JP4396965B2 - 重金属除去方法およびその装置 - Google Patents

重金属除去方法およびその装置 Download PDF

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本発明は、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む被処理水からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去する重金属除去方法およびその装置に関する。
従来から、セレン(Se)は、非常に毒性の強い環境汚染物質であると知られており、このセレンの被処理水としての排水中の量は、厳しく規制されている。そして、水中でセレンは、主にセレン酸(HSeO)や、亜セレン酸(HSeO)およびそれらの塩の形態で存存する。亜セレン酸は、塩化第二鉄(FeCl)を用いた凝集沈殿法により容易に除去できるが、セレン酸に対しては効果が低い。
そして、このセレン酸の除去方法としては、硝酸(NO)、亜硝酸(NO)あるいは一酸化窒素(NO)などの硝酸性窒素(NO)が存在しない嫌気性条件で、被処理水中のセレン酸を微生物にて還元させて、このセレン酸を除去する微生物による還元方法が知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。
また、この種のセレン酸の除去方法としては、被処理水のpHを3以下にしたり、過酸化物を使用したり、被処理水の水温を60℃以上にしたりした状態で、鉄粉などの還元剤を用いて被処理水中のセレン酸を還元させて除去する物理化学的な還元方法などが知られている(例えば、特許文献3ないし5参照。)。
特開平10−128388号公報(第3−4頁) 特開2000−301191号公報(第2−3頁) 特開平9−59007号公報(第2−3頁) 特開平11−28475号公報(第3−4頁) 特開2000−167571号公報(第2−4頁)
しかしながら、セレン酸を物理化学的に遷元する方法では、pHを3以下にしたり、過酸化物を使用したり、水温を60℃以上にしたりしなければセレン酸を還元できないため、実用が容易ではない。また、セレン酸を微生物で還元する方法では、硝酸性窒素(NO)が存在しない嫌気性条件にしなければならない。このため、セレンを含有する地下水や工場廃水、埋立処理場の浸出水などは有機物が少なく、還元のために多量の有機物を必要とするから、実用が容易ではない。
また、水中の重金属などを除去する手段としては、逆浸透法やイオン交換樹脂を用いる方法などがあり、これら方法はセレンにも適用できる。ところが、逆浸透法では、セレンを高濃度で含有する濃縮水が発生するため実用が容易ではない。また、イオン交換樹脂を用いる方法では、このイオン交換樹脂が高価であり、再生廃液を処理する方法が確立されていないため、適用が容易ではないという問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を被処理水から容易に除去できる重金属除去方法およびその装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の重金属除去方法は、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む被処理水に、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを添加して添加後のCa/Alモル比を0.6以上10.0以下にするとともにpHを10以上に調整し、生成された汚泥と処理水とを固液分離して、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去するものである。
そして、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む被処理水に、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを添加して、添加後のCa/Alモル比が0.6以上10.0以下となるようにするとともにpHを10以上に調整し、汚泥を生成させる。すると、この汚泥に、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方が取り込まれる。よって、この汚泥を生成させた後の被処理水からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方が除去されるので、この被処理水から汚泥を固液分離することにより、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の被処理水からの除去を容易にできる。
請求項記載の重金属除去方法は、請求項1記載の重金属除去方法において、カルシウムイオンとして水酸化カルシウムを添加し、アルミニウムイオンとしてアルミン酸塩を添加するものである。
そして、重金属化合物の除去効率を低下させる塩素イオンおよび硫酸イオンを含まない水酸化カルシウムおよびアルミン酸塩をカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンとして被処理水に添加するので、この被処理水からのセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去をより効率良くできる。
請求項記載の重金属除去方法は、請求項1または2記載の重金属除去方法において、生成された汚泥を被処理水から固液分離するとともに、この固液分離した汚泥の少なくとも一部を前記被処理水に返送するものである。
そして、被処理水中に生成された汚泥には重金属吸着能力があるから、被処理水から固液分離した汚泥の少なくとも一部を被処理水に返送することにより、この被処理水中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を汚泥に吸着させて除去できる。したがって、この被処理水からのセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去をより効率良くできる。
請求項記載の重金属除去方法は、請求項1ないしいずれか記載の重金属除去方法において、被処理水から汚泥が固液分離された処理水を中和し、この中和した処理水からイオン交換樹脂にてセレン酸を除去し、前記イオン交換樹脂をアルカリ溶液で再生し、前記イオン交換樹脂を再生させた前記アルカリ溶液を、被処理水に加えて、この被処理水とともにセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去するものである。
そして、被処理水から汚泥が固液分離された処理水を中和した後に、この中和した処理水からイオン交換樹脂にてセレン酸を除去する。この後、このイオン交換樹脂をアルカリ溶液で再生させる。そして、このイオン交換樹脂を再生させたアルカリ溶液を、被処理水に加える。この結果、この被処理水のpH調整がより容易になる。さらに、このアルカリ溶液が加えられた被処理水からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去することにより、このアルカリ溶液中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方をもより高度に効率良く除去できる。
請求項記載の重金属除去装置は、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む被処理水に、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを添加して添加後のCa/Alモル比を0.6以上10.0以下にするとともにpHを10以上に調整して汚泥を生成させる反応槽と、この反応槽から前記汚泥を固液分離する固液分離手段とを具備したものである。
そして、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む反応槽の被処理水に、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを添加して、添加後のCa/Alモル比が0.6以上10.0以下となるようにするとともにpHを10以上に調整し、反応槽に汚泥を生成させる。すると、この汚泥に、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方が取り込まれる。よって、この汚泥を生成させた後の被処理水からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方が除去されるので、この被処理水から固液分離手段にて汚泥を固液分離することにより、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の被処理水からの除去を容易にできる。
請求項記載の重金属除去装置は、請求項記載の重金属除去装置において、固液分離手段にて固液分離された汚泥の少なくとも一部を反応槽の被処理水へと返送する返送手段を具備したものである。
そして、被処理水中に生成された汚泥には重金属吸着能力があるから、被処理水から固液分離手段にて固液分離した汚泥の少なくとも一部を返送手段にて被処理水に返送することにより、この被処理水中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を汚泥に吸着させて除去できる。したがって、この被処理水からのセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去をより効率良くできる。
請求項1記載の重金属除去方法によれば、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む被処理水に、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを添加して添加後のCa/Alモル比を0.6以上10.0以下にするとともにpHを10以上に調整すると汚泥が生成され、この汚泥に、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方である重金属化合物が取り込まれるから、この汚泥を生成させた後の被処理水からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去できるので、この被処理水から汚泥を固液分離することにより、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の被処理水からの除去を容易にできる。
請求項記載の重金属除去方法によれば、請求項1記載の重金属除去方法の効果に加え、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去効率を低下させる塩素イオンおよび硫酸イオンを含まない水酸化カルシウムとアルミン酸塩とを被処理水に添加するため、この被処理水からのセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去をより効率良くできる。
請求項記載の重金属除去方法によれば、請求項1または2記載の重金属除去方法の効果に加え、汚泥には重金属吸着能力があるから、この汚泥の少なくとも一部を被処理水に返送することにより、この被処理水中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を汚泥で吸着除去できるため、この被処理水からのセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去をより効率良くできる。
請求項記載の重金属除去方法によれば、請求項1ないしいずれか記載の重金属除去方法の効果に加え、被処理水から汚泥が固液分離された処理水を中和した後に、この中和した処理水からイオン交換樹脂にてセレン酸を除去し、さらに、このイオン交換樹脂をアルカリ溶液で再生し、このイオン交換樹脂を再生させたアルカリ溶液を、被処理水に加える。この結果、この被処理水のpH調整を容易にできるとともに、このアルカリ溶液が加えた被処理水からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去できるので、このアルカリ溶液中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方をもより高度に効率良く除去できる。
請求項記載の重金属除去装置によれば、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む被処理水に、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを添加して添加後のCa/Alモル比を0.6以上10.0以下にするとともにpHを10以上に調整することにより反応槽にて生成された汚泥に、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方である重金属化合物が取り込まれるから、この汚泥を生成させた後の被処理水からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去できるので、この被処理水から固液分離手段にて汚泥を固液分離することにより、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の被処理水からの除去を容易にできる。
請求項記載の重金属除去装置によれば、請求項記載の重金属除去装置の効果に加え、汚泥には重金属吸着能力があるから、被処理水から固液分離手段にて固液分離した汚泥の少なくとも一部を返送手段で被処理水に返送することにより、この被処理水中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を汚泥で吸着除去できるため、この被処理水からのセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去をより効率良くできる。
以下、本発明の重金属除去装置の第1の実施の形態の構成を図1を参照して説明する。
図1において、1は重金属除去装置であり、この重金属除去装置1は、例えば火力発電所あるいは半導体やガラス工場から排出される被処理水としての廃水Wに含まれる重金属であるセレン酸(HSeO )を、この廃水Wから除去するにアルカリ凝集処理装置である。さらに、この重金属除去装置1は、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方である重金属化合物を含む最終処分場埋立浸出水などの廃水Wから、重金属としてのセレン酸およびこのセレン酸の重金属化合物を除去する。
そして、この重金属除去装置1は、上側に円形の開口部2が開口された有底円筒状の反応槽3を備えている。この反応槽3には、この反応槽3の開口部2から廃水Wが流入されて、この廃水Wを5分以上30分以下程度貯留して滞留させる滞留時間を有している。ここで、この反応槽3は、この反応槽3内に貯留された廃水Wにカルシウムイオン(Ca2+)とアルミニウムイオン(Al3−)とを添加するとともにpHをアルカリ性、好ましくは10以上に調整して、この廃水W中にアルミニウムおよびカルシウムを主成分として含んだ汚泥Mを生成させる。
さらに、この反応槽3には、この反応槽3内に貯留された廃水Wを攪拌させる攪拌手段としての攪拌機4が取り付けられている。この攪拌機4は、反応槽3内に設置された攪拌翼としてのファン5を備えている。このファン5の中心部には、このファン5を反応槽3内で水平に回転させる回転軸としてのシャフト6の下端部が連結されている。このシャフト6は、上下方向に沿った軸方向を有しており、上端部が反応槽3内に貯留された廃水Wの液面Lよりも上方に突出している。そして、このシャフト6の上端部は、反応槽3の開口部2よりも上方に設置された駆動手段としてのファンモータ7に連結されている。このファンモータ7は、このファンモータ7の回転駆動によりシャフト6を介してファン5を回転させて、反応槽3内の廃水Wを攪拌させる。
また、反応槽3には、カルシウムイオン添加手段としての消石灰(水酸化カルシウム:Ca(OH))供給装置11が設置されている。この消石灰供給装置11は、反応槽3内の廃水Wにカルシウムイオン(Ca2+)として消石灰を添加する。言い換えると、この消石灰供給装置11は、消石灰を溶解させた水酸化カルシウムの水溶液を反応槽3内に供給することにより、この反応槽3内にカルシウムイオンを添加する。そして、この消石灰供給装置11は、内部に消石灰が充填される円筒状の充填部12を備えている。この充填部12の下端には、この充填部21に充填された消石灰を溶解させて水酸化カルシウムの水溶液とする溶解槽13が設置されている。
さらに、この溶解槽13には、下流側が反応槽3の開口部2の上方へと配管されたカルシウムイオン添加配管としての細長円筒状の消石灰供給配管14の上流端が接続されている。そして、この消石灰供給配管14の上流側には、圧送手段としてのカルシウムイオン添加ポンプである消石灰供給ポンプ15が取り付けられている。この消石灰供給ポンプ15は、溶解槽13にて溶解された水酸化カルシウムの水溶液を、消石灰供給配管14を介して反応槽3内へと圧送して供給させる。
また、反応槽13には、アルミニウムイオン添加手段としてのアルミン酸塩供給装置21が設置されている。このアルミン酸塩供給装置21は、反応槽3内の廃水Wにアルミニウムイオンとして分子式AlO で記される陰イオンを含む化合物であるアルミン酸塩、例えばアルミン酸ナトリウム(NaAlO)を添加する。言い換えると、このアルミン酸塩供給装置21は、アルミン酸ナトリウムを溶解させたアルミン酸ナトリウムの水溶液を反応槽3内に供給することにより、この反応槽3内にアルミニウムイオンを添加する。そして、このアルミン酸塩供給装置21は、内部にアルミン酸ナトリウムが充填される充填部22を備えている。この充填部22の下端には、この充填部22に充填されたアルミン酸ナトリウムを水溶液にする溶解槽23が設置されている。
さらに、この溶解槽23には、下流側が反応槽3の開口部2の上方へと配管されたアルミニウムイオン添加配管としての細長円筒状のアルミン酸塩供給配管24の上流端が接続されている。そして、このアルミン酸塩供給配管24の上流側には、溶解槽23にて溶解されたアルミン酸ナトリウムの水溶液を、このアルミン酸塩供給配管24を介して反応槽3内へと圧送して供給させる圧送手段としてのアルミニウムイオン添加ポンプであるアルミン酸塩供給ポンプ25が取り付けられている。
さらに、反応槽3には、この反応槽3内に、水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ剤をpH調整剤として添加して、この反応槽内に貯留された廃水のpHを調整するpH調整手段としてのpH調整装置31が取り付けられている。このpH調整装置31は、アルカリ剤を反応槽内へと供給させて添加させるアルカリ剤供給配管32を備えている。このアルカリ剤供給配管32には、このアルカリ剤供給配管32を介してアルカリ剤を反応槽3内へと圧送して供給させる圧送手段としてのアルカリ剤供給ポンプ33が取り付けられている。
また、このアルカリ剤供給ポンプ33は、このアルカリ剤供給ポンプ33の駆動を制御する制御手段としての制御装置34に接続されている。この制御装置34は、反応槽3内に貯留された廃水W中に設置されたpH測定手段としてのpH計35を備えている。すなわち、この制御装置34は、pH計35にて計測された廃水WのpH値に基づいて、pH調整装置31のアルカリ剤供給ポンプ33の駆動を制御することによって、反応槽3内へと供給されるアルカリ剤の量を調整して、この反応槽3内の廃水WのpHを所定の値、例えばアルカリ性、好ましくはpH10以上に調整する。
一方、反応槽3の下流側には、この反応槽3にてカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンがそれぞれ添加されてpHが調整された廃水が流入して貯留される有底得円筒状の沈殿池41が設置されている。この沈殿池41は、この沈殿池41へと流入されて貯留された廃水W中に生成された汚泥Mを固液分離させることより、この汚泥Mから重金属としてのセレン酸この塩の重金属化合物を除去する固液分離手段である。
そして、この沈殿池41の底部には、逆円錐面状であるロート状の底面部42が設けられている。さらに、この底面部42の最も下側に向けて突出した中央部には、沈殿池41にて沈殿した汚泥Mを廃水Wから固液分離させる汚泥引抜口43が設けられている。そして、この汚泥引抜口43には、この汚泥引抜口43から引き抜いた汚泥の少なくとも一部を反応槽3内へと返送させるとともに、系外へと排出させる返送手段としての排出手段である汚泥返送排出装置44が取り付けられている。
ここで、この汚泥返送排出装置44は、上流端が沈殿池41の汚泥引抜口43に接続された細長円筒状の汚泥引抜管45を備えている。この汚泥引抜管45の下流端には、この汚泥引抜管45を介して沈殿池41の汚泥引抜口43から引き抜いた汚泥Mを圧送させる圧送手段としての汚泥圧送ポンプ46が取り付けられている。この汚泥圧送ポンプ46には、上流端が反応槽3の開口部2の上方に設置された汚泥返送配管47の上流端が接続されている。この汚泥返送配管47は、汚泥圧送ポンプ46にて圧送される汚泥Mの少なくとも一部を反応槽3内の廃水Wへと返送させて供給させる。
また、汚泥圧送ポンプ46には、汚泥返送配管47にて反応槽3へと返送されない残りの汚泥Mを系外へと排出させる細長円筒状の汚泥排出配管48の上流端が接続されている。そして、この汚泥排出配管48にて排出された汚泥Mは、図示しない汚泥処理装置にて汚泥処理される。ここで、沈殿池41にて汚泥Mが固液分離された後の廃水Wは処理水Fとされて、この処理水Fは沈殿池41から排出されて図示しない河川などへと放流される。
次に、上記第1実施の形態の重金属除去装置による廃水からの重金属除去方法について説明する。
まず、セレン酸を含む廃水Wを反応槽3内へと流入させて、この反応槽3内に所定時間滞留させるとともに、この反応槽3内の廃水Wを攪拌機4にて攪拌させる。
この状態で、この反応槽3内の廃水Wに対して所定量の消石灰を消石灰供給装置11にて供給して、この廃水Wにカルシウムイオンを添加するとともに、所定量のアルミン酸ナトリウムをアルミン酸塩供給装置21にて供給して、この廃水Wにアルミニウムイオンを添加する。
なお、この廃水W中にカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンのいずれか一方が十分に予めから含まれている場合には、これらカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンのいずれか他方である不足している消石灰あるいはアルミン酸ナトリウムのみを廃水Wに添加するだけでよい。
この後、反応槽3内の廃水WのpHをpH計35にて計測し、このpH計35による計測結果に基づいてpH調整装置31にてアルカリ剤を反応槽3内の廃水Wに添加して、この廃水WのpHをアルカリ性、好ましくは10以上に調整する。
すると、この廃水W中にカルシウムおよびアルミニウムを主成分とした汚泥Mが生成される。この汚泥Mには、廃水W中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方である重金属化合物が取り込まれる。
そして、この汚泥Mが発生した廃水Wを反応槽3から排出させて沈殿池41へと流入させて、この廃水W中の汚泥Mを沈殿池41内で沈殿させる。
このとき、この汚泥Mは、沈降性に優れているため、この汚泥Mの沈殿池41での沈殿による固液分離により、この廃水W中からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方が除去される。
この後、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方が除去された後の廃水Wが処理水Fとなり、この処理水Fは沈殿池41から排出されて河川などへと放流される。
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む廃水Wに、カルシウムイオンとして消石灰を添加するとともに、アルミニウムイオンとしてアルミン酸ナトリウムを添加すると同時に、この廃水WのpHを10以上に調整する。この結果、この廃水W中にアルミニウムおよびカルシウムを主成分として含む汚泥Mが生成される。
このとき、この汚泥Mには、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方が取り込まれている。したがって、この汚泥Mを廃水Wから固液分離することによって、この廃水Wからセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を効率良く除去できる。このため、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を還元することなく、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の廃水Wからの除去を簡単な構成で確実かつ容易にできる。
したがって、実現が困難なセレン酸の還元操作などの還元工程が不要となるとともに、セレン酸以外の亜セレン酸、ヒ酸、亜ヒ酸、六価クロムなども同時に除去できる。このため、これら重金属化合物を含む廃水Wを簡単な構成で確実かつ効率良く一括して処理できる。
さらに、沈殿池41にて廃水Wから固液分離したカルシウムおよびアルミニウムを主成分として含む汚泥Mには、重金属吸着能力に余裕がある。このため、この汚泥Mの少なくとも一部を汚泥返送排出装置44にて汚泥返送配管47を介して反応槽3内へと返送させる。この結果、この反応槽3内の廃水W中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を、この汚泥Mに吸着させて除去できる。したがって、この反応槽3内の廃水Wからのセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去効率をより向上できる。
また、消石灰供給装置11によるカルシウムイオンの添加には、消石灰以外に塩化カルシウム(CaCl)なども使用できる。ところが、この塩化カルシウム中の塩素イオン(Cl)がセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去に悪影響を及ぼすから、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去率が低下してしまう。このため、これらセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去率を高めるためには、消石灰供給装置11によるカルシウムイオンの添加として消石灰を使用するのが望ましい。
さらに、アルミン酸塩供給装置21によるアルミニウムイオンの添加には、アルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸塩以外に、ポリ塩化アルミニウム(PAC:(Al(OH)Cl6−n) 1≦n≦5,m≦10)や、硫酸アルミニウム(硫酸バンド:Al(SO)・nHO)なども使用できる。ところが、これらポリ塩化アルミニウムおよび硫酸アルミニウム中の塩素イオンおよび硫酸イオン(SO )がセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去に悪影響を及ぼすから、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去率が低下してしまう。
このため、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去率を高めるためには、アルミン酸塩供給装置21によるアルミニウムイオンの添加として、アルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸塩を使用するのが望ましい。この結果、カルシウムイオンの添加として消石灰を用いるとともに、アルミニウムイオンの添加としてアルミン酸塩を用いた場合には、廃水W中から除去しようとするセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方と競合する陰イオンの増加がないので、特に効率良く除去できる。
そして、これらカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンは、経済性や処理水の取り扱いの観点から、Ca2+とAl2−との比、すなわち、Ca/Alが0.6以上10.0以下程度となるようにする
次に、本発明の第2の実施の形態を図2を参照して説明する。
この図2に示す重金属除去装置1は、基本的には図1に示す重金属除去装置1と同様であるが、沈殿池41にて汚泥Mが固液分離された後の処理水Fから、さらに、すなわちより高度にセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去するものである。
そして、沈殿池41の下流側には、この沈殿池41にて汚泥Mが固液分離された後の処理水Fを中和させる中和手段としての中和槽51が設置されている。この中和槽51は、有底円筒状に構成されており、沈殿池41から排出された処理水Fが流入されて貯留される。そして、この中和槽51には、この中和槽51内に貯留された処理水Fを攪拌させる攪拌手段としての攪拌機52が取り付けられている。
この攪拌機52は、中和槽3内に設置された攪拌翼としてのファン53を備えている。このファン53には、このファン53を回転させる回転軸としてのシャフト54の下端部が連結されている。このシャフト54の上端部は、中和槽51内の処理水Fの液面Lよりも上方に突出して、駆動手段としてのファンモータ55に連結されている。さらに、この中和槽51には、この中和槽51内に貯留された処理水Fに酸を添加して、この処理水Fを中和させる酸添加手段としての酸供給装置56が取り付けられている。
さらに、この中和槽51の下流側には、この中和槽51にて中和処理された処理水Fからセレン酸をさらに除去するイオン交換手段としてのイオン交換塔61が設置されている。このイオン交換塔61の内部には、陰イオン交換樹脂62が充填されて取り付けられている。すなわち、このイオン交換塔61は、中和槽51にて中和処理された処理水Fを流入させて、この処理水Fを陰イオン交換樹脂62に通水させることにより、この処理水Fに含まれているセレン酸を高度に除去する。なお、陰イオン交換樹脂62の代わりに、キレート樹脂を用いてもよい。
また、このイオン交換塔61には、イオン交換樹脂再生手段としての再生剤散布装置63が取り付けられている。この再生剤散布装置63は、イオン交換塔61内の陰イオン交換樹脂62に一定量の処理水Fを通水させた後に、この陰イオン交換樹脂62を再生させる。そして、この再生剤散布装置63は、イオン交換樹脂再生剤であるアルカリ溶液が充填される有底円筒状の再生剤貯留タンク64を備えている。この再生剤貯留タンク64の底面部には、細長円筒状の再生剤供給配管65の上流端が連通接続されている。
さらに、この再生剤供給配管65の下流端は、イオン交換塔61の側面から、このイオン交換塔61の内部へと水平に貫通して突出している。そして、この再生剤供給配管65の下流端の下側には、イオン交換塔61内の陰イオン交換樹脂62にアルカリ溶液を効率良く均等に散布させる散布手段としての複数の散布口66が設けられている。
そして、イオン交換塔61の底面部には、このイオン交換塔61内へと流入されて陰イオン交換樹脂62にてセレン酸が高度に除去された処理水Fを外部へと排出させる排出口67が設けられている。さらに、この排出口67は、イオン交換塔61内に散布されて陰イオン交換樹脂62を再生させたアルカリ溶液であるセレン酸を高度に含んだ再生廃液を外部へと排出させる。そして、この排出口67には、イオン交換塔61内の再生廃液を反応槽3へと供給させる再生廃液供給配管68の下流端が接続されている。この再生廃液供給配管68の上流端は、反応槽3の開口部2の上方へと配管されている。
すなわち、この再生廃液供給配管68は、陰イオン交換樹脂62を再生させることによってセレン酸を含んだ再生廃液を、反応槽3内の廃水Wに流入させて、この反応槽3内の廃水WのpHを調整させるとともに、この廃水Wとともに再生廃液からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去させる。さらに、この再生廃液供給配管68の下流側には、イオン交換塔61内へと流入されて重金属が高度に除去された処理水Fを外部へと排出させる細長円筒状の処理水排出配管69の下流端が連通接続されている。そして、この処理水排出配管69の下流側は、この処理水排出配管69から排出される処理水Fを河川などへと放流させる。
次に、上記第2実施の形態の重金属除去装置による廃水からの重金属除去方法について説明する。
まず、沈殿池41にて廃水Wから汚泥Mが固液分離された後の処理水Fは、この沈殿池41から排出されて中和槽51へと供給されて貯留される。このとき、この中和槽51内に貯留された処理水Fは、攪拌機52にて攪拌されるとともに、酸供給装置56にて酸が供給されて中和処理される。
そして、この中和槽51にて中和処理された処理水Fは、イオン交換塔61へと供給されて、このイオン交換塔61内の陰イオン交換樹脂62を通水する。このとき、この陰イオン交換樹脂62によって処理水F中のセレン酸が高度に吸着除去される。
この後、この陰イオン交換樹脂62にてセレン酸が高度に除去された処理水Fは、イオン交換塔61の排出口67から処理水排出配管69を介して河川などへと放流される。
さらに、この陰イオン交換樹脂62にて一定量の処理水Fからセレン酸を除去した後には、この処理水Fによるイオン交換塔61内への流入を止める。この状態で、再生剤散布装置63によりイオン交換塔61内の再生廃液供給配管68の各散布口66からアルカリ溶液を散布させて、イオン交換塔61内の陰イオン交換樹脂62を再生させる。
このとき、この陰イオン交換樹脂62にアルカリ溶液を散布して通水させることによって、この陰イオン交換樹脂62に吸着されたセレン酸と、水酸化物イオン(OH)とを交換して再生される。
この結果、この陰イオン交換樹脂62を再生させた後のアルカリ溶液は再生廃液となり、この再生廃液にはセレン酸が高濃度に含有されている。さらに、この再生廃液は、イオン交換塔61の排出口67から排出されて再生廃液供給配管68を介して反応槽3内の廃水Wへと供給される。
よって、この反応槽3内の廃水Wは、再生廃液によってpHがアルカリ性に調整される。さらに、この再生廃液は、反応槽3内の廃水Wとともにセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方が除去される。
ここで、上記第1の実施の形態の重金属除去装置1は、処理する廃水W中のセレン酸の濃度が高いほど効率が良い。そして、この第1の実施の形態の重金属除去装置1にて高度な処理水Fの水質が要求される場合には、反応槽3を多段にするなどと工夫することによって、ある程度の除去効率を向上できる。ところが、この場合には添加する薬品の量が多くなり、かつ発生する汚泥Mが多くなってしまう。
また、反応槽3内の廃水W中に含まれているセレン酸水中で、陰イオンとしてのセレン酸イオン(SeO 2− )として存在する。また、消石灰およびアルミン酸塩にて汚泥Mを生成させた後の処理水Fは、セレン酸と競合する陰イオンの増加がなく好ましいが、処理水Fがアルカリ性であるため、この処理水F中には、水酸化物イオンとセレン酸イオンとが競合している。
そこで、上記第2の実施の形態に示すように、沈殿池41にて廃水Wから汚泥Mが固液分離された後の処理水Fを中和槽51にて中和させた後、この中和した処理水Fをイオン変換塔61内の陰イオン交換樹脂62を通水させて、この陰イオン交換樹脂62によるイオン交換によって、処理水Fに含まれているセレン酸をさらに高度に濃縮して除去できる。この結果、廃水Wから汚泥Mを固液分離した後の処理水F中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方をより効率良く除去できる。
また、イオン交換塔61内の陰イオン交換樹脂62を再生させたアルカリ溶液の再生廃液は、別途、この再生廃液を処理する装置を設けて処理してもよいが、この再生溶液の発生量が廃水Wに比べて少ないため、この廃水Wとともに再生廃液を処理すると効率がよい。また、この再生廃液は、アルカリ性であるとともに、セレン酸を高濃度に含有している。したがって、この再生廃液を反応槽3内の廃水Wに加えることによって、pH調整装置31によるアルカリ剤の添加量を抑制できるから、このpH調整装置31による廃水WのpH調整をより容易にできる。同時に、この再生廃液に含まれているセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を反応槽3内の廃水W中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方とともに除去できるから、この再生廃液中のセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方をも効率良く除去できる。
なお、上記各実施の形態では、廃水W中にカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンのそれぞれを添加してpHを調整したが、埋立処分場の浸出水などには高濃度にカルシウムイオンが含まれている場合がある。このため、このような廃水Wから重金属除去装置1にてセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去する場合には、この廃水Wにアルミニウムイオンを添加してpHを調整するだけで、この廃水W中からセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去できる。
したがって、廃水W中にカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンのいずれか一方が十分に含まれている場合には、これらカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンのいずれか他方を廃水Wに添加してpHを調整するだけで、この廃水W中に汚泥Mを生成できる。このため、これらカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンのいずれか一方の廃水Wへの添加が不要になるから、この廃水Wからのセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方の除去をより容易にできる。
また、濃縮水の廃水Wの処理など、高いセレン除去効果を求めない場合には、取り扱いが容易な塩化カルシウム水溶液および硫酸アルミニウムによってカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを廃水Wに添加しつつ、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを調整することによって、この廃水W中に汚泥Mを発生させて、セレンを除去することもできる。
また、沈殿池41内の廃水W中に発生した汚泥Mを、反応槽3に返送することによってセレン酸の除去効率を向上できるが、高いセレン酸の除去率を求めない場合や、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンの添加率が高く、汚泥Mの発生量が多い場合など汚泥Mの返送が容易ではない場合には、この汚泥Mを反応槽3に返送しなくてもよい。
さらに、この沈殿池41にて汚泥Mを廃水Wから固液分離した後の処理水Fを、イオン交換樹脂法以外の処理方法、例えば逆浸透法などでさらに処理することもできる。このとき、逆浸透法にて生成される濃縮水を、反応槽3に返送させてアルカリ凝集処理することもできる。
次に、上記重金属除去方法におけるセレン酸および亜セレン酸の除去についての実験例を説明する。
まず、水道水にセレン酸ナトリウム(NaSeO・10HO)および亜セレン酸ナトリウム(NaSeO・5HO)を添加して、廃水Wを作成した。
そして、この廃水Wに塩化カルシウムおよびアルミン酸ナトリウム水溶液を添加してから、20分間攪拌した後に濾紙にて濾過し、この廃水W中のセレン濃度を水素化物原子吸光光度法にて分析した。このとき、添加したCa/Alモル比は2.6であった。
また、アルミン酸ナトリウム水溶液を添加した時点でのpHが10以上であったため、アルカリ剤の添加は不要であった。
この結果、図3に示すように、廃水W中からセレン酸および亜セレン酸が除去されていることが判った。ここで、上述のように消石灰およびアルミン酸ナトリウムを廃水Wに添加した場合に最も重金属の除去率が良いが、他の組み合わせでも重金属を除去できることが判った。
次に、上記重金属除去方法における硫酸イオンの影響についての実験例を説明する。
硫酸イオンの影響について実験した。
まず、硫酸ナトリウム(NaSO)水溶液を用いて硫酸イオン濃度を変化させた。このとき、カルシウムイオンとアルミニウムイオンとの添加をCa/Alモル比で10として一定にした。
また、廃水Wはセレン渡度が20mg/Lとなるように水道水にセレン酸ナトリウムを添加してから、硫酸ナトリウムにて硫酸イオン濃度を変化させた。
具体的には、廃水Wに水酸化カルシウムを7.2g/L添加してから、アルミン酸ナトリウム水溶液をアルミニウム(Al)が1000mg/Lとなるように添加した。この後、この廃水Wを20分間攪拌した後に濾紙にて濾過し、この廃水W中のセレン濃度を水素化物原子吸光光度法にて分析した。
このとき、アルミン酸ナトリウム溶液を添加した時点でのpHが10以上であったため、アルカリ剤の添加は不要であった。
この結果、図4に示すように、硫酸イオンが増加するに従って重金属の除去率が低下している。したがって、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンの添加方法としては硫酸イオンを含まないものが好ましいことが判った。
次に、上記重金属除去方法における塩素イオンの影響についての実験例を説明する。
塩素イオンの影響について実験した。
まず、塩化ナトリウムを用いて廃水W中の塩素イオン濃度を変化させた。
このとき、カルシウムイオンとアルミニウムイオンとの添加率をCa/Alモル比で2.7として一定とした。
また、廃水Wはセレン濃度が20mg/Lとなるように水道水にセレン酸ナトリウムを添加してから塩化ナトリウムを添加して、この廃水W中の塩素イオン濃度を変化させた。
さらに、この廃水Wに水酸化カルシウムを7.2g/L添加してから、アルミン酸ナトリウム溶液をアルミニウム(Al)が1000mg/Lとなるように添加した。この後、この廃水Wを20分間攪拌した後に濾紙にて濾過し、この廃水W中のセレン濃度を水素化物原子吸光光度法にて分析した。
このとき、アルミン酸ナトリウム溶液を添加した時点でのpHが10以上であったため、アルカリ剤の添加は不要であった。
この結果、図5に示すように、塩素イオン濃度が増加するに伴って廃水W中の重金属の除去率が低下している。したがって、アルミニウムイオンおよびカルシウムイオンの添加方法としては塩素イオンを含まないものが好ましいことが判った。
よって、これらの結果から、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンの添加方法としては水酸化カルシウムおよびアルミン酸アトリウムを使用するのが最も好ましいことが判った。
次に、上記重金属除去方法における汚泥の返送についての実験例を説明する。
まず、廃水Wのセレン濃度が20mg/Lとなように水道水にセレン酸ナトリウムを添加した。
次いで、この廃水Wに水酸化カルシウムを7.2g/L添加してから、アルミン酸ナトリウム溶液をアルミニウム(Al)が1000mg/Lとなるように添加した。
この後、この廃水Wを20分間攪拌した後に濾紙にて濾過し、この廃水W中のセレン濃度を水素化物原子吸光光度法にて分析した。
ここで、汚泥Mの返送を繰り返した回数ごとの重金属の除去率と、MLSS(Mixed Liquor Suspended Solid)濃度との関係を、図6に示した。
そして、この廃水W中に発生した汚泥Mを遠心分離にて回収してから、この廃水Wに再び加えて繰り返して実験をした。
この結果、図6に示すように、汚泥Mの返送を繰り返すことによって汚泥濃度が高くなり、廃水W中の重金属の除去率も高くなっている。したがって、汚泥Mを返送することによって、廃水W中の重金属の除去効率が向上することが判った。
次に、上記重金属除去方法による廃水のpHの影響についての実験例を説明する。
まず、セレン濃度が20mg/Lとなるように、水道水にセレン酸ナトリウムを添加して原水としての廃水Wを作成した。
次いで、この廃水Wに塩化カルシウムを2.7g/L添加した後に、アルミニウムの濃度が220mg/Lとなるように硫酸アルミニウム水溶液を添加してから、この廃水Wに水酸化ナトリウム水溶液を添加して所定のpHに調整した。
この後、この廃水Wを60分間攪拌した後に濾紙にて濾過した。そして、この廃水Wの処理水Fである濾液中のセレン濃度を、水素化物原子吸光高度法にて測定した。
この結果、図に示すように、処理する廃水WのpHをアルカリ性、すなわち大きくするほど、この廃水W中からの重金属の除去効率が向上することが判った。このとき、処理する廃水WのpHを10以上に調整することによって、処理水F中の濃度が大幅に低下することが判った。
本発明の第1の実施の形態の重金属除去装置を示す説明図である。 本発明の重金属除去装置の第2の実施の形態を示す説明図である。 本発明の重金属除去方法によるアルミニウム添加量と廃水中のセレン濃度との関係を示すグラフである。(実施例1) 同上重金属除去方法による硫酸イオン濃度とセレン除去率との関係を示すグラフである。(実施例2) 同上重金属除去方法による塩素イオン濃度とセレン除去率との関係を示すグラフである。(実施例3) 同上重金属除去方法による汚泥返送繰り返し回数とセレン除去率との関係を示すグラフである。(実施例4) 同上重金属除去方法による被処理水のpHと処理水中のセレン濃度との関係を示すグラフである。(実施例5)
1 重金属除去装置
3 反応槽
41 固液分離手段としての沈殿池
44 返送手段としての汚泥返送排出装置
62 イオン交換樹脂としての陰イオン交換樹脂
F 処理水
M 汚泥
W 被処理水としての廃水

Claims (6)

  1. セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む被処理水に、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを添加して添加後のCa/Alモル比を0.6以上10.0以下にするとともにpHを10以上に調整し
    生成された汚泥と処理水とを固液分離して、セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去する
    ことを特徴とする重金属除去方法。
  2. カルシウムイオンとして水酸化カルシウムを添加し、
    アルミニウムイオンとしてアルミン酸塩を添加する
    ことを特徴とする請求項1記載の被処理水からの重金属除去方法。
  3. 生成された汚泥を被処理水から固液分離するとともに、この固液分離した汚泥の少なくとも一部を前記被処理水に返送する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の重金属除去方法。
  4. 被処理水から汚泥が固液分離された処理水を中和し、
    この中和した処理水からイオン交換樹脂にてセレン酸を除去し、
    前記イオン交換樹脂をアルカリ溶液で再生し、
    前記イオン交換樹脂を再生させた前記アルカリ溶液を、被処理水に加えて、この被処理水とともにセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去する
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の重金属除去方法。
  5. セレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を含む被処理水に、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを添加して添加後のCa/Alモル比を0.6以上10.0以下にするとともにpHを10以上に調整して汚泥を生成させる反応槽と、
    この反応槽から前記汚泥を固液分離してセレン酸およびこの塩の少なくともいずれか一方を除去する固液分離手段と
    を具備したことを特徴とした重金属除去装置。
  6. 固液分離手段にて固液分離された汚泥の少なくとも一部を反応槽の被処理水へと返送する返送手段を具備した
    ことを特徴とした請求項記載の重金属除去装置。
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