JP4292454B2 - 金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法 - Google Patents

金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属フッ化物を含む水溶液の処理方法に係り、より詳しくは、当該水溶液を処理する際に用いた薬剤の再利用も考慮した金属フッ化物を含む水溶液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
チタンやステンレス鋼の板、棒、線、管などの製造では、焼鈍などの加熱工程において、表面に酸化スケールが生成する。この酸化スケールは、通常は酸洗により除去される。
【0003】
このとき、脱スケール用酸洗液には、硝酸とフッ化水素酸を適切な割合で混合した硝フッ酸水溶液が慣用されるが、チタンを脱スケールする場合には、酸洗液としてフッ化水素酸を単独で用いた水溶液が使用されることもある。また、半導体材料の金属シリコンは、その製造中に硝フッ酸水溶液で酸洗される。
【0004】
いずれの酸の酸洗液を用いた場合でも、酸洗によって液中の遊離酸が消費されると同時に、液中にチタン、鉄、クロム、シリコン等のイオンが溶け出してフッ化物が生成するため、処理量が増すにつれて酸洗液としての能力が低下する。
【0005】
酸洗能力は、新しい酸を追加することで一定の回復が期待できるが、金属の溶解量が多くなるにつれて回復の程度が小さくなるので、一定の使用限度を超えた酸洗液は廃液として処分される。
【0006】
このように金属の溶解を重ねた廃液は、多くの遊離酸や金属のフッ化物を含有するため、そのまま一般の下水などに放出することはできない。したがって、通常は水酸化カルシウムなどのアルカリを用いて中和処理し、含有する金属を水酸化物等の沈殿物として分離した後、排水として放出している。また、金属の水酸化物の沈殿物には、フッ化カルシウムなどのフッ化物が多量に含まれているため、公害を出さないように処理をした後、産業廃棄物として処分する必要がある。
【0007】
酸洗液の廃液処理については従来から多くの研究が行われている。例えば、特公昭45−7647号公報には、ステンレス鋼の酸洗に用いた硝フッ酸等の廃液を水酸化カルシウムを用いて中和処理し、中和処理時のpHを調節することによって廃液中に含まれるFe、Cr、Ni等の金属をそれぞれに分離して水酸化物の形で回収する方法が開示されている。
【0008】
本発明者らが、この方法をチタンの回収について適用したところ、中和処理により得られる水酸化チタンの沈殿物は、多量のカルシウムやフッ素を含有しているため、純度が低くそのまま資源として再利用することが困難であることを知得した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上述した特公昭45−7647号公報に開示された発明に対し、再利用性を改善した発明を開示した。すなわち、特開2000−265223号公報において、チタンのフッ化物を含む水溶液に水酸化アンモニウムまたはアンモニアを添加することによって、水酸化チタンとして沈殿・分離する方法である。
【0010】
しかしながら、この方法では、フッ素含有量の少ない水酸化チタンの沈殿物を得ることができるが、沈殿物を分離した後の水溶液には多量のアンモニウムイオンやフッ素イオンが含まれるため、この水溶液をそのまま排出すると環境を著しく汚染するという問題がある。
【0011】
本発明の課題は、上述の問題を解決することにより、酸洗で生じた廃液中に含まれる高価な金属を資源として回収し、産業廃棄物の量を削減すると同時に、金属回収に用いる薬剤を再利用することが可能な金属フッ化物を含む水溶液の処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
チタンのフッ化物を含む水溶液に限らず、金属フッ化物を含む水溶液にアルカリ性薬品を添加することによって、金属を水酸化物として沈殿させる場合には、水酸化物の沈殿物にフッ素が含まれる。特に、金属がチタン、鉄、クロムまたはシリコンの場合には、これらの金属はフッ化物を作りやすいため、水酸化物の沈殿物中にフッ素が多く含有される。
【0013】
本発明者らは、沈殿物に含有されるフッ素を少なくするために、添加するアルカリ性薬品の種類や添加量(すなわち、添加後の水溶液のpH)を種々に変えた試験を行った結果、アルカリ性薬品として水酸化アンモニウムまたはアンモニアが最も優れており、アルカリ性薬品を溶解した水溶液のpHは9〜11程度とするのがよいことを見い出した。
【0014】
ところが、沈殿物をろ過や遠心分離などにより分離した後の水溶液には、多量のアンモニウムイオン、フッ素イオンまたは硝酸イオンが含有されるため、そのまま下水道などに排水として放出することはできない。
【0015】
そこで、本発明者らは、水溶液中のアンモニウムイオン、フッ素イオンおよび硝酸イオンの処理方法について検討した。
【0016】
第1の方法としては、これらのイオンを含有する水溶液に電気透析処理を施し、水酸化アンモニウム、フッ化水素水および硝酸として回収する。このようにすれば、フッ化水素水および硝酸は、酸化スケールの酸洗液として再利用でき、さらに水酸化アンモニウムも、上記のアルカリ性薬品として再利用できる。
【0017】
第2の方法としては、これらのイオンを含有する水溶液にイオン交換処理を施し、陽イオンであるアンモニウムイオンをトラップすることで、フッ化水素水および硝酸を生成・分離する。こうして得られたフッ化水素水および硝酸は、金属材料の酸洗用溶液として再利用できる。一方、アンモニウムイオンは、イオン交換体から取りさせば、上記のアルカリ性薬品として再利用できる。
【0018】
第3の方法としては、これらのイオンを含有する水溶液にイオン交換処理を施し、陰イオンであるフッ素イオンや硝酸イオンをトラップすることで、水酸化アンモニウムを生成・分離する。こうして得られた水酸化アンモニウムは、上記のアルカリ性薬品として再利用できる。一方、フッ素イオンおよび硝酸イオンは、イオン交換体から取りさせば、金属材料の酸洗用溶液として再利用できる。
【0019】
さらに、これら第1〜第3の方法を実施する前に、前記水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行うことによって、これらの方法をより効率よく効果的に実施できることが判明した。
本発明は、以上の検討に基づいて完成した発明であって、下記(1)〜(7)の金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法を要旨としている。
【0020】
(1)下記工程A〜Dを備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
(工程A)水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
(工程B)前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程;
(工程C)前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程;および
(工程D)前記工程Cにより蒸留された水溶液を電気透析する工程
【0022】
(2)下記工程A〜CおよびD′を備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
(工程A)水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
(工程B)前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程;
(工程C)前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程;および
(工程D′)前記工程Cにより蒸留された水溶液を陽イオン交換体でイオン交換する工程。
【0023】
(3)前記(2)に記載の金属フッ化物を含有する水溶液の処理工程の後に、下記工程E、Fを備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
(工程E)前記工程D′でイオン交換を行った陽イオン交換体に酸溶液を作用させる工程;および
(工程F)前記工程Eにより陽イオン交換体に酸溶液を作用させることにより得られた溶液にアルカリを添加する工程。
【0024】
(4)下記工程A〜CおよびD″を備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
(工程A)水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
(工程B)前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程;
(工程C)前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程;および
(工程D″)前記工程Cにより蒸留された水溶液を陰イオン交換体でイオン交換する工程。
【0025】
(5)前記(4)に記載の金属フッ化物を含有する水溶液の処理工程の後に、下記工程E′を備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
(工程E′)前記工程D″でイオン交換を行った陰イオン交換体に水を作用させる工程。
【0026】
(6)前記金属フッ化物を構成する金属が、Ti、Fe、CrおよびSiの一種または二種以上である(1)〜(5)の何れかの金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法。
【0027】
(7)前記金属フッ化物を含有する水溶液が、フッ化水素酸を含有する水溶液で、金属を酸洗することにより生じた廃液である(1)〜(6)の何れかの金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法に関するものである。以下、金属フッ化物を含有する水溶液およびこれを処理する過程で生じる溶液を単に「溶液」ともいう。本発明は、特に、フッ化水素酸を含有する水溶液でチタン、ステンレス鋼、金属シリコンなどの金属を酸洗することによって生じた廃液を有効に処理できる。ここで酸洗に用いる水溶液は、フッ化水素酸を含有するものであるが、フッ化水素酸以外にも、硝酸、塩酸、硫酸などを含有していてもよい。廃液中の金属イオン濃度が高いと、水酸化物の生成量が多くなり、廃液の撹拌が不十分になる等の不都合が生じる。この場合には、あらかじめ廃液に水を加えて、適当な濃度に調節することもできる。
【0029】
表1は、金属を特定の酸洗液を用いて酸洗したときに、廃液中に溶出される金属イオンと廃液に残留する酸洗液の陰イオンについて示したものである。同表に示すように、酸洗液と被酸洗金属の組み合わせにより、金属イオンと陰イオンは異なる。厳密に言えば、金属イオンは、金属とフッ素が結合した種々の錯イオン(例えば、TiF 2−、FeF2+、FeF 、SiF 2−等)として廃液中に含有されると言われるが、以下では、便宜上これらの金属のフッ化物(例えば、TiF、TiF、FeF、CrF、SiF)の形で含有されているものとして化学反応を説明する。
【0030】
【表1】
Figure 0004292454
【0031】
(i)電気透析法を用いた溶液の処理方法
図1は、電気透析法を用いて金属フッ化物を含有する水溶液を処理する工程の一例を示した図である。なお、同図下方には、処理に伴う化学反応式も示した。
【0032】
図1に示される電気透析法を用いた溶液の処理方法は、下記工程A〜工程からなる。このうちの工程A〜Cは前記(1)に記載の処理方法に該当する。
【0033】
工程A:水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
工程B:前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程
工程C:前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程
工程D:前記工程Cにより沈殿物を分離した水溶液を電気透析する工程
まず、工程Aでは、水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアの添加により中和処理を行う(図1(1)、(2))。このとき、市販の水酸化アンモニウム水溶液(アンモニア濃度約28%;通常、濃アンモニア水と呼ばれる)を使用する場合には、適当な濃度(10〜20%程度)に水で薄めて用いればよい。また、アンモニアを使用する場合には、純アンモニアガスと空気や水蒸気などとの混合ガスを溶液に吹き込めばよい(図1(1))。なお、アンモニアは、一般に水と反応して水酸化アンモニウムを生成する。よって、アンモニアを添加することは、実質的に水酸化アンモニウムを添加することと同一であり、以下では、水酸化アンモニウムを添加する場合について説明する。
【0034】
水酸化アンモニウムの添加は、溶液を撹拌すると同時に溶液のpHを測定しながら行う。pHの測定にはpHメータを使用することが好ましいが、pH試験紙を用いてもよい。
【0035】
水酸化アンモニウム(NHOH)を添加すると、まず、最初に溶液に残留している遊離酸、すなわち、フッ化水素酸(HF)および硝酸(HNO)が水酸化アンモニウムと図1(1)式および(2)式のように反応して、フッ化アンモニウム(NHF)、硝酸アンモニウム(NHNO)および水(HO)が生成する(図1▲2▼)。
【0036】
さらに、水酸化アンモニウムの添加を続けて、溶液のpHが2〜3に上昇すると、チタンや鉄のイオンと水酸化アンモニウムが、図1(3)式、(4)式および(5)式のように反応し始め、これらの水酸化物が生成する(図1▲2▼)。
【0037】
ここで、溶液が、酸洗液としてフッ化水素酸水溶液を使用し、被酸洗金属にチタンを用いた場合(前記表1No.1)には、チタンは3価の化合物(図1の反応式では便宜上、3価のフッ化物であるTiFで示す)として溶け込んでいるので、pHを5以上にすることにより図1(3)式の反応が進行し、水酸化物(Ti(OH))として完全に沈殿し、同時にフッ化アンモニウム(NHF)が生成する。
【0038】
溶液が、酸洗液として硝フッ酸水溶液を使用し、被酸洗金属にチタンを用いた場合(同表1No.2)には、チタンは4価のイオン(TiF)として溶け込んでいるので、pH3以上にすることにより図1(4)式反応が進行し、Ti(OH)とフッ化アンモニウムが生成する。
【0039】
溶液が、酸洗液として硝フッ酸水溶液を使用し、被酸洗金属にステンレス鋼を用いた場合(同表1No.3)には、鉄は3価のイオン(FeF)として溶け込んでいるので、pH3以上にすることにより図1(5)式の反応が進行し、Fe(OH)とフッ化アンモニウムが生成する。
【0040】
さらに、3価のクロム(CrF)はpH6以上にすることにより図1(6)式の反応が進行し、4価のシリコン(SiF)はpH6以上にすることにより図1(7)式の反応が進行し、それぞれの水酸化物(Cr(OH)、Si(OH))とフッ化アンモニウムが生成する(図1▲2▼)。
【0041】
いずれの反応においても、ほぼ完全に金属イオンを水酸化物(Ti(OH)、Ti(OH)、Fe(OH)、Cr(OH)、Si(OH))として沈殿させることができる。
【0042】
溶液は、最終的にそのpHを9〜11とするのが好ましい。これにより、得られる水酸化物の純度を高くすることができる。pHが9未満であると、生成した沈殿中に金属フッ化物が多く残留し、またpHが11超であると必要以上の水酸化アンモニウムを添加することになるので、経済上好ましくない。
【0043】
また、上述の工程では、溶液を加熱することにより、水酸化物の沈殿を早くすることが可能である。しかし、この場合には、添加した水酸化アンモニウムの一部がアンモニアガスとして揮散するので、環境保全の観点から、捕集のための装置などを取り付けることが好ましい。
【0044】
次に、工程Bでは、工程Aにより生じた沈殿物を分離する(図1▲3▼)。溶液から沈殿物を分離するには、例えば、遠心分離法やろ過法により行えばよく、市販の装置が利用できる。
【0045】
沈殿物には、溶液中のフッ化アンモニウムや水酸化アンモニウムなどが含まれる。これらを除去し、沈殿物の純度を高めるためには、必要に応じて2〜5回程度沈殿物を水洗すればよい。このようにして得られた水酸化物は、高純度であるため、乾燥後にステンレス鋼製造の原料などとして利用することができる(図1▲4▼)。
【0046】
一方、溶液(沈殿物を分離した水溶液)には、フッ化アンモニウム(および硝酸アンモニウム)が含有する。
【0047】
続いて、工程Cでは、工程Bにより沈殿物を分離した水溶液を蒸留する。なお、蒸留を行う具体的な方法、効果等については、後に詳述する。
その後、工程Dでは、工程Cにより蒸留された水溶液を電気透析し、溶液中のフッ化アンモニウム(および硝酸アンモニウム)をフッ化水素酸(および硝酸)と水酸化アンモニウムに分解する(図1(5))。
【0048】
図2は、電気透析装置の構造を模式的に示した断面図である。同図に示すように、電気透析装置の電解槽は、陽イオン交換膜1、1'と陰イオン交換膜2、2'で区切られたセル5〜9からなり、両端のセル8、9には、電極(陽極3および陰極4)が配置される。溶液を電解槽の中央のセル5に装入し、その隣の陽極側のセル6には、希釈した硝フッ酸水溶液(0.2〜1mol/dm程度)を、陰極側のセル7には希釈した水酸化アンモニウム溶液(0.2〜1mol/dm程度)を装入する。
【0049】
また、陽極を装入するセル8には、例えば、硫酸(HSO)のような強酸の水溶液(濃度:1〜4mol/dm程度)を、陰極を挿入するセル9には水酸化ナトリウム(NaOH)のような強アルカリの水溶液(濃度:1〜4mol/dm程度)を装入する。
【0050】
セル5に装入した溶液には、前述のようにフッ化アンモニウム(NHF)、硝酸アンモニウム(NHNO)および中和処理時に過剰に添加した水酸化アンモニウム(NHOH)が含有し、これらはほぼ完全に陽イオン(NH )と陰イオン(F、NO 、OH)に解離する。また、セル8の硫酸およびセル9の水酸化ナトリウムもそれぞれ陽イオン(H、Na)と陰イオン(SO 2−、OH)に解離する。
【0051】
陽極と陰極の間に電圧を付与して電解を開始すると、溶液中の陽イオン(NH )は陰極方向へ引き寄せられ、陽イオン交換膜1を通過してセル7に移動し、陰イオン(F、NO 、OH)は陽極方向へ引き寄せられ、陰イオン交換膜2を通過してセル6に移動する。一方、セル8中の水素イオン(H)は陰極方向へ引き寄せられ、陽イオン交換膜1'を通過してセル6へ移動し、セル9中の水酸基イオン(OH)は陽極方向へ引き寄せられ、陰イオン交換膜2'を通過してセル7へ移動する。
【0052】
上述の通り、セル6にはセル5から陰イオン(F、NO およびOH)が流入し、セル8から水素イオンが流入するため、セル6では、酸(HF、HNO)および水(HO)が生成する。また、セル7にはセル5からNH イオンが流入し、セル9から水酸基イオンが流入するため、セル7では、水酸化アンモニウム(NHOH)が生成する。
【0053】
一方、陽極3の表面では、(A)式で表される電気化学反応により水素イオン(H)と酸素ガス(O)が生成し、水素イオンがセル8中に補充され、陰極4の表面では、(B)式で表される電気化学反応により水酸基イオン(OH)が生成し、セル9に水酸基イオンが補充される。
【0054】
2HO→O+4H+4e (A)式
+2HO+4e→4OH (B)式
電解時間が長くなると、セル6中の硝フッ酸濃度およびセル7中の水酸化アンモニウム濃度は上昇する。このとき、所望の濃度に達したら一部を抽出し、水を補充する。こうして抽出した水溶液は、チタンやステンレス鋼の酸洗用の酸洗液として(図1▲6▼)、または工程Aでの水酸化アンモニウムとして(図1▲7▼)再利用することができる。一方、セル5中の溶液の濃度は、電解時間の経過につれて低下する。したがって、適宜一部または全部を抽出して、電解処理がされていない溶液を補充する。
【0055】
陽極には、黒鉛、白金、酸化イリジウムを被覆したチタンなどの板、網またはガス拡散電極が利用でき、陰極には、ニッケルまたは白金製の板、網またはガス拡散電極が利用できる。
【0056】
(B)式で表される反応が起きるためには、酸素ガスが必要であるので、ガス拡散電極以外の電極を使用した場合には、セル9の水溶液中に空気や酸素を吹き込んで撹拌することが好ましい。例えば、セル8での陽極反応で発生した酸素ガスをセル9に導くなどしてもよい。
【0057】
陽極と陰極との間に付与する電解電圧は電極の材質、溶液の温度や濃度等によっても異なるが、通常1.5〜3V程度とすることが好ましい。
【0058】
ところで、中和処理(図1▲1▼、▲2▼)を行った後に沈殿物を分離した溶液は、中和処理した際に過剰に添加した水酸化アンモニウムを含有するので、これをそのまま電解槽のセル5に入れて電気透析処理を行うと、水酸化アンモニウムが解離して生じた水酸基イオンはセル6へ移動し、水素イオン(H)と反応して水が生成する。一方、アンモニウムイオンはセル7へ移動して水酸基イオンと反応して水酸化アンモニウムとなる。この結果、セル6で生成する酸の濃度が低下する。
【0059】
また、セル5に装入した溶液中の水酸化アンモニウムの含有量が多いほど、電解に必要な電気量は多くなる。したがって、電気透析処理を行う前の溶液中の水酸化アンモニウムの含有量は少ないほどよい。
【0060】
そのため、沈殿物を分離した後の水溶液を蒸留する、すなわち溶液中の過剰の水酸化アンモニウムを蒸留して分離した後、電気透析処理を行うことが好ましい。溶液からアンモニアを分離するには適当なキャリアガスを吹き込めばよく(図1▲8▼)、キャリアガス吹き込みの際、溶液を加熱すればより分離が促進される。
【0061】
キャリヤガスは最も安価で利用しやすい空気を用いることが好ましく、例えば、窒素ガスや水蒸気なども用いることができる。分離速度を高めるためには溶液を60〜100℃程度に加熱すればよいが、温度が高いほど水蒸気の蒸発量が多くなるので、得られるアンモニアの濃度は薄くなる。一方、温度が低いほどアンモニア濃度は高くなるが、反応が完結するのに要する時間は長くなるので、操業上の事情等を勘案して適当な温度で実施すればよい。
【0062】
溶液を通したキャリヤガスには、アンモニアと水(水蒸気)が含まれる。このため、キャリアガス中のアンモニアを水に吸収させることによってアンモニア水を得ることができる(図1▲9▼)。アンモニアを水に吸収させるためには、種々の方法が適用でき、従来からガス吸収のために慣用されている充填塔、スプレー塔、スクラバー、気泡撹拌槽等の吸収装置を用いればよい。
【0063】
このとき、アンモニアの吸収率を高めるためには、吸収液である水の温度を低温にするのが好ましく、必要に応じて冷却機を併用すればよい。また、吸収液中のアンモニア濃度が高まるにつれて吸収効率が低下するので、2機以上の吸収装置を直列に設置してキャリアガスを通過させ、最初の吸収装置の吸収液のアンモニア濃度が10〜20%程度に高まったら、次の吸収装置を最初の吸収装置としてキャリアガスを通過させるなどしてもよい。
【0064】
キャリアガス中のアンモニアまたは水に吸収させたアンモニア(水酸化アンモニウム)は、工程Aにおける添加剤として用いる水酸化アンモニウムまたはアンモニアの原料として再利用することができる(図1A、A')。これにより、設備費が節約されると同時に工程が簡略化されて、処理費の大幅な節約が可能となる。
(ii)陽イオン交換体によるイオン交換法を用いた溶液の処理方法
図3は、陽イオン交換体によるイオン交換法を用いて金属フッ化物を含有する溶液を処理する工程の一例を示した図である。この場合も図1の下方に示した、溶液の中和処理に伴う反応式(1)〜(7)の反応が起こる。
【0065】
図3に示される陽イオン交換体によるイオン交換法を用いた溶液の処理方法は、下記工程A〜CおよびD′工程からなる。これらの工程のうち、工程A〜Cについては、上述した電気透析法を用いた溶液の処理方法の工程A〜Cと同様に行うことができるので、以下では説明を省略する。
【0066】
工程A:水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
工程B:前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程
工程C:前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程;および
工程D′:前記工程Cにより蒸留された水溶液を陽イオン交換体でイオン交換する工程。
【0067】
工程D′では、溶液に陽イオン交換体を用いたイオン交換法を施し、溶液からアンモニウムイオンをトラップする。こうすることで、溶液中のフッ化アンモニウム(および硝酸アンモニウム)をフッ化水素酸(および硝酸)として取り出すことができる(図3(3))。
【0068】
図4は、イオン交換カラムの構造を模式的に示した断面図である。陽イオン交換体によるイオン交換法を用いた処理では、同図に示すように、溶液はカラム上方から注入され、陽イオン交換体11を通過し、イオン交換された溶液がカラム下方より流出する。
【0069】
ここで、陽イオン交換体11は、強酸性陽イオン交換樹脂または強酸性陽イオン交換繊維であり、注入された溶液中に含有する陽イオン、すなわちアンモニウムイオン(NH )がイオン交換樹脂の官能基の水素イオン(H)と入れ替わり、(C)〜(E)式に示すように、ふっ化水素酸(HF)、硝酸(HNO)および水(HO)が生成する。なお、(C)〜(E)式において、Rは陽イオン交換樹脂の陰イオン基を示す。このようにイオン交換された溶液は、チタンやステンレス鋼の酸洗用の酸洗液として再利用することができる(図3▲4▼)。
【0070】
NHF+R→HF+RNH (C)式
NHNO+R→HNO+RNH (D)式
NHOH+R→HO+RNH (E)式
ところで、中和処理(図3▲1▼、▲2▼)を行った後に沈殿物を分離した溶液には中和処理した際に過剰に添加した水酸化アンモニウムが含有するので、そのままイオン交換すると、上記(E)式に示す反応によって水が生成し、同時に(C)式および(D)式によって生成するフッ化水素酸と硝酸の濃度が低下する。また、陽イオン交換体11の交換容量には限度があるので、溶液中の水酸化アンモニウムの量が多いほど陽イオン交換体11のイオン交換能力が速く低下する。
【0071】
そのため、溶液中の過剰の水酸化アンモニウムを蒸留して分離(図3▲5▼)した後、溶液をイオン交換することが好ましい。過剰の水酸化アンモニウムの蒸留方法は、上記(i)電気透析法を用いた溶液の処理方法の欄で述べた蒸留方法と同じである。
【0072】
一方、アンモニウムイオンが置換した陽イオン交換体には、酸溶液を作用させる(図3▲6▼)。酸溶液としては、塩酸や硫酸が好ましく、このときの濃度は3mol/dm程度で十分である。陽イオン交換体に酸溶液が接触すると、(F)式に示す反応が進行し、アンモニウムイオンが水素イオンと置換する。
【0073】
HCl+RNH →NHCl+R (F)式
例えば、酸溶液として、塩酸を使用した場合には、置換により塩化アンモニウム(NHCl)が生成する。水素イオンで置換して再生した陽イオン交換体は、水洗し、陽イオン交換体の間隙に含まれる塩酸を除去することで、再びイオン交換処理に使用することができる(図3▲7▼)。
【0074】
また、(F)式に示す反応で生成した塩化アンモニウムを含有する溶液には、アルカリを添加する(図3▲8▼)。アルカリは、水酸化ナトリウム(NaOH)が好ましく、他には、水酸化カリウム(KOH)や水酸化カルシウム(Ca(OH))を使用してもよい。このとき、アルカリとして、水酸化ナトリウムを使用すれば、図3(8)式のように反応しアンモニアが生成する。ここで、溶液からアンモニアを分離するには適当なキャリアガスを吹き込めばよく(図3▲9▼)、キャリアガス吹き込みの際、溶液を加熱すればより分離が促進される。
【0075】
図3(8)式に示す反応のために必要なアルカリの添加量は、少なくとも溶液中の塩化アンモニウムが全てアンモニアに変化するために必要な量以上とすることが必要であるが、実際には溶液を撹拌しながらアルカリを添加し、同時に測定したpHが12〜14程度になったところを終点とすればよい。また、あらかじめ溶液中のアンモニウムイオン濃度を分析しておき、これに見合うアルカリの添加量を計算によって求めても良い。
【0076】
図3(8)式にしたがって生成したアンモニア、またはこれを水に吸収させたアンモニア水(水酸化アンモニウム)は、工程における添加剤として用いることができる。(図3(1))。また、アンモニアを分離した後のアルカリ化合物を含有する溶液は化学薬品等の用途に使用することができる(図3A)。
【0077】
なお、水酸化アンモニウムの蒸留方法は、上記(i)電気透析法を用いた溶液の処理方法の欄で述べた蒸留方法と同じである。
(iii)陰イオン交換体によるイオン交換法を用いた溶液の処理方法
図5は、陰イオン交換体によるイオン交換法を用いて金属フッ化物を含有する溶液を処理する工程の一例を示した図である。この場合も図1の下方に示した、溶液の中和処理に伴う反応式(1)〜(7)の反応が起こる。
【0078】
図5に示される陰イオン交換体によるイオン交換法を用いた溶液の処理方法は、下記工程A〜CおよびD″工程からなる。これらの工程のうち、工程A〜Cについては、上述した電気透析法を用いた溶液の処理方法の工程A〜Cと同様に行うことができるので、以下では説明を省略する。
【0079】
工程A:水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
工程B:前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程
工程C:前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程;および
工程D″:前記工程Cにより蒸留された水溶液を陰イオン交換体でイオン交換する工程。
【0080】
工程D″では、溶液に陰イオン交換体を用いたイオン交換法を施し、溶液からフッ素イオンおよび硝酸イオンをトラップする。こうすることで、溶液中のフッ化アンモニウム(および硝酸アンモニウム)を水酸化アンモニウムとして取り出すことができる(図5(3))。
【0081】
この場合も図4に示したイオン交換カラムを用いることができる。ただし、陰イオン交換体によるイオン交換法を用いた処理では、前述の陽イオン交換体によるイオン交換法を用いた処理とは異なり、陽イオン交換体11の代わりに陰イオン交換体11'が用いられる。溶液はカラム上方から注入され、陰イオン交換体11'を通過し、イオン交換された溶液がカラム下方より流出する。
【0082】
ここで、陰イオン交換体11'は、強酸性陰イオン交換樹脂または強酸性陰イオン交換繊維であり、注入された溶液中に含有する陰イオン、すなわちフッ素イオン(F)や硝酸イオン(NO )がイオン交換樹脂の官能基の水酸化物イオン(OH)と入れ替わり、(G)および(H)式に示すように、水酸化アンモニウム(NHOH)が生成する。なお、(G)および(H)式において、Rは陰イオン交換樹脂の陽イオン基を示す。このようにイオン交換された溶液は、中和処理用のアルカリ性薬品として再利用することができる(図5▲4▼)。
【0083】
NHF+ROH→NHOH+R (G)式
NHNO+ROH→NHOH+RNO (H)式
ところで、中和処理(図5▲1▼、▲2▼)を行った後に沈殿物を分離した溶液には中和処理した際に過剰に添加した水酸化アンモニウムが含有するので、上記(G)式および(H)式で示す反応が進行しにくくなる。
【0084】
そのため、溶液中の過剰の水酸化アンモニウムを蒸留して分離(図5▲5▼)した後、溶液をイオン交換することが好ましい。過剰の水酸化アンモニウムの蒸留方法は、上記(i)電気透析法を用いた溶液の処理方法の欄で述べた蒸留方法と同じである。
【0085】
一方、フッ酸イオンまたは硝酸イオンが置換した陰イオン交換体には、水を作用させる(図5▲6▼)。陰イオン交換体に水が接触すると、(I)式および(J)式に示す反応が進行し、フッ酸イオン、硝酸イオンが水酸化物イオンと置換する。
【0086】
O+R→HF+ROH (I)式
O+RNO →HNO+ROH (J)式
このようにして得られたフッ酸および硝酸は、チタンやステンレス鋼の酸洗用の酸洗液として再利用することができる(図5▲7▼)。
【0087】
【実施例】
廃液が金属フッ化物を含有する水溶液となる酸洗液を選択し、種々の金属を酸洗した。このとき生じた廃液を化学分析し、本発明の処理方法に基づいて処理した。
【0088】
表2は、本発明の実施に際し用いた廃液の組成成分を示す表である。なお、同表には、その廃液が生じる原因となった被酸洗金属および酸洗液についても示した。同表記号Aはチタンをフッ化水素酸で酸洗することで生じた廃液、同表記号Bはチタンを硝フッ酸で酸洗することで生じた廃液、同表記号Cはチタンおよびステンレス鋼を硝フッ酸で酸洗することで生じた廃液、同表記号Dは金属シリコンを硝フッ酸で酸洗することで生じた廃液である。以下では、各廃液に本発明を適用した実施例についてそれぞれ示す。
【0089】
【表2】
Figure 0004292454
【0090】
(実施例1)表2の廃液A〜Dをそれぞれ1000cmずつ中和槽に入れ、純水1000cm を加えて撹拌しながら15%水酸化アンモニウム水溶液を少しずつ添加し、pHを6、8または10に調節した。
【0091】
図6は、中和槽の構造を模式的に示した断面図である。中和槽で廃液中のフッ化物と水酸化アンモニウムを十分に反応させて中和させた後、生成した沈殿物と溶液をドレーン25から遠心分離器に移し、沈殿物と溶液に分離した。沈殿物を分離した溶液のうち500cmを図2に模式的に示す電気透析装置のセル5に装入し、さらにセル6には濃度が0.5mol/dmの硝フッ酸溶液を、セル7には濃度が0.5mol/dmの水酸化アンモニウム溶液を、セル8には濃度が2mol/dmの硫酸溶液を、セル9には濃度が2mol/dmの水酸化ナトリウム溶液を各500cmずつを装入した。ここで、陽極3として酸化イリジウムを被覆したチタン板(表面積:100cm)、陰極4として純ニッケル板(表面積:100cm)を用い、陽イオン交換膜1、1'として(株)トクヤマ製「ネオセプタCMH」、陰イオン交換膜2、2'として「ネオセプタAMH」を使用した。
【0092】
陽極と陰極の間に2Vの直流電圧を付与し、1時間電解した後一旦電解を止め、セル5の溶液のみを未処理の溶液に入れ替え、1時間電解する操作を4回繰り返した。このとき、電解時にはセル9の底部から空気を吹き込みながら溶液を撹拌した。
【0093】
一方、これとは別に、沈殿物を分離した溶液から予め過剰に添加された水酸化アンモニウムを蒸留により除去し、電気透析装置のセル5に装入して上記と同様の電解操作を行った。なお、水酸化アンモニウムの除去は、以下のように行った。
【0094】
図7は、沈殿物を分離した溶液を処理する反応槽の構造を模式的に示した断面図である。沈殿物を分離した溶液1000cmを反応槽31に装入し、撹拌しながら電気ヒーター36で液温を90〜95℃に上昇させた後、空気を毎分2000cmの速度で30分間送り込むことにより、アンモニアを蒸留させた。
【0095】
図8は、空気中のアンモニアガスを水に吸収させる気泡撹拌槽の構造を模式的に示した断面図である。反応槽31からキャリアガス出口34を介し、アンモニアガスおよび水蒸気を含有する空気を気泡撹拌槽41の下方のキャリアガス導入口42から容量1000cmの吸収液(水)48の中に導入し、吸収液48を撹拌すると同時に5〜8℃に冷却しながら30分間アンモニアを吸収させた。
【0096】
電解を終了させた後は、遠心分離器で分離した沈殿物を水で5回洗浄し、洗浄水を遠心分離した後、沈殿物中のチタン、鉄、クロム、ニッケル、シリコンおよびフッ素の濃度を分析するとともに、セル6の溶液の酸濃度、セル7の溶液のアルカリ濃度、およびアンモニア吸収器の吸収液のアンモニア濃度を中和滴定法で分析した。
【0097】
比較のために、15%水酸化アンモニウム水溶液の代わりに15%水酸化ナトリウム水溶液を用いて同様の処理を行った場合についてもチタンなどの金属および溶液の濃度を分析した。
【0098】
表3は、電気透析により溶液を処理した結果を示す表である。同表に示すように、本発明にしたがって処理して得られた水酸化物の沈殿物中のフッ素濃度は、全金属に対して0.2〜11.7%であり、特にpHを10に調節して水酸化アンモニウム水溶液を添加したときの沈殿物中のフッ素濃度は、極めて小さいものとなった。
【0099】
【表3】
Figure 0004292454
【0100】
これに対して、水酸化アンモニウム水溶液の代わりに15%水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、沈殿物中のフッ素濃度は、全金属に対して48.4〜98.7%と高く、このままでは資源として再利用できないものであった。
【0101】
電気透析処理を行った後のセル6中の溶液の硝フッ酸濃度は、蒸留を行わなかった場合が2.73〜5.73mol/dmであり、蒸留を行った場合が3.30〜6.55mol/dmであった。いずれの場合も、硝フッ酸は酸化スケールの酸洗液として再利用するのに十分高い濃度のものであった。
【0102】
また、電気透析処理を行った後のセル7中の溶液の水酸化アンモニウムの濃度は、蒸留を行わなかった場合が2.76〜5.72mol/dm(濃度約4.9〜10.1%)であり、蒸留を行った場合が2.04〜6.00mol/dm(濃度約3.5〜10.6%)であった。これらの溶液の水酸化アンモニウムの濃度は、中和処理に使用する15%溶液に比べ、希薄であるが、市販のアンモニア水(濃度約28%)を15%程度に希釈する際に水の代わりに使用するなどすれば、アンモニア源として再利用できる。
【0103】
さらに、アンモニア吸収器でアンモニアを吸収した吸収液のアンモニア濃度は0.11〜0.35mol/dm(約0.2〜0.6%)であった。これらの水酸化アンモニウム溶液についても、濃度は希薄であるが、市販のアンモニア水や溶液の希釈用のアンモニア源として無駄無く再利用することができる。
【0104】
(実施例2)表2の廃液A〜Dをそれぞれ1000cmずつ中和槽21に入れ、純水1000cm を加えて撹拌しながら15%水酸化アンモニウム水溶液を少しずつ添加し、pHを10に調節した。
【0105】
廃液中のフッ化物と水酸化アンモニウムを十分に反応させて中和させた後、生成した沈殿物と溶液をドレーン25から排出して遠心分離器に移し、沈殿物と溶液に分離した。沈殿物を分離した溶液のうち500cmを図4に模式的に示すイオン交換カラムに上方から装入し、カラムの下方から流出する溶液(以下、流出液Aとする)をプラスチック製容器に採取した。なお、イオン交換カラムには、陽イオン交換体11として、ローム・アンド・ハース社製「アンバーライト200CT」300cmを用いた。
【0106】
続いて、濃度3mol/dmの塩酸溶液500cmをイオン交換カラムに装入し、流出する塩化アンモニウムを含有する溶液(以下、流出液Bとする)をプラスチック製容器に採取した。さらに、水500cmをイオン交換カラムに装入し、陽イオン交換体11を洗浄して再利用できる状態にした。
【0107】
一方、沈殿物を分離した溶液を直接イオン交換せず、前処理として過剰に添加された水酸化アンモニウムを蒸留により除去した後、イオン交換カラムに装入して上記と同様のイオン交換操作を行い流出液Aおよび流出液Bを採取した。なお、水酸化アンモニウムの除去は、前記実施例1で示した除去方法と同一であるが、発生したアンモニアガスを水に吸収させず、図7に模式的に示す反応槽31からキャリアガス出口34を介し、図6に模式的に示す中和槽21にアンモニアガス導入口24から直接導入した。
【0108】
上述の通り、沈殿物を分離した溶液を直接イオン交換して採取した流出液B、および水酸化アンモニウムを除去した後にイオン交換して採取した流出液Bを混合し、図7に模式的に示す反応槽31に装入してアンモニアを蒸留した。このとき、20%水酸化ナトリウム溶液をpHが約13になるまで添加し、撹拌しながら電気ヒーター36で液温を90〜95℃に上昇させた後、空気を毎分2000cmの速度で30分間送り込んだ。この場合も、発生したアンモニアガスを水に吸収させず、中和槽21に直接導入した。
【0109】
遠心分離器により分離した沈殿物は、水で5回洗浄し、洗浄水を遠心分離した後、沈殿物中のチタン、鉄、クロム、ニッケル、シリコンおよびフッ素の濃度を分析した。また、流出液Aの酸濃度を中和滴定法で分析した。
【0110】
比較のために、15%水酸化アンモニウム水溶液の代わりに15%水酸化ナトリウム水溶液を用いて同様の処理を行った場合についても同様の分析を行った。
【0111】
表4は、陽イオン交換体を用いたイオン交換法により溶液を処理した結果を示す表である。同表に示すように、本発明にしたがって処理して得られた水酸化物の沈殿物中のフッ素濃度は、全金属に対して0.2〜1.3%であり、極めて小さいものとなった。
【0112】
【表4】
Figure 0004292454
【0113】
これに対して、中和処理用のアルカリとして15%水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、水酸化物の沈殿物中のフッ素濃度は、全金属に対して49.7〜105.2%と高く、このままでは資源として利用できないものであった。
【0114】
また、イオン交換処理を行った後の流出液Aの濃度は、蒸留を行わなかった場合が0.91〜1.83mol/dmであり、蒸留を行った場合が1.10〜2.22mol/dmであった。いずれの場合も、酸化スケールの酸洗液として再利用するには、希薄であるが、濃フッ化水素酸や濃硝酸を追加するなどすれば十分に再利用することができる。
【0115】
これに対して、中和処理用のアルカリとして15%水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、沈殿物を分離した後の溶液から水酸化ナトリウムを再生できないので、省資源の観点から好ましくない。
【0116】
(実施例3)表2の廃液A〜Dをそれぞれ1000cmずつ中和槽21に入れ、純水1000cm を加えて撹拌しながら15%水酸化アンモニウム水溶液を少しずつ添加し、pHを10に調節した。
【0117】
廃液中のフッ化物と水酸化アンモニウムを十分に反応させて中和させた後、生成した沈殿物と溶液をドレーン25から排出して遠心分離器に移し、沈殿物と溶液に分離した。沈殿物を分離した溶液のうち500cmを図4に模式的に示すイオン交換カラムに上方から装入し、カラムの下方から流出する溶液(以下、流出液A'とする)をプラスチック製容器に採取した。なお、イオン交換カラムには、陰イオン交換体11'として、ローム・アンド・ハース社製「アンバーライトIRA400」300cmを用いた。
【0118】
続いて、水500cmをイオン交換カラムに装入し、流出するフッ酸および硝酸を含有する溶液(以下、流出液B'とする)をプラスチック製容器に採取した。
【0119】
一方、沈殿物を分離した溶液を直接イオン交換せず、前処理として過剰に添加された水酸化アンモニウムを蒸留により除去した後、イオン交換カラムに装入して上記と同様のイオン交換操作を行い流出液A'および流出液B'を採取した。なお、水酸化アンモニウムの除去は、前記実施例1で示した除去方法と同一であるが、この場合も前記実施例2と同様に、発生したアンモニアガスを水に吸収させず、図7に模式的に示す反応槽31からキャリアガス出口34を介し、図6に模式的に示す中和槽21にアンモニアガス導入口24から直接導入した。
【0120】
遠心分離器により分離した沈殿物は、水で5回洗浄し、洗浄水を遠心分離した後、沈殿物中のチタン、鉄、クロム、ニッケル、シリコンおよびフッ素の濃度を分析した。また、流出液A'のアルカリ濃度および流出液B'の酸濃度を中和滴定法で分析した。
【0121】
比較のために、15%水酸化アンモニウム水溶液の代わりに15%水酸化ナトリウム水溶液を用いて同様の処理を行った場合についても同様の分析を行った。
【0122】
表5は、陰イオン交換体を用いたイオン交換法により溶液を処理した結果を示す表である。同表に示すように、本発明にしたがって処理して得られた水酸化物の沈殿物中のフッ素濃度は、全金属に対して0.2〜1.1%であり、極めて小さいものとなった。
【0123】
【表5】
Figure 0004292454
【0124】
これに対して、中和処理用のアルカリとして15%水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、水酸化物の沈殿物中のフッ素濃度は、全金属に対して51.1〜101.3%と高く、このままでは資源として利用できないものであった。
【0125】
また、イオン交換処理を行った後の流出液A'の水酸化アンモニウムの濃度は、蒸留を行わなかった場合が0.98〜2.11mol/dmであり、蒸留を行った場合が0.88〜2.05mol/dmであった。いずれの場合も、中和処理に使用する15%溶液に比べ、希薄であるが、市販のアンモニア水(濃度約28%)を15%程度に希釈する際に水の代わりに使用するなどすれば、アンモニア源として再利用できる。
【0126】
これに対して、中和処理用のアルカリとして15%水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、沈殿物を分離した後の溶液から水酸化ナトリウムを再生できないので、省資源の観点から好ましくない。
【0127】
さらに、イオン交換樹脂に水を作用させ得られた流出液B'の酸濃度は、蒸留を行わなかった場合が0.87〜2.03mol/dmであり、蒸留を行った場合が1.25〜2.73mol/dmであった。この場合も、酸化スケールの酸洗液として再利用するには、希薄であるが、濃フッ化水素酸や濃硝酸を追加するなどすれば十分に再利用することができる。
【0128】
【発明の効果】
本発明の処理方法によれば、脱スケールのために生じる金属フッ化物を含有する溶液から高純度のチタンなどの金属水酸化物を回収でき、有用な金属資源として活用できるばかりでなく、金属回収に用いる薬剤も再利用することができる。したがって、産業廃棄物の発生量を大幅に削減することができ、いわゆるゼロエミッションの操業が可能となり、環境に対する負荷が軽減されるなど、工業的あるいは社会的に大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気透析法を用いて金属フッ化物を含有する水溶液を処理する工程の一例を示した図である。
【図2】電気透析装置の構造を模式的に示した断面図である。
【図3】陽イオン交換体によるイオン交換法を用いて金属フッ化物を含有する溶液を処理する工程の一例を示した図である。
【図4】イオン交換カラムの構造を模式的に示した断面図である。
【図5】陰イオン交換体によるイオン交換法を用いて金属フッ化物を含有する溶液を処理する工程の一例を示した図である
【図6】中和槽の構造を模式的に示した断面図である。
【図7】沈殿物を分離した溶液を処理する反応槽の構造を模式的に示した断面図である。
【図8】空気中のアンモニアガスを水に吸収させる気泡撹拌槽の構造を模式的に示した断面図である。
【符合の説明】
1、1' 陽イオン交換膜
2、2' 陰イオン交換膜
3 陽極
4 陰極
5〜9 セル
11 陽イオン交換体
11' 陰イオン交換体
12、12' 多孔板
13 コック
21 中和槽
22、32 溶液導入管
23、35、44 撹拌機
24 アンモニアガス導入口
25、39 ドレーン
31 反応槽
33、42 キャリアガス導入口
34、43 キャリアガス出口
36 ヒーター
37、46 pHメーター
38、47 温度メーター
41 気泡撹拌槽
45 クーラー
48 水(吸収液)

Claims (7)

  1. 下記工程A〜Dを備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
    (工程A)水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
    (工程B)前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程;
    (工程C)前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程;および
    (工程D)前記工程Cにより蒸留された水溶液を電気透析する工程
  2. 下記工程A〜CおよびD′を備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
    (工程A)水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
    (工程B)前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程;
    (工程C)前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程;および
    (工程D′)前記工程Cにより蒸留された水溶液を陽イオン交換体でイオン交換する工程
  3. 請求項2に記載の金属フッ化物を含有する水溶液の処理工程の後に、下記工程E、Fを備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
    (工程E)前記工程D′でイオン交換を行った陽イオン交換体に酸溶液を作用させる工程;および
    (工程F)前記工程Eにより陽イオン交換体に酸溶液を作用させることにより得られた溶液にアルカリを添加する工程。
  4. 下記工程A〜CおよびD″を備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
    (工程A)水酸化アンモニウムおよび/またはアンモニアを前記水溶液に添加する工程;
    (工程B)前記工程Aにより生じた沈殿物を分離する工程;
    (工程C)前記工程Bにより沈殿物を分離した水溶液にキャリアガスを吹き込みながらアンモニアを分離する蒸留を行う工程;および
    (工程D″)前記工程Cにより蒸留された水溶液を陰イオン交換体でイオン交換する工程
  5. 請求項4に記載の金属フッ化物を含有する水溶液の処理工程の後に、下記工程E′を備えることを特徴とする金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法:
    (工程E′)前記工程D″でイオン交換を行った陰イオン交換体に水を作用させる工程。
  6. 前記金属フッ化物を構成する金属が、Ti、Fe、CrおよびSiの一種または二種以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法。
  7. 前記金属フッ化物を含有する水溶液が、フッ化水素酸を含有する水溶液で、金属を酸洗することにより生じた廃液であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の金属フッ化物を含有する水溶液の処理方法。
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