JPH0833830A - 鉄イオン含有水溶液の電気透析精製方法 - Google Patents

鉄イオン含有水溶液の電気透析精製方法

Info

Publication number
JPH0833830A
JPH0833830A JP19182694A JP19182694A JPH0833830A JP H0833830 A JPH0833830 A JP H0833830A JP 19182694 A JP19182694 A JP 19182694A JP 19182694 A JP19182694 A JP 19182694A JP H0833830 A JPH0833830 A JP H0833830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
cathode
exchange membrane
acid
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19182694A
Other languages
English (en)
Inventor
Takemichi Kishi
剛陸 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ThyssenKrupp Nucera Japan Ltd
Original Assignee
Chlorine Engineers Corp Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chlorine Engineers Corp Ltd filed Critical Chlorine Engineers Corp Ltd
Priority to JP19182694A priority Critical patent/JPH0833830A/ja
Publication of JPH0833830A publication Critical patent/JPH0833830A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/36Regeneration of waste pickling liquors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄酸洗浄廃液等の鉄イオン含有水溶液をイオ
ン交換膜の劣化を防止して長期間安定して電気透析精製
する方法の提供。 【構成】 陽極室と陰極室とからなる2室電解槽、また
は、陽極室、中間室及び陰極室とからなる3室電解槽
で、陰極室と陽極室または中間室とが陽イオン交換膜に
より、中間室と陽極室とが陰イオン交換膜によりそれぞ
れ隔離され、陰極室には無機塩及びpH緩衝剤を含有す
る水溶液を収容し、2室電解槽の陽極室及び3室電解槽
の中間室には鉄イオン含有水溶液を収容し、3室電解槽
の陽極室には硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、塩素酸、過塩
素酸及びクロム酸から選ばれる1または2以上を含有す
る水溶液を収容してなり、且つ、陰極室側を加圧し、隣
接する陽極室または中間室側より高い圧力で電気透析す
ることを特徴とする鉄イオン含有水溶液の電気透析精製
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄板等を鉄製品の酸洗
浄廃液等の鉄イオン含有水溶液を電気透析することによ
り鉄イオンを低減して酸成分を回収する鉄イオン含有水
溶液の電気透析精製方法に関し、特に、電解槽の陰極室
の隔離のために用いられるイオン交換膜の鉄イオンによ
る劣化を防止して長期間安定して電気透析できる鉄イオ
ン含有水溶液の電気透析精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼、ステンレス鋼、その他鉄合金等の
鉄含有金属を酸洗浄した場合、鉄イオンを含有する酸洗
浄廃液が副生する。従来、これらの酸洗浄廃液は、主に
アルカリ中和法で処理後廃棄されていた。アルカリ中和
法は、洗浄用の酸と中和用のアルカリの原単位が悪く
経済的でないこと、酸として硫酸やフッ酸を使用した
場合は石膏やフッ化カルシウム等のスラッジが大量に副
生すること、酸として硝酸やリン酸を使用した場合は
廃水に大量の窒素やリンが混入すること、酸液入れ換
えによるライン停止に起因する生産性が低下すること、
及び、中和作業という2次処理に入手が必要となる等
の問題があった。そのため、このアルカリ中和法に代わ
る方法も提案されている。例えば、特公平2−4548
9号公報で提案される電気透析法がある。この方法は、
多価金属イオンを含有する酸水溶液を陽極液とし、無機
の炭酸塩、炭酸水素塩もしくは水酸化物またはそれらの
混合物を陰極液とし、陽極液と陰極液を陽イオン交換膜
で隔離し電気透析する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記提案の電気透析法
は、酸洗浄廃液等の被処理水溶液を循環させて処理でき
操作上は簡便であり、工業性に優れるものである。しか
しながら、発明者らによれば、多価金属イオンを含有す
る酸水溶液の酸濃度が高くなると金属除去の電流効率が
低下する点、多価金属イオンを含有する被処理液を陽極
液とするため陽極の寿命が短くなる点、更に、特に多価
金属として第一鉄イオン含有水溶液を処理すると、第一
鉄イオンが第二鉄イオンに酸化されるため、処理液を酸
洗工程で再使用した場合に鋼材表面にピッテイングが生
じることに加え、陰極液と接触するイオン交換膜が早期
に劣化し、長期間の安定した電気透析精製ができないと
いう問題があることが知見された。このため、発明者
は、陰極液にpH緩衝剤を添加することにより陰極液の
pH値を適切に制御し、陽極室及び/または中間室から
陰極室に移動してくる多価金属イオンを陰極室中に水酸
化物として析出沈殿させ、また、鉄イオンはマグネタイ
ト(Fe34 )として析出させることにより、陽イオ
ン交換膜へのマグネタイトの付着を防止する方法を提案
した。この方法は、長期的に安定した電気透析精製が可
能であり、精製後回収された処理液を、酸洗浄液として
使用しても支障がなく優れる方法である。
【0004】しかし、発明者が更に検討したところ、p
H緩衝剤を添加した陰極液を用いても、条件によっては
イオン交換膜へのマグネタイト付着を完全に防止でき
ず、陰極液と接触するイオン交換膜が早期に劣化し、長
期間の安定した電気透析精製ができないという問題があ
ることが知見された。特に、フィルタープレス型電気透
析槽を使用した場合、陽イオン交換膜が陰極に接近した
り、接触した時にマグネタイトがイオン交換膜上に析出
し、イオン交換膜が焦げたり、時には孔が開くおそれの
あることを見出した。そのため、発明者は上記現象を防
止すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、
各電極室及び中間室に収容される水溶液は所定の方式で
室外に抜き出し処理後再び各室に循環し、且つ、循環す
る陰極液等の各室の水溶液をポンプで適宜送入させて各
室内に流れを生じさせており、その流れにより陰極室で
はイオン交換膜にマグネタイトが付着しないものと考え
られるが、陽イオン交換膜が陰極に近づいたり接触する
と、陰極液が淀み易く流速が低下しマグネタイトを吹き
飛ばす効果が減少するため、マグネタイトがイオン交換
膜に付着し、やがて成長した導電性のマグネタイトが陰
極とイオン交換膜とが電気的に繋がることになり、局部
的に電流が集中して流れるため、大きいジュール熱が発
生し、イオン交換膜が焦げたり破れたりするおそれがあ
るものと推定される。この問題を解決するには、陽イオ
ン交換膜と陰極とを所定間隔に維持することにより、イ
オン交換膜へのマグネタイト付着を防止すると同時に、
陰極液が淀むことなく円滑に流通し多少のマグネタイト
付着が生じた場合でもその成長を抑制することができる
ことから本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、陽極室
と陰極室とからなる2室電解槽で、陽極室と陰極室とが
陽イオン交換膜により隔離され、鉄イオン含有水溶液を
陽極液として陽極室に収容し、且つ、無機塩及びpH緩
衝剤を含有する水溶液を陰極液として陰極室に収容して
なり、陰極室側を加圧し陽極室側より高い圧力で電気透
析することを特徴とする鉄イオン含有水溶液の電気透析
精製方法が提供される。
【0006】また、陽極室、中間室及び陰極室とからな
る3室電解槽で、中間室が陽極室とは陰イオン交換膜
で、陰極室とは陽イオン交換膜でそれぞれ隔離され、
(a)硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、塩素酸、過塩素酸及
びクロム酸から選ばれる1または2以上を含有する水溶
液を陽極液として陽極室に収容し、(b)鉄イオン含有
水溶液を中間液として中間室に収容し、(c)無機塩及
びpH緩衝剤を含有する水溶液を陰極液として陰極室に
収容してなり、陰極室側を加圧し中間室側より高い圧力
で電気透析することを特徴とする鉄イオン含有水溶液の
電気透析精製方法が提供される。
【0007】
【作用】本発明は、上記のように構成され、2室電解槽
及び3室電解槽においても、陰極室側の圧力を隣接する
陽極室または中間室より高くすることにより、陰極室と
隣接室とを隔離する陽イオン交換膜を陰極からできるだ
け遠く離すことができ、イオン交換膜上にマグネタイト
の付着を抑制すると共に、陰極付近での陰極液の淀みを
防止することができる。更に、本発明の陰極室において
は、陰極液として所定の無機塩及びpH緩衝剤を含有す
る水溶液を収容し、マグネタイトの析出を陰極近辺で生
じるように陰極室内のpHを制御することによっても、
マグネタイトが陽イオン交換膜上に析出することを防止
する。上記のように、陰極室側の圧力を高く設定するこ
と及び陰極室内に電解物質とpH緩衝剤との組合せの陰
極液を収容してpH値を制御することの相乗効果により
電導性のマグネタイトがイオン交換膜に付着しなくな
り、電気透析が長期間安定して継続できる。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の電解槽は、陽極室及び陰極室とから構成されるい
わゆる2室法と、陽極室、中間室及び陰極室とから構成
されるいわゆる3室法の双方を包含するものである。電
解槽が2室法の場合、陽極室と陰極室は陽イオン交換膜
で隔離し、電気透析槽が3室法の場合、陽極室と中間室
の隔離は陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜、中間室と
陰極室は陽イオン交換膜で隔離するのが電解効率を高く
する上で好ましい。本発明の電解槽は、型式等には特に
制限されるものではないが、いわゆるフィルタプレス型
電気透析槽が最も好適に適用できる。また、電極の接続
方式としては、単極式及び複極式のいずれでもよい。更
に、電解槽の陽極を構成する材質は、電解条件で劣化し
ない耐久性の高いものが好ましく、黒鉛、チタンまたは
タンタル金属上に白金や白金イリジウム合金をコーティ
ングしたもの等が使用できる。陰極の材質は、陽極と同
様に電解条件で劣化しない耐久性の高いものが好まし
く、ステンレス、ニッケル、鉄鋼上をニッケルメッキし
たもの、黒鉛、チタン金属上に白金をコーティングした
もの等が使用できる。本発明のイオン交換膜としては、
市販されているハイドロカーボン系やパーフルオロカー
ボン系の陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜が使用でき
る。但し、酸性条件下で使用するため、官能基としてカ
ルボン酸のみを有する膜は使用できない。
【0009】本発明の電解槽の陰極室には、アルカリ金
属、アルカリ土類金属の水酸化物、硫酸塩、塩化物、硝
酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩の1または2以上を含有す
る水溶液を陰極液として収容する。上記陰極室の無機塩
は、陽極液及び/または中間室液の陰イオン種、及び工
業的実施の運転コスト等を考慮して適宜選択することが
できる。好ましくは、無機塩の陰イオン種と、陽極液及
び/または中間室液の陰イオン種とが同一とするのがよ
い。陰極液中の無機塩は電気伝導度を上げ、電解中の電
圧を低下させることができる。陰極液に含有させる無機
塩の濃度は、特に制限されるものではなく、濃度が大き
くなる程、電気伝導度が向上するため望ましい。しか
し、飽和溶液では、塩の析出等のおそれがあり、通常、
飽和溶解度未満の濃度とする。陰極液には、上記無機塩
の他、pH緩衝剤を含有させる。pH緩衝剤としては、
(1)アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモ
ニアの亜硫酸塩類または亜硫酸水素塩類、(2)アンモ
ニアの水酸化物、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、塩素酸塩ま
たは過塩素酸塩、(3)リン酸、ホウ酸、酢酸、クエン
酸、フタル酸、酒石酸、乳酸、ジエチルバビルツル酸ま
たはジメチルグリシンの酸類、(4)2,4,6−トリ
メチルピリジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン、2−アミノメチル1,3−プロパンジオール、エ
チルモルホリン、フェニルヒドラジン、アニリン、ピリ
ジン、キノリン、ヘキサミンまたは尿素の含窒素化合物
から選ばれた1または2以上を適宜選択して用いること
ができる。本発明において、上記pH緩衝剤は、陽極室
または中間室から陰極室に移動する多価金属イオン、特
に、鉄イオンが、陽イオン交換膜上で析出することなく
陰極室内の液中でマグネタイトとなるのに適したpH値
を維持する作用がある。pH緩衝剤の種類及び添加量
は、特に、鉄イオン濃度、電解条件、運転コスト等によ
り適宜選択するのがよい。
【0010】上記したように構成される本発明に電解槽
で処理する被処理水溶液、例えば、鉄イオン含有水溶液
としては、一般に、(1)鉄イオンが混在して汚染され
た電気めっき型酸の水溶液、(2)鉄イオンを含む酸の
陰イオンと陽イオンとからなる塩の水溶液、(3)硫
酸、リン、ハロゲンまたは炭素を含む酸の陰イオンと鉄
イオンとからなる塩の水溶液または(4)これらの混合
物を挙げることができる。特に、本発明においては、鋼
板、ステンレス鋼等金属の酸洗浄廃液を電気透析精製す
る場合に好適に適用することができる。本発明におい
て、2室法では、上記鉄イオンを含有する水溶液を陽極
室に収容し、陰極室には上記の無機塩及びpH緩衝剤を
含有する水溶液を収容して電気透析して鉄イオン含有水
溶液を処理することができる。一方、3室法では、上記
鉄イオンを含有する水溶液を中間室に収容し、陽極室に
は硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、塩素酸、過塩素酸及びク
ロム酸等の無機酸を収容し、陰極室には上記無機塩及び
pH緩衝剤を含有する水溶液を収容して電気透析して鉄
イオン含有水溶液を処理することができる。
【0011】本発明において、陰極室側の圧力は、陰極
室に隣接する2室法における陽極室または3室法におけ
る中間室の圧力より高く加圧された状態に設定される。
陰極室側が隣接室より加圧されることにより、陰極室と
その隣接室とを隔離する陽イオン交換膜が陰極に接近す
ることを防止すると共に、陰極付近での陰極液の淀みを
防止する。陰極室側の圧力は、陽極室側または中間室側
の圧力に比し約100mm水柱(mmH2 O)以上、2
000mmH2 O未満の差圧で高く加圧することが好ま
しい。圧力差が100mmH2 O未満では、電解液やガ
スの流動変化に起因する圧力変化により、陰極から十分
な距離で陽イオン交換膜を遠ざける効果が十分でないた
め陽イオン交換膜上でマグネタイト付着が生じるおそれ
があり好ましくない。一方、陰極室側を2000mmH
2 O以上の差圧で加圧すると、陽イオン交換膜にかかる
荷重が大となるため機械強度の大きいセル枠や耐圧性の
高い電解槽が必要となり、設備費が嵩むため好ましくな
い。陰極室側の圧力を隣接する陽極室側または中間室側
より高する加圧方法としては、陰極で生成する水素ガス
を適当な水封器で加圧する方法、陰極液の抜き出し液面
を他の極室液の抜き出し液面より高く設定して加圧する
方法、陰極液循環系に適切な液圧の弁を配設して加圧す
る方法等を挙げることができるが、上記の範囲内で陰極
室側の圧力が隣接室側圧より高くなればよく、特に限定
されない。
【0012】上記のように構成された電解槽を用いる本
発明の電気透析精製において、陽極室及び/または中間
室、並びに陰極室にそれぞれ収容される各室液の一部を
抜き出し、それぞれ必要に応じて処理し、各室液をメー
クアップした後、各室に戻す循環系を有する。この場
合、各室液の抜き出し及び供給の循環は、通常、ポンプ
を用いて行うことができる。本発明において上記循環系
を形成させることにより、陽極液または中間室液の循環
系には上記した被電気透析精製液の鉄イオン含有水溶液
等を補給して陽極室または中間室に供給され連続的に電
気透析精製することができる。即ち、2室法の場合は陽
極室で、3室法の場合は中間室または中間室及び陽極室
の双方で、鉄イオンが水素イオンに変換され酸を生成す
ることができる。このため、陽極液及び/または中間室
液は、抜き出し所定の酸液等として回収され、鉄等金属
の酸洗浄処理工程で再利用することができる。本発明に
おいて、上記したように循環系を形成して電気透析精製
を連続的に行う場合、陰極液量は電気透析の進行に伴い
陽極室または中間室の陽イオン拡散に伴う浸透水がある
ため増加傾向となり陰極液は徐々に希薄化される。従っ
て、陰極液循環系では、析出したマグネタイト等を除去
する一方、無機塩とpH緩衝剤からなる電極液を適宜補
給添加して陰極液組成を所定の範囲に調整維持する。ま
た、陰極液循環系におけるマグネタイトの除去は、ろ過
装置等を用いて行うことができ、単位時間当たり陰極液
内で生成するマグネタイトとほぼ同量のマグネタイトを
系外に排出するのが好ましい。ろ過方法は特に制限され
るものでなく、ベルトフィルター、フィルタープレス、
プリコートフィルター、マグネット分離機等が使用でき
る。また、電気透析条件は、特に、制限されず、一般
に、電流密度1〜100A/dm2 、電解液温度10〜
100℃の範囲で、電解効率のよい条件を適宜選択する
ことができる。陽極液または中間液に含有される鉄イオ
ンの水素イオンへの変換率は、電力原単位等の電解性
能、陽イオン交換膜へのマグネタイト付着性、酸回収設
備費等の総合評価により、最適な値を適宜選択できる。
なお、本発明の電解透析精製操作をバッチ方式で実施す
る場合、陰極室からのマグネタイトや多価金属水酸化物
の排出は間歇的に実施することができる。
【0013】
【実施例】本発明について実施例に基づき、更に詳細に
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。 実施例1〜2 陽極及び陰極として共に電極寸法30cm×80cmの
白金めっきしたチタンエキスバンドメタルを使用し、陽
極室及び陰極室のセル枠には耐熱塩化ビニル樹脂を、ま
た、陽イオン交換膜としてデュポン社製の商品名ナフィ
オンNE−450をそれぞれ使用し、更に、陽イオン交
換膜ナフィオンNE−450の外周部の両面を、厚さ2
mmのEPDM(エチレン−プロピレンゴム)製のガス
ケットで挟み、セル枠で固定して2室法電解槽を組み立
てた。また、陰極室で発生する水素ガスを水封器に導
き、ガス圧力を上げて陰極室側の圧力を陽極室側より高
くなるように加圧した。また、水封器の水液面を変える
ことにより、陰極室と陽極室との圧力差を変化させるよ
うにした。上記のように構成した2室法電解槽を用い、
電流密度30A/dm2 、電解温度70±5℃、各電極
液循環流速100m/時の条件下で、表1に示した原液
組成の酸洗浄廃液を表1に示した圧力差で3日間ずつ電
気透析した。その結果を表1に示した。
【0014】実施例3〜4 陰極室と陽極室との間に中間室を設け、陰極室と中間室
とを実施例1と同様の陽イオン交換膜で、また、陽極室
と中間室とを旭硝子社製の商品名セレミオンAAVの陰
イオン交換膜を用いて、それぞれ隔離した以外は、実施
例1と同様にして3室法電解槽を組立てた。上記のよう
に構成した3室法電解槽を用い、電流密度30A/dm
2 、電解温度70±5℃、各電解液循環流速100m/
時の条件下で、表1に示した原液組成の酸洗浄廃液を表
1に示した圧力差で3日間ずつ電気透析した。その結果
を表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】比較例1 陰極室側と陽極室側の圧力差を30mmH2 Oとした以
外は実施例1と全く同様に電気透析を3日間実施した。
その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】比較例2 陰極室側と陽極室側の圧力差を80mmH2 Oとした以
外は実施例1と全く同様に電気透析を3日間実施した。
その結果を表2に示す。
【0019】比較例3 陰極室側と陽極室側の圧力差を20mmH2 Oとした以
外は実施例3と全く同様に電気透析を3日間実施した。
その結果を表2に示す。
【0020】比較例4 陰極室側と陽極室側の圧力差を50mmH2 Oとした以
外は実施例3と全く同様に電気透析を3日間実施した。
その結果を表2に示す。
【0021】上記実施例及び比較例より明らかなよう
に、本発明の陰極室を加圧して隣接する陽極室や中間室
より圧力を高い状態で電気透析する方法は、陰極室を隔
離する陽イオン交換膜上へのマグネタイトの付着を防止
でき、安定して電気透析できることが分かる。
【0022】
【発明の効果】本発明の鉄イオン含有水溶液の電気透析
精製方法は、陰極室側の圧力を、陰極室に隣接する陽極
室側または中間室側より高く加圧して電気透析するた
め、陰極室を隔離する陽イオン交換膜の陰極への接近を
防止すると共に陰極液の淀みも防止し、イオン交換膜へ
のマグネタイトの付着を起因とする陽イオン交換膜の焦
げ等の不都合を防止でき、鉄イオンを含有する酸洗浄廃
液を従来法に比し長期間安定して運転することができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極室と陰極室とからなる2室電解槽
    で、陽極室と陰極室とが陽イオン交換膜により隔離さ
    れ、鉄イオン含有水溶液を陽極液として陽極室に収容
    し、且つ、無機塩及びpH緩衝剤を含有する水溶液を陰
    極液として陰極室に収容してなり、陰極室側を加圧し陽
    極室側より高い圧力で電気透析することを特徴とする鉄
    イオン含有水溶液の電気透析精製方法。
  2. 【請求項2】 陽極室、中間室及び陰極室とからなる3
    室電解槽で、中間室が陽極室とは陰イオン交換膜で、陰
    極室とは陽イオン交換膜でそれぞれ隔離され、(a)硫
    酸、塩酸、硝酸、リン酸、塩素酸、過塩素酸及びクロム
    酸から選ばれる1または2以上を含有する水溶液を陽極
    液として陽極室に収容し、(b)鉄イオン含有水溶液を
    中間液として中間室に収容し、(c)無機塩及びpH緩
    衝剤を含有する水溶液を陰極液として陰極室に収容して
    なり、陰極室側を加圧し中間室側より高い圧力で電気透
    析することを特徴とする鉄イオン含有水溶液の電気透析
    精製方法。
JP19182694A 1994-07-22 1994-07-22 鉄イオン含有水溶液の電気透析精製方法 Pending JPH0833830A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19182694A JPH0833830A (ja) 1994-07-22 1994-07-22 鉄イオン含有水溶液の電気透析精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19182694A JPH0833830A (ja) 1994-07-22 1994-07-22 鉄イオン含有水溶液の電気透析精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0833830A true JPH0833830A (ja) 1996-02-06

Family

ID=16281170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19182694A Pending JPH0833830A (ja) 1994-07-22 1994-07-22 鉄イオン含有水溶液の電気透析精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0833830A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1320410B1 (en) Bipolar membrane electrodialysis of multivalent metal salts
US4306952A (en) Electrolytic process and apparatus
EP0247713B1 (en) Method for the purification of zinc sulphate electrolyte
JPH09503956A (ja) 金属カチオンの錯体及び塩の電気透析による転化
US5478448A (en) Process and apparatus for regenerating an aqueous solution containing metal ions and sulfuric acid
US5091070A (en) Method of continuously removing and obtaining ethylene diamine tetracetic acid (edta) from the process water of electroless copper plating
US20030089622A1 (en) Electrochemical cell and process for reducing the amount of organic contaminants in metal plating baths
JPH0780253A (ja) 電気透析精製法
US5064538A (en) Membrane process for acid recovery
US3969207A (en) Method for the cyclic electrochemical processing of sulfuric acid-containing pickle waste liquors
JPH06256999A (ja) 錫めっき液を回収再生する方法
US5225054A (en) Method for the recovery of cyanide from solutions
JPH08966A (ja) 電気透析精製法
JPH0833830A (ja) 鉄イオン含有水溶液の電気透析精製方法
JP4480903B2 (ja) 脱アルカリ水ガラス溶液の製造方法
JPH0824586A (ja) 硝弗酸洗浄廃液の電気透析処理方法及びその装置
RU2481425C2 (ru) Способ очистки электролитов хромирования
RU2083268C1 (ru) Способ очистки электролита хромирования
JPS61261488A (ja) アミノ酸アルカリ金属塩の電解法
WO1995023880A1 (en) Treatement of electrolyte solutions
JPH0810581A (ja) 電気透析精製用セル
JP3651872B2 (ja) 塩水中の硫酸根と塩素酸根の除去方法
JPH1121689A (ja) 高純度銀の製造方法
JPS6376884A (ja) クロメ−ト処理液の再生方法
JP3555348B2 (ja) Al部材の着色工程の洗浄槽からの排水中の有価物の回収方法