JPH10221341A - 体液中の遊離リガンドの測定方法 - Google Patents

体液中の遊離リガンドの測定方法

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JPH10221341A
JPH10221341A JP2038197A JP2038197A JPH10221341A JP H10221341 A JPH10221341 A JP H10221341A JP 2038197 A JP2038197 A JP 2038197A JP 2038197 A JP2038197 A JP 2038197A JP H10221341 A JPH10221341 A JP H10221341A
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JP
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JP2038197A
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Hideo Fukui
英雄 福井
Masahiro Sakabe
雅弘 坂部
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種疾病の診断上重要な体液中の遊離リガンド
濃度を内因性リガンド受容体の影響を受けずに従来より
も精度良く測定する方法を提供すること。 【解決手段】 体液中の遊離リガンドを測定する方法と
して知られている2ステップ競合免疫測定法において、
リガンドの生体内における合成及び代謝経路上の天然物
や化学的修飾を施した誘導体を被標識物質として使用す
ることで、測定精度低下の原因である固相上の抗体と一
旦結合したリガンドと標識リガンドの置換反応を低減す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種疾病の診断に
有用とされる体液中の遊離リガンドの免疫測定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】測定対象のリガンドが内因性受容体と結
合した形及び遊離の形で混在している試料中の遊離リガ
ンドの免疫測定方法に関しては、特公昭63−1162
7号公報に記載されている2ステップ競合免疫測定法が
ある。この方法は、容器の内表面の固相に塗布された外
因性リガンド受容体と試料中の遊離リガンドを反応させ
た後、洗浄操作により試料中の内因性受容体に結合した
リガンドを除去し、次にリガンドをラジオアイソトープ
標識した標識試薬を加え固相上の未反応の外因性リガン
ド受容体と結合させ、続いて洗浄操作を行い未反応の標
識試薬を除去し、固相上の標識量を測定することにより
試料中のリガンドを定量測定するものである。しかし、
この方法は、外因性受容体に対する親和性が遊離リガン
ドより一般的に強いか同等の標識リガンドを使用してい
る。この結果、固相上に不溶化した外因性受容体に結合
した試料中遊離リガンドと標識リガンドの置換反応を生
じる。この為、固相上の標識量が真の量よりも多くな
り、測定精度が低下するという欠点があった。
【0003】別な方法として、1ステップ競合免疫測定
法が特公昭63−7621号公報や特表平3−5022
43号公報に記載されている。特公昭63−7621号
公報には、試料中の内因性リガンド受容体への結合力が
全くないか非常に弱い標識リガンドと試料中のリガンド
及び外因性リガンド受容体を同時に混合し競合反応を行
わせて、遊離リガンドを定量測定する方法が記載されて
いる。この方法は、内因性リガンド受容体への結合性が
全くないか非常に弱く且つ外因性リガンド受容体への結
合能のある標識物を使用することで、内因性リガンド受
容体濃度の影響を受けずに遊離リガンドを測定すること
が可能であり、被標識物としてリガンドのアミノ基やカ
ルボン酸などに化学修飾を施した誘導体や、リガンドの
立体配置をL体からD体とする異性体をあげている。し
かしながら、この方法の問題点は、実際には内因性リガ
ンド受容体の影響を完全に排除できないことである。従
って、試料中のアルブミン濃度や自己抗体の影響により
異常値を示す欠点があった。特表平3−502243号
公報は、遊離リガンドを含む試料、アイソトープなどで
標識したリガンドに対するモノクローナル抗体及び標識
した抗リガンド抗体に対する親和性が遊離リガンドより
も低いリガンドの同族体を不溶化した固相の三者を同時
に混合し競合反応を行わせて、遊離リガンドを定量測定
する方法が記載されている。この方法は、内因性リガン
ド受容体濃度の影響を受けずに遊離リガンドを測定する
ことが可能とされている。しかしながら、1ステップ競
合免疫測定法であるため、競合させるリガンド同族体
は、内因性リガンド受容体への結合性が全くないか非常
に弱い特性を持つように修飾する必要があった。また、
これらの測定方法を用いた時の測定感度は、血清中の遊
離の3,5,3’−L−トリヨードサイロニン(以下T
3と略す)濃度の測定を例に挙げると0.4〜0.8p
g/mlであり、臨床的に十分とはいえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、各種疾病
の診断上重要な体液中の遊離リガンド濃度を内因性リガ
ンド受容体の影響を受けずに、従来よりも大幅に感度良
く測定するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、体液中の
遊離リガンドを精度良く測定する方法を開発するために
鋭意研究を重ねた結果、固相化抗体、リガンド及び標識
リガンドを用いる2ステップ競合免疫測定法において、
リガンドの生体内における合成および代謝経路上にある
同族体や化学的修飾を施した誘導体を被標識物質として
使用することで、固相上の抗体と一旦結合した測定対象
のリガンドと標識リガンドの置換反応を低減でき、測定
精度が向上することを見いだし、本発明をなすに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、測定対象のリガンドが
内因性受容体と結合した形及び遊離の形で混在している
試料中の遊離リガンドを測定する方法において、リガン
ドに対する抗体を不溶化した固相と試料溶液を混合し、
試料中の遊離リガンドを固相上の抗体と反応させた後、
洗浄操作により試料中の内因性受容体と結合しているリ
ガンドを除去し、次に不溶化した抗リガンド抗体に対す
る親和性が遊離リガンドよりも低い標識したリガンドの
同族体を固相と接触させて固相上の抗体と結合させ、続
いて洗浄操作を行い未反応の標識試薬を除去し、固相上
に結合した標識量を測定することにより体液中の遊離リ
ガンドを定量測定する方法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、リガンドに対す
る抗体は、当業者には周知の一般的なハプテンに対する
抗体作成法によって得られる。すなわち、リガンドに対
する抗体は、リガンドを牛血清アルブミンやキーホール
ヘモシアニンなどのキャリアータンパク質にカルボジイ
ミド法やマレイミド法になどにより化学的に結合させた
複合体を免疫源とし、ウサギ、牛、ウマ、ヒツジ、ヤ
ギ、マウス、ラット等に免疫して得られたポリクローナ
ル抗体や細胞融合法によって確立されたモノクローナル
抗体を用いることが可能である。こうして得られた抗体
は、リガンドに対する親和力よりも、リガンドを蛍光物
質や酵素などにカルボジイミド法やマレイミド法などで
結合させた標識試薬の方により強い親和力を示す場合が
多い。この為、従来の2ステップ競合法による遊離リガ
ンドの測定では、第二反応において、リガンドと固相上
の抗体に結合しているリガンドに標識リガンドが置き換
わる。その結果として、最終的に検出される標識量は、
真の値よりも上昇しSN比(シグナル・ノイズ比:ゼロ
濃度標準液と試料の示す標識量の比)と測定精度が悪化
する。
【0008】本発明において、抗体を不溶化する固相
は、磁性微粒子、マイクロタイタープレート、ポリスチ
レンボール、ポリスチレンチューブ、ガラスビーズなど
従来用いられているものがすべて使用でき、材質につい
ても何ら制限はない。また、抗体を固相に不溶化する方
法は、共有結合、物理的吸着、ビオチン−アビジン結
合、抗原抗体反応などを利用すれば良い。これらの方
法、は広く一般的に利用され多くの成書や報告がある。
【0009】本発明における、固相上の抗体と試料中の
遊離リガンドとの反応(第一反応)は、平衡状態をなる
べく崩さない条件で実施されるべきであり、反応液中に
アニリノナフタレンスルホン酸アンモニウムといった解
離剤やリガンド受容体を添加することは好ましくなく、
かつ反応時間も短く設定されるべきで、好ましくは10
分間以内、より好ましくは5分以内が良い。第一反応後
の洗浄操作は、一旦抗体に結合したリガンドが解離しな
ければ、精製水でも構わないが、好ましくは中性のリン
酸緩衝液を用いるのが良い。
【0010】本発明において、遊離リガンドを測定する
場合標識されるリガンドの同族体として、生体内におけ
るリガンドの合成・代謝経路上にある物質やリガンドに
アルキル基や水酸基などを付加したり、リガンドのハロ
ゲン基を別の基に置換した化学修飾物質が選択できる
が、これらのリガンドの同族体は、抗リガンド抗体への
親和性がリガンドに対するよりも低いことが必要であ
る。例えば、甲状腺ホルモンの遊離T3(以下FT3と
略す)の測定には、T3の同族体として、サイロキシン
(以下T4と略す)、3,3’,5’−トリヨードサイ
ロニン(以下rT3と略す)、3’,5’−T2、3,
3’−T2、3,5−T2(ジヨードサイロニンをT2
と略す)、3−モノヨードサイロニン、3’−モノヨー
ドサイロニン、サイロニン等のD体またはL体が使用で
き、好ましくは3,5−L−T2を選択するのが良い。
また、遊離T4(以下FT4と略す)を測定する場合、
標識されるT4の同族体として、T3、rT3、3’,
5’−T2、3,3’−T2、3,5−T2、3−モノ
ヨードサイロニン、3’−モノヨードサイロニン、サイ
ロニン等のD体またはL体が使用でき、好ましくはT3
を選択するのが良い。これらの同族体を標識する物質
は、ラジオアイソトープ、蛍光物質、発光物質、西洋ワ
サビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β
−ガラクトシダーゼなどが使用できるが、好ましくは西
洋ワサビペルオキシダーゼが良い。また、同族体に標識
物を結合させる方法は、同族体のアミノ基又はカルボン
酸を利用してカルボジイミド法やマレイミド法などで結
合させることができる。こうした低分子抗原の標識技術
は既に広く普及しており、多くの成書や報告がある。第
二反応における標識試薬の置換反応を改善するために、
こうして得られた標識試薬は、測定対象のリガンドに対
する親和力よりも弱い親和力を示し、第二反応において
固相上の抗体と結合しているリガンドと置き換わりにく
くなり、測定精度の低下を防ぐことが出来る。
【0011】第二反応の反応時間は、短すぎると必要な
シグナルが不足し、長すぎると置換反応を生じる可能性
が高くなるので、実験的に最高のSN比が得られる点に
設定するのが良い。また、第二反応後の洗浄操作は、一
旦抗体に結合した標識試薬が乖離しなければ、精製水で
も構わないが、好ましくは中性のリン酸緩衝液を用いる
のが良い。
【0012】第二反応の洗浄後、それぞれの標識物にあ
った検出法、すなわち放射線量測定、蛍光測定、発光量
測定及び酵素活性を測定し、同様な反応を遊離リガンド
濃度既知の標準液を試料として行った際に得られた標準
曲線と検出値を比較し試料中のリガンド濃度を算出す
る。
【0013】
【実施例】次に実施例及び比較例によって本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。 実施例1 この実施例は、抗T3抗体不溶化磁性微粒子と西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ(以下PODと略す)標識T2を用
い、FT3を測定する方法に関するものである。 (1)抗T3抗体不溶化磁性微粒子の調製 抗T3抗体不溶化磁性微粒子は、特開平3−04656
5号公報に開示されている方法に従い調製した。すなわ
ち、抗T3抗体不溶化磁性微粒子は、トシル化磁性微粒
子(Dynabead M−280、日本ダイナル社
製)のトシル基と市販の抗T3モノクローナル抗体(ヒ
ツジ由来)のアミノ基を共有結合させた後で、1Mモノ
エタノルーアミンによる未反応トシル基のブロッキング
処理、続いて1%牛血清アルブミンを含むリン酸緩衝液
による非特異吸着部位のブロッキング処理を行い調製し
た。最終的に調製した粒子は、0.1% 牛免疫グロブ
リン及び0.1M NaClを含む0.05M バルビ
タール−リン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)で0.
5mg/mlに希釈し測定に用いた。
【0014】(2)POD標識T2の調製 POD(東洋紡製)30mgを精秤し、0.1M Na
Clを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
5)3mlに溶解した。これにN−サクシイミジル3−
(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP、ピ
アス社製)0.75mgをエタノール0.75mlに溶
かした溶液の全量を加え混合し、25℃で30分間反応
させた。反応後、混合液をセファデックスG−25(フ
ァルマシア製)に通し、0.1M NaClを含む0.
1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)で溶出させ、
280nmの吸光度でモニタリングした最初のピークを
集め2mlに濃縮する。この液にジチオスレイトール
(シグマ社製)を50mMとなるように加え25℃で3
0分間反応させた。反応後、混合液をセファデックスG
−25(ファルマシア製)に通し、5mM EDTAを
含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)で
溶出させ、280nmの吸光度でモニタリングした最初
のピークを集めSH基導入PODを得た。一方、T2
(東京化成製)30mgを精秤しDMF30mlに溶か
した。これに、γ−MBS(同人化学製)6mgをDM
F0.6mlに溶かした溶液の全量を加え、25℃で3
0分間反応させマレイミド化T2を得た。次にSH基導
入PODと同量のマレイミド化T2を混合し、4℃で1
6時間反応させた。反応後、混合液をセファデックスG
−25(ファルマシア製)に通し、0.1Mリン酸ナト
リウム緩衝液(pH6.5)で溶出させ、280nmの
吸光度でモニタリングした最初のピークを集めPOD標
識T2を得た。最終的に調製したPOD標識T2は、
0.2% 牛血清アルブミンを含む0.12M バルビ
タール−リン酸ナトリウム緩衝液(pH8.6)で20
0ng/mlに希釈し測定に用いた。
【0015】(3)標準液の調製 8%牛血清アルブミン、0.15M NaCl含有0.
01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)にT3を
添加し、FT3濃度をFT3−MP「三井」キット(三
井製薬工業製)で決定した。これらの測定濃度が約0.
1,0.6,2.5,8.0,22.0pg/mlとな
るように適時希釈し、標準液とした。
【0016】(4)洗浄液の調製 Tween20(シグマ製)1mlを0.1M NaC
lを含む0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.
8)1lと混合し洗浄液とした。
【0017】(5)発色液の調製 3、3’、5、5’−テトラメチルベンジジン(シグマ
製)65mgに10mlのアセトンを加え溶かし、さら
に0.01%過酸化水素含有0.1Mクエン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH3.8)を加え1lとした。
【0018】(6)測定法 各試験管に測定試料または標準液80μlを加え、さら
抗T3抗体不溶化磁性微粒子液100μlを加え混合
し、37℃,5分間加温した。各試験管に磁石を接し磁
性微粒子を集め、上清を除いた後、洗浄液を800μl
加え混合し、再び磁石に接し上清を除去した。各試験管
にPOD標識T2液を200μl加え混合し、37℃,
5分間加温した。次に、各試験管に磁石を接し磁性微粒
子を集め、上清を除いた後、洗浄液を800μl加え混
合し、再び磁石に接し上清を除去した。この洗浄操作を
更に2回繰り返し、未反応のPOD標識T2を除去し
た。各試験管に発色液300μlを加え混合し、37
℃,5分間酵素反応を行った。つづいて、酵素反応停止
液として1N硫酸200μlを加え反応を停止させ、試
験管に磁石を接し磁性微粒子を集め上清の450nmの
吸光度を比色計を用いて測定した。図1(図1)に示し
たように各標準液におけるFT3濃度をX軸に、吸光度
の相対値をY軸にプロットし、直線で結び検量線を作成
した。この検量線から、測定試料のFT3濃度を読み取
った。
【0019】(7)測定間再現性 表1(表1)に示したように、3濃度の市販の管理用血
清(日本バイオラッド社製)を5日間にわたって測定
し、測定間の標準偏差(以下SDと略す)と変動係数
(以下CVと略す)を指標に評価した。表1中、管理血
清L、MおよびHのCVは、比較例1で18.4%、
3.5%および2.2%、実施例1が4.1%、1.4
%および0.7%を示し、実施例1のバラツキを示す尺
度のCVが比較例1の約1/4〜1/2となり大幅に低
減された。
【0020】
【表1】
【0021】(8)最小検出感度 標準液 0.1pg/mlを9重測定して求めた平均吸
光度から吸光度の標準偏差を2倍して差し引いた吸光度
値の示す濃度を最小検出感度と定義した。試験結果を表
2(表2)に示した。その結果、最小検出感度は、比較
例1 0.60pg/mlに対し、実施例10.15p
g/mlを示し、実施例1の検出感度が比較例1の約4
倍向上し、大幅に改善された。
【0022】
【表2】
【0023】比較例1 市販の遊離T3測定試薬であるFT3−MP「三井」
(三井製薬工業株式会社製)キットを使用し測定を行っ
た。測定原理は、2ステップ競合免疫測定法であり、P
OD標識T3液と抗T3ヒツジポリクローナル抗体固定
化磁性微粒子液を使用する以外は、実施例1と全く同じ
試薬で構成されている。また、測定法と再現性試験、最
小検出感度試験も実施例1と全く同じ方法で行い結果を
図1(図1)、表1(表1)、表2(表2)に示した。
その結果から明らかなように検量線は、実施例1が比較
例1よりも大幅に勾配の急なパターンを示しSN比が高
いことが示された。また、測定間再現性試験では、実施
例1のCVが、比較例1の約1/4〜1/2程度に低く
なり、実施例1の測定のバラツキが大幅に小さくなるこ
とが示された。更に、最小検出感度も実施例1が比較例
1の1/4である0.15pg/mlを示し、より低濃
度まで測定可能であることが示された。
【0024】実施例2 この実施例は、抗T4抗体不溶化磁性微粒子と西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ(以下PODと略す)標識T3を用
い、FT4を測定する方法に関するものである。 (1)抗T4抗体不溶化磁性微粒子の調製 抗T4抗体不溶化磁性微粒子は、実施例1と同様の方法
を用い、磁性微粒子に抗T4ポリクローナル抗体(ウサ
ギ由来)を不溶化し調製した。最終的に調製した粒子
は、0.1% 牛免疫グロブリン及び0.1M NaC
lを含む0.05M バルビタール−リン酸ナトリウム
緩衝液(pH8.0)で0.5mg/mlに希釈し測定
に用いた。
【0025】(2)POD標識T3の調製 実施例1と同様の方法を用いPOD(東洋紡製)にT3
(シグマ社製)を結合し調製した。最終的に調製したP
OD標識T3は、0.2% 牛血清アルブミンを含む
0.12M バルビタール−リン酸ナトリウム緩衝液
(pH8.6)で230ng/mlに希釈し測定に用い
た。
【0026】(3)標準液の調製 8%牛血清アルブミン、0.15M NaCl含有0.
01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)にT4を
添加し、FT4濃度をFT4−MP「三井」キット(三
井製薬工業株式会社製)で決定した。これらの測定濃度
が約0.03, 0.3, 0.8, 2.4,7.2
ng/dlとなるように適時希釈し、標準液とした。 (4)洗浄液、発色液の調製 洗浄液と発色液は実施例1と同様にして調製した。
【0027】(5)測定操作法 各試験管に測定試料または標準液50μlを加え、さら
抗T4抗体不溶化磁性微粒子液100μlを加え混合
し、37℃,5分間加温した。各試験管に磁石を接し磁
性微粒子を集め、上清を除いた後、洗浄液を800μl
加え混合し、再び磁石に接し上清を除去した。各試験管
にPOD標識T3液を200μl加え混合し、37℃,
5分間加温した。次に、各試験管に磁石を接し磁性微粒
子を集め、上清を除いた後、洗浄液を800μl加え混
合し、再び磁石に接し上清を除去した。この洗浄操作を
更に2回繰り返し、未反応のPOD標識T3を除去し
た。各試験管に発色液300μlを加え混合し、37
℃,5分間酵素反応を行った。つづいて、酵素反応停止
液として1N硫酸200μlを加え反応を停止させ、試
験管に磁石を接し磁性微粒子を集め上清の450nmの
吸光度を比色計を用いて測定した。図2に示したように
各標準液におけるFT4濃度をX軸に、吸光度の相対値
をY軸にプロットし、直線で結び検量線を作成した。こ
の検量線から、測定試料のFT4濃度を読み取った。
【0028】(6)再現性試験 表3(表3)に示したように3濃度の管理用血清を3日
間をにわたって測定し、測定間再現性を評価した。
【0029】管理血清L、MおよびHのCVは、それぞ
れ比較例2で11.9%、13.3%および4.5%、
実施例2が5.7%、1.5%および2.5%を示し、
実施例2のバラツキを示す尺度のCVが比較例2の約1
/9〜1/2と大幅に低減された。
【0030】
【表3】
【0031】(7)最小検出感度 標準液 0.03pg/mlを9重測定して求めた平均
吸光度から吸光度の標準偏差を2倍して差し引いた吸光
度値の示す濃度を最小検出感度と定義した。試験結果を
表4(表4)に示した。その結果、最小検出感度は、比
較例2 0.20ng/dlに対し、実施例20.11
ng/dlを示し、実施例2の検出感度が比較例2の約
1/2に改善された。
【0032】
【表4】
【0033】比較例2 この比較例2は、上記実施例2のPOD標識T3をPO
D標識T4に替え測定を行ったものである。POD標識
T4は、T4(シグマ社製)を原料として使用する以外
は、実施例2と全く同じ方法で調製し、9.1ng/m
lの濃度に希釈し測定に用いた。その他の試薬(抗T4
抗体不溶化磁性微粒子、標準液、発色液、洗浄液等)は
全く同じ方法で調製した。また、測定法と再現性試験、
最小検出感度試験も実施例2と全く同じ方法で行い結果
を図2(図2)、表3(表3)、表4(表4)に示し
た。その結果から明らかなように検量線は、実施例2が
比較例2よりも勾配の急なパターンを示しSN比が高い
ことが示された。また、測定間再現性試験では、実施例
2のCVが比較例2の約1/9〜1/2となり、実施例
2の測定のバラツキが大幅に小さいことが示された。更
に、最小検出感度も実施例2が比較例の約1/2である
0.11ng/dlを示し、より低濃度まで測定可能で
あることが示された。
【0034】
【発明の効果】本発明による測定方法に従うと、従来の
2ステップ免疫競合法に比べ最小検出感度と測定間再現
性が大幅に良化し、測定精度が飛躍的に改善される。す
なわち、FT3の測定では、従来法と比較し本発明の測
定方法が最小検出感度で4倍向上した0.15pg/m
lを示した。同じくFT3の測定間再現性は、測定のバ
ラツキを示すCV値が約4倍向上した。その結果とし
て、甲状腺機能低下症を代表とする血清中のFT3濃度
が低い疾患と健常者のFT3濃度は、従来法では測定精
度が不足したびたび健常者の濃度を高く示す逆転現象を
認めたが、本発明による測定方法により逆転現象が大幅
に減少した。また、本発明は、従来の2ステップ免疫測
定法の特長である内因性受容体の影響を受けない利点を
そのまま引き継いでいるので、上記の測定精度の大幅な
向上とあわせ、臨床的な有用性が非常に高い画期的な測
定法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1と比較例1におけるFT3標
準液の検量線を示すグラフである。X軸にFT3濃度を
対数軸でプロットし、Y軸に標準液0.1pg/mlの
吸光度を1とした時の各点の吸光度の相対値をプロット
した。
【図2】本発明の実施例2と比較例2におけるFT4標
準液の検量線を示すグラフである。X軸にFT4濃度を
対数軸でプロットし、Y軸に標準液0.03ng/ml
の吸光度を1とした時の各点の吸光度の相対値をプロッ
トした。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象のリガンドが内因性受容体と結合
    した形及び遊離の形で混在している試料中の遊離リガン
    ドを測定する方法において、リガンドに対する抗体を不
    溶化した固相と試料溶液を混合し、試料中の遊離リガン
    ドを固相上の抗体と反応させた後、洗浄操作により試料
    中の内因性受容体と結合しているリガンドを除去し、次
    に不溶化した抗リガンド抗体に対する親和性が遊離リガ
    ンドよりも低い標識したリガンドの同族体を固相と接触
    させて固相上の抗体と結合させ、続いて洗浄操作を行い
    未反応の標識試薬を除去し、固相上に結合した標識量を
    測定することにより体液中の遊離リガンドを定量測定す
    る方法。
  2. 【請求項2】標識されるリガンドの同族体はリガンドの
    生体内における合成及び代謝経路上の天然物である請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】標識されるリガンドの同族体は化学的な修
    飾を施したリガンドである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】リガンドは3,5,3’−L−トリヨード
    サイロニン、標識される同族体がジヨードサイロニンで
    ある請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】リガンドはサイロキシン、標識される同族
    体が3,5,3’−L−トリヨードサイロニンである請
    求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】同族体を標識する物質が西洋ワサビペルオ
    キシダーゼである請求項3、請求項4又は請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】抗体を不溶化する固相が磁性微粒子である
    請求項6記載の方法。
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Cited By (3)

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