JP3135883B2 - ギャップのない管状印刷ブランケットの製造法 - Google Patents

ギャップのない管状印刷ブランケットの製造法

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JP3135883B2 JP10073748A JP7374898A JP3135883B2 JP 3135883 B2 JP3135883 B2 JP 3135883B2 JP 10073748 A JP10073748 A JP 10073748A JP 7374898 A JP7374898 A JP 7374898A JP 3135883 B2 JP3135883 B2 JP 3135883B2
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    • Y10S428/909—Resilient layer, e.g. printer's blanket

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】（発明の分野）本発明はオフセット輪転機
中のブランケット胴用の印刷ブランケットの製造法に関
し、とくにギャップのない管状印刷ブランケットの製造
法に関する。
【０００２】（発明の背景）オフセット輪転機は、典型
的に、印刷機に担持され回転可能な版胴、ブランケット
胴および圧胴を含んでいる。版胴は印刷すべき画像を形
成する硬質表面を有する版面を保持する。ブランケット
胴は、版胴とブランケット胴との間のニップで版面に接
触する軟質表面を有する印刷ブランケットを保持する。
印刷すべき巻き取り紙はブランケット胴と圧胴との間の
ニップを通過する。インキは版胴上の版面の表面に適用
される。インキの着いた画像はブランケット胴と版胴と
の間のニップで印刷ブランケットによって補足され、ブ
ランケット胴と版胴との間のニップで印刷ブランケット
から巻き取り紙に転写される。圧胴は巻き取り紙の反対
面に印刷するための別のブランケット胴であることがで
きる。
【０００３】通常の印刷ブランケットはフラットシート
として製造される。このような印刷ブランケットは、該
シートをブランケット胴に巻き付け、シートの対向端部
をブランケット胴の軸方向に延びるギャップの状態でブ
ランケット胴に装着することによってブランケット胴に
取り付けられる。シートの隣接対向端部は印刷ブランケ
ットの長さに沿って軸方向に延びるギャップを形成す
る。ブランケットシリンダーが回転するごとに、該ギャ
ップはブランケット胴と版胴との間のニップを通過し、
かつまたブランケット胴と圧胴との間のニップも通過す
る。
【０００４】印刷ブランケットのギャップの前縁および
後縁がブランケット胴と隣接する胴との間のニップを通
過する際に、それぞれ、ブランケット胴と隣接する胴と
の間の圧力が解放したり、圧力がかかったりする。ギャ
ップにおける圧力の解放および生成の繰返しは胴内およ
び印刷機全体に振動および衝撃荷重をもたらす。このよ
うな振動および衝撃荷重は印刷品質に不利に作用する。
たとえば、ブランケット胴と版胴との間のニップでギャ
ップが圧力を解放させ、さらに圧力をかけるときに、ブ
ランケット胴と圧胴との間のニップを通過する巻き取り
紙上に印刷が行われることがある。その時の圧力の解放
および生成によってひき起されるブランケット胴または
印刷ブランケットのどのような運動も印刷ブランケット
から巻き取り紙に転写される画像を不鮮明にすることが
ありうる。同様に、印刷ブランケット中のギャップがブ
ランケット胴と圧胴との間のニップを通過する場合に、
それ以外のニップで印刷ブランケットによって版面から
補足される画像が不鮮明になることがある。印刷ブラン
ケットのギャップによってひき起される振動および衝撃
荷重のために、印刷機が許容できる印刷品質を有して稼
動しうる速度を低くし、望ましくない。
【０００５】従来の印刷ブランケットの隣接端のギャッ
プによって生じる別の問題は、ギャップの幅によって形
成される円周方向に広がる空隙である。ギャップの幅に
よって形成される空隙はブランケット胴上の印刷面の円
周方向の長さを中断して、短くする。このことによっ
て、ブランケット胴回転するごとに巻き取り紙のある部
分が印刷されずに残る。このような巻き取り紙の印刷さ
れない部分は生産性を低下させ、むだを増す。さらに、
このような従来の印刷ブランケットをブランケット胴に
正しく取り付けることは容易なことではない。その結
果、かなりの印刷停止時間を有することがあり、これは
経費がかかりかねない。その上、ブランケット胴それ自
体が、印刷ブランケットの対向端を係合して、定位置に
保持する手段を備えなければならない。
【０００６】従来の印刷ブランケットに関連して、ブラ
ンケット胴と版胴との間のニップにおいて版面の硬質表
面が印刷ブランケットの軟質表面に及ぼす圧力によって
別の問題が生じる。印刷ブランケットの軟質表面は、ニ
ップを通過する際に、版面に押し付けられるので、版面
の硬質表面によってくぼませられる。ニップの中央部で
は、硬質版面の円筒状外形が軟質印刷ブランケットに、
対応する円筒状のくぼみを押し付ける。軟質印刷ブラン
ケットにくぼみが押し付けられると、くぼみのそれぞれ
の２つの対向側面にふくれが生じる傾向がある。該ふく
れは、ニップの対向円周側面の印刷ブランケット表面に
定常波として現れる。印刷ブランケット表面の１点はニ
ップに入って、さらにニップを出るときに、該定常波を
登りかつ越えて移動する。版面の硬質円筒形表面上の点
と比べると、印刷ブランケットの軟質表面上の点は、ニ
ップを通り過ぎる際に、より大きな距離を動く。したが
って、両表面の速度はニップにおいて異なる。表面速度
の差は１つの面から他の面に転写されるインキを不鮮明
にすることがある表面間の滑りをひき起こす。
【０００７】印刷ブランケットは、間のニップにおい
て、版面から印刷ブランケットに加えられる圧力を受け
て圧縮する圧縮可能なゴム物質を含むことが知られてい
る。ニップにおける印刷ブランケットの圧縮はニップの
対向面に生じるふくれの傾向を低減させる。回転してい
る印刷ブランケット上のインキを不鮮明にするおそれが
ある定常波はこのように減少するが、圧縮可能なゴム物
質の圧縮膨張の繰返しが印刷ブランケットを過熱させる
こともありうる。
【０００８】（発明の要約）本発明は、過度の振動また
は衝撃荷重がなく、インキを不鮮明にするおそれがある
印刷面の滑りがなく、かつ過熱せずに、高速で印刷機を
稼動させることができる筒状印刷ブランケットを提供す
る。
【０００９】本発明によれば、オフセット印刷機中のブ
ランケット胴用の管状印刷ブランケットは、ブランケッ
ト胴上を軸線方向に移動可能な円筒形スリーブ、該スリ
ーブ上の圧縮性の層、および該圧縮性層上の非伸縮性層
を含んでいる。圧縮性層は、エラストマー物質の第一継
目なし管状本体を含む。エラストマー物質の本体は、該
本体に圧縮性を付与する複数のボイドを有する。非伸縮
性層は、円周方向に非伸縮性物質からなる管状下層を含
有するエラストマー物質の第二継目なし管状本体を含
む。管状印刷ブランケットは、さらに、連続的なギャッ
プのない円筒形印刷表面を有する継目なし管状印刷層を
含む。
【００１０】本発明による管状印刷ブランケットは、種
々の層全体にわたって継目がなく、ギャップがない管状
形態を有し、連続的なギャップのない円筒形印刷面を含
むのが利点である。管状印刷ブランケットがブランケッ
ト胴と版胴との間のニップを通過するときに、ニップに
おける管状印刷ブランケットの断面形状は一定を保つ。
したがって、管状印刷ブランケットと版面との圧力関係
は、印刷機が稼動している間一定を保っており、管状印
刷ブランケットのニップの通過は振動または衝撃荷重を
生じない。さらに、管状印刷ブランケットの表面にはギ
ャップがないので、むだも少なく、生産性も大きい。
【００１１】その上、管状印刷ブランケットの非伸縮性
層は、インキの着いた画像を不鮮明にするおそれがある
印刷外面における定常波の形成を防止する。
【００１２】本発明の１つの好適な態様では、管状印刷
ブランケットの圧縮性層中のボイドは微小孔である。こ
れらの微小孔はエラストマー物質の第一管状本体全般に
わたって散在した圧縮性の極小球によって形成される。
好ましくは、管状印刷ブランケットの圧縮性層が、圧縮
性の極小球とともに圧縮性の織物物質を含んでいる。圧
縮性の織物物質は、圧縮性層を貫通しかつその下層の円
筒形スリーブの周りをらせん状に巻かれた糸として含ま
れる。管状印刷ブランケットの使用中、該糸は周囲のエ
ラストマー物質よりは熱くならないので、管状印刷ブラ
ンケットより冷却した状態で運転できる。
【００１３】管状印刷ブランケットの１つの好適な製造
方法において、圧縮性層は、圧縮性の糸にゴム接着剤と
極小球との混合物を塗布し、さらに塗布された糸を円筒
形スリーブの周りにらせん状に巻き付けることによって
形成される。非伸縮性層は、非伸縮糸に極小球を含まな
いゴム接着剤を塗布し、さらに塗布した糸を、その下層
の圧縮性層の周りにらせん状に巻き付けることによって
同様に形成される。このように、非伸縮性糸は、非伸縮
性層に非伸縮性を付与する、円周方向に非伸縮性の管状
下層を形成させる。印刷層は、非伸縮性層の上を未加硫
エラストマーで包み、さらにそれをテープで固定するこ
とによって非伸縮性層上に形成される。エラストマー物
質からなる上層によって連続的な継目なし筒状形態を成
すように、テープを巻いた構造体を加硫する。
【００１４】本発明の前記および他の特徴は、添付図面
を考慮しながら以下の本発明の好適な態様の説明を読め
ば、当業者には明かとなろう。
【００１５】（好適な態様の説明）図１に概略示したよ
うに、印刷装置１０は、本発明によって作った管状印刷
ブランケット１４を有するブランケット胴１２を含んで
いる。例としての印刷装置１０はインキつぼ１６から版
胴２０上の版面１８にインキを転移させるための複数の
ロールを含むオフセット印刷機である。ブランケット胴
１２上の管状印刷ブランケット１４は版面１８から動き
つつある巻き取り紙２１にインキの着いた画像を転写さ
せる。
【００１６】供給ロール２２はインキつぼ１６からイン
キを取る。ドクターロール２４は、図１に示すように、
インキを供給ロール２２から第一均しロール２６に移す
ために、供給ロール２２と第一均しロール２６との間を
往復運動する。複数の連続する均しロール２６は第一均
しロール２６から１群のインキロール２８にインキを移
し、次に版胴２０上の版面１８にそのインキを移す。第
二の管状印刷ブランケット３２を有する第二のブランケ
ット胴３０を、巻き取り紙２１の反対面に同時に印刷す
る第二の印刷装置を表すために、図１に極く一部だけ示
してある。ブランケット胴１４および３０は相互に圧胴
として役立つ。ロールおよび胴はギヤによって相互に接
続され、公知のような駆動手段３４によって回転する。
ドクターロール２４は公知のような往復運動機構３６に
よって動く。
【００１７】管状印刷ブランケット１４は、ブランケッ
ト胴１２の円筒形外面４２と摩擦接触して強固に係合す
る連続的なギャップのない円筒形内面４０を有してい
る。ブランケット胴１２は中心内腔４４および中心内腔
４４から円筒形外面４２に放射状に延びる複数の通路４
６を有している。加圧ガス源５０が、ブランケット胴１
２の中心内腔４４と導通して、中心内腔４４および放射
状に延びる通路４６から管状印刷ブランケット１４の円
筒形内面４０に給送される加圧ガス流を与えるように操
作できる。
【００１８】加圧ガス流を管状印刷ブランケット１４の
円筒形内面４０に給送するときには、円筒形内面４０は
弾力作用で僅かに変形して、その直径を増大させる。さ
らに管状印刷ブランケット１４はブランケット胴１２の
上またはそれから離れて入れ子式状に動くのが容易であ
る。加圧ガス流を止めると、管状印刷ブランケット１４
の円筒形内面４０は当初の大きさまで弾力作用で収縮し
て、ブランケット胴１２の外面を堅く締める。つぎに、
管状印刷ブランケット１４はブランケット胴１２と摩擦
接触して強固に係合し、印刷装置１０の運転中はブラン
ケット胴１２に対して動くことがない。
【００１９】図３でわかるように、管状印刷ブランケッ
ト１４は複数の層を含んでいる。該層には比較的硬質の
裏当て層６０および該裏当て層６０の上に担持される多
数の軟質層がある。該軟質層には第一および第二の圧縮
性の層６２および６４、非伸縮性層６６ならびに印刷層
６８がある。
【００２０】裏当て層６０は、円筒形内面４０がその上
に設けられている円筒形スリーブ７０によって形成され
る。円筒形スリーブ７０は、弾力作用で僅かに半径方向
外側に拡張可能であって、前述のようにブランケット胴
１２上での管状印刷ブランケット１４の入れ子式状の運
動を助ける。円筒形スリーブ７０は、必要なこわさ、強
さおよび弾性を有することがわかっている金属、たとえ
ば厚さがほぼ０．００５インチのニッケルで作るのが好
ましい。あるいは、円筒形スリーブ７０は、厚さがほぼ
０．０３０インチのガラス繊維またはブラスチックたと
えばマイラー（商標）のような高分子物質で作ることが
できる。
【００２１】プライマー７１および７２の２つの被膜は
第一の圧縮性の層６２を裏当て層６０に結合させるのに
役立つ。裏当て層６０がニッケル製シリンダーである場
合には、プライマー被膜７１がＣｈｅｍｌｏｋ ２０５
で、プライマー被膜７２がＣｈｅｍｌｏｋ ２２０であ
るのが望ましく、いずれもＬｏｒｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ
から入手可能である。
【００２２】図３に示すように、第一の圧縮性の層６２
は、エラストマー物質の継目なし管状本体７４を含んで
いる。この管状本体７４は圧縮性を付与する複数のボイ
ドを有する。図に示されている本発明の好適な実施態様
では、ボイドは、管状本体７４中に埋封されている複数
の圧縮性極小球７６によって形成されている微小孔であ
る。あるいは、管状本体７４中のボイドは、極小球７６
以外の圧縮性物質の粒子が埋封されることにより、また
は発泡、浸出もしくばエラストマー体のボイドを形成さ
せるその他の方法を使用してエラストマー体に圧縮性を
付与することにより形成しうる。
【００２３】第一の圧縮性の層６２は、さらに、管状本
体７４を貫通しかつ裏当て層６０の周りにらせん状に延
びる圧縮性の糸８０を含む。該糸８０は管状本体７４の
エラストマー物質および極小球７６で含浸される。第二
の圧縮可能な層６４は同様に、エラストマー物質の継目
なし管状本体９０、管状本体９０中に埋封されている複
数の圧縮性の極小球９２、および管状本体９０を貫通し
かつ第一の圧縮性の層６２の周りにらせん状に伸長する
圧縮性の糸９４を含んでいる。
【００２４】継目なし管状本体７４および９０が形成さ
れるエラストマー物質を、極小球７６と混合して、下記
の組成を有する圧縮性の、複合ゴム接着剤を生成させる
のが好ましい。
【００２５】 部 １．５０部のＤＯＰを有するブタジエンとアクリロントリルのコポリマー ４８０．００ ２．軟質硫黄サブ ４０．００ ３．アクリロニトリル／ブタジエンコポリマー ８０．００ ４．メジウムサーマルカーボンブラック ３６０．００ ５．硫酸バリウム ８０．００ ６．フタル酸ジオクチル ４０．００ ７．ベンゾチアジルジスルフィド促進剤 ８．００ ８．テトラメチルチウラムジスルフィド促進剤 ４．００ ９．炭酸マグネシウム含有硫黄 ４．００ １０．酸化亜鉛活性化剤 ２０．００ １１．１から１０までの合計量の２重量％のＢｕｔｙｌ Ｅｉｇｈｔ １２．１から１１までの合計量の６重量％の微小球 １３．１から１２までの合計量の２．５重量％のトルエン
【００２６】極小球７６および９２はスウェーデン、Ｓ
ｕｎｄｓｖａｌｌのＥｘｐａｎｃｅｌから市販されてい
る商標Ｅｘｐａｎｃｅｌ ４６１ ＤＥと呼ばれるもの
が好ましい。該極小球は、基本的に塩化ビニリデンとア
クリロントリルとのコポリマーよりなる殻を有し、ガス
状イソブタンを含有している。圧縮性の好ましい性質を
有する他の極小球、たとえば米国特許第４，７７０，９
２８号に開示されているようなものも使用することがで
きる。
【００２７】圧縮性の糸８０および９４は、好ましくは
直径が約０．００５ないし０．０３０インチ、もっとも
好ましくは約０．０１５インチの木綿糸である。糸の個
々の巻き（円周方向に伸びる糸の隣り合った部分）が軸
線方向に相互に約０．０１インチの距離をおいて離間し
ているのが好ましい。このように近接した距離は、隣接
巻きの間に実質的なすき間がないことを確実にする。あ
るいは、糸８０および９４を、他の圧縮性の物質で作る
か、または圧縮性の管で置き替えることができる。
【００２８】非伸縮性層６６はエラストマー物質の継目
なし管状本体１００および管状本体１００内の縦方向に
非伸縮性の糸１０２を含んでいる。該糸１０２は管状本
体１００を貫通しかつ第二の圧縮可能な層６４の周りに
らせん状に伸長している。該糸１０２は直径が約０．０
０７インチの木綿が好ましく、糸の隣接巻きとの間が約
０．００１インチの距離をおいて離間しているのが好ま
しい。このように糸１０２は、隣接巻きが管状印刷ブラ
ンケット１４の縦軸線に実質的に垂直な方向に延びる目
の詰んだらせんをなして延びている。
【００２９】縦方向の糸１０２は、１平方インチ当たり
１００，０００ポンド以上の弾性率を有し、好適な態様
では、１平方インチ当たり約８４０，０００ポンドの弾
性率を有する。継目なし管状本体１００のエラストマー
物質は、１平方インチ当たり約５４０ポンドの弾性率を
有している。このように、糸１０２は継目なし管状本体
１００が形成されるエラストマー物質の弾性率の約１８
５倍以上、好ましくは該エラストマー物質の弾性率の約
１，５５５倍の弾性率を有する。このように糸１０２の
らせんは管状本体１００を円周方向に広がらないように
する円周方向に非伸縮性の管状下層を形成する。糸８０
および９４と同様に、糸１０２は管状本体１００のエラ
ストマー物質で含浸されている。
【００３０】あるいは、非伸縮性層６６は、弾性率が１
平方インチ当たり１，０００−６，０００ポンドの範囲
内にあって、糸１０２の下層を含まないゴムまたはウレ
タンコポリマー物質の継目なし管状本体で作られるかも
しれない。このような物質はＡｉｒ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ
ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ，Ｉｎｃ．から「Ａｉｒ
ｔｈａｎｅ」という商標で入手可能である。
【００３１】印刷層６８は滑らかでギャップのない円筒
形印刷外面１１０を有する継目がなくギャップのない管
状本体である。印刷層６８は、ゴムのような比較的軟ら
かいエラストマー物質で作られ、ブランケット胴１２と
版胴２０との間のニップ１１２で管状印刷ブランケット
１４に加えられる圧力を受けると若干へこんで、押込ま
れる（図１および図４）。印刷層６８は、弾力作用でへ
こむことができるので、ニップ１１２において均一な圧
力を維持して、インキの着いた画像のむらのない転写を
確実なものとするのを助ける。印刷層６８は次の組成を
有することが好ましい。
【００３２】 部 １．ポリスルフィドポリマー ２０．００ ２．アクリロントリル／ブタジエンコポリマー １２０．００ ３．加硫植物油 １０．００ ４．メジウムサーマルカーボンブラック ９０．００ ５．硫酸バリウム ２０．００ ６．ポリエステルグルタレート １０．００ ７．ニトリルポリマーを材料とする特許薬品 １５．９０ ８．ベンゾチアジルジスルフィド促進剤 ２．００ ９．テトラメチルチウラムジスフィド促進剤 １．００ １０．７５％エチレンチオ尿素／２５％ＥＰＲ結合剤促進剤 ０．２０
【００３３】印刷装置１０の稼動時に、管状印刷ブラン
ケット１４上の円筒形印刷外面１１０は図４に示すよう
に、版胴２０とブランケット胴１２との間のニップ１１
２を通過する。管状印刷ブランケット１４の軟質層６２
−６８はニップ１１２において版面１８の硬質表面によ
ってへこまされる。印刷層６８は圧縮不能であり、した
がってニップ１１２を通過する際には当初の厚さを保持
する。非伸縮性層６６は糸１０２の圧縮性によって僅か
に圧縮でき、したがってニップ１１２を通過するときに
は若干圧縮される。重要なことは、糸１０２は縦方向に
非伸縮性であって、ニップ１１２に入ってそして出る際
に非伸縮性層６６を外方に半径方向にふくらませないと
いうことである。非伸縮性層６６は、印刷層の印刷ニッ
プ内の部分が０．００１インチよりも多く円周方向に伸
びないようにし、事実、好適な態様では、印刷層の印刷
ニップ内の部分は実質的に０．００１インチ未満しか伸
びない。非伸縮性層６６は、また、ニップの対向面の印
刷層６８中の定常波の生成を完全に防止する（図５の先
行技術参照）。このような定常波はインキの不鮮明さを
もたらす。
【００３４】第一および第二の圧縮性の層６２および６
４は共にニップ１１２で圧縮される。印刷ブランケット
の圧縮可能な部分が、使用中、圧縮、膨張を繰返される
と、熱せられることは公知である。圧縮可能な層６２お
よび６４において、圧縮可能な糸８０および９４の木綿
物質は管状本体７４および９０のエラストマー物質より
は熱せられる傾向が少ない。このように、本発明による
管状印刷ブランケット１４は、圧縮性の層６２および６
４が少なくとも一部分はエラストマー物質よりも冷却し
た状態で運転する物質で作られているので、使用中に過
熱する傾向は少ない。
【００３５】印刷層６８ならびに印刷層６８の下層６２
−６６のエラストマー本体７４、９０および１００はギ
ャップも継目もない連続的な継目なし管状本体である。
さらに、らせん状に巻かれた糸８０、９４および１０２
は管状印刷ブランケット１４の長さに沿って軸線方向に
伸長する継目もギャップも形成しない。従って、ニップ
１１２を通過する管状印刷ブランケット１４の断面形状
はブランケット胴１２の各１回転の間中一定のままであ
る。印刷外面１１０と版面１８との間の圧力関係も、同
様に、ニップ１１２を通過する印刷外面１１０の移動中
一定のままである。軸線方向に伸長するギャップを有す
る公知の印刷ブランケットの場合に経験される衝撃およ
び振動は、したがって回避され、インキの着いた画像の
円滑な転写が確実に得られる。
【００３６】本発明は、さらに、管状印刷ブランケット
の製造方法をも意図する。図３に示すような管状印刷ブ
ランケット１４の好適な製造方法においては、裏当て層
６０の清浄な外面にＣｈｅｍｌｏｃｋ ２０５のプライ
マー塗層７１を適用して、約３０分間エージングする。
次に、Ｃｈｅｍｌｏｃｋ ２２０の第二プライマー塗層
７２を適用して、約３０分間エージングする。次に、圧
縮性の複合ゴム接着剤中に糸８０を埋封し、さらに埋封
された糸８０をブライマーを塗布した裏当て層６０の周
りにらせん状に巻き付けることによって、第一の圧縮可
能な層６２がプライマーを塗布した裏当て層６０の上に
施用される。図６に概略示したように、容器１２０内の
ゴム接着剤の中を糸８０を引っ張ることによって、糸８
０はゴム接着剤で埋封される。糸８０がスプール１２２
から裏当て層６０上に巻き付けられる際に、糸８０は容
器１２０内のゴム接着剤の中を引っ張られる。必要に応
じて、巻き付けられる糸８０にさらに多量のゴム接着剤
を施用して、図３に示す領域１２６に、さらに厚い第一
の圧縮性の層６２を形成させる。次に、第一の圧縮可能
な層６２を２時間エージングし、さらに１４０°Ｆで４
時間オーブン乾燥する。同様にして、第二の圧縮性の層
６４を形成させる。必要な場合には、圧縮性の層６２お
よび６４のいずれかまたは両方に、圧縮性の糸の補足巻
きを含ませることができる。
【００３７】上記で気付かれるように、圧縮性の極小球
７６および９２以外の圧縮性物質は、圧縮性の層６２お
よび６４内の管状本体７４および９０に圧縮性を付与す
るボイドを形成するのに使用しうる。或いはボイドは、
管状本体７４および９０が裏当て層６０上に構築された
後に、発泡および／または浸出の公知方法により形成さ
れうる。
【００３８】図３に示す非伸縮性層６６は、同様に、糸
１０２を極小球のないエラストマー物質中に埋封し、さ
らに埋封された糸１０２を第一および第二の圧縮性の層
６２および６４の周りにらせん状に巻き付けることによ
って形成される。埋封された糸１０２は、エラストマー
物質で完全に含浸させて、半径方向に圧縮する予荷重
を、圧縮可能な層６２および６４に加えるように張力を
かけて巻き付けることが好ましい。非伸縮性層６６は次
に、１５分間風乾する。
【００３９】つぎに、厚さ０．０４０インチの印刷用未
硬化ゴムシートを非伸縮性層６６の外面に巻いて印刷層
６８とする。得られた構造体に２．２５インチのナイロ
ンテープ（図示せず）を巻き付けて、２００°Ｆで４時
間および２９２°Ｆで４時間オーブン硬化する。巻き付
けたシートの隣接端部を一定の角度にそいで最終印刷層
６８が軸線方向に伸長する継目をもたないように硬化時
に接着させる。上に重なるエラストマー物質の本体７
４．９０および１００も硬化時に接着させる。その場合
に、層６２−６８は、図４に示すように異なる成分によ
ってそれぞれ区別することができるが、相互に分離はし
ない。したがって、層６２−６８のエラストマー物質
は、硬化時にエラストマー物質の単一連続的な継目なし
管状本体を形成する。非伸縮性層６６も圧縮性であるの
で、層６２−６６は、圧縮性の糸および極小球を含む下
部ならびに極小球のない圧縮性の糸を含む上部を有する
圧縮性の複合層を効果的に形成する。硬化後、テープを
除去すると、印刷層６８は約０．０１３ないし０．０２
０インチの厚さに押しつぶされており、さらに滑らかな
連続的印刷外面１１０を形成するように仕上げられる。
【００４０】図７は本発明による管状印刷ブランケット
の圧縮性の層の別の１つの態様を示す。図７に示される
圧縮性の層１５０は、エラストマー物質の継目なし管状
本体１５２、極小球１５４、および押しつぶされた木綿
繊維１５６を含んでいる。極小球１５４および押しつぶ
された木綿繊維１５６は、層１５０に圧縮性を付与する
ように、管状本体１５２内に均一に分布している。本発
明の他の各実施態様にあるように、極小球１５４および
／または繊維１５６により形成されたボイドは上述した
別法により形成されうる。前記圧縮性の層６２および６
４中の糸８０および９４と同様に、ブランケット胴と版
胴との間のニップで繰返し圧縮されるときに、押しつぶ
された木綿繊維１５６が過熱する傾向は比較的少ない。
【００４１】図８Ａおよび８Ｂは、それぞれドクターロ
ール１５８およびドクターブレード１６０を用いて圧縮
性の複合ゴム接着剤を計量することによって、プライマ
ー塗布裏当て層６０上に、圧縮性の層１５０を調整され
た厚さに施用する方法を概略示すものである。図８ｃは
プライマー塗布裏当て層６０上に、圧縮性の複合ゴム接
着剤を調整された厚さに吹付けることによって圧縮性の
層１５０を適用する方法を概略示す。あるいは、ゴム物
質を計量するかまたは吹付けることによって印刷層６８
を形成できるかもしれず、さらに／または硬化時に軸線
方向に伸長する継目を形成しない一定の角度にそいだ端
部を有するカレンダー仕上げのシートを巻くことによっ
て、圧縮可能な層６２、６４および１５０をその代わり
に形成できるかもしれない。
【００４２】図９Ａおよび９Ｂは、本発明による管状印
刷ブランケットの圧縮性の層の別の態様を概略示すもの
である。図９Ａに示すように、圧縮性の層１７０は継目
なし円筒形キャスティングとして形成される。圧縮性層
１７０は前記圧縮性の層１５０と同じ物質で作られ、裏
当て層６０の外径以内の内径を有する。図９Ｂで示すよ
うに、半径方向に拡張すると、圧縮可能な層１７０は裏
当て層６０の上を入れ子式状に動くことができる。つぎ
に、圧縮性の層１７０を、半径方向および円周方向の緊
張状態で取り付けられるように収縮させる。
【００４３】図１０は本発明による管状印刷ブランケッ
トの円周方向に非伸縮性の下層の１つの代替態様を概略
示すものである。図１０に示すように、縦方向に非伸縮
性の糸１０２を織って、図３に示す圧縮性の層６２およ
び６４の上を入れ子式状に動くことができる管２００を
形成させる。織った糸１０２のパターンは管２００の軸
線方向または半径方向の伸張を許さない。管２００を含
む管状印刷ブランケットの好適な形成方法においては、
第２の圧縮性の層６４の上に多量のエラストマー物質を
薄い厚さに施用し、つぎに管２００をエラストマー物質
および第二の圧縮性の層６４の上を入れ子式状に動か
す。糸１０２を埋封して、含浸させ、かつ所望の厚さの
最終非伸縮性層とするために、必要に応じて、管２００
の上にエラストマー物質をさらに施用する。本発明のこ
の態様において、糸１０２は熱を加えて、収縮させるこ
とができる。収縮した管２００は円周方向および軸線方
向の張力がかかっているであろうし、また半径方向に圧
縮性の予荷重を、下にある圧縮性の層６２および６４に
加えるであろう。
【００４４】図１１Ａおよび１１Ｂは本発明による管状
印刷ブランケットの円周方向に非伸縮性の下層の別の態
様を概略説明するものである。図１１Ａでわかるよう
に、縦方向に非伸縮性の糸１０２を編んで、図３に示し
た圧縮性の層６２および６４の上を入れ子式状に動くこ
とができる管２１０を形成させる。編んだ糸１０２のパ
ターンは図１１Ｂに示すように、管２１０を、軸線方向
に伸ばし、必然的に直径を縮小させる。管２１０を含む
管状印刷ブランケットを作る１つの好適な方法において
は、第二の圧縮性の層６４の上にエラストマー物質を薄
い厚さに施用し、つぎに管２１０をエラストマー物質お
よび圧縮性の層６４の上を入れ子式状に動かす。次い
で、管２１０を、直径を縮小させるように軸線方向に伸
ばす。伸ばした管２１０は、円周方向および軸線方向の
張力がかかり、それによって下方にある圧縮性の層６２
および６４に半径方向に圧縮性の予荷重を与える。糸１
０２を含浸させ、かつ非伸縮性層を所望の厚さに仕上げ
るように、伸ばした管２１０上にエラストマー物質をさ
らに施用する。エラストマー物質は、硬化すると、伸ば
した管２１０を埋封する継目なし管状本体を形成する。
【００４５】図１２は、本発明による管状印刷ブランケ
ットの円周方向に非伸縮性の下層の別の態様の断面図で
ある。図１２でわかるように、プラスチックフィルム２
３０の連続品は非伸縮性層のエラストマー物質２３２を
貫通しかつ圧縮性の層２３４の周りにらせん状に伸長す
る。フィルム２３０は、管状印刷ブランケットの長さに
ほぼ等しい幅、および最上層の０．００１インチ幅の端
部２３６によって形成される狭い継目が、上にある印刷
層のなめらかな連続的円筒状外形を乱さないように、僅
かな０．００１インチの厚さをもつことが好ましい。
【００４６】図１３は本発明の別の態様の部分断面図で
ある。図１３でわかるように、管状印刷ブランケット２
５０は、比較的硬質の裏当て層２５２、極小球を含む１
対の継目なし管状接着剤層２５４および２５６、ならび
に１対の管状の圧縮性の織物層２５８および２６０を含
んでいる。圧縮性の織物層２５８および２６０は図１
０、１１Ａおよび１１Ｂでわかるように織ったかまたは
編んだ管で作るのが好ましい。上部の圧縮性の織物層２
６０は、管状印刷ブランケット２５０の非伸縮性層を形
成するように円周方向に非伸縮性の管として取り付ける
のがもっとも好ましい。普通のゴム接着剤の中間層２６
２は管状印刷層２６４を上部の圧縮性の織物層２６０を
結合するのに役立つ。
【００４７】本発明の前記説明から、当業者は改良、変
更および修正を了解するであろう。技術の熟練範囲にあ
るこれら改良、変更および修正は特許請求の範囲によっ
て保護されるということを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による管状印刷ブランケットを含む印刷
装置の略図である。
【図２】図１に示す印刷ブランケットの略斜視図であ
る。
【図３】図２の線３−３で導びかれる断面図である。
【図４】図１の印刷装置の一部分の拡大断面図である。
【図５】先行技術の図である。
【図６】本発明による管状印刷ブランケットを作る方法
を示す略図である。
【図７】本発明の代替態様による管状印刷ブランケット
の部分断面図である。
【図８】図８Ａ〜８Ｃは、図７の管状印刷ブランケット
を作る方法を示す略図である。
【図９】図９Ａおよび９Ｂは、本発明の別の代替態様に
よる管状印刷ブランケットの一部の略図である。
【図１０】本発明の他の代替態様による管状印刷ブラン
ケットの一部の略図である。
【図１１】図１１Ａおよび１１Ｂは、本発明のさらに他
の代替態様による管状印刷ブランケットの一部の略図で
ある。
【図１２】本発明のほかの代替態様による管状印刷ブラ
ンケットの部分断面図である。
【図１３】本発明のさらに他の代替態様の部分断面図で
ある。
【符号の説明】
１０ 印刷装置 １２ ブランケット胴 １４ 管状印刷ブランケット ４０ 円筒形内面 ６０ 裏当て層 ６２，６４ 圧縮性の層 ６６ 非伸縮性層 ６８ 印刷層 ７０ 円筒形スリーブ ７４、９０、１００ 管状本体 ７６、９２ 極小球 ８０、９４、１０２ 糸 １１０ 印刷外面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グレン・アラン・ガラルディ アメリカ合衆国ニューハンプシャー州 03848，キングストン，ロング・ポン ド・ロード 11 (72)発明者 ジェームズ・アール・カールソン アメリカ合衆国ウィスコンシン州53402, ラシーン，サン・デル・ウェイ 5625 (72)発明者 グレゴリー・ティー・スクワイアーズ アメリカ合衆国ウィスコンシン州53182, ユニオン・グローブ，サーティーンス・ アベニュー 1200 (56)参考文献 特開 平２−121893（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−277697（ＪＰ，Ａ) 特開 昭46−5104（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−20392（ＪＰ，Ａ) 欧州特許出願公開421145（ＥＰ，Ａ ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B41N 10/00 - 10/04 B41F 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 オフセット印刷機中のブランケット胴上
    に用いられる円筒形印刷ブランケットスリーブの製造方
    法であって、 第一の所定量のエラストマー物質中に圧縮性の微小球を
    埋め込んで圧縮性の複合材料を形成し且つ当該圧縮性の
    複合材料を円筒形裏当て層上に継目なく管状に施用する
    ことにより前記円筒形印刷ブランケットスリーブの第一
    の層を形成し、 前記第一の層上に継目なく管状に第二の所定量のエラス
    トマー物質を施用し且つ当該第二の所定量のエラストマ
    ー物質中に円周方向に非伸縮性である材料を埋め込むこ
    とにより前記円筒形印刷ブランケットスリーブの第二の
    層を形成し、そして当該第二の層の上に第三の所定量の
    エラストマー物質を継目なく管状に施用し且つ当該印刷
    層上に円筒形の連続した印刷表面を形成することにより
    前記円筒形印刷ブランケットスリーブの印刷層を形成す
    る、前記製造方法。
  2. 【請求項２】 オフセット印刷機中のブランケット胴に
    用いられる円筒形印刷ブランケットスリーブの製造方法
    であって、 所定量の第一のエラストマー物質中に圧縮性の手段を埋
    包させて圧縮性の複合材料を形成し且つ当該圧縮性の複
    合材料を円筒形裏当て層上に円周方向に継目なく管状に
    施用してギャップなし且つ継目なしの円筒形の層を前記
    圧縮性の複合材料で形成することにより前記円筒形印刷
    ブランケットスリーブの第一の層を形成し、 前記第一の層上に所定量の第二のエラストマー物質を円
    周方向に継目なく管状に施用してギャップなし且つ継目
    なしの円筒形の層を前記第二のエラストマー物質から形
    成し且つ前記第二のエラストマー物質を円周方向に継目
    なく形成してなる管状本体中に円周方向に非伸縮性であ
    る材料を埋包することにより円筒形印刷ブランケットス
    リーブの第二の層を形成し、そして前記第二の層の上に
    所定量の第三のエラストマー物質を円周方向に継目なく
    管状に施用し且つ当該印刷層上に円筒形のギャップのな
    い印刷表面を形成することにより前記円筒形印刷ブラン
    ケットスリーブの印刷層を形成する、前記製造方法。
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