JP3151507B2 - 移植機の苗取出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は左右往復移動させる
苗載台に苗トレイを搭載させ、該苗トレイから例えば１
株毎のポット苗を苗取出爪によって取出して順次移植を
行うようにした主に野菜用移植機の苗取出装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この種苗トレイの縦送り案内を行うトレ
イガイドを苗載台の縦送り下端側に備えたものにあって
は、前記トレイガイドの作用面を苗トレイ下部のセル外
周面に摺接させて、その縦送り案内が行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、苗トレイ
における左右最外側端の苗が茎変形などによって茎葉が
外側方向にはみ出した苗の場合、トレイガイドや苗載台
の他の付属部品に引掛るなどしてトレイガイドにスムー
ズに入らない状態となって、苗取り不良となったり、茎
葉を傷めたり、縦送り不良となるなどの不都合があっ
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】したがって本発明は、苗
載台に搭載する苗トレイの縦送り案内を行うトレイガイ
ドを苗載台の縦送り下端側に備えた構造において、前記
苗トレイの縦送り方向に対し、前記トレイガイドの後端
を苗トレイの下部に臨ませると共に、トレイガイドの中
間部を上り傾斜に形成してトレイガイド前端を苗トレイ
上方に臨ませるように設けて、前記トレイガイドの案内
でもって茎葉を傷めることなくスムーズに苗の縦送りを
行って、苗の縦送り不良や苗取り不良を発生させること
のない高精度な苗取出し作業を行うものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を図面に基
づいて詳述する。図１は苗ガイド部の説明図、図２は移
植機の全体側面図であり、図中（１）はエンジン（２）
を搭載する前フレーム、（３）は前フレーム（１）後端
に連設するミッションケース、（４）は前記ミッション
ケース（３）に伝動ケース（５）を介し上下揺動可能に
支持する左右の走行輪、（６）は前記ミッションケース
（３）の後方にシャーシフレーム（７）を介し装設する
苗供給装置、（８）は左右の走行輪（４）間で前記ミッ
ションケース（３）に植付伝動ケース（９）を介して装
設する苗植付装置、（１０）は畝上面を鎮圧する鎮圧ロ
ーラ、（１１）は前記鎮圧ローラ（１０）の左右両側に
配設する畝ガイドローラ、（１２）は植付間隔調整用の
株間検出ローラ、（１３）は培土ローラ、（１４）はゲ
ージローラであり、前記苗供給装置（６）における左右
往復移動する苗載台（１５）上の苗トレイ（１６）より
１株分のポット苗を苗取出爪（１７）でもって取出すと
共に、この取出されたポット苗を前記苗植付装置（８）
のマルチカッタ（１８）と連動して上下動するホッパ形
植付爪（１９）に放出供給して、操向ハンドル（２０）
操作による機体の走行中畝面に一定間隔毎のポット苗の
植付けつまり移植を行うように構成している。

【０００６】図３乃至図５に示す如く、前記苗供給装置
（６）は、ミッションケース（３）からの駆動力を伝達
チェン（２１）を介し苗取出駆動軸（２２）に入力させ
る横送り駆動ケース（２３）と、前記駆動軸（２２）に
ロータリケース及びクランクアームなどを介し左右一対
の苗取出爪（１７）を連結支持させる苗取出アーム（２
５）と、前記クランクアームの回転時苗取出アーム（２
５）の案内子（２６）をガイド溝（２７）に沿って苗取
出位置及び苗放出位置に直線及び揺動操作案内するアー
ムガイド板（２８）と、前記苗取出駆動軸（２２）にス
プロケット（２９）（３０）及びチェン（３１）を介し
連動連結させる縦送り駆動軸（３２）と、前記縦送り駆
動軸（３２）の固定押出カム（３３）に揺動アーム（３
４）を介してピン支持体（３５）を連結させる苗押出ピ
ン（３６）とを備え、前記駆動軸（２２）の回転による
苗取出爪（１７）の苗トレイ（１６）への上方よりの突
入直前に、苗押出ピン（３６）を苗トレイ（１６）底面
側より突入させて苗を押出動作させるように構成してい
る。

【０００７】また、前記苗供給装置（６）は、苗載台
（１５）の下部左右側板（３７）（３８）を左右に移動
案内する上下ガイド軸（３９）（４０）を備えると共
に、左右側板（３７）（３８）の外側に基端を固設する
左右縦フレーム（４１）（４１）の上端に左右枢着板
（４２）を固定させて、該枢着板（４２）に支持する遊
転輪（４３）と左右側板（３７）（３８）に支持する駆
動スプロケット（４４）間に左右一対の苗トレイ縦送り
チェン（４５）を張架させ、前記駆動軸（２２）からの
駆動力でもって横送りアーム（４６）を介し苗載台（１
５）が横送りされ、左右移動終端となるとき、駆動スプ
ロケット（４４）を一定角度回転させて１ピッチ分の苗
トレイ（１６）の縦送りを行うように構成している。

【０００８】さらに、前記左右枢着板（４２）と左右側
板（３７）（３８）間に、縦送りされる苗トレイ（１
６）底部を案内するトレイガイド板（４７）を、また左
右縦フレーム（４１）の上端間に延長苗台（４８）を設
け、左右縦フレーム（４１）の上部を後方に折曲げて、
苗載台（１５）と延長苗台（４８）とを側面視略くの字
形に形成すると共に、前記ガイド板（４７）と延長苗台
（４８）間に、遊転輪（４３）に巻回させる前記縦送り
チェン（４５）の通過する通路空間を開放して、延長苗
台（４８）とガイド板（４７）との間の苗トレイ（１
６）におけるセル（１６ａ）底部の陥没部に対しチェン
（４５）の縦送りピン（４９）を徐々に掛合させて、各
セル（１６ａ）底部へピン（４９）の乗り上げなどのな
いスムーズな苗トレイ（１６）の縦送りが行われるよう
に構成している。

【０００９】またさらに、前記ガイド板（４７）の下端
延長状に、苗取出爪（１７）近傍位置で苗トレイ（１
６）の左右位置ずれを規制する複数のトレイガイドリブ
であるセルガイドリブ（５０）（５１）（５２）を有す
るトレイガイド（５３）を設けるもので、左右両端と中
央のリブ（５０）をガイド板（４７）に直接的に固定さ
せると共に、左右両端と中央リブ（５０）間のリブ（５
１）（５２）をリブ座（５４）及びビス（５５）を介し
て交換可能にガイド板（４７）に固定させて、左右方向
に一列状に配列される各セル（１６ａ）の陥没部に、前
記駆動スプロケット（４４）のスプロケット軸（４４
ａ）を中心として円周面に形成される各リブ（５０）
（５１）（５２）先端外周のガイド面（５０ａ）（５１
ａ）（５２ａ）を突入させ、これらガイド面（５０ａ）
（５１ａ）（５２ａ）でもって苗トレイ（１６）底部の
移動案内を行うように構成している。

【００１０】また、前記搬送ピン（４９）は、苗トレイ
（１６）左右両端のセル（１６ａ）にのみ各別に掛合さ
せるべくチェン（４５）からの突出長さを小に左右のチ
ェン（４５）にそれぞれ設けると共に、左右両端と中央
のリブ（５０）のガイド板（４７）よりのトレイ案内高
さであるリブ高さを、他のリブ（５１）（５２）のリブ
高さより前記搬送ピン（４９）の略直径分低くなるよう
に形成して、苗トレイ（１６）の縦送り時リブ（５１）
（５２）のガイド面（５１ａ）（５２ａ）に苗トレイ
（１６）の底部を摺接案内させるように構成している。

【００１１】さらに、縦送り中の茎変形苗（Ａ）などを
内側へ引上げながら案内する左右の茎葉引上ガイド（５
６）を、左右外側のセルガイドリブ（５０）の送り始端
上方に臨ませるもので、前記縦フレーム（４１）に基端
を固設する横送りアーム（４６）の固定座（４６ａ）に
取付部材（５７）を介して前記引上ガイド（５６）の下
端側となる基端部をボルト（５８）でもって固定すると
共に、該ガイド（５６）の中間部を上端側に下り勾配に
傾斜させ且つ平面視この中間部を内側に入り込む状態に
湾曲させ、該引上ガイド（５６）の上端側となる先端部
を苗トレイ（１６）左右最外側のセル（１６ａ）下部外
周面に近接させる如く臨ませる状態とさせて、苗トレイ
（１６）が縦送りされるとき、左右最外側セル（１６
ａ）内の茎葉が外側にはみ出した状態の茎変形苗（Ａ）
にあっては、引上ガイド（５６）の上側作用面（５６
ａ）に沿って茎葉を除々にトレイ（１６）上方に引上げ
て、左右外側の前記セルガイドリブ（５０）にこの茎葉
を引掛ることなどなくスムーズに進入させるように構成
している。

【００１２】本実施例は上記の如く構成するものにし
て、前記苗載台（１５）上の苗トレイ（１６）が縦送り
され、該苗トレイ（１６）の苗（Ａ）がセルガイドリブ
（５０）位置に至る状態時にあっては、後側先端部を苗
トレイ（１６）の下側に臨ませ前側基端部を除々に苗ト
レイ（１６）上方に臨ませる前記引上ガイド（５６）の
上側作用面（５６ａ）でもって、苗（Ａ）の茎葉を内側
へ引上げながら前記セルガイドリブ（５０）内側に苗ト
レイ（１６）の苗（Ａ）を案内させるようにしたもので
あるから、苗トレイ（１６）外側に茎葉がはみ出るよう
な茎変形苗（Ａ）の場合でも、茎葉をセルガイドリブ
（５０）に引掛けるなどして傷めたり、苗（Ａ）の縦送
り不良とする不都合なくスムーズな縦送りが行われて苗
取り不良など発生させることのない高精度な苗取り作業
が行われる。

【００１３】

【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、苗載台（１５）に搭載する苗トレイ（１６）の縦送
り案内を行うトレイガイド（５６）を苗載台（１５）の
縦送り下端側に備えた構造において、前記苗トレイ（１
６）の縦送り方向に対し、前記トレイガイド（５６）の
後端を苗トレイ（１６）の下部に臨ませると共に、トレ
イガイド（５６）の中間部を上り傾斜に形成してトレイ
ガイド（５６）前端を苗トレイ（１６）上方に臨ませる
ものであるから、例え苗トレイ（１６）から茎葉が外側
にはみ出るような茎変形苗（Ａ）の場合でも、前記トレ
イガイド（５６）の案内でもって茎葉など傷めることの
ないスムーズな縦送りが行えて、苗（Ａ）の縦送り不良
や苗取り不良を発生させることのない高精度な苗取出し
作業が行えるなど顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】苗ガイド部の説明図。

【図２】全体側面図。

【図３】苗載部の側面説明図。

【図４】苗ガイド部の側面説明図。

【図５】苗ガイド部の平面説明図。

【符号の説明】

（１５） 苗載台 （１６） 苗トレイ （５６） ガイド

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 苗載台に搭載する苗トレイの縦送り案内
   を行うトレイガイドを苗載台の縦送り下端側に備えた構
   造において、前記苗トレイの縦送り方向に対し、前記ト
   レイガイドの後端を苗トレイの下部に臨ませると共に、
   トレイガイドの中間部を上り傾斜に形成してトレイガイ
   ド前端を苗トレイ上方に臨ませるように構成したことを
   特徴とする移植機の苗取出装置。