JPH0320048B2 - - Google Patents

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JPH0320048B2
JPH0320048B2 JP58092238A JP9223883A JPH0320048B2 JP H0320048 B2 JPH0320048 B2 JP H0320048B2 JP 58092238 A JP58092238 A JP 58092238A JP 9223883 A JP9223883 A JP 9223883A JP H0320048 B2 JPH0320048 B2 JP H0320048B2
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permanent magnet
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temperature
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JP58092238A
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Hitoshi Yamamoto
Masato Sagawa
Setsuo Fujimura
Yutaka Matsura
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Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Priority to EP83109508A priority patent/EP0126802B2/en
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/06Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder
    • H01F1/08Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder pressed, sintered, or bound together
    • H01F1/086Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder pressed, sintered, or bound together sintered

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な希土類磁石材料の製造方法に係
り、FeBRを基礎として添加元素Mを含み特に
Smなどの希少希土類金属を必ずしも必要とせず
資源的に豊富でかつ用途が少ないNdやPrを中心
とする軽希土類とFeを主成分とする高性能な永
久磁石材料の製造方法に関する。 永久磁石材料は一般家庭の各種電気製品から大
型コンピユーターの周辺端末機器まで幅広い分野
で使用されている極めて重要な電気・電子材料の
一つである。近年電気機器の小型化、高効率化の
要求にともない、永久磁石材料はますます高性能
化が求められている。また実用的にはモーター用
発電機用磁気カツプリング用など極めて大きい逆
磁界のかかる用途も多く高保磁力を有する磁石材
料も求められている。 現在使用されている永久磁石材料のうち代表的
なものはアルニコ、ハードフエライト、および希
土類コバルト磁石材料である。最近の高い磁石特
性を満たす永久磁石材料としては希土類コバルト
磁石材料である。しかし希土類コバルト磁石材料
は資源的に希少なSmを必要とし供給が不安定な
Coを多量に使用するため非常に高価である。 希土類磁石材料がもつと広い分野でかつ多量に
使用されるようになるためには高価なコバルトを
多量に含まず希土類金属として鉱石中に多量に含
まれている軽希土類を主成分とすることが必要で
ある。そのような永久磁石材料への一つの試みと
してRFe2系化合物(但しRは希土類金属の少な
くとも1個)が提案された。クラーク(A.E.
Clark)はスパツタリングにより得られた非晶質
TbFe2は4.2〓で29.5MGOeのエネルギー積をも
ち、これを300〜500℃で熱処理すると室温で保磁
力は3.4KOe、最大エネルギー積は7MGOeを示す
ことを見い出した。同様な研究はSmFe2につい
ても行われ77〓で9.2MGOeを示すことが報告さ
れている。 しかしこれらのものはどれもスパツタリングに
より作成された薄膜であり一般のスピーカーやモ
ーターに使用できる磁石材料ではない。また
PrFe系合金の超急冷により作製したリボンが
2.8KOeの高保磁力を示すことが報告されている。
さらにクーン等は(Fe.B)0.9Tb0.05La0.05の超急冷
により得られた非晶質リボンを627℃で焼鈍する
と保磁力が9KOeにも達することを見い出した
(Brは5KG)。しかしこの場合磁化曲線の角形性
が悪いため最大エネルギー積は低い(N.C.Koon
他Appl.Phys.Lett.39(10)1981、840〜842頁)。 またカバコフ(L.Kabacoff)等は(Fe、B)1-
PrX(x=0〜0.3原子比)の組成の超急冷で作成
したリボンはFePr2成分系で室温でKOeレベルの
保磁力をもつものがあると報告している。これら
の超急冷でのリボン又はスパツタリングによる薄
膜はそれ自体として使用可能な実用永久磁石材料
ではなく、これらのリボンや薄膜から実用永久磁
石材料を得ることは出来ない。即ち従来提案され
ているFeBR系のリボン又はRFe系の薄膜からは
任意の形状・寸法を有するバルク永久磁石材料を
得ることは出来ない。又これまでに報告された
FeBr系のリボンの磁化曲線は角形性が悪く従来
慣用されている磁石材料に対抗できる実用永久磁
石材料とはみなされない。更に超急冷でのリボ
ン、スパツタリングによる薄膜はいずれも本質上
等方性であり、これから磁気異方性の実用永久磁
石材料を得ることは事実上不可能であつた。 本発明の目的は従来の欠点を除去したSm等の
希小な希土類を必ずしも用いる必要がなくまた
Co等資源的に問題のある成分を多く含まれない
新規な永久磁石材料を得ることを基本目的とす
る。さらに、本発明は、室温で良好な磁石特性を
有し任意の形状・実用寸法に成形でき、磁化曲線
の角形性が高いものであり、資源的に豊富な軽希
土類元素を有効に使用可能な永久磁石材料を簡便
に得るための製造方法を提供せんとするものであ
る。 本発明者等は先にSm、Coを必ずしも用いる必
要のないFeBR系永久磁石材料を発明した(特願
昭57−145072)。このFeBR系永久磁石材料は、
従来知られているRCo5やR2Co17化合物とは異な
る新しい化合物を基礎とし、特にボロン(B)は、従
来の、たとえば非晶質合金作成時の非晶質促進元
素又は粉末冶金法における焼結促進元素として添
加されるものではなく、このFeBR系永久磁石材
料の実体的内容を構成する磁気的に安定で高い磁
気異方性定数を有するR−Fe−B化合物の必須
構成元素であることを明らかにした(なお、上記
FeBR系永久磁石材料に基づき、適当なミクロ組
織を形成することによつて磁気異方性焼結永久磁
石が得られることも明らかにした)。更に、こう
したFeBR系永久磁石材料が、所定の組成を有す
る平均粒度0.3〜80μmの合金粉末(組成物)を成
形し、非酸化性雰囲気において900〜1200℃で焼
結することによつて製造できることも発明し、別
途出願した(特願昭58−88372)。 本発明者らは前記目的を達成するために更にこ
うしたFeBR三元化合物に基づく結晶質の永久磁
石材料の製造方法について鋭意研究したところ
FeBR系を基礎としFeの一部をCoで置換し、添
加元素M(V、Nb、Ta、Mo、W、Cr、Al)を
含むFeCoBRM系の一定の組成範囲の合金粉末を
成形し、焼結し、更に熱処理することにより磁石
特性、特に保磁力を角形性が著しく優れた永久磁
石材料が得られることを見い出し本願発明に至つ
たものである。 即ち、本発明によれば、原子百分率で8〜30%
のR(但しRはYを包含する希土類元素の少なく
とも1種)、2〜28%のB、所定%以下の添加元
素Mの1種又は2種以上(但しM0%を除き、M
は V9.5%以下、 Nb12.5%以下、 Ta10.5%以下、 Mo9.5%以下、 W9.5%以下、 Cr8.5%以下、 及びAl9.5%以下であり、 2種以上のMを含む場合M合量は含有するMの
当該各元素のうち最大値を有するものの所定%以
下)、及び残部実質上FeからなるFeBRM系組成
のうちFeの一部を全組成に対して50%以下のCo
(0%を除く)で置換してなるFeCoBRM系組成
を有し、900〜1200℃で焼結してなる焼結体を350
℃以上当該焼結温度以下の温度で熱処理すること
を特徴とするFeCoBRM系永久磁石材料の製造方
法によつて、上記目的を達成できる。熱処理によ
つて、同一組成の焼結体に対し他の磁気特性を劣
化させることなく保磁力の顕著な増大が得られ
る。この点は、例えば希土類元素Rの増加による
保磁力の増大の場合残留磁化の減少をもたらすこ
と(特願昭57−145072号参照)に対比するとその
意義は極めて大きい。所定量のMの存在はこの熱
処理による保磁力増大の効果をさらに高めると共
に、Coの存在により実用上十分高いキユリー点
を実現している。又、このFeCoBRM系組成にさ
らに所定%以下の元素X(Cu3.5%以下、S2.0%以
下、C4.0%以下及びP3.5%以下)の一種又は二種
以上を含有してなるFeCoBRM系組成についても
同様な焼結後の熱処理の効果が達成できる。この
場合、かかる焼結体を前記先願におけるように所
定の組成を有する平均粒度0.3〜80μmの合金粉末
組成物を成形、特に非酸化性雰囲気で焼結するこ
とによつて得ることが好ましい。こうして得られ
る永久磁石材料は、磁気異方性永久磁石材料とし
て特に優れた磁気特性を示す。 本発明製法は、従来法によるFeBR系アモルフ
アスリボンと異なり磁気異法性の永久磁石材料が
得られる点で特徴的であるが、等方性材料も製法
でき従来の等方性永久磁石材料に比して優れたも
のが得られる。以下、まず主として磁気異方性永
久磁石材料を製造する場合を基本として説明す
る。 本発明の永久磁石材料の製法において、FeBR
系磁石用合金粉末組成物においてFeをCoにより
一部置換することにより磁石材料の温度特性を改
善するものであるが更には希土類元素Rとして資
源的に豊富なNdやPrなどの軽希土類を用いて高
い磁気特性を発現させるものである。 一般にFe合金へCoの添加は添加量の増大によ
りキユリー点Tcが上昇するものと下降するもの
があり、一般的に添加効果を予測することは困難
である。本発明においてFeのCoによる置換の結
果Coの置換量の増大に伴いTcは徐々に増大する
ことが明らかとなつた。又磁石材料組成のRの種
類によらず同様な傾向が確認される。Coの置換
量はわずかでもTc増大に有効であり、Coの置換
量により約310〜約750℃の任意のTcをもつ合金
が得られるがCo量は50%(以下%は合金中の原
子百分率を示す)以下で十分効果が得られる。 Bは保磁力が1kOe以上を満たすために2%以
上とし、ハードフエライトの残留磁束密度Br約
4kG以上とするためには28%以下である。希土類
元素Rは保磁力1kOe以上とするため8%以上必
要であり、また燃え易く工業的取扱・製造上の困
難のため、また高価であることから30%以下とす
る。Bとしては純ボロン又はハフエロボロンを用
いることが出来、不純物としてAl、Si、Cなど
を含むものを用いることが出来る。 Rとしては資源的に豊富な軽希土類を用いるこ
とができ必ずしもSmを必要とせず或いはSmを主
体とする必要もないので原料が安価でありきわめ
て有用である。本発明によつて得られる永久磁石
材料は従来のRCo磁石材料に比べ資源的、価格的
いずれの点においても有利であり磁気特性の上か
らも一層優れたものが得られる。本発明で用いる
希土類元素RはYを含有し軽希土類及び重希土類
を包含する希土類元素であり、そのうち一種以上
を用いる。即ちこのRとしてNd、Pr、La、Ce、
Tb、Dy、Ho、Er、Eu、Sm、Gd、Pm、Tm、
Yb、Lu及びYが包含される。Rとしては軽希土
類をもつて足り、特にNd、Prが好ましい。また
通例Rとして1種をもつて足りるが実用上は2種
以上の混合物(ミツシユメタル、ジジム等)を入
手上の便宜等の理由により用いることができ、
La、Ce、Pm、Sm、Eu、Gd、Er、Tm、Yb、
Lu、Yは他のR(Nd、Pr、Dy、Ho、Tb)、特に
Nd、Prとの混合物として用いることができる。
なおRとしては純希土類元素でなくともよく工業
上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物(他の
希土類元素、Ca、Mg、Fe、Ti、C、O等)を
含有するもので用いることが出来る。 本発明によつて製造される永久磁石材料におい
て添加元素Mは保磁力を増大させる効果をもつて
いる。保磁力の増大は磁石の安定性を増し、その
用途が拡大される。しかしMはその増大につれて
Brが低下していき、そのため最大エネルギー積
(BH)maxが減少する。(BH)maxは少し低く
なつても高い保磁力Hcが必要とされる用途は最
近ことに多くなつてきたためMを含む合金は大変
有用であるが(BH)maxは4MGOe以上の範囲
で有用である。 添加元素Mの夫々の添加によるBrへの及ぼす
効果を明らかにするためその添加量を変化させて
Brの変化を測定しハードフエライトのBr約4KG
と同等以上をその範囲とする。またハードフエラ
イトの(BH)max約4MGOeと同等以上の範囲
を考慮しMの添加量の上限はV9.5%、Mb12.5%、
Ta10.5%、Mo9.5%、W9.5%、Cr8.5%、Al9.5%
である。Mは0%を含まずまた1種もしくは2種
以上を添加することが出来る。2種以上含有する
場合には各添加元素の特性の中間の値を一般に示
し夫々の含有量は上記%の範囲内でかつその合量
が各元素に対する上記%の最大値以下とする。 前記FeCoBRM系組成の範囲内の場合、最大エ
ネルギー積(BH)maxはハードアエライト磁石
(〜4MGOe)と同等あるいはそれ以上とする。
また軽希土類元素特にNd、Prは全R中の50%以
上含有し、かつ11〜24%のR、3〜27%のB、
Co50%以下(但しCo0%除く)、添加元素Mは
V8.0%以下、Nb10.5%以下、Ta9.5%以下、
Mo7.5%以下、W7.5%以下、Cr6.5%以下、及び
Al7.5%以下であり、Mの合量は含有するMの当
該各元素のうち最大値を有するものの原子百分率
以下、残部は実質的にFeの組成範囲の場合、
(BH)maxは7MGOe以上と好ましい範囲とな
る。さらに最も好ましい範囲は軽希土類元素特に
Nd、Prを全R中の50%以上含有し、かつ12〜20
%のR、4〜24%のB、Co50%以下(但しCo0%
を除く)、添加元素MはV6.5%以下、Nb8.5%以
下、Ta8.5%以下、Mo5.5%以下、W5.5%以下、
Cr4.5%以下、及びAl5.5%以下であり、Mの合量
は含有するMの当該各元素のうち最大値を有する
ものの原子百分率以下、残部は実質的にFeの組
成範囲の場合、(BH)maxは10MGOe以上十分
可能であり、最高の最大エネルギー積は
33MGOe以上に達する。また本発明のFe−Co−
B−R−M合金はCo5%%以上で残留磁束密度
(Br)の温度係数(α)はα≦0.1%/℃となり、
温度特性が良好となり、Coを含有しないFe−B
−R合金に比較して良好な温度特性を有するのみ
ならず、Co添加により減磁曲線の角形性が改善
されるため、最大エネルギー積の向上がはかれ
る。Co25%以下において、他の磁気特性(特に
エネルギー積)は実質上悪影響を受けない。Co
が25%をこえると、(BH)maxは減少する。ま
た、CoはFeに比べて耐食性を有するので、Fe−
B−R合金にCoを添加することにより耐食性を
付与することが可能である。 本発明によつて製造されるFeCoBRM系焼結体
から成る永久磁石材料は、Fe、Co、B、R、M
の外Cu、C、S、Pを少量含有することも可能
であり(Cu3.5%以下、S2.0%以下、C4.0%以下、
P3.5%以下、但しその合量は当該各元素の最大値
以下)、製造性改善、低価格化が可能となる。更
に、Ca、Mg、O、Siの含有をも許容し、特に
Ca、Mg各4.0%以下、Si5%以下(その合量は5
%以下)が実用上好ましい。こうした元素の含有
によつても、なおハードフエライトと同程度の
Br(4kG程度)以上であり、有用である。Cu、P
は安価な原料から、Cは有機成形助剤から、Sは
製造工程から混入することがある。なお、合金粉
末の状態においては、処理工程、空気からの吸着
成分(水分、酸素等)が含まれ易いが、これらは
焼結時に除去することができる。但し、必要に応
じ工程、保存に注意する。その他、工業的製造上
不可避な不純物の存在を許容できる点で本発明は
実用的である。 以下本発明の製造方法を磁気異方性永久磁石材
料を製造する場合について更に説明する。 まず出発原料となる前記FeCoBRM系組成の合
金粉末を得る。これは通常の合金溶解・鋳造で得
た合金鋳塊を粉砕して分級、配合等により供して
もよく、あるいはCa等の還元剤を用いて酸化物
から還元法によつて得てもよいが、FeCoBRM合
金粉末の平均粒度0.3〜80μmのものを用いること
が好ましい。平均粒度80μmをこえるとすぐれた
磁石特性が得られない。平均粒度0.3μmより下で
は、微粉砕中ないしその後の製造工程において、
粉末の酸化が著しくなり、焼結後の密度が上がら
ず得られる磁石特性も低い。平均粒度40〜80μm
の範囲では磁石特性のうち保磁力がやや低い。優
れた磁石特性を得るためには合金粉末の平均粒度
として、1.0〜2.0μmが最も望ましい。 粉砕は通常の方法でよく、不活性なガス雰囲気
で行なう乾式粉砕又は有機溶媒中で行なう湿式粉
砕のいずれでもよい。湿式で行う場合、アルコー
ル系溶媒、ヘキサン、トリクロルエタン、トリク
ロルエチレン、キシレン、トルエン、フツ素系溶
媒、パラフイン系溶媒などを用いることができ
る。 次に合金粉末を成形する。成形は通例の粉末冶
金法と同様に行うことができ、加圧成形が好まし
く、異方性とするためには、磁界中でプレスす
る。例えば、合金粉末を5kOe以上の磁界中で0.5
〜3.0Ton/cm2の圧力で加圧することにより成形
体と成す。この磁界中加圧成形は粉末をそのまま
成形する方法、アセトン、トルエン等有機溶媒中
成形する方法いずれも可能である。 次に、この成形体を還元性ないし非酸化性雰囲
気中で所定温度(900〜1200℃)にて焼結する。
例えば、この成形体を10-2Torr以下の真空中な
いし、1〜760Torr、純度99.9%以上の不活性ガ
スないし還元性ガス雰囲気中で900〜1200℃の温
度範囲で0.5〜4時間焼結する。焼結温度900℃よ
り下では十分な焼結密度が得られず、高い残留磁
束密度も得られない。また1200℃より上では焼結
体が変形し結晶粒の配向がくずれるため残留磁束
密度の低下と減磁曲線の角形性が低下する。また
時間は5分以上であればよいが余り長時間になる
と量産性に問題があるので、磁石特性の再現性を
考慮すると0.5〜4時間の焼結時間が望ましい。
なお、焼結工程は、焼結の進行と共に密度が増大
し、十分な密度に達するまでの加熱工程と考えら
れる。 焼結雰囲気は本合金中の成分であるRが高温で
極めて酸化しやすいので、非酸化性雰囲気である
高真空中あるいは不活性ガス、還元性ガス雰囲気
中にて行うが、不活性ガス、還元性ガスの純度は
高い方がよい。不活性ガスを用いる場合は高い焼
結密度を得る方法として1〜760Torr未満の減圧
雰囲気中で行うことも可能である。 焼結時の昇温速度は特に規定しないが、前記湿
式プレス式の場合には有機溶媒の溶媒除去を行う
ため昇温速度40℃/min以下で昇温を行うか或い
は昇温途中で200〜800℃の温度範囲で0.5時間以
上保持して溶媒除去を行うこが望ましい。 焼結後、室温までの冷却速度は20℃/min以上
が製品のバラツキを少なくするために好ましく、
引続く熱処理(時効処理とも言う)により磁石特
性を高めるためには冷却速度として100℃/min
以上が望ましい(但し、焼結に続いて直ちに熱処
理工程に入ることもできる。)。 時効処理は真空ないし不活性ガスないし還元性
ガス雰囲気中で350℃から焼結温度以下の温度範
囲で、凡そ5分から40時間おこなう。時効処理の
雰囲気としては合金中の主成分のRが高温で酸素
或いは水分と急激に反応するので、真空の場合は
真空度10-3Torr以下、不活性ガス、還元性ガス
雰囲気の場合は雰囲気の純度99.9%以上が望まし
い。 本発明において合金の最適焼結温度は組成によ
り異なり、時効処理は本発明で得られる磁石材料
の各焼結温度以下で行う必要がある。例えば
68Fe10Co8B12Nd2W合金、
58Fe20Co5B16Nd1Al合金では時効処理の上限温
度は各々920℃、1030℃である。一般にFeに富む
あるいはBが少ない、あるいはRが少ない組成ほ
ど上限時効処理温度を高くできる。しかし、時効
処理温度が高すぎると、本発明製法において合金
の結晶粒が過剰成長し、磁石特性とりわけ保磁石
力の低下をもたらすとともに、最適時効処理時間
が極めて短時間となり製造条件の制御が困難とな
り実用的でない。また、350℃より下では時効処
理時間に極めて長時間を要するため実用的でな
く、かつ減磁曲線の角形性が低下し優れた永久磁
石にならない。本発明で得られる永久磁石材料の
結晶粒の過剰成長を起さずに優れた磁石特性を実
用的に得るには時効処理温度として450℃から800
℃が最も望ましい。時効処理は5分から40時間お
こなうが、時効処理時間が5分未満では時効処理
の効果はほとんど現れず、また得られる磁石特性
のバラツキも大きい。一方、時効処理が40時間を
こえると工業的に長時間を要しすぎるため実用的
とはいいがたい。優れた磁石特性を実用的に再現
性良く得るには時効処理時間として30分から8時
間が望ましい。 また本発明製法において磁石合金の時効処理の
手法として2段以上の多段時効処理も有効であ
り、例えば1050℃で焼結した68Fe−10Co−7B−
13Nd−1Mo−1Nb合金では1段目として820℃〜
920℃の温度範囲で30分から6時間の初段時効処
理を行つたのち、2段目以降は400〜750℃の温度
範囲で2時間から30時間の1段以上の時効処理を
行うことにより、残留磁束密度、保磁力、減磁曲
線の角形性のともに高い優れた磁石特性が得られ
る。とりわけ2段目以降の時効処理は保磁力の著
しい向上に効果がある。また時効処理の別手法と
して多段時効処理の代りに時効処理時400℃から
800℃の温度範囲を空冷・水冷等の冷却方法によ
り一定の冷却速度で冷却を行つても、同等の磁石
特性が得られるが、その際の冷却速度は0.2℃/
minから20℃/secであることが必要である。な
おこれら時効処理は焼結後そのまま行つても、焼
結後一旦室温まで冷却後再び昇温して行つても同
等の磁石特性が得られる。 また本発明の製造方法は磁気異方性永久磁石材
料のみならず等方性永久磁石材料の製造にも適用
できる。なお等方性永久磁石材料の製造方法にお
いては合金粉末を磁界中でなく成形するほか他工
程はそのまま利用することが出来る。 等方性の場合には、R10〜25%、B3〜23%、
50%以下のCo、所定%のM、残部Fe及び不可避
の不純物から成る組成において、(BH)
max2MGOe以上が得られる。等方性磁石材料は
元来異方性磁石材料の磁気特性の1/4〜1/6の低い
特性のものであるが本発明によれば、それにもか
かわらず、等方性としては極めて有用な高い特性
が得られる。 等方性の場合も、R量が増加するに従つてiHc
は増加するが、Brは最大値を経た後減少する。
かくて(BH)max2MGOe以上を満足するR量
は10%以上でかつ25%以下である。 またB量が増大するに従いiHcは増大するがBr
は最大値を経た後減少する。かくて(BH)
max2MGOe以上を得るにはB3〜23%の範囲でな
ければならない。 好ましくは軽希土類をR特にNd、Prの主成分
(全R中50原子%以上)とし12〜20%のR、5〜
18%のB、残部Feの組成で(BH)max4MGOe
以上の高い磁気特性を示す。最も好ましい範囲と
してNd、Pr等の軽希土類をRの主成分とし12〜
16%のR、6〜18%のB残部Feの組成では
(BH)maxが7MGOe以上で等方性永久磁石材料
ではかつて無い特性が得られる。 Mとしては、下記の外は異方性の場合と同じ範
囲が好ましい。(V10.5%、W8.8%以下)。いずれ
のM成分も等方性の場合、その添加量の増大と共
にBrは減少傾向を示し、Br3KG以上(等方性ハ
ードフエライトの(BH)max2MGOeのレベル
と同等以上とするため)をこの範囲内で示す。 結合剤、滑剤は、異方性の場合には、成形の際
の配向を妨げるため一般には用いられない場合が
あるが、等方性磁石の場合には、結合剤、滑剤等
を含むことによりプレス効率の改善、成形体の強
度増大等が可能である。 等方性の場合もR、B、M、Fe、Coの他に所
定範囲内でC、P、S、Cuが含有されることも
でき、C4.0%以下、P3.3%以下、S2.5%以下、
Cu3.3%以下(但しこれらの合計は、各成分のう
ち最大値以下)の範囲は製造性改善等の見地から
有用であり、更に、Ca、Mg、O、Siの含有を許
容し、Ca、Mg各4.0%以下、Si5%以下の含有
(それらの合量5%以下)が実用上好ましい。な
お、その他工業的製造上不可避な不純物の存在を
許容できる点も異方性材料におけるものと同様で
ある。 以上詳述の通り本発明の永久磁石材料の製造方
法は新規なFeCoBRM系の高保磁力・高エネルギ
ー積を備える優れた磁石特性を有し、又Rとして
Nd、Pr等の軽希土類元素を用いることにより資
源的・価格的などの点においても優れた永久磁石
材料を簡便に製造でき工業的利用性の高いもので
ある。特に、Feの一部をCoで置換することによ
つてより実用的なキユリー温度を有するものを得
ることができ、又所定元素Mを含有させると共に
所定の時効処理を施すことによつて、結晶質の
FeBR系ないしはFeCoBRM系永久磁石材料につ
いて、より一層の保磁力の向上及び滅磁曲線の角
形性の向上を実現したものである。 以下本発明の態様及び効果について、さらに実
施例に従つて説明する。但し実施例及び記載の態
様は、本発明をこれらに限定するものではない。 表1〜4は、つぎの工程によつて種々の
FeCoBRM系組成から成る永久磁石材料を作製し
た。 (1) 出発原料はFeとして純度99.9%(重量%、以
下原料純度について同じ)の電解鉄、Bとして
フエロボロン合金(19.38%B、5.32%Al、0.74
%Si、0.03%C、残部Fe)、Rとして純度99%
以上(不純物は主として他の希土類金属)を使
用。 Co純度99.9%の電解Coを使用した。Mとし
ては純度99%のTa、98%のW、99.9%のAl、
またVとしては81.2%のVを含むフオロバナジ
ウム、Nbとして67.6%のNbを含むフエロニオ
ブ、Crとして61.9%のCrを含むフエロクロムを
使用した。 (2) 磁石原料を高周波誘導を用いて溶解を行つ
た。その際ルツボとしてはアルミナルツボを用
い水冷銅鋳型中に鋳込みインゴツトを使つた。 (3) 溶解で得られたインゴツトを搗砕し−
35meshにしたのち更にボールミルにより所定
の平均粒度のものが得られるように粉砕を行つ
た。 (4) 粉末を磁界中で所定の圧力で成形した(但し
等方性磁石材料を製造する場合は磁界をかけな
いで成形した。)。 (5) 成形体は900〜1200℃の範囲内の所定の雰囲
気焼結を行い、その後所定の熱処理を行つた。 実施例 1 原子百分率組成61Fe・14Co・7B・16Nd・
2Moなる平均粒度5μmの合金粉末を10KOe磁界
中で1.5Ton/cm2の圧力で加圧成形した後、99.99
%純度の200TorrAr中で1100℃、2時間焼結し、
焼結後は冷却速度700℃/minで室温まで冷却し
た。さらに時効処理を650℃で20分、120分、240
分、3000分行い、本発明製法に係る磁石材料を得
た。磁石特性結果および本合金磁石の残留磁束密
度(Br)の温度係数α(%/℃)を比較例(焼結
後)とともに表1に示す。
【表】 実施例 2 原子百分率組成55Fe・150Co・12B・14Nd・
2Y・2Nd、平均粒度3μmの合金粉末を15bOe磁
界中で1.0Ton/cm2の圧力で加圧成形した後、
99.999%純度の500TorrAr中で1180℃、2時間焼
結し、焼結後は冷却速度450℃/minで室温まで
冷却した。さらに2×10-5Torr真空中にて時効
処理を表2に示す各温度にて3時間行い、本発明
製法による磁石材料を得た。磁石特性結果および
残留磁束密度(Br)の温度係数α(%/℃)を比
較例(焼結後等)とともに表2に示す。
【表】
【表】 実施例 3 平均粒度2〜15μm、表3に示す原子百分率組
成を有するFeCoBRM合金粉末を10kOe磁界中で
1.8Ton/cm2の圧力で加圧成形した後、99.999%純
度の250TorrAr中で1080℃、2時間焼結し、焼
結後は冷却速度700℃/minで室温まで急速冷却
した。さらに600TorrのAr中にて時効処理を700
℃で4時間行い、本発明製法による磁石材料を得
た。磁石特性およびBrの温度係数α(%/℃)の
値をCoを含有しない比較例とともに表3に示す。
【表】 実施例 4 平均粒度1〜10μmを有する下記原子百分率組
成のFeCoBRM合金粉末を無磁界中で1.0Ton/
cm2の圧力で加圧成形した後、99.9%純度の
150TorrAr中で1020℃、1時間焼結し、焼結後
は冷却速度550℃/minで室温まで急速冷却した。
さらに650TorrAr中にて時効処理を600℃で4時
間行い、本発明製法による磁石材料を得た。磁石
特性の結果を時効処理なしの焼結後の試料(比較
例)とともに表4に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子百分率で8〜30%のR(但しRはYを包
    含する希土類元素の少なくとも1種)、2〜28%
    のB、所定%以下の添加元素Mの1種又は2種以
    上(但しM0%を除き、Mは V9.5%以下、 Nb12.5%以下、 Ta10.5%以下、 Mo9.5%以下、 W9.5%以下、 Cr8.5%以下、 及びAl9.5%以下であり、 2種以上のMを含む場合M合量は含有するMの
    当該各元素のうち最大値を有するものの所定%以
    下)、及び残部実質上FeからなるFeBRM系組成
    のうちFeの一部を全組成に対して50%以下のCo
    (0%を除く)で置換してなるFeCoBRM系組成
    を有し、900〜1200℃で焼結してなる焼結体を350
    ℃以上当該焼結温度以下の温度で熱処理すること
    を特徴とする永久磁石材料の製造方法。 2 前記焼結体は、前記FeCoBRM系組成を有
    し、平均粒度0.3〜80μmの合金粉末組成物を成
    形、焼結して得られる特許請求の範囲第1項記載
    の永久磁石材料の製造方法。 3 原子百分率で8〜30%のR(但しRはYを包
    含する希土類元素の少なくとも1種)、2〜28%
    のB、所定%以下の添加元素Mの1種又は2種以
    上(但しM0%を除き、Mは V9.5%以下、 Mb12.5%以下、 Ta10.5%以下、 Mo9.5%以下、 W9.5%以下、 Cr8.5%以下、 及びAl9.5%以下であり、 2種以上のMを含む場合M合量は含有するMの
    当該各元素のうち最大値を有するものの所定%以
    下)、所定%以下の元素Xの一種又は二種以上
    (所定%以下の元素XはCu3.5%以下、S2.0%以
    下、C4.0%以下及びP3.5%以下であり、Xが二種
    以上のときX合量は当該各元素のうち最大所定%
    を有するものの当該所定%以下)、及び残部実質
    上FeからなるFeBRM系組成のうちFeの一部を
    全組成に対して50%以下のCo(0%を除く)で置
    換してなるFeCoBRM系組成を有し、900〜1200
    ℃で焼結してなる焼結体を350℃以上当該焼結温
    度以下の温度で熱処理することを特徴とする永久
    磁石材料の製造方法。
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