JP3137736B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP3137736B2 JP04144247A JP14424792A JP3137736B2 JP 3137736 B2 JP3137736 B2 JP 3137736B2 JP 04144247 A JP04144247 A JP 04144247A JP 14424792 A JP14424792 A JP 14424792A JP 3137736 B2 JP3137736 B2 JP 3137736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面保護層を有する電子
写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、導電性
支持体上にセレンないしセレン合金を主体とする光導電
層を設けたもの、酸化亜鉛、酸化カドミウムなどの無機
光導電材料をバインダー中に分散させたもの、ポリ−N
−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンあるい
はアゾ顔料などの有機光導電材料を用いたもの及び非晶
質シリコンを用いたもの等が一般に知られている。
【0003】これらの感光体に対して、長時間高画質を
保つ信頼性の要求が年々高まっている。しかし光導電層
が露出している場合、帯電過程のコロナ放電による損傷
と複写プロセスで受ける他部材との接触による物理的あ
るいは化学的な損傷が感光体の寿命を損うものであっ
た。
【0004】このような欠点を解消する方法として感光
体表面に保護層を設ける技術が知られている。具体的に
は感光層の表面に有機フィルムを設ける方法(特公昭3
8−15446)、無機酸化物を設ける方法(特公昭4
3−14517)、接着層を設けた後、絶縁層を積層す
る方法(特公昭43−27591)、あるいはプラズマ
CVD法・光CVD法等によってa−Si層、a−S
i:N:H層、a−Si:O:H層等を積層する方法
(特開昭57−179859、特開昭59−5843
7)が開示されている。
【0005】しかしながら、保護層が電子写真的に高抵
抗(1014Ω・cm以上)になると、残留電位の増大、
繰返時の蓄積が問題となり、実用上好ましくない。
【0006】上記欠点を補う技術として保護層を光導電
層とする方法(特公昭48−38427、特公昭43−
16198、特公昭49−10258、USP−290
1348)、保護層中に色素やルイス酸に代表される移
動剤を添加する方法(特公昭44−834、特開昭53
−133444)、あるいは金属や金属酸化物微粒子の
添加により保護層の抵抗を制御する方法(特開昭53−
3338)等が提案されている。
【0007】しかし、このような場合には保護層による
光の吸収が生じ光導電層へ到達する光量が減少するた
め、結果として電子写真用感光体の感度が低下するとい
う問題が生じる。
【0008】このような観点から特開昭57−3084
6に開示されているような平均粒径0.3μm以下の金
属酸化物微粒子を抵抗制御剤として表面保護層中に分散
させることにより、可視光に対して実質的に透明にする
方法がある。この表面保護層を持った電子写真用感光体
は感度低下も少なく、表面保護層の機械的強度が増し耐
久性が向上する。特に結着樹脂としてポリオール硬化型
ウレタン樹脂を用いた場合、その耐摩耗性は著しく向上
し、電子写真用感光体の寿命を飛躍的に延ばすことがで
きる。しかしながら、この電子写真用感光体は実際の複
写機内では繰り返しの使用により残留電位を蓄積し、画
像上に地肌汚れを発生させる。特に低温低湿環境下では
この傾向は著しく、実使用には耐えられない。
【0009】一方、近年、複写機設計上の自由度向上、
感光体の低コスト化、更には複写速度の高速化にともな
う感光体の長寿命化等の要求により高耐久ベルト状感光
体の開発が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした実情
に鑑み、高い機械的強度を備え、かつ、使用する環境条
件が著しく変化しても残留電位が変化しない、長期に渡
って品質の高い画像が安定して得られる信頼性の高い、
新規で高耐久性をも備えたベルト状感光体を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、可撓性導電性支持体上に有機光導電層、更に
は表面保護層を形成して高耐久なベルト状感光体の作製
を試みたところ、表面保護層の樹脂によっては繰り返し
の使用により表面保護層のクラックや膜剥離をひき起こ
す。あるいはクラックや膜剥離を発生しないものは耐摩
耗性に乏しく、繰り返しの使用による表面保護層の膜厚
減少が実用範囲外にある。繰り返し使用による表面保護
層のクラック、膜剥離と、耐摩耗性とが二律背反の関係
にあるという問題に直面した。本発明者らは数々の表面
保護層用樹脂を検討した結果、表面保護層のメイン樹脂
としてポリオール硬化型ウレタン樹脂を用いた場合、ポ
リオールと多価イソシアネートとの混合割合を一定の範
囲に制御すること、表面保護層の赤外吸収スペクトルの
特定波長の吸光度比を特定範囲内にすることなどによ
り、クラック、膜剥離と耐摩耗性とを共に満足する高耐
久な表面保護層を有するベルト状感光体を得ることがで
き、さらに使用環境の変化による残留電位の変化、蓄積
を低減した電気的な特性に優れた電子写真用感光体と成
し得るとの知見を得、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明によれば、可撓性導電性
支持体上に有機光導電層、表面保護層を順次積層した電
子写真用感光体において、表面保護層がポリオール硬化
型ウレタン樹脂を主成分とし、かつ表面保護層の赤外吸
収スペクトルにおける2920cm~1の吸光度aと22
60cm~1の吸光度bとの比がb/a≦0.1である電
子写真用感光体が提供される。
【0013】上記ポリオール硬化型ウレタン樹脂の原材
料中のポリオールのOH基のモル数cと、多価イソシア
ネートのNCO基のモル数dとの比が1.0≦d/c≦
3であるポリオール硬化型ウレタン樹脂を用いた電子写
真用感光体が提供される。又、多価イソシアネートがア
ミド結合を有するイソシアネートであり、かつ、表面保
護層の赤外吸収スペクトルにおける1450cm~1の吸
光度eと1520cm~1の吸光度fの比が0.9≦f/
e≦3.0である電子写真用感光体が提供される。
【0014】以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0015】本発明に係るポリオール硬化型ウレタン樹
脂は活性水素成分であるポリオールと、硬化剤である多
価イソシアネートとを組み合わせたものである。
【0016】本発明に使用するポリオールとしては、ポ
リアルキレノオキシド等のポリエーテルポリオール、末
端に水酸基を有する脂肪族ポリエステル等のポリエステ
ルポリオール、ヒドロキシメタアクリレート共重合体等
のアクリル系ポリマーポリオール、エポキシ樹脂等のエ
ポキシポリオール、フッ素含有ポリオール等公知のもの
が例示できる。
【0017】本発明に使用する硬化剤の多価イソシアネ
ートとしてはトリレンジイソシアネート(TDI)、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレン
ジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシ
アネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(I
PDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート(TMDI)等のイソシアネート化合物、HDI
−トリメチロールプロパンアダクト体、HDI−イソシ
アネート体、HDI−ビウレット体、XDI−トリメチ
ロールプロパンアダクト体、IPDI−トリメチロール
プロパンアダクト体、IPDI−イソシアヌレート体等
のポリイソシアネート等公知のものが例示できる。
【0018】本発明に使用するアミド結合を有するイソ
シアネートとしてはHDI−トリメチロールプロパンア
ダクト体、IPDI−トリメチロールプロパンアダクト
体、HDI−ビウレット体等公知のものが例示できる。
【0019】表面保護層の比抵抗は1010〜1013Ωc
m、好ましくは1011〜1012Ωcmであり、1010Ω
cm以下では画像のシャープ性が低下し、1013Ωcm
以上では画像の地肌汚れが起こる。この傾向は表面保護
層の膜厚が厚いほど顕著に表われる。
【0020】上記ポリオール硬化型ウレタン樹脂は通常
1016Ωcm程度の体積固有抵抗であるので、表面保護
層として使用するには、表面保護層の膜厚を5000Å
程度に薄くして使用するか、又は何らかの抵抗制御剤を
添加して、その体積抵抗を1012Ωcm程度に下げて使
用することが望ましい。後者の場合には膜厚は任意に設
定でき、5μm程度に厚膜化した場合には、機械的強度
が上がり、さらに耐久性が向上する。
【0021】抵抗制御剤としては、脂肪酸塩類、高級ア
ルコール類、硫酸エステル類、脂肪酸アミン類、第4級
アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、イ
ミダゾリン誘導体等のアニオン系、カチオン系、又はノ
ニオン系有機電解質;Au、Ag、Cu、Ni、Al等
の金属;ZnO、TiO2、SnO2、In23、Sb2
3含有SnO2、In23含有SnO2等の金属酸化
物;MgF2、CaF2、BiF2、AlF3、SnF2
SnF4、TiF4等の金属フッ化物;テトライソプロピ
ルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、チタ
ンアセチルアセトネート、チタンラクテートエチルエス
テル等の有機チタン化合物;及びそれらの混合物等が挙
げられる。
【0022】本発明の表面保護層を形成するには、ま
ず、上記ポリオールを適当な溶剤で希釈し、表面保護層
の体積抵抗が1012Ωcm程度になるよう上記抵抗制御
剤の1種又は2種以上を添加する。抵抗制御剤がポリオ
ールに対し相溶しない場合は必要に応じてボールミル等
の分散手段を用いる。次に、上記表面保護層形成液中の
ポリオールのOH基のモル数に対して、多価イソシアネ
ートのNCO基のモル数が好ましくは1.0〜3.0倍
となるような範囲で多価イソシアネートを添加し、光導
電層上に塗布、乾燥、硬化すればよい。OH基のモル数
に対するNCO基のモル数が1.0倍未満では表面保護
層の耐摩耗性が著しく低下し、3.0倍を越えるとベル
ト状感光体の保護層として使用した場合、繰り返しの使
用により表面保護層のクラックと剥離が徐々に進行す
る。
【0023】多価イソシアネートがアミド基を有するイ
ソシアネートの場合、表面保護層の赤外吸収スペクトル
における1450cm~1の吸光度eと1520cm~1
吸光度fの比が0.9≦f/e≦2.5とすることが好
ましく、0.9>f/eでは対摩耗性が低下し、2.5
<f/eではクラック、剥離等が進行しやすくなる。上
記赤外吸収スペクトルの調整方法は、表面保護層形成液
中のポリオールとアミド基を有するイソシアネートとの
混合比により調整することができる。混合する割合は使
用するポリオール、使用するアミド基含有イソシアネー
トにより異なる。
【0024】本発明の保護層を形成する際、作製工程に
おいて次の諸条件の少なくとも1つを満足させた場合、
本発明の電子写真用感光体は効率よく作製することがで
きる。
【0025】1.表面保護層塗布時の雰囲気が乾燥空気
1Kgに水蒸気0.012Kg以上伴っている。
【0026】2.表面保護層塗布後、乾燥空気1Kgに
水蒸気0.020Kg以上伴った雰囲気下に安置する。
【0027】3.表面保護層塗布後、ポリオールのガラ
ス転移点の1.3倍以上の温度で加熱乾燥する。
【0028】4.表面保護層塗布後、ポリオールのガラ
ス転移点以上の温度で加熱乾燥し、次いで乾燥空気1K
gに水蒸気0.016Kg以上伴った雰囲気下に安置す
る。 本発明の赤外吸収スペクトルは通常の赤外分光度計を用
いてKBr掟剤法で測定することができる。赤外吸収ス
ペクトルの2920cm~1の吸光度aはメチル基のC−
H伸縮振動に基づく2920cm~1のピーク強度を示
し、2260cm~1の吸光度bはイソシアネート基の隣
接2重結合の伸縮振動に基づく2260cm~1のピーク
強度を示す。吸光度比b/aが0.1よりも大きくなる
と、表面保護層の機械的強度が弱く、複写機内での連続
使用により、摩耗、スクラッチ等が顕在化し、画像上、
異常画像を発生させる。更に、電気的な特性面では、吸
光度比b/aが0.1よりも大きくなると、残留電位の
上昇及びその環境変動が大きくなり、画像上地肌汚れな
どの異常を発生し好ましくない。
【0029】また、1450cm~1の吸光度eはメチル
基のC−H変角振動に基づく1450cm~1のピーク強
度を示し、1520cm~1の吸光度fはアミド基のN−
H変角振動に基づく1520cm~1のピーク強度を示
す。吸光度比f/eが0.9より小さいと表面保護層の
機械的強度が弱く、複写機内での連続使用により摩耗、
スクラッチの発生等が進行し、ついには画像上に白ス
ジ、黒スジ等の異常画像を発生する様になる。吸光度比
f/eが2.5より大きいと、複写機内での連続使用に
より、表面保護層のクラックや膜剥離が進行し、画像上
にクラック、剥離に起因する異常画像を発生する。した
がって、吸光度比f/eは0.9〜2.5の範囲内でな
いと、表面保護層の本来の目的である感光体寿命の延長
を十分に達成することができなくなる。
【0030】本発明の電子写真用感光体においては表面
保護層以外の光導電層及び導電性支持体の構成及び形成
方法は、従来と全く同じである。
【0031】本発明に係わる有機光導電層の構成及び構
成材料は、特に制約をされず、従来から公知のものを用
いることができる。即ち、有機光導電層の構成は、単相
であってもあるいは前記光導電材料を主成分とする電荷
発生層とドナー又はアクセプターを主成分とする電荷輸
送層との積層であってもよい。厚さは単層型光導電層の
場合は3〜100μm、積層型光導電層の場合は電荷発
生層については0.05〜3μm、電荷輸送層について
は3〜100μmの範囲が適当である。
【0032】以下に有機光導電層として現在主流を占め
る電荷発生層と電荷輸送層とを積層した機能分離型光導
電層について説明する。
【0033】電荷発生層は、電荷発生材料または電荷発
生材料とバインダー樹脂から構成される。
【0034】この有機電荷発生材料は、例えばシーアイ
ピグメントブルー25(カラーインデックスCI 21
180)、シーアイピグメントレッド41(CI 21
200)、シーアイアシッドレッド52(CI 451
00)、シーアイベーシックレッド3(CI 4521
0)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53
−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格
を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報に
記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特
開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオ
フェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728
号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレ
ノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号
公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料
(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリル
オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−
2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格
を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記
載)などのアゾ顔料;例えばシーアイピグメントブルー
16(CI 74100)などのフタロシアニン系顔
料;例えばシーアイバットブラウン5(CI 7341
0)、シーアイバットダイ(CI 73030)などの
インジゴ系顔料;アルゴールスカーレット5(バイエル
社製)、インダスレンスカーレットR(バイエル社製)
などのペリレン系顔料、スクエリック染料、六方晶Se
粉末などが挙げられる。
【0035】これらの電荷発生材料をテトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロルエタンな
どの溶媒と共に、ボールミル、アトライター、サンドミ
ルなどの方法で粉砕、分散する。この時、例えば、ポリ
アミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、
ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどの樹脂をバイ
ンダーとして加えてもよい。この様に調整された電荷発
生層形成液をピードコート法、ノズルコート法、ブレー
ドコート法、ディッピング法、スプレー法等の方法で塗
布、乾燥し、電荷発生層を形成する。
【0036】次に電荷輸送層について説明する。
【0037】電荷輸送材料は、主鎖又は側鎖にアントラ
セン、ビレン、フェナントレン、コロネンなどの多環芳
香族化合物又はインドール、カルバゾール、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピ
ラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾ
ール、トリアゾールなどの含窒素環式化合物を有する化
合物、トリフェニルアミン化合物、ヒドラゾン化合物
(特開昭55−46760号)、α−フェニルスチルベ
ン化合物(特開昭58−198043号)などが使用さ
れる。これら電荷輸送材料をポリスチレン、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレ
ート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セ
ルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコ
ン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、
フェノール樹脂、アルキレッド樹脂等の熱可塑性または
熱硬化性樹脂と共に、テトラヒドロフラン、シクロルヘ
キサノン、ジオキサン、ジクロルエタンなどの溶剤に溶
解して電荷輸送層形成液を調整し、この液をピードコー
ト法、ノズルコート法、ディッピング法、スプレー法な
どの方法で塗布し、乾燥を施せばよい。
【0038】表面保護層と光導電層との間には接着性を
高めるための接着層、電荷注入を阻止するための電気的
バリアー層、表面保護層形成液中の溶剤により有機系光
導電層が侵されることを防ぐ耐溶剤層を設けてもよい。
【0039】また、必要に応じて導電層と光導電層の間
に下引き層を設けることもできる。その場合電荷発生層
のバインダーとしてあげた樹脂の中から選ばれた材料を
用いる事ができ、さらに酸化チタン等の白色顔料やスル
ホン酸又はスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム
塩等のアニオン系導電性ポリマーを添加することもでき
る。この時下引層の上に積層される層の形成液に使用さ
れる溶剤に溶解しない材料を選択する事が好ましい。
【0040】本発明に係わる可撓性導電性支持体として
は、合成樹脂シート等の任意の適切なシートで形成され
るが、特にポリエチレンテレフタレート(PET)等の
使用が好ましい。
【0041】また、本発明においては、支持体の片側表
面に導電層を設けるが、この導電層は、アルミニウム、
ニッケル、クロム、チタン等の金属薄膜あるいは、それ
ら金属の合金薄膜たとえばニクロム、ハステロイ、イン
コネル、ステンレス等が適している。さらに金属酸化物
系の透明導電性材料も採用できる。また、さらにはカー
ボン系の塗料を塗布する事でも達成される。
【0042】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0043】ポリエチレンテレフタレートフィルム上に
約1000Åの厚さを有するアルミニウムを真空蒸着法
により設けて可撓性導電性支持体を得た。
【0044】次にアルコール可溶性共重合ナイロン(C
M−8000 東レ社製)240部をメタノール300
0部、ブタノール300部に溶解し下引き層形成液を調
整し、上記の導電層上にビートコート法によって塗布、
乾燥して、約1μmの膜厚を有する下引き層を設けた。
【0045】その次に下記構造式の化合物(I)13.
5部、ポリビニルブチラール樹脂(XYHL UCC社
製)5.4部及びテトラヒドロフラン360部をボール
ミル中で72時間混練分散した後、更にテトラヒドロフ
ラン211部、エチレングリコールモノエチルエーテル
356部を加え、1時間混練分散した後、テトラヒドロ
フラン110部、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル664部で希釈して、電荷発生層形成液を調製した。
【0046】
【化1】
【0047】この液をビードコート法により下引層の上
に塗布、乾燥して約0.5μmの電荷発生層を設けた。
【0048】さらに、下記構造式の化合物(II)935
部、ポリカーボネート樹脂(パンライトC−1400帝
人社製)1039部をテトラヒドロフラン7900部に
溶解してシリコンオイル(KF−50信越化学社製)
(1%テトラヒドロフラン溶液)2部を加えて電荷輸送
層形成液を調製した。
【0049】
【化2】
【0050】この液を電荷発生層の上に、ノズルコート
法により塗布、乾燥して約25μmの電荷輸送層を設け
た。
【0051】次に、ジルコニウムアセチルアセトナート
(ZC−150松本製薬社製)2重量部とγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM503 信
越化学社製)1重量部とをメタノール63重量部、2−
エトキシエタノール84重量部に混合溶解し、中間層形
成液を作製し、これを電荷輸送層上にスプレー塗布し、
0.2μ厚の中間層を形成し、100℃60分の乾燥を
行った。
【0052】以上の様な手順により、PETフィルム上
にAl導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、中
間層が順次形成されたシート状のサンプルを得、これを
実施例及び比較例において使用できる様に裁断した。
【0053】次に、St−MMA−2・HEMA共重合
体(OH含有量3.92wt%、ガラス転移点118
℃)の20wt%酢酸2−エトキシエチル/メチルイソ
ブチルケトン溶液30重量部と抵抗制御剤20重量部と
をボールミルで120時間分散して保護層形成用母液を
作製した。
【0054】この保護層形成用母液を分割し、この分割
液に対してイソホロンジイソシアネート(IPDI)
(イソシアネート含有量37.5wt%)、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HDI)のトリメチロールプロ
パン(TMP)アダクト体(イソシアネート含有量1
2.9wt%)の各硬化剤及びSt−MMA−2・HE
MA共重合体(固形分20wt%、Tg118℃)とを
保護層形成液中の液組成が表1の様になるよう調合し、
同じく表1に示す形成方法で前述の中間層上に5μ厚の
表面保護層を形成し、実施例1〜8及び比較例1〜8の
サンプルを得た。
【0055】以上のようにして得られた16個の電子写
真用感光体に対して、表面保護層の赤外吸収スペクトル
の強度比の評価結果を表1に、10℃、湿度15%、3
0℃、湿度90%下での実機内残留電位(リコー製 F
T−9100使用)及び複写枚数10万枚に相当する感
光体摩耗試験器による耐刷性の評価結果を表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】注 表1、2において、 1.保護層形成液組成中、Resin分はSt−MMA
−2・HEMAの固形分と硬化剤中の有効成分とを加え
たものとした。
【0059】2.保護層形成方法中、塗工後安置環境と
は保護層塗布後から本乾燥を行う前までの安置場所の環
境であり、空欄部は20℃、50%(水蒸気量0.00
7Kg)を示す。
【0060】3.乾燥温度の空欄は、加熱乾燥を行なわ
なかったことを示す。
【0061】4.赤外吸収スペクトルのa、b、e、f
は、 a:メチル基のC−H伸縮振動に基づく2920cm~1
のピーク強度 b:イソシアネート基の隣接2重結合の伸縮振動に基づ
く2260cm~1のピーク強度 e:メチル基のC−H変角振動に基づく1450cm~1
のピーク強度 f:アミド基のN−H変角振動に基づく1520cm~1
のピーク強度 5.f/eはアミド基を有する硬化剤を使用したものの
み評価 6.機内残留電位は帯電−イレース露光後の現像部での
電位を評価 7.表2の判定基準は以下による。
【0062】機内残留電位 ◎:10℃、15%下で100V未満でかつ変動幅50
V未満 ○:10℃、15%下で150V未満でかつ変動幅10
0V未満 ×:10℃、15%下で200V以上、又は変動幅10
0V以上 耐刷性 膜厚減少 ◎:減少膜厚が0.5μm未満 ○:減少膜厚が0.5以上1.5μm未満 △:減少膜厚が1.5以上2.5μm未満 ×:減少膜厚が2.5μm以上 クラック剥離 ◎:クラック剥離、異常画像の発生皆無 ○:感光体上にはクラックがわずかに発生しているが、
画像上には異常が認められない ×:感光体上にクラック又は剥離が発生し、画像上にも
異常画像を発生 なお、耐刷性の判定においては、膜厚減少の判定とクラ
ック剥離の判定のうち悪い方を採用した。
【0063】表1、2から明らかなように、比較例1〜
8のサンプルよりポリオール硬化型ウレタン樹脂を表面
保護層中の主成分として用いた場合、NCO/OHモル
比が大きくなるに従って機械的強度が増大し、摩耗によ
る膜厚の減少が小さくなる。ところがこのモル比が3.
0倍を越えた辺りから、クラックや膜剥離などが発生し
やすくなる。また、電気的特性の残留電位はNCO/O
H比が大きくなるに従って、10℃、15%下における
残留電位と環境によるその変動量が大きくなる。したが
って、機械的特性と電気的特性を同時に満足させる領域
は存在しないことが判る。
【0064】しかしながら、本発明に従った実施例のサ
ンプルは機械的強度のNCO/OH比依存性が弱まり、
全サンプル共に機械的強度が向上しており、更に表面保
護層中に残存するNCOがほとんど存在しない等の理由
で、10℃、15%下での残留電位、及びその環境変動
量が著しく小さくなっていることが判る。また、ポリオ
ールの硬化剤としてアミド結合を有するイソシアネート
を用いた場合、その取り扱い性はもとより、本発明の目
的とする機内残留電位の低減、その環境変動の抑制、並
びに摩耗膜厚の低減及びクラック、膜剥離の抑制という
点で更に著しい効果を発揮する。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、高い機械的強度を備
え、かつ、使用する環境条件が著しく変化しても残留電
位の変化しない、長期に渡って品質の高い画像が安定し
て得られる、信頼性の高い新規で高耐久性を備えたベル
ト状感光体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性導電性支持体上に有機光導電層、
    表面保護層を順次積層した電子写真用感光体において、
    表面保護層がポリオール硬化型ウレタン樹脂を主成分と
    し、かつ表面保護層の赤外吸収スペクトルにおける29
    20cm~1の吸光度aと2260cm~1の吸光度bとの
    比が b/a≦0.1 であることを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 原材料中のポリオールのOH基のモル数
    cと多価イソシアネートのNCO基のモル数dとの比
    が、 1.0≦d/c≦3.0 であるポリオール硬化型ウレタン樹脂を用いる請求項1
    記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 多価イソシアネートがアミド基を有する
    イソシアネートであり、かつ表面保護層の赤外吸収スペ
    クトルにおける1450cm~1の吸光度eと1520c
    m~1の吸光度fの比が、 0.9≦f/e≦2.5 である請求項2記載の電子写真用感光体。
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