JP6105500B2 - 硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水の処理方法、および処理設備 - Google Patents

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本発明は、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水からホウ素を除去する技術に関する。
石炭火力発電所、窯業所などで発生する脱硫排水には、硫酸イオンとともにホウ素が多量に含まれている。
ここで、ホウ素含有排水からホウ素を除去する方法として、例えば、特許文献1に記載の方法がある。特許文献1に記載の方法は、まず、ホウ素含有水を蒸発濃縮法などにより濃縮してホウ素濃縮水とする。その後、このホウ素濃縮水を層状無機水酸化物と接触させ、ホウ素濃縮水中のホウ素を層状無機水酸化物に吸着させて除去する。
特許文献1には、ホウ素含有水を濃縮した後に層状無機水酸化物に接触させてホウ素を除去することで、ホウ素含有水を濃縮しないで層状無機水酸化物に接触させてホウ素を除去する場合よりも、ホウ素除去率が向上する、と記載されている(特許文献1の明細書の段落0079)。
特許第5214756号公報
しかしながら、石炭火力発電所などで発生する例えば脱硫排水(ホウ素だけでなく硫酸イオンも含有する排水)に、特許文献1に記載の方法を適用するのは問題である。硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水を層状無機水酸化物と接触させると、ホウ素よりも硫酸イオンが優先的に層状無機水酸化物に吸着される。そのため、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水では、層状無機水酸化物へのホウ素の吸着量が極端に低下する。
特許文献1では、ホウ素含有水を濃縮してホウ素濃縮水とし、このホウ素濃縮水を層状無機水酸化物と接触させる。この場合、ホウ素含有水に硫酸イオンが含まれている場合、当該ホウ素含有水の濃縮操作により、ホウ素だけでなく硫酸イオンも濃縮される。この濃縮水を層状無機水酸化物と接触させると、ホウ素よりも硫酸イオンが優先的に層状無機水酸化物に吸着されるので、ホウ素の吸着量が極端に低下してしまう。結果として、層状無機水酸化物が安価であるとはいえ、多量の層状無機水酸化物が必要となる。また、層状無機水酸化物の充填量が少なければ、所望のホウ素濃度の処理水(排水)を得ることができない。
なお、層状無機水酸化物は、層状複水酸化物(Layered Double Hydroxides)とも呼ばれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水を処理するに際し、層状複水酸化物へのホウ素の吸着率を高めることができる処理方法を提供することである。
本発明は、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水の処理方法である。この処理方法は、前記排水から硫酸イオンを除去する第1工程と、硫酸イオンが除去された前記排水を層状複水酸化物と接触させて、当該排水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する第2工程と、を備える。
また、本発明は、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水の処理設備に関するものでもある。この処理設備は、前記排水から硫酸イオンを除去する硫酸イオン除去装置と、前記硫酸イオン除去装置の下流側に配置され、硫酸イオンが除去された前記排水を層状複水酸化物と接触させて、当該排水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去するLDH吸着塔と、を備える。
本発明によると、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水を処理するに際し、公知のホウ素含有排水処理技術よりも、層状複水酸化物へのホウ素の吸着率を格段に高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る排水処理設備を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る排水処理設備を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る排水処理設備を示すブロック図である。 吸着剤として層状複水酸化物を用いた場合の、硫酸イオンおよびホウ素を含有する被処理水(原水)中の硫酸イオン濃度と、ホウ素吸着量との関係を示すグラフである。 吸着剤として層状複水酸化物を用いた場合の、硫酸イオンおよびホウ素を含有する被処理水(原水)中のホウ素濃度と、ホウ素吸着量との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る排水処理設備の構成について説明する中で、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水の処理方法における各工程について説明する。
ここで、ホウ素は水に溶解したホウ素イオンをいい、例えばホウ酸イオンの形態や水酸化物イオンの形態などで存在する。
(第1実施形態の排水処理設備の構成)
図1に示すように、第1実施形態の排水処理設備100は、その処理工程の上流側から順に、逆浸透膜装置1、およびLDH吸着塔2を備えている。なお、原水(排水)中の硫酸イオンの濃度は、例えば、2000mg/Lであり、ホウ素の濃度は、例えば、200〜500mg/Lである。また、石炭火力発電所などで発生する排ガス中にはSOxが含まれており、この排ガスを水洗すると、SOxは、水中に硫酸イオンとして溶け込む。
<逆浸透膜装置(硫酸イオン除去装置)>
逆浸透膜装置1は、RO膜(逆浸透膜)が組み込まれた逆浸透膜モジュール、当該逆浸透膜モジュールへ原水(排水)を供給するポンプなどを具備してなる装置である。
硫酸イオンおよびホウ素を含有する原水(排水)を逆浸透膜装置1の逆浸透膜モジュール(RO膜)に通すことで、硫酸イオンおよびホウ素を含有する原水(排水)から硫酸イオンを除去する(第1工程)。当該原水を配管11経由で逆浸透膜装置1の逆浸透膜モジュールに通すと、原水中の硫酸イオンはRO膜で阻止され、硫酸イオンを含有する濃縮水となって配管13を流れる。一方、原水中のホウ素は、硫酸イオンよりもRO膜を透過し易いので、ホウ素を含有する透過水として配管12を流れる。
なお、RO膜ではなく、NF膜(ナノろ過膜)を用いて(NF膜により)、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水から硫酸イオンを除去してもよい。さらには、RO膜、NF膜のような膜分離法ではなく、凝集沈殿処理(凝集沈殿法)、電気透析、蒸発濃縮処理(蒸発濃縮法)などにより、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水から硫酸イオンを除去してもよい。
また、処理(第1工程、および後述する第2工程)時のpHとしては特に限定されないがpH5〜pH11で処理することができる。ホウ素イオン除去の観点からは中性〜弱アルカリ性が好ましく、pH7〜9.5更にはpH8〜9で処理される。一方で、逆浸透膜等の膜を利用する場合(第1工程)、pH5〜7程度に調整することによりスケールを抑制することもできる。pHを5〜7に調整した場合、後述するLDH吸着塔における処理(第2工程)前にpHを中性〜弱アルカリ性(例えばpH7〜9.5、更にはpH8〜9)に調整することが好ましい。
硫酸イオンを排水から完全に除去する必要は無いが、硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下となるように逆浸透膜装置1により硫酸イオンを排水から除去することが好ましい。これは被処理水中の硫酸イオン濃度を1000mg/L以下とすることでLDHへのホウ素吸着量を高めることができるためである。
<LDH吸着塔>
逆浸透膜装置1の下流側に配置されたLDH吸着塔2は、層状複水酸化物(LDH)が内部に充填されてなる吸着塔である。なお、層状複水酸化物(Layered Double Hydroxides 略称 LDH)は、陰イオン交換能を有する、無機の骨格(金属水酸化物層)を持った層状化合物であり、次の一般式で表される。
[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・mHO]
逆浸透膜装置1により硫酸イオンが除去されたホウ素を含有する透過水(排水)をLDH吸着塔2に供給することで、当該透過水と層状複水酸化物とを接触させ、当該透過水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する(第2工程)。ホウ素が除去された透過水(排水)は、処理水として配管14を流れる。
ここで、図4は、吸着剤として層状複水酸化物を用いた場合の、硫酸イオンおよびホウ素を含有する被処理水(原水)中の硫酸イオン濃度と、ホウ素吸着量との関係を示すグラフである。図5は、吸着剤として層状複水酸化物を用いた場合の、硫酸イオンおよびホウ素を含有する被処理水(原水)中のホウ素濃度と、ホウ素吸着量との関係を示すグラフである。
まず、図5より、硫酸イオンおよびホウ素を含有する被処理水中のホウ素濃度に関しては、被処理水中のホウ素濃度が高くなるのにほぼ比例して、LDHへのホウ素吸着量も増加することがわかる。これに対して、硫酸イオンおよびホウ素を含有する被処理水中の硫酸イオン濃度に関しては、被処理水中の硫酸イオン濃度が2000mg/Lと高いと、硫酸イオン濃度が1000mg/L以下の場合に比べて、LDHへのホウ素吸着量が極端に低下することがわかる。
(作用・効果)
本実施形態の排水処理設備100によると、層状無機水酸化物にホウ素よりも優先的に吸着される硫酸イオンを除去した排水を層状複水酸化物と接触させることで、層状複水酸化物にホウ素を吸着させて除去するので、層状複水酸化物へのホウ素の吸着率を高めることができる。そのため、特許文献1に記載の処理方法よりも、ホウ素の吸着量を高めることができる。
ここで、硫酸イオンの除去方法としては、本実施形態のようにRO膜(逆浸透膜)またはNF膜(ナノろ過膜)を用いた方が好ましい。凝集沈殿処理(凝集沈殿法)、電気透析、蒸発濃縮処理(蒸発濃縮法)などの方法によっても、硫酸イオンおよびホウ素を含有する排水から硫酸イオンを除去することができるが、例えば、凝集沈殿処理(凝集沈殿法)によると、注入する薬剤が多く必要であり、処理コストの面で不利である。また、電気透析、蒸発濃縮処理(蒸発濃縮法)によると、必要な電力量が大きく、同様に処理コストの面で不利である。薬剤注入が特に必要でなく、且つ電力量も比較的小さくて済む、RO膜(逆浸透膜)またはNF膜(ナノろ過膜)を用いた処理のほうが処理コストを低減することができる。
また、本実施形態においては硫酸イオンを2000mg/L含む原水を利用したが、原水中の硫酸イオン濃度は、これに限定されることはない。硫酸イオンを1500mg/L以上含む原水に対して本処理方法を適用することがで、ホウ素の吸着量を高めることができるという効果が大きく発揮される。なお、飽和状態である2000mg/L以上含む原水についてより好適に本処理方法を適用することが出来る。
また、本願でいうLDHは、ナノ層状復水酸化物も含むものである。
(第2実施形態の排水処理設備の構成)
図2を参照しつつ、第2実施形態の排水処理設備101について説明する。なお、図2に示す排水処理設備101において、図1に示した排水処理設備100を構成する機器・配管と同様の機器・配管については、同じ符号を付している。
逆浸透膜装置1にて分離された配管15を流れる濃縮水(第1工程において除去された硫酸イオンの濃縮水)中には、ホウ素が含有されている。ホウ素は、硫酸イオンよりもRO膜を透過し易いが、RO膜を透過せずに配管15に流れ出るものもあるからである。第2実施形態の排水処理設備101は、RO膜を透過せずに配管15に流れ出たホウ素も、層状複水酸化物で吸着除去しようとするものである。
逆浸透膜装置1の濃縮水側には、その処理工程の上流側から順に、硫酸イオン除去槽3、および第2LDH吸着塔4が設置される。逆浸透膜装置1と硫酸イオン除去槽3とは配管15で接続され、硫酸イオン除去槽3と第2LDH吸着塔4とは配管16で接続されている。また、透過水側のLDH吸着塔2下流側の配管14と、濃縮水側の硫酸イオン除去槽3と第2LDH吸着塔4とを結ぶ配管16とは配管18で接続されている。
<硫酸イオン除去槽>
硫酸イオン除去槽3は、槽本体と、槽本体にPAC(ポリ塩化アルミニウム)などの凝集剤(薬剤)を注入する装置などを具備してなる凝集沈殿槽である。
<第2LDH吸着塔>
硫酸イオン除去槽3の下流側に配置された第2LDH吸着塔4は、透過水側のLDH吸着塔2と同じく、層状複水酸化物(LDH)が内部に充填されてなる吸着塔である。
本実施形態では、逆浸透膜装置1(第1工程)にて除去された硫酸イオンの濃縮水を硫酸イオン除去槽3に投入するとともに、硫酸イオン除去槽3にPAC(凝集剤)を注入することで、当該濃縮水中の硫酸イオンを硫酸カルシウム(硫酸塩)として凝集させる。そして凝集した硫酸カルシウムを槽底から引き抜いて除去する。なお、硫酸カルシウムのカルシウム源は、濃縮水中に元々含まれているカルシウムである。
その後、硫酸イオンが除去されたホウ素を含有する濃縮水を配管16経由で第2LDH吸着塔4に供給することで、当該濃縮水と層状複水酸化物とを接触させ、当該濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する(硫酸イオン濃縮水処理工程)。ホウ素が除去された濃縮水(排水)は、処理水として配管17を流れる。
ここで、本実施形態では、透過水側のLDH吸着塔2を出てホウ素が除去された透過水の一部を配管18経由で配管16に送り、硫酸イオン除去槽3を出た濃縮水を希釈している。その後、第2LDH吸着塔4にてホウ素を吸着除去している。すなわち、硫酸イオン濃縮水処理工程において、硫酸イオン除去槽3にて硫酸イオンが除去された濃縮水を、第2工程で得られた処理水で希釈した後、第2LDH吸着塔4にて層状複水酸化物と接触させて、当該濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去している。
(作用・効果)
本実施形態では、逆浸透膜装置1(第1工程)において除去された硫酸イオンの濃縮水にPAC(凝集剤)を注入することで、当該濃縮水中の硫酸イオンを硫酸塩として凝集させて除去し、その後、層状複水酸化物と接触させて、硫酸イオンが除去された濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する。この構成によると、RO膜などの膜を透過せずに濃縮水側に流れ出たホウ素も、その吸着率を高めて、層状複水酸化物で吸着除去することができる。
なお、硫酸イオン除去槽3にPAC(凝集剤)ではなく、消石灰(Ca(OH))などの薬剤を注入して、濃縮水中の硫酸イオンを硫酸カルシウム(硫酸塩)として析出させて除去し、その後、層状複水酸化物と接触させて、硫酸イオンが除去された濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去してもよい。
また、本実施形態では、硫酸イオン除去槽3にて硫酸イオンが除去された濃縮水を、透過水側のLDH吸着塔2で得られた処理水で希釈した後、第2LDH吸着塔4にて層状複水酸化物と接触させて、当該濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去している。この構成によると、第2LDH吸着塔4に供給される濃縮水が処理水で希釈されるので、硫酸イオン除去槽3を出た濃縮水が硫酸イオンを2000mg/L以上含む場合であっても、第2LDH吸着塔4に入る前に希釈されることにより硫酸イオン濃度が低下するので(例えば、硫酸イオン濃度が1000mg/L以下となるように濃縮水中の硫酸イオン濃度を低下させる)、第2LDH吸着塔4において、硫酸イオンによってホウ素吸着が阻害されることを防止することができる(第3実施形態においても同様)。
(第3実施形態の排水処理設備の構成)
図3を参照しつつ、第3実施形態の排水処理設備102について説明する。なお、図3に示す排水処理設備102において、図2に示した排水処理設備101を構成する機器・配管と同様の機器・配管については、同じ符号を付している。
<硫酸イオン除去槽>
第2実施形態と第3実施形態との主な相違点は、硫酸イオン除去槽にある。第2実施形態の硫酸イオン除去槽3は、PAC(ポリ塩化アルミニウム)などの凝集剤(薬剤)を注入する装置を具備しているが、本実施形態の硫酸イオン除去槽5は、薬剤の注入装置を特に有さない。本実施形態の硫酸イオン濃縮水処理工程は、晶析法による工程であり、薬剤を特に必要としない工程である。また、硫酸イオン除去槽5は、硫酸イオンの濃縮水中の硫酸イオンを、晶析法により除去する槽である。
<戻し配管>
逆浸透膜装置1(第1工程)において除去された硫酸イオンの濃縮水の一部を、逆浸透膜装置1(第1工程)の上流側に戻すための配管19を、本実施形態の排水処理設備102は有する。配管19は、逆浸透膜装置1と硫酸イオン除去槽3とを接続する配管15から分岐し、原水を逆浸透膜装置1に供給する配管11に下流端が接続されている。
本実施形態では、逆浸透膜装置1(第1工程)にて除去された硫酸イオンの濃縮水を硫酸イオン除去槽5に投入し、当該濃縮水中の硫酸イオンを硫酸カルシウム(硫酸塩)として晶析させる。そして晶析した硫酸カルシウムを槽底から引き抜いて除去する。なお、硫酸カルシウムのカルシウム源は、例えば、濃縮水中に元々含まれているカルシウムである。また、配管15を流れる濃縮水は、逆浸透膜装置1での濃縮操作により、硫酸イオンが過飽和となっている状態とされる。過飽和の状態とは、硫酸イオンが飽和値以上になっているが、析出していない状態のことをいう。
その後、硫酸イオンが除去されたホウ素を含有する濃縮水を配管16経由で第2LDH吸着塔4に供給することで、当該濃縮水と層状複水酸化物とを接触させ、当該濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する(硫酸イオン濃縮水処理工程)。ホウ素が除去された濃縮水(排水)は、処理水として配管17を流れる。
ここで、本実施形態では、逆浸透膜装置1(第1工程)において除去された硫酸イオンの濃縮水の一部を、硫酸イオン除去槽5(硫酸イオン濃縮水処理工程)に送るとともに、残りを、逆浸透膜装置1(第1工程)の上流側に戻している。硫酸イオン除去槽3に送る濃縮水の量と、逆浸透膜装置1の上流側に戻す濃縮水の量との比は、例えば、1:10である。
(作用・効果)
本実施形態では、逆浸透膜装置1(第1工程)において除去された硫酸イオンの濃縮水中の硫酸イオンを、晶析法により除去し、その後、層状複水酸化物と接触させて、硫酸イオンが除去された濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する。この構成によると、凝集剤などの薬剤を特に用いないので、処理コストを低減することができる。また、凝集剤を添加しない分、発生する沈殿物(固形廃棄物)の量も少ない。この観点からも処理コストを低減することができる。
また、本実施形態では、逆浸透膜装置1(第1工程)において除去された硫酸イオンの濃縮水の一部を、硫酸イオン除去槽5(硫酸イオン濃縮水処理工程)に送るとともに、残りを、逆浸透膜装置1(第1工程)の上流側に戻している。ここで、逆浸透膜装置1(第1工程)において除去された硫酸イオンの濃縮水の全てを、硫酸イオン除去槽5に送って晶析処理する場合、マテリアルバランスから、逆浸透膜装置1からLDH吸着塔2へ送る水量よりも、非常に大きな水量の濃縮水を硫酸イオン除去槽5へ送る必要が生じる。上記したように、逆浸透膜装置1において除去された硫酸イオンの濃縮水の一部を、硫酸イオン除去槽5に送るとともに、残りを、逆浸透膜装置1(第1工程)の上流側に戻せば、逆浸透膜装置1からLDH吸着塔2へ送る水量と、逆浸透膜装置1から硫酸イオン除去槽5へ送る水量との差を小さくすることができる。その結果、硫酸イオン除去槽5から第2LDH吸着塔4へ送る濃縮水を、透過水側のLDH吸着塔2で得られた処理水で十分に希釈することができる。
1:逆浸透膜装置(硫酸イオン除去装置)
2:ベルト式濃縮機
3、5:硫酸イオン除去槽
4:第2LDH吸着塔
11〜19:配管
100、101、102:排水処理設備

Claims (8)

  1. 硫酸イオンおよび濃度が100mg/L以上のホウ素を含有する排水の処理方法であって、
    硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下となるように逆浸透膜により前記排水から硫酸イオンを除去する第1工程と、
    硫酸イオンが除去された硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下の前記排水を層状複水酸化物と接触させて、当該排水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する第2工程と、
    を備え
    前記第1工程において除去された硫酸イオンの濃縮水に薬剤を注入することで、当該濃縮水中の硫酸イオンを硫酸塩として析出または凝集させて除去し、その後、層状複水酸化物と接触させて、硫酸イオンが除去された濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する硫酸イオン濃縮水処理工程をさらに備えることを特徴とする、排水処理方法。
  2. 硫酸イオンおよび濃度が100mg/L以上のホウ素を含有する排水の処理方法であって、
    硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下となるように逆浸透膜により前記排水から硫酸イオンを除去する第1工程と、
    硫酸イオンが除去された硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下の前記排水を層状複水酸化物と接触させて、当該排水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する第2工程と、
    を備え
    前記第1工程において除去された硫酸イオンの濃縮水中の硫酸イオンを、晶析法により除去し、その後、層状複水酸化物と接触させて、硫酸イオンが除去された濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する硫酸イオン濃縮水処理工程をさらに備えることを特徴とする、排水処理方法。
  3. 請求項に記載の排水処理方法において、
    前記第1工程において除去された硫酸イオンの濃縮水の一部を、前記硫酸イオン濃縮水処理工程に送るとともに、残りを、前記第1工程の上流側に戻すことを特徴とする、排水処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の排水処理方法において、
    前記第1工程時、前記排水のpHを5〜7程度に調整して、前記逆浸透膜により前記排水から硫酸イオンを除去し、
    前記第2工程時、前記排水のpHを7〜11に調整して、前記排水を層状複水酸化物と接触させて、当該排水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する、
    ことを特徴とする、排水処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の排水処理方法において、
    前記硫酸イオン濃縮水処理工程において、硫酸イオンが除去された前記濃縮水を、前記第2工程で得られた処理水で希釈した後、層状複水酸化物と接触させて、当該濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去することを特徴とする、排水処理方法。
  6. 硫酸イオンおよび濃度が100mg/L以上のホウ素を含有する排水の処理設備であって、
    硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下となるように前記排水から硫酸イオンを除去する逆浸透膜装置と、
    前記逆浸透膜装置の下流側に配置され、硫酸イオンが除去された硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下の前記排水を層状複水酸化物と接触させて、当該排水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去するLDH吸着塔と、
    前記逆浸透膜装置において除去された硫酸イオンの濃縮水に薬剤を注入することで、当該濃縮水中の硫酸イオンを硫酸塩として析出または凝集させて除去する硫酸イオン除去槽と、
    前記硫酸イオン除去槽の下流側に配置され、硫酸イオンが除去された濃縮水を層状複水酸化物と接触させて、当該濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する第2LDH吸着塔と、
    を備えることを特徴とする、排水処理設備。
  7. 硫酸イオンおよび濃度が100mg/L以上のホウ素を含有する排水の処理設備であって、
    硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下となるように前記排水から硫酸イオンを除去する逆浸透膜装置と、
    前記逆浸透膜装置の下流側に配置され、硫酸イオンが除去された硫酸イオンの濃度が1000mg/L以下の前記排水を層状複水酸化物と接触させて、当該排水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去するLDH吸着塔と、
    前記逆浸透膜装置において除去された硫酸イオンの濃縮水中の硫酸イオンを、晶析法により除去する硫酸イオン除去槽と、
    前記硫酸イオン除去槽の下流側に配置され、硫酸イオンが除去された濃縮水を層状複水酸化物と接触させて、当該濃縮水中のホウ素を層状複水酸化物に吸着させることで除去する第2LDH吸着塔と、
    を備えることを特徴とする、排水処理設備。
  8. 請求項6または7に記載の排水処理設備において、
    前記逆浸透膜装置による処理時の前記排水のpHが5〜7程度であり、
    前記層状複水酸化物による処理時の前記排水のpHが7〜11である、
    ことを特徴とする、排水処理設備。
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