JP2003230897A - 廃棄物処理方法と装置 - Google Patents

廃棄物処理方法と装置

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JP2003230897A
JP2003230897A JP2002032502A JP2002032502A JP2003230897A JP 2003230897 A JP2003230897 A JP 2003230897A JP 2002032502 A JP2002032502 A JP 2002032502A JP 2002032502 A JP2002032502 A JP 2002032502A JP 2003230897 A JP2003230897 A JP 2003230897A
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俊太郎 小山
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Takanori Nakamoto
隆則 中本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱硫排水中の重金属やフッ素、ホウ素やCO
D物質を無害化する石炭灰固化処理法で脱塩素や排水の
濃縮などを行い、脱硫排水処理コストを低下させるこ
と。 【解決手段】 本発明の処理システムは、電解槽の中央
に陰極室4と陽極室2の電解液が混合するのを防止する
拡散防止多孔質膜3を設置し、陽極室2で重金属を溶解
させ、イオン化した重金属を陰極室4に泳動させ、pH
の高い液中で水酸化物として重金属を沈殿回収し、これ
に石炭灰などを添加して安定的に固定化することで、脱
塩や排水の蒸発濃縮操作を不要とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴミ焼却炉、土壌
改良装置、メッキ廃液槽、汚泥処理装置又は排煙脱硫装
置から排出される重金属などを含めた廃棄物含有被処理
排水や被処理固形物のスラリーなどから有害物を除去・
安定化する廃棄物処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電所ボイラなどの燃焼装置から排
出する排ガス中の脱硫処理装置として湿式石灰石−石膏
法脱硫装置が広く使用されている。該湿式石灰石−石膏
法脱硫装置(以下、単に脱硫装置ということがある)か
らは廃棄物を含む排水が排出される。例えば、1000
MW規模の火力発電所に設置される脱硫装置から排出さ
れる排水中には塩素イオンが含まれているが、排煙処理
施設の塩素腐食を防ぐため、あるいは吸収液中での石灰
石の溶解度が低下することを防ぐためなどの観点から脱
硫装置で使用される石灰石スラリを含む吸収液の塩素イ
オン濃度を管理している。その塩素濃度を基準値以下に
維持するために脱硫装置を循環している吸収液から1時
間に約5〜20トン程度の吸収液を抜き出し、これを浄
化処理している。
【0003】脱硫装置から抜き出される排水中には、重
金属、COD、BOD成分が含まれているが、現状の排
水処理法の概略は図9に示すように、まず脱硫排水に炭
酸ソーダ、苛性ソーダ、消石灰及び凝集剤を添加し、p
H調整を行い、次いで排水中の懸濁(SS)分、フッ素
イオン、重金属成分を沈降させ、相分離する操作を行
う。相分離した上澄み液に、更に塩酸と凝集剤を添加し
てフッ素分を除去するための高度処理を行う。次に、C
OD源となるニチオン酸などを除去するため、硫酸を添
加し、加熱分解処理する。最終的には、pHの低い液に
苛性ソーダを添加してpH調整した後に放流している。
このような一連の脱硫排水処理法では、処理コストが高
くなるという問題点がある。
【0004】特開平9−29058号公報に記載のよう
に、脱硫排水処理に石炭灰、セメント、消石灰、石膏、
あるいは他の添加剤などを添加することで固化物を生成
させ、該固化物中にトリサルフェート、モノサルフェー
ト型の水和物を形成させ、該水和物の強度を高め、同時
に排水中の重金属類などを安定に固定化させる方式が簡
便であり、また薬品を使わないで脱硫排水をクローズド
化できることから注目されている。
【0005】この処理方法では、脱硫装置から処理排水
を出さないためにクローズド化と石炭灰の有効利用が図
れ、従来の排水処理と比較して処理コストを低くするこ
とができる利点がある。
【0006】石炭灰固化法により脱硫排水を処理する場
合には、被処理排水量をできるだけ濃縮して減容化し、
塩素などを除去した後に行われる。脱硫排水からの塩素
除去は、電気透析などの選択イオン交換膜などを用いて
分離除去できる。更に、脱塩素された液を、蒸発させて
濃縮した後に、石炭灰、石膏、セメント、消石灰などを
添加して固化することで、重金属やフッ素化合物、ニチ
オン酸などを安定に固定できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記石炭灰処理法で
は、多量の排水を蒸発濃縮して固化処理する必要があ
り、加熱濃縮のために膨大なエネルギーを必要とする点
に課題がある。また、脱硫装置だけでなく、ゴミ焼却
炉、土壌改良装置、メッキ廃液槽、汚泥処理装置などか
ら重金属などを含む廃棄物含有被処理排水及び/又は被
処理固形物のスラリーなどが排出されるが、これらの産
業廃棄物中の有害物を除去して安定化させる廃棄物処理
法として確立された方法はなく、有効で、かつ低コスト
な処理法が求められている。
【0008】本発明の課題は膨大なエネルギーを必要と
しないで脱硫装置などからの廃棄物含有被処理排水や被
処理固形物のスラリー中の有害物を除去・安定化させる
処理方法と装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の産業廃棄物の無
害化処理システムは、火力発電プラントの脱硫装置や一
般の産業排水及び固形物処理を対象にした有害物を除去
・安定化する廃棄物処理システムである。
【0010】本発明は次の構成からなる。 (1)廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形物
のスラリーを拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰
極室から成る電解槽の陽極室に供給し、陽極室で溶解す
る金属イオンを拡散防止多孔質膜を通過させて陰極室に
電気泳動させ、陰極室で該金属イオンの一部を水酸化物
として沈降させ、該沈降物を相分離して得られる水酸化
物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石灰、石膏
の中の一以上を添加して固形物として金属を固定化する
廃棄物処理方法。
【0011】前記電解槽の陰極室から電解液の一部を抜
き出し、該抜き出した液のpH調整を行い金属イオンを
水酸化物として沈降させ、相分離して得られる水酸化物
を該石炭灰固化処理工程にて固化物とし、上澄み液の少
なくとも一部を陰極室に循環する方法を用いることがで
きる。
【0012】また、アンモニウムイオンを含む被処理排
水を電解槽の陽極室に供給し、陽極室に空気をバブリン
グし、アンモニアガスを脱気させ、発生するアンモニア
ガスをアンモニア分解触媒層に導入して窒素ガスに酸化
することもできる。
【0013】さらに、金属成分を含む石膏のスラリーを
電解槽の陽極室に導入し、陽極室で溶解した金属イオン
を陰極室へ電気泳動させ、金属成分を除去した石膏を陽
極室の底部より抜き取り、石膏分を分離回収しても良
い。
【0014】陽極室と陰極室の各電極間の電流値を一定
値に制御し、電極間抵抗が増加し、電極間電圧が設定値
以上の信号を検出したら両極間の極性を反転させ、各電
極面を洗浄することができる。
【0015】上記本発明における廃棄物を含む被処理排
水や被処理固形物のスラリーはゴミ焼却炉、土壌改良装
置、メッキ廃液槽、汚泥処理装置又は排煙脱硫装置から
排出されるものである。
【0016】それらの代表例としての湿式石灰石−石膏
法の脱硫装置からの脱硫排水の処理法は次の通りであ
る。 (2)湿式石灰石−石膏法の脱硫装置から排出した固形
物を含む脱硫排水を拡散防止多孔質膜で分離された陽極
室と陰極室から成る電解槽の陽極室に供給し、陽極室で
溶解する金属イオンを拡散防止多孔質膜を通過させて陰
極室に電気泳動させ、陰極室で該金属イオンの一部を水
酸化物として沈降させ、その上澄み液を陰極室及び/又
は湿式石灰石−石膏法の脱硫装置の補給水として循環さ
せ、前記陰極室で得られた沈降物を相分離して水酸化物
スラリーを得て、該水酸化物スラリーに石炭灰、セメン
ト、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して固形
物として金属を固定化し、少なくとも陽極室に空気をバ
ブリングして陽極室から塩素ガス、フッ化水素ガスを脱
気させ、得られた脱気ガスをアルカリ性吸収液と接触さ
せて塩素、フッ素成分を回収する脱硫排水の処理方法。
【0017】また、本発明には次の装置発明が含まれ
る。 (3)拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室を
備え、陽極室に廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処
理固形物のスラリー供給部を設けた電解槽と、陽極室で
溶解した後に拡散防止多孔質膜を通過して陰極室に移動
した金属イオンが水酸化物として沈降して得られる沈降
物を上澄み液と相分離させる分離機と、分離機で得られ
た水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石
灰、石膏の中の一以上を添加して混練して固形物として
回収するための混練機とを備えた廃棄物処理装置。前記
陰極室で得られた金属イオン含有液のpHの調整を行う
pH調整機を電解槽の陰極室と分離機の間の設けること
ができる。また、陽極室にアンモニアイオン含有被処理
排水導入部と空気のバブリング装置とアンモニアガスを
窒素ガスに変換するアンモニア分解塔を接続しても良
い。
【0018】(4)湿式石灰石−石膏法の脱硫装置と、
拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室を備え、
陽極室に廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形
物のスラリー供給部を設けた電解槽と、前記脱硫装置か
ら排出した固形物を含む脱硫排水を電解槽の陽極室に供
給する前記脱硫装置から排出した固形物を含む脱硫排水
流路と、陽極室で溶解した後に拡散防止多孔質膜を通過
して陰極室に移動した金属イオンが水酸化物として沈降
して得られる沈降物を上澄み液と相分離させる分離機
と、分離機で得られた水酸化物スラリーに石炭灰、セメ
ント、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して混
練して固形物として回収するための混練機と、分離機で
得られた上澄み液を陰極室及び/又は湿式石灰石−石膏
法の脱硫装置の補給水として循環させる流路と、少なく
とも陽極室に設けた空気をバブリングさせる空気供給部
と、陽極室に接続した空気のバブリングによりえられた
脱気塩素ガス、フッ化水素ガスをアルカリ性吸収液に接
触させるアルカリ洗浄塔を備えた脱硫排水の処理装置。
【0019】
【作用】本発明は、電解液のpHに高低差を作るために
陽極室と陰極室を拡散防止多孔質膜で隔離した二室電解
槽を用いる。被処理排水はpHの低い陽極室に導き、重
金属類をイオン化して陽極室から陰極室に電気的に泳動
させ、pHの高い陰極室で金属イオンを水酸化物として
沈降させ、沈降により減容化した水酸化物を石炭灰など
で固化して重金属成分を安定的に固定化し、陽極室より
塩素、フッ素などを発生させて除去する一連の処理シス
テムである。
【0020】この排水処理システムを湿式石灰石−石膏
脱硫装置の廃水処理などに用いることで効果的な廃棄物
の処理ができ、重金属、塩素、フッ素などを除去した排
水を脱硫装置の補給水の一部として使用でき補給水の低
減ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
と共に説明する。本発明の有害物を含む排水処理システ
ムの一実施の形態を図1に示す。また、図2に図1に示
す排水処理システムと脱硫装置を組み合わせた全体構成
を示す。
【0022】図1の排水処理システムの構成装置は、拡
散防止多孔質膜で陽極室と陰極室を分離した二室電解槽
1を主要装置とし、そのほかに二室電解槽1で生成する
重金属スラッジを石炭灰固化処理する装置(混練機2
0)と電解処理で発生する有害ガスの処理装置(アルカ
リ洗浄塔7、アンモニア分解触媒層充填室22)を備え
ている。
【0023】二室電解槽1は、液のpHに高低差をつく
るために拡散防止多孔質膜3で陽極室2と陰極室4に分
離されているが、陽極室2及び陰極室4の電極材には、
通常の炭素電極や電気抵抗の小さいチタンに白金をメッ
キした電極が使用できる。電極9、10には、直流電源
装置8から通電され電解が行われる。二室電解槽1の陽
極室2と陰極室4は拡散防止多孔質膜3で仕切られる
が、陽極室2と陰極室4の下部からは、空気導入口23
より空気が微細化されて電解槽1の電解液中にバブリン
グされながら導入される。微細化された空気は電解液中
に分散されることで、電解により発生するガスの放散と
電極面の洗浄を行う。
【0024】電極9、10に直流電圧を通電すると、両
電極9、10間に水素イオン濃度指数であるpHに高低
差が生じてくる。このときの反応は、 2C1-−2e-→Cl2 (陽極) (1) 2H2O+2e-→H2+2OH-(陰極) (2) 陽極9は外部の直流電源から電解槽1へ電流を流すため
の働きをしており、電極9の界面では酸化反応が起こ
り、一方、陰極10は電解槽1から陰極10に向けて電
流が流れ、電極界面では電極10から電子を奪う反応す
なわち還元反応が起きている。陽極室2の液pHは低下
し、陰極室4のpHは高くなる。
【0025】一方、重金属類などは図3に示すようにp
Hの低い液に供給すると溶解し、イオン化する。従っ
て、重金属類を含む被処理排水や固形物を含むスラリー
をpHの低い陽極室2に供給することで、金属イオンが
溶解する。副生石膏中に含まれる重金属成分などを除去
し、品質を高める場合などにも電解槽1の陽極室2に石
膏スラリーを供給すれば、副生石膏に付着する重金属類
を溶解させることができる。
【0026】本発明では、陽極室2と陰極室4にpHの
高低差を作る目的で、両電極9、10の液が混合しない
ように、両電極室2、4のほぼ中央部に液の拡散防止多
孔質膜3を設置して電解する点に特徴がある。当該拡散
防止多孔質膜3は、金属イオンあるいは陰イオンが自由
に流通できる程度の細孔を有する多孔質膜3である。拡
散防止多孔質膜3は材質的には、pHの高い液と低い液
が直接接触するので、酸・アルカリに強いことが要求さ
れる。この拡散防止多孔質膜3は化繊布、ろ紙、石英ウ
ールなどを母体としたものである。また、機械的な強度
も必要であり、前記母体を補強剤でサンドイッチ状に挟
み、それを拡散防止多孔質膜3として使用した。
【0027】図1に示す廃棄物を含む排水処理システム
の運用法は、まず、重金属や有害物を含む排水、例えば
脱硫排水5と石膏などの固形物スラリ6を電解槽1の陽
極室2に導入し、電解槽1内の電極9、10を液で満た
す。この状態に各電極室2、4の下部より空気23をバ
ブリングし、電極9、10に通電する。
【0028】両電極9、10には、10〜30Vの直流
電圧を印加するが、電極9、10の間の電位勾配は1〜
5V/cm程度になるように電極9、10の間隔が設定
される。その際の電流値は0.5A〜3.5Aである。
電流を一定値に制御して運用する場合には、電極9、1
0の間の電気抵抗が大きくなると電圧が逐次上昇してく
るので、電極電圧に上限を設け、それ以上になることを
防ぐ必要がある。電極間電圧の上昇は、電極9、10の
表面などの汚れによるものであるが、それを解決するに
は、電極9、10の洗浄が必要になる。電極9、10の
洗浄法としては、電極9、10に堆積した金属を除去す
るために、その極性を反転させ、再度電解液に浸漬させ
て電解操作を行うことが有効である。
【0029】図1に示す廃棄物処理システムでは排水中
の重金属類を陽極室2で溶解させ、陰極室4で濃縮さ
せ、その一部を抜き出し、該抜き出した液のpH調整を
pH調整槽15内で行い金属イオンを水酸化物とした
後、分離槽16内に導き、金属類の水酸化物として分離
槽16内で沈殿させる。分離槽16で相分離して得られ
る重金属を含む水酸化物スラリー18は石炭灰、石膏、
セメント、消石灰等の添加物19を添加して混練機20
で混練した後、固化物21として処理する。
【0030】分離槽16内で水酸化物を分離した上澄み
液17は、再度脱硫装置の補給水の一部として利用して
クローズド化する。上澄み液17のその他の一部は図示
していないが、電解槽1に還流させてもよい。
【0031】一方、脱硫排水には塩素イオンやフッ素イ
オンが溶け込んでいるので、これらの陰イオンは電解槽
1の陽極室2に移動し、塩素イオンは陽極室2の液に溶
解し、飽和溶解度以上に塩素が溶解すると塩素ガスとし
て放出される。フッ素イオンもフッ酸として陽極9から
放出される。塩素ガス、フッ酸を含むガスはアルカリ洗
浄塔7でアルカリ洗浄された後に回収される。
【0032】脱硫排水を対象にした場合、通常は塩素イ
オンが5000〜30000ppmが含まれ、そのほか
にフッ素イオン50〜100ppm、ニチオン酸イオン
50〜120ppm、その他硫酸イオンなどが含まれ
る。これら陰イオンのカウンターとなる陽イオンは、大
部分がカルシウムイオンである。金属イオンとしては、
カルシウムイオン以外に、マグネシウム、ナトリウムな
どのアルカリ金属及び土類金属イオンが含まれ、その他
に石炭灰に含まれている金属類のイオンが含まれてい
る。
【0033】なお、本実施の形態で処理した脱硫排水の
導電率は1〜5mS/cmであるが、このような脱硫排
水により両電極を満たし、通電するとpHに変化が生じ
る。その代表例を図4に示す。
【0034】陽極室2中の液のpHは時間の経過と共に
徐々に低下し、1.8〜2近傍の値を示し、陰極室4の
液ではpHは10〜11近傍を示す。陽極室2に供給さ
れた重金属成分は、陽極室2の液のpHが低いためにイ
オン化して、電気的な泳動現象により、陽極室2から拡
散防止多孔質膜3を通過し、陰極室4に移動する。陰極
室4に移動した金属イオンは、陰極室4中の液のpHが
10近傍であるために水酸化物として沈降する。水酸化
物を含む陰極室4の液を分離槽16でろ過することで水
酸化物が濃縮された水酸化物スラリー18を回収でき
る。水酸化物スラリー18を分離した上澄み液17は、
陰極室4に戻しても良いが、その一部は湿式石灰石−石
膏法脱硫装置との組み合わせるシステムの場合、脱硫装
置の補給水として使うことができる。
【0035】一方、陰極室4の塩素イオン、フッ素イオ
ン、ニチオン酸イオンに代表される陰イオンは、重金属
イオンの移動方向とは逆に陰極室4から陽極室2に移動
する。
【0036】図5に示すグラフは、バッチ処理条件で陽
極室2から発生する塩素ガスを北川式検知管により定量
した結果である。電解を初めて20分位までは、塩素ガ
スを検出できない。これは電解により塩素イオンは一部
塩酸として解離しており、塩酸濃度が高くなるに従い、
徐々に塩素ガスとして発生してくるためである。電解を
始めて20分経過する頃から塩素ガスが発生するように
なる。塩素ガスの発生量は図5に示す例では電解を始め
て約50分経過して極大値を示し、それ以降、徐々に低
下する傾向にある。従って、陽極室2の液を一部抜き出
せば、陰極室4内の液中の塩素成分濃度も電解初期に比
べてかなり低下するので、陰極室4からは電解液の塩素
濃度の低い液が回収でき、その一部を補給水に使用する
ことで、補給水の低減を図れる。
【0037】図6の写真は前述の電解により得られる両
電極室2、4から採取した液サンプルの外観写真を示
す。右側の写真が陽極室2から採取した電解液で、左側
が陰極室4から採取した電解液である。陰極室4から採
取した電解液の下部には沈殿物の痕跡がみられる。この
一部が水酸化物として沈降した金属である。
【0038】このようにpHの低い陽極室2にボイラ排
ガスの脱硫装置からの排水などの廃棄物を供給すれば、
重金属などは陽極室2から陰極室4に電気泳動して移動
し、水酸化物を生成する。一方、塩素イオンなどは陽極
室2に濃縮されるので、塩素イオン濃度の高い液を抜き
出すことで陰極室4の電解液の塩素イオン濃度を下げら
れるので、脱硫装置の補給水に使用できる。
【0039】重金属を含む水酸化物は、陰極室4に濃縮
されるので、それを分離槽16で相分離することで水酸
化物スラリー18として回収できる。この水酸化物スラ
リー18は、そのまま管理物として投棄することも可能
であるが、本発明のように石炭灰などを添加して固化物
21を作ることで重金属類を固化物21に安定的に固定
化できる。
【0040】従来、脱硫排水中の有害成分などを固化す
る際には、排水を濃縮し、脱塩して固化する必要があっ
たが、本発明では濃縮した水酸化物を直接使用できるこ
とに大きな特徴がある。
【0041】以下では、重金属成分などの水酸化物を含
むスラリー(水酸化物スラリー18という)に石炭灰、
セメント、消石灰、石膏などの添加物19を添加して固
化物21を作製する具体例、さらには、固化物21の溶
出試験による重金属の安定性について調べた具体例を示
す。
【0042】図7には水酸化物スラリー18に石炭灰9
a、セメント9b、消石灰9c、石膏9dなどを混練し
て固化するシステムを示す。水酸化物スラリー18は、
石炭灰9a、セメント9b、消石灰9c、石膏9dなど
と混練する混練機20に供給する。混練機20はモータ
301で駆動される二軸のスクリュー21a、21bを
備え、該スクリュー21a、21bにより水酸化物スラ
リー18は石炭灰9a、セメント9b、消石灰9c、石
膏9d等と混練される。混練時間は二軸スクリュー21
a、21bの長さ及び回転数を調整して行う。混練機2
0から混練排出される混練物は、粘土状になり粘性が非
常に高い物質である。この粘土状物は乾燥機303で乾
燥された後、自然乾燥することで目的とする固化物21
が得られる。
【0043】乾燥後の固化物21は最終的に産業廃棄物
として投棄できる特性が必要である。すなわち、固化物
21中の重金属や有害なフッ素、ホウ素やCOD源とな
るニチオン酸などが雨水などにさらされた時に溶出しな
いことが重要になる。それには固化物21は所定値以上
の硬さと重金属を化学的に固定することが必要である。
【0044】固化物21の硬度は添加する石炭灰9aの
種類、消石灰9b、石膏9c、セメント9dなどの配合
比に大きく影響される。特に、Al23、CaO、Si
2、FeO供与物種となる石炭灰9aは、その石炭種
による特性、燃焼状態などにより影響される。石炭灰9
aでも通常の微粉炭ボイラから排出される石炭灰9aと
流動床燃焼炉などから排出される石炭灰9aでは石炭灰
9aの表面特性が異なり、これから形成される固化物2
1の硬度などに大きく影響される。その石炭灰種による
影響を是正するためにセメント9bや消石灰9c、石膏
9dなどを水酸化物スラリー18に添加する。固化物2
1は同じ石炭種を使用したときにはセメント9b、消石
灰9c、石膏9dの添加量を高めるとマイクロストレン
グス(MS硬度)が大きくなる。
【0045】水酸化物スラリー18に典型的なある石炭
火力発電所の石炭灰9aを用いて固化試験を行った。水
酸化物スラリー50gに対して、石炭灰9aを55g、
消石灰9cを3g、石膏9dを2g、セメント9bを3
gを混練し、40時間経過後のMS硬度は5kgに対し
て、3日間放置した固化物のMS硬度は12kgであっ
た。また、同じ条件でセメント9bの添加量を3gから
5gに増やすことで、MS硬度は30%程度向上した。
【0046】石膏9dは二水塩の石膏9dと無水塩の石
膏9dでは固化物21の硬度に大きく影響し、無水石膏
9dを添加することで硬度を高めることができる。
【0047】固化物21の硬度は添加物や乾燥時間に影
響されるが、これは水酸化物と添加した金属酸化物とに
より新たに生成される複塩に影響されるためであると考
えられる。
【0048】通常、石炭灰9a、セメント9b、金属酸
化物類を水と混練すると、エトリンガイトなどの複塩に
代表されるトリサルフェート(3CaO・Al23・3
CaSO4・32H2O)、モノサルフェート(3CaO
・Al23・CaSO4・10H2O)など多種な金属複
塩が生成し、固溶体を生成して安定化するためであると
想定されている。
【0049】固形物21は、機械的な強度が高くなるこ
とが必要条件であるが、最終的には、固化物21を屋外
に放置した際に雨水などに晒されたときに固化物21中
に固定されている有害物などが溶出しないことが必要に
なる。その判定基準として、環境庁告示第13号で定め
る産業廃棄物の安定性評価に準じた溶出試験を行った。
溶出試験結果の代表例を表1に示す。
【0050】水酸化物スラリー18と石炭灰9aから溶
出させた試料Aを分析した結果と本発明の手法で生成さ
れる固化物21について溶出させた試料Bの分析結果を
表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】固化処理していない試料Aの溶出試験結果
が排水規制値を満たしていない項目があるのに対して試
料B(固化物21)の溶出試験結果では、Hg2+、Cd
2+、Pb2+、Cr6+、As2+、Se2+、Cu2+、C
-、Zn2+の大部分は不検出であり、これらのイオン
は固化物に安定に固定される。また試料A(固形物)の
COD 4.1mg/1、S26 2- 6mg/1(規制
なし)、F- 0.1mg/1、Cl- 1640ppm
(規制なし)が検出されたが、これらの値もそれぞれ規
制値以下であった。従って、固化物21が雨水に晒され
てもそれから溶出する排水には有害物が含まれず、排水
規制値以下に維持できる。
【0053】以上の結果から有害物を含む排水に関して
は、本発明の電解処理と石炭灰固化処理により安定化で
きることが分かる。
【0054】図2には 本発明の電解処理と脱硫装置と
を組み合わせたシステムを示す。
【0055】火力発電所等から発生した硫黄酸化物を含
む排ガス31は脱硫装置の吸収塔32に導かれる。吸収
塔32内では多数のスプレノズル34を備えたスプレヘ
ッダ33が設置されており、スプレノズル34から微細
な液滴として噴霧される吸収液スラリー(吸収剤として
カルシウム系吸収剤(石灰石、石灰等)を使用する)と
排ガス31を接触させることで排ガス中の硫黄酸化物は
吸収液スラリー滴の表面で化学的に除去される。排ガス
31に同伴される微小な液滴は吸収塔32の上部に設置
されたミストエリミネータ35で除去され、浄化ガス3
6は必要により吸収塔32の後流側に設置される図示し
ていない再加熱設備により昇温されて煙突より排出され
る。スプレノズル34から噴霧された大部分の液滴は硫
黄酸化物(SO2)を吸収したのち、吸収塔32の下部
に設けられた吸収塔循環タンク37に落下する。循環タ
ンク37の吸収液スラリーは循環ポンプ47でスプレヘ
ッダ33に送られ、再びスプレノズル34から排ガス3
1に向けて噴霧される。
【0056】吸収液スラリーに吸収されたSO2は、吸
収液スラリー中に含まれる石灰石(CaCO3)と反応
し、さらに吸収塔循環タンク37に供給される空気38
によって酸化され石膏(CaSO4・2H2O)となる。
【0057】一方、吸収剤である石灰石39は石灰石供
給設備40で石灰石スラリーとして貯えられ、石灰石ス
ラリーポンプ41より吸収塔循環タンク37へ供給され
る。また、吸収塔32内で生成した石膏を回収するた
め、吸収塔循環タンク37内の吸収液スラリーの一部を
抜出しポンプ42にて石膏脱水設備43に送液し、吸収
液スラリー中に含まれている石膏およびばい塵を石膏4
4として回収する。石膏44を主成分とする吸収液スラ
リーは10〜30%程度(プラント設計条件により、こ
の値は異なる)が脱水設備43へ導かれ、脱水装置43
で付着水の量が約10%以下の粉状石膏として回収され
る。
【0058】石膏およびばい塵の脱水ろ液46は、系内
に不純物が濃縮するのを防ぐため一部を排水45として
電解槽1に供給され、残りの液の一部は石灰石供給設備
40により吸収塔32の吸収塔循環タンク37へ送液さ
れる。
【0059】また、固体中の有害物を除去するにも本発
明の電解処理と石炭灰固化システムが適用できる。典型
的な処理物質として、脱硫装置から副生される石膏の品
質向上に有効である。
【0060】副生石膏自体は十分な品質管理が行われて
いるが、脱硫装置の運用上の過渡状態などでは、副生さ
れる石膏9dの一部に石灰石などが混入する場合があ
り、石炭灰に含まれている重金属などが混入した場合に
本発明の電解処理により重金属などを除去することがで
きる。
【0061】図1に示す二室電解槽1の陽極室2に石膏
スラリーを供給することで、石膏中の有害物として混入
している金属をイオン化し、陰極室4に移動させて分離
回収することができる。本発明の電解処理システムは、
湿式石灰石−石膏法脱硫装置の廃棄物処理システムとし
て利用することができ、脱硫排水処理や石膏品質向上に
有効である。
【0062】湿式石灰石−石膏法脱硫装置の廃棄物に
は、連続して排出される脱硫排水以外にも、脱硫プラン
トの定期検査時などに非定常的に排出される排水などが
ある。
【0063】その一つに定期検査時などでガス/ガス熱
交換器の伝熱面に付着した硫酸アンモニウムを含む固形
物などを洗浄して除去した際に、アンモニウムイオンを
含む排水が多量に発生する。この排水は脱窒素などを目
的とする高度処理が必要である。
【0064】通常、アンモニアを対象にした脱窒素法と
しては、排水中からアンモニアをストリッピングさせた
後に、アンモニアガスを触媒分解する方法や生物化学的
な脱窒法、イオン交換法、塩素酸化法などにより行われ
る。
【0065】本発明の適用例として、アンモニウムイオ
ンを含む排水を拡散防止多孔質膜3で分離した電解槽1
の陽極室2に供給すると、アンモニウムイオンは陰極室
4に電気的に泳動し、pHが12近傍に高められた陰極
室4で空気をバブリングすることでアンモニアを放散す
ることができる。
【0066】図8にはアンモニウムイオンを含む排水を
バッチ処理で電解を行った場合のアンモニアガスの発生
挙動を示す。アンモニウムイオンを約1000ppm含
む液を電解すると、通電と同時にアンモニアガスが発生
する。アンモニアガスは北川式検知管により測定した。
アンモニアガスの発生濃度は、極大を示した後に減少す
る傾向を示した。また、電解液から放散したアンモニア
ガスは、触媒層を通過させることで窒素ガスに分解する
ことができる。
【0067】電解により生成するアンモニアを効率よく
脱気するには、液のpHを高め、温度を高め、さらに空
気で液を・気することで放散できる。液中からアンモニ
アガスを効率よく放出するには、陰極室4に添加剤を添
加し、液のpHを高めることが有効である。
【0068】本発明の電解による排水処理時に電極表面
の汚れにより電流効率が低下してくる問題もある。この
現象は、陰極表面に析出する金属イオンを原因とするも
のである。このような場合には、両極間の電極を交換す
るか、極性を反転することで電極に付着する金属を陰極
から除去することができる。
【0069】
【発明の効果】本発明の拡散防止多孔質膜を設置した電
解槽による電解処理と石炭灰固化処理を組み合わせるシ
ステムによれば、重金属やほかの有害物を含む廃棄物を
イオン化し、金属イオンを陰極室に濃縮し、水酸化物を
生成させることで沈降させ、沈降した水酸化物を石炭灰
を主成分とした添加剤により固化することで重金属を固
化物に安定に固定できる。また、本発明の処理システム
の応用例として石膏の品質向上、アンモニウムイオンを
含む排水処理にも適用できる。
【0070】湿式石灰石−石膏法の脱硫装置と本発明の
処理システムを組み合わせることにより、従来の石炭灰
固化処理で行われていた排水の蒸発濃縮などが不要にな
り、処理コストが安く効果的な処理と排水のクローズド
化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の排水処理システムの構
成図である。
【図2】 本発明の実施の形態の排水処理システムを湿
式排煙脱硫塔と組み合わせた構成図である。
【図3】 液のpHと金属の溶解度の関係を示す図であ
る。
【図4】 本発明の実施の形態の電解液のpHの経過時
間との関係を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態の陽極室から発生する塩
素ガス濃度の経過時間との関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態の陰極室と陽極室から採
取した電解液の外観写真である。
【図7】 本発明の実施の形態の脱硫排水から得られる
石炭灰固化処理装置の概略図である。
【図8】 本発明の実施の形態のアンモニウムイオンを
含む排水をバッチ処理で電解を行った場合のアンモニア
ガスの発生挙動を示す図である。
【図9】 従来の脱硫排水処理法のフローを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 二室電解槽 2 陽極室 3 拡散防止多孔質膜 4 陰極室 5 脱硫排水 6 石膏な
ど固形物 7 アルカリ洗浄塔 8 直流電
源 9 陽極炭灰 9b セメ
ント 9c 消石灰 9d 石膏 10 陰極 12 石膏
分離器 14 回収石膏 15 pH
調整槽 16 分離槽 17 上澄
み液 18 水酸化物スラリー 19 添加剤(石炭灰、消石灰、石膏、他) 20 混練機 21 固化
物 21a、21b スクリュー 22 アンモニア分解触媒層充填室 23 空気
導入口 31 排ガス 32 吸収
塔 33 スプレヘッダ 34 スプ
レノズル 35 ミストエリミネータ 36 浄化
ガス 37 吸収塔循環タンク 38 空気 39 石灰石 40 石灰
石供給設備 41 石灰石スラリーポンプ 42 抜出
しポンプ 43 石膏脱水設備 44 石膏 45 排水 46 脱水
ろ液 47 循環ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/20 C02F 1/20 B 1/461 11/12 E 1/469 Z 11/12 1/46 103 101B (72)発明者 小山 俊太郎 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 山下 寿生 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 中本 隆則 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内 Fターム(参考) 4D011 AA15 AD03 4D020 AA10 BA01 BB03 CB08 4D037 AA08 AB12 AB14 BA23 CA04 CA06 4D059 AA30 BE31 BK15 BK16 BK21 CA21 DA05 DA06 DA65 DA66 4D061 DA05 DB19 DC20 EA04 EA09 EB05 EB12 EB19 EB30 EB37 EB39 FA03 FA14 GA12 GA14 GC16

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処
    理固形物のスラリーを拡散防止多孔質膜で分離された陽
    極室と陰極室から成る電解槽の陽極室に供給し、陽極室
    で溶解する金属イオンを拡散防止多孔質膜を通過させて
    陰極室に電気泳動させ、陰極室で該金属イオンの一部を
    水酸化物として沈降させ、該沈降物を相分離して得られ
    る水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、消石灰、生石
    灰、石膏の中の一以上を添加して固形物として金属を固
    定化する廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】 電解槽の陰極室から電解液の一部を抜き
    出し、該抜き出した液のpH調整を行い金属イオンを水
    酸化物として沈降させ、相分離して得られる水酸化物を
    該石炭灰固化処理工程にて固化物とし、上澄み液の少な
    くとも一部を陰極室に循環することを特徴とする請求項
    1記載の廃棄物処理方法。
  3. 【請求項3】 アンモニウムイオンを含む被処理排水を
    電解槽の陽極室に供給し、陽極室に空気をバブリング
    し、アンモニアガスを脱気させ、発生するアンモニアガ
    スをアンモニア分解触媒層に導入して窒素ガスに酸化す
    ることを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理方法。
  4. 【請求項4】 金属成分を含む石膏のスラリーを電解槽
    の陽極室に導入し、陽極室で溶解した金属イオンを陰極
    室へ電気泳動させ、金属成分を除去した石膏を陽極室の
    底部より抜き取り、石膏分を分離回収することを特徴と
    する請求項1記載の廃棄物処理方法。
  5. 【請求項5】 陽極室と陰極室の各電極間の電流値を一
    定値に制御し、電極間抵抗が増加し、電極間電圧が設定
    値以上の信号を検出したら両極間の極性を反転させ、各
    電極面の洗浄を行うことを特徴とする請求項1ないし4
    記載の廃棄物処理方法。
  6. 【請求項6】 廃棄物を含む被処理排水や被処理固形物
    のスラリーはゴミ焼却炉、土壌改良装置、メッキ廃液
    槽、汚泥処理装置又は排煙脱硫装置から排出されるもの
    であることを請求項1ないし5記載の廃棄物処理方法。
  7. 【請求項7】 湿式石灰石−石膏法の脱硫装置から排出
    した固形物を含む脱硫排水を拡散防止多孔質膜で分離さ
    れた陽極室と陰極室から成る電解槽の陽極室に供給し、
    陽極室で溶解する金属イオンを拡散防止多孔質膜を通過
    させて陰極室に電気泳動させ、陰極室で該金属イオンの
    一部を水酸化物として沈降させ、その上澄み液を陰極室
    及び/又は湿式石灰石−石膏法の脱硫装置の補給水とし
    て循環させ、 前記陰極室で得られた沈降物を相分離して水酸化物スラ
    リーを得て、該水酸化物スラリーに石炭灰、セメント、
    消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して固形物と
    して金属を固定化し、 少なくとも陽極室に空気をバブリングして陽極室から塩
    素ガス、フッ化水素ガスを脱気させ、得られた脱気ガス
    をアルカリ性吸収液と接触させて塩素、フッ素成分を回
    収することを特徴とする脱硫排水の処理方法。
  8. 【請求項8】 陽極室と陰極室の両電極間の電流値を一
    定値に制御し、電極間抵抗が増加し、電極間電圧が設定
    値以上の信号を検出したら両極間の極性を反転させ、両
    電極面の洗浄を行うようにしたことを特徴とする請求項
    7記載の脱硫排水処理方法。
  9. 【請求項9】 拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と
    陰極室を備え、陽極室に廃棄物を含む被処理排水及び/
    又は被処理固形物のスラリーの供給部を設けた電解槽
    と、 陽極室で溶解した後に拡散防止多孔質膜を通過して陰極
    室に移動した金属イオンが水酸化物として沈降して得ら
    れる沈降物を上澄み液と相分離させる分離機と、 分離機で得られた水酸化物スラリーに石炭灰、セメン
    ト、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して混練
    して固形物として回収するための混練機とを備えたこと
    を特徴とする廃棄物処理装置。
  10. 【請求項10】 陰極室で得られた金属イオン含有液の
    pHの調整を行うpH調整機を電解槽の陰極室と分離機
    の間の設けたことを特徴とする請求項9記載の廃棄物処
    理装置。
  11. 【請求項11】 陽極室にアンモニアイオン含有被処理
    排水導入部と空気のバブリング装置とアンモニアガスを
    窒素ガスに変換するアンモニア分解塔を接続したことを
    特徴とする請求項9記載の廃棄物処理装置。
  12. 【請求項12】 湿式石灰石−石膏法の脱硫装置と、 拡散防止多孔質膜で分離された陽極室と陰極室を備え、
    陽極室に廃棄物を含む被処理排水及び/又は被処理固形
    物のスラリーの供給部を設けた電解槽と、 前記脱硫装置から排出した固形物を含む脱硫排水を電解
    槽の陽極室に供給する脱硫排水流路と、 陽極室で溶解した後に拡散防止多孔質膜を通過して陰極
    室に移動した金属イオンが水酸化物として沈降して得ら
    れる沈降物を上澄み液と相分離させる分離機と、 分離機で得られた水酸化物スラリーに石炭灰、セメン
    ト、消石灰、生石灰、石膏の中の一以上を添加して混練
    して固形物として回収するための混練機と、 分離機で得られた上澄み液を陰極室及び/又は湿式石灰
    石−石膏法の脱硫装置の補給水として循環させる流路
    と、 少なくとも陽極室に設けた空気をバブリングさせる空気
    供給部と、 陽極室に接続した空気のバブリングによりえられた脱気
    塩素ガス、フッ化水素ガスをアルカリ性吸収液に接触さ
    せるアルカリ洗浄塔を備えたことを特徴とする脱硫排水
    の処理装置。
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