JP4501160B2 - アンモニアの利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃水中からアンモニアを回収する方法及び回収したアンモニアを利用する方法に関する。
従来、廃水中からアンモニアをアンモニアガスとして除去する方法としては、アンモニアを含む廃水中に水酸化ナトリウムなどの薬剤を添加してアルカリ性とした後、加温しながら散気管などで空気曝気して、アンモニアと空気を接触させ、空気をキャリアガスとしてストリッピングする方法が一般的となっている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。しかし、このストリッピングする方法では、廃水をアルカリ性とするために添加する薬剤の費用がかかり、加温のための設備や曝気のための設備を要し、経済的にアンモニアを除去できないという問題があった。また、高濃度にアンモニウム塩を含めた塩分を含む廃水は、添加した薬剤などにより結晶析出が懸念されるため、結晶が析出しないよう希釈する必要が有り、効率的にアンモニアを除去できなかった。さらに、このストリッピングする方法は空気を接触させ、空気をキャリアガスとして用いて、廃水を加熱などして、アンモニアガスを揮散させる方法であるため、ストリッピングガス中のアンモニアは、大量の空気と水蒸気で希釈され、この希薄アンモニアガスを利用する方法が無かった。その上、アンモニアガスは悪臭物質であり、法で規制されており、ストリッピングガスをそのままの状態で大気放出できないという問題があった。
このため、従来、この希薄アンモニアガスは、加熱した触媒上を通過させ、希薄アンモニアを酸化燃焼させて窒素と水に分解した後、大気に放出する方法、あるいは廃水中から一旦揮散させたこの希薄アンモニアガスを再び硫酸などの酸に吸収させてアンモニウム塩として回収する方法が一般的であった。このアンモニウム塩として回収した吸収液は、利用先の用途や規格に合わせて精製などして再利用されているが、利用量に限度があるため、余剰分については、やはり廃水としてアンモニアを廃水中から除去しなければならないという問題があった。
また、廃水をアルカリ性とするために添加する薬剤を省略できる方法として、陽極室と陰極室の間に陽イオン交換膜が配設されたイオン交換槽に、アンモニウムイオンと炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを含む廃水を陽極室に供給し、電極に通電することにより炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを陽極室に残存させて脱炭酸塔から炭酸ガスを揮散させ、アンモニウムイオンを陰極室へ透析分離させて脱アンモニア塔から空気をキャリアガスとしてアンモニアガスとして揮散除去する方法が開示されている(特許文献3)。しかし、この方法は、アンモニウムイオンと炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンを含む廃水に限定して適用され、添加するアルカリ薬剤は省略できるが、陰極室へ透析分離された廃水中のアンモニアは脱アンモニア塔に通して空気曝気によりアンモニアガスを揮散除去する方法であるので、そのための加温設備や曝気のための設備の設置など前記したストリッピングする方法と同様の問題があった。
また、廃水中のアンモニアを回収して再利用する方法としては、前記した廃水中から一旦除去したアンモニアガスを再び硫酸などの酸に吸収させてアンモニウム塩として回収し、このアンモニウム塩を再利用する方法が一般的であるが、前記した問題があった。その他に廃水中から一旦除去したアンモニアガスを捕集して回収し、回収したアンモニアを水素と窒素に分解して水素を燃料電池に供給して電気エネルギーに変換し再利用する方法が開示されている(特許文献2)。しかし、アンモニアを廃水中から除去する方法として開示されている方法がアンモニアと空気を接触させ、廃水を加熱などして、空気をキャリアガスとしてストリッピングする方法であるので前記したと同様に大量の空気と水蒸気で希釈され、この希薄アンモニアガスからアンモニアを捕集する方法が開示されていない。この希薄アンモニアガスの捕集方法として、例えば、前記したアンモニアを硫酸などの酸に吸収させて捕集する方法では、このアンモニア吸収液から再びアンモニアガスを分離しなければならず、また、この希薄アンモニアガスを沸点以下まで冷却して液体アンモニアとして分離して回収しようとしても大量の空気と水蒸気のため経済的に液体アンモニアとして分離回収できないという問題があった。さらに、ゼオライトなどの吸着剤でこの希薄アンモニアガスを吸着して除去する方法では、アンモニアガスを吸着剤に濃縮できるが、等温吸着平衡の関係から気相中のアンモニアガス濃度が薄いほど気相中からのアンモニア吸着除去率が低下するためアンモニア回収率が低下してしまうという問題があった。併せて、ゼオライトの性質上、同時に水蒸気もアンモニア以上の平衡量で吸着し、加熱脱着によりアンモニアガスと同時に大量の水蒸気も脱着されてしまい、このアンモニアガスと大量の水蒸気を効率よく経済的に分離しなければならないという問題があった。
したがって、従来、廃水中からアンモニアを経済的に回収して、この回収したアンモニアを利用する方法がないという問題があった。
特開平5−138156号公報 特開2005−21743号公報 特開2003−290774号公報
そこで、本発明は、アルカリなどの薬剤の添加や加温設備や曝気のための設備を必要とせず、再利用可能な状態のアンモニアを高い回収率で回収でき、かつ、廃水の種類に限定されず回収することのできるアンモニアの回収方法を提供することを目的とする。さらに、この方法で回収したアンモニアを再利用するためのアンモニアの利用方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載のアンモニアの利用方法は、陽極を配した陽極室と中間室との間に陰イオン交換膜、陰極を配した陰極室と前記中間室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陽極室と前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記中間室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離するとともに陰イオンを前記陽極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、揮散させたアンモニアガスをアンモニアの沸点以下まで冷却して水素ガスと分離し、液体アンモニアとして回収し、回収した液体アンモニアと分離した水素ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを前記陰極室の電解質含有水を電気分解するための電気エネルギーの一部として使用することを特徴とする。
本発明の請求項2記載のアンモニアの利用方法は、陽極を配した陽極室と中間室との間に陰イオン交換膜、陰極を配した陰極室と前記中間室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陽極室と前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記中間室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離するとともに陰イオンを前記陽極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、揮散させたアンモニアガスをアンモニアの沸点以下まで冷却して水素ガスと分離し、液体アンモニアとして回収し、回収した液体アンモニアからアンモニアをガス化して、アンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用することを特徴とする。
本発明の請求項3記載のアンモニアの利用方法は、陽極を配した陽極室と中間室との間に陰イオン交換膜、陰極を配した陰極室と前記中間室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陽極室と前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記中間室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離するとともに陰イオンを前記陽極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、前記陰極室から揮散させたアンモニアガスと前記陰極から発生する水素ガスをそのまま空気が混ざらないようにして回収し、この回収ガスをアンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用することを特徴とする。
本発明の請求項記載のアンモニアの利用方法は、陽極を配した陽極室と陰極を配した陰極室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記陽極室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、揮散させたアンモニアガスをアンモニアの沸点以下まで冷却して水素ガスと分離し、液体アンモニアとして回収し、回収した液体アンモニアと分離した水素ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを前記陰極室の電解質含有水を電気分解するための電気エネルギーの一部として使用することを特徴とする。
本発明の請求項5記載のアンモニアの利用方法は、陽極を配した陽極室と陰極を配した陰極室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記陽極室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、揮散させたアンモニアガスをアンモニアの沸点以下まで冷却して水素ガスと分離し、液体アンモニアとして回収し、回収した液体アンモニアからアンモニアをガス化して、アンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用することを特徴とする。
本発明の請求項6記載のアンモニアの利用方法は、陽極を配した陽極室と陰極を配した陰極室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記陽極室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、前記陰極室から揮散させたアンモニアガスと前記陰極から発生する水素ガスをそのまま空気が混ざらないようにして回収し、この回収ガスをアンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用することを特徴とする。
本発明のアンモニアの回収方法によれば、廃水中からアルカリなどの薬剤の添加や加温のための設備や曝気のための設備を必要とせず、再利用可能な状態のアンモニアを高い回収率で回収でき、かつ、廃水の種類に限定されずアンモニアを回収することができる。また、本発明のアンモニアの利用方法によれば、本発明の回収方法で回収したアンモニアを再利用することができる。
以下、本発明のアンモニアの回収方法の実施形態について説明する。
図1は、本発明のアンモニアの回収方法の第1実施形態に用いられるイオン交換槽1の模式図である。このイオン交換槽1は、陽極2を配した陽極室3と中間室4との間に陰イオン交換膜5、陰極6を配した陰極室7と中間室4との間に陽イオン交換膜8を配設して構成されている。
また、陽極2と陰極6は板状で、陽イオン交換膜8に対して略平行に配列されており、板状の陰極6は陽イオン交換膜8から透析分離されてきた陽イオンの流れと陰極6から発生する水素ガスの揮散を妨げにくい構造が好適に用いられる。
例えば、陰極6は、図2に示すように、下端部が相互に一体に接続された複数の金属板6aから構成し、この複数の金属板6aを、陽イオン交換膜8に対して略平行に配列し、それぞれの金属板6aを、陽イオン交換膜8に対して角度を付けて設けてもよい。
陽極2としては、酸に対して耐性があり、且つ、酸化に対して耐性のある材料が好適に用いられ、陰極6としては、アルカリに対して耐性があり、水素の発生に適した材料が好適に用いられる。
イオン交換槽1を用いてアンモニアの回収を行う場合は、予め陽極室3と陰極室7に電解質含有水を配水しておき、中間室4へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を回分方式又は連続方式で連続的に供給する。
なお、陽極室3へ配水する電解質含有水は、含有する電解質の種類を問わないが、中間室4へ供給する廃水中に含有する陰イオンの主成分と同じ酸を電解質として配水しておくことが陽極室3で回収された酸を再利用する場合に好ましく、陰極室7へ配水する電解質含有水についても含有する電解質の種類を問わないが、中間室4へ供給する廃水中に含有するアンモニア及び/又はアンモニウムイオン以外の陽イオンの主成分と同じアルカリを電解質として配水しておくことが陰極室7で回収されたアルカリを再利用する場合に好ましい。
また、ここで供給する廃水に懸濁分や多価金属イオンなどのイオン交換膜のファウリング原因物質が含まれている場合には、予め常法によりこのファウリング原因物質を除去しておくのが望ましい。
中間室4へ供給する廃水としては、アンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有していればよく、廃水中に含有するアンモニア及び/又はアンモニウムイオンの濃度がアンモニウム塩として略飽和程度に濃厚であっても塩析をほとんど考慮せずに無希釈で供給でき、アンモニアを高効率で回収できる。例えば、アンモニア廃ガス吸収塔から排出される酸性の硫酸アンモニウム廃水、酸性の過硫酸アンモニウム廃水、アルカリ性のアンモニア剥離廃水、アンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を中和脱水した濾液、など廃水の種類に限定されず適用できる。
そして、陽極2と陰極6の間に通電すると、中間室4へ供給された廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンは、陽イオン交換膜8により陰極室7へ透析分離され、陰極室7内の電解質含有水中にアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンが濃縮し、別途アルカリを供給することなく陰極室7の電解質含有水はアルカリ性となる。予め陰極室7に配水する電解質含有水を中間室4へ供給される廃水中に含有するアンモニア及び/又はアンモニウムイオン以外の陽イオンの主成分と同じアルカリを電解質含有水として配水しておけば、陰極室7で濃縮されたアルカリを所定の濃度で入れ替えて、この回収したアルカリ中に残留する遊離アンモニアを常法により除去すればアルカリとして純度よく回収して利用できる。
なお、中間室4へ供給する廃水中にアンモニア及び/又はアンモニウムイオン以外の陽イオンが不足し、陰極室7の電解質含有水が通電してもアルカリ性にならない場合は、予め陰極室7に電解質含有水として水酸化アルカリ水溶液を配水しておく。
このアルカリ性下において、陽極2と陰極6の間の通電により陰極室7の電解質含有水が電気分解されて陰極6から水素ガスが発生し、この水素ガスとともに陰極室7へ透析分離されたアンモニア及び/又はアンモニウムイオンがアンモニアガスとして揮散する。そして、この水素ガスとアンモニアガスと僅かに含まれる水蒸気の混合気体を回収する。
ここで、陰極6を板状で、陽イオン交換膜8に対して略平行に配列させれば、陽イオン交換膜8を透過したアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンの流れの方向と陰極6が略直交し、陰極室7で遊離したアンモニアを高い確率で板状の陰極6に衝突させることができ、また、板状の陰極6を網目構造あるいは複数の板状陰極が繋がっており陽イオン交換膜8に対して角度を付けて設けられた構造とすれば、アンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンの流れを遮らず、板状の陰極6から発生する水素ガスとともに遊離したアンモニアをアンモニアガスとして効率よく揮散させることができる。したがって、供給する廃水中からアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを効率よく除去できる。
さらに中間室4へ供給する廃水が連続方式であっても回分方式であっても陰極室7へはアンモニアが供給され続けるので、定常状態においては、中間室4へ供給する廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンの濃度に係わらず、陰極室7でのアンモニア濃度は気液相間における平衡状態で、水素ガスとともにアンモニアガスが揮散するので、アンモニアガスの回収効率が向上する。
上記の方法で揮散させた水素とアンモニアの混合ガスは、分離せずに、そのまま空気が混ざらないようにして、公知の方法でガスホルダーに回収し、この回収したガスを燃料ガスとして、直接バーナーで空気とともに燃焼させて水と窒素に分解し、このとき発生する燃焼熱を熱エネルギーとして再利用できる。なお、この回収したガス中のアンモニアの燃焼は、水素とともに燃焼させるので窒素酸化物を生成せずに水と窒素に分解される。あるいは、この回収したガスをアンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用できる。
また、上記の方法で揮散させた水素とアンモニアの混合ガスは、アンモニアの沸点以下まで冷却して液体アンモニアとしてアンモニアを回収できる。この液体アンモニアと分離した水素ガスは、燃料電池に供給して電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを前記陰極室7の電解質含有水を電気分解するための電気エネルギーの一部として使用してもよい。また、回収した液体アンモニアは、ガス化して、このアンモニアガスをアンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用してもよい。
その他に上記の方法で揮散させた水素とアンモニアの混合ガスは、ゼオライトなどに通してアンモニアガスを吸着回収して水素ガスと分離する方法があり、アンモニアを分離した後の水素ガスは、前記同様に再利用できる。
他方、中間室4へ供給された廃水中の陰イオンは、陰イオン交換膜5により陽極室3へ透析分離され、陽極室3では陰イオンが濃縮される。予め陽極室3に配水する電解質含有水を中間室4へ供給される廃水中に含有する陰イオンの主成分と同じ酸を電解質含有水として配水しておけば、この陰イオンを酸として純度よく回収することができる。また、陽極室3の酸濃度が所定の値以上になった場合に陽極室3内の電解質含有水を入れ替えることによって、より効率よくアンモニアの回収を継続することができる。
さらに、陽極室3から所定濃度まで濃縮して回収した酸は、例えば前記したアンモニアストリッピングガスを吸収させるための酸として再利用でき、希薄アンモニアガスがアンモニウム塩としてこの酸に濃縮されるので、この濃厚アンモニウム塩を廃水として本方法によりアンモニアを回収して再利用し、再び回収した酸をアンモニアストリッピングガス吸収のための酸として再利用できる。
このように、本発明のアンモニアの回収方法の第1実施形態は、陽極2を配した陽極室3と中間室4との間に陰イオン交換膜5、陰極6を配した陰極室7と前記中間室4との間に陽イオン交換膜8を配設して構成されたイオン交換槽1において、予め前記陽極室3と前記陰極室7に電解質含有水を配水しておき、前記中間室4へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極2と前記陰極6の間に通電してアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室7へ透析分離するとともに陰イオンを前記陽極室3へ透析分離し、前記陰極室7の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極6から発生する水素ガスとともに前記陰極室7のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させるものであり、アルカリなどの薬剤の添加や加温のための設備や曝気のための設備を必要とせず、再利用可能な状態のアンモニアを高い回収率で回収でき、かつ、廃水の種類に限定されずアンモニアを回収することができる。また、この方法で回収されたアンモニアは有効に利用可能となる。
図3は、本発明のアンモニアの回収方法の第2実施形態に用いられるイオン交換槽11の模式図である。このイオン交換槽11は、陽極12を配した陽極室13と陰極14を配した陰極室15との間に陽イオン交換膜16を配設して構成されている。
また、第1実施形態と同様に、陽極12と陰極14は板状で、陽イオン交換膜16に対して略平行に配列されており、板状の陰極14は陽イオン交換膜16から透析分離されてきた陽イオンの流れと陰極14から発生する水素ガスの揮散を妨げにくい構造が好適に用いられる。
陽極12及び陰極14の材料は第1実施形態で記載した材料が好適に用いられる。
イオン交換槽11を用いてアンモニアの回収を行う場合は、予め陰極室15に電解質含有水を配水しておき、陽極室13へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を回分方式又は連続方式で連続的に供給する。
なお、陰極室15へ配水する電解質含有水は、第1実施形態と同様に、供給する廃水中に含有するアンモニア及び/又はアンモニウムイオン以外の陽イオンの主成分と同じアルカリを電解質として配水しておくことが陰極室15で回収されたアルカリを再利用する場合に好ましい。
陽極室13へ供給する廃水としては、第1実施形態と同様に、廃水の種類に限定されずアンモニアを高効率で回収できる。
また、ここで陽極室13へ供給する廃水に懸濁分や多価金属イオンなどのイオン交換膜のファウリング原因物質が含まれている場合には、予め常法によりこのファウリング原因物質を除去しておくのが望ましい。
そして、陽極12と陰極14の間に通電すると、陽極室13へ供給された廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンは、陽イオン交換膜16により陰極室15へ透析分離され、陰極室15内の電解質含有水中にアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンが濃縮し、別途アルカリを供給することなく陰極室15の電解質含有水はアルカリ性となる。予め陰極室15に配水する電解質含有水を陽極室13へ供給される廃水中に含有するアンモニア及び/又はアンモニウムイオン以外の陽イオンの主成分と同じアルカリを電解質含有水として配水しておけば、陰極室15で濃縮されたアルカリを所定の濃度で入れ替えて、この回収したアルカリ中に残留する遊離アンモニアを常法により除去すればアルカリとして純度よく回収して利用できる。
なお、陽極室13へ供給する廃水中にアンモニア及び/又はアンモニウムイオン以外の陽イオンが不足し、陰極室15内の電解質含有水が通電してもアルカリ性にならない場合は、予め陰極室15に電解質含有水として水酸化アルカリ水溶液を配水しておく。
また、陽極室13へ供給された廃水は、アンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンが陰極室15へ透析分離されたことにより、陽極室13内の電解質含有水は残存する陰イオンで構成される酸として回収できる。なお、前記第1実施形態で回収される酸は、供給された廃水中の陰イオンを陰イオン交換膜で透析分離させ、陽極室で所定の酸濃度まで濃縮し、所定濃度の酸を回収できるのに対し、第2実施形態で回収される酸は、供給された廃水中の陰イオン濃度で回収酸濃度が決定される。
さらに、陽極室13から回収した酸は、第1実施形態で記載したように、希薄アンモニアガスをアンモニウム塩としてこの酸に濃縮し、この濃厚アンモニウム塩を廃水として本方法によりアンモニアを回収して再利用し、再び回収した酸を希薄アンモニアガス吸収のための酸として再利用できる。
このアルカリ性下において、陽極12と陰極14の間の通電により陰極室15の電解質含有水が電気分解されて陰極14から水素ガスが発生し、この水素ガスとともに陰極室15へ透析分離されたアンモニア及び/又はアンモニウムイオンがアンモニアガスとして揮散する。そして、この水素ガスとアンモニアガスと僅かに含まれる水蒸気の混合気体を回収する。
ここで陰極14と陰極室15の構造は、第1実施形態で記載したと同様であり、陽極室13へ供給した廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンは、陰極14から発生する水素ガスとともに効率よく除去できる。
さらに、陽極室13へ供給する廃水が連続方式であっても回分方式であっても陰極室15へはアンモニアが供給され続けるので、定常状態においては、供給される廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンの濃度に係わらず、陰極室15でのアンモニア濃度は気液相間で平衡状態となり、水素ガスとともにアンモニアガスが揮散するので、アンモニアガスの回収効率が向上する。
上記の方法で水素とともに回収されたアンモニアは、上記第1実施形態で記載したように、そのままでも、水素とアンモニアを分離しても再利用することができる。
このように、本発明のアンモニアの回収方法の第2実施形態は、陽極12を配した陽極室13と陰極14を配した陰極室15との間に陽イオン交換膜16を配設して構成されたイオン交換槽11において、予め前記陰極室15に電解質含有水を配水しておき、前期陽極室13へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極12と前記陰極14の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室15へ透析分離し、前記陰極室15の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極14から発生する水素ガスとともに前記陰極室15のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させるものであり、アルカリなどの薬剤の添加や加温のための設備や曝気のための設備を必要とせず、再利用可能な状態のアンモニアを高い回収率で回収でき、かつ、廃水の種類に限定されずアンモニアを回収することができる。また、この方法で回収されたアンモニアは有効に利用可能となる。
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1に示すイオン交換槽を用いて廃水中のアンモニアの回収を行った。陽極には白金電極板(5×1cm)、陰極には図2の模式図に示す形状の鉄亜鉛電極板(0.5×2cm 10枚連結)、陽イオン交換膜には旭硝子製フッ素系陽イオン交換膜(7×3cm)、陰イオン交換膜には旭硝子製AMV陰イオン交換膜(7×3cm)を用いた。また、陽極と陰極の間隔を1.5cmとした。
容積21ml(7×1×3cm)の陽極室に0.1モル/リットル硫酸水溶液20ml、容積42ml(7×2×3cm)の陰極室に1モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液40mlをそれぞれ電解質として入れて、容積10.5ml(7×0.5×3cm)の中間室に廃水として略飽和濃度の3モル/リットル硫酸アンモニウム水溶液(アンモニアとして約10%)100mlをポンプで循環させながら、陽極と陰極の間に7Vの電圧を印加した。このときの電流は2A、陽極電流密度は0.4A/cmであった。また、アンモニアの回収を開始してから5時間毎に、陽極室の電解質水溶液を入れ替えた。
なお、陰極から発生する水素ガスと陰極室から揮散するアンモニアガスとの混合ガスは、陰極室を密閉して、2.5モル/リットルの硫酸水溶液を入れた小型ガス吸収管に通して、アンモニアガスを吸収除去した後の水素ガスを容積5リットルのアルミニウムバッグで捕集した。
各物質の分析方法は、アンモニアを全窒素分析計(三菱化学製)による方法、酸濃度を中和滴定による方法、水素をTCDガスクロマトグラフ(島津製作所製)による方法とした。
このときのアンモニアと酸濃度の時間変化と水素について表1に示す。時間の経過とともに中間室に循環供給している廃水100ml(アンモニアとして約10%)中のアンモニア濃度は、略一定に減少していた。陰極室の水酸化ナトリウム水溶液中のアンモニア濃度は6時間後までは2〜3%程度の濃度で推移し、その後、減少する傾向が確認された。また、陽イオン交換膜を透過してきた残りのアンモニアは水素ガスとともに揮散していることが確認された。陽極室の硫酸水溶液中の酸濃度は増加していることが確認された。陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜の電気透析効率もよく、また、陰極室から発生する水素中にアンモニアが60〜70%と高い濃度で揮散することが確認された。10時間経過後の中間室における水中アンモニア濃度は、1.7%と非常に低くなっており、廃水中から陰極室へアンモニアが効率よく除去され、陰極室からアンモニアが効率よく回収されることが確認された。さらに、陽極室から約3モル/リットルの硫酸が回収できることが確認された。
図3に示すイオン交換槽を用いて廃水中のアンモニアの回収を行った。陽極には二酸化鉛電極板(5×5cm)、陰極には図2の模式図に示す形状の鉄亜鉛電極板(1.5×5cm 5枚連結)、陽イオン交換膜には旭硝子製フッ素系陽イオン交換膜(6×5cm)を用いた。また、陽極と陰極の間隔を1.5cmとした。
容積45ml(6×1.5×5cm)の陰極室に1モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液40mlを電解質として入れて、容積75ml(6×2.5×5cm)の陽極室に廃水として2.5モル/リットル硫酸アンモニウム水溶液(アンモニアとして約10%)200mlをポンプで循環させながら、陽極と陰極の間に7Vの電圧を印加した。このときの電流は10A、陽極電流密度は0.4A/cmであった。
各物質の分析方法は、実施例1と同様とした。
このときのアンモニアと酸濃度の時間変化と水素について表2に示す。時間の経過とともに陽極室に循環供給している廃水200ml(アンモニアとして約10%)中のアンモニア濃度は、略一定に減少していた。陰極室の水酸化ナトリウム水溶液中のアンモニア濃度は、4時間後までは約2%程度の濃度で推移することが確認され、陽イオン交換膜を透過してきた残りのアンモニアは水素ガスとともに揮散していることが確認された。陽極室に循環供給している廃水200ml中の酸濃度は増加していることが確認された。また、陰極室から発生する水素中にアンモニアが40〜50%程度と高い濃度で揮散していた。6時間経過後の廃水中のアンモニア濃度は0.3%と非常に低くなっており、廃水中からアンモニアが効率よく除去され、陰極室からアンモニアが効率よく回収されることが確認された。さらに、この廃水が約2.4モル/リットルの硫酸として回収できることが確認された。
図4に示す装置を用いてアンモニアの回収を行った。このアンモニア回収装置は、実施例1で用いたイオン交換槽1、そのイオン交換槽1の陰極室から揮散するガス中の水蒸気を陰極室へ還流させるためのコンデンサー21、水蒸気除去後のアンモニアガスを液化するためのコンデンサー22、液化したアンモニアを回収するための液体アンモニア回収塔23、液化アンモニア回収後の水素ガスを精製するための水素精製器24、それぞれの単位操作を接続する配管で構成されている。
実施例1と全く同様の操作条件及び操作方法で、イオン交換槽の陰極室から水素ガスとともにアンモニアガスを揮散させ、この混合ガス中に含まれる水蒸気を0℃設定の冷媒を循環させて冷却したコンデンサー21で陰極室へ還流させた。なお、冷却は冷却水循環装置(東京理科器械製)を用いた。
この水蒸気を除去した後の水素とアンモニアの混合ガスは、−79℃冷媒(ドライアイス)で冷却したコンデンサー22に通してアンモニアを液化し、液体アンモニア回収塔23内に回収した。
アンモニアガスを液化して回収後の水素ガスは、不純物を除去するために水素精製器24に通して市販の小型燃料電池25に水素燃料として供給した。なお、水素精製器24は、カラム管に粒状の合成ゼオライト(和光純薬製)を充填して使用した。また、予め小型燃料電池25へ供給する前に精製水素ガスを容積5リットルのアルミニウムバッグに捕集し、TCDガスクロマトグラフ(島津製作所製)と全窒素分析計(三菱化学製)で不純物の分析を行った。その結果、精製水素ガス中に不純物は検出されず、純度の高い水素ガスであることが確認された。
さらに、このとき回収した液体アンモニアは、実施例4で詳細を記載するが触媒加熱分解により水素と窒素に変換し、この分解ガスについて前記精製水素ガスの分析と同様にして不純物の分析を行った。その結果、液体アンモニア中にも不純物が検出されず、アンモニアを純度よく回収できることが確認された。また、液体アンモニアは、冷却時の温度によりその密度が多少変化するがガス回収、固体吸着回収、液体吸収回収などに比較して非常に小さな容積で回収できることが確認された。
図5に示す分解装置を用いて実施例3で回収した液体アンモニアを水素と窒素に分解して水素の回収を行った。この分解装置は、液体アンモニア、ガス化したアンモニアの流量調節バルブ、電気管状炉32、触媒充填反応管33、水を入れた小型ガス吸収管34、それぞれを接続する配管で構成されている。
実施例3で回収した液体アンモニアをガス化して1分当たり50mlの流量で電気管状炉32(いすず製作所製)に装着した触媒充填反応管33に通し、アンモニアを水素と窒素に分解した。分解後のガスは、小型ガス吸収管34に通して容積5リットルのアルミニウムバッグに捕集した。このときの電気管状炉32の加熱温度は950℃に設定した。触媒充填反応管33は、石英ガラス管にアンモニア分解用触媒を充填したもので、加熱部容積が50ml、加熱部容積に占めるアンモニア分解用触媒の占有容積比率を約70%とした。充填したアンモニア分解用触媒は、市販のアンモニア分解触媒(日揮化学製)を用いた。
アルミニウムバッグに捕集されたガス中の成分をTCDガスクロマトグラフ(島津製作所製)で分析し、水素が76%、窒素が24%定量され、その他のガス成分は検出されなかった。また、小型ガス吸収管34に吸収された水を電気伝導率計で測定したが、開始時と電気伝導率に差が認められなかった。
このことから実施例3で純度よく液体アンモニアが回収されていることが確認された。また、この液体アンモニアから市販のアンモニア分解触媒を用いて、水素と窒素に略100%分解でき、アンモニアを水素に変換して再利用できることが確認された。
比較例1
硫酸アンモニウム水溶液にアルカリとして水酸化ナトリウムを添加してアンモニアを除いた後に残る硫酸ナトリウム水溶液は濃度が高いと十水塩や七水塩の硫酸ナトリウム結晶が析出する。空気曝気によるアンモニアストリッピング法でアンモニアを除去しても硫酸ナトリウムの結晶化を考慮しなくてよい硫酸アンモニウム水溶液の濃度は10%程度となる。
そこで実施例1で使用した略飽和濃度の硫酸アンモニウム水溶液1mに水を加えて4mに希釈して廃水とし、空気曝気によるストリッピング法でアンモニアを除去した。
上記廃水中にアルカリ剤として水酸化ナトリウムをpH10まで加えた後、さらに廃水中に含有するアンモニアと当量の240kgの水酸化ナトリウムを加えて、40℃に加温しながら、1分当たり40mの通気量で2時間、曝気用のルーツブロワーと散気管を用いて曝気した。
開始時の廃水中のアンモニア濃度は2.6%で、2時間後に曝気を停止した時の廃水中のアンモニア濃度は0.62%であった。
この方法により揮散したアンモニア濃度は、送風した空気量と廃水中のアンモニア除去量から計算して平均濃度2.5%であった。空気曝気によるストリッピング法としては高いアンモニア濃度であり、一般的に行われている触媒燃焼などで酸化分解すると窒素酸化物の生成が懸念される濃度であった。しかし、このアンモニアを回収して再利用するには非常に濃度が希薄で、効率よく回収できないことが確認された。
比較例2
図4に示す装置の内、アンモニアを液化させるためのコンデンサー22と液化したアンモニアを回収するための液体アンモニア回収塔23をゼオライト充填アンモニア回収器に置き換えて、アンモニアの回収を行った。
実施例4と全く同様の操作条件及び操作方法で、イオン交換槽の陰極室から水素ガスとともにアンモニアガスを揮散させた。
この水蒸気を除去した後の水素とアンモニアの混合ガスは、ゼオライト充填アンモニア回収器に通してアンモニアをゼオライトに吸着し回収した。なお、ゼオライト充填アンモニア回収器内の吸着剤は、粒状の合成ゼオライト(和光純薬製)を用いた。
アンモニアガスを吸着して回収後の水素ガスについては、実施例4と同様の操作を行うことにより純度の高い水素ガスが得られることが確認された。
アンモニアを吸着したゼオライト充填アンモニア回収器をオイルバスで100℃から2500℃まで加熱し、窒素パージしてアンモニアをガス化した。このときのアンモニア脱着量は、アンモニア吸着量からを計算すると50%程度しか回収されず、ゼオライトとアンモニアの強い化学吸着性を示していた。このため経済的に回収したアンモニアを再利用できないことが確認された。
本発明のアンモニアの回収方法の第1実施形態に用いられるイオン交換槽の模式図である。 同上陰極の模式図である。 本発明のアンモニアの回収方法の第2実施形態に用いられるイオン交換槽の模式図である。 本発明のアンモニアの回収方法及びアンモニアの利用方法に用いられるアンモニアの回収装置の一例を示す模式図である。 本発明のアンモニアの回収方法及びアンモニアの利用方法に用いられるアンモニアの分解装置の一例を示す模式図である。
1 イオン交換槽
2 陽極
3 陽極室
4 中間室
5 陰イオン交換膜
6 陰極
7 陰極室
8 陽イオン交換膜
11 イオン交換槽
12 陽極
13 陽極室
14 陰極
15 陰極室
16 陽イオン交換膜

Claims (6)

  1. 陽極を配した陽極室と中間室との間に陰イオン交換膜、陰極を配した陰極室と前記中間室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陽極室と前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記中間室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離するとともに陰イオンを前記陽極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ
    揮散させたアンモニアガスをアンモニアの沸点以下まで冷却して水素ガスと分離し、液体アンモニアとして回収し、
    回収した液体アンモニアと分離した水素ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを前記陰極室の電解質含有水を電気分解するための電気エネルギーの一部として使用することを特徴とするアンモニアの利用方法。
  2. 陽極を配した陽極室と中間室との間に陰イオン交換膜、陰極を配した陰極室と前記中間室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陽極室と前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記中間室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離するとともに陰イオンを前記陽極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、
    揮散させたアンモニアガスをアンモニアの沸点以下まで冷却して水素ガスと分離し、液体アンモニアとして回収し、
    回収した液体アンモニアからアンモニアをガス化して、アンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用することを特徴とするアンモニアの利用方法。
  3. 陽極を配した陽極室と中間室との間に陰イオン交換膜、陰極を配した陰極室と前記中間室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陽極室と前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記中間室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離するとともに陰イオンを前記陽極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、
    前記陰極室から揮散させたアンモニアガスと前記陰極から発生する水素ガスをそのまま空気が混ざらないようにして回収し、この回収ガスをアンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用することを特徴とするアンモニアの利用方法。
  4. 陽極を配した陽極室と陰極を配した陰極室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記陽極室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ
    揮散させたアンモニアガスをアンモニアの沸点以下まで冷却して水素ガスと分離し、液体アンモニアとして回収し、
    回収した液体アンモニアと分離した水素ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを前記陰極室の電解質含有水を電気分解するための電気エネルギーの一部として使用することを特徴とするアンモニアの利用方法。
  5. 陽極を配した陽極室と陰極を配した陰極室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記陽極室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、
    揮散させたアンモニアガスをアンモニアの沸点以下まで冷却して水素ガスと分離し、液体アンモニアとして回収し、
    回収した液体アンモニアからアンモニアをガス化して、アンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用することを特徴とするアンモニアの利用方法。
  6. 陽極を配した陽極室と陰極を配した陰極室との間に陽イオン交換膜を配設して構成されたイオン交換槽において、予め前記陰極室に電解質含有水を配水しておき、前記陽極室へアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含有する廃水を供給し、前記陽極と前記陰極の間に通電して廃水中のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンを含む陽イオンを前記陰極室へ透析分離し、前記陰極室の電解質含有水をアルカリ性下で電気分解することにより前記陰極から発生する水素ガスとともに前記陰極室のアンモニア及び/又はアンモニウムイオンをアンモニアガスとして揮散させ、
    前記陰極室から揮散させたアンモニアガスと前記陰極から発生する水素ガスをそのまま空気が混ざらないようにして回収し、この回収ガスをアンモニア分解触媒に通して略完全に水素ガスと窒素ガスに分解し、この分解ガスを燃料電池に供給して電気エネルギーに変換して再利用することを特徴とするアンモニアの利用方法。
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