JPH045737B2 - - Google Patents

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JPH045737B2
JPH045737B2 JP58161626A JP16162683A JPH045737B2 JP H045737 B2 JPH045737 B2 JP H045737B2 JP 58161626 A JP58161626 A JP 58161626A JP 16162683 A JP16162683 A JP 16162683A JP H045737 B2 JPH045737 B2 JP H045737B2
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JP
Japan
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less
sintering
permanent magnet
magnet material
temperature
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JP58161626A
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JPS6052555A (ja
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Hitoshi Yamamoto
Masato Sagawa
Setsuo Fujimura
Yutaka Matsura
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Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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Priority to US06/532,471 priority patent/US4601875A/en
Priority to CA000436891A priority patent/CA1287509C/en
Priority to DE8383109508T priority patent/DE3378707D1/de
Priority to EP83109508A priority patent/EP0126802B2/en
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Priority to SG594/90A priority patent/SG59490G/en
Priority to HK753/90A priority patent/HK75390A/xx
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はFeBR系をベースとして添加元素M1
を含み高価で資源希少なコバルトを使用しなくて
もよいFeBRM1系永久磁石材料の製造方法に関
する。 永久磁石材料は一般家庭の各種電気製品から大
型コンピユーターの周辺端末機器まで巾広い分野
で使用されている極めて重要な電気・電子材料の
一つである。近年電気機器の小型化、高効率化の
要求にともない、永久磁石材料はますます高性能
化が求められている。また実用的にはモーター
用・発電機用磁気カツプリング用など極めて大き
い逆磁界のかかる用途も多く高保磁力を有する磁
石材料も求められている。 現在使用されている永久磁石のうち代表的なも
のはアルニコ、ハードフエライト、及び希土類コ
バルト磁石である。しかし最近のコバルトの原料
事情の不安定化に伴ないコバルトを20〜30重量%
含むアルニコ磁石の需要は減り、鉄の酸化物を主
成分とする安価なハードフエライトが磁石材料の
主流を占めるようになつた。一方希土類コバルト
磁石はコバルトを50〜65重量%も含むうえ希土類
鉱石中にあまり含まれていないSmを使用するた
め大変高価であるが他の磁石に比べて磁石特性が
格段に高いため、主として小型で付加価値の高い
磁気回路に多く使われている。 希土類磁石がもつと広い分野でかつ多量に使用
されるようになるためには高価なコバルトを含ま
ず、かつ希土類金属として鉱石中に多量に含まれ
ている軽希土類を主成分とすることが必要であ
る。そのような永久磁石材料への一つの試みとし
てRFe2系化合物(但しRは希土類金属の少なく
とも1種)が提案された。クラーク(A.E.
Clark)はスパツタリングにより得られた非晶質
TbFe2は4.2〓で29.5MGOeのエネルギー積をも
ち、これを300〜500℃で熱処理すると室温てせ保
磁力は3.4kOe、最大エネルギー積は7MGOeを示
すことを見い出した。同様な研究はSmFe2につ
いても行われ77〓で9.2MGOeを示すことが報告
されている。しかしこれらのものはどれもスパツ
タリングにより作製された薄膜であり一般のスピ
ーカーやモーターに使用できる磁石ではない。ま
たPrFe系合金の超急冷により作製したリボンが
2.8kOeの高保磁力を示すことが報告されている。
さらにクーン等は(Fe.B)0.9Tb0.05La0.05の超急冷
により得られた非晶質リボンを627℃で焼鈍する
と保磁力が9kOeにも達することを見い出した
(Brは5kG)。しかしこの場合磁化曲線の角形性
が悪いため最大エネルギー積は低い(N.C.Koon
他Appl.Phys.Lett.39(10)1981,840〜842頁)。 またカバコフ(L.Kabacoff)等は(FeB)1-x
Prx(x=0〜0.3原子比)の組成の超急冷で作製
したリボンはFe・Pr2成分系で室温でkOeレベル
の保磁力をもつものがあると報告している。 これらの超急冷でのリボン又はスパツタリング
による薄膜はそれ自体として使用可能な実用永久
磁石(体)ではなく、これらのリボンや薄膜から
実用永久磁石を得ることは出来ない。即ち従来提
案されているFe・B・R系のリボン又はRFe系
の薄膜からは任意の形状・寸法を有するバルク永
久磁石材料を得ることは出来ない。又これまでに
報告されたFeBR系のリボンの磁化曲線は角形性
が悪く従来慣用されている磁石に対抗できる実用
永久磁石材料とはみなされない。更に超急冷での
リボン、スパツタリングによる薄膜はいずれも本
質上等方性であり、これから磁気異方性の実用永
久磁石材料を得ることは事実上不可能である。 従つて本発明の目的は従来法の欠点を除去した
Co等の希少物質、Sm等の希少な希土類を必ずし
も用いる必要のないFeBR系をベースとする新規
な永久磁石材料を得ることを基本目的とし、さら
に、室温で良好な磁石特性を有し任意の形状・実
用寸法に成形でき、磁化曲線の角形性が高く、資
源的に豊富な軽希土類元素を有効に使用可能なも
のを簡便に得る製造方法を提供せんとするもので
ある。 本発明者等は先にSm,Coを必ずしも用いる必
要のないFeBR系永久磁石材料を発明した(特願
昭57−145072)。このFeBR系永久磁石材料は、
従来知られているRCo5やR2Co17化合物とは異な
る新しい化合物を基礎とし、特にボロン(B)
は、従来の、たとえば非晶質合金作成時の非晶質
促進元素又は粉末冶金法における焼結促進元素と
して添加されるものでなく、このFeBR系永久磁
石材料の実体的内容を構成する磁気的に安定で高
い磁気異方性定数を有するR−Fe−B化合物の
必須構成元素であることを明らかにした(なお、
上記FeBR永久磁石材料に基づき、適当なミクロ
組織を形成することによつて磁気異方性焼結永久
磁石が得られることも明らかにした)。更に、こ
うしたFeBR系永久磁石材料が、所定の組成を有
する平均粒度0.3〜80μmの合金粉末(組成物)を
成形し、非酸化性雰囲気において900〜1200℃で
焼結することによつて製造できることも発明し、
別途出願した(特願昭58−88372)。 本発明者らは前記目的を達成するため、さらに
こうしたFeBR三元化合物に基づく結晶質の永久
磁石材料の製造方法についても鋭意研究したとこ
ろFeBR系をベースとし添加元素M1(Ti,Zr,
Hf,Mn,Ni,Ge,Sn,Bi,Sb)を含むFe・
B・R・M1系の一定の組成範囲の合金粉末を成
形し、焼結し、さらに熱処理することにより磁石
特性、特に保磁力と角形性が著しく優れた永久磁
石材料が得られることを見い出し本願発明に至つ
たものである。 即ち、本発明によれば、原子百分率で8〜30%
のR(但しRはYを包含する希土類元素の少なく
とも1種)、2〜28%のB、所定%以下の添加元
素M1の1種又は2種以上 (但しM1 0%を除き、M1は Ti 4.5%以下, Zr 5.5%以下, Hf 5.5%以下, Mn 8.0%以下, Ni 8.0%以下, Ge 7.0%以下, Sn 3.5%以下, Bi 5.0%以下, 及びSb 2.5%以下であり、 2種以上のM1を含む場合M1の合量は含有する
M1の当該各元素のうち最大値を有するものの所
定%以下)、及び残部実質上Feからなる組成
(FeBRM1組成)を有し、900〜1200℃で焼結し
てなる焼結体を350℃以上ないし当該焼結温度以
下で熱処理することを特徴とする永久磁石材料の
製造方法によつて、上記目的が達成される。 熱処理によつて、同一組成の焼結体に対し他の
磁気特性を劣化させることなく保磁力の顕著な増
大が得られる。この点は、例えば希土類元素Rの
増加による保磁力の増大の場合残留磁化の減少を
もたらすこと(特願昭57−145072参照)に対比す
るとその意義は極めて大きい。 又、このFeBRM1系組成にさらに所定%以下
の元素X(Cu3.5%以下、S2.0%以下、C4.0%以下
及びP3.5%以下、但しX合量は当該各元素のうち
最大値を有するものの所定%以下)の一種又は二
種以上を含有してなるFeBRM1系組成について
も同様な焼結後の熱処理の効果が達成できる。 なお、かかる焼結体を前記先願におけるように
所定の組成を有する平均粒度0.3〜80μmの合金粉
末組成物を成形、特に非酸化性雰囲気で焼結する
ことによつて得ることが好ましい。焼結は、還元
性又は非酸化性雰囲気において行う。この永久磁
石材料は、上記FeBRM1組成において異方性の
場合特に優れた磁気特性を示す。 本発明は、従来のFeBR系アモルフアスリボン
等と異なり磁気異方性の永久磁石材料が得られる
点で特徴的であるが、等方性のものも従来の等方
性永久磁石材料に比して優れたものが得られる。
以下、まず主として磁気異方性永久磁石材料を製
造する場合を基本として説明する。本発明におい
て他に指定ない場合%は原子比を表わす。 本発明のFeBRM1系磁石材料の製法において、
Bは保磁力が1kOe以上を満たすために2%(以
下%は合金中の原子百分率を示す)以上とし、ハ
ードフエライトの残留磁束密度Br約4kG以上と
するために28%以下であり、Rは保磁力1kOe以
上とするため8%以上必要であり、また燃え易く
工業的取扱・製造上の困難のため、また高価であ
ることから30%以下とする。 B(ホウ素)としては純ボロン又はフエロボロ
ンを用いることが出来、不純物としてAl,Si,
Cなどを含むものを用いることが出来る。 Rとしては資源的に豊富な軽希土類を用いるこ
とができ必ずしもSmを必要とせず或いはSmを主
体とする必要もないので原料が安価でありきわめ
て有用である。本発明の永久磁石材料に用いる希
土類元素RはYを含有し、軽希土類及び重希土類
を包含する希土類元素であり、そのうち1種以上
を用いる。即ち、このRとしてはNd,Pr,La,
Ce,Tb,Dy,Ho,Er,Eu,Sm,Gd,Pm,
Tm,Yb,Lu及びYが包含される。Rとしては
軽希土類をもつて足り、特にNd,Prが好まし
い。また通例Rのうち1種をもつて足りるが実用
上は2種以上の混合物(ミツシユメタル、ジジム
等)を入手上の便宜等の理由により用いることが
でき、Sm,Y,La,Ce,Gd等は他のR,特に
Nd,Pr等との混合物として用いることができ
る。なおRとしては純希土類元素でなくともよく
工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物を
含有するものでも用いることが出来る。 本発明によつて得られる永久磁石材料において
添加元素M1は保磁力を増大させる効果をもつて
いる。保磁力の増大は磁石の安定性を増し、その
用途が拡大される。しかしM1の添加量の増大に
つれてBrが低下していき、そのため最大エネル
ギー積(BH)maxが減少する。(BH)maxは少
し低くなつても高い保磁力Hcが必要とされる用
途は最近ことに多くなつてきたためM1を含む合
金は大変有用であるが(BH)maxは4MGOe以
上の範囲で有用である。 添加元素M1の夫々の添加によるBrへの及ぼす
効果を明らかにするためその添加量を変化させて
Brの変化を測定しハードフエライトのBr約4kG
と同等以上をその範囲とする。またハードフエラ
イトの(BH)max約4MGOeと同等以上の範囲
まを考慮しM1の添加量の上限は Ti 4.5%以下, Zr 5.5%以下, Hf 5.5%以下, Mn 8.0%以下, Ni 8.0%以下, Ge 7.0%以下, Sn 3.5%以下, Bi 5.0%以下, 及びSb 2.5%以下である。 M1は0%を含まず又1種もしくは2種以上を
添加使用することが出来る。M1を2種以上含有
する場合には各添加元素の特性の中間の値を一般
に示し夫々元素の含有量は上記%の範囲内でかつ
その合量が各元素に対する上記%の最大値以下と
する。例えば、Ti,Hf及びNiを含む場合、これ
らのM1合量は8.0%以下となる。 本発明によつて得られる永久磁石材料は、前記
FeBRM1系組成において、最大エネルギー積
(BH)maxはハードフエライト磁石(〜
4MGOe)と同等あるいはそれ以上となる。また
軽希土類元素(特にNd,Pr)を全R中の50%以
上含有し、かつ11〜24%のR、3〜27%のB、添
加元素M1はTi4.0%以下、Zr4.5%以下、Hf4.5%
以下、Mn6.0%以下、Ni3.5%以下、Ge5.5%以
下、Sn2.5%以下、Bi4.0%以下、及びSb1.5%以
下での1種又は2種以上であり、M1の合量は含
有するM1の当該各元素のうち最大値を有するも
のの原子百分率以下、残部は実質的にFeの組成
範囲の場合、(BH)maxは7MGOe以上と好まし
い範囲となる。さらに最も好ましい範囲は軽度希
土類元素(特にNd,Pr)を全R中の50%以上含
有し、かつ12〜20%のR,4〜24%のB,添加元
素M1はTi3.5%以下、Zr3.5%以下、Hf3.5%以
下、Mn4.0%以下、Ni2.0%以下、Ge4.0%以下、
Sn1.0%以下、Bi3.0%以下、及びSb0.5%以下で
の1種又は2種以上であり、M1の合量は含有す
るM1の当該各含有元素のうち最大値を有するも
のの原子百分率以下、残部は実質的にFeの組成
範囲の場合、(BH)maxは10MGOe以上十分可
能であり、最高の最大エネルギー積は33MGOe
以上に達する。 本発明の製法において合金粉末組成物、又得ら
れる永久磁石材料は、Fe,B,R,M1の外、
Cu,C,S,P,Ca,Mg,O,Si等を少量含有
することも可能であり、製造性改善、低価格化が
可能となる。特に、Cu3.5%以下、S2.0%以下、
C4.0%以下、P3.5%以下(但しその合量は当該各
元素の最大値以下)が実用上好ましい。これらの
元素の含有によつても、なおハードフエライトと
同程度のBr(4kG程度)以上であり、有用であ
る。さらに、Ca,Mgについては夫々4%以下、
O,Sについては夫々2%以下(但しその合量は
当該各元素の最大値以下)とすることが好まし
い。なお、Cu,Pは安価な原料から、Cは有機
成形助剤等から、Sは製造工程から混入すること
もある。また、合金粉末の状態においては、処理
工程、空気からの吸着成分(水分、酸素等)が含
まれ易いが、これらは焼結時に除去することがで
きる。但し、必要に応じ工程、保存に注意する。
その他、工業的製造上不可避な不純物の存在を許
容できる点で本発明は実用的である。 以下本発明の製造方法を磁気異方性永久磁石材
料を製造する場合について更に説明する。 まず出発原料となる前記FeBRM1組成の合金
粉末(組成物)を得る。これは通常の合金溶解・
鋳造で得た合金鋳塊を粉砕して分級、配合等によ
り供してもよく、あるいはCa等の還元剤を用い
て酸化物から還元法によつて得てもよいが、
Fe・B・R・M1合金粉末の平均粒度0.3〜80μm
のものを用いることが好ましい。平均粒度80μm
をこえるとすぐれた磁石特性が得られない。平均
粒度0.3μmより下では、微粉砕中ないしその後の
製造工程において、粉末の酸化が著しくなり、焼
結後の密度が上がらず得られる磁石特性も低い。
平均粒度40〜80μmの範囲では磁石特性のうち保
磁力がやや低い。優れた磁石特性を得るためには
合金粉末の平均粒度として、1.0〜20μmが最も望
ましい。 粉砕は通常の方法でよく、不活性ガス雰囲気中
で行なう乾式粉砕又は有機溶媒中で行なう湿式粉
砕のいずれでもよい。湿式で行なう場合アルコー
ル系溶媒、ヘキサン、トリクロルエタン、トリク
ロルエチレン、キシレン、トルエン、フッ素系溶
媒、パラフイン系溶媒などを用いることができ
る。 次に合金粉末を成形する。成形は通例の粉末冶
金法と同様に行うことができ、加圧成形が好まし
く、異方性とするためには、磁界中でプレスす
る。例えば、合金粉末を5kOe以上の磁界中で0.5
〜3.0Ton/cm2の圧力で加圧することにより成形
体と成す。この磁界中加圧成形は粉末をそのまま
成形する方法、アセトン、トルエン等有機溶媒中
成形する方法いずれも可能である。 次に、この成形体を還元性ないし非酸化性雰囲
気中で所定温度(900〜1200℃)にて焼結する。
例えば、この成形体を10-2T0rr以下の真空中な
いし、1〜760Torr、純度99.9%以上の不活性ガ
スないし還元性ガス雰囲気中で900〜1200℃の温
度範囲で0.5〜4時間焼結する。焼結温度900℃よ
り下では十分な焼結密度が得られず、高い残留磁
束密度も得られない。また1200℃より上では焼結
体が変形し結晶粒の配向がくずれるため残留磁束
密度の低下と減磁曲線の角形性が低下する。また
時間は5分以上あればよいが余り長時間になると
量産性に問題があるので、磁石特性の再現性を考
慮すると0.5〜4時間の焼結時間が望ましい。な
お、焼結工程は、焼結の進行と共に密度が増大
し、十分な密度に達するまでの加熱工程と考えら
れる。 焼結雰囲気は本合金中の成分であるRが高温で
極めて酸化しやすいので、非酸化性雰囲気である
高真空中あるいは不活性ガス、還元性ガス雰囲気
中にて行うが、不活性ガス、還元性ガスの純度は
高い方がよい。不活性ガスを用いる場合は高い焼
結密度を得る方法として1〜760Torr未満の減圧
雰囲気中で行うことも可能である。 焼結時の昇温速度は特に規定しないが、前記湿
式プレス方式の場合には有機溶媒の溶媒除去をお
こなうため昇温速度30℃/min以下で昇温を行う
か或いは昇温途中で200〜800℃の温度範囲で約1
時間以上保持して溶媒除去をおこなうことが望ま
しい。 焼結後、室温までの冷却速度は30℃/min以上
が製品のバラツキを少なくするために好ましく、
引続く熱処理(時効処理)により磁石特性を高め
るためには冷却速度として150℃/min以上が望
ましい(但し、焼結に続いて直に熱処理工程に入
ることもできる。)。 時効処理は真空ないし不活性ガスないし還元性
ガス雰囲気中で350℃から焼結温度以下の温度範
囲で、凡そ5分から70時間おこなう。時効処理の
雰囲気として合金中の主成分のRが高温で酸素或
いは水分と急激に反応するので、真空の場合は真
空度10-3Torr以下、不活性ガス、還元性ガス雰
囲気の場合は雰囲気の純度99.99%以上が望まし
い。 本発明合金の最適焼結温度は組成により異な
り、時効処理は本発明磁石材料の各焼結温度以下
で行う必要がある。例えば67Fe13B18Nd2Hf合
金、80Fe4B14Nd2Sb合金では時効処理の上限温
度は各々930℃,1020℃である。一般にFeに富む
あるいはBが少ない、あるいはRが少ない組成ほ
ど上限時効処理温度を高くできる。しかし、時効
処理温度が高すぎると、本発明合金の結晶粒が過
剰成長し、磁石特性とりわけ保磁力の低下をもた
らすとともに、最適時効処理時間が極めて短時間
となり製造条件の制御が困難となり実用的でな
い。また350℃より下では時効処理時間に極めて
長時間を要するため実用的でなく、かつ減磁曲線
の角形性が低下し優れた永久磁石にならない。本
発明によつて得られる永久磁石材料の結晶粒の過
剰成長を起さずに優れた磁石特性を実用的に得る
には時効処理温度として450℃から800℃が最も望
ましい。時効処理温度は5分から70時間おこなう
が、時効処理時間が5分未満では時効処理の効果
はほとんど現れず、また得られる磁石特性のバラ
ツキも大きい。一方、時効処理が70時間をこえる
と工業的に長時間を要しすぎるため実用的とはい
いがたい。優れた磁石特性を実用的に再現性良く
得るには時効処理時間として30分から8時間が最
も望ましい。 また本発明製法において磁石合金の時効処理の
手法として2段以上の多段時効処理も有効であ
り、例えば1040℃で焼結した77Fe−7B−14Nd−
1Ni−1Ge合金では1段目として800℃ 〜900℃
の温度範囲で30分から8時間の初段時効処理を行
つたのち、2段目以降は400〜700℃の温度範囲で
2時間から70時間の1回以上の時効処理を行うこ
とにより、残留磁束密度、保磁力、減磁曲線の角
形性のともに高い優れた磁石特性が得られる。と
りわけ2段目以降の時効処理は保磁力の著しい向
上に効果がある。また時効処理の別手法として多
段時効処理の代りに時効処理時400℃から800℃の
温度範囲を空冷・水冷等の冷却方法により一定の
冷却速度で冷却を行つても、同等の磁石特性が得
られるが、その際の冷却速度は0.2℃/minから
20℃/secであることが必要である。なおこれら
時効処理は焼結後そのまま行つても焼結後一旦室
温まで冷却後再び昇温して行つても同等の磁石特
性が得られる。 また本発明の製造方法は磁気異方性永久磁石材
料のみならず、等方性永久磁石材料にも適用でき
る。なお等方性永久磁石材料の製造方法において
は合金粉末を磁界中でなく成形するほか他工程は
そのまま利用することが出来る。 等方性の場合には、R10〜25%,B3〜23%,
所定%のM1,残部Fe及び不可避の不純物から成
る組成において、(BH)max2MGOe以上が得ら
れる。等方性磁石材料は元来異方性磁石材料の磁
気特性の1/4〜1/6の低い特性のものであるが、本
発明によれば、それにもかかわらず、等方性とし
ては極めて有用な高い特性が得られる。 等方性の場合も、R量が増加するに従つてiHc
は増加するが、Brは最大値を経た後減少する。
かくて(BH)max2MGOe以上を満足するR量
は10%以上でかつ25%以下である。 またB量が増大するに従いiHcは増大するがBr
は最大値を経た後減少する。かくて(BH)
max2MGOe以上を得るにはB3〜23%の範囲でな
ければならない。 好ましくは軽希土類(特にNr,Pr)をRの主
成分(全R中希土類が50原子%以上)とし12〜20
%のR、5〜18%のB、残部Feの組成で(BH)
max4MGOe以上の高い磁気特性を示す。最も好
ましい範囲としてNb,Pr等の軽希土類をRの主
成分とし12〜16%のR、6〜18%のB残部Feの
組成では(BH)maxが7MGOe以上で等方性永
久磁石材料ではかつて無い高い特性が得られる。 M1としては、下記の外は異方性の場合と同じ
範囲が好ましい(Ti 4.7%以下、Ni4.7%以下、
Ge6.0%以下)。いずれのM1成分も等方性の場
合、その添加量の増大と共にBrは減少傾向を示
し、Br3kG以上(等方性ハードフエライトの
(BH)max2MGOeのレベルと同等以上とするた
め)をこの範囲内で示す。 結合剤、滑剤は、異方性の場合には、成形の際
の配向を妨げるため一般には用いられないが、等
方性磁石材料の場合には、結合剤、滑剤等を含む
ことによりプレス効率の改善、成形体の強度増大
等が可能である。 等方性の場合もR,B,Fe,M1の他に所定範
囲内でC,P,S,Cu,Ca,Mg,O,Siが含有
されることもでき、C4.0%以下、P3.3%以下、
S2.5%以下、Cu3.3%以下、Ca4%以下、Mg4%
以下、O2%以下、Si2%以下(但しこれらの合計
は、各成分のうち最大値以下)が実用上好まし
い。なお、その他工業的製造上不可避な不純物の
存在を許容できる点も異方性材料におけるものと
同様である。 以上詳述の通り本発明の永久磁石材料の製造方
法は新規なFeBRM1系の高保磁力、高エネルギ
ー積を備える優れた磁石特性を有する永久磁石材
料を提供するものである。又RとしてNb,Pr等
の軽希土類元素を用いることにより資源的・価格
的などの点においても優れた永久磁石材料を製造
でき工業的利用性の高いものである。特に、
FeBR系にさらに所定の元素M1を含有させると
共に所定の時効処理を施すことによつて、結晶質
のFeBRM1系永久磁石材料について、より一層
の保磁力の向上及び減磁曲線の角形性の向上を実
現したものである。 以下本発明の態様及び効果について、さらに実
施例に従つて説明する。但し実施例及び記載の態
様は、本発明をこれらに限定するものではない。 表1〜4は、つぎの工程によつて作製した種々
のFeBRM1系組成から成る永久磁石体の特性を
示す。 (1) 出発原料はFeとして純度99.9%(重量%、以
下原料純度について同じ)の電解鉄、Bとして
フエロボロン合金(19.38%B,5.32%Al,0.74
%Si,0.03%C,残部Fe)、Rとして純度99%
以上(不純物は主として他の希土類金属)を使
用。 M1としては純度99%のTi,Bi,Mn,Sb,
Ni,Sn,Ge,95%のHf,及びZrとして77.5%
のZrを含むフエロジルコニウムを使用した。 (2) 磁石原料を高周波誘導を用いて溶解を行つ
た。その際ルツボとしてはアルミナルツボを用
い水冷銅鋳型中に鋳込みインゴツトを作つた。 (3) 溶解で得られたインゴツトを搗砕し−
35meshにしたのち、更にボールモルにより所
定の平均粒度のものが得られるように粉砕を行
つた。 (4) 粉末を磁界中で所定の圧力で成形した(但し
等方性磁石材料を製造する場合は磁界をかけな
いで成形した。)。 (5) 成形体は900〜1200℃の範囲内の所定温度及
び所定の雰囲気焼結を行い、その後焼結の熱処
理を行つた。 実施例 1 原子百分率組成73Fe−9B−16Nd−2Mn、平均
粒度3μmの合金粉末を15kOe磁界中で1.0Ton/
cm2の圧力で加圧成形した後、99.999%純度の
600Torr Ar中で1120℃、2時間焼結し、焼結後
は冷却速度450℃/minで室温まで冷却した。さ
らに時効処理を700℃で30分、120分、240分、
3000分行い、本発明製法に係る磁石材料を得た。
磁石特性結果を表1に示す。
【表】 実施例 2 原子百分率組成70Fe−12B−13Nd−3Pr−
2Zr,平均粒度3μmなる合金粉末を10kOe磁界中
で1.0Ton/cm2の圧力で加圧成形した後、99.99%
純度の450Torr Ar 中で1060℃、1時間焼結
し、焼結後は冷却速度400℃/minで室温まで冷
却した。さらに3×10-5Torr真空中にて時効処
理を表2に示す各温度にて2時間行い、永久磁石
材料を得た。磁石特性結果を比較例(焼結後等)
とともに表2に示す。
【表】 実施例 3 平均粒度1〜8μm、表3に示す原子百分率組成
を有するFe−B−R−M1合金粉末を10kOe磁界
中で1.2Ton/cm2の圧力で加圧成形した後、99.999
%純度の250Torr Ar中で1040℃、1時間焼結
し、焼結後は冷却速度500℃/minで室温まで急
速冷却した。さらに550TorrのAr中にて時効処
理を600℃で2時間行い、永久磁石材料を得た。
磁石特性結果を比較例(焼結後の磁石特性)とと
もに表3に示す。
【表】 実施例 4 平均粒度2〜15μmを有する下記原子百分率組
成のFe−B−R−M1合金粉末を無磁界中で
1.5Ton/cm2の圧力で加圧成形した後、99.99%純
度の200Torr Ar 中で1080℃、1時間焼結し、
焼結後は冷却速度600℃/minで室温まで急速冷
却した。さらに350Torr Ar中にて時効処理を
550℃で4時間行い、等方性永久磁石材料を得た。
磁石特性の結果を時効処理なしの焼結後の試料
(比較例)とともに表4に示す。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子百分率で8〜30%のR(但しRはYを包
    含する希土類元素の少なくとも1種)、2〜28%
    のB、所定%以下の添加元素M1の1種又は2種
    以上(但しM1 0%を除き、M1は Ti 4.5%以下, Zr 5.5%以下, Hf 5.5%以下, Mn 8.0%以下, Ni 8.0%以下, Ge 7.0%以下, Sn 3.5%以下, Bi 5.0%以下, 及びSb 2.5%以下であり、 2種以上のM1を含む場合M1合量は含有する
    M1の当該各元素のうち最大値を有するものの所
    定%以下)、及び残部実質上FeからなるFeBRM1
    系組成を有し、900〜1200℃で焼結してなる焼結
    体を、350℃〜当該焼結温度以下で熱処理するこ
    とを特徴とする永久磁石材料の製造方法。 2 前記焼結体は、前記FeBRM1組成を有し、
    平均粒度0.3〜80μmの合金粉末組成物を成形、焼
    結して得られる特許請求の範囲第1項記載の永久
    磁石材料の製造方法。 3 原子百分率で8〜30%のR(但しRはYを包
    含する希土類元素の少なくとも1種)、2〜28%
    のB、所定%以下の添加元素M1の1種又は2種
    以上(但しM1 0%を除き、M1は Ti 4.5%以下, Zr 5.5%以下, Hf 5.5%以下, Mn 8.0%以下, Ni 8.0%以下, Ge 7.0%以下, Sn 3.5%以下, Bi 5.0%以下, 及びSb 2.5%以下であり、 2種以上のM1を含む場合M1合量は含有する
    M1の当該各元素のうち最大値を有するものの所
    定%以下)、所定%以下の元素Xの一種又は二種
    以上(所定%以下の元素XはCu3.5%以下、S2.0
    %以下、C4.0%以下及びP3.5%以下であり、Xが
    二種以上のときX合量は当該各元素のうち最大所
    定%を有するものの当該所定%以下)、及び残部
    実質上FeからなるFeBRM1系組成を有し、900〜
    1200℃で焼結してなる焼結体を350℃〜当該焼結
    温度以下で熱処理することを特徴とする永久磁石
    材料の製造方法。
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