JP5114154B2 - 自己修復性電子写真感光体、それを用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

自己修復性電子写真感光体、それを用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる高耐久な電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。
複写機、プリンタまたはファクシミリ装置などとして用いられる電子写真方式の画像形成装置(以下、電子写真装置とも称する)では、以下のような電子写真プロセスを経て画像が形成される。
先ず、装置に備わる電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)の感光層を、帯電器によって所定の電位に一様に帯電させ、露光手段から画像情報に応じて照射されるレーザ光などの光によって露光し、静電潜像を形成する。
形成された静電潜像に対して現像手段から現像剤を供給し、感光体の表面に現像剤の成分であるトナーと呼ばれる着色された微粒子を付着させることによって静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する。
形成されたトナー画像を、転写手段によって感光体の表面から記録紙などの転写材上に転写し、定着手段によって定着させる。
転写手段による転写動作の際、感光体表面のトナーがすべて記録紙に転写して移行されるのではなく、一部が感光体表面に残留する。また転写時に感光体と接触する記録紙の紙粉が感光体表面に付着したまま残留することもある。
このような感光体表面の残留トナーおよび付着紙粉などの異物は、形成される画像の品質に悪影響を及ぼすので、クリーニング装置によって除去される。
また近年ではクリーナーレス化技術が進み、独立したクリーニング手段を有することなく現像手段に付加されるクリーニング機能によって残留トナーを回収する、いわゆる現像兼クリーニングシステムで除去している。このようにして感光体表面をクリーニングした後、除電器などによって感光層表面を除電し、静電潜像を消失させる。
このような電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体は、導電性材料から成る導電性基体上に、光導電性材料を含有する感光層が積層されて構成される。
電子写真感光体としては、従来から、無機系光導電性材料を用いた電子写真感光体(以下、無機系感光体と称する)が用いられている。
無機系感光体の代表的なものとしては、アモルファスセレン(a−Se)またはアモルファスセレンひ素(a−AsSe)などから成る層を感光層に用いたセレン系感光体、酸化亜鉛(化学式:ZnO)または硫化カドミウム(化学式:CdS)を色素などの増感剤とともに樹脂中に分散したものを感光層に用いた酸化亜鉛系または硫化カドミウム系感光体、およびアモルファスシリコン(a−Si)から成る層を感光層に用いたアモルファスシリコン系感光体(以下、a−Si感光体と称する)などがある。
しかしながら、無機系感光体には以下のような欠点がある。
すなわち、セレン系感光体および硫化カドミウム系感光体は、耐熱性および保存安定性に問題がある。
さらに、セレンおよびカドミウムは、人体および環境に対する毒性を有するので、これらを用いた感光体は使用後には回収され、適切に廃棄される必要がある。
また、酸化亜鉛系感光体は、低感度であって、かつ耐久性が低いという欠点があり、現在ではほとんど使用されていない。
一方、無公害性の無機系感光体として注目されるa−Si感光体は、高感度および高耐久性などの長所を有する反面、プラズマ化学気相成長法を用いて製造されるので、感光層を均一に成膜することが難しく、画像欠陥が発生しやすいなどの短所を有する。
またa−Si感光体は、生産性が低く、製造原価が高いという短所も有する。
このように無機系感光体には多くの欠点があることから、電子写真感光体に用いられる光導電性材料の開発が進み、従来から用いられている無機系の光導電性材料に代えて、有機系の光導電性材料、すなわち有機光導電体(Organic Photoconductor:OPC)が多用されるようになっている。
有機系光導電性材料を用いた電子写真感光体(以下、有機系感光体と称する)は、感度、耐久性および環境に対する安定性などに若干の問題を有するが、毒性、製造原価および材料設計の自由度などの点において、無機系感光体に比べ、多くの利点を有する。
また、有機系感光体は、感光層を浸漬塗布法に代表される容易かつ安価な方法で形成することが可能であるという利点も有する。
このように多くの利点を有することから、有機系感光体は次第に電子写真感光体の主流を占めてきている。また近年の研究開発によって、有機系感光体の感度および耐久性は向上されており、現在では、特別な場合を除き、電子写真感光体としては、有機系感光体が用いられるようになってきている。
特に、有機系感光体の性能は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の物質にそれぞれ分担させた機能分離型感光体の開発によって著しく改善されている。
機能分離型感光体は、有機系感光体の有する前記の利点に加え、感光層を構成する材料の選択範囲が広く、任意の特性を有する感光体を比較的容易に作製できるという利点も有している。
機能分離型感光体には積層型と単層型とがあり、積層型の機能分離型感光体では、電荷発生機能を担う電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送機能を担う電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層されて構成される積層型の感光層が設けられる。
電荷発生層および電荷輸送層は、通常、電荷発生物質および電荷輸送物質がそれぞれ結着剤である結着樹脂中に分散された形で形成される。
また、単層型の機能分散型感光体では、電荷発生物質と電荷輸送物質とが結着樹脂中に共に分散されて成る単層型の感光層が設けられる。
電子写真装置では、感光体に対して、前記の帯電、露光、現像、転写、クリーニングおよび除電の動作が種々の環境下で繰返し実行されるので、感光体には、感度が高いことおよび光応答性に優れることに加えて、環境安定性、電気的安定性および機械的外力に対する耐久性(耐刷性)に優れることが求められる。具体的には、感光体の表面層が、クリーニング部材、トナー、キャリア等による摺擦によって磨耗しにくいことが求められる。
耐刷性向上には主に次の4つの方法が提案されている:
1.物の表面を極めて硬くして擦過・衝撃に対する抵抗を高くする方法。
2.表面を滑りやすくして擦過・衝撃を逃がしてしまう方法。
3.ゴムのように弾力を持たせて擦過・衝撃を吸収してしまい、元通り復元する方法。
4.表面層に自己修復性をもった樹脂を用い、擦過により切れた分子鎖を修復して元通りに復元する方法。
上記の1に記載の提案の方法としては、感光体の最表面層に保護層を設け(特許文献1)、硬化させる(特許文献2、非特許文献1)か、酸化物微粒子を含有させる(特許文献3、非特許文献2)方法が知られている。
これら保護層は、感光層の基本機能を阻害しないという観点から可能な限り薄層化することが基本的には望まれるが、この付加機能を設けることにより、さまざまな弊害が発生する。
例えば、感光体と表面保護層が不連続な層構造となっている場合、長期的な使用により保護層が剥離することがある。また長期の繰り返し使用により、露光部電位が上昇する。
逆に表面保護層と感光層が連続的な層構成、すなわち感光層が引き続き塗布される表面保護層塗布液により溶解される場合には、その溶解状況により画像特性が悪化したりする。
さらに、表面保護層の誘電率の不均一により、黒ベタ画像出力時のエッジ部の画像太りおよびトナー飛散が発生する場合があり、表面層内部での分散状態が大きく影響することもある。
このような、表面保護層と感光層間の不整合を回避するために、表面保護層を別途設けるのではなく感光層に酸化物微粒子を分散させて耐刷性向上を図る試みもなされている(特許文献4)。
ただし、このように微粒子を分散させた塗布膜においては単に添加量を規定して含有させるだけでなく、塗布膜中に均一に分散していることが重要であり、塗布液の製造方法を工夫する必要がある(特許文献5)。
またこれらは、感光体自体の耐久性は向上する反面、その感光体に接触するクリーニングブレードやキャリアコートの劣化を早めてしまう問題がある。
上記2に記載の提案による方法としては、ポリカーボネート樹脂をポリシロキサン等で修飾して表面を滑りやすくする方法がある(特許文献6、7)。
この方法によれば確かに耐摩耗性は向上するが十分な効果を有するものではなく他の方法と併用される場合が多い。
上記の3に記載の提案の方法としては、架橋シリコーンゴムおよび弾性電気絶縁上塗層を有する電子写真感光体がある(特許文献8)。
しかしながら、このような高反発弾性を有する表面層では、クリーニングブレードとの接触で振動等が発生しやすい問題がある。
上記の4に記載の提案の方法としては、自己修復性樹脂を用いた電子写真感光体がある(特許文献9)。
しかし、この自己修復性樹脂は反応性のある置換基を有する樹脂であり、感光層に含有させると電気特性に悪影響を与えてしまう問題がある。
また、電子写真感光体ではないが、同様な耐久性向上の試みとして画像形成装置の転写ベルトとして自己修復性を持つ樹脂製無端ベルトも提案されている(特許文献10)。
一方、アクリルポリオール樹脂とイソシアネート化合物とを反応させた樹脂を用いた表面層は種々提案されているが(特許文献11等)、これは上記の1の方法に類するもので自己修復性を有しない構造である。
また、自己修復性樹脂の提案としては特許文献12、13等があるが、これらは専ら電子機器や自動車などの塗装としての用途であり電子写真感光体として使用することについての種々の課題については、何らの開示も示唆もない。
特開昭57−30846号公報 特開昭61−72256号公報 特開平1−172970号公報 特開平1−205171号公報 登録3633643号公報 登録3730349号公報 特開平1−23259号公報 特開2003−195544号公報 特開2006−243506号公報 特開2006−265418号公報 特開平1−80968号公報 登録3922697号公報 特開2007−31690号公報 Konica Technical Report,14,43(2001) Ricoh Technical Report,No.31,32(2005)
本発明は、長期間の繰り返し使用に対しても、機械的/電気的耐久性に優れ、異常画像の発生がない高耐久な電子写真感光体およびそれをもちいた画像形成装置を提供することを課題とする。
従来、電子写真感光体の機械的耐久性向上の方法としては、感光体表面を硬くしたり、滑りを良くする等、電子写真感光体の表面の変形を伴わない方法、あるいは変形しても瞬時に復元する方法であった。
これに対し、本発明は、電子写真感光体の最表面層に特定のアクリル-イソシアネート硬化系架橋樹脂を用いることにより以下のような全く新しいメカニズムで機械的耐久性を向上させるものである。
すなわち、擦過・衝撃に際し、これに反発することなく、一旦はその衝撃を吸収して外見上はキズと視認されるような状態となる。しかし、これは微視的に見ると凹んだ状態であって、その後、時間をかけて優れた復元力によって徐々にもとの表面形状に復帰するというまったく新しいメカニズムにより自己修復性を発揮する電子写真感光体である。
また、この復元力は化学反応によって自己修復するものではないため電気特性に影響がない。
しかるに、本発明によれば、導電性支持体上に、電荷輸送物質を含有する単層型または積層型感光層と、保護層とをこの順で備える電子写真感光体において、前記保護層が、少なくともアクリルポリオール樹脂とポリイソシアネートとの架橋物であるアクリル-イソシアネート架橋樹脂を含有し、
前記アクリルポリオール樹脂が、炭素数5以下のヒドロキシアルキル基を側鎖として有する(メタ)アクリレートと炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基を側鎖として有する(メタ)アクリレートとの共重合体であり、前記2種類のヒドロキシアルキル基とヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基の比率が1/3〜3/1(モル比)であり、前記アクリルポリオール樹脂におけるヒドロキシ価が100〜200である電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および上記の電子写真感光体を具備することを特徴とする画像形成装置が提供される。
さらに、本発明によれば、前記画像形成装置において、少なくとも電子写真感光体及び現像手段が、電子写真装置本体に対し着脱自在のプロセスカートリッジ構造である画像形成装置が提供される。
本発明の構成を用いることにより、耐刷性に優れ、長期の使用にわたっても電気的安定性を保持し、画像上の劣化等の発生しない、安定した電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔アクリル-イソシアネート架橋樹脂〕
本発明の電子写真感光体における保護層は、少なくともアクリルポリオール樹脂とポリイソシアネートとの架橋物であるアクリル-イソシアネート架橋樹脂を50〜95重量%の割合で含有する。
前記アクリルポリオール樹脂は、炭素数5以下のヒドロキシルアルキル基(a1)を側鎖として有する(メタ)アクリレートと炭素数6以上のヒドロキシルアルキルカルボニルオキシ基(a2)を側鎖として有する(メタ)アクリレートとの共重合体であり、これら2種類の側鎖を含有する。
すなわち、本発明で用いられる用語「アクリルポリオール樹脂」とは、炭素数5以下のヒドロキシルアルキル基(a1)を有する(メタ)アクリレートと炭素数6以上のヒドロキシルアルキルカルボニルオキシ基(a2)を有する(メタ)アクリレートとの共重合により得られ、アルキル鎖が異なる2種類の側鎖にそれぞれヒドロキシ基を有するアクリル樹脂を意味する。
また、前記のアクリル-イソシアネート架橋樹脂は、上記のアクリルポリオール樹脂(A)と硬化剤としてのポリイソシアナートプレポリマー(C)(単にポリイソシアネートとも称する)との反応により得られるが、必要に応じてポリラクトンポリオール(B)をも含むことができる。以下、それぞれについて詳しく説明する。
前記アクリルポリオール樹脂(A)としては、例えば、(1):(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ) アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;(2):(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシ基を有するエチレン性モノマー;(3):(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の前記モノマー(1)および(2)と共重合可能なエチレン性モノマー;並びにε−カプロラクトン、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等を共重合させて得られた共重合体が好ましく挙げられる。アクリルポリオール樹脂(A)は1種のみでもよいし2種以上であってもよい。
前記アクリルポリオール樹脂(A)において、前記炭素数5以下のヒドロキシアルキル基(a1)および前記炭素数6以上のヒドロキシアルキル基カルボニルオキシ(a2)は、それぞれ前記アクリルポリオール樹脂(A)を形成するための共重合に供される(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのヒドロキシエチル基と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのヒドロキシ基にε−カプロラクトンが付加して形成された基に由来するものであることが、耐擦傷性と耐候性を両立させる点で、好ましい。
前記アクリルポリオール樹脂(A)において、前記炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)が、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物由来である場合、その原料としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル1モルに対してε−カプロラクトン1〜5モルが付加したものであることが、耐擦傷性発現の点で好ましい。
具体的には、2−ヒドロキシエチルメタクリレートにε−カプロラクトン基が1mol付加したヒドロキシル基含有モノマー;プラクセルFM1(商品名)、2mol付加したプラクセルFM2(商品名)、3mol付加したプラクセルFM3(商品名)、5mol付加したプラクセルFM5(商品名、いずれもダイセル化学工業社製)等が好ましい。
前記アクリルポリオール樹脂(A)は、側鎖としての炭素数5以下のヒドロキシアルキル基(a1)と炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)との含有比率が、(a1)/(a2)=3/1〜1/3(モル比)であることが重要である。
好ましくは、炭素数5以下のヒドロキシアルキル基(a1)と炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)の含有比率は、(a1)/(a2)=2/1〜1/2(モル比)である。
炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)の含有比率が上記範囲よりも少ないと、前記アクリル-イソシアネート架橋樹脂を含有する前記保護膜の復元力が不充分になり衝
撃で生じた凹みを元の表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下することとなる。
一方、炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)の含有比率が上記範囲よりも高いと、加水分解が起き易くなり耐侯性が低下する。
前記アクリルポリオール樹脂(A)における側鎖としての炭素数5以下のヒドロキシアルキル基(a1)と炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)のヒドロキシ価が100〜200であることが重要である。
好ましくは、炭素数5以下のヒドロキシアルキル基(a1)と炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基(a2)のヒドロキシ価は120〜180である。
前記合計ヒドロキシル価が100未満であると、光劣化が生じやすく耐侯性が低下し、一方、200を超えると、復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下したが、上記の100〜200の範囲では、いずれも良好であった。
なお、ここでヒドロキシル価とは、JIS K 5500に定義された数値であって、原料1g中のヒドロキシ基に対応する水酸化ナトリウムのmg数であり、試料中の水酸基(-OH)をアセチル化して、アセチル化に要した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量を、試料1gに対するmg数で表したもので、試料中のOH基の含有量を示す尺度である。
前記アクリルポリオール樹脂(A)の重量平均分子量は、特に制限されないが、6,000〜20,000であることが好ましい。
前記ポリラクトンポリオール(B)としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式:
Figure 0005114154
(式(1)中、Rは、C24、C24OC24、C(CH32C(CH32のいずれかであり、mおよびnは4〜35の整数である)
で表される化合物のような2官能ポリカプロラクトンジオール類であるか、または、下記式:
Figure 0005114154
(式(2)中、Rは、CH2CHCH2、CH3C(CH22、CH3CH2C(CH23のいずれかであり、l+m+nは3〜30の整数である)
で表される化合物のような3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他4官能ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。ポリラクトンポリオール(B)は1種のみでもよいし2種以上であってもよい。
前記ポリラクトンポリオール(B)は、官能基数が2〜5であることが好ましく、より好ましくは3〜4である。
前記ポリラクトンポリオール(B)の官能基数が2未満(すなわち1官能)であると、耐侯性が低下し、耐汚染性も悪くなる傾向があり、一方、ポリラクトンポリオール(B)の官能基数が5を超えると、復元力が不十分となり、衝撃で生じた凹みを元の表面状態に戻すことができず、耐擦傷性が低下する恐れがある。
本発明におけるアクリル−イソシアネート架橋樹脂の形成に用いられる前記アクリルポリオール樹脂(A)と前記ポリラクトンポリオール(B)の固形分割合は(A)/(B)=60/40〜100/0(質量比)であることが重要である。
ポリラクトンポリオール(B)は、配合しなくても良い任意成分であるが、配合する場合には、その固形分割合が前記(A)/(B)=60/40の割合を超えて多くなると、加水分解が起きやすく耐侯性が低下するので、(A)、(B)の合計固形分量に対し40wt%を超えないようにすることが大事である。
また、上記ポリラクトンポリオール(B)を40wt%以下の割合で配合することにより、耐衝撃性と耐候性を両立させることができる。
前記ポリイソシアネートプレポリマー(C)は、特に制限されるものではなくが、例えば、メチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が好ましく用いられる。ポリイソシアネートプレポリマー(C)は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
本発明の樹脂組成物において、前記ポリイソシアネートプレポリマー(C)は、そのイソシアネート基量(c)の、前記アクリルポリオール樹脂(A)と前記ポリラクトンポリオール(B)の合計ヒドロキシル基量(a+b)に対する比率が、
(c)/(a+b)=1/0.3〜1/2.0(モル比)
(式中、aはアクリルポリオール樹脂中のヒドロキシル基量を意味し、bはポリラクトンポリオール中のヒドロキシル基量を意味する)
となるように配合されてなることが重要である。好ましくは、(c)/(a+b)=1/0.5〜1/1.5(モル比)である。
イソシアネート基量(c)が前記範囲よりも少ないと、光劣化が生じやすく耐侯性が低下することになり、一方、イソシアネート基量(c)が前記範囲よりも多いと、復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下することとなる。
本発明におけるアクリル−イソシアネート架橋樹脂における樹脂成分にも、分子構造中に一般にソフトセグメントと呼ばれる構造単位−(CH2n−が含まれているが、このソフトセグメントが多すぎると、塗膜の硬さや耐候性、耐薬品性が低下するおそれがあるので、その含有割合は、アクリルポリオール樹脂(A)とポリイソシアネートプレポリマー(C)の固形分全量に対して25質量%未満であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
〔実施の第1形態〕
図1は、本発明の実施の第1形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体1(以下、感光体と略称する)は、導電性材料から成る円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層される層であって電荷発生物質を含有する電荷発生層12と、電荷発生層12の上にさらに積層される層であって電荷輸送物質を含有する電荷輸送層13とを含む。電荷発生層12と電荷輸送層13とは、感光層14を構成する。さらに、本発明の表面保護層16を有する。すなわち、感光体1は、積層型感光体である。
導電性基体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、他の各層12、13、16の支持部材としても機能する。なお導電性基体11の形状は、本実施形態では円筒状であるけれども、これに限定されることなく、円柱状、シート状または無端ベルト状などであってもよい。
導電性基体11を構成する導電性材料としては、たとえばアルミニウム、銅、亜鉛、チタンなどの金属単体、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの合金を用いることができる。またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンもしくはポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどの表面に、金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、または導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。これらの導電性材料は所定の形状に加工されて使用される。
導電性基体11の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体表面で反射されたレーザ光と感光体内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。導電性基体11の表面に前記のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
また、図2に示すように導電性基体11と感光層14との間に、中間層15が設けられていてもよい。
図1に示すように導電性基体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性基体11から感光層14に電荷が注入され、感光層14の帯電性が低下し、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像にかぶりなどの欠陥の発生することがある。
特に、反転現像プロセスを用いて画像を形成する場合には、露光によって表面電荷の減少した部分にトナーが付着してトナー画像が形成されるので、露光以外の要因で表面電荷が減少すると、白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが発生し、画質の著しい劣化の生じることがある。すなわち、導電性基体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性基体11または感光層14の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥となることがある。
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。電荷発生物質として有効な物質としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料、ならびにセレンおよび非晶質シリコンなどの無機光導電性材料などを挙げることができる。これらの電荷発生物質は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が組合わされて使用されてもよい。
前記の電荷発生物質の中でも、下記一般式で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
Figure 0005114154
[式中、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ互いに同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、r、s、yおよびzは、それぞれ0〜4の整数である]
前記一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物は、高い電荷発生効率と高い電荷注入効率とを有する電荷発生物質であるので、光を吸収することによって多量の電荷を発生するとともに、発生した電荷をその内部に蓄積することなく、電荷輸送層13に含有される電荷輸送物質に効率よく注入され、感光層14表面に円滑に輸送される。
前記一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物は、例えばMoserおよびThomasによるPhthalocyanine Compounds、Reinhold Publishing Corp.、New York、1963に記載されている方法などの従来公知の製造方法に従って製造することができる。
例えば、前記一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物のうち、X1、X2、X3およびX4が共に水素原子であるオキソチタニウムフタロシアニンは、フタロニトリルと四塩化チタンとを、加熱融解するかまたはα−クロロナフタレンなどの適当な溶剤中で加熱反応させることによってジクロロチタニウムフタロシアニンを合成し、次いで、塩基または水で加水分解することによって得られる。
またイソインドリンとテトラブトキシチタンなどのチタニウムテトラアルコキシドとを、N−メチルピロリドンなどの適当な溶剤中で加熱反応させることによっても、オキソチタニウムフタロシアニンを製造することができる。
本発明において用いられる電荷発生物質は、他の増感染料と併用してもよい。
そのような増感染料としては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などが挙げられる。
電荷発生層12の形成方法としては、前記の電荷発生物質を導電性基体11の表面に真空蒸着する方法、または前記の電荷発生物質を適当な溶剤中に分散して得られる電荷発生層用塗布液を導電性基体11の表面に塗布する方法などが用いられる。
これらの中でも、結着剤である結着樹脂を溶剤中に混合して得られる結着樹脂溶液中に、電荷発生物質を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を調製し、得られた塗布液を導電性基体11の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
電荷発生層12に用いられる結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。
共重合体樹脂の具体例としては、たとえば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などを挙げることができる。結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用することができる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
電荷発生層用塗布液の溶剤には、例えばジクロロメタンもしくはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトンもしくはシクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンなどのエーテル類、1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素類、またはN,N−ジメチルホルムアミドもしくはN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが用いられる。
これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。これらの溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、2種以上が混合されて混合溶剤として使用されてもよい。
電荷発生物質と結着樹脂とを含んで構成される電荷発生層12において、電荷発生物質の重量W1と結着樹脂の重量W2との比率W1/W2は、100分の10(10/100)以上100分の99(99/100)以下であることが好ましい。
前記比率W1/W2が10/100未満であると、感光体1の感度が低下する。
また、前記比率W1/W2が99/100を超えると、電荷発生層12の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大するので、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなる。
したがって、前記比率W1/W2の好適な範囲を、10/100以上、99/100以下とした。
電荷発生物質は、結着樹脂溶液中に分散される前に、予め粉砕機によって粉砕処理されてもよい。粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などを挙げることができる。
電荷発生物質を結着樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどを挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択する。
電荷発生層用塗布液の塗布方法としては、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの塗布方法のうちから、塗布の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を選択することができる。
これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面上に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、電子写真感光体を製造する場合に多く利用されている。
なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層12の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1μm以下である。
電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下する。
また、電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12内部での電荷移動が感光層14の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下する。
したがって、電荷発生層12の膜厚の好適な範囲を、0.05μm以上、5μm以下とした。
電荷輸送層13に含有されるバインダ樹脂には、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびフェノール樹脂などの樹脂などを挙げることができる。
また、これらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂を使用してもよい。結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用することができる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
さらに、電荷輸送物質としては、エナミン誘導体、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体およびベンジジン誘導体などを挙げることができる。
また、これらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリマー、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレンおよびポリ−9−ビニルアントラセンなども挙げられる。
電荷輸送層13には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。例えば、成膜性、可撓性または表面平滑性を向上させるために、可塑剤またはレベリング剤などを電荷輸送層13に添加してもよい。可塑剤としては、たとえばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などを挙げることができる。レベリング剤としては、たとえばシリコーン系レベリング剤などを挙げることができる。
電荷輸送層13は、前記の電荷発生層12を塗布によって形成する場合と同様に、例えば適当な溶媒中に、電荷輸送物質、ポリアリレート樹脂、シリカ微粒子、ならびに必要な場合には前記の添加剤を溶解または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、得られた塗布液を電荷発生層12上に塗布することによって形成される。
電荷輸送層用塗布液の溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などを挙げることができる。
これらの溶媒は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。また前記の溶媒に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶媒をさらに加えて使用することもできる。
これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
電荷輸送層用塗布液の塗布方法としては、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。
これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように種々の点で優れているので、電荷輸送層13を形成する場合にも多く利用されている。
電荷輸送層13の膜厚はそれぞれ、5μm以上40μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上30μm以下である。
電荷輸送層13の膜厚が5μm未満であると、帯電保持能が低下する。
また、電荷輸送層13の膜厚が40μmを超えると、感光体1の解像度が低下する。
したがって、電荷輸送層13の膜厚の好適な範囲を、5μm以上40μm以下とした。
感光層14の各層には、感度の向上を図り、さらに繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などを抑えるために、電子受容物質および色素などの増感剤を1種または2種以上添加してもよい。
上記の電子受容物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物、またはジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料などを用いることができる。
またこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどを用いることもできる。
上記の色素としては、たとえばキサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料または銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物を用いることができる。
これらの有機光導電性化合物は光学増感剤として機能する。
また感光層14の各層12、13には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加してもよい。特に電荷輸送層13には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加することが好ましい。
これによって、オゾン、窒素酸化物などの酸化性のガスに対しての劣化を少なくすることが出来る。また各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物またはアミン系化合物などが用いられる。
これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体もしくはヒンダードアミン誘導体、またはこれらの混合物が好適に用いられる。
これらの酸化防止剤の使用量は、合計で、電荷輸送物質100重量部当たり、0.1重量部以上50重量部以下であることが好ましい。
酸化防止剤の電荷輸送物質100重量部当たりの使用量が0.1重量部未満であると、塗布液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果を得ることができず、また50重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼす。
したがって、酸化防止剤の使用量の好適な範囲を、電荷輸送物質100重量部当たり、0.1重量部以上50重量部以下とした。
また、本発明における感光体の表面保護層16には、耐摩耗性をさらに向上する目的でフィラーを塗布膜重量の1〜50重量%添加してもよい。フィラーとしては、有機性フィラーおよび無機性フィラーのいずれを用いてもよく、両方を併用してもよい。有機性フィラーとしては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、アモルファスカーボン粉末などが挙げられる。
無機性フィラーとしては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウムなどの金属酸化物、チタン酸カリウムなどのチタン酸のアルカリ金属塩などの無機材料が挙げられる。
これらの中でも、耐摩耗性の観点からは、無機性フィラーを用いることが好ましい。無機性フィラーは好適な硬さを有するので、無機性フィラーを用いることによって、特に優れた耐摩耗性が得られる。
無機性フィラーの中でも、金属酸化物が好ましく、シリカ、アルミナ、酸化チタンが特に好ましい。さらにその中でシリカが好ましい。
表面保護層16に添加されるフィラーは、分散性の向上、表面性改質などを目的として、無機物および/または有機物で表面処理されていてもよい。
有機物で表面処理されたフィラーとしては、撥水性処理として、シランカップリング剤で処理されたもの、フッ素系シランカップリング剤で処理されたもの、高級脂肪酸で処理されたものなどが挙げられる。
無機物で表面処理されたフィラーとしては、アルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカなどで表面処理されたものなどが挙げられる。
フィラーの平均一次粒径は、表面保護層16の光透過性および耐摩耗性の観点から、0.01〜0.5μmであることが好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満であると、表面保護層16の耐摩耗性が充分に得られず、感光体10の寿命が短くなるおそれがある。フィラーの平均一次粒径が0.5μmを超えると、露光時に照射される光が表面保護層16で散乱されやすくなり、解像度が低下する可能性がある。
表面保護層16は、層内の電荷の移動を補助する目的で電荷輸送物質を上記の含有量で含有してもよい。電荷輸送物質としては、上記の電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質と同じものを用いることができる。
また、表面保護層16の作製に際して、アクリルポリオール樹脂の硬化剤としてのイソシアヌレート化合物以外に、さらに安定性向上のために酸化防止剤、分散性の向上のために界面活性剤、光安定剤および可塑剤等を加えてもよい。
表面保護層16の層厚は、1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは1〜5μmである。
表面保護層16の層厚が1μmよりも薄いと、衝撃による凹みが電荷輸送層まで達してしまい、実質的に表面保護層16が復元できなくなり、耐摩耗性が向上できない。
表面保護層16の層厚を20μmよりも厚くすることは表面保護層中の電荷輸送速度が遅いため、これが律速となって感光体10の感度が低下するおそれがあるので好ましくない。
表面保護層16を形成する際の塗布液の塗布方法としては浸漬塗布法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法いずれの塗布方法も用いることができるが、保存中に重合反応が徐々に進行するため、大量に保管する必要がある浸漬塗布法よりも、少量で塗布が可能なスプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法が好ましい。
表面保護層16の塗布液に使用される溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤などを挙げることができる。これらの溶剤の中でも、塗布液の安定性の観点からキシレンと酢酸ブチルの混合溶剤が好適に用いられる。
本発明の感光体の製造方法には、好ましくは電荷発生層12、電荷輸送層13、表面保護層16等、各層の乾燥硬化工程が含まれる。感光体の乾燥温度としては、約50℃〜約140℃が適当であり、特に約80℃〜約130℃の範囲が好ましい。
感光体の乾燥温度が約50℃未満では乾燥時間が長くなり、また、乾燥温度が約140℃を越えると、繰返し使用時の電気的特性が悪くなり感光体を使用して得られる画像も劣化する。
〔実施の第2形態〕
図2は、本発明実施の第2形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体2は、前記実施の第1形態の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電子写真感光体2(図2参照)では、前記の本発明の実施の第1形態に記載の導電性基体11と感光層14および表面保護層16との間に、さらに、中間層(下引き層)15が設けられているので、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができる。
したがって、感光層14の帯電性の低下を防ぐことができ、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。
また中間層15を設けることによって、導電性基体11表面の欠陥を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層14の成膜性を高めることができる。また感光層14の導電性基体11からの剥離を抑え、導電性基体11と感光層14との接着性を向上させることができる。
なお、本実施の形態における中間層15以外の感光層14および表面保護層16については、前記の実施の第1形態と全く同様にして作製できる。
中間層15には、各種樹脂材料から成る樹脂層またはアルマイト層などが用いられる。
樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリアミド樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよびエチルセルロースなども挙げられる。これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることが好ましい。好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、たとえば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などを挙げることができる。
中間層15は、金属酸化物粒子などの粒子を含有してもよい。中間層15にこれらの粒子を含有させることによって、中間層15の体積抵抗値を調節し、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止する効果を高めることができるとともに、各種の環境下において感光体の電気特性を維持することができる。
金属酸化物粒子としては、たとえば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび酸化スズなどの粒子を挙げることができる。
中間層15は、たとえば前記の樹脂を適当な溶剤中に溶解または分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布することによって形成される。中間層15に前記の金属酸化物粒子などの粒子を含有させる場合には、たとえば前記の樹脂を適当な溶剤に溶解させて得られる樹脂溶液中に、これらの粒子を分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布することによって中間層15を形成することができる。
中間層用塗布液の溶剤には、水もしくは各種有機溶剤、またはこれらの混合溶剤が用いられる。たとえば、水、メタノール、エタノールもしくはブタノールなどの単独溶剤、または水とアルコール類、2種類以上のアルコール類、アセトンもしくはジオキソランなどとアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどの塩素系溶剤とアルコール類などの混合溶剤が用いられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
前記の粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカなどを用いる一般的な方法を使用することができる。
中間層用塗布液中において、樹脂および金属酸化物の合計重量Cと、中間層用塗布液に使用されている溶剤の重量Dとの比率C/Dは、1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。また樹脂の重量Eと金属酸化物の重量Fとの比率E/Fは、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
中間層用塗布液の塗布方法としては、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、中間層15を形成する場合にも多く利用されている。
中間層15の膜厚は、0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上10μm以下である。中間層15の膜厚が0.01μmよりも薄いと、実質的に中間層15として機能しなくなり、導電性基体11の欠陥を被覆して均一な表面性を得ることができず、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができなくなり、感光層14の帯電性の低下が生じる。中間層15の膜厚を20μmよりも厚くすることは、中間層15を浸漬塗布法によって形成する場合に、中間層15の形成が困難になるとともに、中間層15上に感光層14を均一に形成することができず、感光体の感度が低下するので好ましくない。したがって、中間層15の膜厚の好適な範囲を、0.01μm以上、20μm以下とした。
〔実施の第3形態〕
図3は、本発明の実施の第3形態である電子写真感光体3の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体3(以下、感光体と略称する)は、導電性材料からなる円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層された感光層14と、該感光層14の表面上に形成された表面保護層16とから構成される。
本実施の形態の感光層14は電荷発生物質と電荷輸送物質との両方を含有する単層からなる。すなわち、感光体3は、単層型感光体である。
本実施の形態の感光層が含有する電荷発生物質および電荷輸送物質に関しては、前記の実施の第1形態に記載したものが用いられ、感光層14が電荷発生層と電荷輸送層とを含有する単層からなること以外、および表面保護層に関しては前記の実施の第1形態の記載と同様にして作製できる。
〔実施の第4形態〕
図4は、本実施の第4の形態である画像形成装置30の構成を簡略化して示す配置側面図である。
図4に示す画像形成装置30は、本発明の実施の第1形態の感光体1を搭載するレーザプリンタである。以下図4を参照してレーザプリンタ30の構成および画像形成動作について説明する。
なお図4に記載のレーザプリンタ30は、本発明の例示であり、以下の記載内容によって本発明の画像形成装置が限定されるものではない。
画像形成装置であるレーザプリンタ30は、感光体1、半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34、ミラー35、帯電手段であるコロナ帯電器36、現像手段である現像器37、転写紙カセット38、給紙ローラ39、レジストローラ40、転写手段である転写帯電器41、分離帯電器42、搬送ベルト43、定着器44、排紙トレイ45およびクリーニング手段であるクリーナ46を含んで構成される。半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34およびミラー35は、露光手段49を構成する。
感光体1は、図示しない駆動手段によって矢符47の方向に回転可能なようにレーザプリンタ30に搭載される。半導体レーザ31から出射されるレーザビーム33は、回転多面鏡32によって感光体1の表面に対してその長手方向(主走査方向)に繰返し走査される。結像レンズ34は、f−θ特性を有し、レーザビーム33をミラー35で反射させて感光体1の表面に結像させて露光させる。感光体1を回転させながらレーザビーム33を前記のように走査して結像させることによって、感光体1の表面に画像情報に対応する静電潜像が形成される。
前記のコロナ帯電器36、現像器37、転写帯電器41、分離帯電器42よびクリーナ46は、矢符47で示す感光体1の回転方向上流側から下流側に向ってこの順序で設けられる。コロナ帯電器36は、レーザビーム33の結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられ、感光体1の表面を均一に帯電させる。したがって、レーザビーム33が、均一に帯電された感光体1表面を露光することになり、レーザビーム33によって露光された部位の帯電量と露光されなかった部位の帯電量とに差異が生じて前記の静電潜像が形成される。
現像器37は、レーザビーム33の結像点よりも感光体1の回転方向下流側に設けられ、感光体1表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。転写紙カセット38に収容される転写紙48は、給紙ローラ39によって1枚ずつ取出され、レジストローラ40によって感光体1への露光と同期して転写帯電器41に与えられる。転写帯電器41によって、トナー像が転写紙48に転写される。転写帯電器41に近接して設けられる分離帯電器42は、トナー像が転写された転写紙を除電して感光体1から分離する。
感光体1から分離された転写紙48は、搬送ベルト43によって定着器44に搬送され、定着器44によってトナー像が定着される。このようにして画像が形成された転写紙48は、排紙トレイ45に向けて排紙される。なお分離帯電器42によって転写紙48が分離された後、さらに回転を続ける感光体1は、その表面に残留するトナーおよび紙粉などの異物がクリーナ46によって清掃される。クリーナ46によってその表面が清掃された感光体1は、クリーナ46と共に設けられる図示しない除電ランプによって除電された後、さらに回転され、前記の感光体1の帯電から始まる一連の画像形成動作が繰返される。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の記載内容に限定されるものではない。
実施例1
1.アクリルポリオール樹脂Aの合成
撹拌機、温度計、還流管、滴下ロート、窒素導入管およびサーモスタット付き加熱装置を備えた反応容器に、酢酸ブチルとキシレンが重量比で1:3の混合溶剤を30重量部加え、撹拌しながら、内部溶剤温度を120℃まで昇温した。次いで、炭素数5以下のヒドロキシアルキルモノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)21.58重量部、炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシモノマーとしてHEMAにε−カプロラクトンが3mol付加したプラクセルFM3(商品名、ダイセル化学社製)39.53重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)24.5重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)12.85重量部、メタクリル酸(MAA、日本触媒社製)1.53重量部からなるモノマー混合溶液と、パーオキサイド系重合開始剤としてカヤエステルO(商品名、日本化薬社製)6重量部と上記混合溶剤32重量部とからなる重合開始剤溶液をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、反応容器内部を撹拌しながら、それぞれ3時間かけて滴下し、重合反応を行った。
反応中は、常に内部溶液を撹拌しながら、液温度を120℃に保持した。次いで、上記カヤエステルO 0.5重量部と上記混合溶媒9重量部からなる重合開始剤溶液を、撹拌しながら液温を120℃に保持している反応容器内に、1時間かけて滴下し、アクリルポリオール樹脂Aの製造を終えた。
上記のアクリルポリオール樹脂Aは、炭素数5以下の短鎖ヒドロキシアルキル基/炭素数6以上の長鎖ヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基のモル比が2/1、計算OH価(OHV)が140、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定による重量平均分子量が12,000であった。
具体的には、GPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)を用い、温度40℃において、試料の0.25重量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液を試料溶液とし、試料溶液の注入量を200μLとして、分子量分布曲線を求めた。
得られた分子量分布曲線のピークの頂点の分子量をピークトップ分子量として求めた。
また得られた分子量分布曲線から重量平均分子量を求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
2.表面保護層塗布液の作製
撹拌機のついた反応容器に、アクリルポリオール樹脂Aを125重量部、ポリカプロラクトン;プラクセル308(商品名、ダイセル化学工業社製)を25重量部、硬化剤としてイソシアヌレート化合物;デュラネートTHA100(商品名、C1;固形分75%、旭化成社製)を70重量部を撹拌しながら加え、十分混合させたのち、反応容器内に、可塑剤としてチヌビン622LD(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)2重量部、シリコン系界面活性剤としてBYK306(商品名、ビックケミー社製)1重量部、キシレン/酢酸ブチル=50/50の混合溶媒50重量部からなる溶液を加え十分に撹拌した。その後、以下の構造:
Figure 0005114154
を有する電荷輸送物質110重量部を酢酸ブチルとキシレンが重量比で1:3の混合溶剤1270部に溶解して加え、実施例1に用いる表面保護層塗布液を製造した。
3.電子写真感光体の作製
酸化チタン(TTO−MI−1:石原産業製)3重量部、アルコール可溶性ナイロン樹脂CM−8000(商品名、東レ社製)3重量部、メタノール 60重量部、1,3−ジオキソラン 40重量部をペイントシェーカにて10時間分散処理し、下引き層用塗布液を調製した。
調製した下引き層用塗布液を、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に膜厚1μmとなるように浸漬塗布法によって成膜し、下引き層を形成した。
次に、ブチラール樹脂(エスレック BM−2:商標、積水化学社製)10重量部、1,3−ジオキソラン1400重量部、以下の構造:
Figure 0005114154
を有するチタニルフタロシアニン15重量部をボールミルにより72時間分散し電荷発生層用塗工液を作製した。
この塗布液を用いて、前記の下引き層を設けたアルミ製円筒状支持体上に浸漬塗工法により膜厚が0.2μmとなるように電荷発生層を成膜した。
次に、次に、電荷輸送物質として、以下の構造:
Figure 0005114154
を有するトリフェニルアミン系化合物105重量部、ポリカーボネート樹脂(ユ−ピロンPCZ400:三菱ガス化学社製)138.2重量部をテトラヒドロフラン984重量部に混合して溶解した。この溶解液に前記電荷輸送層用一次分散塗布液を混合し、15時間撹拌処理して電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。この塗布液を、浸漬塗布法にて前記の電荷発生層上に塗布し、130℃で1時間乾燥して層厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、本発明の表面保護層塗布液をスプレー塗布にて乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、室温で10分間放置後、140℃で20分間乾燥硬化し、実施例1の感光体を作製した。
実施例2
1.アクリルポリオール樹脂A'の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)24.37重量部、プラクセルFM5(商品名、ダイセル化学社製)43.62重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)30.47重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)を使用しなかったほかは、前記アクリルポリオール樹脂Aの製造と同じ手順によりアクリルポリオール樹脂A'を製造した。
アクリルポリオール樹脂A'は、炭素数5以下の短鎖ヒドロキシルアルキル基/炭素数6以上の長鎖ヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基のモル比が3/1、計算OH価(OHV)が140、重量平均分子量が12,000であった。
2.表面保護層塗布液の作製については実施例1と同様に作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
実施例3
1.アクリルポリオール樹脂A"の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)13.92重量部、プラクセルFM3(商品名、ダイセル化学社製)50.48重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)34.07重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)を使用しなかったほかは、前記アクリルポリオール樹脂Aの製造と同じ手順によりアクリルポリオール樹脂A"を製造した。
アクリルポリオール樹脂A"は、短鎖ヒドロキシルアルキル基/長鎖ヒドロキシルアルキルカルボニルオキシ基のモル比が1/1、計算OH価(OHV)が140、重量平均分子量が12,000であった。
2.表面保護層塗布液の作製については実施例1と同様に作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
実施例4
1.アクリルポリオール樹脂Aの合成については実施例1と同様に作製した。
2.表面保護層塗布液の作製
実施例1の塗布液にさらに、シリカ(TS−610;商品名、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)1.6重量部を加えたほかは実施例1と同様に作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
実施例5
電荷輸送層用塗液として、シリカ微粒子をアルミナ微粒子(スミコランダムAA−04;商品名、住友化学工業製)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
実施例6
電荷輸送層用塗液において、電荷輸送物質を以下の構造:
Figure 0005114154
を有するブタジエン系化合物(T−405;商品名、高砂香料社製)としたほかは、実施例1と同様に感光体を作製した。
実施例7
表面保護層の乾燥膜厚が10μmになるように塗布したほかは、実施例1と同様に感光体を作製した。
実施例8
感光層が単層である単層型感光体の作製
1.アクリルポリオール樹脂Aの合成については実施例1と同様に作製した。
2.表面保護層塗布液の作製
電荷輸送物質として以下の構造:
Figure 0005114154
を有する3,5−ジメチル−3',5'−ジ−tert−ブチル−4,4'−ジフェノキノン 110重量部を用いた他は実施例1と同様にして表面保護層塗布液を作製した。
3.電子写真感光体の作製
以下の構造:
Figure 0005114154
を有するチタニルフタロシアニン1重量部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学株式会社製)12重量部、以下の構造:
Figure 0005114154
を有する電荷輸送物質10重量部、3,5−ジメチル−3',5'−ジ−t−ブチル−4,4'−ジフェノキノン5重量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.5重量部およびTHF 65重量部をボールミルで12時間分散し、単層型感光層用塗布液を調製した。
調製した単層型感光層用塗布液を、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に浸漬塗布法によって成膜し、130℃で1時間乾燥して膜厚20μmの感光層を作製した。
次に、本発明の表面保護層塗布液をスプレー塗布にて乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、室温で10分間放置後、140℃で20分間乾燥硬化し、図3に示す構成からなる単層型感光体を作製した。
比較例1
1.アクリルポリオール樹脂A2の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)25.98重量部、プラクセルFM3(商品名、ダイセル化学社製)23.57重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)8.65重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)を40.26重量部としたほかは、アクリルポリオール樹脂Aの製造と同じ手順によりアクリルポリオール樹脂A2を製造した。
アクリルポリオール樹脂A2の特性は、短鎖ヒドロキシル基/長鎖ヒドロキシル基のモル比が4/1(=請求項1に該当しない)、計算OH価(OHV)が140、重量平均分子量と樹脂固形分(NV)は、樹脂Aと同じく、重量平均分子量が12,000であった。
2.表面保護層塗布液の作製については実施例1と同様に作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
比較例2
1.アクリルポリオール樹脂A2'の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、日本触媒社製)12.3重量部、プラクセルFM3(商品名、ダイセル化学社製)22.7重量部、イソボロニルメタクリレート(IBX、新中村化学工業社製)13.24重量部、n−ブチルメタクリレート(nBMA、日本触媒社製)50.22重量部としたほかは、アクリルポリオール樹脂Aの製造と同じ手順によりアクリルポリオール樹脂A2'を製造した。
アクリルポリオール樹脂A2'は、短鎖ヒドロキシル基/長鎖ヒドロキシル基のモル比が2/1、計算OH価(OHV)が80(=請求項1の範囲外)、重量平均分子量が12,000であった。
2.表面保護層塗布液の作製
イソシアヌレート化合物「デュラネートTHA100(C1;固形分75%、旭化成社製)」を50重量部としたほかは実施例1と同様に表面保護層塗布液を作製した。
3.電子写真感光体の作製については実施例1と同様に作製した。
比較例3
保護層を設けなかった他は、実施例1と同様にして、比較例3の感光体を作製した。
上記の各実施例および比較例で作製した感光体の評価方法を以下に示す。
[電気特性評価]
試験用複写機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン社製:model 344)を設けた。この複写機を用い、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−650Vに調製し、その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)を施した場合の感光体の表面電位を露光電位VL(V)として測定し、露光電位VLとした。この初期の露光電位VL1を測定した後、帯電、露光、除電を10万回繰り返し、その後の露光電位VL2を測定した、そしてVL2の絶対値が小さい程、高感度であると評価した。
なお、実施例8において作製した感光体を用いる場合には、実験機の帯電、現像、転写、除電の各装置を改造し、正帯電方式とし、トナーは正帯電性、キャリアは負帯電性のものに入れ替えて測定した。
<判定基準>
○:|VL|<90(V)
△:90(V)≦|VL|< 130(V)
×:130(V)≦|VL|
[耐刷性]
AR−450改造機に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に当接する圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を初期線圧で21gf/cm(2.06×10-1N/cm)に調製した。N/N環境中で、各感光体毎に文字テストチャートを記録紙10万枚に形成して耐刷試験を行なった。
耐刷試験開始時と記録紙10万枚画像形成後との膜厚、すなわち感光層の層厚みを、膜厚測定装置(商品名:F−20−EXR、フィルメトリックス製)を用いて測定し、耐刷試験開始時の膜厚と記録紙10万枚画像形成後の膜厚との差から感光体ドラム10万回転あたりの削れ量を求めた。削れ量が多い程、耐刷性が悪いと評価した。
<判定基準>
○:削れ量d<0.8μm/100k回転
△:0.8μm/100k回転≦削れ量d<1.0μm/100k回転
×:1.0μm/100k回転≦削れ量d
[自己修復特性]
本改造機に採用されている2成分現像剤用のキャリアは、樹脂コートを施したフェライト系キャリアであるが、トナーとの摩擦帯電でプラス側に帯電する。感光体の帯電暗電位と現像バイアス電位とのギャップが大きくなればなるほど、感光体上にキャリア上がりしやすくなる。
そこで、感光体の自己修復能力を評価するため、上記AR−450改造機において通常は−500Vの設定されている現像バイアス電位を50V高く、すなわちー450Vに変更して、感光体上にキャリア上がりしやすい状態を故意に作り出すことにより評価を行った。
図3の示すクリーナ部46においては、ウレタンゴム製のクリーニングブレードを採用している。従って、感光体上にあるキャリアがあると、クリーニング時にブレード圧によりキャリアが感光体に押え付けられるため、感光体表面に擦り傷が発生する。
これにより擦り傷状の画像欠陥が発生したことを確認したのち、1日放置後、再び通常の現像条件で画像評価を行った。
ハーフトーン画像におけるキズ濃度ムラ評価した。濃度ムラの判定基準としては、以下の通りである。
○:目視にて、ハーフトーン画像にキズ濃度ムラなし。良好な画像。
△:目視にて、ハーフトーン画像にキズ濃度ムラあり。実使用上問題ないレベル。
×:目視にてハーフトーン画像にキズ濃度ムラあり。実使用上問題となるレベル。
〔総合判定〕
電気特性、耐刷性、自己修復特性の評価結果を基に、下記のとおり判定する。
◎:3項目すべて○である
○:3項目が○或いは△で、×がない
×:1つ以上×を有する
上記評価方法に従って、実施例1〜8および比較例1〜3で作製した感光体の評価結果を以下にまとめて示す。
Figure 0005114154
電気特性は実施例1〜4、比較例1、3で良好であったが、金属酸化物微粒子としてアルミナを用いた場合には若干感度が悪化し(実施例5)、電荷輸送物質を感光層と異なるものを用いた場合も感度が悪化した(実施例6)。感光層から保護層への電荷注入がスムーズに行われていないと考えられる。また、保護層を厚くした場合も若干感度が悪化した。
ヒドロキシル価が低い樹脂を用いた場合にも感度が大きく劣化した(比較例2)。これは光劣化が進行したものと考えられる。
耐刷性は実施例1〜8で良好であったが、実施例4が特に良好であった。これはシリカを表面保護層に添加したことによると考えられる。
自己修復特性は実施例1〜8はハーフトーン画像では確認できないレベルまで回復したが、比較例1、3では放置前と同じ画像であり回復力がないことがわかった。
比較例1では表面保護層のアクリルポリオール樹脂中の短鎖ヒドロキシル基の含有比率が高いため復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の表面状態に戻すことができなかったものと考えられる。比較例2は若干回復するものの完全ではない。塗布膜の光劣化により復元力が低下したものと考えられる。
比較例3は本発明の表面保護層を有しない感光体であり、もともと復元力を有しない。
本発明の電子写真感光体は高い耐擦傷性を有し、特に使用中のトラブルにより電子写真感光体上に傷が発生した場合でも自己修復し、長期間にわたってメンテナンス不要な画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の第1形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明の実施の第2形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明の実施の第3形態である電子写真感光体3の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明の実施の第4形態である画像形成装置30の構成を簡略化して示す配置側面図である。
符号の説明
1、2、3 電子写真感光体
11 導電性基体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 感光層
15 中間層(下引き層)
16 表面保護層
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
33 レーザビーム
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
47 矢符
48 転写紙
49 露光手段

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に、電荷輸送物質を含有する単層型または積層型感光層と、保護層とをこの順で備える電子写真感光体において、前記保護層が、少なくともアクリルポリオール樹脂とポリイソシアネートとの架橋物であるアクリル-イソシアネート架橋樹脂を含有し、
    前記アクリルポリオール樹脂が、炭素数5以下のヒドロキシアルキル基を側鎖として有する(メタ)アクリレートと炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基を側鎖として有する(メタ)アクリレートとの共重合体であり、前記2種類のヒドロキシアルキル基の比率が1/3〜3/1(モル比)であり、前記アクリルポリオール樹脂におけるヒドロキシ価が100〜200である電子写真感光体。
  2. 前記アクリルポリオール樹脂が、さらにポリラクトンポリオールを40wt%以下含有し、前記ポリイソシアネートのイソシアネート基量;c が、全ヒドロキシル基量;(a+b) に対して、
    c/(a+b)= 1/0.3〜1/2.0(モル比)
    (式中、aはアクリルポリオール樹脂中のヒドロキシル基量を意味し、bはポリラクトンポリオール中のヒドロキシル基量を意味する)
    であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記炭素数5以下のヒドロキシアルキル基がヒドロキシエチル基であり、前記炭素数6以上のヒドロキシアルキルカルボニルオキシ基がヒドロキシエチル基にε−カプロラクトンが付加して形成される基であることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 前記保護層が、電荷輸送物質を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記保護層に含有される電荷輸送物質が、感光層に含有される電荷輸送物質と同一であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記保護層に、金属酸化物微粒子が含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  7. 前記金属酸化物微粒子が、シリカであることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記保護層の膜厚が1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  9. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1〜8のいずれか一つに記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置において、少なくとも電子写真感光体及び現像手段が、電子写真装置本体に対し着脱自在のプロセスカートリッジ構造である請求項9に記載の画像形成装置。
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