JP3149051B2 - 椅子用シェル構造 - Google Patents

椅子用シェル構造

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JP3149051B2 JP05018794A JP5018794A JP3149051B2 JP 3149051 B2 JP3149051 B2 JP 3149051B2 JP 05018794 A JP05018794 A JP 05018794A JP 5018794 A JP5018794 A JP 5018794A JP 3149051 B2 JP3149051 B2 JP 3149051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は椅子の座板または背凭
れ等に適用されるシェル構造に係り、特に合成樹脂等の
硬質弾性材によって構成される中シェルを改良した椅子
用シェル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば椅子の背凭れ等に適用され
るシェル構造として、合成樹脂等の硬質弾性材により成
形され、クッション材を前面に装着する中シェルと、こ
の中シェルの背面を覆外シェルとを一体的に接合し
た構造が知られている(例:実開平5−1354号)。
【0003】このようなシェル構造においては、接合さ
れる各シェルの表面が曲面状をなすことが多いため、そ
接合にあたっては、成形された両方のシェルの曲面が
合致していることが重要である
【0004】従来このような合成樹脂等の硬質弾性材
により成形された中シェルに外シェルを取付けるもので
は、例えば図6に示すように、外シェル(2)の前面
複数箇所に鉤部(6)を有する係合突起(5)を突設する
とともに、中シェル(1)の対応個所に嵌合孔(3)を設
け、の嵌合孔(3)に係合突起(5)を挿入するようにな
っている。嵌合孔(3)付近に設けた係止爪(4)に鉤部
(6)係止ることにより係合突起(5)嵌合孔(3)
から抜け止めされ、両シェル(1)(2)互いに結合され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構造
では、中シェル(1)に外シェル(2)取付けた状態にお
いて、中シェルの嵌合孔(3)の前方に、係合突起(5)の
端が突出し、例えば背凭れに後向きの荷重が掛った時
に、係合突起(5)の端に直接負荷が掛り、係合突起
(5)または嵌合孔(3)の縁部が破損したり、係合突起
(5)が嵌合孔(3)から外れたりすることがある。また、
長期の使用により、嵌合孔(3)から突出した係合突起
(5)の端が、クッション材に繰り返し押付けられ、ク
ッション材痛められる。
【0006】さらに、中シェル(1)をクッション材の成
形型内にセットし、同型内に発泡合成樹脂の未発泡原液
を注入して発泡させ、中シェル(1)の面にクッショ
ン材をモールド成形するものでは、発泡時に、中シェル
(1)の嵌合孔(3)から発泡樹脂が漏れ、嵌合孔(3)を埋
めることがある。そのため、そのままでは外シェル
(1)の係合突起(5)挿入することはできず、発泡後、
中シェル(1)の嵌合孔(3)周辺の発泡樹脂を取除く必要
があり、成形後の後処理が面倒であった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、係合突起または嵌合孔の破損を防止できると
ともに、中シェルの面にクッション材をモールド成形
する場合に発泡樹脂が嵌合孔から漏れることがなく、
成形後の後処理容易に行えるようにした椅子用シェル
構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は座または背凭れ用のクッション材を
面に装着した中シェルと、この中シェルの面を覆う外
シェルとを有し、中シェルに穿設した嵌合孔に、外シェ
より前向に突設した係合突起を係合することにより、
中シェルを外シェルに結合するようにした椅子用シェル
構造において、前記嵌合孔の前面開口部を、中シェルか
ら前面に膨出するように一体成形した閉塞壁により閉塞
したことを特徴としている。
【0009】この際、係合突起端部に両側に突出
する鉤部を有するものとし、この鉤部を嵌合孔の後縁
に設けた1対の弾性係止片に係合させることにより、
合突起を嵌合孔から抜け止めるのがよい。
【0010】
【作用】中シェルに穿設した嵌合孔の前面を閉塞壁によ
り閉塞したため、中シェルの面にクッション材をモー
ルド成形する場合に、発泡樹脂が嵌合孔に侵入すること
がなく、成形後に嵌合孔周辺の発泡樹脂を取除く作業が
不要となる。また使用時において、前方からの荷重が
直接係合突起に掛ることがなく、係合突起やそれが係合
する嵌合孔の縁等が破損するおそれがな
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図を参
照して説明する。本実施例の椅子用シェル構造は、図1
に示すように、例えば椅子の背凭れに適用されるもの
で、ウレタン等の発泡樹脂製のクッション材(13)を
にモールド成形した合成樹脂等の硬質弾性材製の中シェ
ル(11)と、この中シェル(11)の面を覆うように取付け
られる外シェル(12)とを有している。
【0012】中シェル(11)の外周部は、外周縁より中央
部の方向へ向かう切込み線(14)により複数に区分され、
その区分された外周部は、それぞれ独立的に中央側部分
に対して屈撓可能とされている。
【0013】切込み線(14)の代わりに、線状薄肉部とし
てもよい(図示略)。
【0014】中シェル(11)の中央部分には、発泡の上
型に中シェル(11)をセットするための嵌合保持孔(15)(1
5)が穿設されている。
【0015】中シェル(11)の前記区分された外周部分に
は、外シェル(12)と連結するための受け部(16)が設けら
れ、かつ、外シェル(12)前面の対向個所には、係合突起
(17)が設けられている。これら受け部(16)と係合突起(1
7)とからなる嵌合連結部を介して、両シェル(11)(12)
互いに一体的に連結される。
【0016】詳言すると、受け部(16)は図2に示すよ
うに、係合突起(17)を挿入しうる複数の長方形の嵌合孔
(18)の後側の開口に、前方へ向かうとともに、互いに
対向するよう反転して傾斜し、かつ端が、係合突起
(17)のにおける後述する鉤部(22)に係合して係合
突起(17)を嵌合孔(18)から抜け止めする1対の弾性係止
片(19)(19)を設けて形成されている。
【0017】嵌合孔(18)の前面は、中シェル(11)の
側に突出する閉塞壁(18a)によって塞がれている。この
閉塞壁(18a)は、中シェル(11)一体成形により成さ
れている。
【0018】前記弾性係止片(19)は、嵌合孔(18)の後縁
両側から、後方へ突出する薄肉部(19a)(19a)と、薄肉
部(19a)から嵌合孔(18)の内方に向って前向きに反転し
傾斜する係止部(19b)とからなり、この弾性係止片(1
9)の互いに対向する先端同士は平行とされている。
【0019】係合突起(17)は1対の対向壁(17a)(17a)
と、この対向壁(17a)(17a)一体をなす端壁(17b)とに
より横断面コ字形とされ、端壁(17b)の外側には
補強リブ(23)が設けられている。係合突起(17)の端に
は、側方へ突出する矢尻形傾斜端縁(22a)(22a)を有する
鉤部(22)が一体形成され、この鉤部(22)の両傾斜端縁は
平行とされて、中シェル(11)の弾性係止片(19)の先端と
当接するようになっている。なお、図示しないが、係合
突起の横断面はH形でもよい。
【0020】このような構成の本実施例によれば、中シ
ェル(11)クッション材(13)を一体成形する場合、中シ
ェル(11)の外周部分複数に区分されて、各区分毎に屈
撓自在であるため、良好な成形が行える。
【0021】すなわち、図5に示すように、例えばウレ
タンなどの発泡用の型の上型(30)の下面に中シェル(11)
をセットしておき、上型(30)と下型(31)との間ウレタ
ンなどの発泡原液を注入して発泡させて、クッション材
(13)と中シェル(11)とを一体とする場合中シェル(11)
に成形上の変形等が生じても、ウレタンなどの発泡過程
で、中シェル(11)の外周部の下方から先にウレタンなど
の発泡圧を受けて、区分した各外周部分が屈撓して
(30)に押し付けられる。のため、クッション材(13)
の成形時に発泡中のウレタンなどが、中シェル(11)と
上型(30)との間に回り込むことがなく、外シェルとの取
付け部である嵌合孔(18)や弾性係止片(19)を埋めてしま
こともない
【0022】また嵌合孔(18)におけるクッション材(1
3)側たる前面閉塞壁(18a)により閉塞してあるた
、発泡樹脂が嵌合孔(18)に侵入することがなく、成形
後に嵌合孔(18)周辺の発泡樹脂を取除く作業が不要と
なる。
【0023】組立て時においては、外シェル(12)の係合
突起(17)の鉤部(22)を、中シェル(11)の嵌合孔(18)の開
口部に設けた弾性係止片(22)一致させ、両シェル(1
1)(12)を互いに押圧する。この場合、嵌合孔(18)の開口
後縁に設けた1対の弾性係止片(19)はハ字状をなし、
かつ嵌合孔(18)の内方に向って傾斜しているので、図3
に示すように、係合突起(17)の鉤部(22)は両係止片(1
9)を押し広げて、これを乗り越える状態で挿入され、係
合突起(17)の端両側の鉤部(22)は両側の弾性係止片
(19)に係止される。
【0024】このとき、弾性係止片(19)係止部(19b)
は、薄肉部(19a)を介して嵌合孔(18)の開口部連設さ
れているので、薄肉部(19a)が弾性変形することによ
り、係合突起(17)の嵌合孔(18)への挿入容易に行え
る。
【0025】使用時においては、椅子に着座した使用者
の荷重が凭れ等に掛り、中シェル(11)あるいは外シェル
(12)が変形しても、弾性係止片(19)主として薄肉部(1
9a)で弾性変形するため、係合突起(17)の嵌合孔(18)と
の相対的な移動が許容され、係合突起(17)に大きな負荷
が掛って折れるようなことはなく、しかも中シェル(1
1)が外シェル(12)に対してがたつくこともない。
【0026】また、弾性係止片(19)の互いに対向する先
端同士を平行とし、この弾性係止片(19)の先端と当接す
る係合突起(17)の両側面も平行としたため、弾性係止片
(19)の先端と係合突起(17)との当接面積を大きく取るこ
とができ、弾性係止片(19)による係合突起(17)の確実な
保持が行える。
【0027】さらに、係合突起(17)は平行な1対の対
向壁(17a)(17a)と、この対向壁(17a)(17a)一体をなす
端壁(17b)とにより横断面コ字形またはH形とされてい
るので、この係合突起(17)の強度向上、折損等のお
それは小さい
【0028】本実施例においては、鉤部(22)が閉塞壁(1
8a)付きの嵌合孔(18)に挿入される。このように中シ
ェル(11)のクッション材装着側である前面において、係
合突起(17)先端の鉤部(22)および嵌合孔(18)が閉塞
壁によって覆われているので、クッション材(13)と係合
突起(17)の先端とが直接に接触することない。のた
め、椅子に着座して背凭れ等のクッション材(13)側から
荷重が掛かった時、係合突起(17)のおよびその
端部の鉤部(22)を介して弾性係止片(19)に負荷が掛る
ことがなく、係合突起(17)または弾性係止片(19)が破損
したり、係合突起(17)が弾性係止片(19)から外れたりす
ることがな
【0029】また、長期の使用によっても、クッション
材(13)が係合突起(17)の先端に繰返し押付けられるこ
とがなく、クッション材(13)を痛めることがな
【0030】前記実施例では本発明の構造を椅子の背
凭れについて適用したが、椅子の座についても同様に適
用できることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】係合突起が閉塞壁付きの嵌合孔に挿入さ
れようにしたことにより、中シェルの前面であるクッシ
ョン材装着側において係合突起の端、及びその
部の鉤部と嵌合孔側の係合部分とが閉塞壁によって覆わ
れるので、係合突起の端等がクッション材と直接に接
触することがない。のため、椅子に着座して背凭れ等
のクッション材側から荷重が掛かった時、係合突起の
端に負荷が掛ることがなく、係合突起やそれが係合する
嵌合孔の縁等が破損したり、係合突起が嵌合孔から外れ
たりするおそれがない。
【0032】また、長期の使用によって、クッション材
が係合突起の端に繰返し押付けられることがなく、ク
ッション材を痛めることもない
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す組立て前の斜視図であ
る。
【図2】図1の組立て状態を示す拡大図である。
【図3】前記実施例のシェル連結途中状態を示す断面図
である。
【図4】前記実施例のシェル連結状態を示す断面図であ
る。
【図5】前記実施例におけるシェル成形状態を示す断面
図である。
【図6】従来例を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
(11)中シェル (12)外シェル (13)クッション材(14)切込み線 (16)受け部 (17)係合突起 (22)鉤部 (18)嵌合孔 (18a)閉塞壁 (19)弾性係止片 (19a)薄肉部 (19b)係止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47C 7/00 A47C 7/02 A47C 7/16 A47C 7/40 F16B 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座または背凭れ用のクッション材を
    に装着した中シェルと、この中シェルの面を覆う外シ
    ェルとを有し、中シェルに穿設した嵌合孔に、外シェル
    より前向に突設した係合突起を係合することにより、中
    シェルを外シェルに結合するようにした椅子用シェル構
    造において、前記嵌合孔の前面開口部を、中シェルから
    前面に膨出するように一体成形した閉塞壁により閉塞し
    たことを特徴とする椅子用シェル構造。
  2. 【請求項2】 係合突起は、端部に両側に突出する鉤
    部を有し、この鉤部を嵌合孔の後縁に設けた1対の弾
    性係止片に係合させることにより、係合突起を嵌合孔か
    ら抜け止めしたことを特徴とする請求項1記載の椅子用
    シェル構造。
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