JP7377000B2 - 水処理システムおよび水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水処理システムおよび水処理方法に関する。
塩類濃度の高い河川水または汽水等の塩類を含有した原水を取水し、プラント等に設けられる冷却塔等の水利用設備の熱媒として利用するために、原水に対して前処理を行う水処理システムが知られている。このような水処理システムでは、例えば逆浸透膜を利用した脱塩処理が行われる。脱塩処理において逆浸透膜を透過した透過水は、塩類濃度が十分に低減されるため、水利用設備に供給される。一方、脱塩処理において逆浸透膜を透過しなかった残りの水は塩類濃度の非常に高い濃縮水として排出される。
しかし、原水の塩類濃度が比較的に高い場合、脱塩処理のために供給される原水量に対する逆浸透膜を透過して生成される透過水量の割合(透過水回収率)が低くなる。そのため、濃縮水を再度逆浸透膜に供給してシステム全体における透過水回収率を高めることが行われる(下記特許文献1,2参照)。濃縮水は塩類濃度が高いため、濃縮水に脱塩処理を行うと、膜上に濃縮水中の炭酸カルシウム等がスケールとして析出し易くなるため、濃縮水に含まれる炭酸カルシウム等の析出成分を除去するために苛性ソーダおよびソーダ灰等の薬剤を用いた化学軟化処理が行われる。
特開2003-154362号公報 特開平10-272495号公報
ここで、逆浸透膜を透過した透過水が水利用設備において熱媒として利用されると、透過水の一部が蒸発することにより塩類濃度が上昇した水が生成され、排出される。従来の構成において、このような水利用設備の排水は、上記脱塩処理によって排出された濃縮水と混合された後、化学軟化処理を行っていた。
しかし、このような従来の態様では、化学軟化処理に用いられる薬剤を大量に必要とする問題がある。なお、特許文献1および2には、水利用設備の排水を再利用するための構成については開示されていない。
そこで、本発明は、化学軟化処理に用いられる薬剤の量を低減することができる水処理システムおよび水処理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係る水処理システムは、塩類を含有する原水を導入して所定の水利用設備に給水するために前記原水の脱塩処理を行う水処理システムであって、前記原水を、逆浸透膜を用いた脱塩処理により、透過水と濃縮水とに分離して排出する第1逆浸透膜脱塩設備と、前記第1逆浸透膜脱塩設備で排出された濃縮水に対して化学軟化処理を行う化学軟化設備と、を備え、前記透過水は、前記水利用設備に導入され、その排水が前記化学軟化処理後の軟化水に混合されるように構成される。
上記構成によれば、第1逆浸透膜脱塩設備から排出された塩類濃度の高い濃縮水に水利用設備の排水が加えられる前に、当該濃縮水に対して化学軟化処理が行われる。これにより、化学軟化処理を適用する水の量を低減させることができる。さらに、化学軟化処理は適用される水の塩類濃度が高い程、除去する析出成分を析出させ易くする(除去し易くする)ことができる。したがって、化学軟化処理に用いられる薬剤の量を低減することができる。
前記水処理システムは、前記水利用設備の排水と前記軟化水との混合水を、逆浸透膜を用いて脱塩し、透過水と濃縮水とに分離して排出する第2逆浸透膜脱塩設備を備えてもよい。これにより、水利用設備の排水および軟化水との混合水から再度透過水を生成することができ、透過水回収率をより高くすることができる。
前記水利用設備は、導入された前記透過水が当該水利用設備において利用される際に、前記透過水の一部が蒸発するように構成されていてもよい。前記水利用設備は、前記透過水により対象物の冷却を行う冷却塔であってもよい。
また、本発明の他の態様に係る水処理方法は、塩類を含有する原水を導入して所定の水利用設備に給水するために前記原水の脱塩処理を行う水処理方法であって、前記原水を、逆浸透膜を用いた脱塩処理により、透過水と濃縮水とに分離し、前記濃縮水に対して化学軟化処理を行い、前記透過水を、前記水利用設備に導入し、その排水を前記化学軟化処理後の軟化水に混合する。
上記方法によれば、脱塩処理によって分離された塩類濃度の高い濃縮水に水利用設備の排水が加えられる前に、当該濃縮水に対して化学軟化処理が行われる。これにより、化学軟化処理を適用する水の量を低減させることができる。さらに、化学軟化処理は適用される水の塩類濃度が高い程、除去する析出成分を析出させ易くする(除去し易くする)ことができる。したがって、化学軟化処理に用いられる薬剤の量を低減することができる。
本発明によれば、塩類を含有する原水を導入して所定の水利用設備に給水するために原水の脱塩処理を行う際に、化学軟化処理に用いられる薬剤の量を低減することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る水処理システムの概略構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示す水処理システムにおける各設備の給排水における流量、Ca濃度、塩類濃度、pHの各値の設計値の一例を示す表である。 図3は、図1に示す水処理システムに対応する比較例を示すブロック図である。 図4は、図3に示す比較例の水処理システムにおける各設備の給排水における流量、Ca濃度、塩類濃度、pHの各値の設計値の一例を示す表である。
以下、本発明の一実施の形態に係る水処理システムについて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る水処理システムの概略構成を示すブロック図である。水処理システム1は、原水W1を導入して水利用設備6に給水するために原水W1の脱塩処理を行うシステムとして構成される。図1に示すように、本実施の形態における水処理システム1は、取水設備2、第1逆浸透膜脱塩設備(第1RO設備)3、化学軟化設備4、および第2逆浸透膜脱塩設備(第2RO設備)5を備えている。
取水設備2は、河川の汽水域等から原水W1を取水する。原水W1には塩類が含有されている。例えば、内陸性の河川等における原水W1のCa濃度は、50mg/l以上となっている。第1RO設備3は、原水W1を、逆浸透膜を用いた脱塩処理により、脱塩された(塩類濃度が原水W1より低くなった)透過水W2と残留の(塩類濃度が原水W1より高くなった)濃縮水W3とに分離して排出する。
化学軟化設備4は、第1RO設備3で排出された濃縮水W3に対して化学軟化処理を行う。例えば、濃縮水W3が貯留されたタンク(図示せず)にNaOH(苛性ソーダ)およびNaCO(ソーダ灰)等の薬剤を投入し、Caイオンが含まれる水(濃縮水W3)からCaCOを析出させる。また、CaCOの粒径を大きくするために、凝集剤(例えばFe(SO等)をさらに投入してもよい。さらに、殺菌剤(例えばCa(ClO)等)をさらに投入してもよい。析出されたCaCOは、所定のろ過機によりろ過される。
このように、化学軟化設備4は、化学軟化処理によって濃縮水W3からCaイオン等のスケール成分を除去し、残りの軟化水W5を排出する。
水利用設備6は、例えば透過水W2により対象物の冷却を行う冷却塔として構成される。冷却塔は、工業プラントにおける冷却水の供給源として構成される。冷却水は、例えば蒸気タービンによる発電設備で使用された蒸気を水に戻す復水器等に供給される。冷却水の温度は、復水器で蒸気を水に戻す熱交換を行うことにより上昇する。このため、冷却塔は、熱交換後の冷却水を再利用するために冷却するように構成されている。
例えば、冷却塔の一種である開放型冷却塔は、一部の冷却水が蒸発する際の気化熱により他の冷却水の冷却を行うように構成されている。開放型冷却塔において、当該冷却塔に導入された冷却水(復水器からの戻り水)は、冷却塔内に設置された充填材に滴下される。充填材には外気等の空気が供給される。これにより、一部の冷却水が蒸発しようとし、その気化熱により、その他の冷却水が冷却される。
このように、開放型冷却塔として構成される水利用設備6は、冷却水として導入された透過水W2が当該水利用設備6において利用される際に、その一部が蒸発するよう構成されている。このような水利用設備6では、冷却水として用いられる透過水W2を補充する必要が生じる。さらに、透過水W2の一部が蒸発することにより、透過水W2内の塩類が濃縮し、塩類濃度が上昇する。塩類濃度が過度に高くなると、水利用設備6内でCa等が凝集してスケールとして堆積する恐れがあるため、定期的に水利用設備6内の冷却水(透過水W2)を排出する必要がある。
したがって、水利用設備6においては、適宜透過水W2が導入され、導入した透過水W2が冷却等に利用された後、定期的に排水(ブロー水)W4として排出される。
水処理システム1は、水利用設備6から排出されるブロー水W4が化学軟化処理後の軟化水W5に混合されるように構成される。例えば、図1に示すように、水処理システム1は、化学軟化設備4から排出される軟化水W5および水利用設備6から排出されるブロー水W4を貯留する貯留タンク7を備えている。貯留タンク7は、軟化水W5およびブロー水W4を混合した後の混合水W6を貯留する。
第2逆浸透膜脱塩設備5は、ブロー水W4と軟化水W5との混合水W6を、逆浸透膜を用いて脱塩し、透過水W7と濃縮水W8とに分離して排出する。第2RO設備5における逆浸透圧は、第1RO設備3における逆浸透圧より高い圧力が必要となる。第2RO設備5に導入される混合水W6は、第1RO設備3に導入される原水W1より塩類濃度が高いためである。第2RO設備5で分離された透過水W7は、水利用設備6に再導入される。第2RO設備5で排出された濃縮水W8は系外に廃棄される。
上記構成によれば、第1RO設備3から排出された塩類濃度の高い濃縮水W3に水利用設備6の排水(ブロー水)W4が加えられる前に、当該濃縮水W3に対して化学軟化処理が行われる。これにより、化学軟化処理を適用する水の量を低減させることができる。さらに、化学軟化処理は適用される水の塩類濃度(Ca濃度)が高い程、除去する析出成分(Ca成分)を析出させ易くする(除去し易くする)ことができる。したがって、化学軟化処理に用いられる薬剤の量を低減することができる。さらに、第2RO設備5において、水利用設備6の排水(ブロー水)W4および軟化水W5が混合された混合水W6から再度透過水W7を生成することができる。これにより、透過水回収率をより高くすることができる。
以下、本実施の形態の水処理システム1における各設備の給排水(透過水W2,W7、濃縮水W3,W8、軟化水W5、ブロー水W4、混合水W6)の流量および塩類濃度等について比較例と対比して説明する。
図2は、図1に示す水処理システムにおける各設備の給排水における流量、Ca濃度、塩類濃度、pHの各値の設計値の一例を示す表である。図2に示すW1~W8が、図1における各給排水名に付されたW1~W8に対応している。下記例では、原水W1の流量が100m/h、Ca濃度が100mg/l、塩類濃度が1000mg/l、pHが6-8の場合の各給排水における各値を表にしている。
第1RO設備3では原水W1の80%が透過水W2として排出される。透過水W2は、Ca濃度を含む塩類濃度が十分に低減されている。その一方、濃縮水W3は、Ca濃度および塩類濃度がそれぞれ原水の5倍になっている。化学軟化設備4において、濃縮水W3に化学軟化処理が行われることにより、Caイオンが除去され、軟化水W5においてCa濃度が低減している。軟化水W5における全体の塩類濃度も、濃縮水W3に比べて、Ca濃度の低減に相当する濃度分低減している。
水利用設備6から排出されたブロー水W4は、Ca濃度を含む塩類濃度が水利用設備6に導入される透過水W2の50倍に濃縮されている。上述したように、水利用設備6においてこのような塩類濃度の水を利用し続けると、スケールが堆積し易くなる。一方で、ブロー水W4と濃縮水W3とを比較すると、ブロー水W4の塩類濃度は、濃縮水W3の塩類濃度の1/10であり、濃縮水W3の塩類濃度に比べてかなり低い。
そのため、本実施の形態においては、塩類濃度がより高い濃縮水W3に対して、ブロー水W4が混合される前に、化学軟化処理を行うことにより、必要な薬剤量を効果的に低減させている。
また、化学軟化処理に際して投入される薬剤(NaOH、NaCO等)は、液中でアルカリ性を示すため、化学軟化設備4から排出される軟化水W5は、pHが9.5-10のアルカリ性を示す。ここで、逆浸透膜脱塩設備においては導入された水を逆浸透膜に透過させることによりイオンが濃縮されるため、濃縮水のpHは上昇する。このことは、第1RO設備3において濃縮水W3のpHの範囲が原水W1のpHに比べて上方にシフトしていることからも理解できる。
逆浸透膜脱塩設備に導入される水のpHが高いと、逆浸透膜脱塩処理において逆浸透膜にCa成分が析出し易くなるため、濃縮水の割合が増えてしまい、透過水回収率が低下してしまう。このようなことから、逆浸透膜脱塩設備に導入される水は中性であることが好ましい。このため、化学軟化処理後の軟化水W5を後段の第2RO設備5にそのまま導入するのは好ましくない場合がある。このため、従来の化学軟化処理においては、化学軟化処理後の軟化水に対して硫酸(HSO)等の酸を中和剤(pH調整剤)として加えて、軟化水を中性に戻す処理が行われ得る。
本実施の形態においては、上述の通り、化学軟化処理後の軟化水W5にブロー水W4が混合される。この混合後の混合水W6のpHは、軟化水W5より低い値となる。混合水W6のpHが低くなる原因の1つは、ブロー水W4のpHは6.5-7.5の中性であるため、軟化水W5にブロー水W4を混合することにより、pHが低下することである。また、化学軟化設備4における化学軟化処理によって高い塩類濃度の濃縮水W3に対して積極的にCa成分等を析出させることにより、軟化水W5におけるイオンバランスが変化することも、混合水W6のpHが低くなる他の原因として、推測される。
このため、本実施の形態における水処理システム1においては、化学軟化処理後に中和剤を加えなくてもよくなる場合がある。ただし、化学軟化処理後の軟化水W5のpHによっては、軟化水W5に中和剤が加えられてもよい。この場合であっても、加えられる中和剤の量は、従来のシステムより少なくて済む。
以上のように、Ca成分を積極的に析出させたい化学軟化処理において、より高い塩類濃度の濃縮水W3を導入し、なるべくCa成分を析出させたくない逆浸透膜脱塩処理において、化学軟化処理後の軟化水W5にブロー水W4を混合した混合水W6を導入することにより、化学軟化処理において投入される薬剤の量を低減しつつ、第2RO設備5に導入される混合水W6にpH調整のための中和剤を投入する必要性をなくす、または、中和剤の投入量を低減させることができる。
この結果、少ない薬剤量で2回目の逆浸透膜脱塩処理を実現することができる。第2RO設備5において混合水W6の90%が透過水W7として排出され、水利用設備6に導入される。一方、第2RO設備5から排出される濃縮水W8は、塩類濃度が過度に高くなり、再処理には向かなくなるため、系外に廃棄される。しかし、廃棄される濃縮水W8の量は、この水処理システム1全体のわずか3%であり、水処理システム1全体としては、97%の透過水利用率を実現可能であり、効率的な原水W1の利用が図れていると言える。
図3は、図1に示す水処理システムに対応する比較例を示すブロック図である。図1の構成と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図3に示す比較例における水処理システムC1も、取水設備2、第1RO設備3、化学軟化設備4、および第2RO設備5を備え、水利用設備6に透過水W2,W7を供給するよう構成されている。ただし、水処理システムC1において、第1RO設備3から排出される濃縮水W3は、化学軟化設備4に導入される前に、貯留タンク7において水利用設備6の排水(ブロー水)W4に混合される。すなわち、化学軟化設備4には、濃縮水W3とブロー水W4との混合水W6Cが導入される。さらに、第2RO設備5には化学軟化設備4から排出された軟化水W5Cがそのまま導入される。
図4は、図3に示す比較例の水処理システムにおける各設備の給排水における流量、Ca濃度、塩類濃度、pHの各値の設計値の一例を示す表である。図4におけるW1~W8が、図3における各給排水名に付されたW1~W8に対応している。下記例でも、本実施の形態と同様に、原水W1の流量が100m/h、Ca濃度が100mg/l、塩類濃度が1000mg/l、pHが6-8の場合の各給排水における各値を表にしている。
上記比較例の水処理システムC1においては、化学軟化設備4に導入される前に、濃縮水W3にブロー水W4が混合される。このため、化学軟化設備4に導入される混合水W6CのCa濃度を含む塩類濃度は、本実施の形態における水処理システム1の化学軟化設備4に導入される濃縮水W3に比べて低くなる。上述したように、Ca成分を積極的に析出させたい化学軟化処理において導入される水は、塩類濃度が高いほど好ましいが、比較例においてはブロー水W4が混合されることにより、化学軟化設備4に導入される塩類濃度が低くなってしまう。したがって、化学軟化処理において混合水W6Cに含まれるCa成分を適切に析出させるためには、化学軟化処理に要する薬剤の量が本実施の形態より多くなる。
さらに、上記比較例の水処理システムC1においては、化学軟化設備4から排出された軟化水W5Cが第2RO設備5に導入される。軟化水W5Cは、上記実施の形態の水処理システム1における軟化水W5と同様に、pH9.5-10のアルカリ性を示す。このため、第2RO設備5においてCa成分の析出を抑えて理想的な透過水回収率(90%)を得るためには、中和剤によるpH調整処理が必須となり、中和剤の量も本実施の形態における投入量より多くなる。
このように、比較例の水処理システムC1においては、化学軟化処理のための薬剤およびpH調整のための中和剤の量が本実施の形態の水処理システム1に比べて多くなることが容易に予想され、そのコストを考慮すると、第2RO設備5における脱塩処理(2回目の脱塩処理)は実施されない可能性も生じる。その場合、比較例の水処理システムC1における混合水W6Cの30m/hは系外に廃棄されることとなり、システム全体の透過水回収率が低下する(97%→70%)結果となる。
したがって、以上より、本実施の形態の水処理システム1において、第1RO設備3で排出された濃縮水W3に、水利用設備6の排水(ブロー水)W4を混合する前に化学軟化処理を行うことにより、混合後に化学軟化処理を行う場合に比べて、化学軟化処理のための薬剤およびpH調整のための中和剤の量を低減し、透過水回収率を高くすることができることが理解できる。上記比較例との対比において、化学軟化処理のための薬剤(例えば苛性ソーダおよびソーダ灰)の使用量が2~3割程度低減し、中和剤(例えば硫酸)の使用量が50%程度低減することが見込まれる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施の形態では、第2RO設備5が第1RO設備3とは異なる設備であるように説明したが、第2RO設備として機能する第1RO設備において2回目の逆浸透膜脱塩処理を行ってもよい。すなわち、第1RO設備3に貯留タンク7から排出される混合水W6を再導入してもよい。また、水処理システム1は、3つ以上の逆浸透膜脱塩設備(第3RO設備、第4RO設備、…等)を備えていてもよい。
また、3回以上の逆浸透膜脱塩処理を行う場合(例えば3つ以上の逆浸透膜脱塩設備を備える場合)、化学軟化処理の対象となる濃縮水は、1回目の逆浸透膜脱塩処理によって排出される濃縮水に限られない。例えば、水処理システムにおいて、逆浸透膜脱塩処理を3回行う場合、2回目の逆浸透膜脱塩処理で排出された濃縮水のみに化学軟化処理を行ってもよいし、1回目および2回目の逆浸透膜脱塩処理で排出された濃縮水のそれぞれに化学軟化処理を行ってもよい。
上記水処理方法が適用される水利用設備6は、上記実施の形態において例示した開放型冷却塔に限られず、導入された水が蒸発し、少なくとも一部の水を排出する設備であれば、上記水処理方法を好適に適用可能である。例えば、水利用設備6は、工場用水利用設備、ボイラ、飲料水生成設備等を含み得る。
本発明は、塩類を含有する原水を導入して所定の水利用設備に給水するために原水の脱塩処理を行う際に、化学軟化処理に用いられる薬剤の量を低減するために有用である。
1 水処理システム
3 第1逆浸透膜脱塩設備(第1RO設備)
4 化学軟化設備
5 第2逆浸透膜脱塩設備(第2RO設備)
6 水利用設備

Claims (4)

  1. 塩類を含有する原水を導入して所定の水利用設備に給水するために前記原水の脱塩処理を行う水処理システムであって、
    前記原水を、逆浸透膜を用いた脱塩処理により、透過水と濃縮水とに分離して排出する第1逆浸透膜脱塩設備と、
    前記第1逆浸透膜脱塩設備で排出された濃縮水に対して化学軟化処理を行う化学軟化設備と、を備え、
    前記水利用設備は、導入された前記透過水が当該水利用設備において利用される際に、前記透過水の一部が蒸発するように構成され、
    前記透過水は、前記水利用設備に導入され、その排水が前記化学軟化処理後の軟化水に混合されるように構成される、水処理システム。
  2. 前記水利用設備の排水と前記軟化水との混合水を、逆浸透膜を用いて脱塩し、透過水と濃縮水とに分離して排出する第2逆浸透膜脱塩設備を備えた、請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記水利用設備は、前記透過水により対象物の冷却を行う冷却塔である、請求項1または2に記載の水処理システム。
  4. 塩類を含有する原水を導入して所定の水利用設備に給水するために前記原水の脱塩処理を行う水処理方法であって、
    前記水利用設備は、導入された前記透過水が当該水利用設備において利用される際に、前記透過水の一部が蒸発するように構成され、
    前記原水を、逆浸透膜を用いた脱塩処理により、透過水と濃縮水とに分離し、
    前記濃縮水に対して化学軟化処理を行い、
    前記透過水を、前記水利用設備に導入し、その排水を前記化学軟化処理後の軟化水に混合する、水処理方法。
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