JP2018108549A - 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理装置及び排ガス処理方法 Download PDF

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茂 吉岡
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秀明 櫻井
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龍 上戸
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和久 竹内
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嘉晃 伊藤
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裕 中小路
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Abstract

【課題】脱硫排水中の硫黄分を回収でき、脱硫排水の放流量の削減が可能な排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供すること。【解決手段】排ガス処理装置1は、燃焼排ガスを洗浄して硫酸イオンを含有する脱硫排水W11を排出する排煙脱硫部11と、脱硫排水W11を、硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水W21と硫酸イオンが低減された第1透過水W22とに膜分離する分離膜を有し、第1濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給する一方、透過水W22を排出する膜処理部12と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関し、例えば、燃焼排ガスを脱硫処理する排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関する。
従来、被処理水をナノ分離膜及び逆浸透膜で膜分離して透過水及び濃縮水を得る脱塩装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の脱塩装置では、ナノ分離膜で膜分離した塩化物イオンを含有する透過水を逆浸透膜に流下して更に膜分離すると共に、ナノ分離膜で膜分離した濃縮水を脱塩装置の外部に排出する。これにより、被処理水中に含まれる塩分が除去された透過水と塩分が濃縮された濃縮水とが得られる。
米国特許出願公開第2010/0163471号明細書
ところで、石炭火力発電所では、石炭の燃焼排ガス中に含まれる硫黄分を石灰石膏スラリーによって洗浄除去する脱硫処理により、燃焼排ガス中の硫黄分を吸収した脱硫排水が発生する。脱硫排水は、硫酸イオンなどの硫黄分が石膏として固形化分離された後に放流される。ただし、脱硫排水には、硫酸イオンなどの硫黄分が残存しているので、脱硫排水中の硫黄分を回収すると共に脱硫排水の放流量の削減が可能な排ガス処理装置が望まれている。
本発明は、脱硫排水中の硫黄分を回収でき、脱硫排水の放流量の削減が可能な排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供することを目的とする。
本発明の排ガス処理装置は、燃焼排ガスを洗浄して硫酸イオンを含有する脱硫排水を排出する排煙脱硫部と、前記脱硫排水を、硫酸イオンが低減された第1透過水と硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水とに膜分離する第1分離膜を有し、前記第1濃縮水を前記排煙脱硫部に供給する一方、前記第1透過水を排出する第1膜処理部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、第1分離膜による膜分離で脱硫排水中の硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水を排煙脱硫部に供給するので、第1膜処理部から排出される排水量を削減できると共に、第1透過水中の硫酸イオンを低減できるので、硫酸イオンの回収が可能となる。したがって、脱硫排水中の硫黄分を回収でき、脱硫排水の放流量の削減が可能な排ガス処理装置を実現できる。しかも、脱硫排水中の塩化物イオンは第1透過水と共に排ガス処理装置の外部に排出されるので、第1濃縮水の排煙脱硫部へ返送される塩化物イオン濃度の低減により,脱硫性能の低下を防ぐこともできる。さらに、排煙脱硫部に返送された第1濃縮水を燃焼排ガスの洗浄水としても用いることもできるので、排煙脱硫部へ外部から供給される補給水を削減することもできる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第1分離膜は、前記脱硫排水中の硫酸イオンの透過率に対して塩化物イオンの透過率が高いことが好ましい。この構成により、排煙脱硫部における脱硫性能の低下の原因となる塩化物イオンを第1透過水と共に排ガス処理装置の外部に効率良く排出できるので、第1濃縮水と共に排煙脱硫部に供給される塩化物イオン量を低減でき、排煙脱硫部の脱硫性能の低下を防ぐことができる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記脱硫排水を希釈する希釈水を供給する希釈水供給部を備えたことが好ましい。この構成により、脱硫排水を希釈水によって希釈するので、第1膜処理部に供給される脱硫排水中のスケール成分の濃度を低減することが可能となる。これにより、脱硫排水中のスケール成分の濃度が高い場合であっても、第1膜処理部の第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記希釈水供給部が、前記排煙脱硫部に補給水を供給する補給水供給部であり、前記補給水供給部は、前記希釈水として前記補給水の少なくとも1部を前記脱硫排水に供給することが好ましい。この構成により、脱硫排水を補給水によって希釈するので、第1膜処理部に供給される脱硫排水中のスケール成分の濃度を低減することができる。これにより、脱硫排水中のスケール成分の濃度が高い場合であっても、第1膜処理部の第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことが可能となる。しかも、排煙脱硫部に供給する補給水の少なくとも一部を用いて脱硫排水を希釈するので、既存設備に補給水分岐ラインを設けるだけで第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことが可能となる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記脱硫排水中のスケール成分を除去する前処理をし、前処理をした前記脱硫排水を前記第1膜処理部に供給する前処理部を備えたことが好ましい。この構成により、排煙脱硫部から排出された脱硫排水中に含まれるスケール成分を、前処理部によって第1膜処理部の前段で除去するので、第1膜処理部に導入される前処理水中のスケール成分を大幅に削減することが可能となる。これにより、脱硫排水中のスケール成分の含有量が多い場合であっても、第1膜処理部の第1分離膜におけるスケールの析出を防ぐことが可能となる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第1膜処理部は、前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方を前記第1膜処理部に供給される前記脱硫排水に循環可能であり、前記第1濃縮水の塩化物イオン濃度が基準値を超えた場合に、前記脱硫排水に循環する前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方の流量を制御して、前記第1濃縮水中の塩化物イオン濃度を前記基準値以下とする流量制御部を備えたことが好ましい。この構成により、排ガス処理装置は、第1膜処理部から排煙脱硫部に供給される第1濃縮水中の塩化物イオン濃度を制御することができるので、第1濃縮水と共に排煙脱硫部に供給される塩化物イオン濃度を基準値以下に制御することができ,脱硫性能の低下を防ぐことができる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第1膜処理部は、前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方を前記第1膜処理部に供給される前記脱硫排水に循環可能であり、前記第1透過水の塩化物イオン濃度が基準値未満となった場合に、前記脱硫排水に循環する前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方の流量を制御して、前記第1透過水中の塩化物イオン濃度を基準値以上とする流量制御部を備えたことが好ましい。この構成により、排ガス処理装置は、第1膜処理部から排煙脱硫部に供給される第1濃縮水中の塩化物イオン濃度を制御することができるので、第1濃縮水と共に排煙脱硫部に供給される塩化物イオン濃度を基準値以下に制御することができ,脱硫性能の低下を防ぐことができる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第1膜処理部は、前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方を前記第1膜処理部に供給される前記脱硫排水に循環可能であり、前記脱硫排水の塩化物イオン濃度が基準値を超えた場合に、前記脱硫排水に循環する前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方の流量を制御して、前記脱硫排水中の塩化物イオン濃度を基準値以下とする流量制御部を備えたことが好ましい。この構成により、この構成により、排ガス処理装置は、第1膜処理部から排煙脱硫部に供給される第1濃縮水中の塩化物イオン濃度を制御することができるので、第1濃縮水と共に排煙脱硫部に供給される塩化物イオン濃度を基準値以下に制御することができ,脱硫性能の低下を防ぐことができる。
本発明の排ガス処理装置においては、塩化物イオンを含有する前記第1透過水を、塩化物イオンが低減された第2透過水と塩化物イオンが濃縮された第2濃縮水とに膜分離する第2分離膜を有する第2膜処理部を備えたことが好ましい。この構成により、第2分離膜による膜分離で塩化物イオンが濃縮された第2濃縮水と塩化物イオンが除去された第2透過水とが得られるので、高純度の水である第2透過水が得られると共に、第2膜処理部に供給される第1透過水に対して第2濃縮水の水量を低減することができる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第2膜処理部は、前記第2透過水を希釈水として前記脱硫排水に供給することが好ましい。この構成により、脱硫排水を第2透過水によって希釈するので、第1膜処理部に供給される脱硫排水中のスケール成分の濃度を低減することが可能となる。これにより、脱硫排水中のスケール成分の濃度が高い場合であっても、第1膜処理部の第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。しかも、第2膜処理部から排出される第2透過水の少なくとも一部を用いて脱硫排水を希釈するので、脱硫排水に第2透過水を供給する透過水供給ラインを設けるだけで第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことが可能となる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第2濃縮水を蒸発させて蒸発水を得る蒸発処理部を備えたことが好ましい。この構成により、第2濃縮水の水分を蒸気として分離回収することができるので、排ガス処理装置から排出される排水量を大幅に削減することが可能となる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第2濃縮水中の不純物を除去して後処理水を得る後処理部を備えたことが好ましい。この構成により、第2濃縮水中の不純物を除去することができるので、第2濃縮水の放流の基準値を満たして放流することができる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第1透過水を蒸発させて蒸発水を得る蒸発処理部を備えたことが好ましい。この構成により、第1透過水の水分を蒸気として分離回収することができるので、排ガス処理装置から排出される排水量を大幅に削減することが可能となる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記第1透過水中の不純物を除去して後処理水を得る後処理部を備えたことが好ましい。この構成により、第1透過水中の不純物を除去することができるので、第2濃縮水の放流の基準値を満たして放流することができるので、排ガス処理装置から排出される排水量を大幅に削減することが可能となる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記脱硫排水中の固体状の水銀及び液状の水銀を前記脱硫排水から分離する固液分離部を備えたことが好ましい。この構成により、第1膜処理部の第1分離膜に付着する水銀を低減することができると共に、第1透過水中の水銀を削減して水銀濃度を放流基準値以下まで低減することもできるので、第1透過水を放流することが可能となる。
本発明の排ガス処理装置においては、前記脱硫排水中の溶解性水銀を除去する水銀処理部を備えたことが好ましい。この構成により、第1膜処理部の第1分離膜に付着する水銀を低減することができると共に、第1透過水中の水銀を削減して水銀濃度を放流基準値以下まで低減することもできるので、第1透過水を放流することが可能となる。
本発明の排ガス処理方法は、燃焼排ガスを排煙脱硫部で洗浄して硫酸イオンを含有する脱硫排水を排出する排煙脱硫工程と、前記脱硫排水を、硫酸イオンが低減された第1透過水と硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水とに第1分離膜によって膜分離し、前記第1濃縮水を前記排煙脱硫部に供給する一方、前記第1透過水を排出する第1膜処理工程と、を含むことを特徴とする。
この方法によれば、第1分離膜による膜分離で脱硫排水中の硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水を排煙脱硫部に供給するので、第1膜処理部から排出される排水量を削減できると共に、第1透過水中の硫酸イオンを低減できるので、硫酸イオンの回収が可能となる。したがって、脱硫排水中の硫黄分を回収でき、脱硫排水の放流量の削減が可能な排ガス処理方法を実現できる。しかも、脱硫排水中の塩化物イオンは第1透過水中と共に外部に排出されるので、第1濃縮水の排煙脱硫部への返送される塩化物イオン量の低減により,脱硫性能の低下を防ぐこともできる。さらに、排煙脱硫部に返送された第1濃縮水を燃焼排ガスの洗浄水としても用いることもできるので、排煙脱硫部へ外部から供給される補給水を削減することもできる。
本発明によれば、硫黄分を含有する排水を削減でき、硫黄分の回収が可能な排ガス処理装置及び排ガス処理方法を実現できる。
図1は、第1の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。 図2Aは、第1の実施の形態に係る膜処理部が電気透析による透析膜を備える場合の説明図である。 図2Bは、第1の実施の形態に係る膜処理部が電気透析による透析膜を備える場合の説明図である。 図2Cは、第1の実施の形態に係る膜処理部が電気透析による透析膜を備える場合の説明図である。 図2Dは、第1の実施の形態に係る膜処理部が電気透析による透析膜を備える場合の説明図である。 図3は、第1の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す模式図である。 図4は、第2の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す図である。 図5は、第2の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す図である。 図6Aは、第2の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す図である。 図6Bは、第2の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す図である。 図7は、第3の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。 図8は、第4の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。 図9Aは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。 図9Bは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す模式図である。 図9Cは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。 図9Dは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。 図9Eは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。 図9Fは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。 図9Gは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。 図9Hは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。 図10は、第5の実施の形態に係る膜処理部の一例を示す図である。 図11Aは、第6の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。 図11Bは、第6の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す模式図である。 図12Aは、第6の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。 図12Bは、第6の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能である。また、以下の各実施の形態は、適宜組み合わせて実施可能である。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係る排ガス処理装置1は、排煙脱硫部11から排出される脱硫排水W11を膜処理部(第1膜処理部)12で硫黄分が濃縮された濃縮水W21と硫黄分が除去された透過水W22とに膜分離し、濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給することにより、透過水W22中に含まれる硫黄分を削減するものである。なお、ここでの硫黄分としては、例えば、燃焼排ガス中の亜硫酸ガス(SO)、排煙脱硫部11で燃焼排ガスを洗浄した際に発生する各種イオン(SO 2−、HSO )、各種イオンが酸化して発生する硫酸イオン(SO 2−)及び排煙脱硫部11で外部から供給した炭酸カルシウムCaCO3)などに由来するCaと反応して生成する石膏(CaSO)、硫黄酸化物全般、S 2−、S 2−などの過酸化物が挙げられる。
排ガス処理装置1は、燃焼排ガス中の硫黄分を脱硫する排煙脱硫部11と、排煙脱硫部11の後段に設けられた膜処理部12とを備える。排煙脱硫部11は、石炭火力発電所など排出される硫黄分を含む燃焼排ガスを海水などの洗浄水で洗浄する。また、排煙脱硫部11は、脱硫排水供給ラインLを介して、燃焼排ガスを洗浄水に吸収させることによって発生した硫黄分を含有する排ガス吸収排水としての脱硫排水W11を排出して膜処理部12に供給する。この脱硫排水W11は、ナトリウムイオン(Na)及び塩化物イオン(Cl)などの1価イオン成分、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)及び燃焼排ガス中の硫黄分に由来する硫酸イオンなどの2価イオン成分を含有する。排煙脱硫部11は、脱硫排水W11に石灰石などを粉砕して水中に分散させたカルシウムイオンを含むスラリーを添加することにより、脱硫排水W11中の硫酸イオンを、排煙脱硫部11内で石膏(CaSO)として固形化して回収する。なお、脱硫排水W11中の塩化物イオン及び硫酸イオンは、燃焼排ガス及び補給水W(図5参照)に由来し、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、脱硫排水W11に添加される石灰石(炭酸カルシウム(CaCO))に由来する。
膜処理部12は、排煙脱硫部11から排出された脱硫排水W11を、硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21と硫酸イオンが除去された透過水W21とに膜分離する分離膜(不図示:第1分離膜)を備える。ここでの硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21とは、硫酸イオンと塩化物イオンとの比([SO 2−]/[Cl])が脱硫排水W11よりも大きい濃縮水(以下、単に「濃縮水W21」ともいう)であり、硫酸イオンが除去された透過水W22とは、硫酸イオンと塩化物イオンの比([SO 2−]/[Cl])が脱硫排水W11よりも小さい透過水(以下、単に「透過水W22」ともいう)である。膜処理部12は、硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給する一方、硫酸イオンが除去された透過水W22を排水として排出する。すなわち、本実施の形態では、脱硫排水W11のスケール成分となる硫酸イオンを、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に返送して排煙脱硫部11で石膏として固形化して回収する。これにより、排ガス処理装置1は、膜処理部12から排出される硫黄分を含有する排水量を削減できると共に、石膏などのスケール成分の原因となる透過水W22中の硫酸イオン濃度を低減できるので、排ガス処理装置1からの脱硫排水の放流量の削減が可能となると共に、後工程での透過水W22中の石膏などのスケールの析出を抑制できる。
分離膜としては、脱硫排水W11中の硫酸イオンの透過率に対して塩化物イオンの透過率が高いものが好ましい。これにより、排煙脱硫部11における脱硫性能の低下の原因となる塩化物イオンを透過水W22と共に排ガス処理装置1の外部に効率良く排出できるので、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオン量を低減でき、排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができると共に、排煙脱硫部11での塩化物イオン量を基準値以下に維持して排煙脱硫部の腐食を防ぐことも可能となる。本実施の形態において、透過率とは、脱硫排水W11中に含まれる各種イオン濃度に対する分離膜を透過した透過水W22中の各種イオン濃度の割合である。
分離膜としては、硫酸イオンと塩化物イオンとを選択的に膜分離する観点から、脱硫排水W11中の2価イオン成分である硫酸イオンの透過率が低いものが好ましい。また、分離膜としては、排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐ観点から、1価イオン成分である塩化物イオンの透過率が高いものが好ましい。分離膜としては、透過水W22中のスケール成分となる硫酸イオンと塩化物イオンとを選択的に膜分離する観点から、硫酸イオンの透過率(以下、単に「硫酸イオン透過率」ともいう)が50%以下のものが好ましく、20%以下のものがより好ましく、10%以下であるものが好ましい。また、分離膜としては、排煙脱硫部11に返送される濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を低減して脱硫性能の低下を防ぐ観点から、塩化物イオンの透過率(以下、単に「塩化物イオン透過率」ともいう)が10%以上のものが好ましく、20%以上のものがより好ましく、50%以上のものが好ましい。以上を考慮すると、分離膜としては、脱硫排水W11中の硫酸イオンの透過率が塩化物イオンの透過率以下のものが好ましく、硫酸イオン透過率が50%以下であって塩化物イオン透過率が50%以上のものがより好ましく、硫酸イオン透過率が20%以下であって塩化物イオン透過率が80%以上のものが更に好ましく、硫酸イオン透過率が10%以下であって塩化物イオン透過率が90%以上のものがより更に好ましい。分離膜としては、例えば、ナノ濾過(NF:Nano Filtration)膜、逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜、イオン交換膜、電気透析、拡散透析による透析膜及び電気泳動による分離膜などが用いられる。分離膜としては、これらの中でも、透過水W22中の硫酸イオンを効率良く除去できる観点から、ナノ濾過膜及び電気泳動による透析膜が好ましく、ナノ濾過膜がより好ましい。ナノ濾過膜としては、例えば、商品名:NTR7250(日東電工社製)、NF40HF及びNF50(ダウ・ケミカル社製)などを用いることができる。
分離膜として電気透析による透析膜を用いる場合には、例えば、以下のような構成とすることができる。図2A〜図2Dは、本実施の形態に係る膜処理部が電気透析による透析膜を備える場合の説明図である。図2Aに示す例では、膜処理部12は、陽極21と陰極22との間に交互に配置された陽イオン交換膜23及び陰イオン交換膜24を有する透析膜25Aを備える。陽イオン交換膜23は、1価のナトリウムイオン、カリウムイオン(K)及び2価のカルシウムイオンなどの陽イオンを透過し、1価の塩化物イオン及び2価の硫酸イオンなどの陰イオンの移動を遮る。陰イオン交換膜24は、1価の塩化物イオン及び2価の硫酸イオンなどの陰イオンを透過し、1価のナトリウムイオン、カリウムイオン及び2価のカルシウムイオンなどの陽イオンの移動を遮る。透析膜25Aは、排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11を濃縮水W21と透過水W22とに膜分離する。
排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11は、透析膜25Aに供給され、陽極21及び陰極22により直流電流が流される。これにより、脱硫排水W11中の1価のナトリウムイオン及び2価のカルシウムイオンなどの陽イオンが陽イオン交換膜23を透過すると共に、陰イオン交換膜24に遮られて移動する。また、脱硫排水W11A中の1価の塩化物イオン及び2価の硫酸イオンは、陰イオン交換膜24を透過すると共に陽イオン交換膜23に遮られて移動する。この結果、陽極21側に陰イオン交換膜24があると共に陰極22側に陽イオン交換膜23があるイオン交換膜間では、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオン及び硫酸イオンが除去された濃縮水W21が得られる。また、陽極21側に陽イオン交換膜23があると共に陰極22側に陰イオン交換膜24があるイオン交換膜間では、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオン及び硫酸イオンが濃縮された透過水W22が得られる。濃縮水W21は、濃縮水供給ラインL21を介して排煙脱硫部11に供給される。また、透過水W22は、透過水排出ラインL22を介して膜処理部12の外部に排出されると共に、少なくとも一部が透過水循環ラインL22Aを介して循環透過水W22Aとして脱硫排水W11と共に透析膜25Aに循環される。
図2Bに示す例では、膜処理部12は、陽極21と陰極22との間に交互に配置された陽イオン交換膜23及び1価選択透過性陰イオン交換膜24Aを有する透析膜25Bを備える。陽イオン交換膜23は、1価のナトリウムイオン、カリウムイオン及び2価のカルシウムイオンなどの陽イオンを透過し、1価の塩化物イオン及び2価の硫酸イオンなどの陰イオンの移動を遮る。1価選択透過性陰イオン交換膜24Aは、1価の塩化物イオンなどの1価の陰イオンを透過し、1価のナトリウムイオン、カリウムイオン及び2価のカルシウムイオンなどの陽イオン並びに2価の硫酸イオンなどの多価の陰イオンの移動を遮る。透析膜25Bは、排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11を濃縮水W21と透過水W22とに膜分離する。
排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11は、透析膜25Bに供給され、陽極21及び陰極22により直流電流が流される。これにより、脱硫排水W11中の1価のナトリウムイオン及び2価のカルシウムイオンなどの陽イオンが陽イオン交換膜23を透過すると共に、1価選択透過性陰イオン交換膜24Aイオン交換膜に遮られて移動する。また、脱硫排水W11中の1価の塩化物イオンは、1価選択透過性陰イオン交換膜24を透過すると共に、陽イオン交換膜23に遮られて移動する。脱硫排水W11中の2価の硫酸イオンは、陽イオン交換膜23及び1価選択透過性陰イオン交換膜24Aに遮られて移動する。この結果、陽極21側に1価選択透過性陰イオン交換膜24Aがあると共に陰極22側に陽イオン交換膜23があるイオン交換膜間では、ナトリウムイオン、カルシウムイオン及び塩化物イオンが除去されて硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21が得られる。また、陽極21側に陽イオン交換膜23があると共に陰極22側に1価選択透過性陰イオン交換膜24Aがあるイオン交換膜間では、ナトリウムイオン、カルシウムイオン及び塩化物イオンが濃縮されて硫酸イオンが除去された透過水W22が得られる。濃縮水W21は、濃縮水供給ラインL21を介して排煙脱硫部11に供給される。また、透過水W22は、透過水排出ラインL22を介して膜処理部12の外部に排出されると共に、少なくとも一部が透過水循環ラインL22Aを介して循環透過水W22Aとして脱硫排水W11と共に透析膜25Bに循環される。
図2Cに示す例では、膜処理部12は、陽極21と陰極22との間に交互に配置された1価選択透過性陽イオン交換膜23A及び陰イオン交換膜24を有する透析膜25Cを備える。1価選択透過性陽イオン交換膜23Aは、1価のナトリウムイオン及びカリウムイオンなどの1価の陽イオンを透過し、2価のカルシウムイオンなどの多価の陽イオン、並びに、1価の塩化物イオン及び2価の硫酸イオンなどの陰イオンの移動を遮る。陰イオン交換膜24は、1価の塩化物イオン及び2価の硫酸イオンなどの陰イオンを透過し、1価のナトリウムイオン、カリウムイオン(K)及び2価のカルシウムイオンなどの陽イオンの移動を遮る。透析膜25Cは、排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11を濃縮水W21と透過水W22とに膜分離する。
排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11は、透析膜25Cに供給され、陽極21及び陰極22により直流電流が流される。これにより、脱硫排水W11中の1価のナトリウムイオンなどの1価の陽イオンが1価選択透過性陽イオン交換膜23Aを透過すると共に、陰イオン交換膜24に遮られて移動する。また、脱硫排水W11A中の2価のカルシウムイオンは、1価選択透過性陽イオン交換膜23A及び陰イオン交換膜24に遮られて移動する。また、脱硫排水W11A中の1価の塩化物イオン及び2価の硫酸イオンは、陰イオン交換膜24を透過すると共に、1価選択透過性陽イオン交換膜23Aに遮られて移動する。この結果、陽極21側に陰イオン交換膜24があると共に陰極22側に1価選択透過性陽イオン交換膜23Aがあるイオン交換膜間では、ナトリウムイオン、塩化物イオン及び硫酸イオンが除去されてカルシウムイオンが濃縮された濃縮水W21が得られる。また、陽極21側に1価選択透過性陽イオン交換膜23Aがあると共に陰極22側に陰イオン交換膜24があるイオン交換膜間では、ナトリウムイオン、塩化物イオン及び硫酸イオンが濃縮されてカルシウムイオンが除去された透過水W22が得られる。濃縮水W21は、濃縮水供給ラインL21を介して排煙脱硫部11に供給される。また、透過水W22は、透過水排出ラインL22を介して膜処理部12の外部に排出されると共に、少なくとも一部が透過水循環ラインL22Aを介して循環透過水W22Aとして脱硫排水W11と共に透析膜25Cに循環される。
図2Dに示す例では、膜処理部12は、陽極21と陰極22との間に交互に配置された1価選択透過性陽イオン交換膜23A及び1価選択透過性陰イオン交換膜24Aを有する透析膜25Cを備える。1価選択透過性陽イオン交換膜23Aは、1価のナトリウムイオン及びカリウムイオンなどの1価の陽イオンを透過し、2価のカルシウムイオンなどの多価の陽イオン、並びに、1価の塩化物イオン及び2価の硫酸イオンなどの陰イオンの移動を遮る。1価選択透過性陰イオン交換膜24Aは、1価の塩化物イオンを透過し、1価のナトリウムイオン、カリウムイオン及び2価のカルシウムイオンなどの陽イオン並びに2価の硫酸イオンなどの多価の陰イオンの移動を遮る。透析膜25Dは、排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11を濃縮水W21と透過水W22とに膜分離する。
排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11は、透析膜25Dに供給される。透析膜25Dに供給された脱硫排水W11には、陽極21及び陰極22により直流電流が流される。これにより、脱硫排水W11中の1価のナトリウムイオンなどの1価の陽イオンが1価選択透過性陽イオン交換膜23Aを透過すると共に、1価選択透過性陰イオン交換膜24Aに遮られて移動する。また、脱硫排水W11中の2価のカルシウムイオン及び2価の硫酸イオンは、1価選択透過性陽イオン交換膜23A及び1価選択透過性陰イオン交換膜24Aに遮られて移動する。また、脱硫排水W11中の1価の塩化物イオンは、1価選択透過性陰イオン交換膜24Aを透過すると共に、1価選択透過性陽イオン交換膜23に遮られて移動する。この結果、陽極21側に1価選択透過性陰イオン交換膜24Aがあると共に陰極22側に1価選択透過性陽イオン交換膜23Aがあるイオン交換膜間では、ナトリウムイオン及び塩化物イオンが除去されてカルシウムイオン及び硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21が得られる。また、陽極21側に1価選択透過性陽イオン交換膜23Aがあると共に陰極22側に1価選択透過性陰イオン交換膜24Aがあるイオン交換膜間では、ナトリウムイオン及び塩化物イオンが濃縮されてカルシウムイオン及び硫酸イオンが除去された透過水W22が得られる。濃縮水W21は、濃縮水供給ラインL21を介して排煙脱硫部11に供給される。また、透過水W22は、透過水排出ラインL22を介して膜処理部12の外部に排出されると共に、少なくとも一部が透過水循環ラインL22Aを介して循環透過水W22Aとして脱硫排水W11と共に透析膜25Dに循環される。
図2A〜図2Dに示す電気透析による透析膜を用いた膜処理では、pHを酸性(例えば、pH7以下)に調整することが好ましい。これにより、塩基性条件下での下記反応式(1)〜(3)に示す反応による各種イオン交換膜への炭酸カルシウム及び水酸化マグネシウムのスケール析出を防ぐことができる。
HCO ⇒CO 2−+H ・・・(1)
CO 2−+Ca2+⇒CaCO↓ ・・・(2)
Mg2++2OH⇒Mg(OH)↓ ・・・(3)
透析膜25A〜25Dとしては、脱硫排水W11中の塩化物イオンを効率良く透過水W21に排出する観点から、透析膜25A,25Bが好ましい。また、透析膜25A〜25Dとしては、脱硫排水W11中の硫酸イオンを効率良く濃縮水W21に濃縮する観点から、透析膜25B,25Dが好ましい。また、透析膜25A〜25Dとしては、脱硫排水W11中に含まれるナトリウムイオン、塩化物イオン、カルシウムイオン及び硫酸イオンに基づくイオン交換膜への石膏スケールの析出を防いで透析膜の膜分離性能の低下を防ぐことができる観点から、透析膜25B,25Cが好ましい。以上を考慮すると、透析膜25A〜25Dとしては、脱硫排水W11中の硫酸イオンを効率良く濃縮水W21に濃縮する観点、脱硫排水W11中の塩化物イオンを効率良く透過水W22に排出する観点、脱硫排水W11中に含まれるナトリウムイオン、塩化物イオン、カルシウムイオン及び硫酸イオンに基づくイオン交換膜への石膏スケールの析出を防いで透析膜の膜分離性能の低下を防ぐことができる観点から、透析膜25Bが特に好ましい。
次に、排ガス処理装置1の全体動作について説明する。排煙脱硫部11から排出された硫黄分を含有する脱硫排水W11は、脱硫排水供給ラインLを介して膜処理部12に供給される。膜処理部12に供給された脱硫排水W11は、分離膜によって硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21と硫酸イオンが除去された透過水W22とに膜分離される。膜処理部12で膜分離された濃縮水W21は、濃縮水供給ラインL21を介して排煙脱硫部11に供給され、排煙脱硫部11内で石膏が除去された後、排煙脱硫部11から脱硫排水W11として排出される。また、膜処理部12で膜分離された透過水W22は、透過水排出ラインL22を介して膜処理部12から排出される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、分離膜による膜分離で脱硫排水W11中の硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給するので、膜処理部12から排出される排水量を削減できると共に、透過水W22の硫酸イオンを低減できるので、硫酸イオンの回収が可能となる。したがって、脱硫排水中の硫黄分を回収でき、脱硫排水の放流量の削減が可能な排ガス処理装置1を実現できる。しかも、脱硫排水W11中の塩化物イオンは透過水W22中と共に排ガス処理装置1の外部に排出されるので、濃縮水W21の排煙脱硫部11への返送に伴う塩化物イオンによる脱硫性能の低下を防ぐこともできる。さらに、排煙脱硫部11に返送された濃縮水W21を燃焼排ガスの洗浄水としても用いることもできるので、排煙脱硫部11へ外部から供給される補給水を削減することもできる。
図3は、第1の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す模式図である。図3に示すように、排ガス処理装置2は、燃焼排ガス中の硫黄分を脱硫する排煙脱硫部11と、排煙脱硫部11の後段に設けられた膜処理部12とを備える。膜処理部12は、排煙脱硫部11の後段に設けられた第1膜処理部121と、第1膜処理部121の後段に設けられた第2膜処理部122とを備える。
第1膜処理部121は、排煙脱硫部11から排出された脱硫排水W11を、硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21と硫酸イオンが除去された透過水W22とに膜分離する第1分離膜(不図示)を備える。第1分離膜としては、上述した分離膜と同様のものを用いることができる。第1膜処理部121は、硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給する一方、硫酸イオンが除去された透過水W22を排出する。第1膜処理部121は、すなわち、本実施の形態では、脱硫排水W11のスケール成分となる硫酸イオンを濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に返送して排煙脱硫部11で石膏として固形化して回収する。これにより、膜処理部12から排出される排水量を削減できると共に、石膏などのスケール成分となる透過水W22中の硫酸イオン濃度を低減することができるので、硫酸イオンの回収が可能となる。
第2膜処理部122は、第1膜処理部121から排出された塩化物イオンを含有する第1透過水W22を、塩化物イオンが濃縮された第2濃縮水W31と塩化物イオンが低減された第2透過水W32とに膜分離する第2分離膜(不図示)を有する。このように第2膜処理部122を設けることにより、透過水W22中のナトリウムイオン及び塩化物イオンなどの1価イオン成分が除去された第2透過水W32を得ることができる。第2分離膜としては、第1透過水W22から1価イオン成分を膜分離できるものであれば特に制限はなく、例えば、逆浸透膜、ナノ濾過膜、電気透析による透析膜などが用いられる。これらの中でも、第2分離膜としては、第1透過水W22の脱塩率の観点から、逆浸透膜が好ましい。
次に、排ガス処理装置2の全体動作について説明する。排煙脱硫部11から排出された硫黄分を含有する脱硫排水W11は、脱硫排水供給ラインLを介して膜処理部12の第1膜処理部121に供給され、第1分離膜によって硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水W21と硫酸イオンが除去された第1透過水W22とに膜分離される。ここでの硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水W21とは、硫酸イオンと塩化物イオンとの比([SO 2−]/[Cl])が脱硫排水W11よりも大きい濃縮水(以下、単に「第1濃縮水W21」ともいう)であり、硫酸イオンが除去された第1透過水W22とは、硫酸イオンと塩化物イオンの比([SO 2−]/[Cl])が脱硫排水W11よりも小さい透過水(以下、単に「第1透過水W22」ともいう)である。第1膜処理部121で膜分離された第1濃縮水W21は、濃縮水供給ラインL21を介して排煙脱硫部11に供給され、排煙脱硫部11内で石膏が回収された後、排煙脱硫部11から脱硫排水W11と共に排出される。また、第1膜処理部121で膜分離された第1透過水W22は、透過水排出ラインL22を介して第2膜処理部122に供給され、第2分離膜によって塩化物イオンが濃縮された第2濃縮水W31と塩化物イオンが除去された第2透過水W32とに膜分離される。第2分離膜で膜分離された第2濃縮水W31は、濃縮水排出ラインL31を介して第2膜処理部122から排出され、第2透過水W32は、透過水排出ラインL32を介して第2膜処理部122から排出される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1分離膜による膜分離で脱硫排水W11中の硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給するので、第1膜処理部121から排出される排水量を削減できると共に、第1透過水W22の硫酸イオンを低減できる。したがって、脱硫排水中の硫黄分を回収でき、脱硫排水の放流量の削減が可能な排ガス処理装置2を実現できる。しかも、脱硫排水W11中の塩化物イオンは透過水W22中と共に排ガス処理装置1の外部に排出されるので、濃縮水W21の排煙脱硫部11への返送される塩化物イオン量の低減により,脱硫性能の低下を防ぐこともできる。また、第2分離膜よる膜分離で塩化物イオンが濃縮された第2濃縮水W31と塩化物イオンが除去された第2透過水W32が得られるので、高純度の水である第2透過水W32が得られると共に、第2濃縮水W31を更に濃縮して容量を低減することが可能となる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下においては、上述した第1の実施の形態と共通する構成要素には同一の符号を付している。また、上述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、説明の重複を避ける。
図4は、第2の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す図である。図4に示すように、本実施の形態に係る排ガス処理装置3は、図1に示した排ガス処理装置1の構成に加えて、脱硫排水W11を希釈する希釈水Wを供給する希釈水供給部13を備える。この希釈水供給部13を設けて脱硫排水W11を希釈水Wで希釈することにより、脱硫排水W11中のスケール成分となる硫酸イオンなどの2価イオン成分の濃度が低減されるので、膜処理部12の分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。希釈水Wとしては、脱硫排水W11中のスケール成分の濃度を低減できるものであれば特に制限はなく、例えば、プロセス用水,河川水及び池水などを用いることができる。なお、図4に示す例では、希釈水供給部13が、希釈水Wを膜処理部12に供給する例について示しているが、希釈水供給部13は、脱硫排水W11を希釈できれば希釈水Wを膜処理部12以外に供給してもよい。希釈水供給部13は、例えば、希釈水供給ラインL41を介して脱硫排水供給ラインLなどに希釈水Wを供給してもよい。また、希釈水供給ラインL41には、必要に応じて希釈水W中の濁質を除去する前処理部を設けてもよい。その他の構成については、図1に示した排ガス処理装置1と同様のため説明を省略する。
次に、排ガス処理装置3の全体動作について説明する。排煙脱硫部11から排出された硫黄分を含有する脱硫排水W11は、脱硫排水供給ラインLを介して膜処理部12に供給される。膜処理部12に供給された脱硫排水W11は、希釈水供給ラインL41を介して希釈水供給部13から供給された希釈水Wと混合された後、分離膜によって硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21と硫酸イオンが除去された透過水W22とに膜分離される。ここでは、脱硫排水W11が希釈水Wと混合されることにより、スケール成分の濃度が低減されるので、分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、脱硫排水W11を希釈水Wによって希釈するので、膜処理部12に供給される脱硫排水W11中のスケール成分の濃度を低減することが可能となる。これにより、脱硫排水W11中のスケール成分の濃度が高い場合であっても、膜処理部12の分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。
図5は、第2の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す図である。図5に示すように、排ガス処理装置4は、補給水供給ラインLを介して排煙脱硫部11に補給水Wを供給すると共に、補給水分岐ラインL42を介して膜処理部12に補給水Wの少なくとも一部を希釈水として供給する補給水供給部14を備える。すなわち、図5に示す排ガス処理装置4は、補給水供給部14を図4に示した希釈水供給部13としても用いるものである。なお、図5に示す例では、補給水供給部14が、補給水Wの少なくとも一部を希釈水Wとして膜処理部12に供給する例について示しているが、補給水供給部14は、脱硫排水W11を希釈できれば補給水Wの少なくとも一部を膜処理部12以外に供給してもよい。補給水供給部14は、例えば、補給水分岐ラインL42を介して脱硫排水供給ラインLなどに希釈水Wを供給してもよい。また、補給水分岐ラインL42には、必要に応じて補給水W中の濁質を除去する前処理部を設けてもよい。その他の構成については、図4に示した排ガス処理装置3と同様のため説明を省略する。
次に、排ガス処理装置4の全体動作について説明する。排煙脱硫部11から排出された硫黄分を含有する脱硫排水W11は、脱硫排水供給ラインLを介して膜処理部12に供給される。膜処理部12に供給された脱硫排水W11は、補給水分岐ラインL42を介して補給水供給部14から供給された補給水Wと混合された後、分離膜によって硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21と硫酸イオンが除去された透過水W22とに膜分離される。ここでは、脱硫排水W11が補給水Wと混合されることにより、スケール成分の濃度が低減されるので、分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、脱硫排水W11を補給水Wによって希釈するので、膜処理部12に供給される脱硫排水W11中のスケール成分の濃度を低減することができる。これにより、脱硫排水W11中のスケール成分の濃度が高い場合であっても、膜処理部12の分離膜でのスケールの析出を防ぐことが可能となる。しかも、排煙脱硫部11に供給する補給水Wの少なくとも一部を用いて脱硫排水W11を希釈するので、既存設備に補給水分岐ラインL42を設けるだけで分離膜でのスケールの析出を防ぐことが可能となる。
図6Aは、第2の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す図である。図6Aに示すように、排ガス処理装置5Aは、図3に示した排ガス処理装置2の構成に加えて、透過水排出ラインL32と脱硫排水供給ラインLとの間に設けられた透過水供給ラインL43を備える。第2膜処理部122は、透過水排出ラインL32を介して第2透過水W32を排出すると共に、透過水供給ラインL43を介して第2透過水W32の少なくとも一部を循環水W33として脱硫排水W11に供給する。すなわち、図6Aに示す排ガス処理装置5Aは、第2膜処理部122を図4に示した希釈水供給部13としても用いるものである。
次に、排ガス処理装置5Aの全体動作について説明する。排煙脱硫部11から排出された硫黄分を含有する脱硫排水W11は、脱硫排水供給ラインLを介して第1膜処理部121に供給される。第1膜処理部121に供給された脱硫排水W11は、透過水供給ラインL43を介して第2膜処理部122から供給された第2透過水W32と混合された後、第1分離膜によって硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水W21と硫酸イオンが除去された第1透過水W22とに膜分離される。ここでは、脱硫排水W11が第2透過水W32と混合されることにより、スケール成分の濃度が低減されるので、第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。第1膜処理部121で膜分離された第1透過水W22は、第2膜処理部122に供給されて第2分離膜によって塩化物イオンが濃縮された第2濃縮水W31と塩化物イオンが除去された第2透過水W32とに膜分離される。第2分離膜によって膜分離された第2透過水W32は、少なくとも一部が透過水循環ラインL43を介して循環水W33として脱硫排水W11に供給されると共に排ガス処理装置5Aの外部に排出される。
図6Bは、第2の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す図である。また、図6Bに示すように、排ガス処理装置5Bは、透過水排出ラインL22と脱硫排水供給ラインLとの間に設けられた透過水供給ラインL44を備える。第1膜処理部121は、透過水排出ラインL22を介して第1透過水W22を排出すると共に、透過水循環ラインL44を介して第2透過水W22の少なくとも一部を循環水W23として脱硫排水W11に供給する。すなわち、図6Bに示す排ガス処理装置5Bは、第1膜処理部121を図4に示した希釈水供給部13としても用いるものである。その他の構成については、図4に示した排ガス処理装置3と同様のため説明を省略する。
次に、排ガス処理装置5Bの全体動作について説明する。排煙脱硫部11から排出された硫黄分を含有する脱硫排水W11は、脱硫排水供給ラインLを介して第1膜処理部121に供給される。第1膜処理部121に供給された脱硫排水W11は、透過水供給ラインL44を介して第1膜処理部121から供給された第1透過水W22と混合された後、第1分離膜によって硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水W21と硫酸イオンが除去された第1透過水W22とに膜分離される。ここでは、脱硫排水W11が第2透過水W32と混合されることにより、スケール成分の濃度が低減されるので、第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。第1膜処理部121で膜分離された第1透過水W22は、第2膜処理部122に供給されると共に少なくとも一部が循環水W23として透過水供給ラインL44を介して脱硫排水W11に供給される。第2膜処理部122に供給された第1透過水W22は、第2分離膜によって塩化物イオンが濃縮された第2濃縮水W31と塩化物イオンが除去された第2透過水W32とに膜分離されて排出される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、脱硫排水W11を循環水W23又は循環水W33としての第1透過水W22又は第2透過水W32によって希釈するので、第1膜処理部121に供給される脱硫排水W11中のスケール成分の濃度を低減することが可能となる。これにより、脱硫排水W11中のスケール成分の濃度が高い場合であっても、第1膜処理部121の第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことができる。しかも、第2膜処理部122から排出される第2透過水W32の少なくとも一部を用いて脱硫排水W11を希釈するので、透過水循環ラインL43,L44を設けるだけで第1分離膜でのスケールの析出を防ぐことが可能となる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、以下においては、上述した第1の実施の形態と共通する構成要素には同一の符号を付している。また、上述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、説明の重複を避ける。
図7は、第3の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。図7に示すように、本実施の形態に係る排ガス処理装置6は、排煙脱硫部11の後段に設けられ、脱硫排水W11中のスケール成分を除去する前処理部15を備える。前処理部15は、脱硫排水W11に含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオンなどのスケール成分を除去する。また、前処理部15は、脱硫排水中のスケール成分を除去した前処理水W14を第1膜処理部121に供給する。なお、前処理部15の前段には、脱硫排水W11に含まれる石膏(CaSO)などの固体成分を脱硫排水から分離して除去する固液分離部(不図示)を設けてもよい。固液分離部としては、脱硫排水W11から固体成分を分離除去できるものであれば特に制限はなく、例えば、ベルトフィルタ、ベルトプレス、フィルタープレス,遠心分離器、液体サイクロン及び沈殿槽などの各種固液分離装置を用いることができる。
本実施の形態では、前処理部15は、脱硫排水W11が供給される凝集沈殿部151と、凝集沈殿部151の後段に設けられた砂濾過部152と、砂濾過部152の後段に設けられた膜濾過部153とを含む。なお、本実施の形態では、前処理部15が、凝集沈殿部151、砂濾過部152、及び膜濾過部153を含む例について説明したが、この構成に限定されない。前処理部15は、砂濾過部152又は膜濾過部153の少なくとも一方を備えていればよく、例えば、凝集沈殿部151及び砂濾過部152を備えていてもよく、凝集沈殿部151及び膜濾過部153を備えていてもよい。
凝集沈殿部151は、ライムソーダ法などにより脱硫排水W11中のスケール成分となる塩分151aを固形化して脱硫排水W11から固液分離する。凝集沈殿部151は、例えば、脱硫排水W11中に消石灰(Ca(OH))、及び炭酸ナトリウム(NaCO)を添加することにより、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを炭酸カルシウム(CaCO)及び水酸化マグネシウム(Mg(OH))として固形化し、脱硫排水W11からスラッジ151aとして分離する。凝集沈殿部151としては、例えば、クラリファイヤなどの沈殿槽が用いられる。凝集沈殿部151は、脱硫排水W11からスラッジ151aを除去した脱硫排水W12を砂濾過部152に供給する。
砂濾過部152は、例えば、複数の濾過層に脱硫排水W12を透過させることにより、脱硫排水W12中の固形分、具体的には凝集沈殿部151で生成した固形物(炭酸カルシウム(CaCO)及び水酸化マグネシウム(Mg(OH)))及び粒子性二酸化ケイ素(SiO)などの固形分(懸濁物質)を除去する。ここでは、砂濾過部152は、脱硫排水W12を砂濾過層に透過させて固形分を除去してもよい。また、砂濾過152は、脱硫排水W12中の固形分を除去した脱硫排水W13を膜濾過153に供給する。
膜濾過部153は、精密濾過及び限外濾過膜(UF:Ultra Filtration)などの濾過膜153aに脱硫排水W13を透過させることにより、脱硫排水W13中に残存する固形物(炭酸カルシウム(CaCO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)))及び粒子性二酸化ケイ素(SiO)などの固形分を除去した前処理水W14を得ると共に、懸濁成分を含有する洗浄排水W15を得る。また、膜濾過部153は、前処理水W14を膜処理部12に供給すると共に濃縮水W15を排水として排出する。その他の構成については、図1に示した排ガス処理装置1と同様のため説明を省略する。
次に、排ガス処理装置6の全体動作について説明する。排煙脱硫部11から排出された硫黄分を含有する脱硫排水W11は、脱硫排水供給ラインLを介して前処理部15の凝集沈殿部151に供給される。凝集沈殿部151に供給された脱硫排水W11は、消石灰及び炭酸ナトリウム(NaCO)などが添加される。これにより、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンなどが炭酸カルシウム(CaCO)及び水酸化マグネシウム(Mg(OH))として固形化されてスラッジ151aとして脱硫排水W11から分離される。凝集沈殿部151でスラッジ151aが除去された脱硫排水W12は、砂濾過部152に供給されて濾材を透過することにより、脱硫排水W12中の懸濁物質(凝集沈殿部151からのキャリーオーバー)が除去される。懸濁物質が除去された脱硫排水W13は、膜濾過部153に供給されて濾過膜153aを透過することにより、脱硫排水W13中に残存する懸濁物質(砂濾過部152からのキャリーオーバー)が除去されて前処理水W14と洗浄排水W15とに膜分離される。膜分離された前処理水W14は、膜処理部12に供給され、洗浄排水W15は、系外に排出される。その他は、図1に示した排ガス処理装置1と同様のため説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、排煙脱硫部11から排出された脱硫排水W11中に含まれるスケール成分を、前処理部15によって膜処理部12の前段で除去するので、膜処理部12に導入される前処理水W14中のスケール成分を大幅に削減することが可能となる。これにより、脱硫排水W11中のスケール成分の含有量が多い場合であっても、膜処理部12の分離膜におけるスケールの析出を防ぐことが可能となる。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。なお、以下においては、上述した第1の実施の形態と共通する構成要素には同一の符号を付している。また、上述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、説明の重複を避ける。
従来の排ガス処理装置では、脱硫排水中に含まれる固体状の水銀及び液状の水銀が膜処理部の分離膜の表面に付着すると、分離膜の透過水流量を低下させることがある。本実施の形態に係る排ガス処理装置は、脱硫排水W11に含まれる固体状の水銀及び液体状の水銀を除去することにより、膜処理部12における分離膜の表面への水銀の付着を防止して分離膜の透過水W22の流量の低下を防ぐものである。
図8は、第4の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。図8に示すように、本実施の形態に係る排ガス処理装置7は、図1に示した排ガス処理装置1の構成に加えて、脱硫排水W11の流れ方向における排煙脱硫部11と膜処理部12との間に設けられた水銀除去部16を備える。水銀除去部16は、脱硫排水W11中に含まれる液状の水銀と固体状の水銀(例えば、固形物に水銀化合物が付着・含有されたもの)を固液分離する分離部161と、脱硫排水W11中に溶存する溶解性水銀を除去する水銀処理部162とを含む。
分離部161は、例えば、凝集沈殿及び膜分離、砂濾過などにより、脱硫排水W11中に含まれる液状の水銀(例えば、金属水銀Hg)、固体状の水銀(例えば、HgSO、HgSO、HgS、HgS)を、水銀を含むスラッジとして分離除去する。また、分離部161は、水銀を固定化して除去した脱硫排水W16を水銀処理部162に供給する。
水銀処理部162は、脱硫排水W11中の液状の水銀(Hg)を酸化して溶解性水銀(Hg2+)とし、酸化した脱硫排水W11中の溶解性水銀を除去する。水銀処理部162は、例えば、重金属捕集剤としてのキレート剤及びキレート樹脂などの添加などにより脱硫排水W11中の溶解性水銀を固定化して除去する。この場合、水銀処理部162は、必要に応じてキレート剤と共にpHを調整する水酸化ナトリウム(苛性ソーダ:NaOH),硫酸(HSO),塩酸(HCl)などのpH調整剤、硫酸アルミニウム(Al(SO、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄(FeCl)、高分子凝集剤などの凝集剤および凝集助剤を添加してもよい。また、水銀処理部162は、キレート樹脂を用いて溶解性水銀を除去してもよい。さらに、水銀処理部162は、脱硫排水W11中に、硫化鉄及び硫化ナトリウムなどの硫化物系水銀除去剤を添加し、下記反応により硫化水銀(HgS)として水銀を固定化して除去してもよい。固定化された硫化水銀は、凝集沈殿、膜分離、砂濾過、及び活性炭吸着などにより脱硫排水W11から分離除去できる。
Hg2++S2−→HgS↓
また、水銀処理部162は、脱硫排水W11を溶解性水銀(Hg2+)を吸着する陽イオン交換樹脂及び水銀錯体(HgCl 、HgCl 2−、HgS 2−など)を吸着する陰イオン交換樹脂に透過させることにより、脱硫排水W11中の溶解性水銀を除去してもよい。また、水銀処理部162は、還元性物質(酸化阻害物質)が存在する場合においては、所定量の酸化剤(例えば、空気)を添加して所定の酸化状態(例えば、酸化還元電位(ORP)値が+100mV以上+200mV以下)を維持し、0価の水銀(Hg)の気相への飛散を抑制してもよい。
次に、排ガス処理装置7の全体動作について説明する。排煙脱硫部11から排出された硫黄分を含有する脱硫排水W11は、脱硫排水供給ラインLを介して水銀除去部16の分離部161に供給される。分離部161に供給された脱硫排水W11は、固体状及び液状の水銀が、凝集沈殿、膜分離及び砂濾過などによって分離除去されて固液分離後の脱硫排水W16として水銀処理部162に供給される。水銀処理部162に供給された脱硫排水W16は、キレート剤の添加などによって溶解性水銀が除去される(除去された水銀は不図示)。溶解性水銀が除去された脱硫排水W17は、膜処理部12に供給される。その他については、図1に示した排ガス処理装置1と同様のため説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、排煙脱硫部11から排出された脱硫排水W11中に含まれる固体状及び液状の水銀を分離部161で除去すると共に、溶解性水銀を水銀処理部162で除去するので、膜処理部12の分離膜に付着する水銀を低減することができる。これにより、膜処理部12に付着する水銀を低減することができると共に、透過水W22中の水銀を削減して水銀濃度を放流基準値以下まで低減することもできるので、透過水W22を放流することが可能となる。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。なお、以下においては、上述した第1の実施の形態と共通する構成要素には同一の符号を付している。また、上述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、説明の重複を避ける。
図9Aは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。図9Aに示すように、本実施の形態に係る排ガス処理装置8Aは、図1に示した排ガス処理装置1の構成に加えて、濃縮水供給ラインL21から分岐され、脱硫排水供給ラインLに接続された濃縮水循環ラインL61と、濃縮水循環ラインL61を流れる濃縮水W21の水質を測定する水質測定部17と、水質測定部17によって測定された濃縮水W21の水質に基づいて、循環水W24として濃縮水循環ラインL61を流れる濃縮水W21の流量を制御する制御部18とを備える。濃縮水循環ラインL61には、濃縮水循環ラインL61を流れる循環水W24の流量を調整する流量調整弁Vが設けられている。すなわち、排ガス処理装置8Aにおいては、膜処理部12は、濃縮水循環ラインL61を介して濃縮水W21を循環水W24として循環可能となっている。
水質測定部17は、濃縮水W21の導電率(EC:Electrical Conductivity)などを測定することにより、膜処理部12から排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の塩化物イオンなどのイオン成分の濃度を推算する。
制御部18は、CPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などが実装された汎用又は専用のコンピュータ及びこのコンピュータ上で動作するプログラムを利用して運用される。制御部18は、水質測定部17で測定された濃縮水W21の導電率に基づいて、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を推算し,脱硫排水W11に循環する循環水W24の流量を制御して、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下とするように動作する。
制御部18は、濃縮水W21の導電率が基準値を超えた場合には、流量調整弁Vの開度を増大させて膜処理部12に循環される循環水W24の流量を増大させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Aは、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンの量を減らすことができると共に、膜処理部12から透過水W22と共に排出される塩化物イオンの量を増やすことができる。この結果、排ガス処理装置8A内の塩化物イオンの量を低減でき、排煙脱硫部11内の脱硫排水及び排煙脱硫部11から排出される脱硫排水W11の塩化物イオン濃度を基準値以下に低減できるので、塩化物イオンによる排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができる。
また、制御部18は、濃縮水W21の導電率が基準値以下となった際には、流量調整弁Vの開度を減少させて膜処理部12に循環される循環水W24の流量を減少させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Aは、膜処理部12から排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の流量が増大するので、排煙脱硫部11の塩化物イオン濃度が基準値以下の範囲で増加する。これにより、脱硫処理の効率を低下させることがなく運転することができると共に、排煙脱硫部11での硫黄分の回収量が増大する。その他の構成については、図1に示した排ガス処理装置1と同様であるため説明を省略する。
なお、図9Aに示す例では、濃縮水W21の水質の測定結果に基づいて濃縮水W21の循環量を制御する例について説明したが、制御部18は、透過水W22の水質の測定結果に基づいて循環水W24として循環される濃縮水W21の循環量を制御してもよい。図9Bは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す模式図である。図9Bに示す排ガス処理装置8Bでは、水質測定部17は、濃縮水W21の水質に代えて、透過水W22の水質を測定する。水質測定部17は、透過水W22の水質として導電率などを測定することにより、膜処理部12から排出される透過水W22中の塩化物イオンなどのイオン成分の濃度を推算する。制御部18は、水質測定部17で測定された透過水W22の導電率に基づいて、透過水W22中の塩化物イオン濃度を推算し,脱硫排水W11に循環する循環水W24の流量を制御して、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下とするように動作する。
制御部18は、透過水W22の導電率が基準値以下の場合には、流量調整弁Vの開度を増大させて膜処理部12に循環される循環水W24の流量を増大させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Bは、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンの量を減らすことができると共に、膜処理部12から透過水W22と共に排出される塩化物イオンの量を増大させることができる。この結果、排ガス処理装置8B内の塩化物イオンの量を低減でき、排煙脱硫部11内の脱硫排水及び排煙脱硫部11から排出される脱硫排水W11の塩化物イオン濃度を基準値以下に低減できるので、塩化物イオンによる排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができる。
また、制御部18は、透過水W22中の導電率が基準値を超えた際には、流量調整弁Vの開度を減少させて膜処理部12に循環される循環水W24の流量を減少させるように動作する。これにより、膜処理部12から排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の流量が増大するので、排煙脱硫部11の塩化物イオン濃度を基準値以下の範囲で増加する。これにより、脱硫処理の効率を低下させることがなく運転することができると共に、排煙脱硫部11での硫黄分の回収量が増大する。排煙脱硫部11における燃焼排ガスの脱硫処理を効率良く行うことができる。その他の構成については、図9Aに示した排ガス処理装置8Aと同様のため説明を省略する。
また、図9Bに示す例では、透過水W22の水質の測定結果に基づいて循環水W24として循環される濃縮水W21の循環量を制御する例について説明したが、制御部18は、脱硫排水W11の水質の測定結果に基づいて循環水W24として循環される濃縮水W21の循環量を制御してもよい。図9Cは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。図9Cに示す排ガス処理装置8Cでは、水質測定部17は、透過水W22の水質に代えて、脱硫排水W11の水質を測定する。水質測定部17は、脱硫排水W11の水質として導電率などを測定することにより、排煙脱硫部11から排出される脱硫排水W11中の塩化物イオンなどのイオン成分の濃度を推算する。制御部18は、水質測定部17で測定された脱硫排水W11の導電率に基づいて、脱硫排水W11に循環する循環水W24の流量を制御して、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下とするように動作する。
制御部18は、脱硫排水W11中の導電率が基準値以下の場合には、流量調整弁Vの開度を減少させて膜処理部12に循環される循環水W24の流量を減少させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Cは、膜処理部12から排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の流量が増大するので、排煙脱硫部11の塩化物イオン濃度を基準値以下の範囲で増加する。これにより、脱硫処理の効率を低下させることがなく運転することができると共に、排煙脱硫部11での硫黄分の回収量が増大する。
また、制御部18は、脱硫排水W11中の導電率が基準値を超えた際には、流量調整弁Vの開度を増大させて膜処理部12に循環される濃縮水W21の流量を増大させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Cは、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンの量を減らすことができると共に、膜処理部12から透過水W22と共に排出される塩化物イオンの量を増大させることができる。この結果、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下に低減できるので、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンによる排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができる。その他の構成については、図9Aに示した排ガス処理装置8Aと同様のため説明を省略する。
なお、図9A〜図9Cに示す例では、濃縮水供給ラインL21から分岐され、脱硫排水供給ラインLに接続された濃縮水循環ラインL61を設けて膜処理部12の濃縮水W21を循環水W24として循環させる例について説明したが、膜処理部12から排出される透過水W22を循環水として循環させてもよい。図9Dは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。図9Dに示す排ガス処理装置8Dでは、図9Aに示した排ガス処理装置8Aの濃縮水循環ラインL61に代えて、透過水排出ラインL22と脱硫排水供給ラインLとの間に設けられた透過水循環ラインL62を備える。透過水循環ラインL62は、膜処理部12から排出された透過水W22を循環水W25として膜処理部12に供給される脱硫排水W11に供給する。透過水循環ラインL62には、透過水循環ラインL62を流れる循環水W25の流量を制御する流量調整弁Vが設けられている。制御部18は、水質測定部17で測定された濃縮水W21の導電率に基づいて、透過水W22中の塩化物イオン濃度を推算し,脱硫排水W11に循環する循環水W25の流量を制御して、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下とする。
制御部18は、濃縮水W21中の導電率が基準値を超えた場合には、流量調整弁Vの開度を増大させて膜処理部12に循環される循環水W25の流量を増大させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Dは、膜処理部12に供給される脱硫排水W11を希釈できるので、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下に低減でき、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンによる排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができる。
また、制御部18は、濃縮水W21中の導電率が基準値以下となった際には、流量調整弁Vの開度を減少させて膜処理部12に循環される循環水W25の流量を減少させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Dは、膜処理部12から透過水W22と共に排出される塩化物イオンの量を増大させることができると共に、排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の流量が増大するので、排煙脱硫部11の塩化物イオン濃度を基準値以下の範囲で運転でき、脱硫処理の効率を低下させることがなく、また排煙脱硫部11での硫黄分の回収量が増大する。その他の構成については、図9Aに示した排ガス処理装置8Aと同様のため説明を省略する。
なお、図9Dに示す例では、濃縮水W21の水質の測定結果に基づいて循環水W25として循環される透過水W22の循環量を制御する例について説明したが、制御部18は、透過水W22の水質の測定結果に基づいて循環水W25として循環される透過水W22の循環量を制御してもよい。図9Eは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。図9Eに示す排ガス処理装置8Eでは、水質測定部17は、濃縮水W21の水質に代えて、透過水W22の水質を測定する。水質測定部17は、透過水W22の導電率などを測定することにより、膜処理部12から排出される透過水W22中の塩化物イオンなどのイオン成分の濃度を推算する。制御部18は、水質測定部17で測定された透過水W22の導電率に基づいて流量調整弁Vの開度を調整することにより、脱硫排水W11に循環する循環水W25の流量を制御して、透過水W22中の塩化物イオン濃度を基準値以下とするように動作する。
制御部18は、透過水W22中の導電率が基準値以下となった際には、流量調整弁Vの開度を減少させて膜処理部12に循環される循環水W25の流量を減少させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Eは、膜処理部12から透過水W22と共に排出される塩化物イオンの量を増大させることができると共に、排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の流量が増大するので、排煙脱硫部11の塩化物イオン濃度を基準値以下の範囲で運転でき、脱硫処理の効率を低下させることがなく、また排煙脱硫部11での硫黄分の回収量が増大する。
また、制御部18は、透過水W22中の導電率が基準値を超えた場合には、流量調整弁Vの開度を増大させて膜処理部12に循環される循環水W25の流量を増大させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Eは、膜処理部12に供給される脱硫排水W11を希釈できるので、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下に低減でき、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンによる排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができる。その他の構成については、図9Dに示した排ガス処理装置8Aと同様のため説明を省略する。
なお、図9Eに示す例では、濃縮水W21の水質の測定結果に基づいて循環水W25として循環される透過水W22の循環量を制御する例について説明したが、制御部18は、透過水W22の水質の測定結果に基づいて循環水W25として循環される透過水W22の循環量を制御してもよい。図9Fは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。図9Fに示す排ガス処理装置8Fでは、水質測定部17は、透過水W22の水質に代えて、脱硫排水W11の水質を測定する。水質測定部17は、脱硫排水W11の導電率などを測定することにより、膜処理部12に供給される脱硫排水W11中の塩化物イオンなどのイオン成分の濃度を推算する。制御部18は、水質測定部17で測定された脱硫排水W11の導電率に基づいて流量調整弁Vの開度を調整することにより、脱硫排水W11に循環する循環水W25の流量を制御して、透過水W22中の塩化物イオン濃度を基準値以下とするように動作する。
制御部18は、脱硫排水W11中の導電率が基準値を超えた場合には、流量調整弁Vの開度を増大させて膜処理部12に循環される循環水W25の流量を増大させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Fは、膜処理部12に供給される脱硫排水W11を希釈できるので、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下に低減でき、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンによる排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができる。
また、制御部18は、透過水W22中の導電率が基準値以下となった場合には、流量調整弁Vの開度を減少させて膜処理部12に循環される循環水W25の流量を減少させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Eは、膜処理部12から透過水W22と共に排出される塩化物イオンの量を増大させることができると共に、排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の流量が増大するので、排煙脱硫部11の塩化物イオン濃度を基準値以下の範囲で増加させて運転でき、脱硫処理の効率を低下させることがなく、また排煙脱硫部11での硫黄分の回収量が増大する。その他の構成については、図9Eに示した排ガス処理装置8Aと同様のため説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、濃縮水供給ラインL21を流れる濃縮水W21、膜処理部12から排出される透過水W22及び膜処理部12に供給される脱硫排水W11の少なくとも一つの水質に基づいて、膜処理部12に循環水W25として循環される濃縮水W21及び透過水W22の少なくとも一方の流量を制御する。これにより、排ガス処理装置8A〜8Fは、膜処理部12から排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を制御することができるので、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンに基づく脱硫性能の低下を防ぐことができる。
また、上述した実施の形態においては、膜処理部12が、濃縮水循環ラインL61又は透過水循環ラインL62を介して濃縮水W21又は透過水W22を循環水W25として循環する構成について説明したが、脱硫排水供給ラインLと透過水排出ラインL22との間にバイパスラインを設けて脱硫排水W11を透過水W22にバイパスさせてもよい。図9Gは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。図9Gに示すように、本実施の形態に係る排ガス処理装置8Gは、図1に示した排ガス処理装置1の構成に加えて、脱硫排水供給ラインLから分岐され、透過水排出ラインL22に接続されたバイパスラインL63と、濃縮水循環ラインL61を流れる濃縮水W21の水質を測定する水質測定部17と、水質測定部17によって測定された濃縮水W21の水質に基づいて、バイパスラインL63をバイパス水W26として流れる脱硫排水W11の少なくとも一部の流量を制御する制御部18とを備える。バイパスラインL63には、バイパスラインL63を流れるバイパス水W26の流量を調整する流量調整弁Vが設けられている。すなわち、排ガス処理装置8Gにおいては、脱硫排水W11の少なくとも一部が膜処理部12で膜分離されずにバイパスラインL63を介して透過水W22に供給可能となっている。
水質測定部17は、濃縮水W21の導電率などを測定することにより、膜処理部12から排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の塩化物イオンなどのイオン成分の濃度を推算する。制御部18は、水質測定部17で測定された濃縮水W21の導電率に基づいて、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を推算し,透過水W22にバイパス水W26として供給される脱硫排水W11の流量を制御して、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下とするように動作する。
制御部18は、濃縮水W21の導電率が基準値を超えた場合には、流量調整弁Vの開度を増大させて透過水W22に供給されるバイパス水W26の流量を増大させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Gは、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンの量を減らすことができると共に、膜処理部12から透過水W22と共に排出される塩化物イオンの量を増やすことができる。この結果、排ガス処理装置8G内の塩化物イオンの量を低減でき、排煙脱硫部11内の脱硫排水及び排煙脱硫部11から排出される脱硫排水W11の塩化物イオン濃度を基準値以下に低減できるので、塩化物イオンによる排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができる。
また、制御部18は、濃縮水W21の導電率が基準値以下となった際には、流量調整弁Vの開度を減少させて透過水W22に供給されるバイパス水W26の流量を減少させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Gは、膜処理部12から排煙脱硫部11に供給される濃縮水W21の流量が増大するので、排煙脱硫部11の塩化物イオン濃度が基準値以下の範囲で増加する。これにより、脱硫処理の効率を低下させることがなく運転することができると共に、排煙脱硫部11での硫黄分の回収量が増大する。その他の構成については、図1に示した排ガス処理装置1と同様であるため説明を省略する。
なお、図9Gに示す例では、濃縮水W21の水質の測定結果に基づいて濃縮水W21の循環量を制御する例について説明したが、制御部18は、透過水W22の水質の測定結果に基づいてバイパス水W26として透過水W22に供給される脱硫排水W11の供給量を制御してもよい。図9Hは、第5の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す模式図である。図9Hに示す排ガス処理装置8Hでは、水質測定部17は、濃縮水W21の水質に代えて、透過水W22の水質を測定する。水質測定部17は、透過水W22の水質として導電率などを測定することにより、膜処理部12から排出される透過水W22中の塩化物イオンなどのイオン成分の濃度を推算する。制御部18は、水質測定部17で測定された透過水W22の導電率に基づいて、透過水W22中の塩化物イオン濃度を推算し,透過水W22にバイパス水W26として供給される脱硫排水W11の流量を制御して、濃縮水W21中の塩化物イオン濃度を基準値以下とするように動作する。
制御部18は、透過水W22の導電率が基準値以下の場合には、流量調整弁Vの開度を増大させて透過水W22に供給されるバイパス水W26の流量を増大させるように動作する。これにより、排ガス処理装置8Hは、濃縮水W21と共に排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンの量を減らすことができると共に、膜処理部12から透過水W22と共に排出される塩化物イオンの量を増大させることができる。この結果、排ガス処理装置8H内の塩化物イオンの量を低減でき、排煙脱硫部11内の脱硫排水及び排煙脱硫部11から排出される脱硫排水W11の塩化物イオン濃度を基準値以下に低減できるので、塩化物イオンによる排煙脱硫部11の脱硫性能の低下を防ぐことができる。
また、制御部18は、透過水W22中の導電率が基準値を超えた際には、流量調整弁V
の開度を減少させて透過水W22に供給されるバイパス水W22の流量を減少させるように動作する。これにより、透過水W22に供給される脱硫排水W11の流量が増大するので、排煙脱硫部11の塩化物イオン濃度が基準値以下の範囲で増加する。これにより、脱硫処理の効率を低下させることがなく運転することができると共に、排煙脱硫部11での硫黄分の回収量が増大する。排煙脱硫部11における燃焼排ガスの脱硫処理を効率良く行うことができる。その他の構成については、図9Aに示した排ガス処理装置8Aと同様のため説明を省略する。
なお、上述した実施の形態では、導電率に基づいて濃縮水W21及び透過水W22の塩化物イオンの濃度を推算する例について説明したが、濃縮水W21及び透過水W22の水質は、各種化学分析の分析値に基づいて所定の基準値を設けて判断してもよい。
また、上述した実施の形態では、濃縮水W21及び透過水W22の循環量を調整することによって排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンの量を制御する例について説明したが、脱硫排水W11の加温及びpHの調整によって分離膜の塩化物イオン透過係数を増大させることにより、排煙脱硫部11に供給される塩化物イオンの量を制御してもよい。
なお、図9D〜図9Fに示した例では、膜処理部12としては、複数の膜分離部が圧力容器内に配置されたものを用いてもよい。図10は、本実施の形態に係る膜処理部の一例を示す図である。図10に示す膜処理部12は、圧力容器(ベッセル)120内に配置された複数(本実施の形態では、7個)の第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7を備える。第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7は、脱硫排水W11を濃縮水W21と透過水W22とに膜分離する分離膜12aを有する。圧力容器120は、脱硫排水W11を圧力容器120内に導入する脱硫排水導入管1201と、圧力容器120内から脱硫排水W11を排出する脱硫排水排出管1202と、第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7を直列に連結する集水管1203とを備える。集水管1203は、第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7で膜分離された透過水W22を集水する。また、集水管1203は、内部に設けられた隔壁1203aにより、圧力容器120内を流れる脱硫排水W11の流れ方向における上流側(以下、単に「上流側」ともいう)の上流側集水管1203bと下流側(以下、単に「下流側」ともいう)の下流側集水管1203cとに区分されている。第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7としては、例えば、分離膜12aの一端側が集水管1203に連通されると共に、メッシュスペーサー(不図示)を介して巻回されたスパイラル型分離膜を備えたものが用いられる。
膜処理部12は、脱硫排水供給ラインL及び脱硫排水導入管1201を介して圧力容器120内に導入された脱硫排水W11を、第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7の分離膜12aにより硫酸イオンが濃縮された濃縮水W21と硫酸イオンが除去された透過水W22とに膜分離する。また、膜処理部12は、脱硫排水排出管1202及び濃縮水供給ラインL21を介して濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給する。膜処理部12は、第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7で膜分離された透過水W22を集水管1203によって集水する。また、膜処理部12は、集水した透過水W22を集水管1203の隔壁1203aによって、下流側集水管1203bを介して膜処理部12の下流側から排出される透過水W22−1と、上流側から排出される透過水W22−2とに区分する。また、膜処理部12は、透過水排出ラインL22−1を介して透過水W22−1を膜処理部12の下流側から外部に排出すると共に、透過水排出ラインL22−2を介して透過水W22−2を膜処理部12の上流側から外部に排出する。膜処理部12の上流側から排出される透過水W22−2は、下流側から排出される透過水W22−1に対して塩化物イオン濃度が低い。
第1膜分離部12−1は、圧力容器120内の脱硫排水導入管1201側に設けられる。第1膜分離部12−1の後段には、上流側集水管1203cによって第1膜分離部12−1に連結された第2膜分離部12−2が設けられる。第2膜分離部12−2の後段には、上流側集水管1203cによって第2膜分離部12−2に連結された第3膜分離部12−3が設けられる。第3膜分離部12−3の後段には、隔壁1203aを介して上流側集水管1203c及び下流側集水管1203bに区分する集水管1203によって第3膜分離部12−3に連結された第4膜分離部12−4が設けられる。第4膜分離部12−4の後段には、下流側集水管1203bによって第4膜分離部12−4に連結された第5膜分離部12−5が設けられる。第5膜分離部12−5の後段には、下流側集水管1203bによって第5膜分離部12−5に連結された第6膜分離部12−6が設けられる。第6膜分離部12−6の後段には、下流側集水管1203bによって第6膜分離部12−6に連結された第7膜分離部12−7が設けられる。
すなわち、膜処理部12では、集水管1203内の隔壁1203aより上流側に膜分離部12−1〜膜分離部12−3が設けられ、圧力容器120内の隔壁1203aより下流側に膜分離部12−4〜膜分離部12−7が設けられ、第1分離膜12aを含む複数の第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7が集水管1203によって直列に接続されている。ここで、直列に接続とは、膜処理部12の上流側の第1膜分離部12−1〜第6膜分離部12−6で膜分離された濃縮水W21が、圧力容器120と第1膜分離部12−1〜第6膜分離部12−6との間を介して次段の第2膜分離部12−6〜第7膜分離部12−7に供給され、第1膜分離部12−1〜第3膜分離部12−3で膜分離された透過水W22が、上流側集水管1203cを介して透過水W22−2として膜処理部12の外部に排出されると共に、第4膜分離部12−4〜第7膜分離部12−7で膜分離された透過水W22が下流側集水管1203bを介して透過水W22−1として膜処理部12の外部に排出される接続である。これにより、膜処理部12は、脱硫排水W11中の硫酸イオンが順次濃縮された高濃縮の濃縮水W21と脱硫排水W11中の硫酸イオンが除去された透過水W22とに脱硫排水W11を膜分離できると共に、圧力容器120の上流側から排出される透過水W22−1と圧力容器120の下流側から排出されるW22−2とに透過水W22を区分することができる。この結果、膜処理部12は、硫酸イオンが高濃度に濃縮された濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給することができると共に、相互に塩化物イオン濃度が異なる透過水W22−1,W22−2をそれぞれ脱硫排水W11に供給することができる。
分離膜12aとしては、第1の実施の形態の分離膜と同様のものを用いることができる。また、分離膜12aとしては、7つの第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7で同一の分離膜12aを用いてもよく、相互に異なる分離膜12aを用いてもよい。
第1膜分離部12−1は、脱硫排水W11を濃縮水W21と透過水W22−2(W22)とに膜分離する。また、第1膜分離部12−1は、膜分離により得られた濃縮水W21を第2膜分離部12−2に供給する。また、第1膜分離部12−1は、膜分離により得られた透過水W22−2を、上流側集水管1203c及び透過水排出ラインL22−2を介して膜処理部12の上流側から膜処理部12の外部に排出する。
第2膜分離部12−2は、第1膜分離部12−1から供給された濃縮水W21を濃縮水W21と透過水W22−2(W22)とに膜分離する。また、第2膜分離部12−2は、濃縮水W21を第3膜分離部12−3に供給する。また、第2膜分離部12−2は、膜分離により得られた透過水W22−2を、上流側集水管1203c及び透過水排出ラインL22−2を介して膜処理部12の上流側から膜処理部12の外部に排出する。
第3膜分離部12−3は、第2膜分離部12−2から供給された濃縮水W21を濃縮水W21と透過水W22−2(W22)とに膜分離する。また、第3膜分離部12−3は、濃縮水W21を第4膜分離部12−4に供給する。また、第3膜分離部12−3は、膜分離により得られた透過水W22−2を、上流側集水管1203c及び透過水排出ラインL22−2を介して膜処理部12の上流側から膜処理部12の外部に排出する。
第4膜分離部12−4は、第3膜分離部12−3から供給された濃縮水W21を濃縮水W21と透過水W22−1(W22)とに膜分離する。また、第4膜分離部12−4は、膜分離により得られた濃縮水W21を第5膜分離部12−5に供給する。また、第4膜分離部12−4は、膜分離により得られた透過水W22−1を、下流側集水管1203b及び透過水排出ラインL22−1を介して膜処理部12の下流側から膜処理部12の外部に排出する。
第5膜分離部12−5は、第4膜分離部12−4から供給された濃縮水W21を濃縮水W21と透過水W22−1(W22)とに膜分離する。また、第5膜分離部12−5は、膜分離により得られた濃縮水W21を第6膜分離部12−6に供給する。また、第5膜分離部12−5は、膜分離により得られた透過水W22−1を、下流側集水管1203b及び透過水排出ラインL22−1を介して膜処理部12の下流側から膜処理部12の外部に排出する。
第6膜分離部12−6は、第5膜分離部12−5から供給された濃縮水W21を濃縮水W21と透過水W22−1(W22)とに膜分離する。また、第6膜分離部12−6は、膜分離により得られた濃縮水W21を第7膜分離部12−7に供給する。また、第6膜分離部12−6は、膜分離により得られた透過水W22−1を、下流側集水管1203b及び透過水排出ラインL22−1を介して膜処理部12の下流側から膜処理部12の外部に排出する。
第7膜分離部12−7は、第6膜分離部12−6から供給された濃縮水W21を濃縮水W21と透過水W22−1(W22)とに膜分離する。また、第7膜分離部12−7は、膜分離により得られた濃縮水W21を濃縮水供給ラインL21を介して排煙脱硫部11に供給する。また、第7膜分離部12−7は、膜分離により得られた透過水W22−1を、下流側集水管1203b及び透過水排出ラインL22−1を介して膜処理部12の下流側から膜処理部12の外部に排出する。
透過水排出ラインL22−1は、透過水排出ラインL22に接続される。透過水排出ラインL22−1と脱硫排水供給ラインLとの間には、透過水循環ラインL62が接続される。透過水排出ラインL22−2は、透過水循環ラインL62に接続される。透過水循環ラインL62における透過水排出ラインL22−1との接続点Pと透過水排出ラインL22−1との接続点Pとの間には、透過水循環ラインL62を流れる透過水W22−1の流量を調整する流量調整弁V2Aが設けられている。また、透過水循環ラインL62における透過水排出ラインL22−2との接続点Pと脱硫排水供給ラインLとの接続点Pとの間には、透過水循環ラインL62を流れる循環水W25の流量を調整する流量調整弁Vが設けられている。流量調整弁V,V2Aは、制御部18(図9A参照)によって開度が制御される。このような構成により、膜処理装置12の下流側から排出される透過水W22−1は、透過水排出ラインL22−1及び透過水循環ラインL62を介して循環水W25として脱硫排水供給ラインLを流れる脱硫排水W11に供給可能となっている。また、膜処理装置12の上流側から排出される透過水W22−2は、透過水排出ラインL22−2及び透過水循環ラインL62を介して循環水W25として脱硫排水供給ラインLを流れる脱硫排水W11に供給可能となっている。
次に、本実施の形態に係る膜処理部12の動作について説明する。排煙脱硫部11から膜処理部12に供給された脱硫排水W11は、第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7で順次膜分離され、硫酸イオンが高濃度に濃縮された濃縮水W21と硫酸イオンが除去された透過水W22−1,W22−2とに膜分離される。膜分離された濃縮水W21は、濃縮水供給ラインL21を介して排煙脱硫部11に供給され、膜分離された透過水W22−1,W22−2は、透過水排出ラインL22−1,L22−2を介して膜分離部12の外部に排出される。
透過水W22−1,W22−2を循環水W25として脱硫排水W11に循環しない場合には、制御部18は、流量調整弁V2Aの開度を増大させると共に、流量調整弁Vを閉止する。この結果、透過水W22−1,W22−2は、透過水排出ラインL22,L22−1,L22−2及び透過水循環ラインL62を介して透過水として排出される。
透過水W22−1,W22−2を循環水W25として脱硫排水W11に循環する場合には、制御部18は、流量調整弁V,V2Aの開度をそれぞれ増大させる。これにより、脱硫排水W11に対して塩化物イオンの濃度が低い透過水W22−1,W22−2が透過水排出ラインL22−1,L22−2及び透過水循環ラインL62を介して脱硫排水W11に供給されるので、脱硫排水W11の塩化物イオンの濃度を低減することが可能となる。
透過水W22−2を循環水W25として脱硫排水W11に循環する場合には、制御部18は、流量調整弁V2Aの開度を減少させると共に、流量調整弁Vの開度を増大させる。これにより、透過水W22−1に対して塩化物イオンの濃度が低い透過水W22−2が透過水排出ラインL22−2及び透過水循環ラインL62を介して脱硫排水W11に供給されるので、脱硫排水W11の塩化物イオンの濃度を効率良く低減することが可能となる。その他の動作は、図9D〜図9Fに示した排ガス処理装置8D〜8Fと同一のため説明を省略する。
このように、図10に示す膜処理部12によれば、7つの第1膜分離部12−1〜第7膜分離部12−7によって順次濃縮された濃縮水W21を排煙脱硫部11に供給できるだけでなく、相互に塩化物イオン濃度が異なる透過水W22−1,W22−2との少なくとも一方を脱硫排水11に供給することが可能となる。これにより、例えば、脱硫排水11中の塩化物イオン濃度が高い場合には、透過水W22−1より塩化物イオン濃度が低い透過水W22−2で脱硫排水W11を効率よく希釈することも可能となる。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について説明する。なお、以下においては、上述した第1の実施の形態と共通する構成要素には同一の符号を付している。また、上述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、説明の重複を避ける。
図11Aは、第6の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示す模式図である。図11Aに示すように、排ガス処理装置9Aは、図1に示した排ガス処理装置1の構成に加えて、膜処理部12の後段に設けられた蒸発処理部19を備える。蒸発処理部19は、膜処理部12から透過水排出ラインL22を介して供給される透過水W22から水分を蒸発させて蒸気を得ると共に、溶解性物質が濃縮された濃縮液及び固化塩を得る。蒸発処理部19としては、透過水W22中の水分を蒸発できるものであれば特に制限はなく、例えば、排水スプレードライヤ(WSD:Wastewater Spray Dryer)などの各種スプレードライヤ、各種晶析装置などを用いることができる。また、蒸発処理部19としては、透過水W22から水分を完全に蒸発させる必要がない場合には、蒸発濃縮器を用いてもよい。
図11Bは、第6の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す模式図である。図11Bに示すように、排ガス処理装置9Bは、図3に示した排ガス処理装置2の構成に加えて、第2膜処理部122の後段に設けられた蒸発処理部19を備える。蒸発処理部19は、第2膜処理部122から濃縮水排出ラインL31を介して供給される濃縮水W31から水分を蒸発させて蒸気を得ると共に、溶解性物質が濃縮された濃縮液及び固化塩を得る。蒸発処理部19としては、図11Aに示したものと同様のものを使用できる。
図12Aは、第6の実施の形態に係る排ガス処理装置の別の例を示す模式図である。図12Aに示すように、排ガス処理装置10Aは、図1に示した排ガス処理装置1の構成に加えて、膜処理部12の後段に設けられた後処理部20を備える。後処理部20は、膜処理部12から透過水排出ラインL22を介して供給される透過水W22中に石炭灰、ライムなどのアルカリ、セメント及び各種薬剤などを添加して不純物を固化する。また、後処理部20は、後処理水排出ラインLを介して不純物を除去した後処理水Wを排出する。ここでは、後処理部20は、イオン交換樹脂を使用したイオン交換処理及びキレート樹脂を使用したキレート処理などにより透過水W22中に含まれる有害重金属などの不純物を除去してもよい。このような透過水W22中の不純物を除去する後処理部20を設けることにより、透過水W22中の不純物を除去して放流することが可能となる。
なお、後処理部20では、水銀吸着用キレート樹脂及びセレン(Se)吸着用キレート樹脂などの各種キレート樹脂を用いることにより、後処理水W中の水銀及びセレンを除去することもできる。水銀吸着用キレート樹脂としては、例えば、商品名:エポラス(登録商標)、型番:Z−7、Z−100などが用いられる。セレン吸着用キレート樹脂としては、商品名:エポラス(登録商標)、型番:SE−3、AS−4などが用いられる。
図12Bは、第6の実施の形態に係る排ガス処理装置の他の例を示す模式図である。図12Bに示すように、排ガス処理装置10Bは、図3に示した排ガス処理装置2の構成に加えて、膜処理部12の第2膜処理部122の後段に設けられた後処理部20を備える。後処理部20は、第2膜処理部122から濃縮水排出ラインL31を介して供給される第2濃縮水W31中の有害重金属などの不純物を除去し、後処理水排出ラインLを介して不純物を除去した後処理水Wを排出する。後処理部20としては、上述した図12Aに示したものと同様の物を用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、透過水W22及び濃縮水W31の水分を蒸発させる蒸発処理部19を設けることにより、透過水W22及び濃縮水W31の水分を蒸発させて蒸気を得ることができるので、排ガス処理装置9A,9Bから排ガス処理装置9A,9Bの外部に排出される排水を大幅に削減することが可能となる。また、透過水W22及び濃縮水W31中の有害重金属などの不純物を除去する後処理部20を設けることにより、透過水W22及び濃縮水W31中の有害重金属などの不純物を除去して放流することができるので、排ガス処理装置10A,10Bから排ガス処理装置10A,10Bの外部に排出される排水の量を大幅に削減することが可能となる。
なお、上述した各実施の形態では、脱硫排水W11の還元処理及び沈殿処理により、脱硫排水W11中に含まれる有害重金属としてのセレンを除去することもできる。還元処理としては、過酸化水素(H)などの各種還元剤を用いた還元処理が挙げられる。また、沈殿処理としては、例えば、鉄共沈などの沈殿処理が挙げられる。
また、上述した各実施の形態では、フミン酸及びタンニン酸などの酸化阻害物質の濃縮による濃度増加を防止するために、脱硫排水W11などに空気、酸素(O)、塩素(Cl)、次亜塩素酸(ClO)、亜塩素酸(ClO )、オゾン(O)、過酸化水素(H)からなる群から選択された少なくとも1種の酸化剤を添加してもよい。この酸化剤の添加により、酸化阻害物質を分解処理できるので、酸化阻害物質の濃度増加を防ぐこともできる。
1,2,3,4,5A,5B,6,7,8A,8B,8C,8D,8E,8F,9A,9B,10A,10B 排ガス処理装置
11 排煙脱硫部
12 膜処理部
12a 分離膜
12−1 第1膜処理部
12−2 第2膜処理部
12−3 第3膜処理部
12−4 第4膜処理部
12−5 第5膜処理部
12−6 第6膜処理部
12−7 第7膜処理部
120 圧力容器
1201 脱硫排水導入管
1202 脱硫排水排出管
1203 集水管
1203a 隔壁
1203b 下流側集水管
1203c 上流側集水管
121 第1膜処理部
122 第2膜処理部
13 希釈水供給部
14 補給水供給部
15 前処理部
151 凝集沈殿部
151a スラッジ
152 砂濾過部
153 濾過部
153a 濾過膜
16 水銀除去部
161 固液分離部
162 水銀処理部
17 水質測定部
18 制御部
19 蒸発処理部
20 後処理部
21 陽極
22 陰極
23 陽イオン交換膜
23A 1価選択透過性陽イオン交換膜
24 陰イオン交換膜
24A 1価選択透過性陰イオン交換膜
25A,25B,25C,25D 透析膜
11,W12,W13,W16 脱硫排水
14 前処理水
15,W21,W31 濃縮水
21A 循環濃縮水
22,W22−1,W22−2,W32 透過水
23,W24,W25,W33 循環水
26 バイパス水
希釈水
補給水
後処理水
脱硫排水供給ライン
21 濃縮水供給ライン
21A 濃縮水循環ライン
22,L22−1,L22−2,L32 透過水排出ライン
31 濃縮水排出ライン
41 希釈水供給ライン
42 補給水分岐ライン
43,L44 透過水供給ライン
61 濃縮水循環ライン
62 透過水循環ライン
後処理水排出ライン
,V 流量調整弁

Claims (17)

  1. 燃焼排ガスを洗浄して硫酸イオンを含有する脱硫排水を排出する排煙脱硫部と、
    前記脱硫排水を、硫酸イオンが低減された第1透過水と硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水とに膜分離する第1分離膜を有し、前記第1濃縮水を前記排煙脱硫部に供給する一方、前記第1透過水を排出する第1膜処理部と、
    を備えたことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記第1分離膜は、前記脱硫排水中の硫酸イオンの透過率に対して塩化物イオンの透過率が高い、請求項1に記載の排ガス処理装置。
  3. 前記脱硫排水を希釈する希釈水を供給する希釈水供給部を備えた、請求項1又は請求項2に記載の排ガス処理装置。
  4. 前記希釈水供給部が、前記排煙脱硫部に補給水を供給する補給水供給部であり、前記補給水供給部は、前記希釈水として前記補給水の少なくとも1部を前記脱硫排水に供給する、請求項3に記載の排ガス処理装置。
  5. 前記脱硫排水中のスケール成分を除去する前処理をし、前処理をした前記脱硫排水を前記第1膜処理部に供給する前処理部を備えた、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  6. 前記第1膜処理部は、前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方を前記第1膜処理部に供給される前記脱硫排水に循環可能であり、
    前記第1濃縮水の塩化物イオン濃度が基準値を超えた場合に、前記脱硫排水に循環する前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方の流量を制御して、前記第1濃縮水中の塩化物イオン濃度を前記基準値以下とする流量制御部を備えた、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  7. 前記第1膜処理部は、前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方を前記第1膜処理部に供給される前記脱硫排水に循環可能であり、
    前記第1透過水の塩化物イオン濃度が基準値未満となった場合に、前記脱硫排水に循環する前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方の流量を制御して、前記第1透過水中の塩化物イオン濃度を基準値以上とする流量制御部を備えた、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  8. 前記第1膜処理部は、前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方を前記第1膜処理部に供給される前記脱硫排水に循環可能であり、
    前記脱硫排水の塩化物イオン濃度が基準値を超えた場合に、前記脱硫排水に循環する前記第1透過水及び前記第1濃縮水の少なくとも一方の流量を制御して、前記脱硫排水中の塩化物イオン濃度を基準値以下とする流量制御部を備えた、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  9. 塩化物イオンを含有する前記第1透過水を、塩化物イオンが低減された第2透過水と塩化物イオンが濃縮された第2濃縮水とに膜分離する第2分離膜を有する第2膜処理部を備えた、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  10. 前記第2膜処理部は、前記第2透過水の少なくとも一部を希釈水として前記脱硫排水に供給する、請求項9に記載の排ガス処理装置。
  11. 前記第2濃縮水を蒸発させて蒸発水を得る蒸発処理部を備えた、請求項9又は請求項10に記載の排ガス処理装置。
  12. 前記第2濃縮水中の一方の不純物を除去して後処理水を得る後処理部を備えた、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  13. 前記第1透過水を蒸発させて蒸発水を得る蒸発処理部を備えた、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  14. 前記第1透過水中の不純物を除去して後処理水を得る後処理部を備えた、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  15. 前記脱硫排水中の固体状の水銀及び液状の水銀を、前記脱硫排水から分離する固液分離部を備えた、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  16. 前記脱硫排水中の溶解性水銀を除去する水銀処理部を備えた、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  17. 燃焼排ガスを排煙脱硫部で洗浄して硫酸イオンを含有する脱硫排水を排出する排煙脱硫工程と、
    前記脱硫排水を、硫酸イオンが低減された第1透過水と硫酸イオンが濃縮された第1濃縮水とに第1分離膜によって膜分離し、前記第1濃縮水を前記排煙脱硫部に供給する一方、前記第1透過水を排出する第1膜処理工程と、
    を含むことを特徴とする排ガス処理方法。
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