の分野で利用される有用な
測定方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記の課題を解決すべくなされた本発明の測定方法
は、試料中の物質を測定するために固相及び標識物質を
用いる免疫化学的測定法であり、一対の非共有性結合物
質の一方が固定化された固相を用い、当該固相上の物質
に上記一対の非共有性結合物質の他方を含有する物質を
介して、試料中の被物質量の指標となり得且つ標識物質
を含有する物質を結合させ、次いで固相上の非特異的結
合物質と固相との結合には影響しない脱離剤を用いて固
相上に形成されて前記非共有性結合物質間の結合を解
き、少なくとも試料中の被検物質の指標となり得且つ標
識物質を含有する物質を固相から脱離させ、当該物質を
測定することを特徴とするものである。
本発明は上記の構成よりなり、試料中の被検物質量の
指標となり得且つ指標物質を含有する物質を固相上から
脱離させた後測定を行なうので、物理化学的な吸着によ
り固相上に結合した非特異物質は固相上に残存し、その
影響を排除することができるので、標識抗原や標識抗体
の濃度を上げても測定精度が低下することがなく、測定
時間の短縮が図れる。
上記講構成よりなる本発明を詳述すると、まず、試料
中の被検物質(抗原、抗体、ハプテンなど)と免疫化学
反応に関与できる物質との反応を行わせ、反応生成物を
固相に結合させる。この際、当該免疫化学反応に関与で
きる物質としては、被検物質と免疫化学的に反応するか
又は競合する物質と一対の非共有性結合物質の一方の物
質とを結合させたものを少なくとも使用し、さらに被検
物質と免疫化学的に反応するか又は競合する物質と標識
物質とを結合させたものを併用する。従って、試料中に
は、被検物質と免疫化学反応に関与できる物質とが結合
した種々の反応生成物が生成し、これらの反応生成物の
なかには、試料中の被検物質量の指標となり得且つ標識
物質を含有する物質も存在する。なお、上記の被検物質
と免疫化学的に反応するか又は競合する物質と標識物質
とを結合させたものは、反応生成物を固相に結合させた
後に反応させてもよい。また、上記の固相には、一対の
非共有性結合物質の他方の物質が固定化されたものが使
用されており、その結果、種々の反応生成物中、少なく
とも一対の非共有性結合物質の一方を含有する物質が固
相上に結合する。
上述の反応が終了したのち固相を洗浄し、固相に結合
していない種々の物質を除去する(いわゆるB/F分
離)。
次に、固相上に形成された一対の非共有性結合物質間
の結合を、該結合を解離させる脱離剤を添加することに
より解き、固相上に結合した反応生成物から、少なくと
も試料中の被検物質量の指標となり得且つ標識物質を含
む物質を固相から脱離させて分離し、標識物質検出剤を
添加する等の公知の方法で標識物質を測り、その値から
被検物質の量(例えば、質量、濃度、活性など)に換算
することにより試料中の物質の測定を行うことができ
る。
本発明において使用される一対の非共有性結合物質と
しては、非共有性の結合性を有するとともに所定の条件
下で解離する性状を有する物質を示し、解離する条件と
しては、例えば、(a)上記結合性を有する物質の一方
とより強い結合性を有する物質を用いて結合の解き解離
させる方法;(b)pHを変化させて解離させる方法;
(c)その他の方法(例えば、濃度変化による解離、酸
素の作用により解離等)等が例示される。より具体的に
は、上記(a)の方法としては、まずやや弱い結合性を
有する一対の物質間の結合を固相上で形成した後、その
一方の物質より結合性の強い物質を脱離剤として加える
ことで、新たな結合が生じ、先に結合した他の物質を脱
離させる方法である。この具体的な例としては、アビジ
ンとビオチンが強い結合性があり、それに比べるとアビ
ジンとイミノビオチン、アビジンとジチオビオチン、ア
ビジンとリポエート、アビジンとHABA[2−(4−ヒド
ロキシフェニルアゾ)安息香酸]などの順に結合定数が
低下し、結合性が弱くなる。従って、例えば本発明の方
法において、免疫化学反応に関与できる物質としてアビ
ジンとイミノビオチンのいずれか一方を含有する物質を
用い、固相には他方の物質が結合したものを用いて結合
させた後、ビオチンを脱離剤として加えると、このアビ
ジンとイミノビオチンの結合が解かれ、アビジンとビオ
チンの結合に変わる。この結合特記すべきことは、これ
らの結合とは無関係に吸着現象により固相上にある前述
の非特異物質は、該脱離剤では固相から脱離することが
ないので、測定に影響を与えないことである。
アビジンとビオチン系以外の例としてはコンカナバリ
ンAと糖類系が例示され、コンカナバリンAとグルコー
スとの結合に比べ、コンカナバリンAとβ−ガラクトシ
ダーゼ、コンカナバリンAとペオキシダーゼ等の結合は
やや弱くなるので、この結合性の差を利用する例が挙げ
られる。
また前記(b)の方法は、一対の非共有性結合物質間
の結合をpHの変化により解くもので、例えばプロテイン
AとIgGは結合性を有するが、その結合はpHを低下させ
ることにより解離する。従って、例えば、前記免疫化学
反応に関与できる物質としてプロテインA又はIgGのい
ずれか一方を含有する物質を用い、他方を固相に固定化
した場合、これらは固相上で一対の結合を形成するとと
もにpHを低下させると該結合を解くことができる。
さらに(C)の方法は、一例として濃度変化を利用し
て解離させる方法が挙げられ、例えば、NADとアルコー
ル・デヒドロギナーゼは結合性を有するが、その結合は
NADの濃度を上昇させることにより解くことができる。
この他にも非共有性の結合を物理化学的又は生物学的方
法で脱離する方法などもあり、これらの例示に限定され
るものではない。
本発明において、固相として使用される材料として
は、従来のEIA等において使用されている材料のいずれ
も使用でき、例えば、アガロース、セファロース等の多
糖類、ガラス、セラミックス、プラスチックス等が例示
される。これら固相材料上に、一対の非共有性結合物質
の一方を固定化する方法としては、従来、EIA等で固相
上に抗体等を固定化する方法等が適用でき、例えば、ブ
ロムシアン法、グルタルアルデヒド法、シランカップリ
ング法等が例示できる。
また、標識物質としては、EIAで用いられているよう
な酵素をはじめ、RIAで用いられているような放射性同
位元素、蛍光発生や発色に結び付くような物質を使用す
ることができる。このような標識物質は、それ自身で直
性測定できる場合もあり、またそれを検出して測定でき
る状態に変換する標識物質検出剤(例えば、酵素にあっ
ては基質等)を添加して測定する。
上記の標識物質又は一対の非共有性結合物質と、抗
原、抗体、ハプテン等とが結合した化合物の調製は、従
来から用いられている方法、例えば、グルタルアルデヒ
ド法、中根法(多糖類を含有する標識物質において、該
多糖類を酸化し、次いで抗体、抗原、ハプテン等のアミ
ノ基とシッフ塩基を形成する方法)、マレイミド法、混
合酸無水物法、カルボジイミド法等を用いて行なうこと
ができる。
また、被検物質と免疫化学的に反応する物質として
は、被検物質が抗原又はハプテンである場合にはその抗
体(モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体)、被
検物質が抗体の場合にはその抗原等が例示され、これら
は慣用の方法にて得ることができる。
〔具体例〕
次に、本発明の測定方法の具体例を、固相に固定化さ
れる物質としてアビジンを用い、アビジンと結合性を有
する物質としてイミノビオチンを用いた例である添付図
面に基づいて説明する。
第1図は、本発明の方法を用いて被検物質としての抗
原Aを測定する方法を模式的に示した概略工程図であ
る。同図において、B1は抗原Aに対する抗体、B2はB1
抗原認識部位を異にする抗原Aの抗体、Cはイミノビオ
チン、Dは標識物質は、Eはアビジン、Fはビオチン及
びGは標識物質検出剤を示す。また(1)は被検物質と
しての抗原A、(2)は抗体B1とイミノビオチンCとが
結合した化合物、(3)は抗体B2と標識物質Dとが結合
した化合物を示す。同図に示される方法の概略は以下の
とおりである。まず、測定対象である抗原Aを含有する
試料に、予め調製された化合物(2)及び(3)は所定
量添加する((a)工程)。その結果、試料中には抗原
Aに化合物(2)及び(3)が結合した結合体(4)が
生成するとともに未反応の化合物(2)及び(3)が存
在する。この試料を、アビジンEが結合した固相(5)
を添加すると、該固相(5)のアジビンEには試料中の
上記生成結合体(4)及び化合物(2)がイミノビオチ
ンC部分を介して結合するとともに、未反応物である化
合物(3)が物理化学的な吸着により結合し、固相
(6)が生成する((b)工程)。次いで、このように
して生成した固相(6)を緩衝液等で洗浄して夾雑物等
を除去した後、アビジン−イミノビオチン間の結合を切
断する脱離剤(7)(この場合にあっては、イミノビオ
チンCより固相上のアビジンEと強い結合を形成するビ
オチンF)を加えてアビジン−イミノビオチン間の結合
を切断し、次いでアビジン−ビオチン間の結合が形成さ
れた固相(9)と液相とを分離する((c)工程)。分
離された液相には、標識物質検出剤(8)を添加し、標
識物質Dと結合させることにより発色、蛍光発生等に基
づき測定可能な状態である結合体(10)が生成する
((d)工程)。この結合体(10)を測定することによ
り試料中の抗原Aの量が測定される。すなわち、試料中
の抗原A量が多いと上記結合体(10)の生成量も多くな
る。従って、抗原A量と結合体(10)量との検量線をあ
らかじめ作成し、測定された結合体(10)量と検量線と
を比較することにより試料中の抗原量を求めることがで
きる。
なお、上記方法において、固相(6)上に吸着により
結合した化合物(3)は脱離剤(7)の影響を受けず固
相上に結合したまま残置するので、測定系である液相に
は化合物(3)が実質的に存在しない。従って、液相に
は測定可能な物質としては結合体(10)のみが実質的に
存在し、化合物(3)に起因するバックグラウンドの上
昇等の妨害が防止でき、感度の上昇が図れる。
第2図は試料中の被検物質であるハプテンA′を本発
明の方法により測定する場合の概略工程図を示し、第1
図の素材と同一の素材は同一の符号及び番号を付す。同
図中、BはハプテンA′に対する抗体、(12)はハプテ
ンA′とイミノビオチンCとが結合した化合物及び(1
3)は抗体Bと標識物質Dとが結合した化合物を示す。
上記の例においては、まず、ハプテンA′を含有する試
料に、所定量の化合物(12)と化合物(13)とを添加す
る。その結果、試料中にはハプテンA′と化合物(13)
が結合した結合体(14)及び化合物(12)と化合物(1
3)が結合した結合体(15)が生成し、さらに未反応物
である化合物(13)が存在する((a)工程)。この試
料を、アビジンEが結合した固相(5)に添加すると、
該固相(5)上のアビジンEには上記結合体(15)がイ
ミノビオチンCを介して結合するとともに未反応物であ
る化合物(13)が物理化学的な吸着により結合し、固相
(16)が生成する((b)工程)。次いで、このように
して生成した固相(16)を緩衝液等で洗浄し、夾雑物を
除去した後、第1図に示される方法と同様にして、脱離
剤(7)によりアビジン−イミノビオチン間の結合を切
断し、固相(17)と液相に分離する((c)工程)。分
離された液相には、標識物質検出剤(8)を添加し、該
標識物質検出剤が結合した結合体(18)を測定する
((d)工程)。上記方法においては、試料中のハプテ
ンA′と化合物(12)は競合的に化合物(13)と結合す
るので、一定量の化合物(12)を用いた場合、試料中の
ハプテン量が多いと生成結合体(18)量が少なくなり、
また逆に試料中のハプテン量が少ないと生成結合体(1
8)量が多くなる。従って、ハプテンA′量と結合体(1
8)の生成量との検量線をあらかじめ作成し、測定され
た結合体(18)量と検量線とを比較することにより試料
中のハプテン量を求めることができる。
上記の例においても、固相上に結合した化合物(13)
は脱離剤(7)による影響を受けず固相上に結合したま
まであるので、化合物(13)による妨害を排除すること
ができる。
第3図は、本発明の方法を用いて、試料中の被検出物
質であるハプテンA′を測定する他の例を示す概略工程
図であり、第1図及び第2図の素材と同一の素材には同
一の符号及び番号を付した。同図において、(19)はハ
プテンA′に対する抗体BとイミノビオチンCとが結合
した化合物及び(21)はハプテンA′と標識物質Dとが
結合した化合物を示す。上記の例においては、まずハプ
テンA′を含有する試料に所定量の化合物(19)を添加
する。その結果、試料中にはハプテンA′と化合物(1
9)が結合した結合体(20)が生成し、さらに未反応物
である化合物(19)が存在する((a)工程)。この試
料液を、アビジンEを結合した固相(5)に添加する
と、該固相(5)上のアビジンEには上記結合体(20)
及び未反応物である化合物(19)がイミノビオチンCを
介して結合する。次いで、ハプテンA′と標識物質Dと
が結合した化合物(21)を添加すると、該化合物(21)
はハプテンA′を介して固相上の遊離の抗体Bとのみ結
合するとともに化合物(21)が物理化学的な吸着により
固相上に結合し、固相(22)が生成する((b)工
程)。このようにして生成した固相(22)を緩衝液等で
洗浄し、夾雑物を除去した後、第1図に示される方法と
同様にして、脱離剤(7)によりアビジン−イミノビオ
チン間の結合を切断し固相(23)と液相に分離する
((c)工程)。分離された液相には、標識物質検出剤
(8)を添加し、該標識物質検出剤が結合した結合体
(24)を測定する((d)工程)。上記方法において
は、結合体(20)と化合物(19)は競合的に固相(5)
上のアビジンEと結合し、また標識物質Dを含有する化
合物(21)は固相(5)上の遊離の抗体Bとのみ結合す
るので、一定量の化合物(19)を用いた場合、試料中の
ハプテンA′量が多いと生成結合体(24)量が少なくな
り、また逆に試料中のハプテンA′量が少ないと生成結
合体(24)量が多くなる。従って、ハプテンA′量と結
合体(24)の生成量との検量線をあらかじめ作成し、測
定された結合体(24)量と検量線とを比較することによ
り試料中のハプテン量を求めることができる。
上記の例においても、固相上に結合した化合物(21)
は脱離剤(7)による影響を受けず固相上に結合したま
まであるので、化合物(21)による妨害を排除すること
ができる。
第4図は、本発明の方法を用いて、試料中の被検物質
であるハプテンA′を測定する他の例を示す概略工程図
であり、第1図、第2図及び第3図の素材と同一の素材
には同一の符号及び番号を付した。上記の例において
は、まず、ハプテンA′を含有する試料中に所定量の化
合物(21)を添加し、さらに化合物(19)を添加する。
その結果、試料中にはハプテンA′と化合物(19)が結
合した結合体(20)及び化合物(19)と化合物(21)と
が結合した結合体(25)が生成し、さらに未反応物であ
る化合物(19)が存在する。((a)工程)。この試料
液を、アビジンEが結合した固相(5)に添加すると、
該固相(5)上のアビジンEには上記結合体(20)及び
(25)並びに未反応である化合物(19)がイミノビオチ
ンCを介して結合し、固相(26)が生成する((b)工
程)。このようにして生成した固相(26)を緩衝液等で
洗浄し、夾雑物を除去した後、第1図に示される方法と
同様にして、脱離法(7)によりアビジン−イミノビオ
チン間の結合を切断し、固相(27)と液相に分離する
((c)工程)。分離された液相には、標識物質検出剤
(8)を添加し、該標識物質検出剤が結合した結合体
(28)が測定する((d)工程)。上記方法において
は、試料中のハプテンA′と化合物(21)は競合的に化
合物(19)と結合するので、一定量の化合物(21)を用
いた場合、資料中のハプテン量が多いと生成結合体(2
8)量が少なくなり、また逆に試料中のハプテン量が少
ないと生成結合体(28)量が多くなる。従って、ハプテ
ン量と結合体(28)の生成量との検量線をあらかじめ作
成し、測定された結合体(24)量と検量線とを比較する
ことにより試料中のハプテン量を求めることができる。
第5図は、本発明の方法を用いて、試料中の被検物質
である抗体B′を測定する例を示す概略工程図であり、
第1図の素材と同じ素材には同一の符号及び番号を付し
た。同図において、A1は抗体B′に対する抗体及びHは
抗体B′に対する第2抗体を示し、また(30)は抗体A1
はイミノビオチンCとが結合した化合物及び(34)は第
2抗体Hと標識物質Dとが結合した化合物を示す。上記
の例においては、まず、抗体B′を含有する試料中に所
定量の化合物(30)が添加する。その結果、試料中に
は、抗体が2価基であることから、抗体B′と2分子の
化合物(30)が結合した結合体(31)及び1分子の化合
物(30)が結合した結合体(32)が生成し、さらに未反
応物である化合物(30)が存在する((a)工程)。こ
の試料を、アビジンEが結合した固相(5)に添加する
と、該固相(5)上のアビジンEには上記結合体(31)
及び(32)並びに未反応物である化合物(30)がイミノ
ビオチンCを介して結合し、固相(33)が生成する。
((b)工程)。次いで、固相(33)に、第2抗体Hと
標識物質Dとが結合した化合物(34)を添加すると、該
化合物(34)は、固相上の抗体B′と結合し、固相(3
5)が生成する((c)工程)。このようにして生成し
た固相(35)を緩衝液等で洗浄し、夾雑物を除去した
後、第1図に示される方法と同様にして、脱離剤(7)
によりアビジン−イミノビオチン間の結合を切断し、固
相(36)と液相に分離する((c)工程)。分離された
液相には、標識物質検出剤(8)を添加し、該標識物質
検出剤が結合した結合体(37)及び(38)を測定する
((d)工程)。上記方法においては、試料中の抗体
B′量が多いと生成する結合体(37)及び(38)量も多
くなる。従って、抗体′量と結合体(37)及び(38)の
生成量との検量線をあらかじめ作成し、測定された結合
体(37)及び(38)量と検量線とを比較することにより
試料中の抗体量を求めることができる。
上記の例においても、固相上の結合した化合物(34)
は脱離剤(7)による影響を受けず固相上に結合したま
まであるので、化合物(34)による阻害を排除すること
ができる。
なお、本発明の方法は上記の例に限定されるものでは
なく、例えば、上記例の固相上に結合されているアビジ
ンをイミノビオチンとし、抗原等と結合しているイミノ
ビオチンとアビジンとしたものでよく、また使用されて
いる一対の非共有性結合物質を前記のようにpH変化によ
り解離するような物質等としてもよく、さらに標識物質
検出剤の種類によっては、脱離剤と併用し、脱離工程と
同様に作用してもよい。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて、本発明により詳細に説明す
る。
実施例1 (1)酵素標識抗体の調製 人アルファフェトプロテイン(AFP)に対する公知の
モノクローナル抗体を公知の方法でペプシン分離し、F
(ab′)画分を得た。これを10mMメルカプトメチルア
ミンの存在下で還元処理し、あらかじめ調製しておいた
マレイミド化した西洋ワサビペルオキシダーゼ(POD)
と混合することにより酵素標識抗体であるPOD標識抗AFP
抗体を調製した。
(2)イミノビオチン標識抗体の調製 イミノビオチンとスクシニイミドを結合させスクシニ
イミドイミノビオチンを作製し、これと上記(1)で使
用したモノクローナル抗体と抗原認識部位を異する抗AF
P抗体とを水溶液中で混合した後、1〜3時間反応させ
未反応のスクシニイミドイミノビオチンを除き、イミノ
ビオチン標識抗体であるイミノビオチン化抗AFP抗体を
調製した。
(3)アビジン固体化固相の調製 ブロムシアン活性化アガロールゲルに公知の方法でア
ビジンを固定化してアビジン固定化固相を調製した。こ
のときゲル1mlあたりアビジン量は2〜10mgが適当であ
った。
(4)AFPの測定 AFPの濃度が、1000,500,250,125,62.5,31.3及び15.6
(ng/ml)である試料液各20μlに、上記のイミノビオ
チン化抗AFP抗体100μlを加え、さらにPOD標識抗AFP抗
体100μlを加えて5分間反応させる。次いでアビジン
固体化固相と混和して4分間反応させたあと、0.5M塩化
ナトリウムを含む0.1Mホウ酸ナトリウム緩衝液pH8.5を
用いてよく洗浄する。
次に20mMビオチンを含む前記緩衝液からなる脱離剤液
0.5mlで2回脱離操作し、固相から分離し、その溶液のP
OD活性を測定した。
POD活性は、18mMo−フェニレンジアミンと6mM過酸化
水素を含む溶液からなる基質液1mlを加え15分間反応さ
せ、そのあと2N硫酸1mlを加えて反応を停止させる。そ
して波長492nmにおける吸光度を測定することにより行
なった。
この結果を第6図に示す。同図に示されるように、AF
P濃度250ng/mlまで直線の検量線が得られた。そしてAFP
濃度1000ng/mlまでは漸次吸光度の上昇が認められ、い
わゆるプロゾーン現象はみられなかった。またAFP濃度1
25ng/mlにおける吸光度は0.6以上あり、従来のEIAに比
べて高感度で測定できることがわかる。
また測定時間に関しても、上記の測定は24分間で行う
ことができるが、通常のEIA法でのAFPの測定は2〜3時
間かかることから、本発明の方法は短時間で感度よく測
定できることが証される。
比較例 本発明の方法を効果を明らかにするため、上記の本発
明の脱離工程を含む方法と、対照として脱離しないでア
ビジン固定化固相に吸着させたままでPOD活性を測定し
たものとを比較した。その結果を第1表に示す。同表に
おいて、S/N比は各吸光度をAFP濃度が0のときの吸光度
で除した値で、この数字が大きい程バックグランドの上
昇がなく測定できることを示すものである。
第1表から明らかなように、本発明の方法は脱離工程
を含むことによりS/N比を高くとることのできる測定法
であることがわかる。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明の測定方法によれば、固相上に
形成された一対の非共有性結合物質間の結合を解くこと
により、試料中の被検物質量の指標となり得且つ標識物
質を含有する物質を固相より脱離させて測定するので、
固相に非特異的に吸着結合した当該免疫化学反応に関与
しなかった標識物質等は固相上に残存し、その影響を除
去することができる。従って、固相上に吸着した物質に
起因するバックグラウンドの上昇が除かれ、標識抗原や
標識抗体の濃度を上げても何ら支障なく短時間での測定
と感度の上昇が可能になるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図から第5図は、それぞれ本発明の方法の具体例を
示す概略工程図、 第6図は、実施例1におけるAFP濃度と吸光度との関係
を示す図である。 A……被検物質である抗原 A′……被検物質であるハプテン B′……被検物質である抗体 C……イミノビオチン、D……標識物質 E……アビジン、F……脱離剤 G……標識物質検出剤

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料中の物質を測定するために固相及び標
    識物質を用いる免疫化学的測定法において、一対の非共
    有性結合物質の一方が固定化された固相を用い、当該固
    相上の物質に上記一対の非共有性結合物質の他方を含有
    する物質を介して、試料中の被検物質量の指標となり得
    且つ標識物質を含有する物質を結合させ、次いで固相上
    の非特異的結合物質と固相との結合には影響しない脱離
    剤を用いて固相上に形成された前記非共有性結合物質間
    の結合を解き、少なくとも試料中の被検物質量の指標と
    なり得且つ標識物質を含有する物質を固相から脱離さ
    せ、当該物質を測定することを特徴とする試料中の物質
    の測定方法。
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