JP2005514447A - 電気透析による水酸化オニウムの精製 - Google Patents

電気透析による水酸化オニウムの精製 Download PDF

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Abstract


【課題】 水酸化オニウムの廃溶液をリサイクルし、濃度および純度が増大した水酸化オニウムのリサイクル溶液を得ること。
【解決手段】 本発明は、水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスに関する。特に、本発明は、所望でない量のアニオンを含む水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスに関する。また、本発明は、上記方法によって得られる改善された高純度の水酸化オニウム溶液に関する。

Description

本発明は、水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスに関する。特に、本発明は、所望でない量のアニオンを含む水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスに関する。本発明はまた、上記方法によって得られる改善された高純度水酸化オニウム溶液に関する。
水酸化オニウム(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)および水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)を含む4級水酸化アンモニウム)は、長年にわたって公知の強力な有機塩基である。水酸化4級アンモニウムは、種々の用途(例えば、ゼオライトの製造およびポリマーの製造における使用)に用いられることがわかっている。また、4級水酸化アンモニウムの水溶液(特に、TMAH溶液)が、印刷回路基板およびマイクロ電子チップの製造におけるフォトレジストの現像剤として広く用いられている。多くの理由により、印刷回路基板およびマイクロ電子チップの製造に用いられる現像剤の総量は最小限とするのが望ましい。水酸化物現像剤の総量を最小化する1つの方法は、廃現像剤を再使用することである。現像剤を再使用することにより、失われる量が減少され、かつ、廃棄の問題が低減される。
廃現像剤は、イオン性不純物および非イオン性不純物などの不純物を含む。イオン性不純物としては、ナトリウム、カリウム、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、銅およびカルシウムなどの種々の金属カチオン;ならびに、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩、カルボン酸塩および硫酸塩などのアニオンが挙げられる。非イオン性不純物としては、フォトレジスト、界面活性剤、アミン類、および他の多くの有機分子が挙げられる。廃現像剤は、比較的低濃度の水酸化物現像剤をも含む。したがって、使用可能な形態で水酸化物現像剤を効果的に回収し、再使用し、印刷回路基板およびマイクロ電子チップの製造に用いられる現像剤の総量を最小化し得ることについては、依然として需要がある。
米国特許第4,714,530号(Haleら)は、高純度の4級水酸化アンモニムを調製する電気分解的プロセスを記載する。このプロセスは、カチオン交換膜で分離されたカソード液コンパートメントとアノード液コンパートメントとを有するセルを用いる。このプロセスは、4級水酸化アンモニウム水溶液をアノード液コンパートメントに入れること、カソード液コンパートメントに水を加えること、および、電解セルに直流電流を流してより高純度の4級水酸化アンモニウムをカソード液コンパートメントに生成し、次いでこれを回収することを含む。また、当該’530特許は、電解セルのアノード液コンパートメントに4級水酸化アンモニウムを入れる前に、高温で当該水酸化物を加熱することを含む改善を記載している。
また、米国特許第4,938,854号(Sharifianら)は、潜在的なハロゲン化物濃度を低減することにより4級水酸化アンモニウムを精製する電気分解的プロセスを記載する。電解セルは、アニオンまたはカチオン選択膜であり得るディバイダーによって、カソード液コンパートメントとアノード液コンパートメントとに分割され得る。カソード液コンパートメントのカソードは、亜鉛、カドミウム、スズ、鉛、銅またはチタン、あるいはそれらの合金、水銀または水銀アマルガムを含む。
特開昭60-131985号公報(Takahashiら)は、電解セルにおいて高純度の4級水酸化アンモニウムを製造する方法を記載する。当該セルは、カチオン交換膜によって、アノードチャンバーとカソードチャンバーとに分割されている。不純物を含む4級水酸化アンモニウム溶液がアノードチャンバーに入れられ、水がカソードチャンバーに入れられた後、2つの電極間に直流電流が流される。精製された4級水酸化アンモニウムがカソードチャンバーから得られる。当該精製された4級水酸化アンモニウムは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アニオン類等の量が低減されている。
米国特許第5,439,564号および同第5,545,309号(Shimizuら)は、有機4級水酸化アンモニウムを含む廃液を処理する方法に関する。当該方法は、当該廃液をカチオン交換材料に接触させ、有機4級アンモニウムカチオンを当該カチオン交換材料から溶出し、および、アノードとカソードとカチオン交換材料とを備え、2つのチャンバーを有する電解セルにおいて溶出液を電気分解することにより行われる。有機4級水酸化アンモニウムが、電解セルのカソードチャンバーから得られる。
米国特許第5,968,338号(Hulmeら)は、カチオン交換材料、塩を形成する酸、および、少なくとも3つのコンパートメントを有し、水酸化オニウムを再生成する電気化学セルを用いて、オニウム化合物(例えば、水酸化物および塩)を含む溶液から水酸化オニウムを再生成するプロセスを記載する。
米国特許第6,207,039号(Moultonら)は、電気化学セルを用いて、オニウム化合物(例えば、水酸化物、塩、またはそれらの混合物)を含む溶液から水酸化オニウムまたはオニウム塩を回収するプロセスを記載する。当該セルは、少なくとも2つのコンパートメントと、カソードと、アノードと、ディバイダーとを備え、少なくとも1つのコンパートメントはイオン交換材料を含む。種々の電気化学セルが記載されている。当該特許の図3に示される1つの形態においては、当該セルは、アノードと、カソードと、当該アノード側から順に第1のバイポーラ膜、カチオン選択膜および第2のバイポーラ膜を含むユニットセルとを備える。第1のバイポーラ膜およびカチオン選択膜によって形成されるコンパートメント(供給コンパートメント)は、イオン交換材料を含む。
上記’039特許の図8および図8Aに示される別の電気化学セルは、アノードと、カソードと、当該アノード側から順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜、第2のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜を含むユニットセルとを備える。いずれの実施形態においても、供給コンパートメントは、イオン交換材料を含む。図8Bの実施形態においては、供給コンパートメントは、第1のバイポーラ膜および第1のカチオン選択膜によって形成される。
1つの実施形態においては、本発明は、水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスである。このプロセスは、
(A)少なくとも4つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、カソード、アノード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成されている、電気化学セルを提供すること、
(B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、いずれのイオン交換材料も含まない供給コンパートメントに水酸化オニウム溶液を入れること、
(C)該セルに電流を流すこと、および
(D)該第1のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、精製された水酸化オニウム溶液を回収すること
を含む。
別の実施形態においては、本発明は、水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスに関する。このプロセスは、
(A)少なくとも5つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、アノード、カソード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜、第2のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成されている、電気化学セルを提供すること、
(B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、いずれのイオン交換材料も含まない供給コンパートメントに水酸化オニウム溶液を入れること、
(C)該セルに電流を流すこと、および
(D)該第2のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、精製された水酸化オニウム溶液を回収すること
を含む、プロセス。
本発明のプロセスによって精製され得る上記水酸化オニウムは、4級アンモニウムの水酸化物(4級水酸化アンモニウム)、4級ホスホニウムの水酸化物(4級水酸化ホスホニウム)または3級スルホニウムの水酸化物(3級水酸化スルホニウム)を包含する。
本発明のプロセスの結果として、濃度および純度が増大した水酸化オニウムのリサイクル溶液が得られ得る。水酸化オニウムの廃溶液をリサイクルすることは、コストを削減するだけでなく、新しい水酸化物化合物溶液の合成、それに付随した高価な精製プロセス、および廃溶液の流出液による毒性を排除または低減することにより環境的な利点をも提供する。さらに、大量の化学物質を貯蔵する必要がない。本発明によって得られ得る比較的高濃度および高純度の水酸化オニウム溶液は、水酸化オニウム溶液が必要とされる多くの用途において有効に使用され得る。
本発明によれば、所望でないアニオンを含む水酸化オニウム水溶液の純度が、電気化学セルにおける電気透析によって改善される。1つの実施形態においては、所望でない量のアニオンを含む水酸化オニウム水溶液は、本発明のプロセスによって処理され得、当該所望でないアニオンの含有量が減少した水酸化オニウム水溶液が得られ得る。存在し得るアニオンとしては、ハロゲン化物、炭酸塩、ギ酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩などが挙げられる。1つの実施形態においては、本発明によって精製され得る水酸化オニウム水溶液は、カチオン交換材料上に吸着されたオニウムカチオンを有機塩基の水溶液で溶出させて得られる溶液である。これらは、2000年10月20日に出願された同時係属中の出願である米国特許出願第09/623,293号に記載されている。
本明細書および請求の範囲において示されるように、上記電気化学セルの供給コンパートメントは、いずれのイオン交換材料も含まない。すなわち、供給コンパートメントは、米国特許第6,207,039号に記載されたタイプのいずれのカチオン交換材料もアニオン交換材料も含まない。別の実施形態においては、当該電気化学セルの別のコンパートメントもまた、イオン交換材料を含まない。
上記水酸化オニウムは、一般的に下記化学式で表され得る:
A(OH) (I)
ここで、Aはオニウム基であり、XはAの原子価に等しい整数である。オニウム基の例としては、アンモニウム基、ホスホニウム基およびスルホニウム基が挙げられる。1つの実施形態においては、上記水酸化オニウムは、有用な回収率を得るに十分なほど溶液(例えば、水、アルコールまたは他の有機液体、あるいはそれらの混合物)に対して可溶性である。
4級アンモニウムの水酸化物および4級ホスホニウムの水酸化物は、下記化学式で表され得る:
Figure 2005514447
ここで、Aは窒素またはリン原子であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、1から約20個の炭素原子を有するアルキル基、2から約20個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキル基、アリール基、またはヒドロキシアリール基であり、あるいは、RおよびRは、Aと一緒になって複素基を形成し得、ただし、該複素基がC=A基を含む場合にはRは二次結合(the second bond)である。
上記アルキル基R〜Rは、直鎖状または分岐状であり得る。1から20個の炭素原子を有するアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ヘキサデシルおよびオクタデシル基が挙げられる。また、R、R、RおよびRは、ヒドロキシエチル、ならびに、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル等の種々の異性体などのヒドロキシアルキル基であり得る。1つの実施形態においては、R、R、RおよびRは、独立して、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、および2から3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である。アルコキシアルキル基の具体例としては、エトキシメチル、ブトキシメチル、ブトキシブチル等が挙げられる。種々のアリールおよびヒドロキシアリール基の例としては、フェニル、ベンジル、および、ベンゼン環が1つ以上の水酸基で置換されている同等の基が挙げられる。
本発明のプロセスによってリサイクルまたは精製され得る4級水酸化アンモニウムは、式IIIで表され得る:
Figure 2005514447
ここで、R、R、RおよびRは、式IIにおいて定義したとおりである。1つの好ましい実施形態においては、R〜Rは、1から約4個の炭素原子を有するアルキル基、および、2または3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である。本発明のプロセスによって精製される4級水酸化アンモニウムは、最も多くの場合、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)または水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)である。このような水酸化アンモニウムの具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラn−オクチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム、水酸化メチルトリプロピルアンモニウム、水酸化メチルトリブチルアンモニウム、水酸化セチルトリメチルアンモニウム、水酸化トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、水酸化トリメチルメトキシエチルアンモニウム、水酸化ジメチルジヒドロキシエチルアンモニウム、水酸化メチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、水酸化フェニルトリメチルアンモニウム、水酸化フェニルトリエチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ジメチルピロリジニウム、水酸化ジメチルピペリジニウム、水酸化ジイソプロピルイミダゾリニウム、水酸化N-アルキルピリジニウム等が挙げられる。
本発明のプロセスによって精製され得る4級ホスホニウムの水酸化物(AがPである場合の式IIによって表される)の例としては、水酸化テトラメチルホスホニウム、水酸化テトラエチルホスホニウム、水酸化テトラプロピルホスホニウム、水酸化テトラブチルホスホニウム、水酸化トリメチルヒドロキシエチルホスホニウム、水酸化ジメチルジヒドロキシエチルホスホニウム、水酸化メチルトリヒドロキシエチルホスホニウム、水酸化フェニルトリメチルホスホニウム、水酸化フェニルトリエチルホスホニウム、および水酸化ベンジルトリメチルホスホニウム等が挙げられる。
別の実施形態においては、本発明のプロセスによってリサイクルまたは精製され得る3級スルホニウムの水酸化物は、式IVで表され得る:
Figure 2005514447
ここで、R、R、およびRは、それぞれ独立して、1から約20個の炭素原子を有するアルキル基、2から約20個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキル基、アリール基、またはヒドロキシアリール基であり、あるいは、RおよびRは、Sと一緒になって複素基を形成し得、ただし、該複素基がC=S基を含む場合にはRは二次結合である。
上記式IVで表される3級スルホニウムの水酸化物の例としては、水酸化トリメチルスルホニウム、水酸化トリエチルスルホニウム、水酸化トリプロピルスルホニウム等が挙げられる。
水酸化オニウムは市販されている。さらに、水酸化オニウムは、対応するオニウム塩(例えば、対応するハロゲン化オニウム、炭酸オニウム、ギ酸オニウム、硫酸オニウムなど)から調製され得る。
種々の調製方法が米国特許第4,917,781号(Sharifianら)および同第5,286,354号(Bardら)に記載されており、これらの特許は本明細書に参考として援用されている。どのようにして水酸化オニウム溶液を得るかまたは調製するかについては、格別の限定はない。
電気透析の前に、水酸化オニウムと不純物とを含む溶液は、必要に応じて濃縮され得、または前処理され得る。すなわち、当該溶液における水酸化オニウムの濃度は電気透析の前に増加され得、および/または、種々の不純物は当該オニウム化合物溶液から除去され得る。
いくつかの実施形態においては、電気透析の前に水酸化オニウム溶液を濃縮することが望まれ得る。濃縮手順は当業者に公知であり、蒸発、蒸留、ナノフィルターろ過、および逆浸透法などが挙げられる。同様に、これらの濃縮手順は、必要に応じて、電気透析セルの供給コンパートメントに入れられた水酸化オニウム溶液(詳細は後述する)の濃縮に用いられ得る。
別の実施形態においては、本発明による電気透析の前に、ある種の形態のろ過によって水酸化オニウム溶液を前処理することが望まれ得る。重力ろ過、精密ろ過(例えば、ナノフィルターろ過)、十字流ろ過、カートリッジろ過、真空ろ過および圧力誘導ろ過(pressure induced filtration)などの種々のタイプのろ過が行われ得る。関連するストレーナーおよびスクリーニング前処理もまた行われ得る。ろ過膜は、液体から固体を分離するに有用な公知の材料で作製され得る。このような材料としては、プラスチック(例えば、PTFE、PVDF、PET、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン)、酢酸セルロース、硝酸セルロース、再生セルロース、ニトロセルロース、紙(例えば、無灰紙)、種々の繊維(例えば、ガラス繊維)、および、種々の粒子(例えば、活性炭、シリカ、砂)などが挙げられる。あるいは、前処理は、水酸化オニウム溶液を種々の粒子状物質(例えば、活性炭)に接触させることを含み得る。その結果、有機不純物が粒子状物質に吸着されて、溶液から除去される。
いくつかの実施形態においては、1つより多いタイプ(または通過)のろ過前処理が行われ得る。各々のろ過前処理が、異なる種の不純物を除去し得る。例えば、1つの実施形態においては、2つのろ過前処理が行われる:有機不純物が重力ろ過によって実質的または部分的に除去され、溶液のpHを増加させてある種の金属を不溶性の水酸化塩に形成することによりろ過を促進するようにした後(すなわち、不溶物を分離した後)、金属不純物が別の重力ろ過を通過することにより実質的または部分的に除去される。
別の実施形態においては、本発明による電気透析の前に、ある種の形態の金属処理によって水酸化オニウム溶液を前処理することが望まれ得る。金属前処理は、水酸化オニウム溶液から過剰の金属不純物を除去する。1つの実施形態においては、金属前処理は、水酸化オニウム溶液を予備イオン交換材料に接触させて金属を除去することを含む。当該予備イオン交換材料は、好ましくは、金属カチオンとオニウムカチオンとを選択的に区別し得る予備カチオン交換材料である。その結果、オニウム化合物溶液中の金属イオン不純物の少なくとも一部が、当該予備イオン交換材料に吸着される。例えば、ナトリウムが親和性を有する予備イオン交換材料は、本発明による電気透析の前に水酸化オニウム溶液からナトリウムを除去する金属前処理として用いられ得る。
別の実施形態においては、金属前処理は、水酸化オニウム溶液を金属錯化化合物に接触させることを含む。金属錯化化合物は、水酸化オニウム溶液中の金属不純物の少なくとも一部を吸着し、それに結合し、錯体を形成し、配位し、キレート化し、または固定する。これにより、本発明によるカチオン交換材料と接触する前に、金属不純物の少なくとも一部を除去する。金属錯化化合物の例としては、クラウンエーテル、クリプタンド、およびキレート化化合物(例えば、ジアミン、ジケトンエステル)が挙げられる。
さらに別の実施形態においては、金属前処理は、オニウム化合物溶液を、金属カチオンと不溶性(少なくとも部分的に不溶性)の沈殿物を形成し得る酸または塩に接触させることを含み得る。これにより、沈殿を容易に除去することが可能となり、したがって金属を本発明の電気透析から除去することが可能となる。
本発明において有用な電気化学セルは、少なくともアノード、カソード、第1および第2のバイポーラ膜、ならびに、当該2つのバイポーラ膜の間に1つ以上のカチオン選択膜を有する。当該アノードとカソードとの間の操作位置に組み立てられた1つ以上のユニットセルが存在し得る。種々のユニットセルおよび複数のユニットセルを含む、本発明のプロセスに有用な電気化学セルが、本明細書に記載されている。複数のユニットセルは、アノードとカソードとの間の多くのコンパートメントによって規定され得る。あるいは、複数のユニットセルは、アノードとカソードを含む多くのコンパートメントによって規定され得る。使用され得るユニットセルの数は、特に制限されない。しかし、1つの実施形態においては、本発明に有用な電気化学セルは、1〜約25個のユニットセル、好ましくは1〜約10個のユニットセルを含み得る。
本発明に有用な電気化学セルは、少なくとも4または5個のコンパートメントを含む。少なくとも4個のコンパートメントを含む電気化学セルは、一般的に、2つの電極すすぎまたは緩衝コンパートメントと、供給コンパートメントと、回収コンパートメントとを有する。少なくとも5個のコンパートメントを含む電気化学セルは、一般的に、供給コンパートメント、回収コンパートメント、および2つの電極すすぎまたは緩衝コンパートメントに加えて、当該供給コンパートメントと回収コンパートメントとの間に、通過または中間コンパートメントを有する。
イオン性溶液または電解液が、電気化学セルの1つ以上のコンパートメントに入れられる。当該溶液は水性、アルコールまたはグリコール性、他の有機溶液、またはそれらの組み合わせであり得る。言い換えれば、当該溶液は、水、水と有機液体との混合物、または有機液体を含み得、当該有機液体は、メタノール、エタノール、グリコールなどのアルコールを含み得る。1つの実施形態においては、各コンパートメントに入れられる溶液は、水溶液である。
最初に供給コンパートメントに入れられる水酸化オニウムの濃度は、約0.1M〜約6Mの範囲である。好ましい実施形態においては、供給コンパートメントに入れられる溶液中のオニウム塩の濃度は、約0.5M〜約2Mである。2つ以上の供給コンパートメントを有する電気化学セルにおいては、供給コンパートメントに入れられる溶液中の水酸化オニウムの濃度は、それぞれの供給コンパートメントで同じであってもよく、異なっていてもよい。その名称が示唆するように、供給コンパートメントは、オニウムカチオンと所望でないアニオンとを含む本発明によって精製されるべき水酸化オニウム溶液を最初に保持する。
回収コンパートメントには、最初、溶液(好ましくは、水溶液)が入れられる。回収コンパートメントに入れられる溶液は、イオン性化合物を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。イオン性化合物は、溶液中で部分的にまたは完全にイオン化する化学化合物(例えば、電解質)である。1つの実施形態においては、回収コンパートメント中のイオン性化合物は、供給コンパートメントに入れられる水酸化オニウムと同じである(または、回収コンパートメントから回収される水酸化オニウムと同じである)。セルに電流を流した後、水酸化オニウムが所定の濃度で回収コンパートメントから回収され得、または得られ得る。1つの実施形態においては、回収コンパートメント中の水酸化オニウム濃度は、約0.5Mより大きい。別の実施形態においては、回収コンパートメント中の水酸化オニウム濃度は、約1Mより大きい。さらに別の実施形態においては、回収コンパートメント中の水酸化オニウム濃度は、約2Mより大きい。2つ以上の回収コンパートメントを有する電気化学セルにおいては、回収コンパートメントから回収される溶液中の水酸化オニウムの濃度は、それぞれの回収コンパートメントで同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記電極すすぎまたは緩衝コンパートメント(すなわち、アノードおよびカソードに隣接するコンパートメント)は、所定の濃度のイオン性化合物溶液を含む。当該イオン性化合物は、導電性を維持し、セル操作電圧を低くできるよう機能する。電極すすぎコンパートメントに入れられる溶液中のイオン性化合物の濃度は約0.1M〜約5Mの範囲である。別の実施形態においては、濃度は約0.5M〜約2Mである。さらに別の実施形態においては、濃度は約0.7M〜約1.5Mである。2つ以上の電極すすぎコンパートメントを有する電気化学セルにおいては、電極すすぎコンパートメントに入れられる溶液中のイオン性化合物の濃度は、各コンパートメントについて同じであってもよく、異なっていてもよい。
中間または通過コンパートメントが存在する場合には、溶液(好ましくは、水溶液)が最初に入れられる。中間通過コンパートメントに入れられる溶液は、イオン性化合物を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。イオン性化合物が存在する場合には、当該化合物は、他のコンパートメントのイオン性化合物と同じであってもよく、異なっていてもよい。中間または通過コンパートメントは、2つのカチオン交換膜によって規定される。電気化学セルに電流が流されると、オニウムカチオンは、供給コンパートメントから中間または通過コンパートメントを通って回収コンパートメントに移動する。最も所望でない不純物は中間または通過コンパートメントを通過しないので、通過コンパートメントは、得られる水酸化オニウムをさらに精製する機能を有する。
したがって、1つの実施形態においては、本発明のプロセスは、
(A)少なくとも4つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、カソード、アノード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成されている、電気化学セルを提供すること、
(B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、いずれのイオン交換材料も含まない供給コンパートメントに水酸化オニウム溶液を入れること、
(C)該セルに電流を流すこと、および
(D)該第1のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、精製された水酸化オニウム溶液を回収すること
を含む。
本発明のプロセスに用いられ得る電気化学セルのいくつかの実施形態について、図面を参照して説明する。種々の電気化学セルの多くの実施形態が図面に記載されているが、本発明の範囲内であるが図面で具体的に説明されていない他の多くの実施形態があることが、当業者に容易に理解され得る。
少なくとも4つのコンパートメントを有し、上記プロセスに有用な電気化学セルの1つの実施形態が図1の模式図に示される。電気化学セル10は、アノード11と、カソード12と、アノード11側から順に第1のバイポーラ膜13、カチオン選択膜15および第2のバイポーラ膜14を有するユニットセルとを有する。電気化学セル10は、4つのコンパートメント、すなわち、第1の電極すすぎまたは緩衝コンパートメント16、供給コンパートメント17、回収コンパートメント18、および第2の電極すすぎまたは緩衝コンパートメント19を有する。
図1に示される電気化学セル10の操作においては、特定量のアニオン不純物を含む水酸化オニウム供給溶液が、供給コンパートメント17に入れられる。イオン性化合物(電解質)の溶液(好ましくは、水溶液)が、第1および第2の電極すすぎまたは緩衝コンパートメント16および19、ならびに回収コンパートメント18に入れられる。アノードとカソードとの間で電位が確立されかつ維持されて、セルを流れる電流が生じる。その際、供給溶液に存在するアニオンは、供給コンパートメント17にとどまる。オニウムカチオンはカソード12方向に引き寄せられ、カチオン選択膜15を通って回収コンパートメント18に入る。ここで、オニウムカチオンは、第2のバイポーラ膜14のアノード側表面に形成された水酸イオンと結合し、所望の水酸化オニウムが生成される。不純物はカソードに引き寄せられず、および/または、カチオン選択膜15を通過しないので、供給コンパートメント17にとどまる。水酸化オニウムが回収コンパートメント18で形成され、そこから回収される。
本発明の別の実施形態においては、水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスは、少なくとも5つのコンパートメントを有する電気化学セルを用いる。このプロセスは、
(A)少なくとも5つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、アノード、カソード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜、第2のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成されている、電気化学セルを提供すること、
(B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、いずれのイオン交換材料も含まない供給コンパートメントに水酸化オニウム溶液を入れること、
(C)該セルに電流を流すこと、および
(D)該第2のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、精製された水酸化オニウム溶液を回収すること
を含む。
本実施形態において使用される電気化学セルを図2および図3に示す。図2の模式図においては、電気化学セル20は、アノード11と、カソード12と、アノード11側から順に第1のバイポーラ膜13、第1のカチオン選択膜21、第2のカチオン選択膜22および第2のバイポーラ膜14を有するユニットセルとを有する。したがって、電気化学セル20は、5つのコンパートメント、すなわち、第1の電極すすぎまたは緩衝コンパートメント16、供給コンパートメント17、中間または通過コンパートメント23、回収コンパートメント18、および第2の電極すすぎまたは緩衝コンパートメント19を有する。
図2に示される電気化学セル20の操作においては、水酸化オニウム溶液が、供給コンパートメント17に入れられる。電解液が、第1および第2の電極すすぎコンパートメント16および19、通過コンパートメント23、ならびに回収コンパートメント18に入れられる。1つの実施形態においては、これらのコンパートメントに入れられる電解液は、供給コンパートメントに入れられるのと同じ水酸化オニウムを含む水溶液であるが、有意量の不純物(例えば、アニオン)は含まない。アノードとカソードとの間で電位が確立されかつ維持されて、セルを流れる電流が生じる。その際、供給コンパートメント17に入れられた水酸化オニウム溶液に含まれるアニオンは、供給コンパートメント17にとどまる。オニウムカチオンはカソード12方向に引き寄せられ、第1のカチオン選択膜21を通って中間コンパートメント23に入る。次いで、第2のカチオン選択膜22を通って回収コンパートメント18に入る。ここで、オニウムカチオンは、第2のバイポーラ膜14のアノード側表面に形成された水酸イオンと結合し、所望の水酸化オニウムが生成される。不純物はカソード12に引き寄せられず、および/または、第1のカチオン選択膜21を通過しないので、供給コンパートメント17にとどまる。再生水酸化オニウムが回収コンパートメント18から回収される。
本発明のプロセスに有用な電気化学セルの別の実施形態を図3に示す。図3は、8つのコンパートメントを有する電気化学セル30の模式図である。この実施形態は、図2の実施形態に用いられるユニットセルを2つ有する電気透析セルとして説明される。2つのユニットは、第3のバイポーラ膜31で分離されている。したがって、図3に示される電気透析セル30は、アノード11と、カソード12と、アノード11側から順に第1のバイポーラ膜13、第1のカチオン選択膜21、第2のカチオン選択膜22および第3のバイポーラ膜31を有する第1のユニットセルと、アノード側から順に第3のバイポーラ膜31、第3のカチオン選択膜32、第4のカチオン選択膜33および第2のバイポーラ膜14を有する第2のユニットセルとを有する。したがって、セル30は、8つのコンパートメント、すなわち、第1の電極すすぎコンパートメント16、第1の供給コンパートメント17、第1の中間または通過コンパートメント23、第1の回収コンパートメント18、第2の供給コンパートメント17’、第2の中間または通過コンパートメント23’、第2の回収コンパートメント18’、および第2の電極すすぎコンパートメント19を有する。
図3に示される電気化学セル30の操作においては、アニオン不純物を含む水酸化オニウム溶液が、供給コンパートメント17および17’に入れられる。電解液が、第1および第2の電極すすぎコンパートメント16および19、第1および第2の中間コンパートメント23および23’、ならびに、第1および第2の回収コンパートメント18および18’に入れられる。アノードとカソードとの間で電位が確立されかつ維持されて、セルを流れる電流が生じる。その際、供給コンパートメント17および17’のそれぞれに含まれるオニウムカチオンはカソード12方向に引き寄せられる。したがって、供給コンパートメント17に含まれるオニウムカチオンは、第1の中間コンパートメント23を通って回収コンパートメント18に入る。ここで、オニウムカチオンは、水酸イオンと結合し、回収コンパートメント18に所望の水酸化オニウムが生成される。同様に、第2の供給コンパートメント17’に含まれるオニウムカチオンは、第3のカチオン選択膜32を通って中間コンパートメント23’に入る。次いで、第4のカチオン選択膜33を通って第2の回収コンパートメント18’に入る。ここで、当該カチオンは、水酸イオンと結合し、所望の水酸化オニウムが生成される。この水酸化オニウムは、第2の回収コンパートメント18’から回収され得る。供給コンパートメント17および17’に入れられた水酸化オニウム溶液中に存在するあらゆるアニオンは、カチオン選択膜を通過しないので、回収コンパートメント18および18’から回収される水酸化オニウム溶液は、所望でないアニオンの含有量が減少している。
本発明のプロセスの操作は、連続的であってもよく、バッチ処理的であってもよい。本発明のプロセスの操作は一般的には連続的であり、所定の成分が連続的に再循環される。循環は、ポンプおよび/またはガス放出(gas evolution)によって行われる。
上記電気化学セルのアノードとして種々の材料が使用され得る。例えば、アノードは、金属(例えば、チタンコート電極、タンタル、ニッケル、ジルコニウム、ハフニウム、またはそれらの合金)で作製され得る。一般的に、アノードは、金属性貴金属(例えば、白金、イリジウム、ロジウム、またはそれらの合金)あるいは少なくとも1つの貴金属(例えば、白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウムまたはロジウム)の酸化物または混合酸化物を含む導電性酸化物の混合物を含み得る非不導態性触媒フィルム(non-passivable and catalytic film)を有し得る。1つの実施形態においては、アノードは、寸法的に安定なアノード(例えば、チタンベース上に酸化ルテニウムおよび/または酸化イリジウムを有するアノード)である。別の実施形態においては、アノードは、白金でコートされたチタンで作製される。
電気化学セルのカソードとして用いられてきた種々の材料が、本発明の上記または他の実施形態において使用されるカソードに包含され得る。カソード材料としては、ニッケル、鉄、ステンレス、ニッケルめっきされたチタン、グラファイト、炭素鋼(鉄)、またはそれらの合金などが挙げられる。用語「合金」は広い意味で用いられ、2つ以上の金属が密接に結合した混合物、ならびに、1つの金属が別の金属でコーティングされているものを包含する。
セルおよび本発明のプロセスに用いられるカチオン選択膜は、水酸化オニウムの電気化学的精製またはリサイクルに用いられてきた任意の選択膜であり得る。1つの実施形態においては、カチオン選択膜は、高耐久性材料(例えば、フルオロカーボン類をベースとした膜、あるいは、ポリスチレンまたはポリプロピレン類といったより安価な材料由来の膜)を含む。しかし、好ましくは、本発明に有用なカチオン選択膜としては、カチオン選択基を有するフッ素化膜(例えば、パーフルオロスルホン酸、パーフルオロカルボン酸、パーフルオロスルホン酸−パーフルオロカルボン酸、パーフルオロカーボンポリマー膜;これらはデュポン社から「Nafion」(例えば、DuPont’s Cationic Nafion 902
membrane)という商品シリーズとして市販されている)が挙げられる。他の適切なカチオン選択膜としては、旭硝子社製のCMVカチオン選択膜、ならびに、カチオン選択基(例えば、スルホネート基、カルボキシレート基)を有するスチレン−ジビニルベンゼンコポリマー膜等が挙げられる。Raipore
Cationic R1010(Pall RAI製)、ならびに、徳山曹達社製のNEOSEPTA CMHおよびNEOSEPTA CM1膜は、高分子量4級化合物に特に有用である。本発明に有用なパーフルオロカルボン酸カチオン選択膜は、F795という商品名で旭硝子社から市販されている。カチオン選択膜の調製および構造は、Encyclopedia
of Chemical Technology, Kirk-Othmer, Third Ed., Vol.15, pp. 92-131, Wiley &
Sons, New York, 1985の「膜技術」と題された章に記載されている。本発明のプロセスに有用であり得る種々のカチオン選択膜の開示について、上記ページは本明細書に参考として援用される。
電気化学セルに用いられるバイポーラ膜は、3つの部分(カチオン選択側部または領域、アニオン選択側部または領域、ならびに、これら2つの領域の間のインターフェース)を有する複合膜である。カチオン選択側部からカソードに向かってバイポーラ膜に電流が流れると、電界の影響下においてインターフェースで起こる水の電離によって生成されるHおよびOHイオンの輸送によって導電性が達成される。
バイポーラ膜は、例えば、米国特許第2,829,095号および同第4,024,043号(単一フィルムのバイポーラ膜)ならびに同第4,116,889号(キャストバイポーラ膜)に記載されている。本発明のプロセスに有用なバイポーラ膜としては、NEOSEPTA
BIPOLAR 1(徳山曹達社製)、WSI BIPOLARおよびAqualytics Bipolar膜が挙げられる。
電気透析は、電流(一般的には、直流電流)をアノードとカソードとの間に流すことにより行われる。セルに流される電流は、セルの設計および性能特性(これらは、当業者にとって容易に理解可能であり、および/または、通常の実験により決定され得る)によって決定される。約10mA/cm2と約500mA/cm2との間の電流密度が使用され得、約70mA/cm2と約300mA/cm2との間の電流密度が好ましい。これより高いまたは低い電流密度は、いくつかの特定の用途について使用され得る。電流密度は、所望の量または濃度の水酸化オニウムを回収コンパートメントに再生または形成するに十分な時間にわたってセルに適用される。
一般的には、電気透析の間、セル内の液体の温度は約2℃〜約90℃の範囲、好ましくは約20℃〜約60℃の範囲に維持されるのが望ましい。
いかなる理論にも拘束されることは望まないが、本発明による電気化学セルの操作は、水酸化オニウムのカチオンの移動(すなわち、最初供給コンパートメントに入れられ、電流が流された結果回収コンパートメントに移動する)に部分的に基づくと考えられる。
以下の実施例は本発明のプロセスを説明する。以下の実施例および本明細書および請求の範囲の他の部分で特に明示しない限り、すべての部およびパーセントは重量基準であり、温度は℃であり、圧力は大気圧またはその付近である。
図1にしたがって電気透析セルを組み立てる。アノード11は酸化ルテニウムでコートされたチタンを含み、カソード12はステンレスを含む。第1および第2のバイポーラ膜13および14は、徳山曹達社製のNEOSEPTA BIPOLAR-1である。カチオン選択膜15は、デュポン社製のNafion 90209カチオン選択膜である。電極すすぎコンパートメント16および19に0.5Mの水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を入れ、供給コンパートメント17に約194ppmの塩化物を含む1.0Mの水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を入れる。回収コンパートメント18には、1.6Mの水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を入れる。上記のようにしてすべての成分を入れた後、40mA/cm2の電流密度で約22時間にわたって電気透析を行う。2.0Mの水酸化テトラメチルアンモニウムが回収コンパートメント18から回収され、回収された溶液の塩化物含有量は1.6ppmである。
図3にしたがって電気透析セルを組み立てる。アノードは白金でコートされたチタンを含み、カソード12はステンレスを含む。本実施例に用いられる第1、第2および第3のバイポーラ膜(13、14および31)は、実施例1で用いられたものと同様である。カチオン選択膜21、22、32および33は、旭硝子社製のF795である。
電極すすぎコンパートメント16および19に0.5Mの水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を入れる。第1の供給コンパートメント17および第2の供給コンパートメント17’に22ppmの塩化物を含む1.6Mの水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を入れる。中間コンパートメント23および23’に1.0Mの水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を入れ、第1および第2の回収コンパートメント(18および18’)には、2.2Mの水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を入れる。上記のようにしてすべての成分を入れた後、70mA/cm2の電流密度で電気透析を行う。電気透析を68時間継続しながら、再循環供給溶液を0.39Mになるまで使う。回収コンパートメント18および18’の溶液を一緒にし、超純水の脱イオン水で希釈し、2.2M水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を維持すると、塩化物濃度は100ppb未満である。
本発明をその実施形態との関係で説明してきたが、明細書を読めば種々の改変が当業者にとって容易であることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された発明は、添付の請求の範囲に属するそのような改変を包含することを意図していることが理解されるべきである。
1つのユニットセルを含み、4つのコンパートメントを有する本発明の電気化学セルの模式図である。 本発明による5つのコンパートメントを有する電気化学セルの模式図である。 本発明による8つのコンパートメントを有する電気化学セルの模式図である。

Claims (37)

  1. 水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスであって、
    (A)少なくとも4つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、カソード、アノード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成され、該カソードに隣接するコンパートメントが、該第2のバイポーラ膜および該カソードによって形成されている、電気化学セルを提供すること、
    (B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、イオン交換材料を含まない供給コンパートメントに水酸化オニウム溶液を入れること、
    (C)該セルに電流を流すこと、および
    (D)該第1のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、精製された水酸化オニウム溶液を回収すること
    を含む、プロセス。
  2. 前記水酸化オニウムが、4級アンモニウムの水酸化物、4級ホスホニウムの水酸化物または3級スルホニウムの水酸化物である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記水酸化オニウムが、4級アンモニウムの水酸化物である、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記4級アンモニウムの水酸化物が、下記化学式で表される、請求項3に記載のプロセス:
    Figure 2005514447
    ここで、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、1から約10個の炭素原子を有するアルキル基、2から約10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキル基、あるいはアリールまたはヒドロキシアリール基であり、あるいは、RおよびRは、窒素原子と一緒になって芳香族または非芳香族複素環を形成し得るアルキル基であり、ただし、該複素基が−C=N−を含む場合にはRは二次結合である。
  5. 前記R、R、RおよびRが、1から約5個の炭素原子を有するアルキル基、または2から約5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記R、R、RおよびRが、1または2個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項4に記載のプロセス。
  7. 前記カチオン選択膜が、パーフルオロスルホン酸、パーフルオロカルボン酸、またはパーフルオロスルホン酸−パーフルオロカルボン酸、パーフルオロ炭化水素ポリマー膜を含む、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記電気化学セルの別のコンパートメントに電解液が入れられる、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記電解液が、水酸化オニウムの水溶液である、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記工程(B)において入れられる前記水酸化オニウム溶液が特定量のハロゲン化物イオンを含み、ならびに、前記工程(D)において回収される前記溶液が該特定量よりも少量のハロゲン化物イオンを含む、請求項1に記載のプロセス。
  11. 水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスであって、
    (A)少なくとも5つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、アノード、カソード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜、第2のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成されている、電気化学セルを提供すること、
    (B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、イオン交換材料を含まない供給コンパートメントに水酸化オニウム溶液を入れること、
    (C)該セルに電流を流すこと、および
    (D)該第2のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、精製された水酸化オニウムを回収すること
    を含む、プロセス。
  12. 前記水酸化オニウムが、4級アンモニウムの水酸化物、4級ホスホニウムの水酸化物または3級スルホニウムの水酸化物である、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記水酸化オニウムが、4級アンモニウムの水酸化物である、請求項11に記載のプロセス。
  14. 前記4級アンモニウムの水酸化物が、下記化学式で表される、請求項13に記載のプロセス:
    Figure 2005514447
    ここで、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、1から約10個の炭素原子を有するアルキル基、2から約10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキル基、あるいはアリールまたはヒドロキシアリール基であり、あるいは、RおよびRは、窒素原子と一緒になって芳香族または非芳香族複素環を形成し得るアルキル基であり、ただし、該複素基が−C=N−を含む場合にはRは二次結合である。
  15. 前記R、R、RおよびRが、1から約5個の炭素原子を有するアルキル基、または2から約5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記R、R、RおよびRが、1または2個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項14に記載のプロセス。
  17. 前記電気化学セルの別のコンパートメントに電解液が入れられる、請求項11に記載のプロセス。
  18. 前記電解液が、水酸化オニウムの水溶液である、請求項17に記載のプロセス。
  19. 前記工程(B)において入れられる前記水酸化オニウム溶液が特定量のハロゲン化物イオンを含み、ならびに、前記工程(D)において回収される前記溶液が該特定量よりも少量のハロゲン化物イオンを含む、請求項11に記載のプロセス。
  20. ハロゲン化物イオンを含む4級水酸化アンモニウム水溶液のハロゲン化物含有量を低減するプロセスであって、
    (A)少なくとも4つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、アノード、カソード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成され、該カソードに隣接するコンパートメントが、該第2のバイポーラ膜および該カソードによって形成されている、電気化学セルを提供すること、
    (B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、イオン交換材料を含まない供給コンパートメントに、特定量のハロゲン化物イオンを含む該4級水酸化アンモニウム溶液を入れること、
    (C)別のコンパートメントに電解液を入れること、
    (D)該セルに電流を流すこと、および
    (E)該第1のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、4級水酸化アンモニウム水溶液を回収することを含み、
    該回収コンパートメントから回収された該4級水酸化アンモニウム水溶液が、該供給コンパートメントに入れられた4級水酸化アンモニウム溶液中に存在するハロゲン化物イオンの量よりも少量のハロゲン化物イオンを含む
    プロセス。
  21. 前記4級水酸化アンモニウムが、下記化学式で表される、請求項20に記載のプロセス:
    Figure 2005514447
    ここで、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、1から約10個の炭素原子を有するアルキル基、2から約10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキル基、あるいはアリールまたはヒドロキシアリール基であり、あるいは、RおよびRは、窒素原子と一緒になって芳香族または非芳香族複素環を形成し得るアルキル基であり、ただし、該複素基が−C=N−を含む場合にはRは二次結合である。
  22. 前記R、R、RおよびRが、1から約5個の炭素原子を有するアルキル基、または2から約5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である、請求項21に記載のプロセス。
  23. 前記R、R、RおよびRが、メチルまたはエチル基である、請求項21に記載のプロセス。
  24. 前記工程(C)において前記別のコンパートメントに入れられる前記電解液が、4級水酸化アンモニウムの水溶液である、請求項20に記載のプロセス。
  25. ハロゲン化物イオンを含む4級水酸化アンモニウム水溶液のハロゲン化物含有量を低減するプロセスであって、
    (A)少なくとも5つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、アノード、カソード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜、第2のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成されている、電気化学セルを提供すること、
    (B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、イオン交換材料を含まない供給コンパートメントに、特定量のハロゲン化物イオンを含む該4級水酸化アンモニウム溶液を入れること、
    (C)別のコンパートメントに電解液を入れること、
    (D)該セルに電流を流すこと、および
    (E)該第2のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、4級水酸化アンモニウム溶液を回収することを含み、
    該回収された該4級水酸化アンモニウム溶液が、工程(B)において該供給コンパートメントに入れられた4級水酸化アンモニウム溶液中に存在するハロゲン化物イオンの量よりも少量のハロゲン化物イオンを含む
    プロセス。
  26. 前記4級水酸化アンモニウムが、下記化学式で表される、請求項25に記載のプロセス:
    Figure 2005514447
    ここで、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、1から約10個の炭素原子を有するアルキル基、2から約10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキル基、あるいはアリールまたはヒドロキシアリール基であり、あるいは、RおよびRは、窒素原子と一緒になって芳香族または非芳香族複素環を形成し得るアルキル基であり、ただし、該複素基が−C=N−を含む場合にはRは二次結合である。
  27. 前記R、R、RおよびRが、1から約5個の炭素原子を有するアルキル基、または2から約5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である、請求項26に記載のプロセス。
  28. 前記R、R、RおよびRが、メチルまたはエチル基である、請求項26に記載のプロセス。
  29. 前記工程(C)において前記別のコンパートメントに入れられた前記電解液が、4級水酸化アンモニウムの水溶液である、請求項25に記載のプロセス。
  30. カチオン交換材料上に吸着されたオニウムカチオンを無機塩基の水溶液で溶出させた水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスであって、
    (A)少なくとも4つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、カソード、アノード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成され、該カソードに隣接するコンパートメントが、該第2のバイポーラ膜および該カソードによって形成されている、電気化学セルを提供すること、
    (B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、イオン交換材料を含まない供給コンパートメントに水酸化オニウム溶液を入れること、
    (C)該セルに電流を流すこと、および
    (D)該第1のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、精製された水酸化オニウム溶液を回収すること
    を含む、プロセス。
  31. 水酸化オニウム水溶液の純度を改善するプロセスであって、
    (A)少なくとも5つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、アノード、カソード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜、第2のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成されている、電気化学セルを提供すること、
    (B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、イオン交換材料を含まない供給コンパートメントに、カチオン交換材料上に吸着されたオニウム塩を無機塩基の水溶液で溶出させた水酸化オニウム溶液を入れること、
    (C)該セルに電流を流すこと、および
    (D)該第2のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、精製された水酸化オニウムを回収すること
    を含む、プロセス。
  32. ハロゲン化物イオンを含む4級水酸化アンモニウム水溶液のハロゲン化物含有量を低減するプロセスであって、
    (A)少なくとも4つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、アノード、カソード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成され、該カソードに隣接するコンパートメントが、該第2のバイポーラ膜および該カソードによって形成されている、電気化学セルを提供すること、
    (B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、イオン交換材料を含まない供給コンパートメントに、カチオン交換材料上に吸着された4級アンモニウムカチオンを無機塩基の水溶液で溶出して得られ、かつ特定量のハロゲン化物イオンを含む4級水酸化アンモニウム溶液を入れること、
    (C)別のコンパートメントに電解液を入れること、
    (D)該セルに電流を流すこと、および
    (E)該第1のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、4級水酸化アンモニウム水溶液を回収することを含み、
    該回収コンパートメントから回収された該4級水酸化アンモニウム水溶液が、該供給コンパートメントに入れられた4級水酸化アンモニウム溶液中に存在するハロゲン化物イオンの量よりも少量のハロゲン化物イオンを含む
    プロセス。
  33. ハロゲン化物イオンを含む4級水酸化アンモニウム水溶液のハロゲン化物含有量を低減するプロセスであって、
    (A)少なくとも5つのコンパートメントを有する電気化学セルを提供することであって、該コンパートメントが、アノード、カソード、ならびに、該アノード側から該カソード側へと順に第1のバイポーラ膜、第1のカチオン選択膜、第2のカチオン選択膜および第2のバイポーラ膜によって形成されている、電気化学セルを提供すること、
    (B)該第1のバイポーラ膜および該第1のカチオン選択膜によって形成され、イオン交換材料を含まない供給コンパートメントに、カチオン交換材料上に吸着された4級アンモニウムカチオンを無機塩基の水溶液で溶出して得られ、かつ特定量のハロゲン化物イオンを含む該4級水酸化アンモニウム溶液を入れること、
    (C)別のコンパートメントに電解液を入れること、
    (D)該セルに電流を流すこと、および
    (E)該第2のカチオン選択膜および該第2のバイポーラ膜によって形成された回収コンパートメントから、4級水酸化アンモニウム溶液を回収することを含み、
    該回収された該4級水酸化アンモニウム溶液が、工程(B)において該供給コンパートメントに入れられた4級水酸化アンモニウム溶液中に存在するハロゲン化物イオンの量よりも少量のハロゲン化物イオンを含む
    プロセス。
  34. 前記水酸化オニウムが、4級アンモニウムの水酸化物、4級ホスホニウムの水酸化物または3級スルホニウムの水酸化物である、請求項30に記載のプロセス。
  35. 前記水酸化オニウムが、4級アンモニウムの水酸化物、4級ホスホニウムの水酸化物または3級スルホニウムの水酸化物である、請求項31に記載のプロセス。
  36. 前記水酸化オニウムが、4級アンモニウムの水酸化物、4級ホスホニウムの水酸化物または3級スルホニウムの水酸化物である、請求項32に記載のプロセス。
  37. 前記水酸化オニウムが、4級アンモニウムの水酸化物、4級ホスホニウムの水酸化物または3級スルホニウムの水酸化物である、請求項33に記載のプロセス。

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