JP4458320B2 - 廃棄物処理方法と装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴミ焼却炉、土壌改良装置、メッキ廃液槽、汚泥処理装置又は排煙脱硫装置から排出される重金属などを含めた廃棄物含有被処理排水や被処理固形物のスラリーなどから有害物を除去・安定化する廃棄物処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電所ボイラなどの燃焼装置から排出する排ガス中の脱硫処理装置として湿式石灰石−石膏法脱硫装置が広く使用されている。
該湿式石灰石−石膏法脱硫装置(以下、単に脱硫装置ということがある)からは廃棄物を含む排水が排出される。例えば、1000MW規模の火力発電所に設置される脱硫装置から排出される排水中には塩素イオンが含まれているが、排煙処理施設の塩素腐食を防ぐため、あるいは吸収液中での石灰石の溶解度が低下することを防ぐためなどの観点から脱硫装置で使用される石灰石スラリを含む吸収液の塩素イオン濃度を管理している。その塩素濃度を基準値以下に維持するために脱硫装置を循環している吸収液から1時間に約5〜20トン程度の吸収液を抜き出し、これを浄化処理している。
【0003】
脱硫装置から抜き出される排水中には、重金属、COD、BOD成分が含まれているが、現状の排水処理法の概略は図9に示すように、まず脱硫排水に炭酸ソーダ、苛性ソーダ、消石灰及び凝集剤を添加し、pH調整を行い、次いで排水中の懸濁(SS)分、フッ素イオン、重金属成分を沈降させ、相分離する操作を行う。相分離した上澄み液に、更に塩酸と凝集剤を添加してフッ素分を除去するための高度処理を行う。次に、COD源となるニチオン酸などを除去するため、硫酸を添加し、加熱分解処理する。最終的には、pHの低い液に苛性ソーダを添加してpH調整した後に放流している。このような一連の脱硫排水処理法では、処理コストが高くなるという問題点がある。
【0004】
特開平9−29058号公報に記載のように、脱硫排水処理に石炭灰、セメント、消石灰、石膏、あるいは他の添加剤などを添加することで固化物を生成させ、該固化物中にトリサルフェート、モノサルフェート型の水和物を形成させ、該水和物の強度を高め、同時に排水中の重金属類などを安定に固定化させる方式が簡便であり、また薬品を使わないで脱硫排水をクローズド化できることから注目されている。
【0005】
この処理方法では、脱硫装置から処理排水を出さないためにクローズド化と石炭灰の有効利用が図れ、従来の排水処理と比較して処理コストを低くすることができる利点がある。
【0006】
石炭灰固化法により脱硫排水を処理する場合には、被処理排水量をできるだけ濃縮して減容化し、塩素などを除去した後に行われる。脱硫排水からの塩素除去は、電気透析などの選択イオン交換膜などを用いて分離除去できる。更に、脱塩素された液を、蒸発させて濃縮した後に、石炭灰、石膏、セメント、消石灰などを添加して固化することで、重金属やフッ素化合物、ニチオン酸などを安定に固定できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記石炭灰処理法では、多量の排水を蒸発濃縮して固化処理する必要があり、加熱濃縮のために膨大なエネルギーを必要とする点に課題がある。
また、脱硫装置だけでなく、ゴミ焼却炉、土壌改良装置、メッキ廃液槽、汚泥処理装置などから重金属などを含む廃棄物含有被処理排水及び/又は被処理固形物のスラリーなどが排出されるが、これらの産業廃棄物中の有害物を除去して安定化させる廃棄物処理法として確立された方法はなく、有効で、かつ低コストな処理法が求められている。
【0008】
本発明の課題は膨大なエネルギーを必要としないで脱硫装置などからの廃棄物含有被処理排水や被処理固形物のスラリー中の有害物を除去・安定化させる処理方法と装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の産業廃棄物の無害化処理システムは、火力発電プラントの脱硫装置や一般の産業排水及び固形物処理を対象にした有害物を除去・安定化する廃棄物処理システムである。
【0010】
本発明は次の構成からなる。
(1)廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形物のスラリーを拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室から成る電解槽の陽極室に供給し、陽極室で溶解する金属イオンを拡散防止多孔質膜を通過させて陰極室に電気泳動させ、陰極室から金属イオンを含む電解液の一部を抜き出し、該抜き出した液のpH調整を行い、金属イオンを水酸化物として沈降させ、該沈降物を相分離して得られる水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して固形物として金属を固定化し、上澄み液の少なくとも一部を陰極室に循環する廃棄物処理方法。
【0012】
また、アンモニウムイオンを含む被処理排水を電解槽の陽極室に供給し、極室に空気をバブリングし、アンモニアガスを脱気させ、発生するアンモニアガスをアンモニア分解触媒層に導入して窒素ガスに酸化することもできる。
【0013】
さらに、金属成分を含む石膏のスラリーを電解槽の陽極室に導入し、陽極室で溶解した金属イオンを陰極室へ電気泳動させ、金属成分を除去した石膏を陽極室の底部より抜き取り、石膏分を分離回収しても良い。
【0014】
陽極室と陰極室の各電極間の電流値を一定値に制御し、電極間抵抗が増加し、電極間電圧が設定値以上の信号を検出したら両極間の極性を反転させ、各電極面を洗浄することができる。
【0015】
上記本発明における廃棄物を含む被処理排水や被処理固形物のスラリーはゴミ焼却炉、土壌改良装置、メッキ廃液槽、汚泥処理装置又は排煙脱硫装置から排出されるものである。
【0016】
それらの代表例としての湿式石灰石−石膏法の脱硫装置からの脱硫排水の処理法は次の通りである。
(2)湿式石灰石−石膏法の脱硫装置から排出した固形物を含む脱硫排水を拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室から成る電解槽の陽極室に供給し、陽極室で溶解する金属イオンを拡散防止多孔質膜を通過させて陰極室に電気泳動させ、陰極室で該金属イオンの一部を水酸化物として沈降させ、その上澄み液を陰極室及び/又は湿式石灰石−石膏法の脱硫装置の補給水として循環させ、前記陰極室で得られた沈降物を相分離して水酸化物スラリーを得て、該水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して固形物として金属を固定化し、少なくとも陽極室に空気をバブリングして陽極室から塩素ガス、フッ化水素ガスを脱気させ、得られた脱気ガスをアルカリ性吸収液と接触させて塩素、フッ素成分を回収する脱硫排水の処理方法。
【0017】
また、本発明には次の装置発明が含まれる。
(3)拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室を備え、陽極室に廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形物のスラリーの供給部を設けた電解槽と、陽極室で溶解した後に拡散防止多孔質膜を通過して陰極室に移動した金属イオンが水酸化物として沈降して得られる沈降物を上澄み液と相分離させる分離槽と、分離槽で得られた水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して混練して固形物として回収するための混練機と、電解槽の陰極室と分離槽の間に設けた、陰極室で得られた金属イオン含有液のpHの調整を行うpH調整槽を備えた廃棄物処理装置。
また、陽極室にアンモニアイオン含有被処理排水導入部を接続し、陰極室に空気のバブリング装置とアンモニアガスを窒素ガスに変換するアンモニア分解塔を接続しても良い。
【0018】
(4)湿式石灰石−石膏法の脱硫装置と、拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室を備え、陽極室に廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形物のスラリーの供給部を設けた電解槽と、前記脱硫装置から排出した固形物を含む脱硫排水を電解槽の陽極室に供給する脱硫排水流路と、陽極室で溶解した後に拡散防止多孔質膜を通過して陰極室に移動した金属イオンが水酸化物として沈降して得られる沈降物を上澄み液と相分離させる分離と、分離で得られた水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して混練して固形物として回収するための混練機と、分離で得られた上澄み液を陰極室及び/又は湿式石灰石−石膏法の脱硫装置の補給水として循環させる流路と、少なくとも陽極室に設けた空気をバブリングさせる空気供給部と、陽極室に接続した空気のバブリングによりられた脱気塩素ガス、フッ化水素ガスをアルカリ性吸収液に接触させるアルカリ洗浄塔を備えた脱硫排水の処理装置。
【0019】
【作用】
本発明は、電解液のpHに高低差を作るために陽極室と陰極室を拡散防止多孔質膜で隔離した二室電解槽を用いる。被処理排水はpHの低い陽極室に導き、重金属類をイオン化して陽極室から陰極室に電気的に泳動させ、pHの高い陰極室で金属イオンを水酸化物として沈降させ、沈降により減容化した水酸化物を石炭灰などで固化して重金属成分を安定的に固定化し、陽極室より塩素、フッ素などを発生させて除去する一連の処理システムである。
【0020】
この排水処理システムを湿式石灰石−石膏脱硫装置の廃水処理などに用いることで効果的な廃棄物の処理ができ、重金属、塩素、フッ素などを除去した排水を脱硫装置の補給水の一部として使用でき補給水の低減ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
本発明の有害物を含む排水処理システムの一実施の形態を図1に示す。また、図2に図1に示す排水処理システムと脱硫装置を組み合わせた全体構成を示す。
【0022】
図1の排水処理システムの構成装置は、拡散防止多孔質膜で陽極室と陰極室を分離した二室電解槽1を主要装置とし、そのほかに二室電解槽1で生成する重金属スラッジを石炭灰固化処理する装置(混練機20)と電解処理で発生する有害ガスの処理装置(アルカリ洗浄塔7、アンモニア分解触媒層充填室22)を備えている。
【0023】
二室電解槽1は、液のpHに高低差をつくるために拡散防止多孔質膜3で陽極室2と陰極室4に分離されているが、陽極室2及び陰極室4の電極材には、通常の炭素電極や電気抵抗の小さいチタンに白金をメッキした電極が使用できる。電極9、10には、直流電源装置8から通電され電解が行われる。二室電解槽1の陽極室2と陰極室4は拡散防止多孔質膜3で仕切られるが、陽極室2と陰極室4の下部からは、空気導入口23より空気が微細化されて電解槽1の電解液中にバブリングされながら導入される。微細化された空気は電解液中に分散されることで、電解により発生するガスの放散と電極面の洗浄を行う。
【0024】
電極9、10に直流電圧を通電すると、両電極9、10間に水素イオン濃度指数であるpHに高低差が生じてくる。このときの反応は、
2C1-−2e-→Cl2 (陽極) (1)
2H2O+2e-→H2+2OH-(陰極) (2)
陽極9は外部の直流電源から電解槽1へ電流を流すための働きをしており、電極9の界面では酸化反応が起こり、一方、陰極10は電解槽1から陰極10に向けて電流が流れ、電極界面では電極10から電子を奪う反応すなわち還元反応が起きている。陽極室2の液pHは低下し、陰極室4のpHは高くなる。
【0025】
一方、重金属類などは図3に示すようにpHの低い液に供給すると溶解し、イオン化する。従って、重金属類を含む被処理排水や固形物を含むスラリーをpHの低い陽極室2に供給することで、金属イオンが溶解する。副生石膏中に含まれる重金属成分などを除去し、品質を高める場合などにも電解槽1の陽極室2に石膏スラリーを供給すれば、副生石膏に付着する重金属類を溶解させることができる。
【0026】
本発明では、陽極室2と陰極室4にpHの高低差を作る目的で、両電極9、10の液が混合しないように、両電極室2、4のほぼ中央部に液の拡散防止多孔質膜3を設置して電解する点に特徴がある。当該拡散防止多孔質膜3は、金属イオンあるいは陰イオンが自由に流通できる程度の細孔を有する多孔質膜3である。拡散防止多孔質膜3は材質的には、pHの高い液と低い液が直接接触するので、酸・アルカリに強いことが要求される。この拡散防止多孔質膜3は化繊布、ろ紙、石英ウールなどを母体としたものである。また、機械的な強度も必要であり、前記母体を補強剤でサンドイッチ状に挟み、それを拡散防止多孔質膜3として使用した。
【0027】
図1に示す廃棄物を含む排水処理システムの運用法は、まず、重金属や有害物を含む排水、例えば脱硫排水5と石膏などの固形物スラリ6を電解槽1の陽極室2に導入し、電解槽1内の電極9、10を液で満たす。この状態に各電極室2、4の下部より空気23をバブリングし、電極9、10に通電する。
【0028】
両電極9、10には、10〜30Vの直流電圧を印加するが、電極9、10の間の電位勾配は1〜5V/cm程度になるように電極9、10の間隔が設定される。その際の電流値は0.5A〜3.5Aである。電流を一定値に制御して運用する場合には、電極9、10の間の電気抵抗が大きくなると電圧が逐次上昇してくるので、電極電圧に上限を設け、それ以上になることを防ぐ必要がある。電極間電圧の上昇は、電極9、10の表面などの汚れによるものであるが、それを解決するには、電極9、10の洗浄が必要になる。電極9、10の洗浄法としては、電極9、10に堆積した金属を除去するために、その極性を反転させ、再度電解液に浸漬させて電解操作を行うことが有効である。
【0029】
図1に示す廃棄物処理システムでは排水中の重金属類を陽極室2で溶解させ、陰極室4で濃縮させ、その一部を抜き出し、該抜き出した液のpH調整をpH調整槽15内で行い金属イオンを水酸化物とした後、分離槽16内に導き、金属類の水酸化物として分離槽16内で沈殿させる。分離槽16で相分離して得られる重金属を含む水酸化物スラリー18は石炭灰、石膏、セメント、消石灰等の添加物19を添加して混練機20で混練した後、固化物21として処理する。
【0030】
分離槽16内で水酸化物を分離した上澄み液17は、再度脱硫装置の補給水の一部として利用してクローズド化する。上澄み液17のその他の一部は図示していないが、電解槽1に還流させてもよい。
【0031】
一方、脱硫排水には塩素イオンやフッ素イオンが溶け込んでいるので、これらの陰イオンは電解槽1の陽極室2に移動し、塩素イオンは陽極室2の液に溶解し、飽和溶解度以上に塩素が溶解すると塩素ガスとして放出される。フッ素イオンもフッ酸として陽極9から放出される。塩素ガス、フッ酸を含むガスはアルカリ洗浄塔7でアルカリ洗浄された後に回収される。
【0032】
脱硫排水を対象にした場合、通常は塩素イオンが5000〜30000ppmが含まれ、そのほかにフッ素イオン50〜100ppm、ニチオン酸イオン50〜120ppm、その他硫酸イオンなどが含まれる。これら陰イオンのカウンターとなる陽イオンは、大部分がカルシウムイオンである。金属イオンとしては、カルシウムイオン以外に、マグネシウム、ナトリウムなどのアルカリ金属及び土類金属イオンが含まれ、その他に石炭灰に含まれている金属類のイオンが含まれている。
【0033】
なお、本実施の形態で処理した脱硫排水の導電率は1〜5mS/cmであるが、このような脱硫排水により両電極を満たし、通電するとpHに変化が生じる。その代表例を図4に示す。
【0034】
陽極室2中の液のpHは時間の経過と共に徐々に低下し、1.8〜2近傍の値を示し、陰極室4の液ではpHは10〜11近傍を示す。陽極室2に供給された重金属成分は、陽極室2の液のpHが低いためにイオン化して、電気的な泳動現象により、陽極室2から拡散防止多孔質膜3を通過し、陰極室4に移動する。陰極室4に移動した金属イオンは、陰極室4中の液のpHが10近傍であるために水酸化物として沈降する。水酸化物を含む陰極室4の液を分離槽16でろ過することで水酸化物が濃縮された水酸化物スラリー18を回収できる。水酸化物スラリー18を分離した上澄み液17は、陰極室4に戻しても良いが、その一部は湿式石灰石−石膏法脱硫装置との組み合わせるシステムの場合、脱硫装置の補給水として使うことができる。
【0035】
一方、陰極室4の塩素イオン、フッ素イオン、ニチオン酸イオンに代表される陰イオンは、重金属イオンの移動方向とは逆に陰極室4から陽極室2に移動する。
【0036】
図5に示すグラフは、バッチ処理条件で陽極室2から発生する塩素ガスを北川式検知管により定量した結果である。電解を初めて20分位までは、塩素ガスを検出できない。これは電解により塩素イオンは一部塩酸として解離しており、塩酸濃度が高くなるに従い、徐々に塩素ガスとして発生してくるためである。電解を始めて20分経過する頃から塩素ガスが発生するようになる。塩素ガスの発生量は図5に示す例では電解を始めて約50分経過して極大値を示し、それ以降、徐々に低下する傾向にある。従って、陽極室2の液を一部抜き出せば、陰極室4内の液中の塩素成分濃度も電解初期に比べてかなり低下するので、陰極室4からは電解液の塩素濃度の低い液が回収でき、その一部を補給水に使用することで、補給水の低減を図れる。
【0037】
図6の写真は前述の電解により得られる両電極室2、4から採取した液サンプルの外観写真を示す。右側の写真が陽極室2から採取した電解液で、左側が陰極室4から採取した電解液である。陰極室4から採取した電解液の下部には沈殿物の痕跡がみられる。この一部が水酸化物として沈降した金属である。
【0038】
このようにpHの低い陽極室2にボイラ排ガスの脱硫装置からの排水などの廃棄物を供給すれば、重金属などは陽極室2から陰極室4に電気泳動して移動し、水酸化物を生成する。一方、塩素イオンなどは陽極室2に濃縮されるので、塩素イオン濃度の高い液を抜き出すことで陰極室4の電解液の塩素イオン濃度を下げられるので、脱硫装置の補給水に使用できる。
【0039】
重金属を含む水酸化物は、陰極室4に濃縮されるので、それを分離槽16で相分離することで水酸化物スラリー18として回収できる。この水酸化物スラリー18は、そのまま管理物として投棄することも可能であるが、本発明のように石炭灰などを添加して固化物21を作ることで重金属類を固化物21に安定的に固定化できる。
【0040】
従来、脱硫排水中の有害成分などを固化する際には、排水を濃縮し、脱塩して固化する必要があったが、本発明では濃縮した水酸化物を直接使用できることに大きな特徴がある。
【0041】
以下では、重金属成分などの水酸化物を含むスラリー(水酸化物スラリー18という)に石炭灰、セメント、消石灰、石膏などの添加物19を添加して固化物21を作製する具体例、さらには、固化物21の溶出試験による重金属の安定性について調べた具体例を示す。
【0042】
図7には水酸化物スラリー18に石炭灰9a、セメント9b、消石灰9c、石膏9dなどを混練して固化するシステムを示す。
水酸化物スラリー18は、石炭灰9a、セメント9b、消石灰9c、石膏9dなどと混練する混練機20に供給する。混練機20はモータ301で駆動される二軸のスクリュー21a、21bを備え、該スクリュー21a、21bにより水酸化物スラリー18は石炭灰9a、セメント9b、消石灰9c、石膏9d等と混練される。混練時間は二軸スクリュー21a、21bの長さ及び回転数を調整して行う。混練機20から混練排出される混練物は、粘土状になり粘性が非常に高い物質である。この粘土状物は乾燥機303で乾燥された後、自然乾燥することで目的とする固化物21が得られる。
【0043】
乾燥後の固化物21は最終的に産業廃棄物として投棄できる特性が必要である。すなわち、固化物21中の重金属や有害なフッ素、ホウ素やCOD源となるニチオン酸などが雨水などにさらされた時に溶出しないことが重要になる。それには固化物21は所定値以上の硬さと重金属を化学的に固定することが必要である。
【0044】
固化物21の硬度は添加する石炭灰9aの種類、消石灰9b、石膏9c、セメント9dなどの配合比に大きく影響される。特に、Al23、CaO、SiO2、FeO供与物種となる石炭灰9aは、その石炭種による特性、燃焼状態などにより影響される。石炭灰9aでも通常の微粉炭ボイラから排出される石炭灰9aと流動床燃焼炉などから排出される石炭灰9aでは石炭灰9aの表面特性が異なり、これから形成される固化物21の硬度などに大きく影響される。その石炭灰種による影響を是正するためにセメント9bや消石灰9c、石膏9dなどを水酸化物スラリー18に添加する。固化物21は同じ石炭種を使用したときにはセメント9b、消石灰9c、石膏9dの添加量を高めるとマイクロストレングス(MS硬度)が大きくなる。
【0045】
水酸化物スラリー18に典型的なある石炭火力発電所の石炭灰9aを用いて固化試験を行った。水酸化物スラリー50gに対して、石炭灰9aを55g、消石灰9cを3g、石膏9dを2g、セメント9bを3gを混練し、40時間経過後のMS硬度は5kgに対して、3日間放置した固化物のMS硬度は12kgであった。また、同じ条件でセメント9bの添加量を3gから5gに増やすことで、MS硬度は30%程度向上した。
【0046】
石膏9dは二水塩の石膏9dと無水塩の石膏9dでは固化物21の硬度に大きく影響し、無水石膏9dを添加することで硬度を高めることができる。
【0047】
固化物21の硬度は添加物や乾燥時間に影響されるが、これは水酸化物と添加した金属酸化物とにより新たに生成される複塩に影響されるためであると考えられる。
【0048】
通常、石炭灰9a、セメント9b、金属酸化物類を水と混練すると、エトリンガイトなどの複塩に代表されるトリサルフェート(3CaO・Al23・3CaSO4・32H2O)、モノサルフェート(3CaO・Al23・CaSO4・10H2O)など多種な金属複塩が生成し、固溶体を生成して安定化するためであると想定されている。
【0049】
固形物21は、機械的な強度が高くなることが必要条件であるが、最終的には、固化物21を屋外に放置した際に雨水などに晒されたときに固化物21中に固定されている有害物などが溶出しないことが必要になる。その判定基準として、環境庁告示第13号で定める産業廃棄物の安定性評価に準じた溶出試験を行った。溶出試験結果の代表例を表1に示す。
【0050】
水酸化物スラリー18と石炭灰9aから溶出させた試料Aを分析した結果と本発明の手法で生成される固化物21について溶出させた試料Bの分析結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004458320
【0052】
固化処理していない試料Aの溶出試験結果が排水規制値を満たしていない項目があるのに対して試料B(固化物21)の溶出試験結果では、Hg2+、Cd2+、Pb2+、Cr +、As2+、Se2+、Cu2+、CN-、Zn2+の大部分は不検出であり、これらのイオンは固化物に安定に固定される。また試料A(固形物)のCOD 4.1mg/1、S26 2- 6mg/1(規制なし)、F- 0.1mg/1、Cl- 1640ppm(規制なし)が検出されたが、これらの値もそれぞれ規制値以下であった。従って、固化物21が雨水に晒されてもそれから溶出する排水には有害物が含まれず、排水規制値以下に維持できる。
【0053】
以上の結果から有害物を含む排水に関しては、本発明の電解処理と石炭灰固化処理により安定化できることが分かる。
【0054】
図2には 本発明の電解処理と脱硫装置とを組み合わせたシステムを示す。
【0055】
火力発電所等から発生した硫黄酸化物を含む排ガス31は脱硫装置の吸収塔32に導かれる。吸収塔32内では多数のスプレノズル34を備えたスプレヘッダ33が設置されており、スプレノズル34から微細な液滴として噴霧される吸収液スラリー(吸収剤としてカルシウム系吸収剤(石灰石、石灰等)を使用する)と排ガス31を接触させることで排ガス中の硫黄酸化物は吸収液スラリー滴の表面で化学的に除去される。排ガス31に同伴される微小な液滴は吸収塔32の上部に設置されたミストエリミネータ35で除去され、浄化ガス36は必要により吸収塔32の後流側に設置される図示していない再加熱設備により昇温されて煙突より排出される。スプレノズル34から噴霧された大部分の液滴は硫黄酸化物(SO2)を吸収したのち、吸収塔32の下部に設けられた吸収塔循環タンク37に落下する。循環タンク37の吸収液スラリーは循環ポンプ47でスプレヘッダ33に送られ、再びスプレノズル34から排ガス31に向けて噴霧される。
【0056】
吸収液スラリーに吸収されたSO2は、吸収液スラリー中に含まれる石灰石(CaCO3)と反応し、さらに吸収塔循環タンク37に供給される空気38によって酸化され石膏(CaSO4・2H2O)となる。
【0057】
一方、吸収剤である石灰石39は石灰石供給設備40で石灰石スラリーとして貯えられ、石灰石スラリーポンプ41より吸収塔循環タンク37へ供給される。また、吸収塔32内で生成した石膏を回収するため、吸収塔循環タンク37内の吸収液スラリーの一部を抜出しポンプ42にて石膏脱水設備43に送液し、吸収液スラリー中に含まれている石膏およびばい塵を石膏44として回収する。石膏44を主成分とする吸収液スラリーは10〜30%程度(プラント設計条件により、この値は異なる)が脱水設備43へ導かれ、脱水装置43で付着水の量が約10%以下の粉状石膏として回収される。
【0058】
石膏およびばい塵の脱水ろ液46は、系内に不純物が濃縮するのを防ぐため一部を排水45として電解槽1に供給され、残りの液の一部は石灰石供給設備40により吸収塔32の吸収塔循環タンク37へ送液される。
【0059】
また、固体中の有害物を除去するにも本発明の電解処理と石炭灰固化システムが適用できる。典型的な処理物質として、脱硫装置から副生される石膏の品質向上に有効である。
【0060】
副生石膏自体は十分な品質管理が行われているが、脱硫装置の運用上の過渡状態などでは、副生される石膏9dの一部に石灰石などが混入する場合があり、石炭灰に含まれている重金属などが混入した場合に本発明の電解処理により重金属などを除去することができる。
【0061】
図1に示す二室電解槽1の陽極室2に石膏スラリーを供給することで、石膏中の有害物として混入している金属をイオン化し、陰極室4に移動させて分離回収することができる。本発明の電解処理システムは、湿式石灰石−石膏法脱硫装置の廃棄物処理システムとして利用することができ、脱硫排水処理や石膏品質向上に有効である。
【0062】
湿式石灰石−石膏法脱硫装置の廃棄物には、連続して排出される脱硫排水以外にも、脱硫プラントの定期検査時などに非定常的に排出される排水などがある。
【0063】
その一つに定期検査時などでガス/ガス熱交換器の伝熱面に付着した硫酸アンモニウムを含む固形物などを洗浄して除去した際に、アンモニウムイオンを含む排水が多量に発生する。この排水は脱窒素などを目的とする高度処理が必要である。
【0064】
通常、アンモニアを対象にした脱窒素法としては、排水中からアンモニアをストリッピングさせた後に、アンモニアガスを触媒分解する方法や生物化学的な脱窒法、イオン交換法、塩素酸化法などにより行われる。
【0065】
本発明の適用例として、アンモニウムイオンを含む排水を拡散防止多孔質膜3で分離した電解槽1の陽極室2に供給すると、アンモニウムイオンは陰極室4に電気的に泳動し、pHが12近傍に高められた陰極室4で空気をバブリングすることでアンモニアを放散することができる。
【0066】
図8にはアンモニウムイオンを含む排水をバッチ処理で電解を行った場合のアンモニアガスの発生挙動を示す。
アンモニウムイオンを約1000ppm含む液を電解すると、通電と同時にアンモニアガスが発生する。アンモニアガスは北川式検知管により測定した。アンモニアガスの発生濃度は、極大を示した後に減少する傾向を示した。また、電解液から放散したアンモニアガスは、触媒層を通過させることで窒素ガスに分解することができる。
【0067】
電解により生成するアンモニアを効率よく脱気するには、液のpHを高め、温度を高め、さらに空気で液を気することで放散できる。液中からアンモニアガスを効率よく放出するには、陰極室4に添加剤を添加し、液のpHを高めることが有効である。
【0068】
本発明の電解による排水処理時に電極表面の汚れにより電流効率が低下してくる問題もある。この現象は、陰極表面に析出する金属イオンを原因とするものである。このような場合には、両極間の電極を交換するか、極性を反転することで電極に付着する金属を陰極から除去することができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明の拡散防止多孔質膜を設置した電解槽による電解処理と石炭灰固化処理を組み合わせるシステムによれば、重金属やほかの有害物を含む廃棄物をイオン化し、金属イオンを陰極室に濃縮し、水酸化物を生成させることで沈降させ、沈降した水酸化物を石炭灰を主成分とした添加剤により固化することで重金属を固化物に安定に固定できる。また、本発明の処理システムの応用例として石膏の品質向上、アンモニウムイオンを含む排水処理にも適用できる。
【0070】
湿式石灰石−石膏法の脱硫装置と本発明の処理システムを組み合わせることにより、従来の石炭灰固化処理で行われていた排水の蒸発濃縮などが不要になり、処理コストが安く効果的な処理と排水のクローズド化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の排水処理システムの構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態の排水処理システムを湿式排煙脱硫塔と組み合わせた構成図である。
【図3】 液のpHと金属の溶解度の関係を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態の電解液のpHの経過時間との関係を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態の陽極室から発生する塩素ガス濃度の経過時間との関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態の陰極室と陽極室から採取した電解液の外観写真である。
【図7】 本発明の実施の形態の脱硫排水から得られる石炭灰固化処理装置の概略図である。
【図8】 本発明の実施の形態のアンモニウムイオンを含む排水をバッチ処理で電解を行った場合のアンモニアガスの発生挙動を示す図である。
【図9】 従来の脱硫排水処理法のフローを示す図である。
【符号の説明】
1 二室電解槽 2 陽極室
3 拡散防止多孔質膜 4 陰極室
5 脱硫排水 6 石膏など固形物
7 アルカリ洗浄塔 8 直流電源
9 陽極炭灰 9b セメント
9c 消石灰 9d 石膏
10 陰極 12 石膏分離器
14 回収石膏 15 pH調整槽
16 分離槽 17 上澄み液
18 水酸化物スラリー
19 添加剤(石炭灰、消石灰、石膏、他)
20 混練機 21 固化物
21a、21b スクリュー
22 アンモニア分解触媒層充填室 23 空気導入口
31 排ガス 32 吸収塔
33 スプレヘッダ 34 スプレノズル
35 ミストエリミネータ 36 浄化ガス
37 吸収塔循環タンク 38 空気
39 石灰石 40 石灰石供給設備
41 石灰石スラリーポンプ 42 抜出しポンプ
43 石膏脱水設備 44 石膏
45 排水 46 脱水ろ液
47 循環ポンプ

Claims (10)

  1. 廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形物のスラリーを拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室から成る電解槽の陽極室に供給し、陽極室で溶解する金属イオンを拡散防止多孔質膜を通過させて陰極室に電気泳動させ、陰極室から金属イオンを含む電解液の一部を抜き出し、該抜き出した液のpH調整を行い、金属イオンを水酸化物として沈降させ、該沈降物を相分離して得られる水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して固形物として金属を固定化し、上澄み液の少なくとも一部を陰極室に循環することを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. アンモニウムイオンを含む被処理排水を電解槽の陽極室に供給し、極室に空気をバブリングし、アンモニアガスを脱気させ、発生するアンモニアガスをアンモニア分解触媒層に導入して窒素ガスに酸化することを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理方法。
  3. 金属成分を含む石膏のスラリーを電解槽の陽極室に導入し、陽極室で溶解した金属イオンを陰極室へ電気泳動させ、金属成分を除去した石膏を陽極室の底部より抜き取り、石膏分を分離回収することを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理方法。
  4. 陽極室と陰極室の各電極間の電流値を一定値に制御し、電極間抵抗が増加し、電極間電圧が設定値以上の信号を検出したら両極間の極性を反転させ、各電極面の洗浄を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の廃棄物処理方法。
  5. 廃棄物を含む被処理排水や被処理固形物のスラリーはゴミ焼却炉、土壌改良装置、メッキ廃液槽、汚泥処理装置又は排煙脱硫装置から排出されるものであることを請求項1ないし4のいずれかに記載の廃棄物処理方法。
  6. 湿式石灰石−石膏法の脱硫装置から排出した固形物を含む脱硫排水を拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室から成る電解槽の陽極室に供給し、陽極室で溶解する金属イオンを拡散防止多孔質膜を通過させて陰極室に電気泳動させ、陰極室で該金属イオンの一部を水酸化物として沈降させ、その上澄み液を陰極室及び/又は湿式石灰石−石膏法の脱硫装置の補給水として循環させ、
    前記陰極室で得られた沈降物を相分離して水酸化物スラリーを得て、該水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して固形物として金属を固定化し、
    少なくとも陽極室に空気をバブリングして陽極室から塩素ガス、フッ化水素ガスを脱気させ、得られた脱気ガスをアルカリ性吸収液と接触させて塩素、フッ素成分を回収する
    ことを特徴とする脱硫排水の処理方法。
  7. 陽極室と陰極室の両電極間の電流値を一定値に制御し、電極間抵抗が増加し、電極間電圧が設定値以上の信号を検出したら両極間の極性を反転させ、両電極面の洗浄を行うようにしたことを特徴とする請求項6記載の脱硫排水処理方法。
  8. 拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室を備え、陽極室に廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形物のスラリーの供給部を設けた電解槽と、
    陽極室で溶解した後に拡散防止多孔質膜を通過して陰極室に移動した金属イオンが水酸化物として沈降して得られる沈降物を上澄み液と相分離させる分離槽と、
    分離槽で得られた水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して混練して固形物として回収するための混練機と、
    電解槽の陰極室と分離槽の間に設けた、陰極室で得られた金属イオン含有液のpHの調整を行うpH調整槽
    を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  9. 陽極室にアンモニアイオン含有被処理排水導入部を接続し、陰極室に空気のバブリング装置とアンモニアガスを窒素ガスに変換するアンモニア分解塔を接続したことを特徴とする請求項8記載の廃棄物処理装置。
  10. 湿式石灰石−石膏法の脱硫装置と、
    拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室を備え、陽極室に廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形物のスラリーの供給部を設けた電解槽と、
    前記脱硫装置から排出した固形物を含む脱硫排水を電解槽の陽極室に供給する脱硫排水流路と、
    陽極室で溶解した後に拡散防止多孔質膜を通過して陰極室に移動した金属イオンが水酸化物として沈降して得られる沈降物を上澄み液と相分離させる分離槽と、
    分離槽で得られた水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して混練して固形物として回収するための混練機と、
    分離槽で得られた上澄み液を陰極室及び/又は湿式石灰石−石膏法の脱硫装置の補給水として循環させる流路と、
    少なくとも陽極室に設けた空気をバブリングさせる空気供給部と、
    陽極室に接続した空気のバブリングにより得られた脱気塩素ガス、フッ化水素ガスをアルカリ性吸収液に接触させるアルカリ洗浄塔
    を備えたことを特徴とする脱硫排水の処理装置。
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