JP3095216B2 - 苗箱並べ方法及び苗箱並べ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、床土を入れ、播
種、鎮圧した水稲、花舟及び野菜等のマット苗箱を苗床
に整列して並べるときの苗箱並べ方法及び苗箱並べ機、
苗箱運搬台車並びに苗箱並べシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】マット苗箱を使用して育苗する場合、苗
箱に床土を入れ、播種、鎮圧した後、これを苗床に順次
整列して並べていく。この苗箱並べ作業は現在のところ
人手により行われているが、苗箱は床土を入れた状態で
は相当に重く、しかも中腰で行う作業になるため作業者
への負担が大きく、数千枚余りの苗箱を必要とする大規
模稲作農家をはじめ中小規模の農家においても、機械化
の要望が大きかった。

【０００３】しかし、床土を入れ、播種、鎮圧した苗箱
に衝撃が与えられると、それが余り大きな衝撃でなくて
も、床土や種子が飛出したり均等に播かれた種子が床土
とともに一方に片寄り、発芽斑や発芽不良の原因となる
ので、苗箱を並べる苗床は均されていても起伏による相
当の高低差があること等から苗床に衝撃を与えず苗箱を
並べる作業の機械化は難しいとされてきた。

【０００４】苗箱並べ作業の機械化の技術に関しては、
本出願人の出願にかかる特開平８−１７２８１９号公報
が知られている。この公報に記載された苗箱並べ方法及
び並べ機並びに苗箱システムにおいては、主として可撓
性のポット苗箱を対象としており、苗載台に整列して載
置した複数の非可撓性のマット苗箱を、各苗箱に対応す
る位置に後向きに突出する弾性台を備える弾性台に一部
が、該弾性台に載るようにして苗箱を載置し、該弾性台
を含む苗載台の一部又は全部を後方へ傾斜させて苗箱の
後端部を苗床に降ろし、続いて苗載台を前進させること
により苗箱を弾性台上を経て苗床に降ろすと、床土を入
れ、播種、鎮圧した状態において可撓性のポット苗箱よ
り３倍余り重い非可撓性のマット苗箱は、苗載台の一部
又は全部を後方へ傾斜させて苗箱の後端部を苗床に降ろ
す途中で苗箱が滑り落ちて苗床に突当り衝撃を受けて床
土や種子が飛出したり、床土とともに種子がが一方に片
寄ることや、苗箱の後端部を苗床に降ろし、続いて苗載
台を前進ささせても、可撓性のポット苗箱のように苗箱
の後端部が屈曲して苗床に密着しないので、苗載台を前
進させると苗箱は苗載台と一緒に前進して床並べできな
いことなどの問題があった。

【０００５】また、台車に載った作業者が苗箱運搬車か
ら受け渡された苗箱を一枚ずつ両手で取り上げ、敷設さ
れた軌道に対し直角方向にむいて水平回転し複数の苗箱
を所定位置に整列して運ぶベルトコンベアに連続して補
給するので、多くの苗箱を並べるときは作業者とって負
担の大きい作業となる問題もあった。

【０００６】さらに、苗箱をベルトコンベアのベルトの
両側に設けられた側部プレート上を滑りながら他端側に
運ぶと上記のようにポット苗箱より重いマット苗箱では
苗箱と側部プレートとの間に生じる摩擦力がより大きく
なリベルトコンベアやそれを駆動するモータ等もより強
力なものを用いる必要があり、経済的な負担も大きくな
り効率的に苗箱を運ぶことができない問題もあった。

【０００７】また、ベルトコンベア上の苗箱を後方に向
けて水平に押し出しその一部を弾性台上に載せるように
押出装置がコンベアの前方に突出して設けられているの
で、ビニールハウス内の苗床に一方のつまから他方のつ
まへ向けて苗箱を並べるとき、前方のつまへ接近して苗
箱を並べることができない問題もあった。

【０００８】また、苗箱並べ機の苗受けリフトを上昇さ
せて苗箱を苗箱運搬車から受取るようにしているので、
苗箱を苗箱運搬車の前後方向に並べて積載して運んでも
運搬車の後方に積載した苗箱を苗箱並べ機の苗受けリフ
ト上に受け渡すことができないので、一度に多量の苗箱
を苗箱運搬車に積載して運ぶことができず、苗箱補給の
ために苗箱運搬車が苗箱並べ機と苗箱集積所の間を何度
も往復しなければならないので効率的に苗を運ぶことが
できない云う問題もあった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題に鑑みてなされたもので、苗床にある程度緩やかな起
伏があっても、マット苗箱等の苗箱に衝撃を与えること
なく苗床の上に機械的に整列して並べることのできる方
法、及びその方法に適する苗箱並べ機、並びに特に効率
的に並べ作業を行うことのできる苗箱並べシステムを得
ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係わる苗箱の並
べ方法は、台車に積載された苗箱を内枠に１枚ずつ搬送
して、整列して載置した複数の苗箱を整列を保ったまま
苗床に並べる方法であって、台車に積載された苗箱の下
から順に１枚ずつ、横送りコンベヤと縦送りコンベヤ及
び苗箱を整列して載置した複数の各苗箱に対応する位置
に後向きに突出する弾性体を備える内枠に搬送し、複数
の苗箱を整列して載置後、該苗枠を弾性体の先端部が苗
床の面に接地するように後方に傾斜して、苗箱を横送り
コンベヤから縦送りコンベヤに移載せしめた後、苗箱の
後部が弾性体の先端部に揃う最下端位置まで搬送したと
ころからは同時に内枠を前進させることにより、苗箱を
弾性体上を経て苗床に降ろすことを特徴とする。

【００１１】上記苗箱の並べ方法は、弾性体が弾性線材
又は弾性帯状材からなり、非可撓性のマット苗箱を並べ
るのに適する。上記苗箱の並べ方法においては、内枠を
後方に傾斜し苗箱を苗床に降す間は、弾性体の先端が苗
床に当接していることが望ましい。

【００１２】本発明に係わる苗箱並べ機は、上記苗箱並
べ方法を実施するための装置であり、苗箱を敷設された
軌道方向に搬送するローラコンベヤと、該ローラコンベ
ヤ上に積載された苗箱の一番下の苗箱１枚をローラコン
ベヤ上に残し、２番目以上の苗箱を持ち上げるリフト装
置と、上記ローラーコンベヤ上に残された一番下の苗箱
１枚を横方向に搬送する一対のチェーンコンベヤを備
え、敷設された軌道に沿って走行する台車と一方の端は
台車に付設され他方の端は軌道を走行するように車輪が
取付けられた機枠に横送りコンベヤと縦送りコンベヤを
設けた内枠の後方側において横送りコンベヤ上に整列し
て並べられた各苗箱に対応する位置に後向きに突出する
弾性体を備え、その内枠が後方に傾斜可能とされた苗箱
搬送台とを有し、全体が敷設された軌道に沿って走行す
ることを特徴とする。

【００１３】上記苗箱並べ機の弾性体は例えばが弾性線
材又は弾性帯状材からなることが挙げられる。

【００１４】上記苗箱並べ機の内枠は横送りコンベヤが
互いに平行な一対のローラーコンベヤからなり、その上
面は縦送りコンベヤの上面より高く設けられていて、内
枠を後方に傾斜すると縦送りコンベヤの上面より低くな
り、横送りコンベヤ上に整列して並べられた苗箱は縦送
リコンベヤー上に自動的に移載されるようにしたことが
特徴とする。

【００１５】本発明に係わる運搬台車は苗箱の長辺を敷
設された軌道方向に合わせ、軌道方向に前後に並設して
複数の苗箱が積載可能で、積載された苗箱を敷設された
軌道方向に搬送することのできるローラコンベヤを備
え、敷設された軌道に沿って走行すること等が挙げられ
る。

【００１６】本発明に係わる苗箱並べシステムは、苗床
に沿って直線的に敷設された軌道と、該軌道に沿って走
行する上記苗箱並べ機と、該軌道上を走行し苗箱並べ機
の台車に苗箱を供給する、上記苗箱運搬台車からなり、
苗箱集積所において複数の苗箱を苗箱運搬台車に積載
し、苗箱運搬台車を苗箱並べ機のところまで走行させ、
苗箱を苗箱並べ機の台車に移載し、苗箱並べ機で苗床面
に並べるというものである。

【００１７】

【実施例】以下、図１〜図９参照して本発明の実施例に
ついて説明する。図１〜図４において、苗箱並べ機１は
台車３と台車３の横に並設された苗箱搬送からなり、さ
らに、台車３は積載された複数の苗箱Ｃを敷設された軌
道２方向に搬送するローラコンベヤ５と、該ローラコン
ベヤ５上に積載された苗箱Ｃを持ち上げるリフト装置６
と苗箱を敷設された軌道と直角方向に搬送する一対のチ
ェーンコンベヤ７を備えており、ローラコンベヤ５の複
数のローラ９、９・・・のうち一対のチェーンコンベヤ
７、７の間に設けられたローラ９、９、９は機枠１０ｂ
に取付けられたモータ８により、スプロケット、チェー
ン等を介して前方に向けて回転駆動される。

【００１８】さらに、左右の機枠１０ａ、１０ｂに垂設
した支持板２０、２０、２０、２０に横方向に貫通して
軸着された車軸２１、２１の両端にそれぞれ両フランジ
付の車輪２２、２２、２２、２２が取付けられたてい
て、一方の車軸２１は機枠１０ｂに取付けられたモータ
２３によりスプロケット、チェーン等を介して回転駆動
される。

【００１９】また、一対のチェーンコンベヤ７、７は機
枠１０ａの横側に突設されたブラケット１１、１１に軸
着されたスプロケット１３、１３と、機枠１０ｂの横側
に突設されたブラケット１２、１２に回転自在に横設し
た軸１４にスプロケット１３、１３と一直線に並ぶ位置
にスプロケット１３ａと１３ａを固着し、左右のスプロ
ケット１３、１３ａにはチェン１５が張着されて連結さ
れている。張着されたチェン１５の水平部はローラ９、
９・・・の上面より僅かに低い位置にあって、２個の突
起１６、１６が互いに反対の位置にくるよう設けられて
いて、軸１４の前端は機枠１０ｂの横側に突設したブラ
ケット１７に設けたモータ１８とカップリング１９で連
結されていてモータ１８により回動駆動される。

【００２０】リフト装置６にはリフトレバー２４、２４
と回転レバー２５があって、リフトレバー２４、２４は
その横軸２４ａにより支持板２０、２０に軸支されてい
る。そして、回転レバー２５は横軸２５ａが支持板２
７、２７に軸支され、さらにレバー２５ｂの先端部は機
枠１０ａに取付けられた電動シリンダ２８の軸端に軸着
されている。また、リフトレバー２４、２４の短い腕の
先端部とレバー２５ｃの端部とは連結稈２９、２９で連
結されており、リフトレバー２４、２４の個々の長い腕
の先端部にはリフト爪２６をそれぞれ軸着し、その軸に
挿着した蔓巻ねじりバネ３０の両端をそれぞれリフト爪
２６とリフトレバー２４に掛止し、前後に対向して各２
個ずつ設けたリフト爪２６が内側に向かって回転しよう
とするするように取付けられている。

【００２１】リフト爪２６の先端は鈎の手に曲がった形
状に形成されていて、その部分が横枠５ａ、５ａに当接
した状態にあって通常はあってローラ９、９・・・・の
上面より上面が低い位置に保たれているが、電動シリン
ダ２８のロッドを伸張させると回転レバー２５が回転し
てリフト爪２６、２６、２６、２６が上昇し、凹部２６
ａが横枠５ａを通過すると蔓巻ねじりバネ３０の付勢に
より内側に入り、ローラ９、９・・・上に積載された苗
箱の下から２枚目の苗箱の縁の下側を支えるように作動
する（図４参照）。

【００２２】３１は苗箱のガイドであって、その下側を
ローラコンベヤ５上に載置した苗箱１枚が通過できる高
さに四隅の支持棒でローラコンベヤ５に取付けられてい
る。３２はストッパ、４７はバッテリー、４８はコント
ローラであり、バッテリー４７とモータ８、１８、２３
と下記のモータ４５及び電動シリンダ２８と下記の電動
シリンダ４６とはコントローラ４８を介してそれぞれケ
ーブルで接続されて、その各々がコントローラ４８によ
って予め決められた作動順序に合わせて連続して自動的
に動くよう制御される。

【００２３】図１、２、５、６において、苗箱搬送台４
は、一端が台車３に取付けられ他端を両フランジ付きの
車輪３４、３４に支持され、台車３とともに軌道２、
２、２ａに沿って走行する機枠３３の内側に内枠３５を
設け、その内枠３５内には横送りコンベヤ３６と、縦送
りコンベヤ４４があって、横送りコンベヤ３６はローラ
コンベヤ３６ａと３６ｂが互いに平行で、ローラコンベ
ヤ３６ａは支持板３７、３７、３７、３７により機枠３
３に取付けられている。

【００２４】ローラコンベヤ３６ｂは両端部を内枠３５
に取付けた支持板３８、３８、３８、３８の凹溝に嵌挿
し、ローラコンベヤ３６ｂを該凹溝の底に向けて引っ張
るように作用するばね３９、３９・・・でローラコンベ
ヤ３６ｂと支持板３８、３８、３８、３８が連結されて
いる。さらに、支持板３８、３８、３８、３８を貫通し
て軸支された軸４０にはローラコンベヤ３６ｂの両端部
で支持するためのレバー４１、４１、４１、４１と、そ
の一端にはレバー４１、４１、４１、４１を上下させる
ためのカム４２が固着されている。

【００２５】縦送りコンベヤ４４はローラ４４ａとロー
ラ４４ｂ、４４ｂ・・からなり、ローラ４４ａは両軸端
が、機枠３３まで伸張し、内枠３５と機枠３３に軸支さ
れている。ローラ４４ｂ、４４ｂ・・・は両軸端が内枠
３５に軸支され機枠３３に取付けられたモーター４５に
より、スプロケット、チェーン等を介して苗箱並べ機１
の走行速度より速い周速度で回転駆動される。さらに、
内枠３５には横送りコンベヤ３６で整列して搬送される
先頭の苗箱を所定の位置に停止するストッパ３５ｂ、３
５ｂと苗箱搬送台４上に整列して並ぶ各苗箱に対応する
位置に後向きに突出する弾性体４３が設けられている。
弾性体４３は弾性帯状材が好ましいが、ピアノ線等の弾
性線材を苗箱Ｃの通過する内枠３５の後端縁全幅に亘り
櫛歯状に設けてもよい。また、ローラ４４ｂ、４４ｂ・
・・はゴムロール等摩擦係数の大きいものを用いること
が望ましい。

【００２６】また、内枠３５は図５に示すごとく、ロッ
ドの先端を枠３５に設けたアーム３５ａに、本体後部を
機枠３３に取付けたブラケット３３ａにそれぞれピンで
取付けらた電動シリンダ４６のロッドを伸張すると水平
となり、ロッドを縮めると、図６に示すごとくローラ４
４ａの軸を中心にして後方に傾斜する。また、内枠３５
が水平のときはカム４２が機枠３３のカムガイド３３ａ
と密接していてレバー４１、４１、４１、４１は支持板
３８、３８、３８、３８の凹溝の底面に支持されたロー
ラコンベヤ３６ｂをばね３９、３９・・・の張力に抗し
て押し上げ、その底部が上記凹溝の底面から離れた状態
に支持されている。このときローラコンベヤ３６ｂ、ロ
ーラコンベヤ３６ａ及びローラ９、９・・・の上面は同
じ高さにあって、ローラ４４ａ、４４ｂの上面より少し
高い位置に保たれている。

【００２７】また、図６に示すように、内枠３５を弾性
体４３、４３、４３、４３の先端が苗床に接地する設定
角度まで傾斜させると、カムガイド３３ａに密接してい
たカム４２はカムガイド３３ａから離れ、ばね３９、３
９・・・の作用でレバー４１、４１、４１、４１に支持
されていたローラコンベヤ３６ｂは支持板３８、３８、
３８、３８の凹溝の底で支持されるようになる。またロ
ーラーコンベヤ３６ａは支持板３７、３７・・・により
機枠３３に取付けられているので内枠３５が傾斜すると
ローラコンベヤ３６ａ、３６ｂの上面はローラ４４ａ、
４４ｂの上面より低くなり、横送りローラ３６上に整列
して並べられた苗箱Ｃ、Ｃ、・・・はその状態を保ち縦
送りローラ４４上へ自動的に移載される。

【００２８】苗箱運搬台車５０は図７、８に示すごと
く、苗箱Ｃを長手方向に前後に並べて積載できるローラ
コンベヤ５１に台車３のロラーコンベヤ５と同じ高さに
上面を揃えて両フランジ付の車輪５２、５２、５２、５
２を前後左右に設け、前後何れか一方の車軸をローラコ
ンベヤ５１の下部に設けたモータ５３により、スプロケ
ット、チェーン等を介して回転駆動し軌道２に沿って走
行自在であり、また、ローラコンベヤ５１の各ローラは
モータ５３により、スプロケット、チェーン等を介して
回転駆動される。

【００２９】ローラコンベヤ５１の上部左右の両側には
苗箱Ｃをガイドするガイド板５５、５５が、下部にはバ
ッテリー５６とコントローラ５７が取付けられている。
モータ５３、５４とバッテリー５６とはコントローラ５
７を介してケーブルで接続されていて、コントローラ５
７で予め決められた作動順序に合わせて連続して自動的
に苗箱運搬台車５０を制御する。

【００３０】図９は、苗床における苗箱並べ機１及び苗
箱運搬台車５０等の配置状態を示すもので、苗床の中央
及び一側に縦に管状の軌道２、２、２ａを平行に敷設
し、苗箱並べ機１の車輪２２、２２、２２、２２を、軌
道２、２上に、車輪３４、３４を軌道２ａ上にそれぞれ
走行自在に設置し、苗箱運搬台車５０を台車３の後方
で、軌道２、２上に走行自在に設置し、ストッパー５５
ａの付近を床土入れと播種、鎮圧を終えた苗箱の集積所
とする。

【００３１】次に苗箱並べ機１と苗箱運搬台車５０等の
操作について説明する。苗箱並べ機１と苗箱運搬台車５
０を苗箱集積所のあるストッパ５５ａの所に移動させ
て、苗箱並べ機１のローラコンベヤ５上及び苗箱運搬台
車５０のローラコンベヤ５１上に前後に並設してそれぞ
れ所定枚数の苗箱Ｃを積載し（図４及び図８参照）、苗
箱並べ機１を苗箱並べ開始位置に移動し、その直後に苗
箱運搬台車５０を苗箱並べ機の後に連接して配置し、苗
箱並べ機１と苗箱運搬台車５０の電源を入れると、電動
シリンダ２８のロッドが伸張し、それにより回転レバー
２５、連結稈２９、２９、リフトレバー２４、２４、が
連動しリフト爪２６、２６、２６、２６が下から２番目
の苗箱Ｃの縁の下側に上昇移動（図４に鎖線で示す）し
て支え一番下の苗箱Ｃをローラコンベヤ５上に残し、下
から２枚目以上の苗箱Ｃを持ち上げると、モーター１８
が回転し一対のチェーンコンベヤ７、７が苗箱搬送台４
に向かって回転する。

【００３２】チェーンコンベヤ７、７が回転するとロー
ラコンベヤ５上に残された１枚目の苗箱Ｃがチェーン１
５、１５の突起１６、１６に側面を押されて横送りコン
ベヤ３６上に移載されると、電動シリンダ２８のロッド
が収縮してリフト爪２６、２６、２６、２６で持ち上げ
られた苗箱Ｃがローラコンベヤ５上に降ろされた後、再
び電動シリンダ２８のロッドが伸張し、以後上記と同じ
様にして２枚目、３枚目・・・・の苗箱Ｃが順次横送り
コンベヤ３６上に移載される。

【００３３】横送りコンベヤ３６上に移載された苗箱Ｃ
は前後の苗箱が連接し、後の苗箱が前の苗箱を押して整
列して並べられ、先頭の苗箱Ｃがストッパ３５ｂ、３５
ｂに到達するまで並べられると、一対のチェーンコンベ
ヤ７、７及びリフト装置６は最初の所定の位置に戻り停
止する。続いて電動シリンダー４６のロッドが収縮して
内枠３５が後方に傾斜を始めると、カム４２はガイド３
３ａから離れ、レバー４１、４１、４１、４１に底部を
押し上げられて支持されていたローラコンベヤ３６ｂ
は、ばね３９、３９・・・の引っ張り力で支持板３８、
３８、３８、３８の凹溝の底へ引き下げられて支持され
る。また、ローラーコンベヤ３６ａは機枠３３に取付け
られているので内枠３５が傾斜すると横送りコンベヤ３
６の上面は縦送りコンベヤ４４の上面より低くなり、横
送りコンベヤ３６の上に整列した複数の苗箱Ｃ、Ｃ・・
・は縦送りコンベヤ４４上に移載される。

【００３４】内枠３５は弾性体４３、４３、４３、４３
の先端が苗床の面に接地する設定角度まで傾斜した後、
モータ４５が回転してローラ４４ｂ、４４ｂ・・・が回
転し、縦送りローラコンベヤ４４上の苗箱Ｃ、Ｃ・・・
を、その後端が弾性体４３、４３、４３、４３の先端と
揃う最下端位置（図６の状態）に達すると、モータ２３
もともに回転して、苗箱並べ機１を前方に移動させ、苗
箱を苗床に降ろしていく。苗箱の後端部が苗床に接地
し、苗箱の前端部が最後部にあるロール４４ｂを通過す
るとモータ４５が停止すが、苗箱並べ機１が続けて前進
すると、苗箱は既に苗床の面に降ろされた後端部と苗床
の面との摩擦力の作用で置き残され、弾性体４３、４
３、４３、４３に沿って苗床上に次第にに降ろされる。

【００３５】さらに、苗箱並べ機１が前進し苗箱Ｃの縦
の長さ一枚分だけ前進したところで停止しすると、苗箱
は完全に降ろされるが、弾性体４３、４３、４３、４３
の先端が苗床に接地しているため、苗箱は最後まで衝撃
を受けずに一列目の苗箱が降ろされる。次の並べ作業の
ために内枠３５が水平に復帰すると、電動シリンダ２８
が再び作動して上記と同じようにして２列目以降の苗箱
が先に並べた苗箱の列の前に連接して順次並べられる。

【００３６】また、苗箱運搬台車５０は台車３の後部に
当接した状態で苗箱並べ機１と一緒に前進し、台車３上
に積載された苗箱が無くなり内枠３５が傾斜すると、モ
ータ５４とモータ８が同時に回転して、苗箱運搬台車５
０上に前後方向に積載された苗箱Ｃ、Ｃ・・・を前から
順に台車３上に移載する。全ての苗箱を台車３に移載し
終えた苗箱運搬台車５０はストッパー５５ａの所まで行
って苗箱Ｃ、Ｃ・・・を積載して戻り台車３の後部に当
接する。上記と同じ動作を繰返し行い苗床に苗箱Ｃ、Ｃ
・・・を順次整列して並べ、台車３が軌道２の前方に設
けたストッパー５５ｂに到達すると苗箱並べ機１は自動
的に停止しする。

【００３７】上記実施例においては内枠３５の後端縁に
は苗箱搬送台４上に整列して並ぶ各苗箱に対応する位置
に後向きに突出する弾性帯状材の弾性体４３を使用し、
その先端を苗床面の面に当接させた後、苗箱並べ機１が
前進して停止する間苗床の面に当接させておき、弾性体
４３から苗箱Ｃの後端部が離れるときも、また、前端部
が最後に離れるときも衝撃を受けることなく苗床の面に
置かれるようにするためである。すなわち、苗床の上面
は平らに均したようであってもうねりがあって前後左右
にかなりの高低差があり、また、軌道２、２、２ａの高
さも前後方向にかなり変動するので、内枠３５を弾性体
４３、４３、４３、４３の先端が苗床に接地する設定角
度まで傾斜した後、苗箱並べ機１を前進して苗箱を苗床
の面に降ろす間における弾性体４３の先端部と苗床の面
との総体高さは変動し、また、各々の弾性体４３、４
３、４３、４３の位置毎に変動する。従って、仮に弾性
体４３に代えて剛体の部材を使用したとすると、弾性体
４３のように苗箱の重量で湾曲して、苗床の面に変動が
あっても常に苗床に接地せておくことは不可能である。
そして、苗床の面が下がり剛体の部材が苗床の面に接地
していないときに苗箱の前端が該部材から離れると、苗
箱は苗床に落下しその衝撃でマット苗箱の床土や種子が
飛び出たり、均等に播かれた種子が床土とともに一方に
片寄ることになる。

【００３８】なお、上記実施例においては台車３の左側
に軌道２ａと苗箱搬送台４を設けた苗箱並べ機１につい
て説明したが、台車３の右側にも左側の苗箱搬送台４と
対象に苗箱搬送台４と軌道２ａを同時に設けた苗箱並べ
機１とし、台車３の左右の苗床に同時に苗箱Ｃ、Ｃ・・
・・を自動的に整列して並べるようにすることも可能で
ある。

【００３９】

【発明の効果】本発明によれば、苗枠のマット苗箱等の
非可撓性の苗箱の中の床土や種子が飛出したり、均等に
播かれた種子が床土とともに一方に片寄り発芽斑や発芽
不良の原因となるような衝撃を与えることなく、殆ど自
動的に苗箱の並べ作業ができて労力が大きく軽減され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係わる苗箱並べ機の平面図である。

【図２】同じく正面図である。

【図３】実施例の台車の平面図である。

【図４】同じく側面図である。

【図５】図１におけるＸ−Ｘ断面図である。

【図６】図５において苗箱搬送台の内枠を傾斜した図で
ある。

【図７】実施例の苗箱運搬台車の平面図である。

【図８】同じく側面図である。

【図９】苗床面に苗箱並べ機及び苗箱運搬台車を配置し
た状態を示す図である。

【符号の説明】

１ 苗箱並べ機 ３ 台車 ４ 苗箱搬送台 ５ ローラコンベヤ ６ リフト装置 ７ チェーンコンベヤ １５ チェーン １６ 突起 ２６ リフト爪 ３３ 機枠 ３５ 内枠 ４３ 弾性体 ５０ 苗箱運搬台車

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平８−112011ＪＰ，Ａ) 特開 平８−172819（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−316879（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01G 9/00 - 9/02 A01C 7/08 A01C 11/00

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台車に積載された苗箱を内枠に１枚ずつ
   搬送して、整列して載置した複数の苗箱を整列を保った
   まま苗床に並べる方法であって、台車に積載された苗箱
   の下から順に１枚ずつ、横送りコンベヤと縦送りコンベ
   ヤ及び苗箱を整列して載置した複数の各苗箱に対応する
   位置に後向きに突出する弾性体を備える内枠に搬送し、
   複数の苗箱を整列して載置後、該苗枠を弾性体の先端部
   が苗床の面に接地するように後方に傾斜して、苗箱を横
   送りコンベヤから縦送りコンベヤに移載せしめた後、苗
   箱の後部が弾性体の先端部に揃う最下端位置まで搬送し
   たところからは同時に内枠を前進させることにより、苗
   箱を弾性体上を経て苗床に降ろすことを特徴とする苗箱
   並べ方法。
2. 【請求項２】 内枠を後方に傾斜し苗箱を苗床に降す間
   は、弾性体の先端が苗床に当接していることを特徴とす
   る請求項１に記載された苗箱並べ方法。
3. 【請求項３】 弾性体が弾性線材又は弾性帯状材からな
   り、非可撓性のマット苗箱を並べることを特徴とする請
   求項１又は２に記載された苗箱並べ方法。
4. 【請求項４】 苗箱を敷設された軌道方向に搬送するロ
   ーラコンバヤと、該ローラコンベヤ上に積載された苗箱
   の一番下の苗箱１枚をローラコンベヤ上に残し、２番目
   以上の苗箱を持ち上げるリフト装置と、上記ロ一ラコン
   ベヤ上に残された一番下の苗箱１枚を横方向に搬送する
   一対のチェーンコンベヤを備え、敷設された軌道に沿っ
   て走行する台車と一方の端は台車に付設され他方の端は
   軌道を走行するように車輪が取付けられた機枠に横送り
   コンベヤと縦送りコンベヤを設けた内枠の後方側におい
   て横送りコンベヤ上に整列して並べられた各苗箱に対応
   する位置に後向きに突出する弾性体を備え、その内枠が
   後方に傾斜可能とされた苗箱搬送台とを有し、全体が敷
   設された軌道に沿って走行することを特徴とする苗箱並
   べ機。
5. 【請求項５】 弾性体が弾性線材又は弾性帯状材からな
   ることを特徴とする請求項４に記載された苗箱並べ機。
6. 【請求項６】 内枠は横送りコンベヤが互いに平行な一
   対のローラコンベヤからなり、その上面は縦送りコンベ
   ヤの上面より高く設けられていて、内枠を後方に傾斜す
   ると縦送りコンベヤの上面より低くなり、横送りコンベ
   ヤ上に整列して並べられた苗箱は縦送りコンベヤ上に自
   動的に移載されるようにしたことを特徴とする請求項５
   に記載された苗箱並べ機。