JP5562670B2 - 水回収システム - Google Patents

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本発明は、化学工業、製紙工業、製鉄工業、電力工業等の工業プロセスにおいて、純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備と循環冷却水を用いた冷却設備とを有し、該冷却設備において循環冷却水の一部がブローダウンされる工業プロセスにおける水回収システムに関する。
工業プロセスに用いられる純水は、洗浄用途、冷却用途、水蒸気原料等に多量に、かつ多様な品質水準で用いられている。特に、ボイラー等水蒸気を発生させる設備で用いられる純水の使用量は極めて多量であるが、地球規模で水不足が進む中で、この純水を製造するための市水使用量を少なくする技術が強く求められている。発生させた水蒸気を凝縮させて再利用する事により市水使用量を少なくする方法は良く知られており、実際に多くの工業プロセスで現実に採用されているが、市水使用量をさらに削減したいという要求は依然として高い。一方で、地球規模での水汚染の問題も、純水製造時の廃棄物発生量に影響を及ぼしている。例えば、市水をイオン交換樹脂で処理して純水を製造する場合、市水の品質が悪化するに伴いイオン交換樹脂の劣化速度が大きくなり廃樹脂の発生量が増加すると共に、イオン交換樹脂を再生する為の薬剤使用量も増加する為再生廃液の発生量も増加してしまう。
また、河川水を市水として使用する場合には、天候の変動等による河川水の品質変動等により、純水を製造する上でのオペレーションの安定性が損なわれるという問題も生じる。
一方で、循環冷却水を用いた冷却設備を備えている工業プロセスも極めて多い。水蒸気で加熱されたプロセス流体を熱交換器で循環冷却水を用いて冷却し、この循環冷却水を冷却塔で冷却する方式は、その代表例である。このような場合、その工業プロセスは上述した水蒸気を発生させる設備と循環冷却水を用いた冷却設備の両方を備えている事が多い。
冷却塔に用いる水の使用量を削減する方法も数多く知られている。例えば、特開2003−1256号では、循環冷却水系からブローダウンされた水に酸を添加した後逆浸透膜(RO膜)で脱イオン処理して冷却水と混合し、混合後のPHを中性ないしアルカリ性にする方法を提案している。該方法によれば、冷却塔に用いる市水等の使用量を削減する事ができるので、水不足の解消には貢献するものの、上述した純水を製造する為の廃棄物使用量の削減や、同じく純水を製造する為のオペレーション安定性を高めると言う課題に応えることはできなかった。
すなわち、純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備と、循環冷却水を用いた冷却設備の両方を有する工業プロセスにおいて、水蒸気発生設備単独での水使用量削減や、冷却設備単独での水使用量削減については、多くの方法が提案されているものの、これら両設備を組み合わせて、最適に水使用量を削減する方法については従来全く知られていない。
また、冷却設備においては、循環冷却水中でレジオネラ属菌が増殖し、蓄積したレジオネラ属菌が冷却塔から飛散し、付近の環境に悪影響を及ぼすことが問題となっている。
特開2003−1256号公報
本発明は、純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備と循環冷却水を用いた冷却設備とを有し、該冷却設備において循環冷却水の一部がブローダウンされる工業プロセスにおいて、工業用水としての市水の使用量を減らし、イオン交換樹脂の廃樹脂やイオン交換樹脂を再生する為の薬剤を由来とする廃液の発生量を削減し、かつ安定した運転条件で純水を製造できる水回収システムの提供を課題とする。
本発明者等は、シリカが市水の3〜10倍に濃縮された冷却設備からのブローダウン水の再利用を検討した結果、ブローダウン水にアルカリおよび凝集剤を添加した後、MFまたはUF膜装置によって処理し、得られた膜透過水をさらにRO膜装置で処理すると、該RO膜装置からの膜透過水は純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備に供給する純水として使用でき、しかも該RO膜装置からの濃縮水は冷却設備の循環冷却水として使用できることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は下記の発明を提供する。
(1)純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備と循環冷却水を用いた冷却設備とを有し、該冷却設備において循環冷却水の一部がブローダウンされる工業プロセスにおいて、該ブローダウン水の少なくとも一部が、アルカリおよび凝集剤が添加された後、MFまたはUF膜装置により処理され、得られた膜透過水がさらにRO膜装置で処理され、該RO膜装置からの膜透過水の少なくとも一部が該純水として用いられることを特徴とする水回収システム。
(2)RO膜装置からの濃縮水の少なくとも一部が循環冷却水として用いられることを特徴とする上記1項に記載の水回収システム。
(3)MFまたはUF膜装置からの膜透過水の一部が循環冷却水として用いられる上記1または2項に記載の水回収システム。
(4)RO膜装置の回収率が60〜90%である上記1〜3項のいずれか一項に記載の水回収システム。
上記(1)〜(4)に記載した本発明の水回収システムにより、純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備と循環冷却水を用いた冷却設備との両方を有し、該冷却設備において循環冷却水の一部がブローダウンされる工業プロセスにおいて、純水の製造や循環冷却水の補給水に使用する市水の使用量を減らせるだけでなく、イオン交換樹脂の廃樹脂やイオン交換樹脂を再生する為の薬剤を由来とする廃液の発生量も削減することができ、さらに驚くべき事に安定な運転条件で純水を製造できる。上記純水を製造する原料水や、上記補給冷却水としては通常市水が用いられる。上記ブローダウン水は補給冷却水を濃縮したものであるから、市水より水質は悪いはずである。しかしながら、市水より水質の悪いブローダウン水を用いても、本発明の水回収システムによれば安定に純水を製造できるのである。その理由は、本発明の水回収システムがMF/UF膜とMO膜とを含む運転安定性の良い設備である事にもよるが、さらに上記冷却設備では、通常、補給冷却水量に比べ循環水の滞留量が多く、循環水量も大きい為均一組成となり、このため市水の水質が変動しても、ブローダウン水の変動が生じにくい事にもよる。市水から純水を製造する場合は、市水を循環させたり攪拌させたりして組成変動を吸収するため設備が設けられる事は通常ない。該冷却設備が循環により組成が均一化することも、通常市水から純水を製造する設備で組成を均一化する設備がない事も、当業者は事実として知っている事ではあるが、本発明によって純水製造の安定性が増すことについて従来思い至る事はなかった。おそらく、水蒸気を発生させる設備と冷却設備の各々で水をリサイクル使用することには思い至ったものの、これらを組み合わせて最適な水回収システムを構築する発想が生じなかった事、冷却設備のブローダウン水は水質が悪く、これを処理して純水として使用する事は難しいという先入観が有った為と推察される。
さらに、本発明によれば、循環冷却水中に蓄積したレジオネラ属菌を含む雑菌が効率よく除去される。
本発明の水回収システムの一例を示した図である。
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の水回収システムの一例を示した図である。図中、1は純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備、2は冷却塔、3は熱交換器、4はMFまたはUF膜装置、5はRO膜装置、6はアルカリ、7は凝集剤、10は市水、11はプロセス水である。
本発明において、純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備とは、通常ボイラー設備と称されるものである。また、純水を高温の金属等に触れさせて蒸発させる場合も本発明の水蒸気を発生させる設備の範囲である。図1において、1で示されている。
また、本発明において、循環冷却水を用いた冷却設備とは、例えば、加熱されたプロセス流体を熱交換器で循環冷却水を用いて冷却し、昇温した循環冷却水を冷却塔で冷却する方式の冷却設備である。図1において、冷却塔2および熱交換器3で示され、ライン21により循環冷却水が両者間を循環している。
純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備1で発生した水蒸気はプロセス中の他の設備で使用された後、ライン22により熱交換器3に送られ、凝縮され、ライン23により純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備1に戻され、純水として再利用される。ライン31は、純水中に金属塩等の不純物が蓄積するのを防ぐための純水のブローダウンラインである。
冷却塔2および熱交換器3を循環している循環冷却水には通常市水が用いられており、市水中に含まれているシリカが濃縮されて析出しないように、濃縮倍率が3〜10倍程度になるようにライン24よりブローダウンされ、市水10が新たに補給されている。
一般に、市水には金属塩等の不純物が含まれ、電導度は通常100〜300μS/cmであり、シリカ濃度は通常1〜10mg/lである。従って、循環冷却水中では不純物が濃縮され、電導度は通常500〜2000μS/cm程度であり、シリカ濃度は通常5〜70mg/lである。さらに、空気中から混入してくるレジオネラ属菌等が増殖し、レジオネラ属菌を含む雑菌の菌体数は10000個/100mlを超えるような場合もある。
本発明においては、ブローダウン水を再利用するに当たって、先ず、ブローダウン水にライン24においてアルカリ6が添加され、さらに凝集剤7が添加された後、MFまたはUF膜装置4に供給される。
ブローダウン水にアルカリを添加する手段としては、ライン24中に設けたラインミキサーに直接或いは、別途設けたpH調整槽に、アルカリを薬注ポンプ等により添加することなどを挙げることができる。ここで使用されるアルカリは特に限定されるものではなく、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物を好適に用いることができる。
アルカリの添加量は、ブローダウン水のpHが8〜10、好ましくは9〜10になるように調節される。ブローダウン水のpHがこの範囲にあれば、後の凝集剤の添加により、循環冷却水中に濃縮されたシリカが凝集しやすく、MFまたはUF膜装置4によって効率的に除去される。
凝集剤を添加する手段としては、アルカリ添加手段と同様、ライン24中に設けたラインミキサーに直接或いは、別途設けた調整槽に、凝集剤を薬注ポンプ等により添加することなどを挙げることができる。ここで使用される凝集剤は、シリカ凝集作用がある限り特に限定されるものではなく、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸アルミニウムおよびアルミン酸ナトリウム等が挙げられ、ポリ塩化アルミニウム(PAC)が好ましい。
凝集剤の添加量は、例えば凝集剤としてPACを用いる場合、ブローダウン水中のシリカ濃度(SiO2換算)とPAC濃度(Al23換算)の比(Al23/SiO2)が0.5〜3、好ましくは1〜2になるように調節される。ブローダウン水中の凝集剤がシリカに対してこのような比率で存在すれば、循環冷却水中に濃縮されたシリカが凝集しやすく、MFまたはUF膜装置4によって効率的に除去される。
MFまたはUF膜装置4で用いられるMFまたはUF膜としては、膜単位面積あたりの流量が大きく取れるMF膜が好ましい。MFまたはUF膜の平均孔径は、凝集されたシリカおよび雑菌の除去性能の観点から、0.2μm以下とするのが好ましい。平均孔径以外は特に限定されず、例えば材質については、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデンおよびそれらの化学的変性物等の如何なるものでもよい。
MFまたはUF膜装置4の仕様や使用条件は特に限定されず、公知のMFまたはUF膜装置を通常の使用条件で用いればよい。例えば、膜モジュールとしては中空糸型、スパイラル型および管状型等のどのような膜モジュールも使用することができ、また、濾過方式にも制限はなく、内圧濾過、外圧濾過、クロスフロー濾過および全量濾過のいずれの方式も使用可能である。
MFまたはUF膜を透過した膜透過水はライン26によりRO膜装置5に送られる。ブローダウン水中のシリカや雑菌は凝集剤と共にMFまたはUF膜によって除去されるので、膜透過水中のシリカ濃度は2〜10mg/lと市水並みまたはそれ以下に減少し、雑菌はほとんど0になる。従って、膜透過水の一部をライン27により冷却塔2に送り、循環冷却水として利用することもできる。
MFまたはUF膜を透過しなかった濃縮水は、シリカ濃度および雑菌濃度が増大しているので、ライン25によりそのまま全量廃棄される。しかし、ライン24におけるアルカリ6の添加位置よりも上流側に少なくとも一部を還流することもでき、これにより、ブローダウン水の利用率を高めることができる。
RO膜装置5では、ライン26によりMFまたはUF膜装置で処理されたブローダウン水を受け入れて、ブローダウン水のうちRO膜を透過した部分である膜透過水と、RO膜を透過しなかった部分である濃縮水とに分離する。RO膜装置は一段でもよいし、複数段でもよい。使用するRO膜装置は特に限定されず、例えば、膜モジュールとしては中空糸型、スパイラル型および管状型等のどのような膜モジュールも使用することができ、また、濾過方式にも制限はなく、内圧濾過、外圧濾過およびクロスフロー濾過等のいずれの方式も使用可能である。RO膜装置の運転圧力および回収率等の運転条件や、使用するRO膜の仕様に関しては、常法に従って行えば良く特に制限されない。ただし、純水生産量を多く得ることおよびRO濃縮水側でシリカの析出を起こさないために回収率は60〜90%程度が好ましい。
RO膜を透過した膜透過水は、MFまたはUF膜透過水中に残存していたシリカや金属塩等の不純物がほとんどRO膜により除去され、シリカ濃度が0〜2mg/l程度、電導度が0.5〜10μS/cm程度となるので、ライン29により、純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備1に送られ、純水として利用される。しかし、膜透過水の一部をライン30から抜き出し、プロセス中の他の設備で利用することもできる。
RO膜を透過しなかった濃縮水はライン28により冷却塔2に送られ、循環冷却水の補給水として利用される。この際、濃縮水中のシリカや金属塩等の不純物はMFまたはUF膜透過水よりも増大するので、濃縮水中のシリカ濃度を120mg/l以下に抑えるようにRO膜装置を運転することが好ましく、さらに好ましくは90mg/l以下、特に好ましくは50mg/l以下に抑えることである。
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。例えば、図1では、RO膜透過水はRO膜装置5から純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備1に直接供給されているが、RO膜透過水のシリカ濃度および電導度によっては、膜透過水をイオン交換樹脂で処理した後、純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備に供給してもよい。この態様は、循環冷却水を用いた冷却設備と純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備との規模の関係で、RO膜装置の濃縮水を少なくして運転し、膜透過水のシリカ濃度等が少し高めになった場合に有効である。
また、図1では、ブローダウン水は全てMFまたはUF膜装置4に供給されているが、アルカリ供給以前にその一部が廃棄されてもよい。同様に、RO膜装置5の濃縮水もその一部が廃棄されてもよいし、ライン24のアルカリ供給以前に戻されてもよい。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示した水回収システムと同様のシステムによって実験を行なった。MFまたはUF膜装置4には旭化成ケミカルズ(株)製のMFろ過膜(商品名:マイクローザ UNA-620A、公称孔径:0.1μm)を用い、RO膜装置5には東洋紡績(株)製のRO膜(商品名:HU10155EI)を用いた。
冷却塔2と熱交換器3の間で循環冷却水が循環しており、熱交換器3には蒸気ボイラー1で発生した水蒸気が400m3/hrでライン22より送られ、凝固されて純水としてライン23から蒸気ボイラー1に戻された。循環冷却水が冷却塔2で蒸発する量は約400m3/hrで、冷却塔2には循環冷却水の補給水として市水10が474m3/hrで供給され、ブローダウン水は100m3/hrでライン24より抜き出された。
市水はシリカ濃度が10mg/l、電導度が150μS/cmであり、レジオネラ属菌を含む雑菌は検出されなかった。また、ブローダウン水はシリカ濃度が50mg/l、電導度が750μS/cmであり、雑菌の濃度は100個/100mlであった。
ライン24より抜き出されたブローダウン水に以下の処理を連続で行なった。先ず、アルカリ6として水酸化ナトリウムがライン24に供給され、ラインミキサーで混合され、ブローダウン水のpHが9に調節された。さらに、凝集剤7としてPACがライン24に供給され、ラインミキサーで混合され、ブローダウン水のシリカ濃度とPAC濃度の比(Al23/SiO2)が1.5に調節された。次いで、ブローダウン水はMFまたはUF膜装置4に送られた。
MFまたはUF膜装置4は、膜を透過する透過水が90m3/hr、膜を透過しない濃縮水が10m3/hrになるように運転された。透過水のシリカ濃度は2mg/lであり、雑菌は検出されず、電導度は879μS/cmであった。透過水90m3/hrの内、80m3/hrはライン26によりRO膜装置5に送られ、残りの10m3/hrは循環冷却水の補給水としてライン27により冷却装置2に戻された。一方、濃縮水はシリカ濃度が400mg/lであり、雑菌の濃度は1000個/100mlであり、全量ライン25より廃棄された。
RO膜装置5は回収率80%で運転された。従って、膜を透過する透過水は64m3/hr、膜を透過しない濃縮水が16m3/hrであった。透過水はシリカ濃度が0.9mg/lと非常に低く、電導度も0.8μS/cmと非常に低かったので、ライン31からのブローダウン量の20m3/hrに相当する量をライン29によりそのまま水蒸気ボイラー1に送った。残りの44m3/hrは他の設備におけるプロセス水11として利用した。
一方、濃縮水はシリカ濃度が35mg/lであり、電導度が4320μS/cmであり、循環冷却水の補給水としてライン28により冷却装置2に戻された。
以上のように、本実施例では、ブローダウン水の90%が回収され、再利用された。
(比較例)
実施例に記載したシステムにおいて、ブローダウン水にアルカリ6と凝集剤7を供給せずに実験を行なった。実施例と同様に、MFまたはUF膜装置4は、膜を透過する透過水が90m3/hr、膜を透過しない濃縮水が10m3/hrになるように運転されたが、透過水のシリカ濃度は供給されたブローダウン水と同じ50mg/lであった。なお、レジオネラ菌を含む雑菌は検出されなかった。
MFまたはUF膜装置4の膜透過水はシリカ濃度が高かったので、90m3/hr全量をRO膜装置5に送り、回収率を50%と低く抑えて運転した。しかし、RO膜装置5から得られた膜透過水はシリカ濃度が2.0mg/lであった。従って、膜透過水はイオン交換樹脂で処理して、水蒸気ボイラー1に供給したり、プロセス水11として利用した。
一方、濃縮水はシリカ濃度が96mg/lと高かったので、全量廃棄した。
以上のように、本比較例では、ブローダウン水の回収率が45%と低い上に、イオン交換樹脂での処理が必要であった。
本発明は、純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備と循環冷却水を用いた冷却設備とを有し、該冷却設備において循環冷却水の一部がブローダウンされる工業プロセスにおいて、工業用水としての市水の使用量を効率よく減少できるので、産業上の利用価値は極めて大きい。
1 純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備
2 冷却塔
3 熱交換器
4 MFまたはUF膜装置
5 RO膜装置
6 アルカリ
7 凝集剤
10 市水
11 プロセス水

Claims (2)

  1. 純水を蒸発させて水蒸気を発生させる設備と循環冷却水を用いた冷却設備とを有し、該冷却設備は冷却塔、熱交換器、MFまたはUF膜装置、およびRO膜装置からなり、該循環冷却水は該冷却塔と該熱交換器間を循環しており、冷却塔において循環冷却水の一部がブローダウンされ、該ブローダウン水の少なくとも一部が、アルカリおよび凝集剤が添加された後、MFまたはUF膜装置により処理され、得られた膜透過水の一部が該冷却塔に該循環冷却水として戻され、残部がさらにRO膜装置で処理され、該RO膜装置からの膜透過水の少なくとも一部が該純水として用いられ、濃縮水の少なくとも一部が該冷却塔に該循環冷却水として戻されることを特徴とする水回収システム。
  2. 前記RO膜装置の回収率が60〜90%である請求項1に記載の水回収システム。
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