JP4480903B2 - 脱アルカリ水ガラス溶液の製造方法 - Google Patents

脱アルカリ水ガラス溶液の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤注入用剤として有用な脱アルカリ水ガラス溶液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
土木工事において、掘削等により崩壊のおそれのある地盤、湧水などにより掘削が困難な地盤などに対して、外部より地盤改良材を注入して地盤を改良する薬液注入工法が汎用されている。
【0003】
現在使用される地盤改良材は種々のものが知られているが水ガラスを主剤とする地盤注入剤が安価であり、ゲルタイムの調節も容易であることから主流を占めている。
【0004】
最近では注入による固化物の強度が高くその耐久性に優れること、注入液が一液でありゲルタイムの調節も容易で取り扱いに便利なことから、水ガラスを主成分とするシリカゾル系地盤改良注入材が多く用いられている。
【0005】
しかし、このシリカゾル系地盤改良注入材にはアルカリ金属塩が多く含まれており、該非アルカリ系地盤改良注入材を用いて得られる固結体の強度が低下したり、長期間のうちに固結体からアルカリあるいは塩が遊離ないし逸脱して固結体が収縮してその耐久性が低下するといった問題がある。
【0006】
このような欠点を改良するために水ガラスをイオン交換樹脂法によりアルカリ分を除去する方法が採用されている(特開平11−279552号公報)。
【0007】
しかしながらイオン交換樹脂法による脱アルカリ処理は樹脂の再生を必要とするため長期間の脱アルカリ処理は不可能であり、さらに再生廃液が排出されることやSiO2濃度の高い水ガラスは樹脂近傍でゲル化するため、使用する条件に制約が生じてしまう。
【0008】
そこで、最近ではイオン交換膜法電気透析装置により水ガラスを脱アルカリする方法が採用されている(特開平11−61124号公報)。該方法では、電解透析槽と、この槽内部の対向する両端面にそれぞれ配置された一対の陽極および陰極と、これら陽陰電極間の最も陽極側には陰イオン交換膜が、最も陰極側には陽イオン交換膜がそれぞれ位置して、交互に、かつ複数の区画を形成するように配置された陽および陰イオン交換膜とからなり、これら複数の区画のうち、陽極および陰極の位置する区画に水を填充するとともに、その他の区画にそれぞれ原料としての水ガラスおよび濃縮液としての水を交互に填充し、かつ陽陰電極間に電流を通電することにより、水ガラス溶液中のNa+イオンが陽イオン交換膜を介して隣接する一方の側の区画に填充された水中に該膜を通して透過放出され、かつOH-イオンが陰イオン交換膜を介して隣接する他方の側の区画に填充された水中に該膜を通して放出され、これにより前記水ガラス溶液が脱アルカリ処理されて脱アルカリ水ガラス溶液を得ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記方法を実施したところ、透析時間の経過と共にイオン交換膜面にスケールが付着し、電気透析を続けることが出来なくなることが分かった。
【0010】
そこで、本発明は、イオン交換膜電気透析法により脱アルカリ水ガラス溶液を製造する方法において、イオン交換膜面にスケールが付着することを抑制し、長時間安定して電気透析を続けることが可能な方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために付着したスケールの分析を行なうとともに該スケールを付着させない方法について検討を行なった。その結果上記スケールの主成分はカルシウムやマグネシウムを含む珪酸塩であり、使用する水ガラス溶液および濃縮液中に含まれるナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオンの濃度を2ppm以下にして供給した場合にはスケールの発生が抑制されるという知見を得るに至った。そして、該知見に基づき更に検討を行なったところ、スケールの発生は電気透析において、水ガラス溶液および濃縮液中に含まれるナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオンの量に大きく影響を受けること、さらにこれらナトリウム等以外の金属イオンの量をそれぞれ10ppm以下にした場合には、スケールの付着が有効に抑制され、安定して連続運転を行なうことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、陽極と陰極との間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配置して、陽極側及び陰極側がそれぞれ陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜で仕切られた脱塩室、並びに陽極側及び陰極側がそれぞれ陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜で仕切られた濃縮室を交互に形成した電気透析装置を用い、前記脱塩室に水ガラス溶液を供給し、前記濃縮室に電解質の水溶液からなる濃縮液を供給して電気透析を行ない、脱アルカリ水ガラス溶液を製造する方法において、使用する水ガラス溶液および濃縮液中に含まれるナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属のイオン濃度を10ppm以下とすることを特徴とする脱アルカリ水ガラス溶液の製造方法である。
【0013】
ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオンの中でもカルシウムイオンとマグネシウムイオンは珪酸塩を形成した時の溶解性が低いためスケールになり易いため、本発明の製造方法においてはカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計濃度が10ppm以下、特に2ppm以下である水ガラス溶液および濃縮液を使用するのが好ましい。
【0014】
本発明の製造方法によれば、長時間連続して安定に電気透析を続けることが出来、脱アルカリ水ガラス溶液を効率よく製造することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、使用する水ガラス溶液および濃縮液中に含まれるナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の各金属イオンの濃度を10ppm以下にすること以外は、従来の電気透析による水ガラス水溶液の脱塩方法と特に変わる点はない。
【0016】
即ち、電気透析装置としては、例えば特開平11−61124号公報に開示されているような、陽極および陰極の間に陽イオン交換膜(以下、CE膜ともいう。)と陰イオン交換膜(以下、AE膜ともいう。)を交互に位置して、陽極側が陰イオン交換膜(AE膜)で仕切られ陰極側が陽イオン交換膜(CE膜)で仕切られた脱塩室と、陽極側が陽イオン交換膜(CE膜)で仕切られ陰極側が陰イオン交換膜(AE膜)で仕切られた濃縮室とを交互に形成した電気透析装置が何ら制限なく使用できる。
【0017】
また、上記のような装置を構成するのに必要な部材である電極及び各イオン交換膜についても従来の電気透析装置で使用されているものが特に制限はなく使用される。
【0018】
即ち、本発明で使用する陽極及び陰極としては、水電解や食塩電解などの電気化学工業で採用されている電極が制限なく用いられる。例えば、陽極材料としてはニッケル、鉄、鉛、チタン、白金、黒鉛などが、また、陰極材料としてはニッケル、鉄、ステンレススチール、白金、チタンなどが好適に用いられる。
【0019】
本発明で使用する陰イオン交換膜(AE膜)は、陰イオン交換基が結合した樹脂からなる陰イオン選択透過性を有する膜であれば特に制限さず公知の陰イオン交換膜が使用できる。陰イオン交換基としては、水溶液中で正の電荷となり得る官能基が特に制限なく採用できる。具体的には、1〜3級アミノ基、ピリジル基、4級アンモニウム塩基、4級ピリジニウム塩基、さらにこれらのイオン交換基が混在したものなどが挙げられる。AE膜としては、重合型、縮合型、均質型、不均質型等の区別無く使用することができ、さらに、補強のために使用する補強材の有無や、イオン交換基が結合する樹脂の材質(通常、炭化水素系樹脂またはフッ素系樹脂が使用されている)も特に制限されない。なお、本発明の製造方法においては、水ガラス溶液、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ性溶液を使用するため、耐アルカリ性のAE膜を使用することが望ましい。
【0020】
本発明で使用する陽イオン交換膜(CE膜)は、陽イオン交換基が結合した樹脂からなる陽イオン選択透過性を有する膜であれば特に制限されず公知の陽イオン交換膜が使用できる。陽イオン交換基としては、水溶液中で負の電荷となり得る官能基が特に制限なく採用できる。具体的には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、さらにこれらのイオン交換基が混在したものなどが挙げられる。CE膜としては、重合型、縮合型、均質型、不均質型等の区別無く使用することができ、さらに、補強のために使用する補強材の有無や、イオン交換基が結合する樹脂の材質(通常、炭化水素系樹脂またはフッ素系樹脂が使用されている)も特に制限されない。なお、本発明の製造方法においては、水ガラス溶液、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ性溶液を使用するため、耐アルカリ性のCE膜を使用することが望ましい。
【0021】
本発明で使用する電気透析装置においては、互いに対向するように配置された陽極と陰極の間に、AE膜とCE膜とを交互に配置して、陽極側及び陰極側がそれぞれAE膜及びCE膜で仕切られた(すなわち陽極側の隔膜がAE膜であり陰極側の隔膜がCE膜である)脱塩室と、該脱塩室と隣り合うように、陽極側及び陰極側がそれぞれCE膜及びAE膜で仕切られた(すなわち陽極側の隔膜がCE膜であり陰極側の隔膜がAE膜である)濃縮室とが形成されている。以下、本発明で使用する電気透析装置の構成について、図1に示す電気透析装置1を用いて、具体的に説明する。図1に示す電気透析装置1においては、互いに対向するように配置された陽極2と陰極3との間に、陽極側から順にCE膜5とAE膜4とが交互に且つ最も陰極側がCE膜5となるように配列されて、陽極室6、陰極室7、脱塩室8、及び濃縮室9が構成されている。
【0022】
なお、ここで、脱塩室とは、電気透析時において該室に塩の水溶液を供給した場合に塩に由来するアニオンが陽極側のAE膜を透過して拡散すると共に、塩に由来するカチオンが陰極側のCE膜を透過して拡散し、結果として該室内の塩濃度が低下する室を意味する。また、濃縮室とは、同様にして電気透析を行なったときにAE膜及びCE膜からそれぞれ隣接する脱塩室に供給された塩由来のアニオン及びカチオンが各膜を透過して流入し、結果として該室内の塩濃度が増大する室を意味する。したがって、本発明の製造方法においては、脱塩室に原料水ガラス水溶液を供給し、濃縮室に水酸化ナトリウム水溶液等の電解質水溶液からなる濃縮液を供給して電気透析を行なうことにより、脱塩室に供給された水ガラス水溶液中に存在するNa+イオンがCE膜を透過して該CE膜を介して隣接する濃縮室に拡散するとともに、同じく水ガラス溶液中に存在するOH-イオンがAE膜を透過して該AE膜を介して隣接する濃縮室に拡散し、結果として水ガラス溶液中のアルカリ濃度が低下した水ガラス水溶液を得ることができる。また、このとき、濃縮室では、両隣の脱塩室から拡散してきたNa+イオンOH-イオンが閉じ込められ、濃度の上昇した水酸化ナトリウム水溶液が得られる。
【0023】
図1には、脱塩室および濃縮室がそれぞれ複数形成されたものを示したが、各室の数はそれぞれ1であってもよい。但し、工業的な規模での実施をする場合には、製造効率の観点から、電気透析装置における膜の配列は、陽極−CE膜−(AE膜−CE膜)n−陰極(但し、nはAE膜とCE膜の配列の繰り返し数である。)で示したときにnが5〜200とするのが好適である。特に、各室を形成するための切欠部を中央に有する室枠を介して前記した好適なnの範囲となるように各膜を配列し、両端より締め付ける、いわゆるフィルタープレス型の構造とするのが好適である。
【0024】
なお、各室内には、流路を確保するためのスペーサーや液を均等配流するための配流板が設けられており、これらスぺーサーや配流板の形状については、特に限定されないが、スケール発生防止効果があり、仮にスケールが発生した場合においても容易にこれを除去出来る構造のもの、例えばトンネル型構造のものを使用するのが好適である。
【0025】
本発明の製造方法においては、前記の脱塩室に原料として水ガラス溶液を供給して電気透析を行なうが、その際に、使用する水ガラス溶液および濃縮液中に含まれるナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオン濃度を10ppm以下に保つ必要がある。ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオン濃度が10ppmより高い場合には、運転時間の経過とともにスケールの析出が起こってこれがイオン交換膜面に付着し、比較的短時間で原料供給が困難となったり膜抵抗が上昇したりして長期に安定した操業ができない。スケール発生防止効果の観点から、水ガラス溶液および濃縮液中に含まれるナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の各金属イオン濃度は2ppm以下とするか、又は合計濃度を10ppm以下とするの好適である。また、特にスケール発生の原因となり易いカルシウムイオンとマグネシウムイオンとの合計濃度は10ppm以下、より好ましくは2ppm以下とするのが好適である。
【0026】
本発明の製造方法で使用する水ガラス溶液は、二酸化珪素とアルカリとを融解して得られた珪酸アルカリ塩の水溶液であって、ナトリウム以外の各金属イオン濃度が10ppm以下であるものであれば特に限定されないが、調製の容易さから高シリカ(SiO2)濃度の水ガラスをアルカリ金属イオン以外の金属イオンを除去した水で希釈し、シリカ(SiO2)濃度が3〜8wt%、特に5〜7wt%に調製したものを使用するのが好適である。高シリカ(SiO2)濃度の水ガラスとしては、工業的に入手できることからJIS規格3号水ガラス(シリカ濃度28〜30wt%)を用いるのが好適である。該JIS規格3号水ガラス中に含まれるナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオン濃度は製品によってまちまちであるが、通常その濃度は50ppm以下であるので、アルカリ金属イオンを含まない水で5倍以上に希釈することにより所期の濃度の水ガラス水溶液を得ることができる。なお、市販されているJIS規格3号水ガラスについては成分分析が行われて、その組成が明らかとなっているのでいるので、ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオン濃度の少ないものを入手し使用するのが好適である。
【0027】
上記の希釈に用いる水の調製方法は特に限定されないが、一般的にイオン交換樹脂法、逆浸透膜法、蒸留法、電気透析法等の公知の脱イオン法を用いて水道水からアルカリ金属イオン以外の金属イオンを除去することにより容易に調整することができる。たとえば、ナトリウム型イオン交換樹脂を充填した樹脂塔に水道水等の原水を供給して、原水中に含まれるカルシウムやマグネシウム等の金属イオンをナトリウムイオンに置換すればよい。このとき、連続運転を行なった場合には、経時的にイオン交換樹脂のイオン交換能が低下するので、適宜再生処理を行なうのが好適である。再生処理は、樹脂塔とは別個に設けた塩水槽からイオン交換樹脂に塩水(食塩水等)を導入して樹脂の再生を行えばよい。
【0028】
本発明の製造方法で使用する濃縮液は、電解質の水溶液であってナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオン濃度が10ppm以下であるものであれば特に限定されないが、製造時に副生する濃厚水酸化アルカリ水溶液からなる廃液が有効利用でき、生産効率が高まるという観点から上記濃厚水酸化アルカリ水溶液をナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオンを除去した水で希釈して調製したものを使用するのが好適である。希釈水としては前記したのと同じ希釈水を使用すればよい。
【0029】
以下に、上記のような系で脱アルカリ水ガラス溶液を連続的に製造する場合を例に、電気透析条件等を含めてその手順を詳しく説明する。
【0030】
図1に示す電気透析装置1には、前記したように、陽極2と陰極3の間に、陰イオン交換膜4と陽イオン交換膜5とが交互に配列されて、陽極室6、陰極室7、脱塩室8、及び濃縮室9が構成されている。また、各室枠には液供給口および液排出口が設けられ、各液供給口、液排出口は必要に応じて枝管を経由して主管に接続されている。更に、室枠内には、室枠の厚みを均一に維持すると共に、供給された液の流れを均一にするための配流作用を有するスペーサーを設けるのが一般的である。
【0031】
上記脱塩室8には、原料液である水ガラス水溶液を供給するための原料液供給路10が接続されており、原料液が連続的或いは断続的に原料液タンク18から供給できるようになっている。また、該原料液タンク18には、原料液調製タンク24において、濃厚水ガラスタンク23から供給された濃厚水ガラスをアルカリ金属イオン以外の金属イオンを除去した水である軟水22を貯留した軟水タンク22から供給される軟水で希釈・混合して調製された原料液が連続的或いは断続的に供給されると共に、電気透析槽から抜き出された生成液の一部が連続的又は断続的に循環供給できるようになっている。また、軟水タンク22に貯留される軟水は、原水(例えば水道水)20をイオン交換樹脂塔21で処理することによって調製できるようになっている。また、濃縮室9には濃縮液供給路11を通して濃縮液である水酸化ナトリウム水溶液が濃縮液タンク19から連続的に或いは断続的に供給できるようになっている。なお、濃縮液タンク19には塩濃度が増大した濃縮液の一部が電気透析槽から連続的或いは断続的に循環供給されると共に軟水タンク22から連続的或いは断続的に供給され、適度な濃度に調製できるようになっている。また、脱塩室8には「脱アルカリされた原料液」である生成液の一部を連続的又は断続的に抜き出すための生成液抜出し路12が接続されている。さらに、濃縮室には塩濃度が増大した濃縮液の一部を連続的又は断続的に抜き出すための濃縮液抜出し路13が接続されている。また、陽極室2及び陰極室3にはそれぞれ陽極液供給路14および陰極液供給路15、並びに陽極液抜出し路16及び陰極液抜出し路17が接続されており、電解開始時に陽極液及び陰極液としての電解液が供給できるようになっていると共に、運転時においては水又はアルカリ水溶液を連続的又は断続的に供給し、アルカリ金属濃度が増大した液を抜き出せるようになっている。
【0032】
電気透析を行なうに際しては、先ず陽極室6、陰極室7、脱塩室水素8、及び濃縮室9にそれぞれ陽極液、陰極液、原料液、及び濃縮液を供給する。次いで、陽極と陰極の間に電圧を印加し、電気透析を開始する。このときの電流密度は、特に制限を受けないが、一般には0〜10A/dm2、特に0〜5A/dm2が好適である。電気透析中においては、前記した各流路を利用して、原料液や濃縮液を連続的又は断続的に供給すると共に脱塩された原料液や塩濃度が増大した濃縮液を連続的又は断続的に抜き出せばよい。このとき、各イオン交換膜の電気抵抗の上昇を防止するために、各室内の溶液を撹拌しながら電気透析を行うことが好適である。上記撹拌の手段としては、各液を循環させるのが好適であり、そのためには各室の外部に液の種類ごとにタンクを設けて、各々の室と外部タンクとの間でポンプ等を用いて液を循環させるのが好適である。このような方式を採用することにり、生成物の脱アルカリ水ガラスの脱塩状態を制御することも容易になる。
【0033】
なお、上には連続的又は断続的に電気透析を行う態様を示したが、電気透析はバッチで行うことも可能である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
【0035】
実施例1
図1に示したのと同様な基本構成を有し、かつ表1に示す仕様のトクヤマ社製の電気透析装置(TS2-10型)を用い、JIS規格3号水ガラス溶液をイオン交換水で希釈してSiO2含有量を6wt%に調整した水ガラス溶液を脱塩室に供給し、水酸化ナトリウムをイオン交換水で希釈して0.5(mol/L)に調整した水酸化ナトリウム溶液を濃縮室に供給して脱塩処理を行なった。但し、上記電気透析条件は、表2に示す開始条件でバッチ処理により、表3に示す条件になるまで行なった。また、透析前後の生成液(脱アルカリ液)および濃縮液組成を表4に示す。表4に示されるように、脱アルカリ液および濃縮液中に含まれるカルシウムおよびマグネシウム濃度は、1.0ppmおよび0.8ppmであり、合計で1.8ppmであった。また、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属イオンは検知されず、0ppmであった。また、運転中の平均電流密度は2.0A/dm2、脱アルカリに要する時間は40分であった。さらに、運転後に透析槽を解体点検したが、イオン交換膜面にスケールは全く観察されなかった。
【0036】
【表1】
Figure 0004480903
【0037】
【表2】
Figure 0004480903
【0038】
【表3】
Figure 0004480903
【0039】
【表4】
Figure 0004480903
【0040】
実施例2
実施例1において、脱塩液および濃縮液を調整する際にイオン交換水の代わりに水道水とイオン交換水との混合液を使用する他は、実施例1と同様にして電気透析を行なった。但し、上記電気透析条件は、表2に示す開始条件でバッチ処理により、表3に示す条件になるまで行なった。また、透析前後の脱アルカリ液および濃縮液組成を表5に示す。ここで、脱アルカリ液および濃縮液中に含まれるカルシウムおよびマグネシウム濃度は、6ppmおよび2ppmであった。また、亜鉛は0.1ppm、銅は0.02ppm含まれていた。カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、チタン以外の金属イオンは検知されず、0ppmであった。また、運転中の平均電流密度は1.95A/dm2、脱アルカリに要する時間は42分であった。さらに、運転後に透析槽を解体点検したが、イオン交換膜面にスケールは全く観察されなかった。
【0041】
【表5】
Figure 0004480903
【0042】
比較例1
実施例1において、脱塩液および濃縮液を調整する際にイオン交換水の代わりに水道水を使用する他は、実施例1と同様にして電気透析を行なった。但し、上記電気透析条件は、表2に示す開始条件でバッチ処理により、表3に示す条件になるまで行なった。また、透析前後の脱アルカリ液および濃縮液組成を表6に示す。ここで、脱アルカリ液および濃縮液中に含まれるカルシウムおよびマグネシウム濃度は、それぞれ20ppmおよび5ppmであった。また、亜鉛は0.2ppm、銅は0.05ppm含まれていた。カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、チタン以外の金属イオンは検知されず、0ppmであった。また、運転中の平均電流密度は1.5A/dm2、脱アルカリに要する時間は50分であった。さらに、運転後に透析槽を解体点検した結果、カルシウムおよびマグネシウムを主成分とするスケールがイオン交換膜面に付着していた。
【0043】
【表6】
Figure 0004480903
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、イオン交換膜電気透析法により水ガラス溶液を脱アルカリして、地盤改良材として好適に使用できる脱アルカリ水ガラス溶液を製造するに際し、電気透析中にイオン交換膜の表面にカルシウムおよびマグネシウムを主成分とするスケールが発生するのを有効に抑制することができる。このため、安定して長時間連続して電気透析を行う事が可能になる。
【0045】
したがって、例えば、現場で脱アルカリ水ガラスを製造し、それをそのまま地盤改良材としてその使用する工法において、特に、長期間の工期を有する場合に本発明の製造方法を適用するメリットは大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本図は、本発明の製造方法で使用できる代表的な電気透析装置の模式図である。
【符号の説明】
1・・・電気透析装置
2・・・陽極
3・・・陰極
4・・・陰イオン交換膜
5・・・陽イオン交換膜
6・・・陽極室
7・・・陰極室
8・・・脱塩室
9・・・濃縮室
10・・原料液供給路
11・・濃縮液供給路
12・・生成液抜出し路
13・・濃縮液抜出し路
14・・陽極液供給路
15・・陰極液供給路
16・・陽極液抜出し路
17・・陰極液抜出し路
18・・原料液タンク
19・・濃縮液タンク
20・・原水
21・・イオン交換樹脂塔
22・・軟水タンク
23・・濃厚水ガラスタンク
24・・原料液調製タンク

Claims (2)

  1. 陽極と陰極との間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配置して、陽極側及び陰極側がそれぞれ陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜で仕切られた脱塩室、並びに陽極側及び陰極側がそれぞれ陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜で仕切られた濃縮室を交互に形成した電気透析装置を用い、前記脱塩室に水ガラス溶液を供給し、前記濃縮室に電解質の水溶液からなる濃縮液を供給して電気透析を行ない脱アルカリ水ガラス溶液を製造する方法において、使用する水ガラス溶液および濃縮液中に含まれるナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、アルミ、及びチタン以外の金属のイオン濃度を10ppm以下とすることを特徴とする脱アルカリ水ガラス溶液の製造方法。
  2. カルシウムイオンとマグネシウムイオンとの合計濃度が10ppm以下である水ガラス溶液および濃縮液を使用することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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