JP3239147B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP3239147B2 JP17495393A JP17495393A JP3239147B2 JP 3239147 B2 JP3239147 B2 JP 3239147B2 JP 17495393 A JP17495393 A JP 17495393A JP 17495393 A JP17495393 A JP 17495393A JP 3239147 B2 JP3239147 B2 JP 3239147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体に関
し、更に詳しくは最表層がスプレー塗布又はノズル塗布
により形成された高耐久化塗膜からなる場合であって
も、高い塗膜品質を有し異常画像発生が抑制された電子
写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体としては、導電
性支持体上にセレンないしセレン合金を主体とする光導
電層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無
機光導電材料をバインダー中に分散させたもの、ポリ−
N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンある
いはアゾ顔料などの有機光導電材料を用いたもの及び非
晶質シリコンを用いたもの等が一般に知られている。
【0003】近年では原材料及び製造コストが安い、環
境汚染が少ない、比較的自由な感光体設計ができる、高
感度である等の理由により、有機系感光体の研究開発が
さかんであり、その発展はめざましい。この有機系感光
体の課題の一つに、高耐久化がある。有機系感光体は、
主原材が文字どうり有機物であるため、a−Si、As
2Se3等の無機感光体と比較した場合、原材料自身の機
械的性質の差により、感光体としての表面硬度、耐刷性
等の点で十分とは言い難く、まだまだ改良の余地があ
る。
【0004】ところが、最近になって、有機系感光体の
高耐久化の研究等により、例えば電荷発生層(CG
L)、電荷輸送層(CTL)を順に積層した系では、C
TL中の結着樹脂の重合度を大きくすることで、その耐
刷性が大きく向上すること等、感光体最表層の結着樹脂
の重合度と感光体耐刷性との間に相関が見い出され、有
機性感光体の最表層には、より重合度の高い結着樹脂の
採用が望まれるようになった。
【0005】一方、有機系感光体の塗工方法としては、
ビートコート法、ノズルコート法、ブレードコート法、
ディッピング法、スプレーコート法などがある。中で
も、スプレーコート法とノズルコート法は、塗工時の液
量が少量でもよいこと、積層感光体の場合に下層塗膜に
より上層塗工液を汚さないこと、塗工液の固形分濃度が
低いため溶剤の選択可能範囲が広いこと、つぎめなく塗
工可能なこと、長手方向の膜厚均一性が優れること等の
観点から、有機系感光体の塗工方法のうち、重要度、必
要性の高い塗工方法の一つであると考えられている。
【0006】ところが、このスプレー塗工法で、前述し
た重合度の高い結着樹脂を製膜すると、結着樹脂の重合
度が高くなるにつれて(即ち、より高耐久化を指向する
と)塗膜品質が劣悪化し、画像上濃淡ムラ等の異常画像
を発生することが判明した。このときの塗膜品質を解析
したところ、塗膜品質の劣悪化には大きく分けて二通り
のケースがあり、一つは1mm以下のピッチの細かな粗
れ(高周波の粗れ)、もう一つは3〜10cmピッチで
現われる大きな膜厚ムラ(低周波の粗れ)であった。こ
れらの粗れと画像品質との関係を調べたところ、高周波
の粗れは、となりあう凹凸の高さの差が3μmを超える
と、ハーフトーン画像にザラツキや濃淡ムラを与え、実
用上問題となる。また、低周波の粗れは、同様にとなり
あう凹凸の高さの差が3μmを超えた場合、ハーフトー
ン画像及び黒ベタ画像に濃度差を与え、実用に供し得な
いことが判明した。
【0007】更に検討を進めたところ、この高周波の粗
れと低周波の粗れはトレードオフ関係にあり、結着樹脂
の重合度を大きくすればする程、より一層トレードオフ
の関係は激しくなり、粘度平均分子量35,000以上
の結着樹脂を含む最表層は、従来のスプレー塗工法及び
ノズル塗工法では、低周波粗れ、高周波粗れを共に3μ
m以下に抑制することは困難であって、実用に耐え得る
塗膜品質及び画像品質が得られないことが判明した。従
って、従来のスプレー塗工法、ノズル塗工法を利用して
も、粘度平均分子量35,000以上の結着樹脂を含む
最表層を良好に形成し得る最表層の構成・処方の開発が
求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、少なく
とも最表層をスプレー塗布又はノズル塗布した電子写真
用感光体において、塗膜欠陥(高周波凹凸及び低周波凹
凸)に基づく異常画像が抑制された高画質で且つ高耐久
な電子写真用感光体を提供することを、その目的とす
る。また、本発明は、上記の高画質且つ高耐久な電子写
真用感光体の電気特性の安定化を図ることを、その目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討し
た結果、光導電性材料及びその他の感光体の構成材料
は、物理的あるいは化学的な安定性の点から、その加熱
条件は制約を受け、その許容される加熱乾燥条件の範囲
内においては、最表層樹脂の粘度平均分子量及び加熱乾
燥後の最表層に残留する溶媒と、形成される最表層塗膜
品質及び電気特性との間の相関関係を見出し、本発明に
到達した。
【0010】即ち、本発明によれば、導電性支持体上に
感光層を形成してなる電子写真用感光体において、該感
光体の最表層に含有される結着樹脂が粘度平均分子量
3.5万以上のものであり、且つ沸点135℃以上の溶
媒少なくとも一種を感光層全量に対して100〜10,
000ppm最表層中に含有し、最表層表面の高周波の
粗れ及び低周波の粗れが3μm以下であることを特徴と
する電子写真用感光体が提供される。
【0011】なお、本発明によれば、前記感光体におい
て、更に沸点100〜135℃の溶媒少なくとも一種を
感光層全量に対して1,000ppm以下最表層中に含
有してなることを特徴とする電子写真用感光体が、また
これらの感光体において、更に沸点50〜100℃の溶
媒少なくとも一種を感光層全量に対して300ppm以
下最表層中に含有してなることを特徴とする電子写真用
感光体が提供される。
【0012】以下、本発明を図面に従って更に詳しく説
明する。図1〜4は代表的な電子写真用感光体の構成例
である。図1において、aは導電性支持体、bは光導電
層であり、図1は一つの層で電荷発生、電荷輸送の機能
を併せ持つ単層型電子写真用感光体である。図2、図3
において、aは導電性支持体、cは電荷輸送層、dは電
荷発生層を表わし、図2は逆層タイプの積層型電子写真
用感光体、図3は順層タイプの積層型電子写真用感光体
である。図4において、aは導電性支持体、eは表面保
護層、fは単層型であっても積層型であっても構わない
光導電層を表わし、図4は表面保護層を有するタイプの
電子写真用感光体である。なお、図1〜4において、導
電性支持体と光導電層との間には、必要に応じて下引き
層を形成することも可能であり、また図4においては、
光導電層と表面保護層の間に中間層を形成することも可
能である。
【0013】本発明の電子写真用感光体の最表層とは、
図1においてはbの単層型光導電層、図2においてはd
の電荷発生層、図3においてはcの電荷輸送層、図4に
おいてはeの表面保護層である。図1〜4の最表層の好
ましい膜厚は、図1の単層型光導電層に関しては10〜
30μm、図2の電荷発生層に関しては0.5〜5μ
m、図3の電荷輸送層に関しては10〜30μm、図4
の表面保護層に関しては2〜10μmである。本発明の
電子写真用感光体は、その最表層以外については従来の
構成が利用出来、前述した図1〜4の構成を取り得る
が、本発明の目的の一つである高耐久化を達成するため
には、図1、3及び4の構成が特に好ましい。
【0014】本発明の感光体において、最表層は粘度平
均分子量3.5万以上の樹脂成分と、沸点135℃以上
の溶媒少なくとも一種を感光層全量に対して100〜1
0,000ppm含有することを主たる特徴としてい
る。即ち、本発明の感光体の最表層を構成する樹脂成分
は、粘度平均分子量が3.5万以上のものであるが、最
表層の耐摩耗性の観点から、5万以上のものがより好ま
しい。この粘度平均分子量は、極限粘度を求め、下記式
数1より算出することができる。
【数1】[η]=KMw α [η]:極限粘度 Mw:粘度平均分子量
【0015】また、本発明の感光体の最表層には、沸点
135℃以上の溶媒が含有されるが、その具体例とし
は、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、シクロヘ
キサノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、メチルカルビトー
ル、エチルカルビトール、シクロヘキサノン、N−メチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、リン
酸トリエチル、ジメチルスルホキシド、キシレン、2−
エトキシエタノール等が挙げられる。最表層構成樹脂の
粘度平均分子量が3.5万以上の場合、最表層に含有さ
れるこれらの溶媒は、最表層塗膜品質及び電気特性の観
点から、100〜10,000ppmの範囲が良く、2
00〜6,000ppmの範囲が特に好ましい。
【0016】最表層塗膜品質に関して、感光層全量に対
する沸点135℃の溶媒の含有量が100ppm未満で
は、前述した高周波の粗れが発生し易く、画像上ハーフ
トーン等に異常画像を発生させる可能性が高く、20,
000ppm以上では、低周波の粗れが増大し、帯電ム
ラに起因する黒部及び中間調画像の濃度ムラが発生す
る。また、電気特性の観点からは、50ppm未満で
は、繰り返し使用により暗部電位の低下を起こし、1
0,000ppm超過では、繰り返し使用により地肌部
電位の上昇を招き易くなる。即ち、最表層塗膜品質、電
気特性、ひいては初期から経時の画像は、沸点135℃
以上の溶媒の量を100〜10,000ppmの範囲内
とすることで、良好なレベルに保たれる。
【0017】更に、本発明の感光体の最表層中に、感光
層全量に対して1,000ppm以下の沸点100〜1
35℃の溶媒を含有させた場合には、塗膜品質、電気特
性は良好に維持したまま、更に高粘度(粘度平均分子量
の高い)の最表層を形成することが出来、電子写真用感
光体の更なる高耐久化が図れる。この場合の沸点100
〜135℃の溶媒の具体例としては、オクタン、トルエ
ン、1,2−ジブロモエタン、テトラクロロエチレン、
クロロベンゼン、1−ブタノール、2−メチル−1−プ
ロパノール、2−メトキシエタノール、1,4−ジオキ
サン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、モルホリ
ン等が挙げられる。
【018】本発明の感光体の最表層中に、更に感光層全
量に対して300ppm以下の沸点50〜100℃の溶
媒を含有させた場合には、更により良好な塗膜品質及び
電気特性と共に、生産性の高い電子写真用感光体が得ら
れる。この場合の沸点50〜100℃の溶媒の具体例と
しては、四塩化炭素、ヘキサン、シクロヘキサン、メタ
ノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトン、メチル
エチルケトン、酢酸エチル、トリフルオロ酢酸等が挙げ
られる。
【0019】本発明の感光体を形成するには、粘度平均
分子量3.5万以上の樹脂成分と他の最表層構成成分と
を、前述した沸点135℃以上の溶媒を含有する混合溶
媒中に溶解又は分散し、これをスプレーあるいはノズル
などの塗工方法で塗布後、加熱乾燥を施せばよい。
【0020】本発明においては、最表層の樹脂成分及び
高沸点溶媒以外の導電性支持体、電荷発生物質、電荷輸
送物質等については、従来と全く同じものが利用でき
る。
【0021】以下、本発明を最も一般的な有機系感光体
の形態例である図3に示される層構成の場合を中心にし
て説明する。
【0022】導電性支持体としては、導電体あるいは導
電処理をした絶縁体が用いられる。例えばAl、Ni、
Fe、Cu、Auなどの金属あるいは合金、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性
基体上にAl、Ag、Au等の金属あるいはIn23
SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの、導電処理
をした紙等が例示できる。
【0023】図3で示される層構成の場合の電荷発生層
は、電荷発生材料又は電荷発生材料と結着樹脂から構成
され、膜厚は0.05〜3μmの範囲が好ましい。この
場合、電荷発生材料としては、例えばシーアイピグメン
トブルー25(カラーインデックスCI 2118
0)、シーアイピグメントレッド41(CI 2120
0)、シーアイアシッドレッド52(CI 4510
0)、シーアイベーシックレッド3(CI 4521
0)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53
−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格
を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報に
記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特
開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオ
フェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728
号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレ
ノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号
公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料
(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリル
オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−
2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格
を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記
載)などのアゾ顔料;例えばシーアイピグメントブルー
16(CI 74100)などのフタロシアニン系顔
料;例えばシーアイバットブラウン5(CI 7341
0)、シーアイバットダイ(CI 73030)などの
インジゴ系顔料;アルゴールスカーレット5(バイエル
社製)、インダスレンスカーレットR(バイエル社製)
などのペリレン系顔料、スクエリック染料、六方晶Se
粉末などが挙げられる。
【0024】これらの電荷発生材料をテトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロルエタンな
どの溶媒と共に、ボールミル、アトライター、サンドミ
ルなどの方法で粉砕、分散する。この時、例えば、ポリ
アミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、
ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどの樹脂をバイ
ンダーとして加えてもよい。このように調整された電荷
発生層形成液をビードコート法、ノズルコート法、ブレ
ードコート法、ディッピング法、スプレー法等の方法で
塗布、乾燥し、電荷発生層を形成する。
【0025】図3で示される層構成の場合の電荷輸送層
は、電荷輸送材料と結着樹脂から構成される。この場
合、電荷輸送材料は、主鎖又は側鎖にアントラセン、ピ
レン、フェナントレン、コロネンなどの多環芳香族化合
物又はインドール、カルバゾール、オキサゾール、イソ
オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾー
ル、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、
トリアゾールなどの含窒素環式化合物を有する化合物、
トリフェニルアミン化合物、ヒドラゾン化合物(特開昭
55−46760号)、α−フェニルスチルベン化合物
(特開昭58−198043号)などが使用される。こ
れら電荷輸送材料をポリスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、
フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹
脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール
樹脂、アルキレッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂
と共に、テトラヒドロフラン、シクロルヘキサノン、ジ
オキサン、ジクロルエタンなどの溶剤に溶解して電荷輸
送層形成液を調整し、この液をノズルコート法、スプレ
ーコート法などの方法で塗布し、乾燥を施せばよい。
【0026】本発明においては、感光層最表層に所定の
溶媒を所定量残留させる必要があるため、図3における
電荷輸送層を形成する際には、電荷輸送層形成液中に残
留させたい溶媒を予じめ混入させておき、形成液の固形
分濃度、混合溶媒の混合比、塗工条件(例えばスプレー
塗工ではガンと支持体との距離など)、乾燥条件などを
調整し、本発明の電荷輸送層(最表層)が形成される。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これにより本発明の態様が限定されるものではな
い。なお、以下に示す部はすべて重量基準である。
【0028】実施例1〜23及び比較例1〜17 80mmφ×340mm、厚さ3mmのAl導電性支持
体を40本準備し、これらの導電性支持体上に下記の電
荷発生層形成液をスプレー塗布し、0.1μm厚の電荷
発生層を形成した。
【0029】(電荷発生層形成液の調製)下記構造式化
1で示される化合物10.0部、ポリビニルブチラール
樹脂(XYHL:UCC社製)2.5部及びテトラヒド
ロフラン360部をボールミル中で72時間混練分散し
た後、更にテトラヒドロフラン211部、エチレングリ
コールモノエチルエーテル356部を加え、1時間混練
分散した後、テトラヒドロフラン376部、エチレング
リコールモノエチルエーテル664部で希釈して、電荷
発生層形成液を調製した。
【0030】
【化1】
【0031】次に、電荷発生層上に20μm厚の電荷輸
送層を形成し、電荷輸送層中に残留する溶媒量、溶媒種
の異なった電子写真用感光体サンプル40本を得た。電
荷輸送層形成時の原材料、処方等の条件及び作製手順を
次に示す。
【0032】(電荷輸送層形成条件)
【化2】
【化3】 使用溶媒:シクロヘキサノン(沸点:155.7℃) キシレン(沸点:140℃) メチルイソブチルケトン(沸点:115.1℃) トルエン(沸点:110.6℃) テトラヒドロフラン(沸点:66.0℃) アセトン(沸点:56.1℃) 電荷移動物質/結着樹脂=1/1 添加剤:シリコーンオイル(KF50、信越化学社製) 添加剤添加量:結着樹脂に対して0.02%添加 塗工方法:スプレー塗布 加熱乾燥時間:140℃、40分
【0033】(作製手順)以上のような電荷輸送層形成
時の条件の下で、まず上記使用溶媒の中から少なくとも
3種の溶媒を選択し、次いでそれらの溶媒を適当な割合
に混合後、上記電荷輸送物質、結着樹脂を溶解し、添加
剤を加え、溶媒種、固形分濃度、溶媒混合比の異なる4
0個の電荷輸送層形成液を得、これを電荷発生層上にス
プレー塗布して電荷輸送層を形成した。各電荷輸送層形
成液の溶媒比及び固形分濃度を表1に示す。なお、電荷
輸送層中の溶媒量を変えるため、電荷輸送層形成液処方
の他に、塗工ブース内温度、ガン−ドラム間距離等も調
整因子として加えた。
【0034】
【表1】
【0035】以上のようにして得られた40本の電子写
真用感光体について、電荷輸送層中の沸点135℃以上
の溶媒の感光層全量に対する含有量、沸点100〜13
5℃の溶媒の含有量及び沸点50〜100℃の溶媒の含
有量を分析し、且つ下記の評価を行なった。 ・・・電子写真用感光体表面の約1mmピッチの高周
波の粗れと、5〜10cmのピッチの低周波のムラ(膜
厚差)。 ・・・複写機内における初期から50,000枚複写
後までの暗部電位(Vd:初期設定−800V)、明部
電位(Vl:初期設定−100V)の変化量(夫々△V
d、△Vl)。 ・・・50,000枚複写試験後の電荷輸送層の摩耗
膜厚。 以上の分析結果及び評価結果を、表2〜3及び表4〜6
に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】 註)判定:×:実用不可 △:実用上問題なく良好 ○:特に良好
【0039】
【表5】 註)判定:×:実用不可 △:実用上問題なく良好 ○:特に良好
【0040】
【表6】 註)判定:×:実用不可 △:実用上問題なく良好 ○:特に良好
【0041】以上の結果より、次のことが確認された。 感光体最表層結着樹脂の粘度平均分子量が高い程、複
写機内耐摩耗性は高い。 粘度平均分子量が高い程、最表層表面の高周波粗れ、
低周波粗れは、夫々共に高くなり、高周波粗れと低周波
粗れとはトレードオフの関係にある。 最表層表面の高周波粗れ高さが3μmを超えると、ハ
ーフトーン画像及び黒ベタ画像において濃淡ムラが著し
くなり、実用上問題がある。 最表層表面の低周波粗れ高さが3μmを超えると、ハ
ーフトーン画像上ムラが目立つようになり、実用上問題
がある。 最表層中の沸点135℃以上の溶媒の残量が少なすぎ
ると高周波粗れを発生し、多すぎると低周波粗れを発生
し、夫々画像品質上問題がある。 最表層中の溶媒残量が少なすぎると、繰り返し使用に
より黒部電位(Vd)が低下し、静電コントラストが低
下する。 最表層中の溶媒残量が多すぎると、明部電位(Vl)
が繰り返し使用により徐々に上昇し、地肌汚れの発生、
又は静電コントラストが低下する。
【0042】これに対し、本発明に従った実施例1〜2
3の電子写真用感光体は、沸点135℃以上の溶媒が1
00〜10,000ppmの範囲で、最表層中に含有さ
れており、高周波粗れ、低周波粗れが夫々3μm以下に
低減され、初期からの画像は良好であり、且つ繰り返し
使用による暗部電位の低下、明部電位の上昇も少なく、
コントラストの低下(△Vd+△Vl)は100V前後に
抑えられてあり、耐久性の高いものである。更に、沸点
100〜135℃の溶媒を1,000ppm以下、沸点
50〜100℃の溶媒を300ppm以下含有させるこ
とにより、より以上に良好な初期画像、繰り返し品質が
得られ、加えて、粘度平均分子量がより大きい(より高
耐久な)最表層の形成に適している。
【0043】
【発明の効果】請求項1の電子写真用感光体は、その最
表層に含有される結着樹脂が粘度平均分子量3.5万以
上のものであり、且つ沸点135℃以上の溶媒少なくと
も一種を感光層全量に対して100〜10,000pp
m最表層中に含有してなるものとしたことから、本感光
体によると、塗膜欠陥(高周波粗れ及び低周波粗れ)に
基づく異常画像が抑制され且つ繰り返し電位特性が安定
化されるので、高品質の初期画像及び繰り返し画像が得
られ、しかも感光体の耐久性にも優れている。
【0044】請求項2の電子写真用感光体は、更に沸点
100〜135℃の溶媒少なくとも一種を感光層全量に
対して1,000ppm以下最表層中に含有してなるも
のとしたことから、更に高粘度(粘度平均分子量の高
い)の最表層を形成できるので、耐久性が更に向上す
る。
【0045】請求項3の電子写真用感光体は、更に沸点
50〜100℃の溶媒少なくとも一種を感光層全量に対
して300ppm以下最表層中に含有してなるものとし
たことから、塗膜品質及び電気特性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子写真用感光体の層構成の一例
を示す模式断面図である。
【図2】本発明に係る電子写真用感光体の層構成の別の
一例を示す模式断面図である。
【図3】本発明に係る電子写真用感光体の層構成の別の
一例を示す模式断面図である。
【図4】本発明に係る電子写真用感光体の層構成の別の
一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
a 導電性支持体 b 単層型光導電層 c 電荷輸送層 d 電荷発生層 e 表面保護層 f 光導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 洋志 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平5−142793(JP,A) 特開 平4−43363(JP,A) 特開 平1−319752(JP,A) 特開 平1−161244(JP,A) 特開 平1−112249(JP,A) 特開 平1−112248(JP,A) 特開 平5−127395(JP,A) 特開 平5−94029(JP,A) 特開 平3−20768(JP,A) 特開 平2−124576(JP,A) 特開 昭63−261265(JP,A) 特開 平2−67562(JP,A) 特開 平4−320269(JP,A) 特開 平4−368956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を形成してなる
    電子写真用感光体において、該感光体の最表層に含有さ
    れる結着樹脂が粘度平均分子量3.5万以上のものであ
    り、且つ沸点135℃以上の溶媒少なくとも一種を感光
    層全量に対して100〜10,000ppm最表層中に
    含有し、最表層表面の高周波の粗れ及び低周波の粗れが
    3μm以下であることを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 沸点100〜135℃の溶媒少なくとも
    一種を感光層全量に対して1,000ppm以下最表層
    中に含有してなることを特徴とする請求項1に記載の電
    子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 沸点50〜100℃の溶媒少なくとも一
    種を感光層全量に対して300ppm以下最表層中に含
    有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電
    子写真用感光体。
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