JP3504773B2 - 苗移植機の苗取爪構造 - Google Patents

苗移植機の苗取爪構造

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JP3504773B2 JP10278195A JP10278195A JP3504773B2 JP 3504773 B2 JP3504773 B2 JP 3504773B2 JP 10278195 A JP10278195 A JP 10278195A JP 10278195 A JP10278195 A JP 10278195A JP 3504773 B2 JP3504773 B2 JP 3504773B2
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得雄 田村
俊郎 和田
紀彦 宗好
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ヤンマー農機株式会社
石川島芝浦機械株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、圃場の畝上に野菜苗等
を移植する苗移植機の苗取爪構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、移植機の一形態として、苗トレイ
に多数の苗ポットを形成し、苗ポット中に育苗した苗
を、左右一対の苗取爪の先端部を略平行状態で苗ポット
中に挿入し、次に、苗取爪先端部の間隔を狭くすること
により苗を挾持して、同挾持状態にて苗取爪を苗ポット
から離隔させることにより、苗ポット中から苗を取出
し、受渡し位置まで搬送して植付装置に供給し、同植付
装置により苗の移植を行なうようにしたものがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、苗トレイに
多数の苗ポットが形成されているため、取出し目標の苗
ポットに隣接した苗ポットの苗の茎や葉が、苗取爪に絡
みついて苗取爪の作動を阻害したり、隣接した苗を引出
したりして、正常な苗の取出しを行うことができず、引
いては植付け作業に支障をきたすことがあった。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、進
退作動及び苗の挟持を可能とした苗取爪を具備して、苗
トレイに多数形成した苗ポット中の苗を、苗取爪で順次
取出し受渡し位置まで搬送する苗移植機において、取出
し目標の苗ポットに隣接した苗ポットの苗の茎や葉を、
苗取爪の近傍から排除する苗取爪カバーを取付けたこと
を特徴とする苗移植機の苗取爪構造を提供せんとするも
のである。 【0005】 【作用】本発明では、苗取爪に取付けた苗取爪カバーに
よって、取出し目標の苗ポットに隣接した苗ポットの苗
の茎や葉が苗取爪の近傍から排除されるので、上記の茎
や葉が苗取爪に絡みつくのが防止され、苗ポット中の苗
を1個づつ確実に取出して正常な苗の取出しを行うと共
に、他の苗ポットの苗を引出すなどの悪影響を防止す
る。 【0006】 【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。 【0007】図1〜図3は、本発明に係る苗取爪構造を
具備する移植機Aを示し、同移植機Aは、走行車体とし
てのトラクタの後方に、リンクブラケット1、ロワリン
ク2及びトップリンク3よりなる三点リンク機構4を介
して昇降自在に連結されている。 【0008】移植機Aは、図1〜図3に示すように、メ
インフレーム5に左右一対の移植ユニット6と、左右一
対のゲージ輪7と、作業者用搭乗ステップ8と予備苗載
台9と操作ボックス10等をそれぞれ所要個所に装備して
いる。 【0009】メインフレーム5は、図1〜図3に示すよ
うに、移植機Aの前部に、角パイプフレーム11を横架
し、同角パイプフレーム11の左端に、後方に向ってチエ
ンケース12を固設し、同チエンケース12の後部間に連結
パイプ13を架設し、同連結パイプ13に平面視略コ字状の
ガードパイプ14を後方に向って連設し、角パイプフレー
ム11の両端に、上部を後方に弯曲させた左右支柱15を立
設し、同左右支柱15の上端間に横パイプ16を架設し、同
横パイプ16とガードパイプ14後端との間に、左右傾斜パ
イプ17を架設している。 【0010】そして、上記メインフレーム5の内部に略
方形枠状のユニットフレーム18を配設し、同ユニットフ
レーム18の内部に、次に説明する苗トレイtの苗ポット
pから苗nを取出し、圃場に植付ける移植ユニット6を
配設している。 【0011】苗トレイtは、図4で示すように、多数の
苗ポットpを左右方向と前後方向とにそれぞれ一定の間
隔を設けて形成しており、各苗ポットpは、図5に示す
ように、上端開口部p1から下端底部p2に向けて漸次細幅
に形成されている。 【0012】移植ユニット6は、図2で示すように、左
右2セット設けられて二条植付けが可能に構成されてお
り、左右の移植ユニット6は、同一構造であるから一方
のユニットについて説明する。 【0013】移植ユニット6は、図1〜図3及び図6に
示すように、左右支柱15に昇降機構19を介して吊下した
ユニットフレーム18と、同ユニットフレーム18に配設し
た前後に摺動自在の苗載台20と、同苗載台20に設けた横
送り機構21及び縦送り機構22とで構成した苗供給装置30
と、植付部23を構成する苗取爪駆動機構24及び植付部駆
動機構25と、上記各機構に六角軸26からの動力を伝達す
るミッション部27と、ユニットフレーム18の下方に配設
した鎮圧輪28と覆土輪29とで構成されている。 【0014】苗取爪駆動機構24と植付部駆動機構25と
は、上方に苗取爪駆動機構24、下方に植付部駆動機構25
を配設しており、図2においては、右方(図面上の上
方)に苗取爪駆動機構24、左方(図面上の下方)に植付
部駆動機構25を図示している。 【0015】苗供給装置30は、図1及び図6に示すよう
に、苗載台20の後外側に縦送り駆動機構33を設けると共
に、後サイドフレーム35にミッション部27からの駆動力
を入力する横送り駆動機構36を設け、前後サイドフレー
ム34,35 間に横架したガイドレール37と平行に横送り螺
杆40を軸架して、横送り螺杆40の回動とガイドレール37
との案内とによって苗載台20を前後に往復させると共
に、苗載台20の上部に軸支した縦送り駆動軸41に、縦送
り駆動機構33の主導軸43を介して連動連結した駆動スプ
ロケット42と、苗載台20の下部に軸支した遊転軸44に取
付けた遊転スプロケット45との間に張架した縦送りチェ
ン46の縦送りバー47を、苗トレイtの各苗ポットpの底
部間の凹部に係合させて苗トレイtを支持し、苗載台20
の前後移動の終端時において苗トレイtの縦送りを行う
ように構成している。 【0016】図中、56は待機中の苗トレイtを支持する
トレイ支持体、57は苗トレイtの浮き上りを防止するト
レイガイドである。 【0017】苗取爪駆動機構52は、図6〜図10に示す
ように、苗取爪駆動軸58にロータリケース60と、クラン
クアーム61とカム軸62とを介し、左右一対の苗取爪59を
連結支持した苗取出アーム63と、前記クランクアーム61
の回転時に、苗取出アーム63をガイド溝64に沿って、苗
取出位置及び苗放出位置に直線及び揺動操作案内するア
ームガイド板65とを備えており、前記ロータリケース60
の出力クランクアーム軸66に取付けた遊星ギヤ67を、静
止太陽ギヤ70に中間ギヤ71を介して噛合させて、遊星ギ
ヤ67をクランクアーム軸66の公転とは反対方向に同一速
度で自転させるように構成している。 【0018】また、図7〜図10に示すように、前記ク
ランクアーム61の先端のカム軸62に、左右一対の苗取爪
59の先端部の開閉を行う爪開閉カム72を一体的に取付け
ると共に、前記苗取出アーム63の中間部を揺動自在にカ
ム軸62に取付けており、前記爪開閉用カム72は、図8で
示すように、両側面に膨出状の閉カム面72a と、陥没状
の開カム面72b と、苗押出部材73を摺動させるための円
周カム面72c を爪開閉カム72の外周面に形成している。 【0019】そして、前記苗取出アーム63の一端側に、
L形状の左右揺動支点軸74と揺動板75とを介して前記苗
取爪59を支持させ、後端側のガイド体76を前記アームガ
イド板65のガイド溝64に係合させて、前記カム軸62を苗
取爪駆動軸58を通る線分上を移動させて、ガイド体76が
ガイド溝64下部の上記線分と略平行な往復溝部aを移動
するときは、苗取爪59が往復溝部aと略平行に移動し
て、苗取爪59の先端に苗トレイtに略直交した直線上を
進出或いは後退する往復動作を行わせるようにし、その
後、ガイド体76が、ガイド溝64中途部の急上り勾配の揺
動溝部bを移動するときは、苗取爪59の先端が、苗ポッ
トp側方の苗取出位置と、植付部23の直上方の苗放出位
置との間で揺動して、苗取爪59に略垂直姿勢を取らせる
ようにしている。 【0020】なお、上記往復溝部aと揺動溝部bとを緩
やかな曲線で連結して、苗取爪59揺動時の慣性力を減殺
するようにしている。 【0021】また、左右一対の苗取爪59の基端部を長円
リング状に形成し、前記支点軸74を中心として揺動自在
の左右揺動板75に、ボルト84を介して突出長さ調節自在
に固着しており、左右揺動板75に爪開閉ネジ体78を突出
長さ調節自在に螺着して、同爪開閉ネジ体78の各内端側
を、左右揺動板75間に張設した引張バネ79のバネ力で前
記カム72両側面の開閉カム面72a,72b に摺接させ、ネジ
体78が閉カム面72a に摺接したときは、左右苗取爪59の
先端側を閉状態として、左右苗取爪59,59 の先端部で苗
を挾持し、ネジ体78が開カム面72b に摺接したときは、
左右苗取爪59,59 の先端側を開状態として、左右苗取爪
59,59 に挾持された苗を放出するようにしている。 【0022】また、前記苗取出アーム63のガイド体76側
には、枢軸80を介して苗押出操作板81を支持していて、
苗押出操作板81は先端側に前記苗押出部材73を取付ける
と共に、中間部に前記円周カム面72c に摺接した回転子
82を取付けて、前記苗放出位置に苗取爪59,59 の先端が
位置したとき、前記回転子82が円周カム面72c の短径陥
没面72d に陥入し、苗押出部材73の輪状部73a を苗取爪
59の先端方向に押し出して、確実に苗を放出するように
している。 【0023】かかる苗取爪59において、本発明では、図
9及び図10で示すように、細長矩形状の左右側板86,8
6 と略台形状の上側板87とで、下面及び前後側面が開放
し、苗取爪59方向に狭幅となった略台形箱状の苗取爪カ
バー88を形成し、左右側板86,86 を延長して形成した取
付部89を介し、同苗取爪カバー88を前記苗取出アーム63
に取付けて、上記苗取爪カバー88が苗取爪59と一体的に
進退作動するようにしている。 【0024】かかる構成により、図10で示すように、
取出される苗nに近接した苗、特に取出される苗nの上
方に位置して下方に垂れ下がった苗nの茎n1や葉n2を、
苗取爪59や苗押出部材73や輪状部73a の近傍から排除し
て、これらが絡み付くのを防止することによって、苗取
爪59や苗押出部材73の作動を阻害したり、近接した苗n
を引出して落下させたりする不具合が防止され、苗nを
1個づつ確実に取出すことができる。 【0025】上記のような構成により、苗の移植作業を
行う場合には、移植機Aをトラクタに三点リンク機構4
を介して連結し、トラクタで移植機Aを牽引して、畝に
沿って走行しながら苗の移植を行うことができる。 【0026】すなわち、苗の移植作業は、トラクタから
延出したPTO軸Pからの動力によって、移植ユニット
6の苗載台20は、横送り機構21により横送りされながら
苗トレイtから苗取爪59により苗を取出し、植付部23に
より圃場に苗の植付けを行っていく。なお、昇降機構19
により移植ユニット6の上下位置調節を行って、鎮圧輪
28の鎮圧力、覆土輪29の覆土圧を変化させることができ
る。 【0027】そして、苗載台20の苗トレイtの横一列分
の苗が植付けされると、縦送り機構22により苗トレイt
が横一列分だけ縦送りされる。 【0028】図11及び図12は、苗供給装置30の縦送
り駆動機構33において、駆動スプロケット42と遊転スプ
ロケット45との間に張架した縦送りチェン46を駆動する
ための縦送り駆動軸41を、ユニットフレーム18の外側近
接位置で2分割し、一方を端部にフランジ50を有する中
空軸51に形成し、他方を端部に芯出し凸部52とフランジ
50を有する中実軸53に形成して、両方のフランジ50,50
をリーマボルト54の締付けにより一体の縦送り駆動軸41
を形成するようにしたものを示しており、リーマボルト
54の抜取りによって縦送り駆動軸41を分解できることか
ら、スプロケットやチェン等の駆動機構55を機体側に取
付けたままで、駆動スプロケット42や縦送り駆動軸41を
取外すことができるようになり、この部分の分解整備を
容易にすることができる。 【0029】図13は、上記駆動スプロケット42と遊転
スプロケット45との間に張架した縦送りチェン46の内側
に、バネ鋼板等の弾力性を有する素材を略台形状に屈折
形成したチェンテンショナ90を設けて、縦送りチェン46
を内側から押圧して同縦送りチェン46の弛緩を防止し、
苗取出し時における苗ポットpの位置出しを正確にし
て、確実な苗の取出しを可能にしたものを示している。 【0030】このように、縦送りチェン46の弛緩が防止
されているので、縦送りチェン46が合成樹脂製の場合
は、気温変動に伴うピッチの変動が大きいため、苗取出
し時における苗ポットpの位置がずれやすい場合や、図
14で示すように、苗ポットpの縦ピッチp3と、苗トレ
イt端縁部幅p4とが異なる場合、これに適合するように
不等ピッチの縦送りチェン46を用いた場合でも、苗取出
し時における苗ポットpの位置決めを正確にして、確実
な苗の取出しを可能にしている。 【0031】また、上記チェンテンショナ90の一端を略
U字形状に屈折させて押圧力調節可能の取付部91を形成
している。 【0032】 【効果】本発明によれば、進退作動及び苗の挟持を可能
とした苗取爪を具備して、苗トレイに多数形成した苗ポ
ット中の苗を、苗取爪で順次取出し受渡し位置まで搬送
する苗移植機において、取出し目標の苗ポットに隣接し
た苗ポットの苗の茎や葉を、苗取爪の近傍から排除する
苗取爪カバーを取付けたことによって、取出し目標の苗
以外の苗の茎や葉が苗取爪に絡みつくのが防止され、苗
ポット中の苗を1個づつ確実に取出すと共に、他の苗ポ
ットの苗を引出すなどの悪影響を防止して、して正常な
苗の取出しを行うことができ、確実な苗の植付け作業を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る苗取爪構造を具備する苗移植機の
側面図。 【図2】同平面図。 【図3】同背面図。 【図4】苗トレイの平面図。 【図5】苗トレイの一部断面図。 【図6】移植ユニットの背面図。 【図7】苗取爪駆動機構の一部断面説明図。 【図8】爪開閉用カムの正面図。 【図9】苗取爪の平面図。 【図10】苗取爪の側面図。 【図11】縦送り駆動軸の配置を示す平面模式図。 【図12】縦送り駆動軸の縦断面図。 【図13】縦送りチエンの背面図。 【図14】縦送りチエンの側面図。 【符号の説明】 A 移植機 苗 苗取爪 苗トレイ 苗ポット 苗移植機 苗取爪カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宗好 紀彦 東京都渋谷区千駄ケ谷5丁目32番7号 石川島芝浦機械株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−311805(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/00 - 11/02 303

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 進退作動及び苗の挟持を可能とした苗取
    爪を具備して、苗トレイに多数形成した苗ポット中の苗
    を、苗取爪で順次取出し受渡し位置まで搬送する苗移植
    機において、取出し目標の苗ポットに隣接した苗ポット
    の苗の茎や葉を、苗取爪の近傍から排除する苗取爪カバ
    ーを取付けたことを特徴とする苗移植機の苗取爪構造。
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