JP2001149950A - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

水処理方法及び水処理装置

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JP2001149950A
JP2001149950A JP34236999A JP34236999A JP2001149950A JP 2001149950 A JP2001149950 A JP 2001149950A JP 34236999 A JP34236999 A JP 34236999A JP 34236999 A JP34236999 A JP 34236999A JP 2001149950 A JP2001149950 A JP 2001149950A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウムイオンを含有する工水、市水等と
フッ素イオンを含有する回収水とを混合してRO膜濾過
装置で脱イオン処理するに当たり、イオン交換処理を必
要とすることなく、スケール生成成分を効率的に除去し
て、RO膜面でのフッ化カルシウムのスケール障害を効
果的に防止し、安定かつ効率的な処理を長期に亘り維持
する。 【解決手段】 原水をpH8以上に調整すると共に原水
に炭酸カルシウム結晶と燐酸及び/又は燐酸塩とを添加
して難溶性のフロロアパタイトを生成させ、これをUF
膜又はMF膜により膜濾過で分離除去し、その後脱イオ
ン処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカルシウムイオン及
びフッ素イオンを含む水を原水とする水処理方法及び水
処理装置に係り、特に、フッ素イオンを含有する半導体
製造工程の洗浄排水の回収再利用に当たり、この回収水
を工水、市水等と混合して脱イオン処理する際に、濃縮
水側で生じるフッ化カルシウムのスケール障害を防止し
て効率的な水処理を行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】RO膜濾過装置は、イオン交換樹脂のよ
うな再生を行う必要がないことから、脱イオン手段とし
て好適に使用されているが、このRO膜濾過装置を長期
間安定に運転を継続するためには、原水中の濁質を予め
除去する必要がある。この除濁手段としては、従来、凝
集処理と、沈殿、浮上、砂濾過手段等を組み合わせた方
法が用いられてきた。しかし、この方法では硫酸アルミ
ニウム、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム系凝集
剤や、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄等の鉄系凝集剤を用いた
凝集処理が必要とされ、原水の水質変動に対応した凝集
剤の添加量の調整やpH条件の調整等、煩雑な操作が必
要となるという欠点があった。
【0003】近年、MF(精密濾過)膜やUF(限外濾
過)膜による膜濾過技術の進歩により、RO膜濾過に先
立つ除濁手段として、MF膜やUF膜を用いた膜濾過装
置が採用されるようになってきた。UF又はMF膜濾過
装置であれば、用いた膜の孔径以上の濁質成分を確実に
除去することができることから、必ずしも凝集処理を必
要とせず、定期的な膜の逆洗操作を自動で組み込むこと
により、簡便かつ確実に原水の除濁を行える。
【0004】ところで、半導体製造工場において発生す
る半導体チップの洗浄排水は、回収して脱イオン処理等
を施すことにより純度を高めた後再利用されているが、
この回収水の再利用に当っては、回収水に補給水として
の工水、市水、井水等を混合して脱イオン処理が行われ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カルシ
ウムイオンを含む工水、市水、井水等をMF又はUF膜
濾過装置で除濁処理した後、フッ素イオンを含む回収水
と混合してRO膜濾過装置で脱イオン処理すると、RO
膜濾過装置のRO膜面でフッ化カルシウム結晶が析出
し、RO膜にスケール障害が生じる。
【0006】このフッ化カルシウムのスケール障害を防
止するためには、RO膜濾過装置の前段にカルシウムイ
オンを除去するためのイオン交換処理が必要となること
から、処理設備が複雑になり、処理コストが高騰すると
いう問題がある。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、カル
シウムイオンを含有する工水、市水等とフッ素イオンを
含有する回収水とを混合してRO膜濾過装置で脱イオン
処理するに当たり、イオン交換処理を必要とすることな
く、スケール生成成分を効率的に除去して、RO膜面で
のフッ化カルシウムのスケール障害を効果的に防止し、
安定かつ効率的な処理を長期に亘り維持することができ
る水処理方法及び水処理装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の水処理方法は、
カルシウムイオン及びフッ素イオンを含む原水を水処理
する方法において、該原水をpH8以上に調整すると共
に原水に炭酸カルシウム結晶と燐酸及び/又は燐酸塩と
を添加した後、MF膜又はUF膜により膜濾過処理し、
その後脱イオン処理することを特徴とする。
【0009】本発明の水処理装置は、カルシウムイオン
及びフッ素イオンを含む原水の水処理装置において、該
原水のpH調整手段、原水に燐酸及び/又は燐酸塩を添
加する手段並びに原水に炭酸カルシウム結晶を添加する
手段を有する前処理手段と、該前処理手段の後段に設け
られたMF膜又はUF膜を備える膜濾過手段と、該膜濾
過手段の後段に設けられた脱イオン手段とを備えてなる
ことを特徴とする。
【0010】カルシウムイオン及びフッ素イオンを含む
原水をpH8以上に調整して炭酸カルシウム結晶と燐酸
及び/又は燐酸塩とを添加することにより、原水中のフ
ッ素イオンから難溶性のフロロアパタイトを生成させる
ことができる。この難溶性のフロロアパタイトは、UF
膜又はMF膜で効率的に除去することができるため、後
段の脱イオン処理において、フッ化カルシウムのスケー
ル障害を防止することができる。
【0011】ところで、半導体洗浄排水(回収水)には
イソプロピルアルコール等の有機溶媒が含まれており、
これを分解除去する必要がある。従来技術では、このよ
うな有機溶媒を除去するために、別途活性炭設備や紫外
線酸化装置等のTOC除去装置を設ける必要があった。
【0012】本発明では、MF又はUF膜濾過装置の入
口側でオゾンを注入することにより、イソプロピルアル
コール等の有機溶媒の分解を促進することができ、これ
により、これらの有機物によるMF又はUF膜の膜汚染
を防止して、長期に亘り高い透過流束を維持することが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0014】図1,2は本発明の水処理装置の実施の形
態を示す系統図である。なお、図1,2において、同一
機能を奏する部材には同一符号を付してある。
【0015】図1の水処理装置では、カルシウムイオン
含有水とフッ素イオン含有水とを混合した原水を、ま
ず、原水槽1に導入してpH調整及び薬剤の添加を行
う。図1において、この原水槽1は後段のMF膜濾過装
置2の循環水槽を兼ねるものである。
【0016】なお、本発明において、処理するカルシウ
ムイオン含有水としては、工業用水、市水、井水、河川
水等の天然水等が挙げられる。また、フッ素イオン含有
水としては、半導体製造工程、液晶製造工程等から排出
されるフッ素イオンを含有する回収水が挙げられる。
【0017】原水槽1では、原水に水酸化ナトリウム
(NaOH)等のアルカリを添加してpHを8以上に調
整すると共に、炭酸カルシウム(CaCO)結晶と燐
酸(H PO)及び/又は燐酸塩を添加して所定時間
攪拌することにより、フロロアパタイトを生成させる。
【0018】ここで調整pHを8以上とするのは、フロ
ロアパタイトの生成を促進するためであり、また、Ca
CO結晶はフロロアパタイト結晶生成のための核とし
て添加する。
【0019】調整pHは過度に高くても後段のpH調整
も含め、薬剤コストが嵩むため、pH8〜10程度、特
に8〜9程度とするのが好ましい。
【0020】また、CaCO結晶としては粒径50〜
500μm程度のものを用いるのが好ましく、その添加
量は原水に対して1〜20mg/L程度とするのが好ま
しい。
【0021】また、燐酸及び/又は燐酸塩の添加量は原
水のフッ素イオンの1〜2モル倍程度とするのが好まし
く、通常の場合、原水に対してP換算濃度で2〜8mg
/L程度添加するのが好ましい。燐酸塩としては、燐酸
のナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
【0022】なお、この原水槽1には、必要に応じて塩
化カルシウム(CaCl)、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)等のカルシウム塩を添加して、カルシウム
イオンを補給しても良い。即ち、フロロアパタイトの生
成のためには、フッ素イオンに対して5〜10モル倍程
度のカルシウムイオンが共存することが好ましいことか
ら、原水中にこのカルシウムイオンが不足する場合に
は、適宜カルシウム塩を添加して、カルシウムイオン濃
度が5〜20mg/L程度となるように調整する。
【0023】この原水槽1では、フロロアパタイトの生
成のために滞留時間10分以上を確保することが好まし
く、フロロアパタイトの生成効率及び処理効率の面か
ら、この滞留時間は10〜30分程度とするのが好まし
い。
【0024】原水槽1での水は、次いでポンプPによ
り、MF膜濾過装置2に通水して膜濾過処理する。この
膜濾過処理により、フロロアパタイトが除去される。こ
の膜濾過はクロスフロー形式で行うのが好ましく、循環
水は原水槽1に返送する。このようにMF膜の濃縮水を
循環することにより原水槽1内の種晶濃度を高めて、フ
ロロアパタイトの生成をより一層促進することができる
ようになる。
【0025】MF膜濾過装置2の透過水は次いで中間貯
留槽3で、塩酸(HCl)等の酸を添加してpH8以
下、好ましくはpH5〜8に調整する。このようにpH
を中性〜酸性側に調整することにより、後段のRO膜濾
過装置4のRO膜面での炭酸カルシウムのスケール障害
を防止することができる。
【0026】また、図1の装置では、炭酸カルシウムの
スケール障害をより確実に防止するために、RO膜濾過
装置4の前段の中間貯留槽3にスケール防止剤を添加し
ている。
【0027】ここで、スケール防止剤としては特に制限
は無いが、カルシウム塩の分散効果のある分散剤、具体
的にはホスホン塩、アクリル酸、重合燐酸系分散剤や、
カルシウムやフッ素とキレート作用のあるキレート剤、
具体的にはエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等を用い
ることができる。このようなスケール防止剤の添加量は
5〜10mg/L程度とするのが好ましい。
【0028】中間貯留槽3の水はポンプPによりRO
膜濾過装置4に通水して、RO膜濾過する。このRO膜
濾過において、原水中のフッ素イオンやカルシウムイオ
ンが予めMF膜濾過装置2で除去されているため、フッ
化カルシウムのスケール障害を引き起こすことなく、安
定かつ効率的な処理を継続することができる。
【0029】ところで、前述の如く、半導体洗浄排水
(回収水)にはイソプロピルアルコール等の有機溶媒が
含まれており、このような有機物は、MF膜濾過装置2
の膜汚染の原因となるため、これを除去する必要があ
る。
【0030】図2の装置では、MF膜濾過装置2の入口
側でオゾンを注入することにより、イソプロピルアルコ
ール等の有機溶媒の分解を促進し、これにより、これら
の有機物によるMF膜の膜汚染を防止して、長期に亘
り、高い透過流束を維持する。
【0031】この場合、オゾンは、MF膜濾過装置2の
透過水中に溶存オゾンが残留するように注入するのが好
ましく、通常の場合、MF膜透過水の残留オゾン濃度が
0.2〜1mg−O/L程度となるようにオゾンを注
入するのが好ましい。
【0032】また、このように、オゾンを注入した場合
には、後段のRO膜濾過装置4に残留オゾンが流入しな
いように、中間貯留槽3に還元剤を添加することが好ま
しい。還元剤の添加は、系内を還元雰囲気として微生物
の増殖を抑制する上でも有効である。
【0033】ここで還元剤としては特に限定されるもの
ではないが、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、ヒドラジン等を用いることができ、特に重亜硫酸ナ
トリウムを用いるのが好ましい。
【0034】還元剤の添加量は残留オゾンの還元除去に
十分な量であれば良く、通常残留オゾン濃度の1.2〜
2倍程度添加するのが好ましい。
【0035】このように、フロロアパタイトの生成と共
に、オゾン注入によるTOCの除去及び残留オゾンの還
元除去を行うことにより、膜の透過流束を安定させると
共に、より一層高水質の処理水を得ることができる。
【0036】なお、図1,2に示す装置は本発明の実施
の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限
り、何ら図示のものに限定されるものではない。
【0037】例えば、RO膜濾過装置の前段の膜濾過装
置としてはMF膜濾過装置の他、UF膜濾過装置であっ
ても同様の効果を得ることができる。
【0038】また、図1,2ではフロロアパタイト生成
のための調整槽を、原水槽と循環槽と兼用させている
が、原水槽、調整槽、循環槽を各々独立して設けても良
い。いずれの場合においても、pH調整を行ってフロロ
アパタイトを生成させる槽で滞留時間10分以上を確保
することが好ましい。
【0039】また、図1,2では、脱イオン装置として
RO膜濾過装置を用いているが、この脱イオン装置とし
ては、薬品による再生処理が不要な点から、RO膜濾過
装置や電気再生式脱イオン装置を用いることが好まし
く、これらの脱イオン装置は各々単独で用いても、RO
膜濾過装置を2段以上に配置しても良く、また、RO膜
濾過装置とその後段に電気再生式脱イオン装置を配した
併用装置として用いても良い。
【0040】また、本発明では、必要に応じて、炭酸イ
オンの除去を目的としてRO膜濾過装置等の脱イオン装
置(2段に設ける場合には前段のRO膜濾過装置)の前
段又は後段に脱炭酸装置を設けても良い。この場合、脱
炭酸装置は特に限定されるものでは無く、脱炭酸塔、脱
気膜、真空脱気、窒素脱気、加温脱気装置等、通常用い
られるものを採用することができる。
【0041】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0042】実施例1 図1に示す装置により、本発明に従って、水処理を行っ
た。
【0043】原水としては、カルシウムイオン含有水と
フッ素イオン含有水との混合水を擬すために、神奈川県
営水道水(Ca濃度52mg/L)にフッ酸(HF)を
F換算濃度で5mg/Lの割合で添加した水を用いた。
【0044】MF膜濾過装置2としては、公称孔径0.
2μmの4フッ化ポリエチレン(PTFE)製平膜より
なるスパイラル型MF膜モジュール(栗田工業(株)製
「KMO212R」)を装填したものを用いた。
【0045】また、RO膜濾過装置4としては、ポリア
ミド系のスパイラル型RO膜モジュール(日東電工
(株)製「ES−10」)を装填したものを用いた。
【0046】原水槽1においては、原水にNaOHを添
加してpHを8.5に調整すると共に、平均粒径50μ
mのCaCO結晶を10mg/L添加し、HPO
をP換算濃度で40mg/L添加した。また、CaCl
をCa換算濃度で40mg/L添加した。この原水槽
1の滞留時間は18分とした。
【0047】この原水槽1の水は、MF膜濾過装置2に
通水し、濃縮水は原水槽1に返送するクロスフロー形式
で膜濾過した。このMF膜濾過装置2では7.5分間隔
で透過水側に空気を押し込んで逆洗すると共に原水側に
も空気を導入してエアスクラビングを行い、MF膜面の
汚染物質を系外へ排出した。この逆洗に当たり、水回収
率が95%となるように逆洗排水量を調整した。従っ
て、MF膜濾過装置2において、原水のSS成分と添加
したCaCOの濃縮倍率は20倍となった。
【0048】MF膜濾過装置2の透過水は中間貯留槽3
でHClを添加してpH7.0に調整すると共に、ヘキ
サメタリン酸ナトリウムを10mg/L添加した後、R
O膜濾過装置4に通水した。RO膜濾過装置4の操作圧
力は750kPaとし、水回収率80%でRO膜濾過を
行った。
【0049】以上の処理条件を表1にまとめて記載す
る。
【0050】このような処理において、MF膜濾過装置
2の透過水の水質は表2に示す通りであった。
【0051】また、RO膜濾過装置4における透過流束
の維持率を、14日通水後の透過流束Jを通水初期の透
過流束Jで除して求め、結果を表3に示した。
【0052】比較例1 実施例1において、原水槽1において、NaOHとH
POを添加しなかったこと以外は同様にして処理を行
った。
【0053】このときの処理条件、MF膜濾過装置2の
透過水の水質、RO膜濾過装置4のJ/Jを各々表
1,表2,表3に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】表2より明らかなように、実施例1では、
MF膜透過水のF濃度は1.0mg/L以下となり、C
a濃度も原水濃度より大幅に低下した。このMF膜透過
水をpH調整すると共にスケール防止剤を添加してRO
膜濾過装置に通水した実施例1では、14日通水後も透
過流束の低下は殆ど認められなかった。
【0058】一方、原水にNaOHとHPOを添加
しなかった比較例1ではMF膜透過水のCa濃度及びF
濃度が共に高く、14日通水後のRO膜の透過流束比は
15%も低下した。
【0059】実施例2 図2に示す装置により、本発明に従って、水処理を行っ
た。
【0060】原水としては、カルシウムイオン含有水と
フッ素イオン含有水との混合水を模擬するために、神奈
川県営水道水(Ca濃度52mg/L)にHFをF換算
濃度で5mg/Lの割合で添加すると共に、イソプロピ
ルアルコール(IPA)をTOCとして0.5mg/L
添加した水を用いた。
【0061】MF膜濾過装置2の入口側では、オゾンを
5mg−O/Lとなるように添加した。また、中間貯
留槽3では、HCl,ヘキサメタリン酸ナトリウムと共
に、重亜硫酸ナトリウム5mg/Lを添加して、MF膜
透過水に残留する溶存オゾンを除去すると共に還元雰囲
気にすることにより微生物の増殖を抑えてRO膜濾過装
置4に供給した。
【0062】その他、用いた濾過装置や処理条件は実施
例1と同様とした。
【0063】この処理条件を表4にまとめて記載する。
【0064】このような処理において、MF膜濾過装置
2の透過水の水質は表5に示す通りであった。
【0065】また、3〜5日の連続通水を行った際、1
日1回実施したエアスクラビング後のMF膜の膜差圧か
ら、その差圧上昇速度を求めてMF膜の濾過安定性を評
価し、結果を表6に示した。
【0066】更に、このMF膜透過水をRO膜濾過装置
に通水して得られたRO膜透過水の平均TOC濃度とT
OC除去率を表7に示した。
【0067】実施例3 実施例2において、MF膜濾過装置2の入口側でオゾン
注入を行わなかったこと以外は同様にして処理を行っ
た。
【0068】このときの処理条件、MF膜濾過装置2の
透過水の水質、MF膜の差圧上昇速度及びRO膜透過水
の平均TOC濃度、TOC除去率を各々表4,表5,表
6,表7に示した。
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】表5より明らかなように、実施例2,3の
いずれにおいても、MF膜透過水のCa,F濃度は同様
に低下しているが、オゾンを注入した実施例2では、更
にTOCも大幅に低下している。
【0074】また、表6より明らかなように、MF膜透
過水中に残留オゾンが検出される条件で通水した実施例
2では、透過流束5m/dayと高流束としても膜の差
圧上昇速度は極めて低く、安定した通水が可能であり、
かつMF膜でのTOC除去率も62%と高い値を示し
た。これに対して、オゾンを注入しなかった実施例3で
は膜の差圧上昇速度は極めて高く、この運転を継続すれ
ば1週間に1回の高頻度で薬品洗浄する必要が生じるこ
とが確認された。また、MF膜でのTOCの除去性は殆
ど認められなかった。
【0075】更に、表7より明らかなように、RO膜自
体でのTOC除去率にはオゾンを注入した実施例2とオ
ゾンを注入しない実施例3とで大差はないが、実施例2
では、MF膜でのTOCの除去効果により、RO膜にて
TOC0.05mg/L以下の高水質の処理水を得るこ
とができた。
【0076】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の水処理方法
及び水処理装置によれば、カルシウムイオンを含有する
工水、市水等とフッ素イオンを含有する回収水とを混合
してRO膜濾過装置等で脱イオン処理するに当たり、イ
オン交換処理を必要とすることなく、MF又はUF膜濾
過装置でスケール生成成分を効率的に除去して、RO膜
面でのフッ化カルシウムのスケール障害を効果的に防止
し、安定かつ効率的な処理を長期に亘り維持することが
できる。請求項2,4によれば、原水中の有機物を効率
的に分解することにより、有機物によるMF又はUF膜
の膜汚染を防止して、長期に亘り高い透過流束を維持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理装置の実施の形態を示す系統図
である。
【図2】本発明の水処理装置の別の実施の形態を示す系
統図である。
【符号の説明】
1 原水槽 2 MF膜濾過装置 3 中間貯留槽 4 RO膜濾過装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 HA61 JA39Z JA57Z KA01 KA12 KA31 KA43 KA52 KA55 KA57 KA72 KB17 KC03 KC14 KD03 KD21 KD30 KE05R KE06R KE15R MA03 MA22 MB02 MB07 MC30X MC54X PB04 PB05 PB06 PB07 PB27 PB28 PC01 4D038 AA08 AB09 AB24 AB41 AB45 AB59 BB03 BB09 BB13 BB15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウムイオン及びフッ素イオンを含
    む原水を水処理する方法において、 該原水をpH8以上に調整すると共に原水に炭酸カルシ
    ウム結晶と燐酸及び/又は燐酸塩とを添加した後、MF
    膜又はUF膜により膜濾過処理し、その後脱イオン処理
    することを特徴とする水処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、膜濾過処理する水に
    オゾンを注入することを特徴とする水処理方法。
  3. 【請求項3】 カルシウムイオン及びフッ素イオンを含
    む原水の水処理装置において、 該原水のpH調整手段、原水に燐酸及び/又は燐酸塩を
    添加する手段並びに原水に炭酸カルシウム結晶を添加す
    る手段を有する前処理手段と、 該前処理手段の後段に設けられたMF膜又はUF膜を備
    える膜濾過手段と、 該膜濾過手段の後段に設けられた脱イオン手段とを備え
    てなることを特徴とする水処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、膜濾過手段の前段に
    オゾン注入手段が設けられていることを特徴とする水処
    理装置。
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Cited By (13)

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