JPH09271781A - 廃水からの窒素分除去方法 - Google Patents

廃水からの窒素分除去方法

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JPH09271781A
JPH09271781A JP8085086A JP8508696A JPH09271781A JP H09271781 A JPH09271781 A JP H09271781A JP 8085086 A JP8085086 A JP 8085086A JP 8508696 A JP8508696 A JP 8508696A JP H09271781 A JPH09271781 A JP H09271781A
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JP
Japan
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nitrogen
electrolytic
exchange membrane
cathode
anode
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JP8085086A
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Yoshie Akai
芳恵 赤井
Kenji Fujihata
健二 藤畑
Hideji Seki
秀司 関
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃水から窒素分を効率よく容易に分離し回収
する。 【解決手段】 陰極1と陽極2の間に陽イオン交換膜3
を配置した電解透析装置において、陽極2と陽イオン交
換膜3の間に窒素分を陽イオンの形態で含む廃水7を供
給し、陰極1と陽イオン交換膜3の間に電解液10を供
給して電解透析を行い、廃水7中の陽イオンの形態で存
在する窒素分を陽イオン交換膜3を介して電解液10中
に移行させることにより、廃水7中から窒素分を除去す
る。電解液10中に移行したアンモニウムイオンは、電
解液10中に生成される水酸化物イオンにより容易にア
ンモニアに変換され、気相中に回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素分を除去する
技術に係り、特に廃水中に含まれるアンモニウムイオ
ン、硝酸イオンを電気化学的に分離し除去する技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、アンモニウムイオン(NΗ4 +
および硝酸イオン(NO3 - )などの窒素が環境に与え
る影響が問題となっている。アンモニウムイオンは、廃
水中に多量に存在すると水の富栄養化を引き起こす。硝
酸イオンは、多量の経口により胃腸傷害を引き起こした
り、腸内細菌と反応して発ガン性物質の疑いのあるニト
ロソアミンをつくるなど、人体および生物に対して有害
である。そのため、環境に放出される窒素分の水質基準
が厳しくなる傾向がある。
【0003】アンモニウムイオンおよび硝酸イオンの分
離回収法としてはイオン交換法、逆浸透法、電気透析法
などの物理化学的方法や生物学的処理法などがある。イ
オン交換法、逆浸透法は多量の水を使用するため、大容
量の装置が必要になる。生物学的処理法は温度などの雰
囲気管理が必要になる。そこで、装置がコンパクトで雰
囲気管理の容易な廃水からの窒素除去方法の開発が望ま
れている。
【0004】電気透析法は陽極と陰極の間に陰イオン交
換膜、陽イオン交換膜を多段に配置して廃水中のイオン
成分を濃縮する方法である。硝酸イオンおよびアンモニ
ウムイオンは陰イオン交換膜、陽イオン交換膜を通過し
て濃縮され、廃水から分離される。この方法は、装置が
コンパクトで雰囲気管理が容易であるが、窒素分を含め
た廃水中のすべてのイオンを濃縮するため、濃縮液から
さらに窒素分を除去するなどの後処理が必要になる。そ
のため、廃水からの窒素分除去方法はコンパクトで雰囲
気管理が容易なことに加えて、後処理が容易なことが望
ましい。
【0005】廃水から除去し回収した窒素分の後処理方
法としては、アンモニアや窒素に変換して気相中に除去
する方法がある。アンモニウムイオンの処理方法として
は、次式に示すように、
【化1】 アルカリを添加してアンモニウムイオンをアンモニアに
変換する方法や、次式に示すように、
【化2】2NH3 +3Cl2 →N2 +6HCl 次亜塩素酸ナトリウムや塩素ガスなどの塩素化剤を添加
して窒素ガスに変換する方法がある。
【0006】そのため、廃水中からアンモニウムイオン
を除去する方法では、アルカリ、塩素化剤といった添加
剤が必要になり、さらに添加剤の処理のための付加プロ
セスが必要になる。
【0007】例えば特開昭52−77460号公報に
は、電気透析法で廃水中のアンモニウムイオンを濃縮し
た後、pΗ調整工程でアルカリを添加してアンモニウム
イオンをアンモニアに変換し、ついでアンモニアストリ
ッピッグ工程でアンモニアを気相中に除去し、回収した
アンモニアを窒素酸化物と反応させて無害化する方法が
開示されている。
【0008】この従来技術で用いられている電気透析装
置は、その原理を図11に示すように、陰極1と陽極2
の間に陽イオン交換膜3と陰イオン交換膜4が配置さ
れ、陰極1と陽イオン交換膜3および陽極2と陽イオン
交換膜3の間に電流を流すための極液5が、陰極1りの
陽イオン交換膜3とその次の陽イオン交換膜3および陰
イオン交換膜4と陽極2よりの陽イオン交換膜3の間に
濃縮水6がそれぞれ供給され、陽イオン交換膜3と陰イ
オン交換膜4の間に廃水7が供給される。
【0009】この状態で陰極1および陽極2に電圧を印
加すると、陰極1で水素ガス(H2)が発生し、陽極2
で酸素ガス(O2 )が発生するとともに、廃水7からア
ンモニウムイオン(NH4 + )やその他の陽イオン(M
n+)が陽イオン交換膜3を通過して濃縮水6側に移動
し、陰イオン(Mm-)が陰イオン交換膜4を通過して濃
縮水6側に移動する。廃水7は、この電気透析装置にお
いてアンモニウムイオン、その他の陽イオンや陰イオン
が除去され、イオン成分のない脱塩水8となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
装置がコンパクトで雰囲気管理が容易であり、さらに添
加剤などが必要なく後処理が容易な廃水からの窒素除去
方法の開発が望まれる。
【0011】本発明は、上記問題点に対処してなされた
もので、コンパクトな装置および管理の容易な処理条件
でかつ簡略な処理工程で、廃水中に含まれるアンモニウ
ムイオン、硝酸イオンなどの窒素分を効率よく分離し除
去することができる窒素除去方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1の発
明の廃水からの窒素分除去方法は、陰極と陽極の間に陽
イオン交換膜を配置した電解透析装置を用い、この電解
透析装置内の陽極と陽イオン交換膜の間に窒素分を陽イ
オンの形態で含む廃水を供給し、陰極と陽イオン交換膜
の間に電解液を供給して電解透析を行い、廃水中の陽イ
オンの形態で存在する窒素分を陽イオン交換膜を介して
電解液中に移行させることを特徴とする。
【0013】この構成において、電解透析装置の陽極側
に廃水を供給し、陰極と陽極間に直流電圧を印加するこ
とによって、廃水中の陽イオンの形態である窒素分(主
としてアンモニウムイオン)が陽イオン交換膜を透過し
て陰極側に移行するため、廃水から陽イオンの形態にあ
る窒素分を有効に除去することができる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の廃水からの
窒素分除去方法において、電解液中に移行させたアンモ
ニウムイオンを当該電解液中の水酸化物イオンによりア
ンモニアに変換して気相中に回収することを特徴とす
る。
【0015】この構成において、電解透析装置内では水
の電気分解によって陽極側で酸素ガスと水素イオンが発
生し、陰極側で水素ガスと水酸化物イオンが発生する。
したがって、廃水中から陰極側の電解液中に移行したア
ンモニウムイオンは、陰極側で増加する電解液中の水酸
化物イオンによって容易にアンモニアに変換することが
できる。
【0016】請求項3の発明は、請求項1の廃水からの
窒素分除去方法において、あらかじめ窒素分を陰イオン
の形態で含む廃水を還元処理して、陰イオンの形態で存
在する窒素分をアンモニウムイオンに変換することを特
徴とする。
【0017】この発明では、廃水が陰イオンの形態で存
在する窒素分(主として硝酸イオン)を含む場合でも、
デバルダ合金などの還元剤により陰イオンの形態で存在
する窒素分をアンモニウムイオンに容易に変換すること
ができるため、前述した電解透析処理によって廃水中か
ら窒素分を有効に除去することができる。
【0018】請求項4の発明の廃水からの窒素分除去方
法は、陰極と陽極の間に陰極側に陽イオン交換膜および
陽極側に陰イオン交換膜を配置した電解透析装置を用
い、この電解透析装置内の陰極と陽イオン交換膜の間お
よび陽極と陰イオン交換膜の間にそれぞれ電解液を供給
し、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜の間に窒素分を陽
イオンおよび陰イオンの形態で含む廃水を供給して電解
透析を行い、この廃水中の陽イオンの形態で存在する窒
素分を陽イオン交換膜を介して陰極側の電解液中に移行
させ、陰イオンの形態で存在する窒素分を陰イオン交換
膜を介して陽極側の電解液中に移行させることを特徴と
する。
【0019】この構成において、電解透析装置内の陰極
側との堺にある陽イオン交換膜と陽極側との堺にある陰
イオン交換膜の間に廃水を供給し、陰極と陽極間に直流
電圧を印加することによって、廃水中の陽イオンの形態
である窒素分(主としてアンモニウムイオン)が陽イオ
ン交換膜を透過して陰極側に移行し、陰イオンの形態で
ある窒素分(主として硝酸イオン)が陰イオン交換膜を
透過して陽極側に移行するため、廃水からイオンの形態
にある窒素分を有効に除去することができる。
【0020】請求項5の発明は、請求項4の廃水からの
窒素分除去方法において、陰極側の電解液中に移行させ
たアンモニウムイオンを当該電解液中の水酸化物イオン
によりアンモニアに変換して気相中に回収することを特
徴とする。
【0021】この構成において、請求項2の発明と同様
に、廃水中から陰極側の電解液中に移行したアンモニウ
ムイオンは、陰極側で増加する電解液中の水酸化物イオ
ンによって容易にアンモニアに変換することができる。
【0022】請求項6の発明は、請求項5の廃水からの
窒素分除去方法において、陽極側の電解液中に移行させ
た陰イオンの形態で存在する窒素分を窒素酸化物にして
回収し、この窒素酸化物と陰極側の電解液から回収した
アンモニアを反応させて窒素ガスに変換することを特徴
とする。
【0023】この構成において、陰イオンの形態で存在
する窒素分は、例えば硫酸を加えて加熱することにより
窒素酸化物に生成される。陰イオンの形態で存在する窒
素分から生成されたこの窒素酸化物と陽イオンの形態で
存在する窒素分であるアンモニウムイオンから生成され
たアンモニアを反応させることにより、ともに無害の窒
素ガスに変換して環境へ放出することができる。
【0024】請求項7の発明は、請求項4の廃水からの
窒素分除去方法において、陽極と陰イオン交換膜の間に
供給する電解液として酸性水溶液を使用することを特徴
とする。
【0025】陽極側では、すでに述べたように水素イオ
ンを生じて酸性が高くなる。この電解透析では陽極側の
電解液として酸性水溶液を繰り返し使用することもでき
る。
【0026】請求項8の発明は、請求項1または4の廃
水からの窒素分除去方法において、陰極と陽イオン交換
膜の間に供給する電解液としてアルカリ性水溶液を使用
することを特徴とする。
【0027】陰極側では、すでに述べたように水酸化物
イオンを生じてアルカリ性が高くなる。この電解透析で
は陰極側の電解液としてアルカリ性水溶液を繰り返し使
用することもできる。
【0028】請求項9の発明の廃水からの窒素分除去方
法は、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を配置した電解
透析装置を用い、この電解透析装置内の陽極と陽イオン
交換膜の間に電解液を供給し、陰極と陽イオン交換膜の
間に窒素分をイオンの形態で含む廃水を供給して電解透
析を行い、この廃水中の陰イオンの形態で存在する窒素
分をアンモニウムイオンに変換し、さらに当該廃水中の
水酸化物イオンによりアンモニウムイオンをアンモニア
に変換して気相中に回収することを特徴とする。
【0029】この構成において、電解透析装置の陰極側
に廃水を供給し、陰極と陽極間に直流電圧を印加するこ
とによって、廃水中の陰イオンの形態で存在する窒素分
(主として硝酸イオン)は陰極反応によりアンモニウム
イオンに還元される。さらにこのアンモニウムイオン
は、陰極側で発生する水酸化物イオンにより容易にアン
モニアに変換される。したがって、廃水中に窒素分が両
性イオンの形態で存在していても、前もって還元剤を用
いて処理することなく、容易に窒素分をアンモニアとし
て回収除去することができる。
【0030】請求項10の発明の廃水からの窒素分除去
方法は、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を配置した電
解透析装置を用い、この電解透析装置内の陽極と陽イオ
ン交換膜の間に電解液を供給し、陰極と陽イオン交換膜
の間に窒素分をイオンの形態で含む廃水を供給して電解
透析を行い、この廃水中の陰イオンの形態で存在する窒
素分をアンモニウムイオンに変換した後、この廃水を陰
極と陽極の間に隔膜を配置した電解装置に供給し、アン
モニウムイオンを電解処理により窒素ガスに変換するこ
とを特徴とする。
【0031】この構成において、電解透析装置の陰極側
に廃水を供給し、陰極と陽極間に直流電圧を印加するこ
とによって、廃水中の陰イオンの形態で存在する窒素分
(主として硝酸イオン)は陰極反応によりアンモニウム
イオンに還元される。この電解透析によって窒素分がア
ンモニウムイオンに変換された廃水を、次の電解装置に
供給し陰極と陽極間に直流電圧を印加することによっ
て、廃水中のアンモニア成分は陽極において窒素ガスに
変換される。これによって、廃水中に窒素分が両性イオ
ンの形態で存在していても、前もって還元剤を用いて処
理することなく、容易に窒素分を無害の窒素ガスとして
除去し大気へ放出することができる。
【0032】請求項11の発明は、請求項9または10
の廃水からの窒素分除去方法において、陽極と陽イオン
交換膜の間に供給する電解液として酸性水溶液を使用す
ることを特徴とする。
【0033】請求項12の発明は、請求項1、4、9、
または10の廃水からの窒素分除去方法において、電解
透析装置に供給する前に、前記廃水をろ過処理して固形
分を除去することを特徴とする。
【0034】廃水中の固形分をあらかじめ中空糸膜など
のろ過装置を用いて除去することによって、電解透析装
置内での固形分の蓄積を防いで電解透析処理をスムーズ
に実施することができる。
【0035】請求項13の発明は、請求項2、5、また
は9の廃水からの窒素分除去方法において、回収したア
ンモニアを窒素酸化物と反応させて窒素ガスに変換する
ことを特徴とする。
【0036】この発明では、回収したアンモニアを例え
ば火力発電所等の廃ガス処理系に導入して廃ガス中の窒
素酸化物と反応させることにより、無駄なくアンモニア
を無害の窒素ガスにすることができる。
【0037】請求項14の発明は、請求項2、5、また
は9の廃水からの窒素分除去方法において、回収したア
ンモニアを酸に吸収させて肥料となるアンモニウム化合
物を生成することを特徴とする。
【0038】この発明では、回収したアンモニアを肥料
として有用な硝酸アンモニウムや硫酸アンモニウムに変
換することにより、無駄なく有効に利用することができ
る。
【0039】請求項15の発明は、請求項2、6、また
は9の廃水からの窒素分除去方法において、電解透析後
に排出される、アンモニウムイオンを除去された陰極側
のアルカリ性溶液および窒素分のない陽極側の酸性溶液
は、混合して中和した後放出することを特徴とする。
【0040】前述したように、電解透析工程において、
陰極側ではアルカリ性が高くなり、陽極側では酸性が高
くなる。このような電解透析工程から排出され、窒素分
が除去されたアルカリ性溶液および酸性溶液は、混合す
ることによって中和することができ、海洋等へ放出する
ことができる。
【0041】請求項16の発明は、請求項2、5、また
は9の廃水からの窒素分除去方法において、電解透析後
に排出されるアンモニウムイオンを除去された陰極側の
アルカリ性溶液をイオン交換樹脂の再生に再利用するこ
とを特徴とする。
【0042】電解透析工程から排出されるアルカリ性溶
液は、廃棄するための後処理を要することなくイオン交
換樹脂の再生に有効に利用することができる。
【0043】請求項17の発明は、請求項1、6、9、
または10の廃水からの窒素分除去方法において、電解
透析後に排出される窒素分のない陽極側の酸性溶液をイ
オン交換樹脂の再生に再利用することを特徴とする。
【0044】電解透析工程から排出される酸性溶液も、
廃棄するための後処理を要することなくイオン交換樹脂
の再生に有効に利用することができる。
【0045】請求項18の発明は、請求項1または4の
廃水からの窒素分除去方法において、廃水を電解透析処
理した後、陽イオンの形態で存在する窒素分を収集した
電解液を陰極と陽極の間に隔膜を配置した電解装置に供
給し、電解処理によりこの電解液の窒素分を窒素ガスに
変換することを特徴とする。
【0046】この構成において、電解透析処理によって
廃水中から窒素分を収集した電解液を電解装置に供給し
陰極と陽極間に直流電圧を印加することによって、回収
した窒素分を容易に無害の窒素ガスに変換して大気へ放
出することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0048】図1は、本発明の第1の実施の形態にかか
る電解透析装置の原理を示すもので、図中符号1は陰
極、2は陽極、3は陰極1と陽極2の間に配置される陽
イオン交換膜を示している。
【0049】このような装置において、陽極2と陽イオ
ン交換膜3の間にアンモニウムイオン(NΗ4 + )を含
む廃水7を供給し、陰極1と陽イオン交換膜3の間にア
ルカリ性溶液等の電解液10を供給して電解透析を行う
と、陽イオンの形態であるアンモニウムイオンは陽イオ
ン交換膜3を通って電解液10に移行する。
【0050】アルカリ性溶液中のアンモニウムイオン
(NH4 + )は、[化1]式の反応に示すようにアンモ
ニア(NH3 )になり、アンモニアはヘンリーの法則に
従って、溶液中から気相中へ移行し溶液中から分離す
る。
【0051】この電解透析工程では、陽極において次式
【化3】 2H2 Ο→O2 ↑+4H+ +4e 1.229 vs.NHE の反応により、酸素ガス(O2 )が発生し、陰極におい
ては次式
【化4】 2Η+ +2e→H2 ↑ 0 vs.NHE の反応により水素ガス(H2 )が発生する。これによ
り、次式
【化5】 に示すような平衡を保っていた水酸化物イオン(Ο
Η- )、水素イオン(H+ )の割合がくずれ、pΗが変
化する。例えば、陰極1と陽イオン交換膜3の間の電解
液10は、陰極1で発生した水素ガスのために、水酸化
物イオン濃度が増加して、アルカリ性が高くなる。ま
た、陽イオン交換膜3と陽極2中の間の廃水7は水素イ
オン濃度が増加して酸性が高くなる。
【0052】アンモニアの解離平衡定数は1.77×10
-5(25℃)であり、pH12ではアンモニウムイオンの
存在率は 0.2%である。さらにアルカリ性が高くなれ
ば、アンモニウムイオンの存在率は低くなりアンモニア
の存在率が高くなるため、気相からの除去は容易にな
る。
【0053】したがって、この実施の形態においては、
電解透析によりアンモニウムイオンを廃水7からアルカ
リ性溶液等の電解液10中に回収し、さらに電解液10
中では電解透析の過程で生成した水酸化物イオンが増加
して、式[化1]の平衡を右にずらしてアンモニアを生
成し気相中に移行させるため、複雑な工程および大型の
装置を必要とすることなく効率よく廃水中からアンモニ
ウムイオンを分離することができる。
【0054】本実施の形態で用いられている電解透析装
置と従来技術(特開昭52−77460号公報)で用い
られている電気透析装置は、極液5があるなしにより区
別される。すなわち、図11に示す電気透析装置では、
陽極2および陰極1に供給される極液5は同じタンクに
より供給されるが、本実施の形態で用いられている電解
透析装置では、陽極2に廃水7、陰極1にアルカリ性溶
液等の電解液10とそれぞれ異なる供給源により供給さ
れている。そのため、電気透析装置では電解により生成
したH+ およびΟH- は中和され、液性は常に中性に保
たれているが、電解透析装置では、陰極1に供給された
液はアルカリ性になり、陽極2に供給された液は酸性に
なり変化する。
【0055】図2(a)に、本実施の形態のプロセス
を、図2(b)に対応する上記従来技術のプロセスを示
す。従来技術では、廃水7は電気透析工程11によりイ
オン成分を除去され、脱塩水8として環境中に放出され
る。一方、電気透析工程11により廃水7から分離され
たアンモニウムイオンおよびその他のイオン成分は、濃
縮水6中に濃縮される。ついで、この濃縮水に水酸化ナ
トリウムなどのアルカリが添加され、このアルカリ性濃
縮水中のアンモニウムイオンはアンモニアに変換され
て、アンモニアストリッピング工程12でアンモニアガ
スとして気相中に分離回収される。その他のイオン成分
はアルカリ性濃縮水中に残存し回収される。
【0056】これに対し、本実施の形態では、廃水7は
電解透析工程13により陽イオン成分を除去された処理
水となり、廃水7中のアンモニウムイオン等の陽イオン
成分は電解液10中に回収される。さらに、電解液10
中に移行したアンモニウムイオンは同時に生成した水酸
化物イオンによりアンモニアに変換され、アンモニアス
トリッピング工程12でアンモニアガスとして気相中に
分離回収される。アンモニアを分離除去されたアルカリ
性溶液は電解透析工程13で電解液10として繰り返し
使用可能である。
【0057】表1に本実施の形態のプロセス、設備容量
およびアルカリの添加量を従来技術と比較して示す。こ
こでは、アンモニア濃度0.02Mの廃水を 0.001Mにする
と仮定し、廃水 100m3 /日の処理能力をもつ設備につ
いて比較する。従来技術の電気透析装置の濃縮水、極液
の発生量は10m3 /日である。また、本実施の形態の電
解透析装置のアルカリ性溶液の発生量は10m3 である。
【0058】
【表1】 従来技術では、電気透析装置を膜面積 1m2 、陽イオン
交換膜11枚、陰イオン交換膜数10枚、膜間距離0.75mm、
流速2.5 l/min 、電流密度1A/cm2 、電流効率 100
%の運転条件で20時間運転すると、 100m3 /日(アン
モニア濃度0.02M)の廃水をバッチ処理するためには 3
個の電気透析装置が必要となる。設備容量は電気透析装
置 0.045m3 、廃水タンク 100m3 、極液タンク10
3 、濃縮水タンク10m3 が必要になり、全体で 120.0
45m3 と約 120m3 必要になる。またアンモニアストリ
ッピング工程では10m3 の濃縮水を処理するため最低10
3 必要であるとすると、従来技術の設備容量として 1
30m3 必要である。また、通常運転中にアンモニアスト
リッピング工程に添加するアルカリの量は、アンモニウ
ムイオンをアンモニアに変換する水酸化物イオン量と10
3 の濃縮水をpH12にするための水酸化物イオン量
を加算した量であり、 2.1×103 mol となる。
【0059】本実施の形態では、電解透析装置の運転条
件を電気透析装置の運転条件と同じ、膜面積 1m2 、流
速2.5 l/min 、電流密度1A/cm2 、電流効率 100%
とし、槽電圧を同じにするため陽イオン交換膜 8枚、バ
イポーラ電極 7個、膜とバイポーラ電極間距離0.75mmで
運転すると仮定した。この電解透析装置を20時間運転す
るとすると、 100m3 /日(アンモニア濃度0.02M)の
廃水をバッチ処理するためには 4個の電解透析装置が必
要となる。設備容量は、電解透析装置0.06m3、廃水タ
ンク 100m3 、アルカリ性溶液タンク10m3 が必要にな
り、全体で110.06m3 と約 110m3 必要になる。またア
ンモニアストリッピング工程で10m3 必要であるため、
本発明の設備容量として 120m3 必要である。また、初
期に添加するアルカリは、電解透析装置で 1.0×102 mo
l となる。
【0060】従来技術および本実施の形態の設備容量を
比較すると、本実施の形態は従来技術の約90%になる。
そのため、単に設備容量をコストに換算すると約10%の
コストダウンが可能である。また、通常の運転において
アルカリの添加量を減らすことができるため、10%以上
のコストダウンが可能となる。
【0061】なお、上記実施の形態において、陰極1と
陽イオン交換膜3の間の供給する電解液10は、電解の
進行とともに水素ガスを発生してアルカリ性になる。そ
のため、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性溶液の他
に、硫酸ナトリウムなどのイオン成分を含んだ中性塩溶
液を使用することも可能である。
【0062】例えば、アンモニウムイオンなどの他にナ
トリウムイオンが共存している廃水を窒素分除去処理す
る場合、一度処理してアンモニウムイオンを除去した処
理水を電解液10として用いることができる。これによ
り、それ以降はアルカリ性溶液の供給を行うことなしに
電解透析を行うことができる。。
【0063】ところで、上記実施の形態では、廃水中に
アンモニウムイオンなどの陽イオンの形態で存在する窒
素分の他に、硝酸イオンなどの陰イオンの形態で存在す
る窒素分を含む場合には、硝酸イオン等の窒素分を気相
中に分離回収することができない。しかしながら、硝酸
イオンをデバルダ合金などの還元剤を用いてアンモニウ
ムイオンに変換した後、上記実施の形態のプロセスに従
って処理すれば廃水中から窒素分すべてを除去すること
ができる。
【0064】図3(a)は、本発明の第2の実施の形態
のプロセスを示すもので、図3(b)は比較のために従
来例のプロセスを示す。これらは、図2に示すプロセス
の前段に廃水7中の硝酸イオンを還元する還元工程15
を加えたものである。
【0065】この第2の実施の形態では、硝酸イオンお
よびアンモニウムイオンを含む廃水にデバルダ合金等の
還元剤を添加して還元工程15により廃水中の硝酸イオ
ンをアンモニウムイオンに変換した後、図1に示す電解
透析装置による電解透析工程13で廃水中のアンモニウ
ムイオンをアルカリ性溶液中に回収し、このアルカリ性
溶液中のアンモニウムイオンをアンモニアストリッピン
グ工程12でアンモニアガスとして気相中に回収する。
【0066】従来例としては、廃水に還元剤を添加して
還元工程15により廃水中の硝酸イオンをアンモニウム
イオンに変換した後、図11に示す電気透析装置による
電気透析工程11で廃水中のアンモニウムイオンを回収
し、アンモニアストリッピング工程12でアンモニアを
気相中に回収する方法を用いた。
【0067】表2に本実施の形態のプロセス、設備容
量、還元剤およびアルカリ等の添加剤の添加量を上記従
来例と比較して示す。ここで、処理する廃水量を 100m
3 /日とし、窒素分濃度0.02Mとし、 0.001Mまで除去
する。アンモニウムイオン、硝酸イオンの比率は 1: 1
とし、還元剤としてはデバルダ合金を用いた。
【0068】
【表2】 デバルダ合金は重量百分率で銅50、亜鉛 5、アルミニウ
ム45からなる合金で、以下に示す反応式
【化6】NO3 - +4Zn+7OH- →4ZnO2- 2
2H2 O+NH3
【化7】3NO3 - +8Al+5ΟH- +2H2 Ο→8
AlO2 - +3NΗ3 で、亜鉛およびアルミニウムが還元剤として作用する。
【0069】合金中の重量百分率が大きく、原子量の小
さいアルミニウムが硝酸の還元反応に使用されると仮定
すると、一日あたり 1×103 mol のアルミニウムが必要
になり、60kgのデバルダ合金が必要になる。
【0070】また、デバルダ合金はpH10以上で反応
させると反応が速く、廃水 100m3をpH10にするた
めにはアルカリを10mol 添加する必要がある。またその
廃水を中和して電気透析工程および電解透析工程に添加
するため、中和のための酸10mol 必要である。
【0071】以上のことより、還元工程では廃水量 100
3 /日を処理する設備容量としては最低 100m3 必要
であり、添加剤の添加量としてはデバルダ合金60kg、
酸、アルカリ10mol 必要になる。表1に示す設備容量に
還元工程での設備容量を加えると従来例の設備容量は 2
30m3 、本実施の形態の設備容量は 220m3 となる。従
来例と本実施の形態の設備容量を比較すると、本実施の
形態は従来例の約96%になる。そのため、単に設備容量
をコストに換算すると約 4%のコストダウンができる。
また、通常の運転においてアルカリの添加量を減らすこ
とが可能であるため、 4%以上のコストダウンができ
る。
【0072】なお、第1の実施の形態および第2の実施
の形態で廃水から分離し気相中に回収したアンモニア
は、廃ガス処理系において二酸化窒素などの窒素酸化物
と反応させて窒素ガスに変換したり、アンモニアを硫酸
または硝酸などの酸に吸収させて硫酸アンモニウム、硝
酸アンモニウムなどの肥料を生成することによって有効
利用することができる。
【0073】図4(a)に、第1の実施の形態において
回収したアンモニアを肥料にする場合のプロセスを示
し、図4(b)にこれに対応する従来例のプロセスを示
す。
【0074】図4において、本発明にかかるプロセス
は、廃水7から電解透析工程13でアンモニウムイオン
をアルカリ性溶液中に回収し、アンモニアストリッピン
グ工程12で気相中にアンモニアを回収した後、酸を添
加して肥料製造工程17でアンモニアを肥料に変換す
る。
【0075】これに対する従来例は、電気透析工程11
で廃水中のイオンを分離濃縮し、これにアルカリを添加
してアンモニアストリッピング工程12でアンモニアを
気相中に回収した後、酸を添加して肥料製造工程17で
アンモニアを肥料に変換する。
【0076】表3に、図4に示すプロセスの設備容量、
酸およびアルカリ添加量を示す。処理する廃水量は 100
3 /日とし、アンモニア濃度0.02Mとし、 0.001Mま
で除去する。
【0077】
【表3】 硫酸とアンモニアの反応は、次式
【化8】Η2 SO4 +2NH3 →(NΗ4 2 SO4 に示される。
【0078】アンモニアは 2×103 mol 必要であるか
ら、アンモニアと反応する酸濃度は 2×103 mol 必要で
ある。例えば、35%硫酸は9Nであるため 0.2m3 必要
であり、さらに水分を蒸発することを考えると、肥料製
造工程で 1m3 程度必要になると推測される。そのた
め、表1の設備容量に肥料製造工程の設備容量を加える
と、従来例の設備容量は 131m3 、本発明にかかるプロ
セスの設備容量は 121m3となる。従来例および本発明
にかかるプロセスの設備容量を比較すると本発明は従来
例の約92%になる。そのため、単に設備容量をコストに
換算すると約 8%のコストダウンができる。
【0079】また、火力発電所のように窒素酸化物を処
理する廃ガス処理機器が付帯している場合は、回収した
アンモニウムを窒素酸化物と反応させて、アンモニアを
窒素に変換することが可能である。
【0080】窒素酸化物とアンモニアの反応は、次式
【化9】4NO+4NH3 +O2 →4N2 +6Η2
【化10】NΟ+NΟ2 +2NH3 →2N2 +3Η2 Ο に示される。
【0081】この場合には、気相中に移行したアンモニ
アを廃ガス処理機器に導入するための配管を設置する必
要があるが、基本的に設備容量をほとんど 0m3 と考え
ることができる。そのため、図2に示す第1の実施の形
態のプロセスと同様に単に設備容量の比をコストに換算
すると、10%のコストダウンができる。また、従来廃ガ
ス処理機器に添加していたアンモニアの添加量を減らす
ことができるため、プラント全体のランニングコストを
低下することができる。
【0082】また、アンモニウムイオン、硝酸イオンを
含んだ廃水を図1に示す電解透析装置で処理する場合、
膜間距離が0.75mm程度であるため、比較的粒の大きな固
形分が存在すると、電解透析槽内で蓄積して電解が阻害
される。このため、例えば中空糸膜などのろ過装置を設
置することが好ましい。これにより、 1μm以下の粒子
を除去することができる。また、このろ過装置は、捕捉
された固形分が一定量に達した後、逆洗することによ
り、繰り返し使用することができる。
【0083】上記第1、第2の実施の形態において、図
1に示す電解透析装置で電解透析し廃水を処理すると、
アンモニウムイオンや硝酸イオンなどの窒素分を除去し
たアルカリ性溶液と酸性の処理水が発生する。これらを
中和して海洋に放出したり、イオン交換樹脂の再生に利
用することができれば、処理を要する廃液発生量を減少
させることができる。
【0084】図5(a)に、第1の実施の形態において
アンモニアを分離した後のアルカリ性溶液を中和する中
和工程19を加えたプロセスを示し、図5(b)にこれ
に対応する従来例のプロセスを示す。
【0085】図5において、本発明にかかるプロセスで
は、廃水7から電解透析工程13でアンモニウムイオン
をアルカリ性溶液中に回収した後、アンモニアストリッ
ピング工程12で気相中にアンモニアを移行させてアン
モニアを除去したアルカリ性溶液と、電解透析工程13
でアンモニアを除去されかつ電解透析中に酸性になった
処理水とを混合させて中和工程19により中和し、環境
に放出する。
【0086】従来例では、電気透析で廃水中のイオンを
分離濃縮し、アルカリを添加してアンモニアを気相中に
回収した後、アンモニアを除去した濃縮水を中和して環
境に放出すると仮定した。すなわち、廃水7から電気透
析工程11でアンモニウムイオンを濃縮水に回収しアル
カリを添加してアンモニアストリッピング工程12で気
相中にアンモニアを回収した後、アンモニアを除去した
濃縮水(アルカリ性)に酸を添加して中和工程19で中
和し、環境に放出する。
【0087】また、本発明で排出されるアルカリ性溶液
および酸性溶液は、中和して環境に放出する上記方法の
他に、イオン交換樹脂などの再生に利用することもでき
る。
【0088】次に、第2の実施の形態のような予め硝酸
イオンをアンモニウムイオンに還元して処理する方法以
外に、アンモニウムイオンなどの陽イオンの形態で存在
する窒素分のみならず硝酸イオンなどの陰イオンの形態
で存在する窒素分を含んだ廃水から窒素分を除去する方
法について説明する。
【0089】図6は、本発明の第3の実施の形態にかか
る電解透析装置の原理を示すもので、陰極1と陽極2の
間に陽イオン交換膜3および陰イオン交換膜4を配置す
る。そして、陰極1と陽イオン交換膜3の間にアルカリ
性溶液等の電解液10を供給し、陽イオン交換膜3と陰
イオン交換膜4の間にアンモニウムイオンおよび硝酸イ
オンを含んだ廃水7を供給し、陽極2と陰イオン交換膜
4の間に酸性溶液等の電解液21を供給して電解透析を
行い、陽イオンであるアンモニウムイオンはアルカリ性
溶液等の電解液10に、陰イオンである硝酸イオンは酸
性溶液等の電解液21に回収する。
【0090】アンモニウムイオンは、アルカリ性溶液中
で式[化1]の反応に示すようにアンモニアに変換さ
れ、気相中に回収される。
【0091】表4に、従来例と本実施の形態のプロセ
ス、設備容量、還元剤およびアルカリ等の添加剤の添加
量を示す。
【0092】なお、従来例では、図3(b)に示すよう
に、廃水に還元剤を添加して硝酸イオンをアンモニウム
イオンに還元した後、図11に示す電気透析装置で廃水
中のアンモニウムイオンを濃縮水中に回収し、アルカリ
を添加してアンモニアストリッピング工程でアンモニア
を気相中に回収する方法を採用した。
【0093】本実施の形態では、廃水中の硝酸イオンを
アンモニウムイオンに変換することなしに、廃水を図6
に示す電解透析装置による電解透析工程でアンモニウム
イオンおよび硝酸イオンを廃水からそれぞれの電解液に
回収し、アンモニアストリッピング工程でアンモニウム
イオンをアンモニアに変換し気相中に回収する方法を採
用した。
【0094】また、処理する廃水量は 100m3 /日と
し、窒素分濃度は0.02Mとし、 0.001Mまで除去する。
アンモニウムイオン、硝酸イオンの比率は 1: 1とし、
デバルダ合金の添加量は表2と同じ60kgとした。
【0095】
【表4】 本実施の形態の電解透析装置の運転条件は、膜面積 1m
2 、流速2.5 l/min、電流密度1A/cm2 、電流効率
100%とし、陽イオン交換膜 6枚、陰イオン交換膜 6
枚、バイポーラ電極 5個、膜とバイポーラ電極間距離0.
75mmで運転すると仮定した。この電気透析装置を20時間
運転すると、 100m3 /日(窒素濃度0.02M)の廃水を
バッチ処理するためには 3個の電解透析装置が必要とな
る。設備容量は、電解透析装置 0.045m3 、廃水タンク
100m3 、アルカリ性溶液タンク10m3 、酸性溶液タン
ク10m3 が必要になり、全体で 120.045m3 と約 120m
3 必要になる。またアンモニアストリッピング工程で10
3 必要であるため、本発明の設備容量として 130m3
必要である。また、初期に供給する酸性およびアルカリ
性溶液の濃度を0.01Mとすると10m3 の溶液中にはそれ
ぞれ 1×102 mol の酸およびアルカリが必要となる。
【0096】従来例は、表2の場合と同じとすれば、そ
の設備容量は 230m3 となり、本実施の形態の設備容量
は 130m3 となる。従来例および本実施の形態の設備容
量を比較すると、本実施の形態は従来例の約57%にな
る。そのため、単に設備容量をコストに換算すると約43
%のコストダウンができる。また、通常の運転において
還元剤およびアルカリの添加量を減らすことができるた
め、43%以上のコストダウンが可能である。
【0097】なお、第3の実施の形態において、図6に
示す陰極1と陽イオン交換膜3の間の供給する電解液1
0および陽極2と陰イオン交換膜4の間に供給する電解
液21は、電解の進行とともに水素ガスおよび酸素ガス
を発生してアルカリ性および酸性になる。そのため、ア
ルカリ性溶液および酸性溶液の他に、イオン成分を含ん
だ硫酸ナトリウムなどの中性溶液を供給することもでき
る。
【0098】例えば、アンモニウムイオン、硝酸イオン
などの他に硫酸イオン、ナトリウムイオンが共存してい
る廃水を処理する場合、一度処理して窒素分を除去した
処理水を電解液10、21として用いることができる。
これにより、それ以降はアルカリ性溶液および酸性溶液
の供給を行うことなしに電解透析を行うことができる。
【0099】また、第3の実施の形態によって廃水から
アンモニウムイオンおよび硝酸イオンを回収する場合、
回収したアンモニウムイオンおよび硝酸イオンをそれぞ
れアンモニア、窒素酸化物に変換し、生成されたアンモ
ニアと窒素酸化物を反応させて窒素ガスにして無害化す
ることができる。また、この方法の他に、アンモニアと
硝酸イオンを反応させて硝酸アンモニウムなどの肥料を
製造することによって、酸などの添加剤を添加すること
なしに容易に回収した窒素分を有効利用することができ
る。
【0100】硝酸イオンを窒素酸化物に変換する方法と
しては、硝酸イオンを含む溶液を加熱する方法がある。
例えば、硝酸に硫酸を混合して加熱すると、硝酸は硫酸
の酸化力のために窒素酸化物を生成する。硝酸は沸点83
℃、硫酸は沸点 290℃であるため硫酸の気相への移行は
なく、硝酸は窒素酸化物となる。
【0101】式[化9]、[化10]によれば、反応さ
せる窒素酸化物とアンモニアの比率は 1: 1であるた
め、廃水中の硝酸イオンおよびアンモニウムイオンの比
が 1:1でなければ、窒素酸化物またはアンモニアを添
加する必要がある。
【0102】表5に、第3の実施の形態において回収し
たアンモニウムイオンおよび硝酸イオンをそれぞれアン
モニア、窒素酸化物に変換し、生成されたアンモニアと
窒素酸化物を反応させて窒素ガスにして無害化する方法
を採用した本発明にかかるプロセスの設備容量、酸およ
びアルカリ添加量を従来例と比較して示す。処理する廃
水量は 100m3 /日とし、窒素分濃度は0.02Mとし、
0.001Mまで除去する。アンモニウムイオン、硝酸イオ
ンの比率は 1: 1とした。
【0103】
【表5】 従来例では、表2に示す工程に、アンモニアと窒素酸化
物を反応させ窒素ガスに変換する廃ガス処理工程を付加
し、廃ガス処理工程の設備容量を 100m3 とし、添加す
る窒素酸化物は 2×103 mol とした。
【0104】本発明にかかるプロセスでは、表4に示す
第3の実施の形態の工程に硝酸イオンを窒素酸化物に転
換する窒素酸化物転換工程およびアンモニアと窒素酸化
物を反応させる廃ガス処理工程を付加し、窒素酸化物転
換工程の設備容量を10m3 、廃ガス処理工程の設備容量
を 100m3 とした。
【0105】したがって、本発明にかかる上記プロセス
の設備容量は 240m3 であり、これに対する従来例のプ
ロセスの設備容量は 330m3 となる。従来例および本発
明の設備容量を比較すると本発明は従来例の75%にな
る。そのため、単に設備容量をコストに換算すると約25
%のコストダウンができる。また、本発明にかかる上記
方法では、酸、アルカリ、還元剤等の添加剤の添加量を
大幅に減少することができるため、25%以上のコストダ
ウンが可能となる。
【0106】また、アンモニウムイオン、硝酸イオンを
含んだ廃水を図6に示す電解透析装置で処理する場合、
膜間距離が0.75mm程度であるため、比較的粒の大きな固
形分が存在すると、電解透析槽内で蓄積して電解が阻害
される。このため、例えば中空糸膜などのろ過装置を設
置することが好ましい。これにより、廃水中の 1μm以
下の粒子を除去することができる。また、このろ過装置
は、捕捉された固形分が一定量に達した後、逆洗するこ
とにより、繰り返し使用することができる。
【0107】図6に示す電解透析装置で電解透析し廃水
を処理すると、アンモニウムイオンや硝酸イオンなどの
窒素分を除去したアルカリ性溶液と酸性溶液が発生す
る。これらは中和して海洋に放出したり、イオン交換樹
脂の再生に利用することができれば、処理を要する廃液
の発生量を減少させることができる。
【0108】図7は、本発明の第4の実施の形態にかか
る電解透析装置の原理を示すもので、第3の実施の形態
と同様にアンモニウムイオンなどの陽イオンの形態で存
在する窒素分の他に、硝酸イオンなどの陰イオンの形態
で存在する窒素分を含んだ廃水を処理する場合に適用さ
れる。
【0109】図7において、陰極1と陽極2の間に陽イ
オン交換膜3が配置され、陰極1と陽イオン交換膜3の
間にアンモニウムイオンおよび硝酸イオンを含んだ廃水
7が供給され、陽極2と陽イオン交換膜3の間に酸性溶
液等の電解液21が供給される。
【0110】この構成において、陰極1および陽極2に
電圧を印加すると、陰極1側で水素ガスが、陽極2側で
酸素ガスがそれぞれ発生し、水素イオンが陽イオン交換
膜3を介して廃水7中に移行する。同時に廃水7中に存
在する硝酸イオンはアンモニウムイオンに還元され、つ
いで廃水中のアンモニウムイオンは、廃水が水素ガス発
生のために電解の進行とともに水酸化物イオンが増加し
てアルカリ性となるため、アンモニアに変換され気相中
に回収される。
【0111】図8(a)に、第4の実施の形態のプロセ
スを示し、図8(b)にこれに対する従来例のプロセス
を示す。従来例は、図3(b)に示す方法を用い、廃水
7に還元剤を添加して還元工程15により廃水7中の硝
酸イオンをアンモニウムイオンに変換した後、図11に
示す電気透析装置により電気透析工程11で廃水中のア
ンモニウムイオンを濃縮水6側に回収し、アルカリを添
加してアンモニアストリッピング工程12でアンモニア
を気相中に回収する。
【0112】第4の実施の形態では、図7に示す電解透
析装置により電解透析工程23で、廃水7中の硝酸イオ
ンをアンモニウムイオンに変換した後、廃水中のアンモ
ニウムイオンをアンモニアストリッピング工程12でア
ンモニアを回収する。
【0113】表6に、硝酸イオンをアンモニアに変換す
る電解時間の経時変化を示す。硝酸イオン濃度0.02M
(全量アンモニウムイオンに変換すると400ppm)、溶液
量 100cm3 、電流密度1A/cm2 とし、陰極、陽極、イ
オン交換膜の面積は 7cm2 とした。
【0114】
【表6】 その結果、時間の経過とともにアンモニウムイオンへの
転換率が増加する傾向がある。本実験結果より、廃水中
に硝酸イオンが含まれている場合、電解によりアンモニ
ウムイオンに変換できることがわかる。
【0115】表7に第4の実施の形態のプロセス、設備
容量、還元剤、酸、アルカリ等の添加剤の添加量を従来
例と比較して示す。処理する廃水量は 100m3 /日と
し、窒素分濃度は0.02Mとし、 0.001Mまで除去する。
また、廃水中のアンモニウムイオン、硝酸イオンの比率
は 1: 1とした。
【0116】
【表7】 従来例の設備容量は、表2より 230m3 となる。本実施
の形態では、第1の実施の形態と同じ大きさの電解透析
装置を用いることができるため、電解透析装置110
3 、アンモニアストリッピング工程10m3 で全体とし
て 120m3 になる。従来例および本実施の形態の設備容
量を比較すると、本実施の形態は従来例の約52%にな
る。そのため、単に設備容量をコストに換算すると、約
48%のコストダウンが可能となる。また、通常の運転に
おいてアルカリおよび還元剤などの添加量を減らすこと
ができるため、48%以上のコストダウンが可能である。
【0117】なお、本実施の形態において、図7に示す
電解透析装置内の陽極2と陽イオン交換膜3の間に供給
する硫酸などの酸性溶液からなる電解液21は、電解の
進行とともに酸素ガスが発生して酸性になる。そのた
め、硫酸などの酸性溶液の他に水酸化ナトリウムなどの
アルカリ性溶液および硫酸ナトリウムなどの中性塩溶液
を使用することもできる。
【0118】例えば、アンモニウムイオンおよび硝酸イ
オンの他にナトリウムイオンが共存している廃水を処理
する場合、一度処理した廃水を電解液21として用いれ
ば、酸性溶液の供給を行うことなしに、図7に示すよう
な電解透析装置にて電解透析を行うことができる。
【0119】また、第4の実施の形態に示す方法で廃水
中の窒素分をアンモニアとして気相中に回収した後、こ
のアンモニアを廃ガス処理系において二酸化窒素などの
窒素酸化物と反応させて窒素ガスに変換したり、硫酸ま
たは硝酸などの酸に吸収させて硫酸アンモニウム、硝酸
アンモニウムなどの肥料を生成することにより、廃水中
から分離除去されたアンモニアを有効利用することがで
きる。
【0120】また、アンモニウムイオン、硝酸イオンを
含んだ廃水を図7に示す電解透析装置で処理する場合、
膜間距離が0.75mm程度であるため、比較的粒の大きな固
形分が存在すると電解透析槽内で蓄積して電解が阻害さ
れる。このため、例えば中空糸膜などのろ過装置を設置
することが好ましい。これにより、 1μm以下の粒子を
除去できる。さらに、このろ過装置は、捕捉された固形
分が一定量に達した後、逆洗することにより、繰り返し
使用することができる。
【0121】図7に示す電解透析装置で電解透析し廃水
を処理すると、アンモニウムイオンや硝酸イオンなどの
窒素分を除去したアルカリ性の処理水と酸性溶液が発生
する。これらを中和して海洋に放出したり、イオン交換
樹脂の再生に利用することができれば、処理を要する廃
液発生量を減少させることができる。
【0122】上記各実施の形態により廃水から回収した
アンモニアを窒素酸化物と反応させて窒素ガスにして無
害化する場合には、高温下触媒の存在下で式[化9]、
[化10]の反応を起こさせる必要がある。しかしなが
ら、火力発電所などのように廃ガス処理装置が存在しな
いプラントでは、より容易にアンモニアを窒素ガスに変
換できる方法が望まれる。
【0123】図9は、溶液中のアンモニアを窒素ガスに
変換する電解装置の原理を示すもので、陰極1と陽極2
を隔膜25を介して対峙させた電解槽に、アンモニウム
イオンを含むアルカリ性溶液27を供給し、電圧を印加
して陽極2でアンモニアを窒素ガスに変換し、陰極1で
水素ガスを発生する。
【0124】窒素ガスと水素ガスはセルロース膜などの
隔膜25により仕切られているため、窒素ガスと水素ガ
スは別々に回収することができる。窒素ガスはそのまま
環境に放出し、水素ガスは燃焼させて水にし環境に放出
することができる。
【0125】T.Katanら(J.Electrochem.Soc.,No6.1022
(1963))によれば、白金(black)の陽極およびニッケル
の陰極を用い、 6.9Mの水酸化カリウム溶液中でアンモ
ニア3Mを電解した結果、電流効率 100%でアンモニア
を窒素ガスに変換することができたと報告している。陰
極および陽極での反応は次式
【化11】6H2 Ο+6e- →3Η2 ↑+6ΟH-
【化12】2NH3 →N2 ↑+6H+ +6e- で表される。
【0126】図10に、第1の実施の形態で廃水から回
収したアンモニアを、図9に示す電解装置で窒素ガスに
変換するプロセスを示す。
【0127】このプロセスでは、アンモニウムイオンを
含む廃水7を図1に示す電解透析装置により処理し、電
解透析工程13でアンモニウムイオンを回収したアルカ
リ性溶液27と処理水に分離する。ついで、アンモニウ
ムイオンを含むアルカリ性溶液27を図9に示す電解装
置に供給し、窒素ガス転換工程29で窒素ガスとアルカ
リ性溶液に分離する。窒素ガスを発生した後のアルカリ
性溶液は、電解透析工程13で再利用することができ
る。
【0128】この方法を用いれば、廃ガス処理装置で窒
素ガスに変換することなく容易にアンモニアを無害な窒
素ガスに転換することができる。
【0129】
【発明の効果】上記説明からも明らかなように、本発明
によれば次の効果がある。
【0130】(1)電解透析しながら自らアルカリを生
成して、アンモニウムイオンをアンモニアに変換しアン
モニアを気相中へ回収することができるため、アルカリ
の添加剤を大幅に削減することができる。
【0131】(2)アンモニウムイオン以外に硝酸イオ
ンなどの陰イオンの形態で存在する窒素分を含んだ廃水
についても、容易に廃水から窒素分を分離し回収するこ
とができる。
【0132】(3)硝酸イオンなどの陰イオンの形態で
存在する窒素分を含んだ廃水について、還元剤を添加す
ることなく、廃水から直接窒素分を分離除去することが
できる。
【0133】(4)電解透析工程から排出される酸性溶
液およびアルカリ性溶液は、混合することにより容易に
中和して放出することができ、処理を要する廃液発生量
を低減することができる。
【0134】(5)また、電解透析工程から排出される
酸性溶液およびアルカリ性溶液は、イオン交換樹脂再生
などに有効利用することができ、処理を要する廃液発生
量を低減することができる。
【0135】(6)回収したアンモニアを直接窒素ガス
などに変換して無害化がすることができる。
【0136】(7)廃水中のイオンを分離濃縮し、アル
カリを添加してアンモニウムイオンをアンモニアとして
回収する従来の方法に比べて、設備容量を減少すること
ができ、大幅なコストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる電解透析装
置の原理を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のプロセスを従来例
と比較して示す。
【図3】本発明の硝酸イオンをアンモニウムイオンに還
元する第2の実施の形態のプロセスを従来例と比較して
示す。
【図4】還元剤を用いて硝酸イオンをアンモニウムイオ
ンに還元した後アンモニアを回収する従来例および本発
明のブロック図を示す。
【図5】回収したアンモニアを肥料に転換する工程が組
み込まれた本発明にかかるプロセスを従来例と比較して
示す。
【図6】本発明の第3の実施の形態にかかる電解透析装
置の原理を示す
【図7】本発明の第4の実施の形態にかかる電解透析装
置の原理を示す。
【図8】本発明の第4の実施の形態のプロセスとこれに
対する従来例のプロセスを示す。
【図9】アンモニアを窒素ガスに変換する電解装置の原
理を示す図である。
【図10】回収したアンモニアを窒素ガスに変換する電
解装置の原理を示す図である。
【図11】従来例の電気透析装置の構成を概略的に示す
図である。
【符号の説明】
1………陰極 2………陽極 3………陽イオン交換膜 4………陰イオン交換膜 7………廃水 10、21………電解液 11………電気透析工程 12………アンモニアストリッピング工程 13、23………電解透析工程 15………還元工程 17………肥料製造工程 19………中和工程 25………隔膜 27………アルカリ性溶液 29………窒素ガス転換工程

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を配置
    した電解透析装置を用い、この電解透析装置内の前記陽
    極と前記陽イオン交換膜の間に窒素分を陽イオンの形態
    で含む廃水を供給し、前記陰極と前記陽イオン交換膜の
    間に電解液を供給して電解透析を行い、前記廃水中の陽
    イオンの形態で存在する窒素分を前記陽イオン交換膜を
    介して前記電解液中に移行させることを特徴とする廃水
    からの窒素分除去方法。
  2. 【請求項2】 前記電解液中に移行させたアンモニウム
    イオンを当該電解液中の水酸化物イオンによりアンモニ
    アに変換して気相中に回収することを特徴とする請求項
    1記載の廃水からの窒素分除去方法。
  3. 【請求項3】 あらかじめ窒素分を陰イオンの形態で含
    む廃水を還元処理して、陰イオンの形態で存在する窒素
    分をアンモニウムイオンに変換することを特徴とする請
    求項1または2記載の廃水からの窒素分除去方法。
  4. 【請求項4】 陰極と陽極の間に陰極側に陽イオン交換
    膜および陽極側に陰イオン交換膜を配置した電解透析装
    置を用い、この電解透析装置内の前記陰極と前記陽イオ
    ン交換膜の間および前記陽極と前記陰イオン交換膜の間
    にそれぞれ電解液を供給し、前記陽イオン交換膜と前記
    陰イオン交換膜の間に窒素分をイオンの形態で含む廃水
    を供給して電解透析を行い、前記廃水中の陽イオンの形
    態で存在する窒素分を前記陽イオン交換膜を介して前記
    陰極側の電解液中に移行させ、陰イオンの形態で存在す
    る窒素分を前記陰イオン交換膜を介して前記陽極側の電
    解液中に移行させることを特徴とする廃水からの窒素分
    除去方法。
  5. 【請求項5】 前記陰極側の電解液中に移行させたアン
    モニウムイオンを当該電解液中の水酸化物イオンにより
    アンモニアに変換して気相中に回収することを特徴とす
    る請求項4記載の廃水からの窒素分除去方法。
  6. 【請求項6】 前記陽極側の電解液中に移行させた陰イ
    オンの形態で存在する窒素分を窒素酸化物にして回収
    し、この窒素酸化物と前記陰極側の電解液から回収した
    アンモニアを反応させて窒素ガスに変換することを特徴
    とする請求項5記載の廃水からの窒素分除去方法。
  7. 【請求項7】 前記陽極と前記陰イオン交換膜の間に供
    給する電解液として酸性水溶液を使用することを特徴と
    する請求項4ないし6のいずれか1項に記載の廃水から
    の窒素分除去方法。
  8. 【請求項8】 前記陰極と前記陽イオン交換膜の間に供
    給する電解液としてアルカリ性水溶液を使用することを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の廃
    水からの窒素分除去方法。
  9. 【請求項9】 陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を配置
    した電解透析装置を用い、この電解透析装置内の前記陽
    極と前記陽イオン交換膜の間に電解液を供給し、前記陰
    極と前記陽イオン交換膜の間に窒素分をイオンの形態で
    含む廃水を供給して電解透析を行い、この廃水中の陰イ
    オンの形態で存在する窒素分をアンモニウムイオンに変
    換し、さらに当該廃水中の水酸化物イオンによりアンモ
    ニウムイオンをアンモニアに変換して気相中に回収する
    ことを特徴とする廃水からの窒素分除去方法。
  10. 【請求項10】 陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を配
    置した電解透析装置を用い、この電解透析装置内の前記
    陽極と前記陽イオン交換膜の間に電解液を供給し、前記
    陰極と前記陽イオン交換膜の間に窒素分をイオンの形態
    で含む廃水を供給して電解透析を行い、この廃水中の陰
    イオンの形態で存在する窒素分をアンモニウムイオンに
    変換した後、前記廃水を陰極と陽極の間に隔膜を配置し
    た電解装置に供給し、アンモニウムイオンを電解処理に
    より窒素ガスに変換することを特徴とする廃水からの窒
    素分除去方法。
  11. 【請求項11】 前記陽極と前記陽イオン交換膜の間に
    供給する電解液として酸性水溶液を使用することを特徴
    とする請求項9または10記載の廃水からの窒素分除去
    方法。
  12. 【請求項12】 前記電解透析装置に供給する前に、前
    記廃水をろ過処理して固形分を除去することを特徴とす
    る請求項1ないし11のいずれか1項に記載の廃水から
    の窒素分除去方法。
  13. 【請求項13】 回収したアンモニアを窒素酸化物と反
    応させて窒素ガスに変換することを特徴とする請求項
    2、5、9のいずれか1項に記載の廃水からの窒素分除
    去方法。
  14. 【請求項14】 回収したアンモニアを酸に吸収させて
    肥料となるアンモニウム化合物を生成することを特徴と
    する請求項2、5、9のいずれか1項に記載の廃水から
    の窒素分除去方法。
  15. 【請求項15】 電解透析後に排出される、アンモニウ
    ムイオンを除去された前記陰極側のアルカリ性溶液およ
    び窒素分のない前記陽極側の酸性溶液は、混合して中和
    した後放出することを特徴とする請求項2、6、9のい
    ずれか1項に記載の廃水からの窒素分除去方法。
  16. 【請求項16】 電解透析後に排出されるアンモニウム
    イオンを除去された前記陰極側のアルカリ性溶液をイオ
    ン交換樹脂の再生に再利用することを特徴とする請求項
    2、5、9のいずれか1項に記載の廃水からの窒素分除
    去方法。
  17. 【請求項17】 電解透析後に排出される窒素分のない
    前記陽極側の酸性溶液をイオン交換樹脂の再生に再利用
    することを特徴とする請求項1、2、3、6、9、1
    0、11のいずれか1項に記載の廃水からの窒素分除去
    方法。
  18. 【請求項18】 廃水を電解透析処理した後、陽イオン
    の形態で存在する窒素分を収集した前記電解液を陰極と
    陽極の間に隔膜を配置した電解装置に供給し、電解処理
    により前記電解液中の窒素分を窒素ガスに変換すること
    を特徴とする請求項1または4記載の廃水からの窒素分
    除去方法。
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