JPH09253457A - 排煙処理廃液の処理方法とその装置 - Google Patents

排煙処理廃液の処理方法とその装置

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JPH09253457A
JPH09253457A JP8068751A JP6875196A JPH09253457A JP H09253457 A JPH09253457 A JP H09253457A JP 8068751 A JP8068751 A JP 8068751A JP 6875196 A JP6875196 A JP 6875196A JP H09253457 A JPH09253457 A JP H09253457A
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JP
Japan
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waste liquid
flue gas
liquid
treatment
bipolar membrane
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Application number
JP8068751A
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English (en)
Inventor
Masanori Sugisawa
政宣 杉澤
Takashi Sasaki
隆 佐々木
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Shinko Pantec Co Ltd
Original Assignee
Shinko Pantec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排煙脱硫法、特に湿式の排煙脱硫法において
生ずる廃液の処理方法と、その処理装置に関し、設備費
や運転費等のコストの増大を低減でき、広大な設備を要
することがなく、また廃棄物や系外へ放流する廃水を発
生させることがなく、従って後工程に廃水の処理施設を
設置する必要がなく、さらに廃液処理後に回収される液
及び2価金属化合物を再利用することを可能ならしめる
ことを課題とする。 【解決手段】 排煙脱硫処理後の廃液を濃縮装置2によ
り濃縮し、次に濃縮された濃縮液を中和脱水した後、中
和脱水後の処理液からマグネシウムやカルシウム等の2
価金属陽イオンを除去し、その後、2価金属陽イオン除
去後の処理液を、バイポーラ膜10を備えたバイポーラ膜
装置5に供給して該バイポーラ膜装置5から酸とアルカ
リ溶液とを分離して酸を回収することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排煙処理廃液の処理
方法とその装置、さらに詳しくは、排煙脱硫法、特に湿
式の排煙脱硫法において生ずる廃液の処理方法と、その
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、排煙脱硫法としては種々の方
法が採用されているが、大別して湿式法と乾式法とがあ
る。
【0003】このうち、湿式法の場合には液相でプロセ
スが進行するため、排煙処理後に生ずる廃液をさらに処
理することが要求される。
【0004】そして、このような廃液の処理方法とし
て、一般には図12に示すように、生物処理装置31によ
り窒素除去した後、フッ素除去装置32でフッ素除去を行
い、さらに分離装置33で固液分離してスラッジを沈澱さ
せるとともに、液は放流するという方法が採用されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようする課題】しかし、この方法によれ
ば、運転制御が複雑で、設備費と運転費が高くつき、ま
た設備に広大な敷地面積が必要になり、さらに放流する
廃液及び廃棄物としてのスラッジが生ずるため、後工程
に処理施設が必要になるという種々の問題点が生じてい
た。
【0006】そこで、このような問題点を解消するた
め、図13に示すような方法も採用されている。
【0007】すなわち、この方法は、同図に示すよう
に、脱硫装置34から生ずる廃水を、濾過装置35に供給し
て濾過した後、電気透析装置36で電気透析を行い、透析
後の脱塩液は脱硫装置34に返送し、また透析後の濃縮液
は蒸発缶37に供給した後、コンクリート固化部38でコン
クリート固化して処理されていたものである。
【0008】しかし、このような方法によれば、再利用
すべき回収物を得ることができず、またコンクリート固
化した廃棄物が発生するという問題点が生じていた。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、設備費や運転費等のコストの増大
を低減でき、広大な設備を要することがなく、また廃棄
物や系外へ放流する廃水を発生させることがなく、従っ
て後工程に廃水の処理施設を設置する必要がなく、さら
に廃液処理後に回収される液及び2価金属化合物を再利
用することを可能ならしめることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、排煙処理廃液の処理方法とその装
置としてなされたもので、排煙処理廃液の処理方法とし
ての特徴は、排煙脱硫処理後の廃液を濃縮装置2により
濃縮し、次に濃縮された濃縮液を中和脱水した後、中和
脱水後の処理液からマグネシウムやカルシウム等の2価
金属陽イオンを除去し、その後、2価金属陽イオン除去
後の処理液を、バイポーラ膜10を備えたバイポーラ膜装
置5に供給して該バイポーラ膜装置5から酸とアルカリ
溶液とを分離して酸を回収することにある。
【0011】また、処理装置としての特徴は、排煙脱硫
処理後の廃液を濃縮するための濃縮装置2と、該濃縮装
置2で濃縮された濃縮液を中和脱水するための中和脱水
部3と、中和脱水後の処理液からマグネシウムやカルシ
ウム等の2価金属陽イオンを除去する2価金属陽イオン
除去装置4と、該2価金属陽イオンが分離除去された処
理液を、酸とアルカリ溶液とに分離すべく、バイポーラ
膜10を備えたバイポーラ膜装置5とからなることにあ
る。
【0012】バイポーラ膜装置5で分離されたアルカリ
溶液は、中和脱水部に返送し、中和脱水用として再利用
することも可能である。
【0013】また、バイポーラ膜装置5の中性塩ライン
からの脱塩液は、濃縮装置2又はその上流側に返送する
ことで再利用がが可能となる。
【0014】さらに、2価金属陽イオン除去後の処理液
から分離された、2価金属陽イオンを含む液も、濃縮装
置2又はその上流側に返送して再利用することが可能で
ある。
【0015】さらに、濃縮装置2で脱塩された脱塩液又
は水を、排煙脱硫を行う脱硫装置1に返送することで、
その脱塩液又は水が再利用される。
【0016】濃縮装置2としては、電気透析装置2a、逆
浸透膜装置2b、或いは蒸発濃縮装置2c等を用いることが
可能である。
【0017】また、2価金属陽イオン除去装置4として
は、キレート樹脂を備えた軟化器4a、ルーズ逆浸透膜装
置4b、1価陽イオン選択透過性電気透析装置4c等を用い
ることが可能である。
【0018】上述のような排煙処理装置において、先ず
脱硫装置1での排煙処理後の廃液は図1に示すように濃
縮装置2へ供給され、その濃縮装置2で濃縮された濃縮
液が中和脱水部3へ供給される。
【0019】そして、中和脱水部3で中和脱水された後
の処理液は、同図に示すように2価金属陽イオン除去装
置4へ供給され、該2価金属陽イオン除去装置4でカル
シウムやマグネシウム等の2価の金属陽イオンが除去さ
れた後、その除去後の処理液がバイポーラ膜装置5へ供
給される。
【0020】バイポーラ膜装置5では酸、アルカリ溶
液、及び中性塩溶液が分離される。
【0021】酸は回収され、アルカリ溶液は必要に応じ
て中和脱水部3に返送され、再利用される。
【0022】また、中性塩溶液は必要に応じて濃縮装置
2へ返送され、再利用される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0024】実施形態1 図2は一実施形態としての排煙処理廃液の処理装置の概
略ブロック図を示す。
【0025】図2において、1は排煙脱硫を行うための
脱硫装置、2aは該脱硫装置1による脱硫後の廃液を電気
透析するための電気透析装置で、陽イオン交換膜及び陰
イオン交換膜を備え、脱塩室6と濃縮室7とに区画され
た構成からなる。
【0026】3は、前記は電気透析装置2aによって処理
された濃縮液を中和脱水するための中和脱水部、4aは該
中和脱水部3で中和,脱水された液を軟化処理するため
の軟化器を示す。この軟化器4aはキレート樹脂を備えて
いる。
【0027】5は、前記軟化器4aでの軟化処理後の液を
酸とアルカリ溶液に分離するためのバイポーラ膜装置
で、図3に示すように陽イオン交換膜8,陰イオン交換
膜9,バイポーラ膜10,陽極11,陰極12を備えた構成か
らなり、該バイポーラ膜装置5の酸ライン13は回収酸タ
ンク17に接続され、アルカリライン14は前記中和脱水部
3に接続され、さらに中性塩ライン15は、前記電気透析
装置2aの脱塩室7側に接続されている。
【0028】また、前記電気透析装置2aの脱塩室7は、
返送ライン18を介して前記脱硫装置1に接続されてい
る。
【0029】次に、上記のような構成からなる排煙処理
廃液装置で、廃液を処理する方法について説明する。
【0030】先ず、脱硫装置1で排煙脱硫された廃液
を、電気透析装置2aに供給する。
【0031】この廃液には、CaCl2やMgCl2が主
として含有され、これ以外に、Na +,NO3-,S
4-,等が含有されている。
【0032】そして、電気透析装置2aの濃縮室6側を通
過した液には、CaCl2やMgCl2が含有され、脱塩
室7側を通過する液にはNaClと少量のCaCl2,M
gCl2が含有され、その脱塩液は返送ライン18を介し
て前記脱硫装置1へ返送される。
【0033】脱硫装置1に返送された脱塩液は、排煙処
理用の薬液濃度を調節するために使用できるので、前記
脱硫装置1において、系外からの水の供給が不要とな
る。
【0034】次に、濃縮室6を通過した濃縮液は前記中
和脱水部3へ供給され、その中和脱水部3で、後述のバ
イポーラ膜装置5のアルカリライン14を介して中和に必
要な量だけ返送されるNaOHによって中和,脱水され
る。
【0035】これによって、Ca(OH)2やMg(O
H)2が沈澱する一方、濾液には主としてNaClが含
有されている。ただし、水中に溶解して残存するCa
(OH) 2やMg(OH)2も含有されている。
【0036】そして、この濾液は、軟化器4aへ供給さ
れ、残存するCa2+ やMg2+ がキレート樹脂により除
去される。すなわち、軟化器4aのキレート樹脂は、再生
時にNaCl溶液が供給されることによりNa型となっ
ている。濾液に残存しているCa2+ とMg2+ は、この
Naと置換することにより、キレート樹脂に保持される
ことになる。
【0037】すなわち、Ca2+ やMg2+ がバイポーラ
膜装置5に供給されるのが上記のような軟化器4aによっ
て未然に防止されるため、次工程のバイポーラ膜装置5
でのスケーリングの発生が防止されるのである。
【0038】一方、軟化処理後でCa2+ やMg2+ が除
去された液にはNaClが含有されている。この軟化処
理後の液がバイポーラ膜装置5に供給される。
【0039】そして、該バイポーラ膜装置5で塩酸(H
Cl)と苛性ソーダ(NaOH)に分離される。
【0040】これをより詳細に説明すると、前記軟化器
4aからバイポーラ膜装置5へ供給される塩化ナトリウム
(NaCl)を含む溶液は、そのバイポーラ膜装置5の
中性塩ライン15を通過するが、このとき中性塩ライン15
中のNaClは、図3に示すようにNa+イオンとCl-
イオンとに電離している。
【0041】そして、陽イオンであるNa+は陽イオン
交換膜8を介してアルカリライン14側へ移動し、陰イオ
ンであるCl-は陰イオン交換膜9を介して酸ライン13
側へ移動する。
【0042】一方、バイポーラ膜10に接液するアルカリ
ライン14と酸ライン13に存在する水の一部がバイポーラ
膜10の内部に浸透し、H+とOH-とに電離し、H+は陰
極側に移動し、OH-は陽極側に移動する。
【0043】従って、バイポーラ膜10内で電離したH+
は、バイポーラ膜10の陽イオン交換側を介して酸ライン
13側へ移動し、その酸ライン13において上記のようにし
て得られたCl-と結合してHClが生成され、そのH
Clが酸ライン13から酸貯留槽17に回収されることとな
る。
【0044】また、バイポーラ膜10内で電離したOH-
は、バイポーラ膜10の陰イオン交換側を介してアルカリ
ライン14側へ移動し、そのアルカリライン14において上
記のようにして得られたNa+と結合してNaOHが生
成され、中和に必要な量のNaOHがアルカリライン14
から中和脱水部3に返送され、余剰のNaOHは回収さ
れることとなる。このように、中和に必要な量のNaO
Hはパイポーラ膜装置5から返送されるので、中和用に
別途アルカリを添加する必要がない。
【0045】一方、中性塩ライン15では、NaClが脱
塩され、前記電気透析装置2aの脱塩室7側に返送され
る。
【0046】そして、脱塩室7を通過したNaClの脱
塩液は、さらに脱塩されて返送ライン18を介して前記脱
硫装置1へ返送され、排煙処理用の薬液濃度を調節する
ために再利用される。従って、系外からの水の供給が不
要となる。
【0047】また、この脱塩された脱塩液の一部は、バ
イポーラ膜装置5の酸ライン13とアルカリライン14にも
供給され、再利用することができる。
【0048】尚、本実施形態に用いられている軟化器4a
に含まれるキレート樹脂の再生において、樹脂再生用N
aClを用いるが、これで生じる再生廃水も中性塩ライ
ン15に導入されるため、系外に廃水を一切出すことがな
い。また、キレート樹脂に保持されているCa2+ やM
2+ は、再生時に供給されるNaCl溶液のNaと置
換してCaCl2,MgCl2の形態となり、再生廃液と
して電気透析装置2aの脱塩ライン7へ供給される。尚、
このとき、再生に使用するNaCl溶液は、必要化学当
量以上の量を使用するため、再生廃液中にはNaClが
含まれることとなる。このように、再生作業を終了した
後のキレート樹脂は、Na型となっているので、再びC
2+, Mg2+ を保持する能力を有することになる。
【0049】上述のように、本実施形態においては、バ
イポーラ膜装置5を通過した後の酸が回収される他、ア
ルカリは中和脱水部3へ返送され、中和処理に再利用さ
れる。さらに脱塩後の中性塩が濃縮装置2aを通って脱硫
装置1へ返送されるため、全体がクローズドシステムと
なり、従って系外へ放流する廃液が発生しない。すなわ
ち、従来では後工程に必要であった廃水処理の施設が本
実施形態では不要となる。
【0050】また、回収された酸やアルカリ、中和脱水
部で得られた2価金属化合物であるCa(OH)2やM
g(OH)2は、廃液処理、特にフッ酸を含む廃液処理
において、中和用アルカリとして、又はフッ素成分の固
定化のため、再利用することができ、廃棄物も発生しな
い。
【0051】さらに、バイポーラ膜装置5の通過後の脱
塩液等も、濃縮装置2aを通って脱硫装置1やバイポーラ
膜装置5へ返送して再利用することができるのである。
【0052】実施形態2 図4は、本発明の他の実施形態としての排煙処理廃液の
処理装置の概略ブロック図を示す。
【0053】本実施形態では、上記実施形態1の電気透
析装置2aに代えて逆浸透膜装置2bを使用する点で、上記
実施形態1と相違する。
【0054】すなわち、本実施形態では、脱硫装置1で
の脱硫後の廃液が逆浸透膜装置2aの濃縮室6供給され、
その逆浸透膜装置2bの濃縮室6を通過した液が中和脱水
部3へ供給される。
【0055】その後の中和脱水処理工程,軟化処理工
程,バイポーラ膜装置5による酸,アルカリ,中性塩の
分離工程は上記実施形態1と同じである。
【0056】尚、本実施形態では、バイポーラ膜装置5
を通過した脱塩液は、逆浸透膜装置2bの濃縮室6側へ返
送される。この点で、電気透析装置2aの脱塩室7側へ返
送される上記実施形態1の場合と相違している。
【0057】その他の装置の構成と、廃液の処理方法と
しての工程は、上記実施形態1と同じであるため、その
説明は省略する。
【0058】実施形態3 図5は、本発明の他の実施形態としての排煙処理廃液の
処理装置の概略ブロック図を示したものである。
【0059】本実施形態では、上記各実施形態の電気透
析装置2aや逆浸透膜装置2bに代えて蒸発濃縮装置2cを使
用する点で、上記各実施形態と相違する。
【0060】すなわち、本実施形態では、脱硫装置1で
の脱硫後の廃液が蒸発濃縮装置2cへ供給され、その蒸発
濃縮装置2cを通過した液が中和脱水部3へ供給される。
【0061】この蒸発濃縮装置2cでは、廃液の容積が約
50%に減少する程度まで、加熱により水蒸気を飛散させ
る。
【0062】そして、その蒸発した水蒸気は凝縮装置19
へ供給し、その凝縮装置19で水として脱硫装置1へ返送
する。
【0063】また、その凝縮装置19からの水の一部は、
バイポーラ膜装置5の酸ライン13とアルカリライン14と
に供給することも可能である。
【0064】本実施形態では、上記実施形態1,2の電
気透析装置2aや逆浸透膜装置2bを用いる場合のように脱
塩液が生じることがなく、蒸発濃縮装置2cで水が生じる
だけであるので、仮に系外に排出しても問題となること
もない。
【0065】ただし、水の再利用という観点から凝縮装
置19を経て脱硫装置1へ返送することとしている。
【0066】その他の装置の構成と、廃液の処理方法と
しての工程は、上記実施形態1と同じであるため、その
説明は省略する。
【0067】実施形態4 図6は、本発明の他の実施形態としての排煙処理廃液の
処理装置の概略ブロック図を示したものである。
【0068】本実施形態では、上記実施形態1の軟化器
4aに代えて一般にルーズRO4bと称される逆浸透膜装置
を使用する点で、上記各実施形態と相違する。
【0069】本実施形態では、ルーズRO4bによってC
2+ やMg2+ がバイポーラ膜装置5に供給されるのを
防止することができる。
【0070】さらに、本実施形態では、バイポーラ膜装
置5を通過した後の回収酸である塩酸の一部をルーズR
O4bの上流側へ返送し、ルーズRO4bへ供給される難溶
性のCa(OH)2とMg(OH)2を水溶性のCaCl
2やMgCl2の形態に変化させることによってルーズR
O4b内のスケーリングの発生が防止されることとなる。
【0071】その他の装置の構成と、廃液の処理方法と
しての工程は、上記実施形態1と同じであるため、その
説明は省略する。
【0072】実施形態5 図7は、本発明の他の実施形態としての排煙処理廃液の
処理装置の概略ブロック図を示したものである。
【0073】本実施形態では、上記実施形態1の電気透
析装置2aに代えて逆浸透膜装置2bを使用し、さらに軟化
器4aに代えてルーズRO4bを使用した実施形態である。
【0074】逆浸透膜装置2bを使用したことに関しては
実施形態2で説明したとおりであり、またルーズRO4b
を使用したことに関しては、実施形態4で説明したとお
りである。
【0075】実施形態6 図8は、本発明の他の実施形態としての排煙処理廃液の
処理装置の概略ブロック図を示したものである。
【0076】本実施形態では、上記実施形態1の電気透
析装置2aに代えて蒸発濃縮装置2cを使用し、さらに軟化
器4aに代えてルーズRO4bを使用した実施形態である。
【0077】蒸発濃縮装置2cを使用したことに関しては
実施形態3で説明したとおりであり、またルーズRO4b
を使用したことに関しては、実施形態4で説明したとお
りである
【0078】実施形態7 図9は、本発明の他の実施形態としての排煙処理廃液の
処理装置の概略ブロック図を示したものである。
【0079】本実施形態では、上記実施形態1の軟化器
4aに代えて1価陽イオン選択透過性電気透析装置4cを使
用する点で実施形態1と相違する。
【0080】この1価陽イオン選択透過性電気透析装置
4cは、一般のイオン交換膜電気透析装置と同様に陽イオ
ン交換膜と陰イオン交換膜とを具備した構成からなるも
のであるが、具備されている陽イオン交換膜は、1価の
陽イオンのみを透過し、2価の陽イオンは透過させない
点で一般のイオン交換膜電気透析装置と異なる。
【0081】従って、陽イオン交換膜をNa+のみが通
過し、Ca2+ やMg2+ は通過しないため、上記1価陽
イオン選択透過性電気透析装置4cの濃縮室21側をNaC
lが通過し、バイポーラ膜装置5に供給される。
【0082】また、脱塩室20側からはCaCl2やMg
Cl2が通過し、上記各実施形態と同様にバイポーラ膜
装置5の中性塩ライン15の途中部に供給される。
【0083】本実施形態では、1価陽イオン選択透過性
電気透析装置4cに具備されている陰イオン交換膜が耐ア
ルカリ性に乏しいという欠点を有する。
【0084】従って、バイポーラ膜装置5の酸ライン13
からの回収酸である塩酸の一部を、1価陽イオン選択透
過性電気透析装置4cの上流側に返送し、その1価陽イオ
ン選択透過性電気透析装置4cへ供給される液のpHを調
整することとしている。また、上記のように返送するこ
とによって、難溶性のCa(OH)2,Mg(OH)2
水溶性のCaCl2,MgCl2に変化させ、前記1価陽
イオン選択透過性電気透析装置4c内のスケーリングの発
生を防止することができる。
【0085】その他の装置の構成と、廃液の処理方法と
しての工程は、上記実施形態1と同じであるため、その
説明は省略する。
【0086】実施形態8
【0087】図12は、本発明の他の実施形態としての
排煙処理廃液の処理装置の概略ブロック図を示したもの
である。
【0088】本実施形態では、上記実施形態7の電気透
析装置2aに代えて逆浸透膜装置2bを使用した実施形態で
ある。
【0089】逆浸透膜装置2bを使用したことに関しては
実施形態2で説明したとおりであり、1価陽イオン選択
透過性電気透析装置2cを使用したことに関しては実施形
態7で説明したとおりである。
【0090】実施形態9
【0091】図11は、本発明の他の実施形態としての
排煙処理廃液の処理装置の概略ブロック図を示したもの
である。
【0092】本実施形態では、上記実施形態7の電気透
析装置2aに代えて蒸発濃縮装置2cを使用した実施形態で
ある。
【0093】蒸発濃縮装置2cを使用したことに関しては
実施形態3で説明したとおりであり、1価陽イオン選択
透過性電気透析装置2cを使用したことに関しては実施形
態7で説明したとおりである。
【0094】その他の実施形態 尚、本発明は、CaCl2やMgCl2を含む廃液を主た
る対象とするものであるが、処理すべき廃液の種類はこ
れに限定されるものではなく、排煙処理後の廃液であれ
ば、本発明を適用することが可能である。
【0095】従って、2価金属陽イオン除去装置4で除
去する陽イオンもカルシウムイオンやマグネシウムイオ
ンを主眼とするものの、これに限定されるものではな
い。
【0096】さらに、バイポーラ膜装置5へ供給される
液の種類も、脱硫後の廃液の種類がある程度限定される
ため、上記実施例の塩化ナトリウム(NaCl)を主眼
とするが、これ以外の液を供給することも可能である。
【0097】従って、バイポーラ膜装置5で分離する酸
やアルカリ溶液も、上記実施例の塩酸(HCl)や水酸
化ナトリウム(NaOH)に限定されない。
【0098】従って、中和脱水工程での再生用若しくは
補給用のアルカリ溶液の種類も該実施例の水酸化ナトリ
ウム(NaOH)に限定されない。
【0099】さらに、上記実施形態では、バイポーラ膜
装置5で分離されたアルカリ溶液を中和脱水部3に返送
して中和脱水用として再利用するとともに、バイポーラ
膜装置5の中性塩ラインからの脱塩液を濃縮装置2又は
その上流側に返送することで再利用し、また2価金属陽
イオン除去後の処理液から分離された2価金属陽イオン
を含む液を濃縮装置2又はその上流側に返送して再利用
し、さらに濃縮装置2で脱塩された脱塩液又は水を、脱
硫装置に返送することで、その脱塩液又は水が再利用す
ることとしたため、アルカリ溶液や脱塩液等の各種の液
の再利用を図れるとともに、廃液を系外へ一切出すこと
がないという好ましい効果が得られたが、このような各
種の返送ラインを設けることは本発明に必須の条件では
ない。
【0100】さらに、濃縮装置2として上記各実施形態
では電気透析装置2a、逆浸透膜装置2b、及び蒸発濃縮装
置2cを用いたが、濃縮装置2の種類もこれにに限定され
ない。
【0101】また、2価金属陽イオン除去装置4として
上記各実施形態では軟化器4a、ルーズRO4b、1価陽イ
オン選択透過性電気透析装置4cを用いたが、2価金属陽
イオン除去装置4の種類もこれらに限定されない。
【0102】
【実施例】実施例1 上記実施形態1の処理装置を用いて、排煙処理廃液の処
理を行った。脱硫装置1の通過後の廃液100 kgを用いて
処理を行った。その廃液中のCaの濃度は10g/kg、Mg
の濃度は10g/kg、Clの濃度は100g/kg 、Naの濃度は
34.5g/kgであった。
【0103】電気透析装置2aによる濃縮、中和,脱水、
軟化、バイポーラ膜装置5による電気透析を経て、73.2
kgの塩酸(HCl)溶液と、81.4kgの水酸化ナトリウム
(NaOH)溶液が回収された。
【0104】また、31kgのCa(OH)2 , Mg(O
H)2が回収された。このことは、2価の金属化合物が
再利用されるべく回収されることを示すものである。
【0105】尚、各工程で得られた溶液の濃度等の物質
収支を表1に示す。
【0106】
【表1】
【0107】表1において、NO(1) 〜(17)は、実施形
態1の装置における各ラインにおける溶液等を番号で特
定したもので、図2にその対応する番号を付している。
より具体的には次のとおりである。
【0108】 (1) 脱硫後の廃液 (2) 電気透析装置によ
る濃縮液 (3) 中和,脱水後の液 (4) 軟化処理後の液 (5) 回収酸 (6) 回収アルカリ (7) 中和,脱水工程へ返送するアルカリ (8) バイポーラ膜装置通過後の脱塩液 (9) 中和,脱水工程でのスラッジ (10) 中和,脱水工程における洗浄水 (11) 軟化処理後の再生廃液 (12) バイポーラ膜装置による脱塩液に軟化処理後の再
生廃液が合流した液 (13) 電気透析装置による脱塩液 (14) バイポーラ膜装置に供給される電気透析装置通過
後の脱塩液への補給水 (15) 電気透析装置通過後の脱塩液で、バイポーラ膜装
置の酸ライン側へ供給される液 (16) 電気透析装置通過後の脱塩液で、バイポーラ膜装
置のアルカリライン側へ供給される液 (17) 軟化処理工程における再生用NaCl溶液
【0109】上記表1の物質収支から、実施例1での塩
酸と水酸化ナトリウムの回収率について考察する。
【0110】塩酸の回収率については、廃液中のClが
HClの形態でどの程度回収されたかを算出すればよ
い。
【0111】先ず、廃液中に含まれるClの量は、表1
における(1) の廃液の重量と廃液中のClの濃度とから
求められる。100kg ×100g/kg =10kg すなわち、廃液
中に含まれるClの量は10kgである。
【0112】また、再生用NaClに含まれるClの量
は、表1における(17)の再生用NaClの重量と、その
再生用NaCl中のClの濃度とから求められる。5.0k
g ×90.9g/kg=0.45kg すなわち、廃液中に含まれるC
lの量は0.45kgである。
【0113】従って、ハイポーラ膜装置5への供給前の
Clの総量は、(1) と(17)とのCl量の総計である10.4
5 kgとなる。
【0114】一方、ハイポーラ膜装置5の通過後の回収
塩酸溶液に含まれるClの量は、表1における(5) の回
収塩酸溶液の重量と、その塩酸溶液中のClの濃度とか
ら求められる。73.2kg×142g/kg =10.39kg すなわ
ち、塩酸溶液中に含まれるClの量は10.39kg である。
【0115】従って、これらのClの量から、塩酸の回
収率は99.4%となる。
【0116】次に、水酸化ナトリウムの回収率について
は、廃液中のNaがNaOHの形態でどの程度回収され
たかを算出すればよい。
【0117】先ず、廃液中に含まれるNaの量は、表1
における(1) の廃液の重量と廃液中のNaの濃度とから
求められる。100kg ×34.5g/kg=3.45kg すなわち、廃
液中に含まれるNaの量は3.45kgである。
【0118】また、再生用NaClに含まれるNaの量
は、表1における(17)の再生用NaClの重量と、その
再生用NaCl中のNaの濃度とから求められる。5.0k
g ×58.9g/kg=0.29kg すなわち、再生用NaCl中に
含まれるNaの量は0.29kgである。
【0119】従って、ハイポーラ膜装置5への供給前の
Naの総量は、(1) と(17)とのNa量の総計である3.74
kgとなる。
【0120】一方、ハイポーラ膜装置5の通過後の回収
水酸化ナトリウム溶液に含まれるNaの量は、表1にお
ける(6) の回収水酸化ナトリウム溶液の重量と、その水
酸化ナトリウム溶液中のNaの濃度とから求められる。
81.4kg×46g/kg=3.74kg すなわち、水酸化ナトリウム
溶液中に含まれるNaの量は3.74kgである。
【0121】従って、これらのNaの量から、水酸化ナ
トリウムの回収率は100 %となる。
【0122】実施例2 上記実施形態5の処理装置を用いて、排煙処理廃液の処
理を行った。脱硫装置1の通過後の廃液の量や、その廃
液中のCaの濃度、Mgの濃度、Clの濃度、Naの濃
度は、上記実施例1と同じ条件とした。
【0123】本実施例では、70kgの塩酸(HCl)溶液
と、74kgの水酸化ナトリウム(NaOH)溶液が回収さ
れた。
【0124】また、31.5kgのCa(OH)2 , Mg(O
H)2が回収された。このことは、2価の金属化合物が
再利用されるべく回収されることを示すものである。
【0125】尚、各工程で得られた溶液の濃度等の物質
収支を表2に示す。
【0126】
【表2】
【0127】表2において、NO(1) 〜(19)は、実施形
態5の装置における各ラインにおける溶液等を番号で特
定したもので、図7にその対応する番号を付している。
より具体的には次のとおりである。
【0128】 (1) 脱硫後の廃液 (2) 逆浸透膜装
置へ供給される液 (3) 逆浸透膜装置通過後の濃縮液 (4) 中和,脱水
後の液 (5) ルーズRO通過後のNaCl液 (6) バイポーラ膜装置の酸ライン通過後の液 (7) 回収酸 (8) バイポーラ膜装置通過後にルーズROの上流側に返
送される酸 (9) 回収アルカリ (10) 中和,脱水工程へ返
送するアルカリ (11) バイポーラ膜装置通過後の脱塩液 (12) ルーズRO通過後のMg,Ca濃縮液 (13) バイポーラ膜装置による脱塩液に軟化処理後の再
生廃液が合流した液 (14) 中和,脱水工程でのスラッジ (15) 中和,脱水工程における洗浄水 (16) 逆浸透膜装置通過後の脱塩液 (17) バイポーラ膜装置に供給される逆浸透膜装置通過
後の脱塩液への補給水 (18) 電気透析装置通過後の脱塩液で、バイポーラ膜装
置のアルカリライン側へ供給される液 (19) 電気透析装置通過後の脱塩液で、バイポーラ膜装
置の酸ライン側へ供給される液
【0129】上記表2の物質収支から、実施例2での塩
酸と水酸化ナトリウムの回収率を上記実施例1と同様に
して算出する。
【0130】先ず、表2における(1) の廃液の重量と廃
液中のClの濃度とから、100kg ×100g/kg =10kg す
なわち、廃液中に含まれるClの量は10kgである。
【0131】実施例2では、軟化器4aが用いられず、従
って再生用NaClが添加されないため、上記10kgがハ
イポーラ膜装置5への供給前のClの総量となる。
【0132】一方、ハイポーラ膜装置5の通過後の回収
塩酸溶液に含まれるClの量は、表1における(7) の回
収塩酸溶液の重量と、その塩酸溶液中のClの濃度とか
ら、70kg×142g/kg =9.94kg すなわち、9.94kgであ
る。
【0133】従って、塩酸の回収率は99.4%となる。
【0134】次に、表2における(1) の廃液の重量と廃
液中のNaの濃度とから、100kg ×34.5g/kg=3.45kg
すなわち、廃液中に含まれるNaの量は3.45kgである。
【0135】再生用NaClが用いられないので、ハイ
ポーラ膜装置5への供給前のNaの総量は、3.45kgであ
る。
【0136】一方、ハイポーラ膜装置5の通過後の回収
水酸化ナトリウム溶液に含まれるNaの量は、表2にお
ける(9) の回収水酸化ナトリウム溶液の重量と、その水
酸化ナトリウム溶液中のNaの濃度とから、74kg×46g/
kg=3.40kg すなわち、水酸化ナトリウム溶液中に含ま
れるNaの量は3.40kgである。
【0137】従って、これらのNaの量から、水酸化ナ
トリウムの回収率は98.6%となる。
【0138】実施例3 上記実施形態9の処理装置を用いて、排煙処理廃液の処
理を行った。脱硫装置1の通過後の廃液の量や、その廃
液中のCaの濃度、Mgの濃度、Clの濃度、Naの濃
度は、上記実施例1,2と同じ条件とした。
【0139】本実施例では、70kgの塩酸(HCl)と、
74kgの水酸化ナトリウム(NaOH)が回収された。
【0140】また、31kgのCa(OH)2 , Mg(O
H)2が回収された。このことは、2価の金属化合物が
再利用されるべく回収されることを示すものである。
【0141】尚、各工程で得られた溶液の濃度等の物質
収支を表3に示す。
【0142】
【表3】
【0143】表3において、NO(1) 〜(19)は、実施形
態9の装置における各ラインにおける溶液等を番号で特
定したもので、図11にその対応する番号を付している。
より具体的には次のとおりである。
【0144】 (1) 脱硫後の廃液 (2) 蒸発濃縮装
置へ供給される液 (2) 蒸発濃縮装置通過後の濃縮液 (3) 中和,脱水
後の液 (5) 1価陽イオン選択透過性電気透析装置通過後の脱塩
液 (6) バイポーラ膜装置の酸ライン通過後の液 (7) 回収酸 (8) バイポーラ膜装置通過後に1価陽イオン選択透過性
電気透析装置の上流側に返送される酸 (9) 回収アルカリ (10) 中和,脱水工程へ返送す
るアルカリ (11) バイポーラ膜装置通過後の脱塩液 (12) 1価陽イオン選択透過性電気透析装置通過後のM
g,Ca濃縮液 (13) バイポーラ膜装置による脱塩液に軟化処理後の再
生廃液が合流した液 (14) 中和,脱水工程でのスラッジ (15) 中和,脱水工程における洗浄水 (16) 蒸発濃縮装置通過後の脱塩液 (17) バイポーラ膜装置に供給される凝縮装置通過後の
液への補給水 (18) 蒸発濃縮装置通過後の液で、バイポーラ膜装置の
アルカリライン側へ供給される液 (19) 蒸発濃縮装置通過後の液で、バイポーラ膜装置の
酸ライン側へ供給される液
【0145】上記表3の物質収支から、実施例3での塩
酸と水酸化ナトリウムの回収率を上記実施例1,2と同
様にして算出する。
【0146】先ず、表3における(1) の廃液の重量と廃
液中のClの濃度とから、100kg ×100g/kg =10kg す
なわち、廃液中に含まれるClの量は10kgである。
【0147】実施例3でも、再生用NaClが添加され
ないため、上記10kgがハイポーラ膜装置5への供給前の
Clの総量となる。
【0148】一方、ハイポーラ膜装置5の通過後の回収
塩酸溶液に含まれるClの量は、表3におけるの回収
塩酸溶液の重量と、その塩酸溶液中のClの濃度とか
ら、70kg×142g/kg =9.94kg すなわち、9.94kgであ
る。
【0149】従って、塩酸の回収率は99.4%となる。
【0150】次に、表3における(1) の廃液の重量と廃
液中のNaの濃度とから、100kg ×34.5g/kg=3.45kg
すなわち、廃液中に含まれるNaの量は3.45kgである。
【0151】再生用NaClが用いられないので、ハイ
ポーラ膜装置5への供給前のNaの総量は、3.45kgであ
る。
【0152】一方、ハイポーラ膜装置5の通過後の回収
水酸化ナトリウム溶液に含まれるNaの量は、表3にお
ける(9) の回収水酸化ナトリウム溶液の重量と、その水
酸化ナトリウム溶液中のNaの濃度とから、74kg×46g/
kg=3.40kg すなわち、水酸化ナトリウム溶液中に含ま
れるNaの量は3.40kgである。
【0153】従って、これらのNaの量から、水酸化ナ
トリウムの回収率は98.6%となる。
【0154】
【発明の効果】叙上のように、本発明においては、排煙
脱硫処理後の廃液を濃縮装置により濃縮し、次に濃縮さ
れた濃縮液を中和脱水した後、中和脱水後の処理液から
マグネシウムやカルシウム等の2価金属陽イオンを除去
し、その後、2価金属陽イオン除去後の処理液を、バイ
ポーラ膜装置に供給して該バイポーラ膜装置から酸とア
ルカリ溶液とを分離して酸を回収するものであるため、
その回収酸を別途再利用することが可能となり、またア
ルカリ溶液は中和脱水用として再利用することが可能に
なるという効果がある。
【0155】さらに、バイポーラ膜装置の中性塩ライン
からの脱塩液を濃縮装置やその上流側に返送し、或いは
濃縮装置で脱塩された脱塩液等を脱硫処理工程に返送す
ることで、全体をクローズドシステムとすれば、廃液は
一切系外に排出されることがないという効果がある。
【0156】さらに、上記のような返送ラインを設ける
ことで、脱塩液等の再利用も図れるという効果がある。
【0157】さらに、2価金属陽イオン除去後の処理液
から分離された、2価金属陽イオンを含む液を、前記濃
縮装置又はその上流側に返送することにより、その2価
金属陽イオンを含む液も再利用されることになるという
効果がある。
【0158】このように廃水,廃棄物を一切出さないの
で、後工程にそれらを処理するための施設が必要なく、
敷地面積の減少や建設費等の費用の低減を図れるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理工程の概略を示すブロック図。
【図2】一実施例としての排煙処理廃液の処理装置の概
略ブロック図。
【図3】バイポーラ膜装置の内部構造を示す概略図。
【図4】他実施形態としての排煙処理廃液の処理装置の
概略ブロック図。
【図5】他実施形態としての排煙処理廃液の処理装置の
概略ブロック図。
【図6】他実施形態としての排煙処理廃液の処理装置の
概略ブロック図。
【図7】他実施形態としての排煙処理廃液の処理装置の
概略ブロック図。
【図8】他実施形態としての排煙処理廃液の処理装置の
概略ブロック図。
【図9】他実施形態としての排煙処理廃液の処理装置の
概略ブロック図。
【図10】他実施形態としての排煙処理廃液の処理装置
の概略ブロック図。
【図11】他実施形態としての排煙処理廃液の処理装置
の概略ブロック図。
【図12】従来の排煙処理廃液の処理装置の概略ブロッ
ク図。
【図13】従来の排煙処理廃液の処理装置の概略ブロッ
ク図。
【符号の説明】
1…脱硫装置 2…濃縮装置 3…中和脱水部 4…2価金属陽イオ
ン除去装置 5…バイポーラ膜装置 8…陽イオン交換膜 9…陰イオン交換膜 10…バイポーラ膜 14…アルカリライン 15…中性塩ライン

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排煙脱硫処理後の廃液を濃縮装置2によ
    り濃縮し、次に濃縮された濃縮液を中和脱水した後、中
    和脱水後の処理液からマグネシウムやカルシウム等の2
    価金属陽イオンを除去し、その後、2価金属陽イオン除
    去後の処理液を、バイポーラ膜10を備えたバイポーラ膜
    装置5に供給して該バイポーラ膜装置5から酸とアルカ
    リ溶液とを分離して酸とアルカリを回収することを特徴
    とする排煙処理廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記バイポーラ膜装置5で分離されたア
    ルカリ溶液の一部が、前記中和脱水用として再利用され
    る請求項1記載の排煙処理廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記バイポーラ膜装置5の中性塩ライン
    15からの脱塩液が、前記濃縮装置2又はその上流側に返
    送される請求項1又は2記載の排煙処理廃液の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記2価金属陽イオン除去後の処理液か
    ら分離された、2価金属陽イオンを含む液が、前記濃縮
    装置2又はその上流側に返送される請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の排煙処理廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記濃縮装置2で脱塩又された脱塩液又
    は水が、前記脱硫処理工程に返送される請求項1乃至4
    のいずれかに記載の排煙処理廃液の処理方法。
  6. 【請求項6】 排煙脱硫処理後の廃液を濃縮するための
    濃縮装置2と、該濃縮装置2で濃縮された濃縮液を中和
    脱水するための中和脱水部3と、中和脱水後の処理液か
    らマグネシウムやカルシウム等の2価金属陽イオンを除
    去する2価金属陽イオン除去装置4と、該2価金属陽イ
    オンが分離除去された処理液を、酸とアルカリ溶液とに
    分離すべく、バイポーラ膜10を備えたバイポーラ膜装置
    5とからなることを特徴とする排煙処理廃液の処理装置
  7. 【請求項7】 前記バイポーラ膜装置5のアルカリライ
    ン14が前記中和脱水部3に接続されてなる請求項6記載
    の排煙処理廃液の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記バイポーラ膜装置5の中性塩ライン
    15が、前記濃縮装置2又はその上流側のラインに接続さ
    れてなる請求項6又は7記載の排煙処理廃液の処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記2価金属陽イオン除去後の処理液か
    ら分離された2価金属陽イオンを含む液を前記濃縮装置
    2又はその上流側に返送する返送ラインが、前記2価金
    属陽イオン除去装置4と前記濃縮装置2又はその上流側
    のラインに接続されている請求項6乃至8のいずれかに
    記載の排煙処理廃液の処理装置。
  10. 【請求項10】 前記濃縮装置2で脱塩された脱塩液又
    は水を、排煙脱硫を行う脱硫装置1へ返送する返送ライ
    ンが、前記濃縮装置2と前記脱硫装置1に接続されてな
    る請求項6乃至9のいずれかに記載の排煙処理廃液の処
    理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018124289A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 三菱重工業株式会社 排ガス処理装置及び排ガス処理方法

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WO2018124289A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 三菱重工業株式会社 排ガス処理装置及び排ガス処理方法

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