JP3151499B2 - 移植機の苗植付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は苗トレイから取出した苗
を植付爪によって圃場に植付けるようにした移植機の苗
植付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】彎曲自在なソフトトレイを搬送チェンで
下方向に順次縦送りして苗を取出し、苗取出し後はこの
下送り終端部のスプロケット部で反転させて苗の非搬送
側で上方向に縦送りしてトレイの回収を行って、移植機
の自動化を図るようにした手段がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍らこのような
自動化の場合、ソフトトレイに限定され、移植用トレイ
として圧倒的にハードトレイが世界的に用いられている
現状にあって、このハードトレイを用いた自動化が切望
されている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】したがって本発明は、ハ
ード形苗トレイより苗を取出しロータリポットに供給し
て苗の植付けを行うようにした移植機において、苗トレ
イを左右横方向に横送りする横送り機構と、苗トレイを
上下縦方向に縦送りする縦送り機構と、所定位置で苗ト
レイからの苗を取出す苗取出し機構と、この取出された
苗を前記ロータリポットの投入位置まで搬送する苗搬送
機構とを設けたもので、一般に使用されているハード形
苗トレイをそのまま用いて自動化による移植作業を可能
とし得て、別途ソフトトレイを用いる必要もなく、また
移植時ハードトレイからソフトトレイに苗を移しかえる
などの手間の煩わしさなどもなく、経済的にして作業能
率良好な作業が行えるものである。

【０００５】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
述する。図１は要部の平面説明図、図２は移植機の全体
側面図、図３は同全体平面図であり、図中（１）はエン
ジン（２）を搭載する前フレーム、（３）は前記フレー
ム（１）後端に連設するミッションケース、（４）は前
記ミッションケース（３）に左右伝動ケース（５）を介
し上下揺動可能に支持する左右の走行駆動輪である後
輪、（６）は前記前フレーム（１）の前端側にアクスル
フレーム（７）を介し上下揺動可能に支持する左右の前
輪、（８）は前記ミッションケース（３）の後方にシャ
ーシフレーム（９）を介し装設する苗供給装置、（１
０）は左右の後輪（４）と苗供給装置（８）間に配設し
てロータリポット（１１）及び移植開孔器（１２）など
を有する苗植付装置であり、昇降リンク機構を介しロー
タリポット（１１）と畝（Ａ）面との間を略楕円軌跡を
描いて昇降する前記開孔器（１２）の上昇時、ロータリ
ポット（１１）から落下供給される苗（Ｂ）を受取ると
共に、下降時畝（Ａ）面に開成する移植孔に開孔器（１
２）を開いて苗（Ｂ）を落下させてこの植付けを行うよ
うに構成している。

【０００６】図４乃至図６にも示す如く、前記苗供給装
置（８）は、苗載台（１３）上のハード形苗トレイ（１
４）を横送りネジ軸（１５）の回転によって左右横方向
に横送りするトレイ横送り機構（１６）と、この横送り
終端で縦送りカムの回転によって上方向にトレイ（１
４）の１セル（１４ａ）分縦送りするトレイ縦送り機構
（１８）と、所定位置でセル（１４ａ）から左右一対の
苗取出爪（１９）によって苗（Ｂ）を取出す苗取出し機
構（２０）と、セル（１４ａ）から取出された苗（Ｂ）
を前記ロータリポット（１１）の投入位置まで搬送コン
ベアベルト（２１）によって受継ぎ搬送する苗搬送機構
（２２）とを備える。

【０００７】前記横送り機構（１６）は、前記ネジ軸
（１５）のトラバース溝（１５ａ）に結合体（２３）を
介し苗載台（１３）の略中間部を左右移動自在に連結す
ると共に、本機側に固定連結するガイドレール（２４）
に苗載台（１３）の下部前端側を左右２つのベアリング
（２５）を介して左右移動自在に支持させて、前記ネジ
軸（１５）の回転でもって結合体（２３）が左右に移動
することによって苗載台（１３）と一体に苗トレイ（１
４）を横送りするように構成している。

【０００８】また前記縦送り機構（１８）は、苗載台
（１３）の駆動及び遊動スプロケット（２６）（２７）
間に搬送側に一定の傾斜角（α）を有して張架する縦送
りチェン（２８）の縦送りピン（２９）を、苗トレイ
（１４）における各セル（１４ａ）の外底陥没部に掛合
させて、苗トレイ（１４）の後側斜め上方への縦送りを
行うもので、前記ネジ軸（１５）に連動連結する縦送り
駆動軸（３０）の縦送りカム（３１）に、苗載台（１
３）側に設ける従動カム（３２）及び一方向クラッチ
（３２ａ）を介し従動カム軸（３３）を連動連結すると
共に、従動カム軸（３３）に常噛ギヤ（３４）（３５）
を介し前記駆動スプロケット（２６）のスプロケット軸
（３６）を連動連結させて、苗載台（１３）の左右横送
り終端毎にカム（３１）（３２）の当接作用でもってス
プロケット（２６）を一定量回転させて苗トレイ（１
４）の縦送りを行うように構成している。

【０００９】さらに前記苗取出し機構（２０）は、苗取
出爪（１９）を苗トレイ（１４）に対し進退させる爪進
退シリンダ（３７）と、苗取出爪（１９）を苗トレイ
（１４）の苗取出装置及び前記搬送コンベアベルト（２
１）での苗放出位置間を往復揺動させる揺動シリンダ
（３８）と、前記シリンダ（３７）のピストンロッド
（３７ａ）の伸出時これに連動して左右の爪（１９）を
開閉する爪開閉部材（３９）とを備え、前記シャーシフ
レーム（９）に立設固定するフレーム（４０）に回動支
点軸（４１）を介しシリンダ（３７）を固設する揺動ア
ーム（４２）を支持すると共に、該アーム（４２）とフ
レーム（４０）間に前記シリンダ（３８）及びこのピス
トンロッド（３８ａ）を介設して、図１に示す如く、苗
トレイ（１４）の左横送り終端時にあって該トレイ（１
４）の右端側最前のセル（１４ａ）位置の苗（Ｂ）を取
出すように爪（１９）位置を設定し、苗トレイ（１４）
の右横送り時に最前列各セル（１４ａ）の苗取出しを行
うと共に、右横送り終端となる最前列最左端セル（１４
ａ）の苗取り後にあっては、縦送りを行って以後苗トレ
イ（１４）の左横送り中には最前列より２列目のセル
（１４ａ）の苗取出しを左側より右側に順次行うように
して、この繰返しでもって苗（Ｂ）の取出しを行うよう
に構成している。

【００１０】またさらに、前記苗搬送機構（２２）は図
６にも示す如く、前記苗取出爪（１９）によって取出さ
れた苗（Ｂ）を斜め横倒し姿勢で搬送する陥没搬送面
（２１ａ）を前記ベルト（２１）に有すると共に、スプ
ロケット（４３）に噛合せるスプロケット歯孔（４４）
を前記搬送面（２１ａ）に形成して、前記取出爪（１
９）からの苗を茎葉側を斜め上方とする横倒し姿勢でロ
ータリポット（１１）の投入位置まで搬送してこの送り
終端より所定のポット（１１）に投入落下させるように
構成している。

【００１１】なおこの場合、前記苗取出爪（１９）によ
り苗（Ｂ）を取出すピッチとコンベアベルト（２１）と
ロータリポット（１１）などのピッチを合すものであ
る。

【００１２】本実施例は上記の如く構成するものにし
て、苗載台（１３）の苗トレイ（１４）が左から右、右
から左に横送りされるとき所定位置（Ｃ）位置での苗取
出爪（１９）による苗取出しが順次行われ、その横送り
終端に苗トレイ（１４）が至るとき前記カム（３１）
（３２）の作用によって１セル（１４ａ）分の上方向へ
の縦送りが行われて、以後横送り時には同様の苗取出し
が繰返し行われ、全てのセル（１４ａ）の苗取出しが行
われた後には空状態の苗トレイ（１４）が苗載台（１
３）の傾斜上端側に取出される。

【００１３】またこの場合、搬送コンベアベルト（２
１）の前後配設位置を調節することによって、前記ロー
タリポット（１１）に対する投入位置の調節が容易に行
われて、その投入での確実性が図れる。

【００１４】図７は苗トレイとして彎曲自在なソフトト
レイ（１４ｂ）を使用可能とする移植機（４５）に散水
装置を装備させたもので、該構造のものは機体の略中央
上方にタンク台（４６）を介し水タンク（４７）を搭載
する一方、機体に連結支持する散水管（４８）に調節ボ
ルト（４９）を介して散水ノズル（５０）を出入調節自
在に連結接続させ、前記タンク（４７）と散水管（４
８）とを散水ホース（５１）を介して連通接続させて、
前記タンク（４７）からの水を植付け直後の苗（Ｂ）に
同調させて間欠的に散水させて、苗植付後の散水作業の
省力化と節水を図るように構成したものである。なお散
水ノズル（５１）を苗（Ｂ）の植付けを行う苗植付爪
（１２ａ）に一体的に取付けて苗（Ｂ）の植付け時に同
時に散水を行う構成でも良い。

【００１５】

【発明の効果】以上実施例からも明らかなように本発明
は、ハード形苗トレイ（１４）より苗（Ｂ）を取出しロ
ータリポット（１１）に供給して苗（Ｂ）の植付けを行
うようにした移植機において、苗トレイ（１４）を左右
横方向に横送りする横送り機構（１６）と、苗トレイ
（１４）を上下縦方向に縦送りする縦送り機構（１８）
と、所定位置で苗トレイ（１４）からの苗（Ｂ）を取出
す苗取出し機構（２０）と、この取出された苗（Ｂ）を
前記ロータリポット（１１）の投入位置まで搬送する苗
搬送機構（２２）とを設けたものであるから、一般に広
く普及しているハード形苗トレイ（１４）を用いての移
植作業の自動化を可能とできるもので、経済的にして作
業能率良好の移植作業が行えるなどの顕著な効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】苗取出し部の平面説明図である。

【図２】移植機の全体側面図である。

【図３】移植機の全体平面図である。

【図４】苗載台の平面説明図である。

【図５】苗取出部の側面説明図である。

【図６】コンベアベルト部の断面説明図である。

【図７】散水装置を装備させた状態説明図である。

【符号の説明】

（１１） ロータリポット （１４） 苗トレイ （１６） 横送り機構 （１８） 縦送り機構 （２０） 苗取出し機構 （Ｂ） 苗

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハード形苗トレイより苗を取出しロータ
   リポットに供給して苗の植付けを行うようにした移植機
   において、苗トレイを左右横方向に横送りする横送り機
   構と、苗トレイを上下縦方向に縦送りする縦送り機構
   と、所定位置で苗トレイからの苗を取出す苗取出し機構
   と、この取出された苗を前記ロータリポットの投入位置
   まで搬送する苗搬送機構とを設けたことを特徴とする移
   植機の苗植付装置。