JP3143156B2 - 希土類永久磁石の製造方法 - Google Patents

希土類永久磁石の製造方法

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JP3143156B2 JP03198476A JP19847691A JP3143156B2 JP 3143156 B2 JP3143156 B2 JP 3143156B2 JP 03198476 A JP03198476 A JP 03198476A JP 19847691 A JP19847691 A JP 19847691A JP 3143156 B2 JP3143156 B2 JP 3143156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電気、電子機器に
用いられる、磁気特性に優れた希土類永久磁石の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】希土類磁石の中でもNd-Fe-B系磁石は、
主成分であるNdが資源的に豊富でコストが安く、磁気特
性に優れているために、近年益々その利用が広がりつつ
ある。磁気特性向上のための開発研究も、Nd系磁石の発
明以来精力的に行われてきており、数多くの研究や発明
が提案されている。Nd系焼結磁石の製造方法の1つであ
る2種類の組成の異なった合金粉体を混合、焼結して高
性能Nd磁石を製造する方法(以下、2合金法という)に
関しても数々の発明考案が提案されている。
【0003】これまでに提案されている2合金法を大き
く分けると、3種類に分類することができる。第1の方
法は、混合する原料合金粉体の一方を液体急冷法によっ
て非晶質あるいは微細結晶合金を作製し、それに通常の
希土類合金粉末を混合するか、あるいは両方の原料合金
粉体を共に液体急冷法で作製混合する方法[特開昭63-9
3841、 特開昭63-115307、特開昭63-252403、特開昭63-278
208、特開平1-108707、特開平1-146310、 特開平1-146309、
特開平1-155603各号公報参照]である。この液体急冷
法による合金を使用する2合金法については、最近50MG
Oeを越える磁気特性が得られたと報告[E.Otuki,T.Otuka
and T.Imai;11th.Int.Workshopon Rare Earth Magnet
s,Pittsburgh,Pennsylvania,USA,October(1990),p.328
参照 ]されている。
【0004】第2の方法は、混合する2種類の原料合金
粉体を共に主としてR2 Fe14B化合物とし含有される希
土類元素の種類、含有量を変えた合金を作製して混合焼
結する方法である。即ち、含有するNdリッチ相の量比あ
るいは希土類元素の種類を変えた合金を2種類混合する
方法[特開昭61-81603、 特開昭61-81604、 特開昭61-816
05、 特開昭61-81606、 特開昭61-81607、 特開昭61-11900
7、特開昭61-207546、特開昭63-245903、特開平1-177335各
号公報参照]である。
【0005】第3の方法は、一方の合金を主としてR2F
e14B化合物からなる合金粉末とし、これに各種低融点
元素、低融点合金、希土類合金、炭化物、硼化物、水素
化物等の粉末を混合焼結して、Nd系希土類磁石を製造す
る方法 [特開昭60-230959、特開昭61-263201、特開昭62-1
81402、特開昭62-182249、特開昭62-206802、特開昭62-270
746、特開昭63-6808、特開昭63-104406、特開昭63-114939、
特開昭63-272006、特開平1-111843、 特開平1-146308各号
公報参照] である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による2合金
法ではNd系磁石合金の真に優れた磁気特性を実現させる
のに適切でなかったり不充分だったりする点が多く存在
する。即ち、前述した第1の方法では磁石合金のエネル
ギ−積は高いが保磁力は約9kOe 程度で、温度上昇によ
って保磁力が低下するというNd磁石特有の欠点のため
に、実用的には不充分な磁石特性である。最も大きな問
題点は、磁場配向性である。第1の方法でも組成を適当
に選ぶことによって、室温で磁性を示す合金を得ること
ができるが、液体急冷法によって得られる合金は非晶質
アモルファス相あるいは微細結晶となるため、微粉にし
て磁場中で配向させても特定の結晶方位を磁場方向に配
向させることができない。従って、混合した原料合金粉
体を磁場中成形しても得られる成形体の配向性は悪く、
焼結後充分な磁石特性が得られないことになる。
【0007】第2の方法においては、磁石合金中のR2
Fe14B化合物と共存する相はNdリッチ相あるいはNd1+XF
e44相であり、この両相とも室温では磁性を示さな
い。従って、磁性を持たない化合物の混在が配向性を乱
すことになって、磁気特性の優れた磁石は得られない。
また、混合する粉体として各種元素や種々の化合物を用
いる第3の方法においてもこれらの化合物は磁性をもた
ないために、磁場中配向時に反磁場が大きくなって有効
磁場強度が減少し、そのため磁場方向への磁性粒子の回
転が不充分となって配向が乱れる。
【0008】第3の方法において、混合する粉体に低融
点の元素あるいは合金を利用して磁気特性を向上させよ
うとする提案があるが、これは焼結中に混合した低融点
相が、R2Fe14B化合物の粒界に存在する格子欠陥や酸
化物相などのニュークリエーションサイトを除去し、粒
界をクリーニングして保磁力を向上させるという考え方
によるものである。しかし、低融点相の存在は次に述べ
るような理由から、実際には磁気特性の向上に対して逆
に不利な条件となっている。低融点相が例えば660 ℃付
近から融液となっていると、実際の焼結温度1,100 ℃で
は低融点相の粘度はかなり小さくなってしまう。その結
果、成形体は液相焼結によって収縮しながら同時に粒の
周囲を囲む融液の粘度が小さいために磁性粒子の回転が
容易に起り、配向が乱れて磁気特性が劣化する。つま
り、Nd磁石の液相焼結における望ましい液相成分は、適
当な粘度を保って粒子の配向を乱さず、かつまた成形体
を緻密化し、粒界を十分にクリーニングアップできるこ
とが必要なのである。従来の2合金法においては、液相
成分が関与する磁場配向性と保磁力向上の両方の役割を
充分に考慮し、これらが最適な条件となるよう液相合金
成分の磁性と融点を適切に調整してはいなかった。本発
明は2合金法における前述したような欠点を改良し、バ
ランスのとれた磁気特性に優れた希土類永久磁石の製造
方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するために2合金法を基本的に見直し、磁性体
構成相の種類、特性等を適切に選択し組合せることによ
り充分満足できるバランスのとれた磁気特性が得られる
ことを見出し、製造条件を詳細に検討して本発明を完成
させた。本発明の要旨は、A合金を主としてR2 14
相(ここにRは、Nd、 Pr、 Dyを主体とする少なくとも
1種以上の希土類元素、TはFe及びCoを表す)から成る
合金とし、B合金をR,Co,Fe,B,Gaを含有し、かつ
合金中の構成相としてR2 1 14B相および/またはR
リッチ相(ここにRは上記に同じ、T1 はFe、 Coを主
体とする遷移金属元素を表す)並びにRT2 4 L相、R
2 3 相、RT2 2 相、R2 2 7 相およびRT2 5
(ここにRは上記に同じ、T2 はFe、 Coを主体とする
遷移金属元素、または該遷移金属元素に加えてGaおよび
Bの内1種または2種を含有するものを表し、LはBま
たはBおよびGaを表す)の5相の内1種または2種以上
の相との混合相から成る合金とし、A合金粉末99〜70重
量%に対してB合金粉末を1〜30重量%混合し、該混合
合金粉末を磁場中加圧成形し、該成形体を真空または不
活性ガス雰囲気中で焼結し、さらに焼結温度以下の低温
で時効熱処理してCoを含有する磁石合金とすることを特
徴とする希土類永久磁石の製造方法であり、更に詳しく
は、B合金に含まれるRT2 4 L相、RT2 3 相、RT
2 2 相、R2 2 7 相およびRT2 5 相の5つの構成相
の内少なくとも1種以上の相の融点が700℃以上1,155℃
以下の金属間化合物であり、少なくとも1種以上の相が
室温以上のキューリー温度を有する磁性体であり、少な
くとも1種以上の相が室温以上のキューリー温度ならび
に結晶磁気異方性を有する磁性体であることを特徴とす
る希土類磁石の製造方法である。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。本発明は所
謂2合金法と称する希土類永久磁石(以下、磁石合金C
という)の製造方法であり、原料となるA合金は主とし
てR2 T14B化合物相からなり、RはYを含む La,Ce,P
r,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuから選択
されるNd、Pr、Dyを主体とする少なくとも1種類以上の希
土類元素である。またTはFeおよびCoを表し、Coの含有
量は重量%で0.1 〜40%である。Coの添加によりA合金
のキューリー温度が上昇し、また合金の耐食性も改善さ
れる。A合金は原料金属を真空または不活性ガス、好ま
しくはAr雰囲気中で溶解し鋳造する。原料金属は純希土
類元素あるいは希土類合金、純鉄、フェロボロン、さら
にはこれらの合金等を使用するが、一般的な工業生産に
おいて不可避な微量不純物は含まれるものとする。得ら
れたインゴットは、R2 Fe14B相がαFeとRリッチ相と
の包晶反応によって形成されるため、鋳造後も凝固偏析
によってαFe相、Rリッチ相、Bリッチ相、 Nd3Co相等
が残留する場合がある。本発明においてはA合金中のR
2Fe14B相が多いほうが望ましいので、必要に応じて溶
体化処理を行う。その条件は真空またはAr雰囲気下、70
0 〜1,200 ℃の温度領域で1時間以上熱処理すれば良
い。
【0011】B合金は主としてR、Co、Fe、 BおよびGaか
ら成る合金で、組成式RaFebCocdGae(ここにRは、
Yを含む La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb
およびLuから選択されるNd、Pr、Dyを主体とする少なくと
も1種以上の希土類元素、15≦a ≦40、 0≦b ≦80、 5
≦c ≦85、 0≦d ≦20、0.1≦e ≦20、a+b+c+d+e=100 (各
原子%) )で表わされ、A合金と同様に原料金属を真空
または不活性ガス、好ましくはAr雰囲気中で溶解し鋳造
する。原料金属としては純希土類元素あるいは希土類合
金、純鉄、純コバルト、純ガリウム、フェロボロン、さ
らにはこれらの合金等を使用するが、一般的な工業生産
において不可避な微量不純物は含まれるものとする。希
土類元素Rの量a が15原子%未満ではRが少な過ぎるた
めに焼結工程において十分な量の液相が得られず、焼結
体の密度が上がらなくなり、40原子%を越えると合金の
融点が低くなり過ぎて磁気特性の向上効果がなくなる。
Coの量c が5原子%未満ではRT2 4L相、RT2 3相、R
2 2相、R22 7相およびRT2 5相等の各相が出現しな
くなり、磁気特性の向上効果が得られない。Gaの量
20原子%を越えると合金の飽和磁束密度が小さくなり高
い磁気特性が得られない。また、液体急冷法によって得
られた薄帯を熱処理してもB合金を作製することができ
る。即ち、液体急冷法において、急冷後のB合金はアモ
ルファス相或は微細結晶相となっており、これを結晶化
温度以上の温度で一定時間以上加熱することにより、結
晶化或は再結晶成長させて、本発明の所定の構成相を析
出させることが出来る。
【0012】この組成範囲においてB合金中に主に出現
する相は、R2 1 14B相(主としてR2 Fe14B相)、
Rリッチ相(ここにRは上記に同じ、T1 はFe、 Coを
主体とする遷移金属元素を表す)並びにRT2 4
相、RT2 3 相、RT2 2 相、R2 2 7 相およびRT
2 5 相(ここにRは上記に同じ、T2 はFe、 Coを主体
とする遷移金属元素、または該遷移金属元素に加えてGa
とBの内1種または2種を含有するものを表し、LはB
またはBとGaを表す)等であり、本発明では前2相およ
び後5相の内少なくとも1種または2種以上の相を含む
B合金を使用することに特徴がある。なおRリッチ相と
表記した相は、R成分が35原子%以上となるRに富んだ
各種の相全てを表すものとする。これら7種類の相のう
ち、R2 Fe14B相、Rリッチ相の2相は、従来公知の2
合金法や、通常の希土類鉄ボロン系磁石合金の製造法に
よっても出現していた相である。残りのRT2 4 L相、
RT2 3 相、RT2 2 相、R2 2 7 相、RT2 5 相の
5種類の相は、B合金に5原子%以上のCoを添加する
ことにより出現し、本発明の2合金法において特有のも
のである。これら5相はCoを5原子%以上添加するこ
とによって初めてB合金中に平衡相として出現したもの
である。図1は本発明のB合金の鋳造組織写真を走査電
子顕微鏡により撮影し、組成をEPMA(電子プローブX線
マイクロアナライザー)およびX線回析により求めた1
例で1.RT2 4 L相、2.RT2 3 相、3.RT2 2
相、4.Rリッチ相の存在が明確に表されている。本発
明による2合金法は、B合金中にこれら5相のうち、少
なくとも1種以上含むことを特徴とし、これらの相の存
在によって2合金法で作製された磁石合金に高い磁気特
性を実現することができた。
【0013】本発明では以上述べたA合金、B合金を特
定割合に混合し、所謂2合金法によって磁石合金Cを作
製し、高い磁気特性を発現させることができた。以下、
B合金におけるこれら混合相の存在が磁石合金の高い磁
気特性をもたらした理由について述べる。まず第1の理
由として、これら混合相が室温以上のキューリー温度を
持つことが挙げられ、これは添加元素Coによって達成さ
れた。さらに、これらの相は特定の結晶方向に結晶磁気
異方性を持つ。従って、主な構成相としてこれらの相の
1種以上を含有するB合金粉末を主にR2Fe14B相から
成るA合金粉末に混合して磁場中配向させると、B合金
も強磁性体で磁気異方性を持つため、加えた磁場方向に
ほぼ全ての粒子が結晶方向を揃えて配向し、高い磁気特
性が得られることになる。
【0014】第2の理由は、これらの相の融点がNd系希
土類磁石の液相焼結にとって適当な温度範囲、即ち700
℃以上1,155 ℃以下の範囲となることである。この温度
範囲はNdリッチ相の融点(500 〜 650℃)よりは高く、
しかもR2Fe14B相の融点(1,155 ℃)以下の温度であ
る。従って、通常の焼結温度においてNdリッチ相のみが
存在していて融液の粘度が下がり過ぎてしまい、その結
果粒子の配向を乱してしまうようなことがなく、かつま
た液相となって粒界をクリーニングしながら密度を上
げ、焼結後高い磁石特性を実現することになる。Co添加
によるもう1つの効果として、耐食性の向上が挙げられ
る。B合金はA合金より希土類元素を多く含有するため
酸化劣化しやすくなるが、Coを添加することにより酸化
劣化を防止することができ、安定した磁気特性が得られ
る。またA合金にCoを添加することも合金の耐食性を向
上させ酸化劣化が少なくなって、安定した磁気特性が得
られる。B合金に添加されるDyとGaは、両者共焼結後も
粒界近傍に多く存在し、磁石合金Cの保磁力を向上させ
る効果がある。
【0015】次に2合金法による磁石合金Cの製造方法
を述べる。上記のようにして得られたA合金およびB合
金は、各インゴットを別々に粉砕した後、所定割合に混
合される。粉砕は、湿式又は乾式粉砕にて行われる。希
土類合金は非常に活性であり、粉砕中の酸化を防ぐこと
を目的に、乾式粉砕の場合はAr又は窒素などの雰囲気中
で、湿式粉砕の場合はフロンなどの非反応性の有機溶媒
中で行われる。混合工程も必要に応じて不活性雰囲気又
は溶媒中で行われる。粉砕は一般に粗粉砕、微粉砕と段
階的に行われるが、混合はどの段階で行われても良い。
即ち粗粉砕後に所定量混合し引続いて微粉砕を行っても
よいし、全ての粉砕を完了した後に所定の割合に混合し
てもよい。A、B両合金がほぼ同じ平均粒径で均一に混
合されることが必要で、平均粒径は0.5 〜20μmの範囲
が良く、0.5 μm未満では酸化され劣化し易く、20μm
を越えると焼結性が悪くなる。
【0016】A合金粉末とB合金粉末の混合割合は、A
合金粉末99〜70重量%に対してB合金粉末を1〜30重量
%の範囲で混合するのが良く、B合金粉末が1重量%未
満では焼結密度が上がらなくなり保磁力が得られない
し、30重量%を越えると焼結後の非磁性相の割合が大き
くなり過ぎて、残留磁束密度が小さくなってしまう。得
られたA合金とB合金の混合微粉は、次に磁場中成型プ
レスによって所望の寸法に成型され、さらに焼結熱処理
する。焼結は900 〜1,200 ℃の温度範囲で真空又はアル
ゴン雰囲気中にて30分以上行ない、続いて焼結温度以下
の低温で30分以上時効熱処理する。焼結後、磁石合金C
の成形体の密度は対真密度比で95%以上に緻密化してお
り高い残留磁束密度が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施態様を実施例を
挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 (実施例1、比較例1)純度99.9重量%のNd、 Feメタル
とフェロボロンを用いて組成式12.5Nd-6B-1.5Co-80Fe
(各原子%)の合金を、高周波溶解炉のAr雰囲気中にて
溶解鋳造した後、このインゴットを1,070 ℃、Ar雰囲気
中にて20時間溶体化した。これをA1合金とする。次に
同じく純度99.9重量%のNd、Dy、Fe、Ga、Coメタルとフェロ
ボロンを用いて組成式20Nd-10Dy-20Fe-6B-4Ga-40Coの合
金を高周波溶解炉を用いAr雰囲気にて溶解鋳造し、これ
をB1合金とした。A1合金インゴットとB1合金イン
ゴットをそれぞれ別々に窒素雰囲気中にて粗粉砕して30
メッシュ以下とし、次にA1合金粗粉90重量%にB1合
金粗粉を10重量%秤量して、窒素置換したVブレンダー
中で30分間混合した。この混合粗粉を高圧窒素ガスを用
いたジェットミルにて、平均粒径約5μmに微粉砕し
た。得られた混合微粉末を15kOe の磁場中で配向させな
がら、約1Ton/cm2の圧力でプレス成型した。次いで、
この成形体はAr雰囲気の焼結炉内で1,070 ℃で1時間焼
結され、さらに530 ℃で1時間時効熱処理して急冷し、
磁石合金C1を作製した。
【0018】比較のため実施例1と同じ組成となる合金
を従来の1合金法にて製造し、比較例1とした。即ち、
A1、B1両合金混合後と同じ組成(磁石合金C1)を
最初から秤量し、溶解、粉砕、焼結、時効熱処理して2
合金法による磁石(実施例1の磁石組成C1)と磁気特
性を比較した。この磁石合金C1の組成は、2合金法に
よる実施例1、1合金法による比較例1共に、13.1Nd-
0.8Dy-4.5Co-6.0B-0.3Ga-75.3Fe である。表1に実施例
1と比較例1の両焼結体磁石において得られた磁気特性
の値と焼結体密度を示す。実施例1の磁気特性は比較例
1に比較して、焼結体密度は殆ど同じであるが、残留磁
束密度、保磁力、最大エネルギ−積等、全ての値におい
て実施例1が大きく勝っている。このように磁石合金C
の組成が全く同一でも磁気特性にはかなりの差が生じて
おり、2合金法がNd磁石の磁気特性向上のために極めて
有効な方法であることを示している。B1合金の鋳造状
態での金属組織を、図1に走査電子顕微鏡の反射電子像
写真によって示した。写真の明暗から判る通りB1合金
中の主な構成相は4つある。各相は、EPMA(電子プロー
ブX線マイクロアナライザー)およびX線解析によっ
て、図中に示したようにRT2 4L相、RT2 3相、RT2 2
相、Rリッチ相であることが判明した。
【0019】(実施例2〜、比較例2〜) 表1に示したように実施例2〜の合金組成に対応し
て、A合金としてA1、A3、A5、A6 A7 A9 の組成合金を作
り、B合金として B2、B4〜B6 B7 B9の組成合金を作製
し、以下実施例1と同様の方法で粉砕、所定の比率に混
合、磁場中成形、焼結(1,050 〜1,120 ℃×1時間)、
時効処理(500 〜600 ℃×1〜10時間)を行い2合金法
磁石合金C2〜Cを製造し、その磁気特性を測定して
表1、2に併記した。比較のため実施例2〜と同じ組
成となる合金を1合金法により作製した以外は実施例2
と同条件により磁石合金C2〜Cを製造し、磁気
特性を測定して比較例2〜とし、表1、表2に併記し
た。
【0020】
【表1】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明により作製した希土類永久磁石
は、高価な添加元素を有効に活用して、従来法の同一組
成の希土類磁石と比べて磁気特性が数段優れており、高
保磁力、高残留磁束密度、さらには高エネルギー積のバ
ランスのとれた高性能磁石を提供することが可能となっ
た。従って今後、各種電気、電子機器用の高性能磁石と
して広汎に利用されることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のB1合金の走査電子顕微鏡写真によ
る鋳造状態での金属組織図である。
【符号の説明】 RT2 4L相 RT■23相 RT2 2相 Rリッチ相
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−288305(JP,A) 特開 平1−111843(JP,A) 特開 昭63−313807(JP,A) 特開 平3−250607(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A合金を主としてR214B相(ここに
    Rは、Nd、Pr、Dyを主体とする少なくとも1種以上の希
    土類元素、TはFe及びCoを表す)から成る合金とし、B
    合金をR,Co,Fe,B,Gaを含有し、かつ合金中の構成
    相としてR21 14B相および/またはRリッチ相(ここ
    にRは上記に同じ、T1はFe、Coを主体とする遷移金属
    元素を表す)並びにRT2 4L相、RT2 3相、RT2 2相、
    22 7相およびRT2 5相(ここにRは上記に同じ、T2
    はFe、Coを主体とする遷移金属元素、または該遷移金属
    元素に加えてGaおよびBの内1種または2種を含有する
    ものを表し、LはBまたはBおよびGaを表す)の5相の
    内1種または2種以上の相との混合相から成る合金と
    し、A合金粉末99〜70重量%に対してB合金粉末を1〜
    30重量%混合し、該混合合金粉末を磁場中加圧成形し、
    該成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結し、さ
    らに焼結温度以下の低温で時効熱処理してCoを含有する
    磁石合金とすることを特徴とする希土類永久磁石の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のB合金に含まれるRT
    2 4L相、RT2 3相、RT2 2相、R2T2 7相およびRT2 5
    相の5つの構成相の内少なくとも1種以上の相の融点が
    700℃以上1,155℃以下の金属間化合物であることを特徴
    とする希土類永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のB合金に含ま
    れる5つの構成相の内、少なくとも1種以上の相が室温
    以上のキューリー温度を有する磁性体であることを特徴
    とする希土類磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3に記載のB合
    金に含まれる5つの構成相の内、少なくとも1種以上の
    相が室温以上のキューリー温度ならびに結晶磁気異方性
    を有する磁性体であることを特徴とする希土類磁石の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のA合金、B合金および
    AB混合合金粉末の平均粒径が、0.5〜20μmの範囲内
    であることを特徴とする希土類磁石の製造方法。
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