JP5114154B2 - 自己修復性電子写真感光体、それを用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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先ず、装置に備わる電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)の感光層を、帯電器によって所定の電位に一様に帯電させ、露光手段から画像情報に応じて照射されるレーザ光などの光によって露光し、静電潜像を形成する。
形成されたトナー画像を、転写手段によって感光体の表面から記録紙などの転写材上に転写し、定着手段によって定着させる。
このような感光体表面の残留トナーおよび付着紙粉などの異物は、形成される画像の品質に悪影響を及ぼすので、クリーニング装置によって除去される。
電子写真感光体としては、従来から、無機系光導電性材料を用いた電子写真感光体(以下、無機系感光体と称する)が用いられている。
すなわち、セレン系感光体および硫化カドミウム系感光体は、耐熱性および保存安定性に問題がある。
さらに、セレンおよびカドミウムは、人体および環境に対する毒性を有するので、これらを用いた感光体は使用後には回収され、適切に廃棄される必要がある。
また、酸化亜鉛系感光体は、低感度であって、かつ耐久性が低いという欠点があり、現在ではほとんど使用されていない。
またa−Si感光体は、生産性が低く、製造原価が高いという短所も有する。
また、有機系感光体は、感光層を浸漬塗布法に代表される容易かつ安価な方法で形成することが可能であるという利点も有する。
機能分離型感光体は、有機系感光体の有する前記の利点に加え、感光層を構成する材料の選択範囲が広く、任意の特性を有する感光体を比較的容易に作製できるという利点も有している。
電荷発生層および電荷輸送層は、通常、電荷発生物質および電荷輸送物質がそれぞれ結着剤である結着樹脂中に分散された形で形成される。
また、単層型の機能分散型感光体では、電荷発生物質と電荷輸送物質とが結着樹脂中に共に分散されて成る単層型の感光層が設けられる。
1.物の表面を極めて硬くして擦過・衝撃に対する抵抗を高くする方法。
2.表面を滑りやすくして擦過・衝撃を逃がしてしまう方法。
3.ゴムのように弾力を持たせて擦過・衝撃を吸収してしまい、元通り復元する方法。
4.表面層に自己修復性をもった樹脂を用い、擦過により切れた分子鎖を修復して元通りに復元する方法。
これら保護層は、感光層の基本機能を阻害しないという観点から可能な限り薄層化することが基本的には望まれるが、この付加機能を設けることにより、さまざまな弊害が発生する。
逆に表面保護層と感光層が連続的な層構成、すなわち感光層が引き続き塗布される表面保護層塗布液により溶解される場合には、その溶解状況により画像特性が悪化したりする。
さらに、表面保護層の誘電率の不均一により、黒ベタ画像出力時のエッジ部の画像太りおよびトナー飛散が発生する場合があり、表面層内部での分散状態が大きく影響することもある。
ただし、このように微粒子を分散させた塗布膜においては単に添加量を規定して含有させるだけでなく、塗布膜中に均一に分散していることが重要であり、塗布液の製造方法を工夫する必要がある(特許文献5)。
またこれらは、感光体自体の耐久性は向上する反面、その感光体に接触するクリーニングブレードやキャリアコートの劣化を早めてしまう問題がある。
この方法によれば確かに耐摩耗性は向上するが十分な効果を有するものではなく他の方法と併用される場合が多い。
しかしながら、このような高反発弾性を有する表面層では、クリーニングブレードとの接触で振動等が発生しやすい問題がある。
しかし、この自己修復性樹脂は反応性のある置換基を有する樹脂であり、感光層に含有させると電気特性に悪影響を与えてしまう問題がある。
また、電子写真感光体ではないが、同様な耐久性向上の試みとして画像形成装置の転写ベルトとして自己修復性を持つ樹脂製無端ベルトも提案されている(特許文献10)。
また、自己修復性樹脂の提案としては特許文献12、13等があるが、これらは専ら電子機器や自動車などの塗装としての用途であり電子写真感光体として使用することについての種々の課題については、何らの開示も示唆もない。
すなわち、擦過・衝撃に際し、これに反発することなく、一旦はその衝撃を吸収して外見上はキズと視認されるような状態となる。しかし、これは微視的に見ると凹んだ状態であって、その後、時間をかけて優れた復元力によって徐々にもとの表面形状に復帰するというまったく新しいメカニズムにより自己修復性を発揮する電子写真感光体である。
また、この復元力は化学反応によって自己修復するものではないため電気特性に影響がない。
前記アクリルポリオール樹脂が、炭素数5以下のヒドロキシアルキル基を側鎖として有する(メタ)アクリレートと炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基を側鎖として有する(メタ)アクリレートとの共重合体であり、前記2種類のヒドロキシアルキル基とヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基の比率が1/3〜3/1(モル比)であり、前記アクリルポリオール樹脂におけるヒドロキシ価が100〜200である電子写真感光体が提供される。
本発明の電子写真感光体における保護層は、少なくともアクリルポリオール樹脂とポリイソシアネートとの架橋物であるアクリル-イソシアネート架橋樹脂を50〜95重量%の割合で含有する。
前記アクリルポリオール樹脂は、炭素数5以下のヒドロキシルアルキル基(a1)を側鎖として有する(メタ)アクリレートと炭素数6以上のヒドロキシルアルキルカルボニルオキシ基(a2)を側鎖として有する(メタ)アクリレートとの共重合体であり、これら2種類の側鎖を含有する。
好ましくは、炭素数5以下のヒドロキシアルキル基(a1)と炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)の含有比率は、(a1)/(a2)=2/1〜1/2(モル比)である。
撃で生じた凹みを元の表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下することとなる。
一方、炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)の含有比率が上記範囲よりも高いと、加水分解が起き易くなり耐侯性が低下する。
好ましくは、炭素数5以下のヒドロキシアルキル基(a1)と炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)のヒドロキシ価は120〜180である。
なお、ここでヒドロキシル価とは、JIS K 5500に定義された数値であって、原料1g中のヒドロキシ基に対応する水酸化ナトリウムのmg数であり、試料中の水酸基(-OH)をアセチル化して、アセチル化に要した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量を、試料1gに対するmg数で表したもので、試料中のOH基の含有量を示す尺度である。
で表される化合物のような2官能ポリカプロラクトンジオール類であるか、または、下記式:
で表される化合物のような3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他4官能ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。ポリラクトンポリオール(B)は1種のみでもよいし2種以上であってもよい。
前記ポリラクトンポリオール(B)の官能基数が2未満(すなわち1官能)であると、耐侯性が低下し、耐汚染性も悪くなる傾向があり、一方、ポリラクトンポリオール(B)の官能基数が5を超えると、復元力が不十分となり、衝撃で生じた凹みを元の表面状態に戻すことができず、耐擦傷性が低下する恐れがある。
ポリラクトンポリオール(B)は、配合しなくても良い任意成分であるが、配合する場合には、その固形分割合が前記(A)/(B)=60/40の割合を超えて多くなると、加水分解が起きやすく耐侯性が低下するので、(A)、(B)の合計固形分量に対し40wt%を超えないようにすることが大事である。
また、上記ポリラクトンポリオール(B)を40wt%以下の割合で配合することにより、耐衝撃性と耐候性を両立させることができる。
(c)/(a+b)=1/0.3〜1/2.0(モル比)
(式中、aはアクリルポリオール樹脂中のヒドロキシル基量を意味し、bはポリラクトンポリオール中のヒドロキシル基量を意味する)
となるように配合されてなることが重要である。好ましくは、(c)/(a+b)=1/0.5〜1/1.5(モル比)である。
図1は、本発明の実施の第1形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体1(以下、感光体と略称する)は、導電性材料から成る円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層される層であって電荷発生物質を含有する電荷発生層12と、電荷発生層12の上にさらに積層される層であって電荷輸送物質を含有する電荷輸送層13とを含む。電荷発生層12と電荷輸送層13とは、感光層14を構成する。さらに、本発明の表面保護層16を有する。すなわち、感光体1は、積層型感光体である。
また、図2に示すように導電性基体11と感光層14との間に、中間層15が設けられていてもよい。
特に、反転現像プロセスを用いて画像を形成する場合には、露光によって表面電荷の減少した部分にトナーが付着してトナー画像が形成されるので、露光以外の要因で表面電荷が減少すると、白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが発生し、画質の著しい劣化の生じることがある。すなわち、導電性基体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性基体11または感光層14の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥となることがある。
そのような増感染料としては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などが挙げられる。
これらの中でも、結着剤である結着樹脂を溶剤中に混合して得られる結着樹脂溶液中に、電荷発生物質を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を調製し、得られた塗布液を導電性基体11の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
前記比率W1/W2が10/100未満であると、感光体1の感度が低下する。
したがって、前記比率W1/W2の好適な範囲を、10/100以上、99/100以下とした。
なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下する。
また、電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12内部での電荷移動が感光層14の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下する。
したがって、電荷発生層12の膜厚の好適な範囲を、0.05μm以上、5μm以下とした。
これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように種々の点で優れているので、電荷輸送層13を形成する場合にも多く利用されている。
電荷輸送層13の膜厚が5μm未満であると、帯電保持能が低下する。
また、電荷輸送層13の膜厚が40μmを超えると、感光体1の解像度が低下する。
したがって、電荷輸送層13の膜厚の好適な範囲を、5μm以上40μm以下とした。
またこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどを用いることもできる。
これらの有機光導電性化合物は光学増感剤として機能する。
これによって、オゾン、窒素酸化物などの酸化性のガスに対しての劣化を少なくすることが出来る。また各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。
これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体もしくはヒンダードアミン誘導体、またはこれらの混合物が好適に用いられる。
酸化防止剤の電荷輸送物質100重量部当たりの使用量が0.1重量部未満であると、塗布液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果を得ることができず、また50重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼす。
したがって、酸化防止剤の使用量の好適な範囲を、電荷輸送物質100重量部当たり、0.1重量部以上50重量部以下とした。
無機性フィラーの中でも、金属酸化物が好ましく、シリカ、アルミナ、酸化チタンが特に好ましい。さらにその中でシリカが好ましい。
有機物で表面処理されたフィラーとしては、撥水性処理として、シランカップリング剤で処理されたもの、フッ素系シランカップリング剤で処理されたもの、高級脂肪酸で処理されたものなどが挙げられる。
無機物で表面処理されたフィラーとしては、アルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカなどで表面処理されたものなどが挙げられる。
また、表面保護層16の作製に際して、アクリルポリオール樹脂の硬化剤としてのイソシアヌレート化合物以外に、さらに安定性向上のために酸化防止剤、分散性の向上のために界面活性剤、光安定剤および可塑剤等を加えてもよい。
表面保護層16の層厚が1μmよりも薄いと、衝撃による凹みが電荷輸送層まで達してしまい、実質的に表面保護層16が復元できなくなり、耐摩耗性が向上できない。
表面保護層16の層厚を20μmよりも厚くすることは表面保護層中の電荷輸送速度が遅いため、これが律速となって感光体10の感度が低下するおそれがあるので好ましくない。
感光体の乾燥温度が約50℃未満では乾燥時間が長くなり、また、乾燥温度が約140℃を越えると、繰返し使用時の電気的特性が悪くなり感光体を使用して得られる画像も劣化する。
図2は、本発明実施の第2形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体2は、前記実施の第1形態の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
したがって、感光層14の帯電性の低下を防ぐことができ、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。
なお、本実施の形態における中間層15以外の感光層14および表面保護層16については、前記の実施の第1形態と全く同様にして作製できる。
中間層15には、各種樹脂材料から成る樹脂層またはアルマイト層などが用いられる。
図3は、本発明の実施の第3形態である電子写真感光体3の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体3(以下、感光体と略称する)は、導電性材料からなる円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層された感光層14と、該感光層14の表面上に形成された表面保護層16とから構成される。
本実施の形態の感光層14は電荷発生物質と電荷輸送物質との両方を含有する単層からなる。すなわち、感光体3は、単層型感光体である。
本実施の形態の感光層が含有する電荷発生物質および電荷輸送物質に関しては、前記の実施の第1形態に記載したものが用いられ、感光層14が電荷発生層と電荷輸送層とを含有する単層からなること以外、および表面保護層に関しては前記の実施の第1形態の記載と同様にして作製できる。
図4は、本実施の第4の形態である画像形成装置30の構成を簡略化して示す配置側面図である。
図4に示す画像形成装置30は、本発明の実施の第1形態の感光体1を搭載するレーザプリンタである。以下図4を参照してレーザプリンタ30の構成および画像形成動作について説明する。
なお図4に記載のレーザプリンタ30は、本発明の例示であり、以下の記載内容によって本発明の画像形成装置が限定されるものではない。
1.アクリルポリオール樹脂Aの合成
撹拌機、温度計、還流管、滴下ロート、窒素導入管およびサーモスタット付き加熱装置を備えた反応容器に、酢酸ブチルとキシレンが重量比で1:3の混合溶剤を30重量部加え、撹拌しながら、内部溶剤温度を120℃まで昇温した。次いで、炭素数5以下のヒドロキシアルキルモノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)21.58重量部、炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシモノマーとしてHEMAにε−カプロラクトンが3mol付加したプラクセルFM3(商品名、ダイセル化学社製)39.53重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)24.5重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)12.85重量部、メタクリル酸(MAA、日本触媒社製)1.53重量部からなるモノマー混合溶液と、パーオキサイド系重合開始剤としてカヤエステルO(商品名、日本化薬社製)6重量部と上記混合溶剤32重量部とからなる重合開始剤溶液をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、反応容器内部を撹拌しながら、それぞれ3時間かけて滴下し、重合反応を行った。
得られた分子量分布曲線のピークの頂点の分子量をピークトップ分子量として求めた。
また得られた分子量分布曲線から重量平均分子量を求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
撹拌機のついた反応容器に、アクリルポリオール樹脂Aを125重量部、ポリカプロラクトン;プラクセル308(商品名、ダイセル化学工業社製)を25重量部、硬化剤としてイソシアヌレート化合物;デュラネートTHA100(商品名、C1;固形分75%、旭化成社製)を70重量部を撹拌しながら加え、十分混合させたのち、反応容器内に、可塑剤としてチヌビン622LD(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)2重量部、シリコン系界面活性剤としてBYK306(商品名、ビックケミー社製)1重量部、キシレン/酢酸ブチル=50/50の混合溶媒50重量部からなる溶液を加え十分に撹拌した。その後、以下の構造:
酸化チタン(TTO−MI−1:石原産業製)3重量部、アルコール可溶性ナイロン樹脂CM−8000(商品名、東レ社製)3重量部、メタノール 60重量部、1,3−ジオキソラン 40重量部をペイントシェーカにて10時間分散処理し、下引き層用塗布液を調製した。
調製した下引き層用塗布液を、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に膜厚1μmとなるように浸漬塗布法によって成膜し、下引き層を形成した。
1.アクリルポリオール樹脂A'の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)24.37重量部、プラクセルFM5(商品名、ダイセル化学社製)43.62重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)30.47重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)を使用しなかったほかは、前記アクリルポリオール樹脂Aの製造と同じ手順によりアクリルポリオール樹脂A'を製造した。
2.表面保護層塗布液の作製については実施例1と同様に作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
1.アクリルポリオール樹脂A"の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)13.92重量部、プラクセルFM3(商品名、ダイセル化学社製)50.48重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)34.07重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)を使用しなかったほかは、前記アクリルポリオール樹脂Aの製造と同じ手順によりアクリルポリオール樹脂A"を製造した。
2.表面保護層塗布液の作製については実施例1と同様に作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
1.アクリルポリオール樹脂Aの合成については実施例1と同様に作製した。
2.表面保護層塗布液の作製
実施例1の塗布液にさらに、シリカ(TS−610;商品名、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)1.6重量部を加えたほかは実施例1と同様に作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
電荷輸送層用塗液として、シリカ微粒子をアルミナ微粒子(スミコランダムAA−04;商品名、住友化学工業製)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
表面保護層の乾燥膜厚が10μmになるように塗布したほかは、実施例1と同様に感光体を作製した。
感光層が単層である単層型感光体の作製
1.アクリルポリオール樹脂Aの合成については実施例1と同様に作製した。
2.表面保護層塗布液の作製
電荷輸送物質として以下の構造:
次に、本発明の表面保護層塗布液をスプレー塗布にて乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、室温で10分間放置後、140℃で20分間乾燥硬化し、図3に示す構成からなる単層型感光体を作製した。
1.アクリルポリオール樹脂A2の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)25.98重量部、プラクセルFM3(商品名、ダイセル化学社製)23.57重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)8.65重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)を40.26重量部としたほかは、アクリルポリオール樹脂Aの製造と同じ手順によりアクリルポリオール樹脂A2を製造した。
2.表面保護層塗布液の作製については実施例1と同様に作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
1.アクリルポリオール樹脂A2'の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)12.3重量部、プラクセルFM3(商品名、ダイセル化学社製)22.7重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)13.24重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)50.22重量部としたほかは、アクリルポリオール樹脂Aの製造と同じ手順によりアクリルポリオール樹脂A2'を製造した。
2.表面保護層塗布液の作製
イソシアヌレート化合物「デュラネートTHA100(C1;固形分75%、旭化成社製)」を50重量部としたほかは実施例1と同様に表面保護層塗布液を作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
保護層を設けなかった他は、実施例1と同様にして、比較例3の感光体を作製した。
[電気特性評価]
試験用複写機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン社製:model 344)を設けた。この複写機を用い、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−650Vに調製し、その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)を施した場合の感光体の表面電位を露光電位VL(V)として測定し、露光電位VLとした。この初期の露光電位VL1を測定した後、帯電、露光、除電を10万回繰り返し、その後の露光電位VL2を測定した、そしてVL2の絶対値が小さい程、高感度であると評価した。
○:|VL|<90(V)
△:90(V)≦|VL|< 130(V)
×:130(V)≦|VL|
AR−450改造機に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に当接する圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を初期線圧で21gf/cm(2.06×10-1N/cm)に調製した。N/N環境中で、各感光体毎に文字テストチャートを記録紙10万枚に形成して耐刷試験を行なった。
○:削れ量d<0.8μm/100k回転
△:0.8μm/100k回転≦削れ量d<1.0μm/100k回転
×:1.0μm/100k回転≦削れ量d
本改造機に採用されている2成分現像剤用のキャリアは、樹脂コートを施したフェライト系キャリアであるが、トナーとの摩擦帯電でプラス側に帯電する。感光体の帯電暗電位と現像バイアス電位とのギャップが大きくなればなるほど、感光体上にキャリア上がりしやすくなる。
図3の示すクリーナ部46においては、ウレタンゴム製のクリーニングブレードを採用している。従って、感光体上にあるキャリアがあると、クリーニング時にブレード圧によりキャリアが感光体に押え付けられるため、感光体表面に擦り傷が発生する。
ハーフトーン画像におけるキズ濃度ムラ評価した。濃度ムラの判定基準としては、以下の通りである。
○:目視にて、ハーフトーン画像にキズ濃度ムラなし。良好な画像。
△:目視にて、ハーフトーン画像にキズ濃度ムラあり。実使用上問題ないレベル。
×:目視にてハーフトーン画像にキズ濃度ムラあり。実使用上問題となるレベル。
電気特性、耐刷性、自己修復特性の評価結果を基に、下記のとおり判定する。
◎:3項目すべて○である
○:3項目が○或いは△で、×がない
×:1つ以上×を有する
ヒドロキシル価が低い樹脂を用いた場合にも感度が大きく劣化した(比較例2)。これは光劣化が進行したものと考えられる。
比較例1では表面保護層のアクリルポリオール樹脂中の短鎖ヒドロキシル基の含有比率が高いため復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の表面状態に戻すことができなかったものと考えられる。比較例2は若干回復するものの完全ではない。塗布膜の光劣化により復元力が低下したものと考えられる。
比較例3は本発明の表面保護層を有しない感光体であり、もともと復元力を有しない。
11 導電性基体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 感光層
15 中間層(下引き層)
16 表面保護層
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
33 レーザビーム
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
47 矢符
48 転写紙
49 露光手段
Claims (10)
- 導電性支持体上に、電荷輸送物質を含有する単層型または積層型感光層と、保護層とをこの順で備える電子写真感光体において、前記保護層が、少なくともアクリルポリオール樹脂とポリイソシアネートとの架橋物であるアクリル-イソシアネート架橋樹脂を含有し、
前記アクリルポリオール樹脂が、炭素数5以下のヒドロキシアルキル基を側鎖として有する(メタ)アクリレートと炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基を側鎖として有する(メタ)アクリレートとの共重合体であり、前記2種類のヒドロキシアルキル基の比率が1/3〜3/1(モル比)であり、前記アクリルポリオール樹脂におけるヒドロキシ価が100〜200である電子写真感光体。 - 前記アクリルポリオール樹脂が、さらにポリラクトンポリオールを40wt%以下含有し、前記ポリイソシアネートのイソシアネート基量;c が、全ヒドロキシル基量;(a+b) に対して、
c/(a+b)= 1/0.3〜1/2.0(モル比)
(式中、aはアクリルポリオール樹脂中のヒドロキシル基量を意味し、bはポリラクトンポリオール中のヒドロキシル基量を意味する)
であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。 - 前記炭素数5以下のヒドロキシアルキル基がヒドロキシエチル基であり、前記炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基がヒドロキシエチル基にε−カプロラクトンが付加して形成される基であることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が、電荷輸送物質を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
- 前記保護層に含有される電荷輸送物質が、感光層に含有される電荷輸送物質と同一であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層に、金属酸化物微粒子が含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物微粒子が、シリカであることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層の膜厚が1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1〜8のいずれか一つに記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする画像形成装置。
- 前記画像形成装置において、少なくとも電子写真感光体及び現像手段が、電子写真装置本体に対し着脱自在のプロセスカートリッジ構造である請求項9に記載の画像形成装置。
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