JP3084609B2 - トレハロース含有シラップ - Google Patents

トレハロース含有シラップ

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JP3084609B2 JP08112159A JP11215996A JP3084609B2 JP 3084609 B2 JP3084609 B2 JP 3084609B2 JP 08112159 A JP08112159 A JP 08112159A JP 11215996 A JP11215996 A JP 11215996A JP 3084609 B2 JP3084609 B2 JP 3084609B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレハロース含量をで
きるだけ高めた安定なシラップに関し、詳細には、トレ
ハロースを水分当たり溶解度量を越えて溶解含有してい
るとともに、他の糖質を溶解含有している難晶出性乃至
非晶出性のトレハロース高含有シラップ及びその用途に
関し、また、トレハロース高含有シラップからのトレハ
ロースの晶出抑制方法に関し、更には、還元性及び/又
は非還元性の糖質を有効成分とするトレハロース晶出抑
制剤とそれを溶解含有せしめることを特徴とするトレハ
ロースの晶出抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トレハロース(α,α−トレハロース)
(以下、本明細書において、『α,α−トレハロース』
は、特に断りがない限り『トレハロース』と略記す
る。)は、グルコースを構成糖とする非還元性糖質とし
て古くから知られており、その存在は、『アドバンシズ
・イン・カーボハイドレイト・ケミストリー(Adva
nces in Carbohydrate Chem
istry)』、第18巻、第201乃至225頁(1
963年)アカデミック・プレス社(米国)及び『アプ
ライド・アンド・エンビロメンタル・マイクロバイオロ
ジー(Appliedand Environment
al Microbiology)』、第56巻、第3
213乃至3215頁(1990年)などにも記載され
ているように、少量ながら、微生物、きのこ、昆虫など
広範囲に及んでいる。トレハロースのような非還元性糖
質は、アミノ酸や蛋白質等のアミノ基を有する物質とア
ミノカルボニル反応を起こさず、含アミノ酸物質を損な
わないことから、褐変、劣化を懸念することなく利用、
加工できることが期待され、その工業的製造方法の確立
が望まれている。
【0003】トレハロースの製造方法としては、例え
ば、特開昭50−154485公報で報告されている微
生物菌体を用いる方法や、特開昭58−216695公
報で提案されているマルトース・ホスホリラーゼとトレ
ハロース・ホスホリラーゼとの組合せでマルトースを変
換する方法などが知られている。しかしながら、微生物
菌体を用いる方法は、該菌体を出発原料とし、これに含
まれるトレハロースの含量が、通常、固形物当たり15
w/w%(以下、本明細書では、特にことわらない限
り、w/w%を単に%と略称する。)未満と低く、その
上、これを抽出、精製する工程が煩雑で、工業的製造方
法としては不適である。また、マルトース・ホスホリラ
ーゼ及びトレハロース・ホスホリラーゼを用いる方法
は、いずれもグルコース−1リン酸を経由しており、そ
の基質濃度を高めることが困難であり、また、両酵素の
反応系が可逆反応で目的物の生成率が低く、更には、両
酵素の反応系を安定に維持して反応をスムーズに進行さ
せることが困難であって、未だ、工業的製造方法として
実現するに至っていない。
【0004】これに関係して、『月刊フードケミカ
ル』、8月号、第67乃至72頁(1992年)、「澱
粉利用開発の現状と課題」の「オリゴ糖」の項におい
て、「トレハロースについては著しく広い応用範囲が考
えられるが、本糖の澱粉糖質からの直接糖転移、加水分
解反応を用いた酵素的生産は、現在のところ学術的には
不可能であるといわれている。」と記載されているよう
に、澱粉を原料とし、酵素反応によってトレハロースを
製造することは、従来、学術的にも不可能であると考え
られてきた。
【0005】一方、澱粉を原料として製造させる澱粉部
分分解物、例えば、澱粉液化物、各種デキストリン、各
種マルトオリゴ糖などは、通常、その分子の末端に還元
基を有し還元性を示すことが知られている。このような
澱粉部分分解物を、本明細書では、還元性澱粉部分分解
物と称する。一般に、還元性澱粉部分分解物は、固形物
当たりの還元力の大きさをデキストロース・エクイバレ
ント(Dextrose Equivalent,D
E)として表している。この値の大きいものは、通常、
分子が小さく低粘度で、甘味が強いものの、反応性が強
く、アミノ酸や蛋白質などのアミノ基を持つ物質とアミ
ノカルボニル反応を起こし易く、褐変し、悪臭を発生し
て、品質を劣化し易い性質のあることが知られている。
【0006】このような還元性澱粉部分分解物の種々の
特性は、DEの大小に依存しており、還元性澱粉部分分
解物とDEとの関係はきわめて重要である。従来、当業
界では、この関係を断ち切ることは不可能とさえ信じら
れてきた。
【0007】これを解決するために、本出願人は、先
に、特願平5−349216号明細書で、グルコース重
合度3以上から選ばれる1種又は2種以上の還元性澱粉
部分分解物から分子の末端にトレハロース構造を有する
非還元性糖質を生成する新規非還元性糖質生成酵素(本
酵素を、本明細書を通じて、非還元性糖質生成酵素と称
する。)を開示し、本非還元性糖質生成酵素を利用し
て、還元性澱粉部分分解物から分子の末端にトレハロー
ス構造を有するグルコース重合度3以上の非還元性糖質
並びにこれら糖質からのトレハロース製造方法を確立し
た。
【0008】また、本出願人は、特願平6−79291
号明細書で、分子の末端にトレハロース構造を有するグ
ルコース重合度3以上の非還元性糖質のトレハロース部
分とそれ以外の部分との間の結合を特異的に加水分解す
る新規トレハロース遊離酵素(本酵素を、本明細書を通
じて、トレハロース遊離酵素と称する。)を開示し、前
述の非還元性糖質生成酵素と本トレハロース遊離酵素と
を併用して還元性澱粉部分分解物から比較的高収量のト
レハロースの製造方法を確立した。更に、本出願人は、
特願平6−144092号明細書でマルトースをトレハ
ロースに直接変換するマルトース・トレハロース変換酵
素を開示し、マルトースから又は還元性澱粉部分分解物
から調製したマルトースから比較的高収量のトレハロー
スの製造方法を確立した。
【0009】その後、トレハロースの用途を種々検討し
ている過程で、トレハロース含水結晶、トレハロース無
水結晶などの結晶性粉末製品だけでなく、タンク貯蔵、
ポンプ輸送、タンクローリー輸送が可能で、取扱いに便
利なトレハロース高含有シラップの必要性の高いことが
判明した。しかしながら、トレハロースは、水に対する
溶解度が比較的低く、飽和に達しない程度の溶液は濃度
も低く、容易に微生物が繁殖して汚染を受けることが判
明し、また、逆に、トレハロースの過飽和溶液は室温下
できわめて不安定で容易にトレハロース含水結晶の析出
を起こし、沈澱を生じてシラップの特長である均質流動
性を失い易く、タンク貯蔵、ポンプ輸送などに重大な支
障をきたすことが判明した。そこで、トレハロース含量
をできるだけ高めた安定なシラップの確立が望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トレハロー
ス含量をできるだけ高めるとともに、室温下で難晶出性
乃至非晶出性であって、かつ、微生物汚染を受けにくい
安定なトレハロース高含有シラップとその用途を提供す
るものであり、更に、トレハロース高含有シラップから
のトレハロースの晶出抑制方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するためにトレハロースの晶出抑制方法に着目
し、できるだけ高濃度にトレハロースを溶解含有させ、
室温下で安定なシラップを確立することを目的に鋭意研
究した。その結果、トレハロースを水分当たり溶解度量
を越えて溶解含有させるとともに他の糖質を溶解させた
シラップが、望ましくは、トレハロースを溶解度量を越
えて溶解含有させるとともに、他の糖質をトレハロース
量以上の量を溶解含有させたシラップが、更に望ましく
は、シラップ当たりトレハロースを18.5乃至25.
0%溶解含有するとともに、他の糖質をトレハロース量
以上の量を溶解含有している水分25乃至35%のトレ
ハロース高含有シラップが室温下で安定であり、本目的
に合致することを見出し本発明を完成した。
【0012】本発明でいう、トレハロースを水分当たり
溶解度量を越えて溶解含有しているとともに、他の糖質
を溶解含有しているトレハロース高含有シラップとして
は、望ましくは、トレハロースがシラップ当たり18.
5乃至25.0%の範囲の量で含まれている溶液であっ
て、これに他の糖質をトレハロース量以上共存して溶解
含有しており、室温下で難晶出性乃至非晶出性のシラッ
プであればよく、その製造方法は問わない。例えば、予
め、水にトレハロースを所定量を加えて加熱溶解させ、
次いで、これに他の糖質をトレハロース量以上溶解含有
させてもよいし、また、トレハロースを加熱溶解して調
製した高濃度溶液と別に調製した他の糖質の高濃度溶液
とを目的に適うように混合して製造してもよい。
【0013】また、本発明で用いるトレハロースもその
製造方法は問わない。一般的には、高純度で高価なトレ
ハロース原料を用いるよりもトレハロースとともに他の
糖質を随伴している比較的純度の低い安価な原料が有利
に用いられる。他の糖質を随伴しているトレハロース原
料としては、例えば、本出願人が特願平5−34921
6号明細書、特願平6−79291号明細書、特願平6
−165815号明細書などで開示した還元性澱粉部分
分解物に非還元性糖質生成酵素やトレハロース遊離酵素
を作用させるか、又は、特願平6−144092号明細
書で開示したマルトース・トレハロース変換酵素を作用
させるなどして得られるトレハロース含有シラップや、
それを濃縮、晶出させたトレハロース含水結晶含有マス
キットを分蜜して得られる母液などがある。このような
トレハロース含有溶液は、通常、固形物当たり40乃至
80%程度含有しており、本発明のシラップ原料として
有利に用いられる。
【0014】他の糖質としては、水に易溶性であって、
トレハロースの晶出を抑制しうる糖質が望ましい。一般
的には、例えば、グルコース、フラクトース、マルトー
ス、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトト
リオース、パノース、マルトテトラオース、マルトペン
タオースなどの還元性単糖類やオリゴ糖、更には、ソル
ビトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチト
ール、パニトール、ネオトレハロース、蔗糖、ラフィノ
ース、エルロース、ラクトスクロース、α−グリコシル
トレハロース、α−グリコシル α−グリコシド、α−
グリコシルスクロースなどの非還元性の単糖類やオリゴ
糖などが用いられる。また、これら糖質は、トレハロー
スの晶出抑制剤の有効成分として用いることも有利に実
施され、とりわけ、2種以上の還元性及び/又は非還元
性の糖質であって、かつ五糖類以下の糖質が好適であ
る。
【0015】本発明のトレハロース高含有シラップを甘
味料として用いる場合には、トレハロースに共存させる
トレハロース晶出抑制剤として、五糖類以下、望ましく
は四糖類以下の比較的分子量が小さく甘味度の高い糖質
を有効成分として用いるのが望ましく、市販の混合糖質
含有シラップを用いる場合には、例えば、マルトース高
含有シラップ、マルトテトラオース高含有シラップ、パ
ノース高含有シラップ、砂糖結合水飴、ラクトスクロー
ス高含有シラップ、マルチトール高含有シラップなどを
用いることが有利に実施できる。また、トレハロースの
晶出抑制効果を高めるには、共存する他の糖質をトレハ
ロース量と等量以上、望ましくは1.5倍量以上に高
め、その種類を1種よりも2種以上に増すのが望まし
い。また、必要ならば、本発明のトレハロース晶出抑制
剤とともに、例えば、有機酸、ミネラル、アミノ酸、ペ
プチドなどの1種又は2種以上を含有させてトレハロー
スの晶出抑制効果を増強することも随意である。
【0016】更に、所定量のトレハロースを溶解含有す
るとともに、他の糖質を溶解含有させた本発明のトレハ
ロース高含有シラップを、直接、澱粉から、又はマルト
ースから製造することも有利に実施できる。澱粉から直
接製造する場合には、例えば、本出願人が、先に、特願
平6−165815号明細書で開示した方法に準じて、
濃度10%以上の澱粉乳に酸又はα−アミラーゼを作用
させてDE15以上の液化溶液とし、これに澱粉枝切酵
素、非還元性糖質生成酵素及びトレハロース遊離酵素を
作用させて、トレハロースを固形物当たり28乃至33
%程度生成させ、次いで、α−アミラーゼ、β−アミラ
ーゼ、グルコアミラーゼ及びシクロマルトデキストリン
・グルカノトランスフェラーゼから選ばれる酵素を1種
又は2種以上作用させ、これを常法にしたがって、加熱
失活し、活性炭で脱色、イオン交換樹脂(H型、OH
型)で脱塩精製し、濃縮して、シラップ当たりトレハロ
ースを18.5乃至25.0%とともに、マルトース、
グルコースなどの他の糖質を含有させた水分25乃至3
5%のトレハロース高含有シラップを採取すればよい。
【0017】また、マルトースから直接製造する場合に
は、例えば、本出願人が、先に、特願平6−14409
2号明細書で開示した方法に準じて、マルトース高含有
糖液にマルトース・トレハロース変換酵素を作用させて
トレハロースを固形物当たり、28乃至33%程度生成
させ、これを常法にしたがって、精製し濃縮して、シラ
ップ当たりトレハロースを18.5乃至25.0%とと
もにマルトースなどの他の糖質を含有させた水分25乃
至35%のトレハロース高含有シラップを採取すればよ
い。
【0018】このようにして得られるトレハロース高含
有シラップは、冬場の10℃以下の温度においても難晶
出性乃至非晶出性で、取扱い容易であり、従来の澱粉糖
と比較して、低DE、望ましくは、DE50未満で、低
粘度、高甘味シラップとして各種飲食物、化粧品、医薬
品など各種用途に有利に利用できる。本発明のトレハロ
ース高含有シラップは、これを煮詰めれば、トレハロー
スの晶出も見られず、高品質のハードキャンディーが得
られる。また、本発明のトレハロース高含有シラップ
は、浸透圧調節性、賦形性、照り付与性、保湿性、粘
性、他の糖の晶出防止性、難醗酵性、糊化澱粉の老化防
止性などの性質も具備している。
【0019】また、本発明のトレハロース高含有シラッ
プは、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤、賦形
剤などとして、飲食物、飼料、餌料、化粧品、医薬品な
どの各種組成物に有利に利用できる。
【0020】本発明のトレハロース高含有シラップは、
そのまま甘味付けのための調味料として使用することが
できる。必要ならば、例えば、粉飴、ブドウ糖、マルト
ース、蔗糖、異性化糖、蜂蜜、メープルシュガー、イソ
マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ
糖、ラクトスクロース、ソルビトール、マルチトール、
ラクチトール、ジヒドロカルコン、ステビオシド、α−
グリコシルステビオシド、レバウディオシド、グリチル
リチン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチ
ルエステル、サッカリン、グリシン、アラニンなどのよ
うな他の甘味料の1種又は2種以上の適量と混合して使
用してもよく、また必要ならば、デキストリン、澱粉、
乳糖などのような増量剤と混合して使用することもでき
る。
【0021】また、必要ならば、本発明のトレハロース
高含有シラップをトレハロース含水結晶と混合して、ト
レハロース含水結晶含有製品の品質を向上させることも
有利に実施できる。例えば、トレハロース含水結晶を含
有するアイシング、ソフトキャンディー、ボンボンなど
の製品を製造する場合には、トレハロース含水結晶に対
して、本発明のトレハロース高含有シラップを、固形物
当り、等量未満、望ましくは、50%未満使用して、ト
レハロース含水結晶含有製品に適度の保湿性、成形性、
結着性などを付与し、製造直後の高い品質を長期間維持
させることができる。
【0022】また、本発明のトレハロース高含有シラッ
プの甘味は、酸味、塩から味、渋味、旨味、苦味などの
他の呈味を有する各種物質とよく調和し、耐酸性、耐熱
性も大きいので、一般の飲食物の甘味付け、呈味改良
に、また品質改良などに有利に利用できる。
【0023】例えば、アミノ酸、ペプチド類、醤油、粉
末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、
マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし
酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、
焼肉のタレ、カレールウ、シチューの素、スープの素、
ダシの素、核酸系調味料、複合調味料、みりん、新みり
ん、テーブルシラップ、コーヒーシラップなど各種調味
料として有利に使用できる。
【0024】また、例えば、せんべい、あられ、おこ
し、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羮、水羊
羮、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、
パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、パイ、プリ
ン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリ
ーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレ
ート、チューインガム、キャラメル、キャンディーなど
の洋菓子、アイスクリーム、シャーベットなどの氷菓、
果実のシラップ漬、氷蜜などのシラップ類、フラワーペ
ースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、スプ
レッドなどのペースト類、ジャム、マーマレード、シラ
ップ漬、糖果などの果実、野菜の加工食品類、福神漬、
べったら漬、千枚漬、らっきょう漬などの漬物類、たく
あん漬の素、白菜漬の素などの漬物の素類、ハム、ソー
セージなどの畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、
かまぼこ、ちくわ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカ
の塩辛、酢こんぶ、さきするめ、ふぐみりん干しなどの
各種珍味類、のり、山菜、するめ、小魚、貝などで製造
されるつくだ煮類、煮豆、ポテトサラダ、こんぶ巻など
の惣菜食品、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、魚肉、
畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰類、清酒、合成酒、リ
キュール、洋酒などの酒類、コーヒー、紅茶、ココア、
ジュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼
飲料水、プリンミックス、ホットケーキミックス、即席
しるこ、即席スープなどの即席食品、更には、離乳食、
治療食、ドリンク剤、ペプチド食品、冷凍食品などの各
種飲食物への甘味付けに、呈味改良に、また、品質改良
などに有利に利用できる。
【0025】また、家畜、家禽、その他蜜蜂、蚕、魚な
どの飼育動物のために飼料、餌料などの嗜好性を向上さ
せる目的で使用することもできる。その他、タバコ、練
歯磨、口紅、リップクリーム、内服液、錠剤、トロー
チ、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香剤、うがい剤な
どの嗜好物、化粧品、医薬品などの各種組成物への甘味
剤として、又は呈味改良剤、矯味剤として、さらには品
質改良剤、安定剤などとして有利に利用できる。
【0026】品質改良剤、安定剤としては、有効成分、
活性などを失い易い各種生理活性物質又はこれを含む健
康食品、医薬品などに有利に適用できる。例えば、チア
ミン、リボフラビン、L−アスコルビン酸、肝油、カロ
チノイド、エルゴステロール、トコフェロールなどのビ
タミン、リパーゼ、エラスターゼ、ウロキナーゼ、プロ
テアーゼ、β−アミラーゼ、イソアミラーゼ、グルカナ
ーゼ、ラクターゼなどの酵素、薬用人参エキス、スッポ
ンエキス、クロレラエキス、アロエエキス、プロポリス
エキスなどのエキス類、ウイルス、乳酸菌、酵母などの
生菌、ローヤルゼリーなどの各種生理活性物質も、その
有効成分、活性を失うことなく、安定で高品質の液状、
ペースト状又は固状の健康食品や医薬品などに容易に製
造できることとなる。
【0027】以上述べたような各種組成物に、本発明の
トレハロース高含有シラップを含有せしめる方法は、そ
の製品が完成するまでの工程に含有せしめればよく、例
えば、混和、溶解、浸漬、浸透、散布、塗布、被覆、噴
霧、注入、固化など公知の方法が適宜選ばれる。その量
は、通常0.5%以上、望ましくは1%以上含有せしめ
るのが好適である。
【0028】次に実験により本発明をさらに具体的に説
明する。
【0029】
【実験1 トレハロースの水に対する溶解度に与える環
境温度の影響】室温環境下での水に対するトレハロース
の溶解度を調べた。即ち、ガラス製ビーカーに水10重
量部、及びトレハロース含水結晶20重量部を入れ、こ
れを撹拌混合しつつ、温度10℃、15℃、20℃、2
5℃、30℃及び40℃の恒温室に24時間保ち、次い
で濾過し、濾液中のトレハロース濃度を測定し、各温度
での水100gに対するトレハロース(無水物として
の)溶解度を求めた。結果は表1にまとめた。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から、トレハロースの水に対す
る溶解度は比較的低く、室温下で晶出し易い糖質である
ことが判明した。
【0032】
【実験2 室温環境下でのトレハロース晶出抑制効果に
与える還元性糖質共存の影響】トレハロースを水に対し
て15℃での飽和量に相当する量を加熱溶解し、これに
他の糖質として還元性糖質を溶解含有させて、比較的低
温に放置し、トレハロースの晶出抑制効果を調べた。即
ち、実験1の結果から、15℃での水30重量部に対す
るトレハロースの飽和量は18.5重量部となり、この
関係を利用して、試験溶液組成を、表2に示すように、
水30重量部、トレハロース18.5重量部及び他の糖
質としてグルコース、マルトース、マルトトリオース、
マルトテトラオースなどを各種重量部になるようにガラ
ス製ビーカーに加熱溶解させ、これをそれぞれ5℃、1
0℃、15℃の恒温室に一週間放置し、トレハロースの
晶出の有無を肉眼観察し、トレハロースの晶出抑制効果
を判定した。結果は表2にまとめた。
【0033】
【表2】
【0034】表2の結果から明らかなように、トレハロ
ースを溶解度量を越えてシラップ当たり18.5%溶解
含有させた場合のトレハロースの晶出は、還元性糖質の
共存、とりわけ、トレハロース量と等量以上、望ましく
はトレハロース量の1.5倍量以上の還元性糖質を溶解
含有させることによって抑制されることが判明し、ま
た、その抑制作用は還元性糖質2種以上を溶解含有させ
ることにより増強され、5℃においても晶出の見られな
いことが判明した。
【0035】
【実験3 室温環境下でのトレハロース晶出抑制効果に
与える非還元性糖質共存の影響】トレハロースを水に対
して25℃での飽和量に相当する量を加熱溶解して、こ
れに他の非還元性糖質を溶解含有させて、比較的低温に
放置し、トレハロースの晶出抑制効果を調べた。即ち、
実験1の結果から、25℃での水30重量部に対するト
レハロースの飽和量は23.2重量部となり、この関係
を利用して、試験溶液の組成を、表3に示すように、水
30重量部、トレハロース23.2重量部及び他の非還
元性糖質としてソルビトール、マルチトール、マルトト
リイトール、蔗糖などを各種重量部になるようにガラス
製ビーカーに加熱溶解させ、これを10℃、20℃、2
5℃の恒温室に一週間放置し、トレハロースの晶出の有
無を肉眼観察し、トレハロースの晶出抑制効果を判定し
た。結果は表3にまとめた。
【0036】
【表3】
【0037】表3の結果から明らかなように、トレハロ
ースを溶解度量を越えてシラップ当たり23.2%溶解
含有させた場合のトレハロースの晶出は、他の非還元性
糖質の共存、とりわけ、トレハロース量以上の他の非還
元性糖質を溶解含有させることによって抑制されること
が判明し、また、その抑制作用は他の非還元性糖質2種
以上を溶解含有させることにより増強され、10℃にお
いても晶出の見られないことが判明した。
【0038】
【実験4 室温環境下でのトレハロース高含有シラップ
の微生物汚染に与える水分の影響】トレハロース水溶液
及びトレハロースと他の糖質とを含有するトレハロース
高含有シラップを用いて、微生物汚染とトレハロースの
晶出に与える水分の影響を調べた。即ち、試験溶液の組
成は、表4に示すように、水の各種重量部に対してトレ
ハロース23.2重量部になるように溶解させたトレハ
ロース水溶液、又は水の各種重量部に対してトレハロー
ス23.2重量部、グルコース10重量部、マルトース
16.8重量部、マルチトール10重量部及び蔗糖10
重量部になるように加熱溶解させたトレハロース高含有
シラップとし、これらをそれぞれガラス製ビーカーに入
れ、15℃の室内に2ヶ月間放置して、シラップ表面及
び内部での微生物繁殖による汚染状態を肉眼観察し、併
せてトレハロースの晶出の有無を肉眼観察した。結果は
表4にまとめた。
【0039】
【表4】
【0040】表4の結果から明らかなように本発明のト
レハロース高含有シラップは、シラップ当たり水分25
乃至35%で微生物汚染を受けず、トレハロース25%
以下で晶出も起こらず、室温で安定なシラップであるこ
とが判明した。
【0041】以下、本発明の若干の実施例を述べる。実
施例Aで本発明のトレハロース高含有シラップを、実施
例Bで該シラップを用いる組成物を述べる。
【0042】
【実施例A−1】トレハロースを水に濃度約50%にな
るように加熱溶解した溶液1重量部に、トレハロース晶
出抑制剤としてDE43の酸糖化水飴(水分約20%)
1.5重量部を均一に混合して、シラップ当たりトレハ
ロース約20%とともに他の糖質を含有する水分約32
%、DE約30のトレハロース高含有シラップを製造し
た。本品は室温で安定、取扱い容易であり、甘味料、呈
味改良剤、品質改良剤などとして、各種飲食物、化粧
品、医薬品など各種組成物に有利に利用できる。
【0043】
【実施例A−2】とうもろこし澱粉を濃度30%の澱粉
乳とし、これにα−アミラーゼを作用させて、DE4の
液化溶液を得、次いで、特願平6−79291号明細書
で開示した非還元性糖質生成酵素を澱粉グラム当たり5
単位及びトレハロース遊離酵素を澱粉グラム当たり10
単位及びイソアミラーゼを澱粉グラム当たり500単位
加え、pH6.0、温度40℃で48時間反応させた。
本反応液を加熱して酵素を失活させた後、常法にしたが
って、脱色、脱塩して精製し、濃縮して濃度約55%の
シラップを得た。本シラップは、固形物当たりトレハロ
ースを約76%含有していた。本シラップ1重量部に、
トレハロース晶出抑制剤としてマルトース高含有シラッ
プ(株式会社林原商事販売、登録商標『マルトラッ
プ』、水分約20%)1重量部を均一に混合して、シラ
ップ当たりトレハロース約21%とともに他の糖質を含
有する水分約33%、DE約29のトレハロース高含有
シラップを製造した。本品は、室温で安定、取扱い容易
であり、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤などとして、
各種飲食物、化粧品、医薬品など各種組成物に有利に利
用できる。
【0044】
【実施例A−3】実施例A−2の方法で得られたトレハ
ロース含量約76%、濃度約55%のシラップを更に濃
縮して濃度約75%にして助晶缶にとり、これに種晶と
してトレハロース含水結晶1%を加えて撹拌しつつ徐冷
し、得られるマスキットを分蜜し、冷水でスプレー洗浄
して高純度トレハロース含水結晶と母液とを採取した。
本母液は、固形物当たりトレハロースを約46%含有
し、水分約32%であった。本母液2重量部に、トレハ
ロース晶出抑制剤としてマルトテトラオース高含有シラ
ップ(株式会社林原商事販売、登録商標『テトラッ
プ』、水分約28%)1重量部を均一に混合して、シラ
ップ当たりトレハロース約21%とともに他の糖質を含
有する水分約31%、DE約27のトレハロース高含有
シラップを製造した。本品は、室温で安定、取扱い容易
であり、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤などとして、
各種飲食物、化粧品、医薬品など各種組成物に有利に利
用できる。
【0045】
【実施例A−4】実施例A−3の方法で得た固形物当た
りトレハロースを約46%含有している水分約32%の
母液2重量部に、トレハロース晶出抑制剤としてパノー
ス高含有シラップ(株式会社林原商事販売、登録商標
『パノラップ』、水分約25%)1重量部を均一に混合
して、シラップ当たりトレハロース約21%とともに他
の糖質を含有する水分約30%、DE約37のトレハロ
ース高含有水飴を製造した。本品は、室温で安定、取扱
い容易で、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤などとし
て、更には、低う蝕性甘味料、ビフィズス菌増殖促進糖
質、カルシウム吸収促進糖質などとして、各種飲食物、
化粧品、医薬品など各種組成物に有利に利用できる。
【0046】
【実施例A−5】実施例A−3の方法で得た固形物当た
りトレハロースを約46%含有している水分約32%の
母液2重量部に、トレハロース晶出抑制剤として砂糖結
合水飴(株式会社林原商事販売、登録商標『カップリン
グシュガー』、水分約25%)1重量部を均一に混合し
て、シラップ当たりトレハロース約21%とともに他の
糖質を含有する水分約30%、DE約24のトレハロー
ス高含有シラップを製造した。本品は、室温で安定、取
扱い容易で、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤などとし
て、更には低う蝕性甘味料などとして各種飲食物、化粧
品、医薬品など各種組成物に有利に利用できる。
【0047】
【実施例A−6】実施例A−3の方法で得た固形物当た
りトレハロースを約46%含有している水分約32%の
母液2重量部に、トレハロース晶出抑制剤としてラクト
スクロース高含有シラップ(株式会社林原商事販売、登
録商標『乳果オリゴ』、水分約28%)1重量部を均一
に混合して、シラップ当たりトレハロース約21%とと
もに他の糖質を含有する水分約31%、DE約27のト
レハロース高含有シラップを製造した。本品は、室温で
安定、取扱い容易であり、甘味料、呈味改良剤、品質改
良剤などとして、更には、ビフィズス菌増殖促進糖質、
カルシウム吸収促進糖質などとして、各種飲食物、化粧
品、医薬品など各種組成物に有利に利用できる。
【0048】
【実施例A−7】実施例A−2の方法で得たトレハロー
ス高含有シラップをオートクレーブに入れ、ラネーニッ
ケル10%を添加し、撹拌しながら温度を90乃至12
0℃に上げ、水素圧を20乃至120kg/cm2に上
げて水素添加を完了させた後、ラネーニッケルを除去
し、次いで、常法にしたがって、脱色、脱塩して精製
し、濃縮して、シラップ当たりトレハロース約21%と
ともに他の非還元性糖質を含有する水分約30%、DE
1.0未満のトレハロース高含有シラップを製造した。
本品は、実質的に還元性を示さず、きわめて安定、取扱
い容易であり、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤などと
して、更には、低う蝕性甘味料、低カロリー甘味料など
として、各種飲食物、化粧品、医薬品など各種組成物に
有利に利用できる。
【0049】
【実施例A−8】とうもろこし澱粉を濃度30%の澱粉
乳とし、これにα−アミラーゼを作用させて、DE15
の液化溶液を得、次いで、特願平6−79291号明細
書で開示した非還元性糖質生成酵素を澱粉グラム当たり
5単位及びトレハロース遊離酵素を澱粉グラム当たり1
0単位及びイソアミラーゼを澱粉グラム当たり50単位
加え、pH6.0、温度40℃で24時間反応させ、次
いで、β−アミラーゼを澱粉グラム当たり10単位加え
て10時間反応させた。本反応液を加熱して酵素を失活
させた後、常法にしたがって、脱色、脱塩して精製し、
濃縮して、シラップ当たりトレハロース約22%ととも
に他の糖質を含有する水分約30%、DE約38のトレ
ハロース高含有シラップを製造した。本品は、室温で安
定、取扱い容易であり、甘味料、呈味改良剤、品質改良
剤などとして、各種飲食物、化粧品、医薬品など各種組
成物に有利に利用できる。
【0050】
【実施例A−9】マルトース高含有シラップ(株式会社
林原商事販売、登録商標『マルスター』)に水を加えて
濃度約40%溶液とし、これに特願平6−144092
号明細書で開示したマルトース・トレハロース変換酵素
をマルトースグラム当たり2単位加え、35℃、pH
7.0で16時間反応させた後、常法にしたがって、加
熱失活し脱色、脱塩精製し濃縮して、シラップ当たりト
レハロース約20%とともに他の糖質を含有する水分約
30%、DE42のトレハロース高含有シラップを製造
した。本品は、室温で安定、取扱い容易であり、甘味
料、呈味改良剤、品質改良剤などとして、各種飲食物、
化粧品、医薬品など各種組成物に有利に利用できる。
【0051】
【実施例A−10】実施例A−9の方法で得たトレハロ
ース高含有シラップを、実施例A−7の方法で水素添加
し、精製、濃縮して、シラップ当たりトレハロース約2
0%とともに他の非還元性糖質を含有する水分約30
%、DE1.0未満のトレハロース高含有シラップを製
造した。本品は、実質的に還元性を示さず、きわめて安
定、取扱い容易であり、甘味料、呈味改良剤、品質改良
剤などとして、更には、低う蝕性甘味料、低カロリー甘
味料などとして、各種飲食物、化粧品、医薬品など各種
組成物に有利に利用できる。
【0052】
【実施例B−1 乳酸菌飲料】脱脂粉乳175重量部、
実施例A−6の方法で得たトレハロース高含有シラップ
150重量部を水1,200重量部に溶解し、65℃で
30分間殺菌し、40℃に冷却後、これに、常法にした
がって、乳酸菌のスターターを30重量部植菌し、37
℃で8時間培養して乳酸菌飲料を得た。本品は、風味良
好な乳酸菌飲料である。また、本品は、オリゴ糖を含有
し、乳酸菌を安定に保持するだけでなく、ビフィズス菌
増殖促進作用をも有する。
【0053】
【実施例B−2 コーヒー】焙煎したコーヒー豆約10
0重量部粉砕し、これを熱水約1,000重量部で抽出
し、抽出液約860重量部を得た。本液約450重量部
に実施例A−7の方法で得たトレハロース高含有シラッ
プを約150重量部及び適量の重曹を含む水約400重
量部を均一に混合してpH約7のコーヒーを調製し、次
いで、これを常法にしたがって、缶に充填し、120
℃、30分間加熱滅菌して缶入りコーヒーを製造した。
本品は、香り、味とも良好な高品質のコーヒーである。
また、本品を自動販売機に入れ、60℃で1ヶ月間保持
した後も、その良好な風味をよく維持していた。また、
本品は、夏場向けに冷却して用いても、香り、味とも良
好な高品質のコーヒーである。
【0054】
【実施例B−3 ハードキャンディー】実施例A−6の
方法で得たトレハロース高含有シラップ100重量部を
減圧下で水分2%未満になるまで加熱濃縮し、これにク
エン酸0.5重量部及び適量のレモン香料と着色料とを
混和し、常法にしたがって成型し、製品を得た。本品
は、歯切れ、呈味良好で、糖の晶出、変形も起こらない
高品質のハードキャンディーである。
【0055】
【実施例B−4 あん】原料あずき10重量部に、常法
にしたがって、水を加えて煮沸し、渋切り、あく抜きし
て、水溶性夾雑物を除去して、あずきつぶあん約21重
量部を得た。この生あんに、蔗糖14重量部、実施例A
−7の方法で得たトレハロース高含有シラップ5重量部
及び水4重量部を加えて煮沸し、これに少量のサラダオ
イルを加えてつぶあんをこわさないように練り上げ、製
品のあんを約35重量部得た。本品は、色焼けもなく、
舌ざわりもよく、風味良好で、あんパン、まんじゅう、
だんご、もなか、氷菓などのあん材料として好適であ
る。
【0056】
【実施例B−5 いちごジャム】生いちご15重量部、
蔗糖6重量部、マルトース2重量部、実施例A−1の方
法で得たトレハロース高含有シラップ4重量部、ペクチ
ン0.05重量部、クエン酸0.01重量部をなべで煮
詰めてジャムを製造し、ビン詰めして製品とした。本品
は、風味、色調とも良好で、高品質のジャムである。
【0057】
【実施例B−6 パン】小麦粉100重量部、イースト
2重量部、砂糖5重量部、実施例A−8の方法で得たト
レハロース高含有シラップ2重量部及び無機フード0.
1重量部を、常法にしたがって、水でこね、中種を26
℃で2時間発酵させ、その後30分間熟成し、焼き上げ
た。本品は、色相、すだちともに良好で適度な弾力、温
和な甘味を有する高品質のパンである。
【0058】
【実施例B−7 カスタードクリーム】コーンスターチ
100重量部、実施例A−9の方法で得たトレハロース
高含有シラップ100重量部、マルトース80重量部、
蔗糖20重量部及び食塩1重量部を充分に混合し、鶏卵
280重量部を加えて撹拌し、これに沸騰した牛乳1,
000重量部を徐々に加え、更に、これを火にかけて撹
拌を続け、コーンスターチが完全に糊化して全体が半透
明になった時に火を止め、これを冷却して適量のバニラ
香料を加え、計量、充填、包装して製品を得た。本品
は、なめらかな光沢を有し、温和な甘味で美味である。
また、本品は糊化澱粉の老化が抑制され、その賞味期間
を大幅に延長できる。
【0059】
【実施例B−8 求肥】もち粉4重量部を水6重量部で
溶いて木枠に濡れ布巾を敷いたものに流し込み、これを
100℃で20分間蒸した後、これに実施例A−3の方
法で得たトレハロース高含有シラップ6重量部及び砂糖
2重量部を加えて充分に捏ねた後に成形し、求肥を得
た。本品は、風味良好である。また、本品は糊化澱粉の
老化が抑制され、その賞味期間を大幅に延長できる。
【0060】
【実施例B−9 アイシング】実施例A−2の方法で得
たトレハロース高含有シラップ80重量部に乳化剤(シ
ュガーエステル)1.2重量部を加熱混合し、次いで、ト
レハロース含水結晶(株式会社林原商事販売、商品名
「トレハオース」)107重量部を混合し、更に45℃
に保ちながら、油脂7.5重量部を混合してアイシング
を製造した。本品は、トレハロース微結晶を含有し、成
形性良好でべたつきもなく、経日変化の少ないアイシン
グである。
【0061】
【実施例B−10 ソフトキャンディー】実施例A−4
の方法で得たトレハロース高含有水飴60重量部とトレ
ハロース含水結晶(商品名「トレハオース」)180重
量部とを混合して加熱濃縮し、次いで20%プルラン溶
液15重量部及び10%寒天溶液60重量部を加えて同
様に加熱濃縮し、更に、乳クリーム70重量部、脱脂粉
乳120重量部、シュガーエステル1.5重量部及びマ
ーガリン40重量部を加え、Bx85になるまで加熱濃
縮した後、常法に従って成型し、ソフトキャンディーを
得た。本品は、トレハロースの微結晶を含有し、ミルク
風味豊かで、歯つきのないソフトキャンディーである。
また、砂糖を利用していないことより、虫歯の懸念のな
い健康キャンディーである。
【0062】
【実施例B−11 口中清涼キャンディー】実施例A−
3の方法で得たトレハロース高含有シラップ15重量
部、トレハロース含水結晶(商品名「トレハオース」)
285重量部、プルラン5重量部及び水100重量部を
混合し、加熱して112℃に煮詰め、これに15%l−
メントールアルコール溶液4重量部を混合した後、常法
に従って成型し、口中清涼キャンディーを得た。本品
は、トレハロースの微結晶を含有し、経時変化の少ない
口中清涼キャンディーである。
【0063】
【実施例B−12 ボンボン】実施例A−7の方法で得
たトレハロース高含有シラップ5重量部、トレハロース
含水結晶(商品名「トレハオース」)300重量部及び
水115重量部を混合し、加熱してBx70まで煮詰
め、品温を80℃まで冷却し、ブランディー40重量部
を混合した後、常法に従って成型してボンボンを得た。
本品は、トレハロースの微結晶を含有し、ブランディー
風味豊かで、経時変化の少ない高品質のボンボンであ
る。
【0064】
【実施例B−13 ハム】豚もも肉1,000重量部に
食塩15重量部及び硝酸カリウム3重量部を均一にすり
込んで、冷室に一昼夜堆積する。これを水440重量
部、食塩100重量部、硝酸カリウム3重量部、実施例
A−10の方法で得たトレハロース高含有シラップ60
重量部及び香辛料からなる塩漬液に冷室で7日間漬け込
み、次いで、常法にしたがい、冷水で洗浄し、ひもで巻
き締め、燻煙し、クッキングし、冷却包装して製品を得
た。本品は、色合いもよく、風味良好な高品質のハムで
ある。
【0065】
【実施例B−14 佃煮】常法にしたがって、砂取り、
酸処理して角切りした昆布250重量部に醤油212重
量部、アミノ酸液318重量部及び実施例A−4の方法
で得たトレハロース高含有シラップ70重量部及び蔗糖
20重量部を加えて煮込みつつ、更にグルタミン酸ソー
ダ12重量部、カラメル8重量部を加えて炊き上げ、昆
布の佃煮を得た。本品は低う蝕性の佃煮である。また、
味、香りだけでなく、色、艶ともに食欲をそそる佃煮で
あった。
【0066】
【実施例B−15 化粧用クリーム】モノステアリン酸
ポリオキシエチレングリコール2重量部、自己乳化型モ
ノステアリン酸グリセリン5重量部、実施例A−5の方
法で得たトレハロース高含有シラップ2重量部、α−グ
リコシル ルチン1重量部、流動パラフィン1重量部、
トリオクタン酸グリセリル10重量部及び防腐剤の適量
を、常法にしたがって加熱溶解し、これにL−乳酸2重
量部、1,3−ブチレングリコール5重量部及び精製水
66重量部を加え、ホモゲナイザーにかけ乳化し、更に
香料の適量を加えて撹拌混合しクリームを製造した。本
品は、抗酸化性を有し、安定性が高く、高品質の日焼け
止め、美肌剤、色白剤などとして有利に利用できる。
【0067】
【実施例B−16 練歯磨】 配合 第2リン酸カルシウム 45.0重量部 プルラン 2.95重量部 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5重量部 グリセリン 20.0重量部 ポリオキシエチレンソルビタンラウレート 0.5重量部 防腐剤 0.05重量部 実施例A−10の方法で得たトレハロース高含有シラップ 12.0重量部 マルチトール 5.0重量部 水 13.0重量部 上記の材料を常法にしたがって混合し、練歯磨を得た。
本品は、適度の甘味を有しており、特に子供用練歯磨と
して好適である。
【0068】
【実施例B−17 外傷治療用膏薬】実施例A−2の方
法で製造したトレハロース高含有シラップ200重量部
及びマルトース360重量部に、ヨウ素3重量部を溶解
したメタノール50重量部を加え混合し、更に14w/
v%プルラン水溶液140重量部を加えて混合し、適度
の延び、付着性を示す外傷治療用膏薬を得た。本品は、
ヨウ素による殺菌作用のみならず、トレハロース及びマ
ルトースによる細胞へのエネルギー補給剤としても作用
することから、治癒期間が短縮され、創面もきれいに治
る。
【0069】
【発明の効果】上記から明らかなように、本発明は、室
温で難晶出性乃至非晶出性であって、かつ、微生物汚染
を受けにくい安定なトレハロース高含有シラップを提供
するものであり、本シラップは、従来のトレハロース結
晶性粉末製品とは違って、溶解させる操作も不要であ
り、タンク貯蔵、ポンプ輸送、タンクローリー輸送で
き、その取扱いも容易である。また、従来の澱粉糖と比
較して、低DE、低粘度、高甘味の全く新しいタイプの
シラップであって、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤な
どとして各種飲食物、化粧品、医薬品など各種組成物の
製造に有利に利用できる。したがって、本発明の確立
は、従来望むべくして得られなかった室温下で安定なト
レハロース高含有シラップを提供するものであり、食
品、化粧品、医薬品などの関係産業界に与える影響は大
きい。
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Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,α−トレハロースを、室温下におけ
    るα,α−トレハロースの水分当たりの溶解度量を超え
    て、その溶解度量に対応する温度において溶解含有して
    いるとともに、グルコース、マルトース、マルトトリオ
    ース、及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2
    種以上の糖質を、溶液組成で当該α,α−トレハロース
    18.5重量部に対して35重量部以上の割合で溶解含
    有しているか、ソルビトール、マルチトール、マルトト
    リイトール、及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の
    糖質を、溶液組成で当該α,α−トレハロース23.2
    重量部に対して46.8重量部以上の割合で溶解含有し
    ているα,α−トレハロース含有シラップ。
  2. 【請求項2】 α,α−トレハロースを、ある温度下に
    おけるα,α−トレハロースの水分当たりの溶解度量を
    超えて、その温度において溶解含有しているとともに、
    グルコース、マルトース、マルトトリオース、及びマル
    トテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質
    を、溶液組成で当該α,α−トレハロース18.5重量
    部に対して35重量部以上の割合で溶解含有している
    か、ソルビトール、マルチトール、マルトトリイトー
    ル、及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を、
    溶液組成で当該α,α−トレハロース23.2重量部に
    対して46.8重量部以上の割合で溶解含有している
    α,α−トレハロース含有シラップ。
  3. 【請求項3】 シラップ当たり、α,α−トレハロース
    を18.5乃至25.0w/w%溶解含有していること
    を特徴とする請求項1又は2記載のα,α−トレハロー
    ス含有シラップ。
  4. 【請求項4】 シラップが、10℃の恒温室にて1週間
    放置後、肉眼観察により晶出の見られない甘味料である
    請求項1、2又は3記載のα,α−トレハロース含有シ
    ラップ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至の何れかに記載のα,α
    −トレハロース含有シラップを、0.5w/w%以上含
    有せしめることを特徴とする組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 組成物が飲食物、化粧品、医薬品である
    ことを特徴とする請求項記載の組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 飲食物が、乳酸菌飲料、缶入りコーヒ
    ー、ハードキャンディー、あん、ジャム、パン、カスタ
    ードクリーム、求肥、アイシング、ソフトキャンディ
    ー、口中清涼キャンディー、ボンボン、ハム、又は佃煮
    であることを特徴とする請求項記載の組成物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 グルコース、マルトース、マルトトリオ
    ース、及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2
    種以上の糖質を、溶液組成で当該α,α−トレハロース
    18.5重量部に対して35重量部以上の割合で共存せ
    しめるか、ソルビトール、マルチトール、マルトトリイ
    トール、及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質
    を、溶液組成で当該α,α−トレハロース23.2重量
    部に対して46.8重量部以上の割合で共存せしめるこ
    とを特徴とする、α,α−トレハロースを、室温下にお
    けるα,α−トレハロースの水分当たりの溶解度量を超
    えて、その溶解度量に対応する温度において溶解含有し
    ているα,α−トレハロース含有シラップの晶出抑制方
    法。
  9. 【請求項9】 α,α−トレハロース含有シラップが、
    シラップ当たり、α,α−トレハロースを18.5乃至
    25.0w/w%含有していることを特徴とする請求項
    記載のα,α−トレハロース含有シラップの晶出抑制
    方法。
  10. 【請求項10】 グルコース、マルトース、マルトトリ
    オース、及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は
    2種以上の糖質を有効成分とし、α,α−トレハロース
    含有シラップに対し、そのシラップが含有するα,α−
    トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の
    割合で使用されるか、ソルビトール、マルチトール、マ
    ルトトリイトール、及び蔗糖から選ばれる1種又は2種
    以上の糖質を有効成分とし、α,α−トレハロース含有
    シラップに対し、そのシラップが含有するα,α−トレ
    ハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上
    割合で使用されるα,α−トレハロース晶出抑制剤。
  11. 【請求項11】 α,α−トレハロース含有シラップ
    に、グルコース、マルトース、マルトトリオース、及び
    マルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖
    質を有効成分とするα,α−トレハロース晶出抑制剤
    を、α,α−トレハロース含有シラップが含有している
    α,α−トレハロース18.5重量部に対 して35重量
    部以上の割合で溶解含有せしめるか、ソルビトール、マ
    ルチトール、マルトトリイトール、及び蔗糖から選ばれ
    る1種又は2種以上の糖質を有効成分とするα,α−ト
    レハロース晶出抑制剤を、α,α−トレハロース含有シ
    ラップが含有しているα,α−トレハロース23.2
    量部に対して46.8重量部以上の割合で溶解含有せし
    めることにより、α,α−トレハロース含有シラップに
    α,α−トレハロースを、室温下におけるα,α−トレ
    ハロースの水分当たりの溶解度量を超えてその溶解度量
    に対応する温度において溶解含有せしめることを特徴と
    するα,α−トレハロースの晶出抑制方法。
  12. 【請求項12】 α,α−トレハロースを、室温下にお
    けるα,α−トレハロースの水分当たりの溶解度量を越
    えて、その溶解度量に対応する温度において含有せしめ
    るとともに、グルコース、マルトース、マルトトリオー
    ス、及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種
    以上の糖質を、溶液組成で当該α,α−トレハロース1
    8.5重量部に対して35重量部以上の割合で含有せし
    めるか、ソルビトール、マルチトール、マルトトリイト
    ール、及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質
    を、溶液組成で当該α,α−トレハロース23.2重量
    部に対して46.8重量部以上の割合で含有せしめるこ
    とを特徴とするα,α−トレハロースの晶出が抑制され
    たα,α−トレハロース含有シラップの製造方法。
  13. 【請求項13】 シラップ当たりのα,α−トレハロー
    スの含有量が18.5乃至25.0w/w%である請求
    12記載のα,α−トレハロース含有シラップの製造
    方法。
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