JP3788145B2 - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカルシウムイオン及びフッ素イオンを含む水を原水とする水処理方法及び水処理装置に係り、特に、フッ素イオンを含有する半導体製造工程の洗浄排水の回収再利用に当たり、この回収水を工水、市水等と混合して脱イオン処理する際に、濃縮水側で生じるフッ化カルシウムのスケール障害を防止して効率的な水処理を行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
RO膜濾過装置は、イオン交換樹脂のような再生を行う必要がないことから、脱イオン手段として好適に使用されているが、このRO膜濾過装置を長期間安定に運転を継続するためには、原水中の濁質を予め除去する必要がある。この除濁手段としては、従来、凝集処理と、沈殿、浮上、砂濾過手段等を組み合わせた方法が用いられてきた。しかし、この方法では硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム系凝集剤や、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄等の鉄系凝集剤を用いた凝集処理が必要とされ、原水の水質変動に対応した凝集剤の添加量の調整やpH条件の調整等、煩雑な操作が必要となるという欠点があった。
【0003】
近年、MF(精密濾過)膜やUF(限外濾過)膜による膜濾過技術の進歩により、RO膜濾過に先立つ除濁手段として、MF膜やUF膜を用いた膜濾過装置が採用されるようになってきた。UF又はMF膜濾過装置であれば、用いた膜の孔径以上の濁質成分を確実に除去することができることから、必ずしも凝集処理を必要とせず、定期的な膜の逆洗操作を自動で組み込むことにより、簡便かつ確実に原水の除濁を行える。
【0004】
ところで、半導体製造工場において発生する半導体チップの洗浄排水は、回収して脱イオン処理等を施すことにより純度を高めた後再利用されているが、この回収水の再利用に当っては、回収水に補給水としての工水、市水、井水等を混合して脱イオン処理が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カルシウムイオンを含む工水、市水、井水等をMF又はUF膜濾過装置で除濁処理した後、フッ素イオンを含む回収水と混合してRO膜濾過装置で脱イオン処理すると、RO膜濾過装置のRO膜面でフッ化カルシウム結晶が析出し、RO膜にスケール障害が生じる。
【0006】
このフッ化カルシウムのスケール障害を防止するためには、RO膜濾過装置の前段にカルシウムイオンを除去するためのイオン交換処理が必要となることから、処理設備が複雑になり、処理コストが高騰するという問題がある。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決し、カルシウムイオンを含有する工水、市水等とフッ素イオンを含有する回収水とを混合してRO膜濾過装置で脱イオン処理するに当たり、イオン交換処理を必要とすることなく、スケール生成成分を効率的に除去して、RO膜面でのフッ化カルシウムのスケール障害を効果的に防止し、安定かつ効率的な処理を長期に亘り維持することができる水処理方法及び水処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の水処理方法は、カルシウムイオン及びフッ素イオンを含む原水を水処理する方法において、該原水をpH8以上に調整すると共に原水に炭酸カルシウム結晶と燐酸及び/又は燐酸塩とを添加して炭酸カルシウム結晶を核としてフロロアパタイトを生成させた後、MF膜又はUF膜により膜濾過処理して該フロロアパタイトを除去し、その後RO膜濾過処理することを特徴とする。
【0009】
本発明の水処理装置は、カルシウムイオン及びフッ素イオンを含む原水の水処理装置において、該原水のpH調整手段、原水に燐酸及び/又は燐酸塩を添加する手段並びに原水に炭酸カルシウム結晶を添加する手段を有する、炭酸カルシウム結晶を核としてフロロアパタイトを生成させる前処理手段と、該前処理手段の後段に設けられた、該フロロアパタイトを除去するMF膜又はUF膜を備える膜濾過手段と、該膜濾過手段の後段に設けられたRO膜濾過装置とを備えてなることを特徴とする。
【0010】
カルシウムイオン及びフッ素イオンを含む原水をpH8以上に調整して炭酸カルシウム結晶と燐酸及び/又は燐酸塩とを添加することにより、原水中のフッ素イオンから難溶性のフロロアパタイトを生成させることができる。この難溶性のフロロアパタイトは、UF膜又はMF膜で効率的に除去することができるため、後段の脱イオン処理において、フッ化カルシウムのスケール障害を防止することができる。
【0011】
ところで、半導体洗浄排水(回収水)にはイソプロピルアルコール等の有機溶媒が含まれており、これを分解除去する必要がある。従来技術では、このような有機溶媒を除去するために、別途活性炭設備や紫外線酸化装置等のTOC除去装置を設ける必要があった。
【0012】
本発明では、MF又はUF膜濾過装置の入口側でオゾンを注入することにより、イソプロピルアルコール等の有機溶媒の分解を促進することができ、これにより、これらの有機物によるMF又はUF膜の膜汚染を防止して、長期に亘り高い透過流束を維持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1,2は本発明の水処理装置の実施の形態を示す系統図である。なお、図1,2において、同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
【0015】
図1の水処理装置では、カルシウムイオン含有水とフッ素イオン含有水とを混合した原水を、まず、原水槽1に導入してpH調整及び薬剤の添加を行う。図1において、この原水槽1は後段のMF膜濾過装置2の循環水槽を兼ねるものである。
【0016】
なお、本発明において、処理するカルシウムイオン含有水としては、工業用水、市水、井水、河川水等の天然水等が挙げられる。また、フッ素イオン含有水としては、半導体製造工程、液晶製造工程等から排出されるフッ素イオンを含有する回収水が挙げられる。
【0017】
原水槽1では、原水に水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリを添加してpHを8以上に調整すると共に、炭酸カルシウム(CaCO)結晶と燐酸(HPO)及び/又は燐酸塩を添加して所定時間攪拌することにより、フロロアパタイトを生成させる。
【0018】
ここで調整pHを8以上とするのは、フロロアパタイトの生成を促進するためであり、また、CaCO結晶はフロロアパタイト結晶生成のための核として添加する。
【0019】
調整pHは過度に高くても後段のpH調整も含め、薬剤コストが嵩むため、pH8〜10程度、特に8〜9程度とするのが好ましい。
【0020】
また、CaCO結晶としては粒径50〜500μm程度のものを用いるのが好ましく、その添加量は原水に対して1〜20mg/L程度とするのが好ましい。
【0021】
また、燐酸及び/又は燐酸塩の添加量は原水のフッ素イオンの1〜2モル倍程度とするのが好ましく、通常の場合、原水に対してP換算濃度で2〜8mg/L程度添加するのが好ましい。燐酸塩としては、燐酸のナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
【0022】
なお、この原水槽1には、必要に応じて塩化カルシウム(CaCl)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)等のカルシウム塩を添加して、カルシウムイオンを補給しても良い。即ち、フロロアパタイトの生成のためには、フッ素イオンに対して5〜10モル倍程度のカルシウムイオンが共存することが好ましいことから、原水中にこのカルシウムイオンが不足する場合には、適宜カルシウム塩を添加して、カルシウムイオン濃度が5〜20mg/L程度となるように調整する。
【0023】
この原水槽1では、フロロアパタイトの生成のために滞留時間10分以上を確保することが好ましく、フロロアパタイトの生成効率及び処理効率の面から、この滞留時間は10〜30分程度とするのが好ましい。
【0024】
原水槽1での水は、次いでポンプPにより、MF膜濾過装置2に通水して膜濾過処理する。この膜濾過処理により、フロロアパタイトが除去される。この膜濾過はクロスフロー形式で行うのが好ましく、循環水は原水槽1に返送する。このようにMF膜の濃縮水を循環することにより原水槽1内の種晶濃度を高めて、フロロアパタイトの生成をより一層促進することができるようになる。
【0025】
MF膜濾過装置2の透過水は次いで中間貯留槽3で、塩酸(HCl)等の酸を添加してpH8以下、好ましくはpH5〜8に調整する。このようにpHを中性〜酸性側に調整することにより、後段のRO膜濾過装置4のRO膜面での炭酸カルシウムのスケール障害を防止することができる。
【0026】
また、図1の装置では、炭酸カルシウムのスケール障害をより確実に防止するために、RO膜濾過装置4の前段の中間貯留槽3にスケール防止剤を添加している。
【0027】
ここで、スケール防止剤としては特に制限は無いが、カルシウム塩の分散効果のある分散剤、具体的にはホスホン塩、アクリル酸、重合燐酸系分散剤や、カルシウムやフッ素とキレート作用のあるキレート剤、具体的にはエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等を用いることができる。このようなスケール防止剤の添加量は5〜10mg/L程度とするのが好ましい。
【0028】
中間貯留槽3の水はポンプPによりRO膜濾過装置4に通水して、RO膜濾過する。このRO膜濾過において、原水中のフッ素イオンやカルシウムイオンが予めMF膜濾過装置2で除去されているため、フッ化カルシウムのスケール障害を引き起こすことなく、安定かつ効率的な処理を継続することができる。
【0029】
ところで、前述の如く、半導体洗浄排水(回収水)にはイソプロピルアルコール等の有機溶媒が含まれており、このような有機物は、MF膜濾過装置2の膜汚染の原因となるため、これを除去する必要がある。
【0030】
図2の装置では、MF膜濾過装置2の入口側でオゾンを注入することにより、イソプロピルアルコール等の有機溶媒の分解を促進し、これにより、これらの有機物によるMF膜の膜汚染を防止して、長期に亘り、高い透過流束を維持する。
【0031】
この場合、オゾンは、MF膜濾過装置2の透過水中に溶存オゾンが残留するように注入するのが好ましく、通常の場合、MF膜透過水の残留オゾン濃度が0.2〜1mg−O/L程度となるようにオゾンを注入するのが好ましい。
【0032】
また、このように、オゾンを注入した場合には、後段のRO膜濾過装置4に残留オゾンが流入しないように、中間貯留槽3に還元剤を添加することが好ましい。還元剤の添加は、系内を還元雰囲気として微生物の増殖を抑制する上でも有効である。
【0033】
ここで還元剤としては特に限定されるものではないが、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン等を用いることができ、特に重亜硫酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0034】
還元剤の添加量は残留オゾンの還元除去に十分な量であれば良く、通常残留オゾン濃度の1.2〜2倍程度添加するのが好ましい。
【0035】
このように、フロロアパタイトの生成と共に、オゾン注入によるTOCの除去及び残留オゾンの還元除去を行うことにより、膜の透過流束を安定させると共に、より一層高水質の処理水を得ることができる。
【0036】
なお、図1,2に示す装置は本発明の実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。
【0037】
例えば、RO膜濾過装置の前段の膜濾過装置としてはMF膜濾過装置の他、UF膜濾過装置であっても同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、図1,2ではフロロアパタイト生成のための調整槽を、原水槽と循環槽と兼用させているが、原水槽、調整槽、循環槽を各々独立して設けても良い。いずれの場合においても、pH調整を行ってフロロアパタイトを生成させる槽で滞留時間10分以上を確保することが好ましい。
【0039】
また、図1,2では、脱イオン装置として、薬品による再生処理が不要な点から、RO膜濾過装置を用いる。RO膜濾過装置は単独で用いても、RO膜濾過装置を2段以上に配置しても良く、また、RO膜濾過装置とその後段に電気再生式脱イオン装置を配した併用装置として用いても良い。
【0040】
また、本発明では、必要に応じて、炭酸イオンの除去を目的としてRO膜濾過装置等の脱イオン装置(2段に設ける場合には前段のRO膜濾過装置)の前段又は後段に脱炭酸装置を設けても良い。この場合、脱炭酸装置は特に限定されるものでは無く、脱炭酸塔、脱気膜、真空脱気、窒素脱気、加温脱気装置等、通常用いられるものを採用することができる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0042】
実施例1
図1に示す装置により、本発明に従って、水処理を行った。
【0043】
原水としては、カルシウムイオン含有水とフッ素イオン含有水との混合水を擬すために、神奈川県営水道水(Ca濃度52mg/L)にフッ酸(HF)をF換算濃度で5mg/Lの割合で添加した水を用いた。
【0044】
MF膜濾過装置2としては、公称孔径0.2μmの4フッ化ポリエチレン(PTFE)製平膜よりなるスパイラル型MF膜モジュール(栗田工業(株)製「KMO212R」)を装填したものを用いた。
【0045】
また、RO膜濾過装置4としては、ポリアミド系のスパイラル型RO膜モジュール(日東電工(株)製「ES−10」)を装填したものを用いた。
【0046】
原水槽1においては、原水にNaOHを添加してpHを8.5に調整すると共に、平均粒径50μmのCaCO結晶を10mg/L添加し、HPOをP換算濃度で40mg/L添加した。また、CaClをCa換算濃度で40mg/L添加した。この原水槽1の滞留時間は18分とした。
【0047】
この原水槽1の水は、MF膜濾過装置2に通水し、濃縮水は原水槽1に返送するクロスフロー形式で膜濾過した。このMF膜濾過装置2では7.5分間隔で透過水側に空気を押し込んで逆洗すると共に原水側にも空気を導入してエアスクラビングを行い、MF膜面の汚染物質を系外へ排出した。この逆洗に当たり、水回収率が95%となるように逆洗排水量を調整した。従って、MF膜濾過装置2において、原水のSS成分と添加したCaCOの濃縮倍率は20倍となった。
【0048】
MF膜濾過装置2の透過水は中間貯留槽3でHClを添加してpH7.0に調整すると共に、ヘキサメタリン酸ナトリウムを10mg/L添加した後、RO膜濾過装置4に通水した。RO膜濾過装置4の操作圧力は750kPaとし、水回収率80%でRO膜濾過を行った。
【0049】
以上の処理条件を表1にまとめて記載する。
【0050】
このような処理において、MF膜濾過装置2の透過水の水質は表2に示す通りであった。
【0051】
また、RO膜濾過装置4における透過流束の維持率を、14日通水後の透過流束Jを通水初期の透過流束Jで除して求め、結果を表3に示した。
【0052】
比較例1
実施例1において、原水槽1において、NaOHとHPOを添加しなかったこと以外は同様にして処理を行った。
【0053】
このときの処理条件、MF膜濾過装置2の透過水の水質、RO膜濾過装置4のJ/Jを各々表1,表2,表3に示した。
【0054】
【表1】
Figure 0003788145
【0055】
【表2】
Figure 0003788145
【0056】
【表3】
Figure 0003788145
【0057】
表2より明らかなように、実施例1では、MF膜透過水のF濃度は1.0mg/L以下となり、Ca濃度も原水濃度より大幅に低下した。このMF膜透過水をpH調整すると共にスケール防止剤を添加してRO膜濾過装置に通水した実施例1では、14日通水後も透過流束の低下は殆ど認められなかった。
【0058】
一方、原水にNaOHとHPOを添加しなかった比較例1ではMF膜透過水のCa濃度及びF濃度が共に高く、14日通水後のRO膜の透過流束比は15%も低下した。
【0059】
実施例2
図2に示す装置により、本発明に従って、水処理を行った。
【0060】
原水としては、カルシウムイオン含有水とフッ素イオン含有水との混合水を模擬するために、神奈川県営水道水(Ca濃度52mg/L)にHFをF換算濃度で5mg/Lの割合で添加すると共に、イソプロピルアルコール(IPA)をTOCとして0.5mg/L添加した水を用いた。
【0061】
MF膜濾過装置2の入口側では、オゾンを5mg−O/Lとなるように添加した。また、中間貯留槽3では、HCl,ヘキサメタリン酸ナトリウムと共に、重亜硫酸ナトリウム5mg/Lを添加して、MF膜透過水に残留する溶存オゾンを除去すると共に還元雰囲気にすることにより微生物の増殖を抑えてRO膜濾過装置4に供給した。
【0062】
その他、用いた濾過装置や処理条件は実施例1と同様とした。
【0063】
この処理条件を表4にまとめて記載する。
【0064】
このような処理において、MF膜濾過装置2の透過水の水質は表5に示す通りであった。
【0065】
また、3〜5日の連続通水を行った際、1日1回実施したエアスクラビング後のMF膜の膜差圧から、その差圧上昇速度を求めてMF膜の濾過安定性を評価し、結果を表6に示した。
【0066】
更に、このMF膜透過水をRO膜濾過装置に通水して得られたRO膜透過水の平均TOC濃度とTOC除去率を表7に示した。
【0067】
実施例3
実施例2において、MF膜濾過装置2の入口側でオゾン注入を行わなかったこと以外は同様にして処理を行った。
【0068】
このときの処理条件、MF膜濾過装置2の透過水の水質、MF膜の差圧上昇速度及びRO膜透過水の平均TOC濃度、TOC除去率を各々表4,表5,表6,表7に示した。
【0069】
【表4】
Figure 0003788145
【0070】
【表5】
Figure 0003788145
【0071】
【表6】
Figure 0003788145
【0072】
【表7】
Figure 0003788145
【0073】
表5より明らかなように、実施例2,3のいずれにおいても、MF膜透過水のCa,F濃度は同様に低下しているが、オゾンを注入した実施例2では、更にTOCも大幅に低下している。
【0074】
また、表6より明らかなように、MF膜透過水中に残留オゾンが検出される条件で通水した実施例2では、透過流束5m/dayと高流束としても膜の差圧上昇速度は極めて低く、安定した通水が可能であり、かつMF膜でのTOC除去率も62%と高い値を示した。これに対して、オゾンを注入しなかった実施例3では膜の差圧上昇速度は極めて高く、この運転を継続すれば1週間に1回の高頻度で薬品洗浄する必要が生じることが確認された。また、MF膜でのTOCの除去性は殆ど認められなかった。
【0075】
更に、表7より明らかなように、RO膜自体でのTOC除去率にはオゾンを注入した実施例2とオゾンを注入しない実施例3とで大差はないが、実施例2では、MF膜でのTOCの除去効果により、RO膜にてTOC0.05mg/L以下の高水質の処理水を得ることができた。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の水処理方法及び水処理装置によれば、カルシウムイオンを含有する工水、市水等とフッ素イオンを含有する回収水とを混合してRO膜濾過装置等で脱イオン処理するに当たり、イオン交換処理を必要とすることなく、MF又はUF膜濾過装置でスケール生成成分を効率的に除去して、RO膜面でのフッ化カルシウムのスケール障害を効果的に防止し、安定かつ効率的な処理を長期に亘り維持することができる。
請求項2,4によれば、原水中の有機物を効率的に分解することにより、有機物によるMF又はUF膜の膜汚染を防止して、長期に亘り高い透過流束を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】本発明の水処理装置の別の実施の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
1 原水槽
2 MF膜濾過装置
3 中間貯留槽
4 RO膜濾過装置

Claims (4)

  1. カルシウムイオン及びフッ素イオンを含む原水を水処理する方法において、
    該原水をpH8以上に調整すると共に原水に炭酸カルシウム結晶と燐酸及び/又は燐酸塩とを添加して炭酸カルシウム結晶を核としてフロロアパタイトを生成させた後、MF膜又はUF膜により膜濾過処理して該フロロアパタイトを除去し、その後RO膜濾過処理することを特徴とする水処理方法。
  2. 請求項1において、膜濾過処理する水にオゾンを注入することを特徴とする水処理方法。
  3. カルシウムイオン及びフッ素イオンを含む原水の水処理装置において、
    該原水のpH調整手段、原水に燐酸及び/又は燐酸塩を添加する手段並びに原水に炭酸カルシウム結晶を添加する手段を有する、炭酸カルシウム結晶を核としてフロロアパタイトを生成させる前処理手段と、
    該前処理手段の後段に設けられた、該フロロアパタイトを除去するMF膜又はUF膜を備える膜濾過手段と、
    該膜濾過手段の後段に設けられたRO膜濾過装置とを備えてなることを特徴とする水処理装置。
  4. 請求項3において、膜濾過手段の前段にオゾン注入手段が設けられていることを特徴とする水処理装置。
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