JP3137837B2 - 混合廃液処理方法およびその装置 - Google Patents

混合廃液処理方法およびその装置

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JP3137837B2 JP06151834A JP15183494A JP3137837B2 JP 3137837 B2 JP3137837 B2 JP 3137837B2 JP 06151834 A JP06151834 A JP 06151834A JP 15183494 A JP15183494 A JP 15183494A JP 3137837 B2 JP3137837 B2 JP 3137837B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、産業界の様々な分野で
発生する酸とアルカリを含む混合廃液処理方法および装
置に係り、廃液の中から酸とアルカリとを回収し、再利
用することによって、酸やアルカリの環境への廃棄量を
低減するに好適な廃液処理方法および廃液処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】メッキ、イオン交換樹脂の再生、金属類
の溶解、洗浄等においては、種々の酸やアルカリとが使
用され、最終的には中和された状態になるように処理さ
れている。従来、これらの多くは、そのまま、或いは薄
めて河川や海に捨てられるたり、廃液中に毒物や放射性
物質が含まれている場合には、硬化させたセメント中に
含有させて特別な場所に貯蔵されたりしていた。
【0003】しかしながら、最近、環境保護の観点か
ら、廃棄物を回収し、薬品として再利用し、廃棄物の投
棄量を可能な限り低減することが要求され始め、有効な
手段として電気透析技術を用いた装置が利用されるよう
になってきた。上記電気透析装置のうち、設備コストの
安価、処理の簡易さから廃棄物中の複数種の薬品を一度
の処理により回収しうる三室式電気透析装置を用いる処
理方法が検討されている。
【0004】三室式電気透析装置の原理は、例えば特開
昭58−37596号公報に示されているが、中央室で
廃液を脱塩し、陽極室には廃液中の酸、陰極室には廃液
中のアルカリをそれぞれ単独に取りだすことができるた
め、酸およびアルカリとして再利用できる可能性があ
り、再利用できれば廃棄物の発生量を大幅に低減するこ
とが可能となり、優れた技術として注目された。しかし
ながら、透析効率について配慮が不足しており、低濃度
の酸、アルカリが回収されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の三室式電気
透析装置を用いる処理方法および装置においては、アル
カリがアンモニアである場合、次のような問題があっ
た。図3ないし図5を参照して発明が解決しようとする
課題を明確にする。図3は、液相中のアンモニアの気相
分圧を示す線図、図4は、三室式電気透析の陰極室内の
物質の移動を表す説明図、図5は、各試薬の電解質濃度
と比電気伝導度との関係を示す線図である。
【0006】(1)図3は、液相中のアンモニアの気相
分圧を示しているが、図中、黒四角印は10℃、白角印
は20℃、黒菱印は25℃における液相濃度〔wt%〕
と気相分圧〔atm〕であるが、他のアルカリ、例えば
水酸化ナトリウムなどは気相分圧が極めて小さいのに対
し、アンモニアは非常に大きく、液体として回収しても
ガス化しやすい。 (2)図4は、三室式電気透析の陰極室内の物質の移動
状態を表しているが、陰極においては水素が発生してお
り、静的な状態でもガス化しやすいアンモニアが前記水
素に同伴されてガス化が促進され、液体としての回収が
困難である。テスト結果より、従来技術の三室式電気透
析装置が用いられる処理方法においては、3mol/l
程度で平衡になることが確認されており、高濃度回収が
不可能である。 (3)陰極液にはアンモニアの他に廃液中に不純物とし
て含まれていた金属イオン、例えば二価のCaイオン、
一価のNaイオンが移動し、前記アンモニアと結合し濃
縮されるため、交換が必要になる。その時に液中に残存
するアンモニアを処理、回収する必要がある。 (4)図5は、各試薬の電解質濃度と比電気伝導度と関
係を示しているが、水酸化アンモニウムの比電気伝導度
は非常に低いため、電気透析を行うのに適切な電流を流
すためには高電圧が必要であり、電流効率も低い。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、電流効率が高い電気透析を行
うことができ、気相分圧が極めて高いアンモニアを含む
混合廃液から高濃度の酸とアンモニアを液体として回
収、再利用し、従来周囲環境に放出されていた廃棄物量
を大幅に低減した混合廃液処理方法を提供することをそ
の第一の目的とする。本発明の第二の目的は、前記第一
の目的に係る混合廃液処理方法に用いられる混合廃液処
理装置を提供することにある。
【0008】上記第一の目的を達成するため、本発明に
係る電気透析法を用いた酸とアンモニアをふくむ混合廃
液処理方法は、酸とアンモニアとを含む廃液より、三室
式電気透析装置により、酸と、アンモニアとを各々独立
に回収する混合廃液処理方法において、アンモニア含有
液に強酸を添加して前記三室式電気透析装置の陰極室に
導き、前記陰極室で処理された前記アンモニア含有液に
強アルカリを添加しかつそのアンモニア含有液を加熱
し、アンモニアガスを分離し回収系により回収すること
を特徴とする混合廃液処理方法である。また、本発明に
係る電気透析法を用いた酸とアンモニアをふくむ他の混
合廃液処理方法は、酸とアンモニアとを含む廃液より、
三室式電気透析装置により、酸と、アンモニアとを各々
独立に回収する混合廃液処理方法において、アンモニア
含有液に強電解質中性塩を添加して前記三室式電気透析
装置の陰極室に導き、前記陰極室で処理された前記アン
モニア含有液を加熱し、アンモニアガスを分離し回収系
により回収することを特徴とする混合廃液処理方法であ
る。また、好しくは、前記混合廃液処理方法において、
回収系は、第一段階として、吸収液に温度を制御した水
が加えられ、第二段階として、吸収液に混合廃液がふく
む酸と同一成分の酸が用いられていることある。
【0009】上記第二の目的を達成するために、本発明
に係る電気透析法を用いた酸とアンモニアをふくむ混合
廃液処理装置は、酸とアンモニアとを含む廃液より、三
室式電気透析装置により、酸と、アンモニアとを各々独
立に回収する三室式電気透析装置をふくむ混合廃液処理
装置において、 前記陰極室で処理された前記アンモニア
含有液に強酸を加える添加槽と、前記陰極室で処理され
た前記アンモニア含有液から、前記アンモニアをガス化
して分離するアンモニアガス分離部と、分離されたアン
モニアガスを回収する回収系を備え、前記アンモニアガ
ス分離部が、前記陰極室にて処理された前記アンモニア
含有液に強アルカリを加える添加部、及び前記含有液を
加熱する加熱部とを備えていることを特徴とする混合廃
液処理装置である。本発明に係る電気透析法を用いた酸
とアンモニアをふくむ他の混合廃液処理装置は、酸とア
ンモニアとを含む廃液より、三室式電気透析装置によ
り、酸と、アンモニアとを各々独立に回収する三室式電
気透析装置をふくむ混合廃液処理装置において、 前記陰
極室で処理された前記アンモニア含有液に強酸を加える
添加槽と、前記陰極室で処理された前記アンモニア含有
液から、前記アンモニアをガス化して分離するアンモニ
アガス分離部と、分離されたアンモニアガスを回収する
回収系を備え、前記アンモニアガス分離部が、前記陰極
室にて処理された前記アンモニア含有液に強アルカリを
加える添加部、及び前記含有液を加熱する加熱部とを備
えていることを特徴とする混合廃液処理装置である。
た、好しくは、前記混合廃液処理装置において、回収系
は、吸収液に温度を制御した水が用いられた第一の回収
部と、吸収液に混合廃液がふくむ酸と同一成分の酸が用
いられている第二の回収部とから構成したことある。
【0010】
【作用】前記各技術的手段の働きはつぎのとおりであ
る。本発明の構成によれば、アンモニアが回収される陰
極室から発生するアンモニアを伴つた電極ガスを回収系
に導き、ガス中にふくまれるアンモニアを吸収液に吸収
させ、液体として回収させることができ、脱塩された処
理水も回収することができる。また、陰極室液に強酸あ
るいは強電解質中性塩のいずれかを添加することによ
り、電気伝導度を上げることにより電圧を低下させ、電
流効率を向上させることができ、二次的には陰極室のア
ンモニアガスの気相分圧を大きくすることができる。ま
た、強酸が添加され陰極室にて処理されたアンモニア含
有液に強アルカリを添加して加熱操作を施し、強電解質
中性塩が添加され陰極室にて処理されたアンモニア含有
液をそのままの状態にて加熱操作を施す分離部によりア
ンモニアガスを分離し、前記分離ガスを回収系により回
収することができる。また、回収系は、吸収液に低温に
制御された水を用いる第一の回収部により高濃度のアン
モニア回収液が得られ、吸収液に混合廃液にふくまれる
酸と同一成分の酸を用いる第二の回収部によりアンモニ
アガスをほぼ完全に回収することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る一実施例を図1、2を参
照して説明する。 〔実施例 1〕図1は、本発明の一実施例に係る電気透
析法を用いた酸とアンモニアを含む混合廃液処理方法お
よび混合廃液処理装置の系統を示す構成図、図2は、測
定圧1〔atm〕におけるアンモニアの水に対する溶解
度と、温度との関係を示す線図である。図1において、
細線は従来技術の混合廃液処理方法および装置を示し、
太線は本発明の一実施例に係る混合廃液処理方法および
装置の特徴部分を示すものである。
【0012】また、図1に示す本発明に係る混合廃液処
理方法およびその装置の前段には、本実施例により回収
された酸とアンモニアとを使用する公知の廃液処理工程
と、前記処理された廃液を稀釈、濃縮する公知の稀釈、
濃縮工程とが接続して使用するクローズドシステムとし
ても可であり、また、処理すべき廃液を処理し、回収し
た酸とアンモニア水とを他の場所にて再利用しても差し
支えない。本実施例においては、前者の場合について説
明するが、本発明はこれに限定されるものでない。前記
公知の廃液処理工程と、公知の稀釈、濃縮工程との図示
と説明は、煩瑣となるので省略する。
【0013】図1において、1は、脱塩室と陽極室と陰
極室とからなる三室式電気透析槽、2は陽イオン交換
膜、3は陰イオン交換膜、4は陰極、5は陽極、6は脱
塩室、7は陰極室、8は陽極室、9は脱塩液循環タン
ク、10は陰極液循環槽、11は陽極液循環槽、12は
処理水を受け入れる処理水回収タンク、13は濃縮アン
モニア回収タンク、14は濃縮酸回収タンク、15は、
未処理混合廃液の受入タンク、16は、混合廃液中の不
純物を除去する不純物除去装置、17は余剰陰極液回収
タンク、18は、陰極液にふくまれるアンモニアを分離
する加熱分離器、19は、第一段階としてアンモニアガ
スを回収する多段式冷水吸収装置、20は、処理水の濃
度を計測する処理水濃度計、21は陰極液が濃縮限界に
達したことを計測する陰極液濃度計、22は陽極室循環
液の濃度を計測する陽極液濃度計、23は酸とアンモニ
アとを含む混合廃液、24は脱塩室循環液、25は陽極
液、26は陰極液、27は三室式電気透析脱塩室供給
液、28は加熱分離器に備えたヒーター、29は回収濃
縮酸液、30は温度制御された冷水、31は、加熱分離
器18に強アルカリ液を添加する強アルカリ液添加槽、
31′は強アルカリ液、32は蒸発アンモニアガス、3
3は電極水素ガスとアンモニアガスとの混合ガス、34
は濃縮回収水酸化アンモニウム、35は陰極室循環液が
オーバーした余剰陰極液、36は、透析により陰極室7
にて濃縮され濃縮限界に達した処理陰極液、37は脱塩
室6にて処理された脱塩水、38は陽極室循環液、39
は陰極室循環液、40は強酸あるいは強電解質中性塩の
いずれかの試薬添加槽、40′は強酸あるいは強電解質
中性塩のいずれかの試薬、41は回収処理されたガス、
42は、多段式冷水吸収装置19にて回収されなかった
アンモニアガスを吸収させる第二段階としての酸洗浄吸
収塔、43は、アンモニアガスを吸収させる酸溶液であ
る。これらの機器、部材が必要な配管により接続され、
本発明の一実施例に係る電気透析法を用いた酸とアンモ
ニアを含む混合廃液処理方法および混合廃液処理装置の
系統が構成されている。前記配管接続については、煩瑣
となるので説明を省略する。
【0014】図1に示す本発明の一実施例に係る電気透
析法を用いた酸とアンモニアを含む混合廃液処理方法お
よび混合廃液処理装置の処理手順、動作を説明する。図
示最下段左より受入れタンク15に流入した酸とアンモ
ニアを含む混合廃液23は、不純物除去装置16、例え
ば電解発泡濾過装置へ流入する。この電解発泡濾過装置
においては、三室式電気透析を行う際に、膜の劣化等の
原因となる不純物の除去が行われる。不純物除去装置1
6を出た酸とアンモニアとを含む混合廃液23は、脱塩
水循環槽9へ流入させ、切り替えバルブを経て三室式電
気透析室1の脱塩室6に送られる。
【0015】一方、陽極液25と陰極液26とをそれぞ
れ陽極液循環槽11、陰極液循環槽10へ流入させ、陽
極循環液38、陰極循環液39として循環させる。ここ
で、三室式電気透析槽1の陰極4と陽極5との間に電圧
が印加されると、両電極4、5間に電流が流れ、プラス
に帯電したアンモニウムイオンは、陽イオン交換膜2を
通過して陰極室7へ、マイナスに帯電した酸イオンは、
陰イオン交換膜3を通過して陽極室8へ移動する。
【0016】その結果、前記脱塩室6の混合廃液は、移
動した酸イオンやアンモニアイオンの量だけ濃度が減
じ、やがて脱塩された脱塩水37が得られ、前記脱塩室
6の上方からは、前記脱塩水37が濃度計20で排出濃
度に達したことを確認後、前記濃度計20と連動するバ
ルブが切り替わり、脱塩室6に送られず、処理水回収タ
ンク12へ送られる。さらに、三室式電気透析脱塩液2
7として受入れタンク15ヘもどされる。
【0017】一方、陽極室8においては、陽極循環液3
8が酸素を定量的に発生すると共に、酸イオンが累加し
徐々に濃縮されていき、濃度計22で回収濃度に達した
ことを確認後、前記濃度計22と連動するバルブが切り
替わり陽極室8へ送られず、陽極液循環槽11から濃縮
酸回収タンク14へ回収される。回収濃縮酸29は、再
利用するため再び図示しない前段工程へ送られる。な
お、前記発生する酸素は大気中に放出される。
【0018】一方、陰極室7においては、脱塩室よりア
ンモニウムイオンが移行し、徐々に濃縮されていく。し
かし、前記アンモニアは、液相中の気相分圧が高いの
で、常圧下では3mol/l程度で溶解度平衡に達し、
そののちは溶解せず、気相で存在する。よって、陰極循
環液39からは当量の水素と、アンモニアガスが発生す
る。前記陰極循環液39は、水素、アンモニアガスを含
んだ気、液混合状態で陰極液循環槽10に流入し、前記
陰極液循環槽10において気、液に分離される。
【0019】分離された溶解度平衡に達した液相の陰極
循環液39は、濃度計21により溶解度平衡に達したこ
とを確認し、連動するバルブを切り替えられ、陰極室7
へ送られず、低濃度にアンモニアが飽和した陰極処理液
36として回収されていた。一方、水素ガス、アンモニ
ウムガスは、公知の分離技術により分離され、水素ガス
は放出され、アンモニウムガスは、悪臭を生じない程度
に回収され、放出されていた。
【0020】このように、上記従来の処理工程では、高
濃度の酸溶液のみを回収し、アンモニアを高濃度の液体
として回収できないため、処理コストも低減することが
できない。また、前記の陰極4と陽極5との間に印加す
る電圧は、通常の適切な透析条件に比べ高電圧であり、
電流効率も低い。
【0021】本実施例では、上記従来の三室式電気透析
装置をふくむ処理工程に下記の特徴的処理工程および設
備を付加した。第一の特徴的処理工程は、前記陰極液循
環槽10へ流入させる前記陰極液26に、電気伝導度を
上げるために試薬添加槽40を設け、これより強酸ある
いは強電解質中性塩のいずれかの試薬40′を添加す
る。前記試薬40′は、水酸化アンモニウムよりも比電
気伝導度が高く、のちに施される分離除去操作が容易に
出来るものであれば、特に限定されるものではなく、強
酸でも、強電解質中性塩でもいずれでも差し支えない。
【0022】各試薬の電解質濃度と比電気伝導度との関
係は、上記図5に示されているが、電気伝導度は、電解
質濃度が3mol/l程度のところでは水酸化アンモニ
ウムに対して100倍前後高い窒素態の化合物が存在し
ており、上記添加操作をすることにより、前記陰極液2
6の電気伝導度は改善される。例えば、水酸化アンモニ
ウムに水酸化アンモニウムの1/10程度の濃度である
硫酸を添加した場合には、電気伝導度が約20倍に増加
することを確認した。これにより印加電圧を低減し、電
流効率を向上させ、二次的には陰極室7におけるアンモ
ニアガスの発生を活性化し、アンモニアガスの気相分圧
を大きくする。
【0023】第二の特徴的処理工程は、前記陰極液循環
槽10の後段に多段式冷水アンモニア吸収装置19を設
置し、当該陰極循環槽10からの水素、アンモニアガス
の混合ガス33と図示しない制御装置により低温に制御
された冷水30とを向流接触させることにより、アンモ
ニアガスを冷水に吸収させるものである。従来の技術で
は、第一の特徴的処理工程において説明したごとく、前
記陽極室8では電極ガスとして酸素が発生し、前記陰極
室7では、水素ガスが発生しているが、陰極室7では前
記水素ガス以外に溶解度平衡に達して溶液中に溶解しき
れないアンモニアもガス化している。これらのガスのう
ち、酸素、水素は放出され、アンモニアガスは、悪臭を
発しない程度に処理されており、高濃度の水酸化アンモ
ニウムを得ることは不可能であつた。
【0024】上記、アンモニアガスだけを冷水に吸収さ
せるプロセスにおいて、アンモニアガスと水素ガスの溶
解度は、ostwald溶解度係数値(実験温度10
℃)において、それぞれ、406.6cm3、202.
1cm3程度である。したがって、アンモニアガスは、
水素ガスの約二倍の溶解度があるが、これら2種類のガ
スを混合した場合の溶解度は、それぞれの気体の分圧に
よって、変化する。
【0025】さらに、前述のとおり、アンモニアガスの
溶解度は、相対的に高いとはいえず水素ガスの溶解度の
約二倍程度であり、再利用可能な水酸化アンモニウムと
するためには、かなりの高濃度、例えば8mol/l程
度にする必要が有る。この目的を達成するためには、ア
ンモニアガスの分圧を可能な限り高くすること同時に、
吸収させる前記冷水の温度を低く保つことも大切な因子
となる。図2は、測定圧1〔atm〕におけるアンモニ
アの水に対する溶解度と温度との関係を示すが、低温度
になるほどアンモニアの水に対する溶解度が大となるの
で10℃以下に制御されることが好ましい。
【0026】第三の特徴的処理工程の一つは、前記陰極
液循環槽10の後段に、強アルカリ液添加槽31とヒー
ター28とを備えた加熱分離器18を設置するものであ
る。従来技術では、陽イオン交換膜2を通過して陰極室
7へ移動する水の移行によって陰極循環液39が余剰と
なる。この余剰となる陰極循環液39は余剰陰極液35
として、図示しない新たにタンクを設け貯溜し、ふたた
び陰極液26として使用していた。
【0027】前記余剰陰極液35、上記低濃度にアンモ
ニアが飽和した陰極処理液36は、陰極循環槽10に
て、第一の特徴的処理工程中において、試薬添加槽40
からの試薬40′、すなわち強酸あるいは強電解質中性
塩のいずれかが添加された。強酸を添加した場合には、
水酸化アンモニウムとアンモニウム塩とが混在し、強電
解質中性塩を添加した場合には、水酸化アンモニウムと
添加した強電解質中性塩とが混在する。前記水酸化アン
モニウムおよびアンモニウム塩中のアンモニアを多段式
冷水アンモニア吸収装置19により回収するためには、
ガス化しなければならない。
【0028】前記アンモニウム塩中のアンモニアをガス
化する場合には、上述のごとく、陰極液循環槽10の後
段に、強アルカリ液添加槽31とヒーター28とを備え
た加熱分離器18を設け、前記加熱分離器18に前記強
アルカリ液添加槽31から、例えば水酸化ナトリウム3
1′を添加し、アンモニウムイオンと置換、分離させ、
前記ヒーター28により加熱し、アンモニアガス32を
発生させる。前記水酸化アンモニウムの場合には、前記
余剰陰極液35、前記陰極処理液36は、そのままにて
ヒーター28により加熱し、アンモニアガス32を発生
させる。
【0029】前記吸収装置19へ前記発生させたアンモ
ニアガス32を送り、上記混合ガス33に対して行なっ
たのと同様の操作をこのアンモニアガス32にも施し、
前記吸収装置19によってアンモニアガスを回収する。
そして得られた回収された濃縮水酸化アンモニウム34
は、濃縮アンモニウム回収タンク13に貯えられ、再利
用されるため、再び図示しない前段工程へと送られる。
【0030】さらに、第三の特徴的処理工程の他の一つ
は、前記多段式冷水アンモニア吸収装置19から出てき
た処理済みガス41中に回収することができなかったア
ンモニアガス32が存在する場合を考慮して、酸洗浄吸
収塔42を前記冷水アンモニア吸収装置19の後段に設
置するものである。前記酸洗浄吸収塔42においては、
酸をシャワさせ、前記未回収のアンモニアガス32と接
触させ、処理廃液と同一の成分とする。この処理後の液
は、受入れタンク15におくられ、ふたたび三室式電気
透析装置1にて処理される。
【0031】以上三つの特徴的処理工程を三室式電気透
析装置につけ加えることにより、本発明の目的である、
廃液の処理と、アンモニアの高濃度回収とを効率よく行
い、回収した酸とアンモニア回収液を再利用することが
可能となる。
【0032】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の構
成によれば、酸とアンモニアをふくむ混合廃液から再利
用可能な高濃度の酸とアンモニアとを効率良く分離、回
収することにより、回収した酸とアンモニア回収液を再
利用し、周囲環境に放出されていた廃棄物の発生量を大
幅に低減し、浄化された水を得ることが可能な電気透析
法をもちいた酸とアンモニアをふくむ混合廃液処理方法
およびその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電気透析法をもちいた
酸とアンモニアを含む混合廃液処理方法およびその装置
の系統を示す構成図である。
【図2】アンモニアの水に対する溶解度と温度とのが関
係を表す線図である。
【図3】アンモニアの液相濃度と気相分圧との関係を表
す線図である。
【図4】三室式電気透析の陰極室内の物質の移動を表す
説明図である。
【図5】各電解質の比電気伝導度を表す線図である。
【符号の説明】
1…三室式電気透析槽 2…陽イオン交換膜 3…陰イオン交換膜 4…陰極 5…陽極 6…脱塩室 7…陰極室 8…陽極室 9…脱塩液循環タンク 10…陰極液循環槽 11…陽極液循環槽 12…処理水回収タンク 13…濃縮アンモニア回収タンク 14…濃縮酸回収タンク 15…受入タンク 16…不純物除去装置 18…加熱分離器 19…多段式冷水吸収装置 20…脱塩液濃度計 21…陰極液濃度計 22…陽極液濃度計 23…酸とアンモニアを含む混合廃液 24…脱塩室循環液 25…陽極液 26…陰極液 27…電気透析脱塩室供給液 28…加熱分離器に備えられたヒーター 29…回収濃縮酸液 30…温度制御された冷水 31…強アルカリ液添加槽 31′…添加強アルカリ液 32…蒸発アンモニアガス 33…電極水素ガスとアンモニアガスとの混合ガス 34…濃縮回収水酸化アンモニウム 35…余剰陰極液 36…処理陰極液 37…脱塩水 38…陽極室循環液 39…陰極室循環液 40…試薬添加槽 40′…添加試薬 41…処理済みガス 42…酸洗浄吸収器 43…酸溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 淑升 神奈川県横須賀市内川2丁目3番1号 日本ニユクリア・フユエル株式会社 (56)参考文献 特開 平7−214068(JP,A) 特開 昭58−37596(JP,A) 特開 平5−33169(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/00 - 65/10 C02F 1/44

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸とアンモニアとを含む廃液より、三室式
    電気透析装置により、酸と、アンモニアとを各々独立に
    回収する混合廃液処理方法において、 アンモニア含有液に強酸を添加して前記三室式電気透析
    装置の陰極室に導き、前記陰極室で処理された前記アン
    モニア含有液に強アルカリを添加しかつそのアンモニア
    含有液を加熱し、アンモニアガスを分離し回収系により
    回収する ことを特徴とする混合廃液処理方法。
  2. 【請求項2】酸とアンモニアとを含む廃液より、三室式
    電気透析装置により、酸と、アンモニアとを各々独立に
    回収する混合廃液処理方法において、 アンモニア含有液に強電解質中性塩を添加して前記三室
    式電気透析装置の陰極室に導き、前記陰極室で処理され
    た前記アンモニア含有液を加熱し、アンモニアガスを分
    離し回収系により回収する ことを特徴とする混合廃液処
    理方法。
  3. 【請求項3】回収系は、第一段階として、吸収液に温度
    を制御した水が加えられ、第二段階として、吸収液に混
    合廃液がふくむ酸と同一成分の酸が用いられていること
    特徴とする請求項1または2記載の混合廃液処理方
    法。
  4. 【請求項4】酸とアンモニアとを含む廃液より、三室式
    電気透析装置により、酸と、アンモニアとを各々独立に
    回収する三室式電気透析装置をふくむ混合廃液処理装置
    において、 前記陰極室で処理された前記アンモニア含有液に強酸を
    加える添加槽と、前記陰極室で処理された前記アンモニ
    ア含有液から、前記アンモニアをガス化して分離するア
    ンモニアガス分離部と、分離されたアンモニアガスを回
    収する回収系を備え、前記アンモニアガス分離部が、前
    記陰極室にて処理された前記アンモニア含有液に強アル
    カリを加える添加部、及び前記含有液を加熱する加熱部
    とを備えていることを特徴とする混合廃液処理装置。
  5. 【請求項5】酸とアンモニアとを含む廃液より、三室式
    電気透析装置により、酸と、アンモニアとを各々独立に
    回収する三室式電気透析装置をふくむ混合廃液処理装置
    において、 前記陰極室で処理された前記アンモニア含有液に強電解
    質中性塩を加える添加槽と、前記陰極室で処理された前
    記アンモニア含有液を加熱して、前記アンモニアをガス
    化し、アンモニアを分離するアンモニアガス分離部と、
    分離されたアンモニアガスを回収する回収系とを備えた
    ことを特徴とする混合廃液処理装置。
  6. 【請求項6】回収系は、吸収液に温度を制御した水が用
    いられた第一の回収部と、吸収液に混合廃液がふくむ酸
    と同一成分の酸が用いられている第二の回収部とから構
    成したことを特徴とする請求項4または5記載の混合廃
    液処理装置。
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