JPH0780253A - 電気透析精製法 - Google Patents

電気透析精製法

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JPH0780253A
JPH0780253A JP25108693A JP25108693A JPH0780253A JP H0780253 A JPH0780253 A JP H0780253A JP 25108693 A JP25108693 A JP 25108693A JP 25108693 A JP25108693 A JP 25108693A JP H0780253 A JPH0780253 A JP H0780253A
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JP
Japan
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chamber
acid
catholyte
polyvalent metal
electrodialysis
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Application number
JP25108693A
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English (en)
Inventor
Shinji Katayama
眞二 片山
Takemichi Kishi
剛陸 岸
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ThyssenKrupp Uhde Chlorine Engineers Japan Ltd
Original Assignee
Chlorine Engineers Corp Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/469Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrochemical separation, e.g. by electro-osmosis, electrodialysis, electrophoresis
    • C02F1/4693Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrochemical separation, e.g. by electro-osmosis, electrodialysis, electrophoresis electrodialysis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/36Regeneration of waste pickling liquors

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 酸洗浄廃液等の多価金属イオン及び/または
多価金属酸イオンを含有する水溶液を、連続的に安定し
て円滑に効率よく電気透析精製する。 【構成】 陽イオン交換膜7により隔離される、陽極室
2及び陰極室8からなる2室法単位電解槽を用いた電気
透析装置において、(a) 陽極室に陽極液として多価金属
イオン及び/または多価金属酸イオンを含有する水溶液
を供給し、(b) 陰極室に陰極液として無機塩及びpH緩
衝剤を含有する水溶液を供給して通電することにより陽
極液中の多価金属を減少除去することを特徴とする電気
透析精製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多価金属金属イオンま
たは多価金属酸イオンを含有する水溶液を電気透析精製
処理する方法に関し、特に、金属類を酸洗浄する際に発
生する多価金属イオンを含有する酸洗浄廃液より当該金
属イオンを電気透析により除去減少して酸洗浄液を回収
する電気透析精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼、ステンレス、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、カドミウム、錫、アンチモン、ビスマス等の金属
を酸洗浄した場合、金属イオンを含有する酸洗浄廃液が
副生する。従来、これらの酸洗浄廃液は、主にアルカリ
で中和するアルカリ中和法で処理後廃棄されていた。ア
ルカリ中和法は、洗浄用の酸と中和用のアルカリの原
単位が悪く経済的でないこと、酸として硫酸やフッ酸
を使用した場合は石膏やフッ化カルシウム等のスラッジ
が大量に副生すること、酸として硝酸やリン酸を使用
した場合は廃水に大量の窒素やリンが混入すること、
酸液入れ替えによるライン停止に起因する生産性が低下
すること、及び、中和作業という2次処理による人手
が必要となる等の問題があった。そのため、このアルカ
リ中和法に代わる方法も提案されている。例えば、特公
平2−45489号公報で提案される電気透析法があ
る。この方法は、多価金属イオンを含有する酸水溶液を
陽極液とし、無機の炭酸塩、炭酸水素塩もしくは水酸化
物またはそれらの混合物を陰極液とし、陽極液と陰極液
を陽イオン交換膜で隔離し電気透析する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記提案の電気透析法
は、酸洗浄廃液等の被処理水溶液を循環させて処理でき
操作上は簡便であり、工業性に優れるものである。しか
しながら、発明者らによれば、陰極液の電気伝導度が低
いため、電解時に高電圧が必要となり、また陰極液のp
H値範囲が8〜12とアルカリ側に偏りイオン交換膜に
金属水酸化物が付着し易い等の問題があることが知見さ
れた。従って、この方法では電力原単位が悪く、定期的
なイオン交換膜洗浄が必要となる。発明者らは、上記問
題点を解消し、酸洗浄廃液等の多価金属イオン等を含有
する水溶液を、連続的に安定して電気透析して精製処理
することができる更に工業上有用な電気透析精製技術の
開発を目的として鋭意検討を重ね、その結果、本発明を
完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、陽イオ
ン交換膜により隔離される陽極室と陰極室とからなる2
室法単位電解槽を用いた電気透析装置において、(a) 陽
極室に陽極液として多価金属イオン及び/または多価金
属酸イオンを含有する水溶液を供給し、(b) 陰極室に陰
極液として無機塩及びpH緩衝剤を含有する水溶液を供
給して通電することにより陽極液中の多価金属を減少除
去することを特徴とする電気透析精製法が提供される。
【0005】更に、本発明は2枚の陽イオン交換膜によ
りそれぞれ隔離される陽極室、中間室及び陰極室からな
る3室法単位電解槽を用いた電気透析装置において、
(a) 陽極室に陽極液として硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、
塩素酸、過塩素酸の1または2以上を含有する水溶液を
供給し、(b) 中間室に多価金属イオン及び/または多価
金属酸イオンを含有する水溶液を供給し、(c) 陰極室に
陰極液として無機塩及びpH緩衝剤を含有する水溶液を
供給して通電することにより中間室に供給する水溶液中
の多価金属を減少除去することを特徴とする電気透析精
製法を提供する。
【0006】
【作用】本発明は、上記のように構成され、所定の無機
塩及びpH緩衝剤を含有する水溶液が供給される陰極室
に隣接し且つ陽イオン交換膜により隔離される陽極室ま
たは中間室に、多価金属イオン及び/または多価金属酸
イオンをを含有する水溶液を供給して通電するため、常
に所定のpH値に保持でき、各電極及び中間室を隔離す
る陽イオン交換膜に多価金属化合物等の析出付着もな
く、電解が連続的に円滑に促進される。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の電気透析は、陽極室及び陰極室とから構成される
いわゆる2室法、または中間室を配設する3室法のいず
れも好適に適用でき、各電極室及び中間室は、それぞれ
陽イオン交換膜で隔離される。2室法では、電解精製処
理する多価金属イオン及び/または多価金属酸イオン
(以下、単に多価金属イオン等とする)を含有する酸水
溶液を陽極室に供給し、陰極室には無機塩とpH緩衝剤
の混合水溶液を供給する。また、3室法では、陽極室に
は、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、塩素酸、過塩素酸等の
無機酸を供給し、電解精製処理する多価金属イオン等を
含有する酸水溶液を中間室に供給し、陰極室には、2室
法と同様に無機塩とpH緩衝剤の混合水溶液を供給す
る。2室法と3室法の適用は、特に限定されるものでな
く、電解電力原単位、陽極寿命、電解精製処理する酸洗
浄廃液等の回収酸組成等被精製液の組成や含有成分等に
より適宜選択することができる。
【0008】本発明の電気透析において、精製処理する
多価金属イオン等含有水溶液としては、一般に、(1) 溶
解多価陽イオンが混在して汚染された電気めっき型酸の
水溶液、(2) 多価金属を含む酸の陰イオンと陽イオンと
からなる塩の水溶液、(3) 硫黄、リン、ハロゲンまたは
炭素を含む酸の陰イオンと多価金属陽イオンとからなる
塩の水溶液または(4) これらの混合物を挙げることがで
きる。特に、本発明においては、鋼板等金属の酸洗浄廃
液を好適に適用することができる。
【0009】本発明の陰極液としては、アルカリ金属、
アルカリ土類金属の水酸化物、硫酸塩、塩化物、硝酸
塩、塩素酸塩、過塩素酸塩の1または2以上を含有する
水溶液が使用できる。また、使用する無機塩の種類は、
経済性、多価金属種、陽極液または中間室液の陰イオン
種等を考慮して適宜選択することができる。好ましく
は、無機塩の陰イオン種と、陽極液または中間室液の陰
イオン種とが同一とするのがよい。本発明の陰極液中の
無機塩は、電気伝導度を上げ、電解中の電圧を低下させ
ることができる。陰極液に含有させる無機塩の濃度は、
特に制限されるものでなく、濃度が大きくなる程、電気
伝導度が低下するため望ましい。しかし、飽和溶液で
は、析出等のおそれがあり、通常、飽和溶解度未満の濃
度とする。
【0010】本発明の陰極液には、上記無機塩の他、p
H緩衝剤を含有させる。pH緩衝剤としては、(1) アル
カリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニアの亜硫酸
塩類または亜硫酸水素塩類、(2) アンモニアの水酸化
物、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、塩素酸塩または過塩素酸
塩のアンモニア無機化合物、(3) リン酸、ホウ酸、酢
酸、クエン酸、フタル酸、酒石酸、乳酸、ジエチルバビ
ルツル酸またはジメチルグリシンの酸類、(4) 2,4,
6−トリメチルピリジン、トリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン、2−アミノメチル1,3−プロパンジオ
ール、エチルモルホリン、フェニルヒドラジン、アニリ
ン、ピリジン、キノリン、ヘキサミンまたは尿素の有機
アミン系化合物のなかから1または2以上を適宜選択し
て用いることができる。本発明の上記pH緩衝剤は、陰
極液のpH値を、陽極液または中間室液からの多価金属
の水酸化物生成に適した範囲に維持し、電解透析を連続
して安定化することができる。即ち、陰極室内の陽イオ
ン交換膜近辺の陰極液は、一般に、陽極室または中間室
からの水素イオン(H+ )が拡散するため、pHが低下
する傾向にある。一方、陰極では水素ガスが発生し、そ
れに伴い水酸化イオン(OH- )が生成するため、陰極
周辺の陰極液のpHは上がる傾向にある。本発明におい
ては、陰極液に上記pH緩衝剤を含有させることによ
り、陽イオン交換膜の陰極室側のpHを多価金属イオン
等が水酸化物として析出しない酸性度に保ち、同時に、
陰極付近の陰極液のpHを多価金属イオン等が水酸化物
として析出する値以上に保つことができる。
【0011】本発明のpH緩衝剤の種類及び添加量は、
多価金属イオン種、多価金属イオン濃度、電解条件、経
済性等により適宜選択する。通常、陽極液または中間室
液の酸濃度が高い場合は、陽イオン交換膜付近は酸性側
に傾くので、陰極液のpH値がやや高くても陽イオン交
換膜に多価金属イオン等が水酸化物として析出すること
は少ない。また、多価金属イオン等が、アルミニウムや
亜鉛のような両性イオンである場合は、陰極液のpH値
を厳密に調整制御し、低めに設定するのが好ましい。陰
極液のpHを下げたい場合は酸型のpH緩衝剤を添加
し、陰極液のpHを上げたい場合は無機水酸化物または
有機アミン系化合物等から選択してpH緩衝剤を添加す
るのがよい。本発明において、pH緩衝剤により調整さ
れる陰極液の好ましいpH値は、多価金属イオン種、多
価金属イオン濃度、電解条件等により異なり、各適用条
件に応じ適宜選択して調整することができる。通常、p
H値3〜13の範囲で調整される。例えば、鋼板等金属
の酸洗浄廃液の処理では、pH値を7〜9に調整するの
が好ましい。
【0012】本発明の各電極室及び中間室を隔離する陽
イオン交換膜としては、市販されているハイドロカーボ
ン系やパーフルオロカーボン系のイオン交換膜が使用で
きる。但し、酸性の条件下で使用するため、官能基とし
てカルボン酸を有する膜は使用できない。また、陽極液
及び中間室液と接する陽イオン交換膜は耐酸化性が必要
であり、パーフルオロ系のスルホン酸膜を使用すること
が好ましい。本発明の電気透析装置は、その使用する電
気透析槽の型式等は特に制限されるものでない。いわゆ
るフィルタープレス型、ボックス型、タンク型のいずれ
も使用できる。また、電極の接続方式としては、単極式
及び複極式のいずれも採用できる。更に、本発明の陽極
を構成する材質は、電解条件で劣化しない耐久性の高い
ものが好ましく、黒鉛、チタンまたはタンタル金属上に
白金や白金イリジウム合金をコーティングしたもの、チ
タン金属上に二酸化鉛をコーティングしたもの等が使用
できる。また陰極用材質は、陽極と同様に電解条件で劣
化しない耐久性の高いものが好ましく、ステンレス、ニ
ッケル、鉄鋼上をニッケルメッキしたもの、黒鉛、チタ
ン金属上に白金をコーティングしたもの等が使用でき
る。
【0013】本発明の電気透析精製において、電気透析
条件は、特に、制限されるものでなく、一般に、電流密
度1〜100A/dm2 、電解液温度10〜100℃の範囲
で、電解効率のよい条件を適宜選択することができる。
本発明において、陽極液、中間室液及び陰極液は、いず
れもポンプで各々陽極室、中間室及び陰極室に供給す
る。供給と同時に、各電極液及び中間室液の一部を抜出
し循環路を形成させ、連続的な電気透析精製を行うこと
ができる。連続的操作において、各循環路へは所定の電
極液、中間液または含有イオン成分等を補給すると共
に、陰極液循環路からは析出した多価金属水酸化物を除
去し、多価金属成分を含有する液が供給される陽極液ま
たは中間室液の循環路からは一部系外に流出させ、所定
の酸液等に再使用することができる。即ち、2室法の場
合は陽極室で、3室法の場合は中間室で、多価金属陽イ
オンが水素イオンに変換され酸が生成するので、陽極液
または中間液を抜出し、金属の酸洗浄処理工程に回収再
使用することができる。また、陰極液からの多価金属水
酸化物の除去は、濾過装置等を用いて行うことができ、
単位時間当たり陰極液内で生成するのと同量の水酸化物
を系外に排出するのが好ましい。濾過方法は特に限定さ
れず、ベルトフィルター、フィルタープレス、プリコー
トフィルター等が使用できる。なお、電気透析操作をバ
ッチ方式で実施する場合、多価金属水酸化物の排出は間
歇的に実施することができる。
【0014】陽極液または中間室液に含有される多価金
属陽イオンの水素イオンへの変換率は、電力原単位等の
電解性能、酸回収設備費等の適用電気透析精製装置等各
種操作条件等を考慮し最適なものを適宜選択することが
できる。本発明において、陰極液量は電気透析の進行に
伴い増加する傾向にある。それは、陽極室または中間室
からの陽イオンの拡散に伴われる浸透水があるためであ
り、浸透水により陰極液は徐々に希薄化される。従っ
て、無機塩とpH緩衝剤を適宜補給添加して陰極液組成
を所定の範囲に調整維持する。また、本発明で好適に精
製される金属等酸洗浄廃液は、電気透析精製処理に先立
ち前処理することができる。一般に、酸洗浄廃液は多価
金属イオン等のほかに水素イオンを含有しているので、
予め、酸洗浄廃液を拡散透析処理し酸分のみを除去する
ことにより、多価金属イオン/水素イオン比を高めるこ
とにより、電気透析精製での多価金属回収効率を向上さ
せることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例に
より制限されるものでない。図1は、本発明の一実施例
の2室法電気透析フロー説明図である。図1において、
陽極室2にライン5から酸洗浄廃液が供給される。陽極
室2では、水素イオン、酸素ガスまたは塩素ガスが生成
する。陽極室2で発生する酸素ガスまたは塩素ガスは陽
極液循環ライン4の途中のライン3から系外に排出され
る。一方、陽極液の一部は、陽極液循環ライン4の途中
のライン6から回収酸として、金属酸洗浄工程に送られ
る。また、陽イオン交換膜7を通って多価金属イオンと
水素イオンが、陰極室8に移動する。陰極室8では水素
ガスと水酸イオンを生成する。生成された水素ガスは、
陰極液循環ライン10の途中のライン9から系外に排出
される。陰極室8では多価金属イオンと水酸イオンが反
応して多価金属水酸化物が生成する。陽イオン交換膜7
の陰極液側は多価金属イオンが水酸化物を付着しないよ
うにpH緩衝剤で、pH値が約7〜9に維持される。陰
極室8で生成した多価金属水酸化物は、陰極液循環ライ
ン10の途中に配置される濾過器12で分離し、ライン
13から系外に排出し、濾液は陰極液循環ライン10に
戻される。
【0016】図2は、本発明の他の一実施例の3室法電
気透析フロー説明図である。図2において、陽極室2及
び陰極室8の間に中間室14を各陽イオン交換膜7、
7’により隔離して設け、酸洗浄廃液をライン5を経て
中間室液循環ライン15に導入させて中間室に供給す
る。一方、陽極室2には、無機酸の水溶液が供給され
る。陽極室2では酸素ガスまたは塩素ガスと水素イオン
が生成する。陽極室2で生成した水素イオンは、陽イオ
ン交換膜7を通って中間室14に移動する。中間室14
では多価金属イオンと水素イオンが陽イオン交換膜7’
を通って陰極室8に移動する。中間室液の一部は、中間
室液循環ライン15の途中のライン6から回収酸として
金属酸洗工程に送られる。陰極室8での反応、多価金属
水酸化物の生成、系外排出等は図1と同様である。な
お、図1と図2において、同一構成部分については同一
の符号を付した。
【0017】実施例1〜3 10cm×10cmの電極寸法を有する上記図1に示し
たような2室法電気透析セルを、陽極及び陰極として共
に白金メッキしたチタンエキスパンドメタルを使用し、
陽極室及び陰極室のセル枠にアクリル樹脂を使用し、ま
た、陽イオン交換膜としてデュポン社の商品名ナフィオ
ンNE−450を使用して組立てた。上記のように構成
した2室法透析セルを用い、電解電流密度は30A/d
2、電解温度を50±5℃の条件で、表1に示した原
液組成の各種酸洗浄廃液を3日間電気透析した。その結
果を表1に示した。なお、表中、原液及び回収酸液組成
の各組成分は、それぞれのイオンの含有濃度を表す。
【0018】実施例4〜8 10cm×10cmの電極寸法を有する上記図2に示し
たような3室法電気透析セルを、実施例1と同様に、陽
極及び陰極共に白金メッキしたチタンエキスパンドメタ
ルを使用し、陽極室、中間室及び陰極室のセル枠にアク
リル樹脂を使用し、また、陽イオン交換膜としてデュポ
ン社の商品名ナフィオンNE−450を使用して組立て
た。上記のように構成した2室法透析セルを用い、陽極
液として2Nの硫酸を使用し、電解電流密度は30A/
dm2 、電解温度を50±5℃の条件で、表2に示した
原液組成の各種酸洗浄廃液を3日間電気透析した。その
結果を、表2に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】比較例1 陰極液として、前記従来法の炭酸ナトリウムと炭酸水素
ナトリウムの混合塩水溶液(合計濃度1モル/リット
ル)を使用し、pHを9〜10に維持した以外は実施例
2と同様にして2室法電気透析を実施した。電解終了
後、陽イオン交換膜を観察したところ茶褐色の水酸化鉄
が膜面に付着していた。また、電解電圧も運転開始時よ
り0.10v上昇した。
【0022】比較例2 比較例1と同様に、陰極液に炭酸ナトリウムと炭酸水素
ナトリウムの混合塩水溶液(合計濃度1モル/リット
ル)を使用し、pHを9〜10に維持した以外は実施例
7と同様にして3室法電気透析を実施した。電解終了
後、陽イオン交換膜を観察したところ茶褐色の水酸化鉄
が膜面に付着していた。また、電解電圧も運転開始時よ
り0.15v上昇した。
【0023】上記実施例及び比較例より明らかなよう
に、本発明の電気透析精製法は、陰極室において析出す
る多価金属水酸化物が、各電極室及び中間室を隔離する
陽イオン交換膜を汚染することがなく、また、電圧の上
昇もなく円滑に連続して電解が進行し、酸洗浄廃液組成
原液を電気透析精製されることが分かる。
【0024】
【発明の効果】本発明の電気透析精製法は、陰極液とし
て無機塩の水溶液を使用するため、陰極液の電気伝導度
が上昇し、従来法より低い電力原単位で電気透析が実施
できる。更に、陰極液にpH緩衝剤を含有させるため、
pH緩衝剤の種類・添加量を調節することによりpH値
を所定に維持できるため、多価金属水酸化物を陽イオン
交換膜に付着させることなく、従来法より安定した電気
透析操作ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の2室法電気透析フロー説明
図である。
【図2】本発明の他の実施例の3室法電気透析フロー説
明図である。
【符号の説明】
1 陽極 2 陽極室 3、5、6、9、13 ライン 4 陽極液循環ライン 7、7’ 陽イオン交換膜 8 陰極室 10 陰極液循環ライン 11 陰極 12 濾過器 14 中間室 15 中間室液循環ライン

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換膜により隔離される陽極室
    と陰極室とからなる2室法単位電解槽を用いた電気透析
    装置において、(a) 陽極室に陽極液として多価金属イオ
    ン及び/または多価金属酸イオンを含有する水溶液を供
    給し、(b) 陰極室に陰極液として無機塩及びpH緩衝剤
    を含有する水溶液を供給して通電することにより陽極液
    中の多価金属を減少除去することを特徴とする電気透析
    精製法。
  2. 【請求項2】 陽極室から電気透析精製された陽極液を
    系外に抜出すと同時に被電気透析液を補給して循環させ
    ると共に、陰極室から陰極液を抜出し多価金属を分離し
    所定の陰イオンを補給して循環させる請求項1記載の電
    気透析精製法。
  3. 【請求項3】 陰極液が含有する無機塩が、アルカリ金
    属、アルカリ土類金属の水酸化物、硫酸塩、塩化物、硝
    酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩の単独または2以上の混合
    物である請求項1または2記載の電気透析精製法。
  4. 【請求項4】 陽極液が、金属の酸洗浄廃液である請求
    項1、2または3記載の電気透析精製法。
  5. 【請求項5】 陰極液に含有するpH緩衝剤が、陰極液
    のpH値を7〜9に調整してなる請求項4記載の電気透
    析精製法。
  6. 【請求項6】 2枚の陽イオン交換膜によりそれぞれ隔
    離される陽極室、中間室及び陰極室からなる3室法単位
    電解槽を用いた電気透析装置において、(a)陽極室に陽
    極液として硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、塩素酸、過塩素
    酸の1または2以上を含有する水溶液を供給し、(b) 中
    間室に多価金属イオン及び/または多価金属酸イオンを
    含有する水溶液を供給し、(c) 陰極室に陰極液として無
    機塩及びpH緩衝剤を含有する水溶液を供給して通電す
    ることにより中間室に供給する水溶液中の多価金属を減
    少除去することを特徴とする電気透析精製法。
  7. 【請求項7】陽極室から陽極液を抜出し所定の酸成分を
    補給して循環させ、中間室からは電気透析精製された中
    間室内水溶液を系外に抜出すと同時に被電気透析液を補
    給して循環させ、陰極室からは陰極液を抜出し多価金属
    を分離し所定の無機塩及びpH緩衝剤を補給して循環さ
    せる請求項6記載の電気透析精製法。
  8. 【請求項8】 陰極液に含有する無機塩が、アルカリ金
    属、アルカリ土類金属の水酸化物、硫酸塩、塩化物、硝
    酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩の単独または2以上の混合
    物である請求項6または7記載の電気透析精製法。
  9. 【請求項9】 陽極液が、金属の酸洗浄廃液である請求
    項6、7または8記載の電気透析精製法。
  10. 【請求項10】 陰極液に含有するpH緩衝剤が、陰極
    液のpH値を7〜9に調整してなる請求項9記載の電気
    透析精製法。
  11. 【請求項11】 多価金属が、鉄、ニッケル、クロム、
    銅、亜鉛、アルミニウム、カドミウム、錫、アンチモン
    及びビスマスの1または2以上である請求項1〜10の
    いずれか記載の電気透析精製法。
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