JPH05285347A - 酸及びアルカリの製造方法 - Google Patents

酸及びアルカリの製造方法

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JPH05285347A
JPH05285347A JP8235192A JP8235192A JPH05285347A JP H05285347 A JPH05285347 A JP H05285347A JP 8235192 A JP8235192 A JP 8235192A JP 8235192 A JP8235192 A JP 8235192A JP H05285347 A JPH05285347 A JP H05285347A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】運転中に陽極室に酸、アルカリおよびその他の
薬液を補充しなくてもバイポーラ膜を使用した電気透析
の連続運転を可能とする。 【構成】陽極と陰極の間に陽イオン交換膜、バイポーラ
膜および陰イオン交換膜を順に配列させて、塩室、酸室
およびアルカリ室を形成させ、塩室に塩水溶液を供給し
て酸室およびアルカリ室から酸およびアルカリをそれぞ
れ取り出す酸およびアルカリの製造方法において、陽極
室に酸、例えば、硫酸等を供給し、且つ該酸に耐食性の
陽極、例えば、チタン製陽極を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイポーラ膜を使用し
て塩水溶液の電気透析を行い、酸およびアルカリを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラ膜を使用した塩水溶液の電気
透析により、酸およびアルカリを生成させることは公知
である。バイポーラ膜を使用した塩水溶液の電気透析方
法は、次の二つに分けられる。一つは、バイポーラ膜と
陽イオン交換膜または陰イオン交換膜とを交互に複数枚
配列した二室式セル方式であり、この方法は特公昭33
−2023号公報により知られている。もう一つは、陽
イオン交換膜、バイポーラ膜および陰イオン交換膜を順
に複数枚配列させた三室式セル方式であり、この方法は
特公昭32−3962号公報、特公昭33−6963号
公報および特開昭63−65912号公報により知られ
ている。
【0003】バイポーラ膜電気透析において、陽極室と
陰極室には共にアルカリ水溶液を供給することが公知で
ある。しかし、バイポーラ膜電気透析では陽極室で酸が
発生するために、この方法では陽極液の中和反応が起こ
り、常にアルカリの補充を行わなければ電気透析を継続
することができなくなる。
【0004】また、陽極室と陰極室に同一組成の液を供
給することも提案されている(米国特許第488051
3号明細書、特開昭63−65912号公報)が、陽極
で発生した酸素ガス、陰極で発生した水素ガスの混合爆
発の危険性がある。
【0005】さらに、陽極室に塩水溶液を用いることも
既に公知であるが、塩が電極隔膜を通過して隣室に拡散
し、陽極室で酸が発生する。そのため、陽極室には常に
塩の補充が必要であった。さらに、塩の拡散が生じる場
合には、陽極液の塩と塩室の塩とを同一種類にしなけれ
ばならないという制限が加わるために、プロセスの自由
度を狭める結果につながる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、バイ
ポーラ膜を使用した電気透析の運転中に陽極室への酸、
塩およびその他の薬液を補充しなくても連続して電気透
析を行える方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するべく鋭意研究した結果、陽極室に酸を供給
し、且つ該酸に耐食性の陽極を使用することで、上記の
目的を達成できることを見いだし、本発明を提案するに
至った。
【0008】即ち、本発明は、陽極と陰極の間に陽イオ
ン交換膜または陰イオン交換膜とバイポーラ膜とを交互
に配列させて、アルカリ室と酸・塩混合室、または、酸
室とアルカリ・塩混合室を形成させ、酸・塩混合室また
はアルカリ・塩混合室に塩水溶液を供給してアルカリ室
または酸室からアルカリまたは酸をそれぞれ取り出すア
ルカリまたは酸の製造方法において、陽極室に酸を供給
し、且つ該酸に耐食性の陽極を使用することを特徴とす
る酸またはアルカリの製造方法である。
【0009】また、本発明は、陽極と陰極の間に陽イオ
ン交換膜、バイポーラ膜および陰イオン交換膜を順に配
列させて、塩室、酸室およびアルカリ室を形成させ、塩
室に塩水溶液を供給して酸室およびアルカリ室から酸お
よびアルカリをそれぞれ取り出す酸およびアルカリの製
造方法において、陽極室に酸を供給し、且つ該酸に耐食
性の陽極を使用することを特徴とする酸およびアルカリ
の製造方法をも提供する。
【0010】本発明においてバイポーラ膜を組み込んだ
電気透析槽としては、公知のものを何ら制限なく使用で
きる。例えば、二室式としては、図1に示すように、陽
極1と陰極2との間にバイポーラ膜(B)と陽イオン交
換膜(C)を交互に配列し、各膜の間にアルカリ室3と
酸・塩混合室4を形成させた構造のものを挙げることが
できる。また、陽極1と陰極2との間にバイポーラ膜
(B)と陰イオン交換膜(A)を交互に配列し、各膜の
間に酸室とアルカリ・塩混合室を形成させた構造のもの
を使用することもできる。
【0011】三室式としては、図2に示すように、陽極
11と陰極12との間にバイポーラ膜(B)、陰イオン
交換膜(A)および陽イオン交換膜(C)の3種類を順
に配列し、アルカリ室13、酸室14および塩室15の
三室を形成させた構造のものをあげることができる。こ
こで陽イオン交換膜(C)とバイポーラ膜(B)の間の
室をアルカリ室13、バイポーラ膜(B)と陰イオン交
換膜(A)の間の室を酸室14、陰イオン交換膜(A)
と陽イオン交換膜(C)の間の室を塩室15という。
【0012】電気透析槽の代表的な構成は、二室式の場
合は、陽極−(C−B)n−C−陰極または陽極−C−
(B−A)n−陰極で示され、三室式の場合は、陽極−
(C−B−A−)n−C−陰極で示される。ここで、陽イ
オン交換膜、バイポーラ膜および陰イオン交換膜などで
構成される最小の繰返単位をセルと称し、nはセルの繰
返積層数である。特に、陽極で生成された酸を有効に利
用するためには、陽極−C−A−(C−B−A−)n−C
−陰極で構成される電気透析槽を使用することが好まし
い。なお、バイポーラ膜は、通常、陰イオン交換体側を
陽極側に、また、陽イオン交換体側を陰極側に向けて使
用される。
【0013】上記の電気透析槽において、陽イオン交換
膜は特に限定されず公知の陽イオン交換膜を用いること
が出来る。例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、ホス
ホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基を有する
もの、さらにこれらのイオン交換基の複数種類が混在し
た陽イオン交換膜を使用できる。また、陽イオン交換膜
は重合型、縮合型、均一型、不均一型の別なく、また、
補強心材の有無や、炭化水素系のもの、フッ素系のも
の、材料・製造方法に由来する陽イオン交換膜の種類、
型式などの別なく如何なるものであってもよい。さら
に、2N−食塩水溶液を5A/dm2の電流密度で電気
透析し、電流効率が70%以上の実質的に陽イオン交換
膜として機能するものであれば、一般に両性イオン交換
膜と称されるものであっても本発明の陽イオン交換膜と
して使用できる。また、陽極室に接する陽イオン交換膜
は、フッ素系のものを使用することが好ましい。
【0014】本発明で使用されるバイポーラ膜は、陽イ
オン交換膜と陰イオン交換膜とが張り合わさった構造を
した複合イオン交換膜である。そのようなバイポーラ膜
としては、特に制限されず公知の膜を使用することがで
きる。その製造方法としては、次のようなものが知られ
ている。例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを
ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリンの混合物で張
り合わせ硬化接着する方法(特公昭32−3962号公
報)、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とをイオン交換
性接着剤で接着させる方法(特公昭34−3961号公
報)、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを微粉のイオ
ン交換樹脂、陰または陽イオン交換樹脂と熱可塑性物質
とのペースト状混合物を塗布し圧着させる方法(特公昭
35−14531号公報)、陽イオン交換膜の表面にビ
ニルピリジンとエポキシ化合物とからなる糊状物質を塗
布し、これに放射線照射することによって製造する方法
(特公昭38−16633号公報)、陰イオン交換膜の
表面にスルホン酸型高分子電解質とアリルアミン類を付
着させた後、電離性放射線を照射架橋させる方法(特公
昭51−4113号公報)、イオン交換膜の表面に反対
電荷を有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との
混合物を沈着させる方法(特開昭53−37190号公
報)、ポリエチレンフィルムにスチレン、ジビニルベン
ゼンを含浸重合したシート状物をステンレス製の枠には
さみつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取
り外して残りの部分にクロルメチル化、次いでアミノ化
処理する方法(米国特許3562139号明細書)、ま
た陰イオン交換膜と陽イオン交換膜との界面を無機化合
物で処理し、両膜を接合する方法(特開昭59−472
35号公報)などである。
【0015】本発明で用いる陰イオン交換膜は、特に限
定されず公知の陰イオン交換膜を用いることが出来る。
例えば、4級アンモニウム基、1級アミノ基、2級アミ
ノ基、3級アミノ基、さらにこれらのイオン交換基が複
数混在した陰イオン交換膜を使用できる。また該陰イオ
ン交換膜は重合型、縮合型、均一型、不均一型の別な
く、また、補強心材の有無や、炭化水素系のもの、フッ
素系のもの、材料・製造方法に由来する陰イオン交換膜
の種類、型式などの別なく如何なるものであってもよ
い。さらに2N−食塩溶液を5A/dm2の電流密度で
電気透析し、電流効率が70%以上の実質的に陰イオン
交換膜として機能するものであれば、一般に両性イオン
交換膜と称されるものであっても本発明の陰イオン交換
膜として使用できる。陰イオン交換膜は酸を透過させ易
い傾向があるので、酸を透過させにくい陰イオン交換膜
使用することが好ましい。
【0016】本発明において電気透析の対象として使用
される塩は、電気透析により塩分解を行って生成する酸
およびアルカリが水溶液を形成するものであれば、有機
塩および無機塩を問わず何等制限なく使用できる。塩を
構成する陽イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム、アンモニウムイオン等がある。また塩
を構成する陰イオンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素の各ハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸
イオン、乳酸イオン等がある。
【0017】本発明における電気透析の方法としては、
塩室、酸室、アルカリ室、酸・塩混合室およびアルカリ
・塩混合室は、それぞれの室に供給する液のタンクを設
けて、それぞれの室と液のタンクの間でそれぞれの室に
供給する液を循環させる方法を好適に採用することがで
きる。
【0018】生成してきた酸またはアルカリを抜き出す
方法としては、下記に示す方法を好適に採用できる。
【0019】1.始めに薄い酸またはアルカリ水溶液を
仕込んでおいて酸またはアルカリを生成させ、所定の濃
度になったときに酸またはアルカリを所定量抜き出して
水を補充し、初期の酸またはアルカリ濃度にするという
いわゆるバッチ式方法。
【0020】2.予め所定濃度の酸またはアルカリ水溶
液を仕込んでおき、通電時に通電電気量に応じて連続的
に水を添加することにより所定濃度の酸またはアルカリ
水溶液をオーバーフローさせるという連続方法。
【0021】本発明の最大の特徴は、陽極室に酸を供給
し、且つ該酸に耐食性の陽極を使用する点にある。この
ようにすることにより、運転中に陽極室へのアルカリ、
塩およびその他の薬液を補充しなくても連続して電気透
析を行うことが可能となる。陽極室に供給される酸とし
てはどのような酸でも良いが、導電性の良いものを好適
に使用できる。一般には、強酸である硫酸、塩酸、硝
酸、過塩素酸等を挙げることができる。これらの酸のな
かでも陽極や陽極隔膜の耐食性、陽極発生ガスを考慮す
ると特に硫酸が好ましい。また、酸の水溶液濃度は、バ
イポーラ電気透析で製造される酸濃度とほぼ等しいこと
が好ましく、通常は、0.5〜10Nの範囲から、好ま
しくは1N〜4Nの範囲から採用することができる。
【0022】また、陽極は、上記の酸に耐食性を示す材
質が選ばれる。このような陽極の材質としては、鉛、チ
タンが好適に使用される。またチタンの表面にはイリジ
ウムまたは白金メッキを行うなどして耐酸処理を施すこ
とが好ましい。
【0023】本発明の陰極室にはアルカリを供給するこ
とが好ましい。供給されるアルカリとしてはどのような
アルカリでも良いが、導電性の良いものが好適に使用で
きる。一般には、強塩基である水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化バリウム等を挙げることができる。
陰極や陰極隔膜の耐食性、陰極発生ガスを考慮すると水
酸化ナトリウムが好ましい。また、アルカリの水溶液濃
度は、バイポーラ電気透析で製造されるアルカリ濃度と
ほぼ等しいことが好ましく、0.5〜10N、さらに、
1N〜4Nの範囲であることが好ましい。また、上記の
陰極室には、本発明の電気透析によってアルカリ室から
得られるアルカリ水溶液を供給することができる。
【0024】本発明において陰極の材質は特に限定され
るものでなく、通常、陰極板として使用されるニッケ
ル、鉄、ステンレススチールまたは白金等が好適に使用
できる。これらのなかでも耐食性、電気伝導性、熱伝導
性を考慮するとニッケルが好適に使用される。
【0025】本発明にしたがって電気透析を行った場
合、陰極で水素ガスが、また、陽極で塩素ガスが発生し
たり、酸化性物質が生成することがある。このような場
合には、陽極室および陰極室に供給する極液の循環路に
気液分離装置、或いは還元剤を添加して酸化性物質を除
去するための装置を設け、極室で発生するガスを分離除
去し、また、酸化性物質を還元除去することが好まし
い。
【0026】
【発明の効果】本発明は、運転中に陽極室に酸、アルカ
リおよびその他の薬液を補充しなくてもバイポーラ膜を
使用した電気透析を連続して行うことができ、電気透析
槽の長期運転を低コストで可能とする。
【0027】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために、以下
に実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 バイポーラ膜は次のようにして得た。即ち、ビニルベン
ジルクロリド50部、スチレン35部、純度50%のジ
ビニルベンゼン15部、ベンゾイルパーオキサイド2
部、スチレンオキサイド2部およびアクリロニトリル−
ブタジエンゴム5部からなる粘稠なポリマー溶液を調製
した。このポリマー溶液をガラス板間において、窒素雰
囲気中、70℃で16時間の加熱重合を行って高分子膜
状物を得た。次に、この高分子膜状物を96%硫酸に6
0度で10分間浸漬し、膜状物の表面にスルホン酸基を
導入した。さらに、トリメチルアミン−アセトン−水
(1:1:8)混合溶液中に置いて、30℃で1日処理
して、膜状物の内部に陰イオン交換基を導入し陰イオン
交換膜を得た。この表面がスルホン化された陰イオン交
換膜と徳山曹達社製陽イオン交換膜(商品名、CM−
1)の間に、5%ポリビニルアルコールと5%グルタル
アルデヒドの等量よりなる混合物を塗り、50℃にて加
熱プレスを1時間行い、接着しバイポーラ膜を得た。ま
た、陽イオン交換膜は、徳山曹達社製陽イオン交換膜
(商品名、CL−25T)を用いた。
【0029】硫酸ナトリウム及び硫酸を水に溶解させて
1リットル中に硫酸ナトリウム213g、硫酸49gを
含む溶液を調製した。得られた溶液をバイポーラ膜電気
透析に供した。バイポーラ膜電気透析槽は、図1に示す
ように、1対の陰陽極間に陽イオン交換膜とバイポーラ
膜とが交互にそれぞれ11枚および10枚(陽イオン交
換膜、バイポーラ膜の有効膜面積はいずれも1dm2
総膜面積はそれぞれ11dm2および10dm2)配置さ
れ、アルカリ室、酸・塩混合室が形成されたフィルター
プレス型バイポーラ膜電気透析槽を用いた。
【0030】酸・塩混合室には上記の硫酸ナトリウム−
硫酸溶液5リットルを、アルカリ室には2.5規定水酸
化ナトリウム水溶液5リットルを、それぞれ3cm/s
ecの線速度で供給し、循環した。陽極室には2.5規
定硫酸、陰極室には2.5規定の水酸化ナトリウム水溶
液をそれぞれ5リットル循環した。陽極は白金メッキの
チタン板を、陰極はニッケル板を用いた。40℃、電流
密度10A/dm2で電気透析を168時間連続で行っ
た。連続運転を行うために、酸・塩混合室は、濃度コン
トロールを行い、常に硫酸ナトリウム濃度が2.5規定
になるように3規定の硫酸ナトリウム水溶液を供給し
た。また、アルカリ室には、常に水酸化ナトリウムの濃
度が2.5規定になるようにイオン交換水を供給した。
さらに、陽極液には液量の減少にともないイオン交換水
を供給した。それぞれの室の液の循環用にタンクが設置
してあり、容量5リットルで溢流するものを用いた。
【0031】その結果、初期のバイポーラ透析槽の槽電
圧は20.5Vであり、168時間後も変化なかった。
陽極液は、徐々に液量が減少したので、イオン交換水を
加えて5リットルの液量を保った。
【0032】比較例1 実施例1と同じ膜と電槽を使用し、両電極板をニッケル
板に、両極液を2.5規定の水酸化ナトリウム水溶液と
して、陽極液には液量の減少にともないイオン交換水を
供給し、実施例1と全く同一の連続運転を行った。
【0033】その結果、初期のバイポーラ透析槽の槽電
圧は実施例1と同じであった。しかし、徐々に電圧が上
昇し23時間後、電圧は初期の2倍以上となり、整流器
の能力オーバーとなり運転を中止した。陽極液の濃度を
測定すると、水酸化ナトリウム溶液の濃度が0.6規定
となっており、ほとんど電流の流れない状態であった。
【0034】比較例2 実施例1と同じ膜と電槽を使用し、両電極板をニッケル
板に、両極液を2.5規定の水酸化ナトリウム水溶液と
して、実施例1と全く同一の連続運転を行った。ただ
し、両極室から排出される両極液は同一のタンクに回収
し、それを両極室に供給循環した。この方法は、両極液
で発生した酸素ガスと水素ガスがタンク内で混合される
ため爆発の危険があり、火気と換気に充分に注意して実
験を行った。また、両極液の液量の減少にともないイオ
ン交換水を供給した。
【0035】その結果、初期のバイポーラ透析槽の槽電
圧は実施例1と同じであった。しかし、徐々に電圧が上
昇し107時間後、電圧は初期の2倍以上となり、整流
器の能力オーバーとなり運転を中止した。極液濃度は、
0.6規定であった。
【0036】実施例2 図2のように、実施例1で使用したバイポーラ膜と陽イ
オン交換膜の他に徳山曹達社製の陰イオン交換膜(商品
名、AMH)からなる三室法バイポーラ膜電気透析槽を
組み、食塩水溶液を次のように通液した。
【0037】バイポーラ膜電気透析槽は、図2に示すよ
うに、1対の陰陽極間に陽イオン交換膜(C)、バイポ
ーラ膜(B)および陰イオン交換膜(A)が順にそれぞ
れ11枚、10枚、10枚(陽イオン交換膜、バイポー
ラ膜、陰イオン交換膜の有効膜面積はいずれも1d
2、総膜面積はそれぞれ11dm2,10dm2,10
dm2)配置され、アルカリ室13、酸室14および塩
室15が形成されたフィルタープレス型バイポーラ膜電
気透析槽を用いた。
【0038】酸室には水を連続的に加えて2規定に調製
した塩酸を、塩室には2規定の塩化ナトリウム水溶液
を、アルカリ室には水を連続的に加えて2規定に調製し
た水酸化ナトリウム水溶液を、それぞれ6cm/sec
の線速度で供給し、循環した。陽極室には2.5規定硫
酸、陰極室には2.5規定の水酸化ナトリウム水溶液を
それぞれ5リットル循環し、陽極液には液量の減少にと
もないイオン交換水を供給した。陽極は白金メッキのチ
タン板を、陰極はニッケル板を用いた。40℃、電流密
度10A/dm2で10日間電気透析を行った。その結
果、通電中のセル電圧は、1.7ボルトのまま変化は全
く無かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、二室式電気透析槽の模式図である。
【図2】図2は、三室式電気透析槽の模式図である。
【符号の説明】
B バイポーラ膜 C 陽イオン交換膜 A 陰イオン交換膜 1 陽極 2 陰極 3 アルカリ室 4 酸・塩混合室 6 陽極室 7 陰極室 11 陽極 12 陰極 13 アルカリ室 14 酸室 15 塩室 16 陽極室 17 陰極室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に陽イオン交換膜または陰
    イオン交換膜とバイポーラ膜とを交互に配列させて、ア
    ルカリ室と酸・塩混合室、または、酸室とアルカリ・塩
    混合室を形成させ、酸・塩混合室またはアルカリ・塩混
    合室に塩水溶液を供給してアルカリ室または酸室からア
    ルカリまたは酸をそれぞれ取り出すアルカリまたは酸の
    製造方法において、陽極室に酸を供給し、且つ該酸に耐
    食性の陽極を使用することを特徴とする酸またはアルカ
    リの製造方法。
  2. 【請求項2】陽極と陰極の間に陽イオン交換膜、バイポ
    ーラ膜および陰イオン交換膜を順に配列させて、塩室、
    酸室およびアルカリ室を形成させ、塩室に塩水溶液を供
    給して酸室およびアルカリ室から酸およびアルカリをそ
    れぞれ取り出す酸およびアルカリの製造方法において、
    陽極室に酸を供給し、且つ該酸に耐食性の陽極を使用す
    ることを特徴とする酸およびアルカリの製造方法。
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