JP3083867B2 - 感熱転写記録材料、感熱転写受像材料および感熱転写記録方法 - Google Patents

感熱転写記録材料、感熱転写受像材料および感熱転写記録方法

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JP3083867B2 JP03117717A JP11771791A JP3083867B2 JP 3083867 B2 JP3083867 B2 JP 3083867B2 JP 03117717 A JP03117717 A JP 03117717A JP 11771791 A JP11771791 A JP 11771791A JP 3083867 B2 JP3083867 B2 JP 3083867B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱転写記録材料、感
熱転写受像材料および感熱転写記録方法に関し、さらに
詳しくは記録感度が高く、色再現性、定着性、耐光性の
良好な画像を形成することのできる感熱転写記録材料、
感熱転写受像材料、および感熱転写記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術と本発明が解決しようとする課題】従来か
ら、カラーハードコピーを得る方法として、インクジェ
ット法、電子写真法、感熱転写記録、ハロゲン化銀感光
材料等によるカラー画像記録技術が検討されている。こ
れらのうち、特に感熱転写材料による画像記録方法は、
操作や保守が容易であること、装置の小型化、低コスト
化が可能なこと、さらにランニングコストが安いこと等
の利点を有している。
【0003】ところで、従来の熱転写方式による感熱転
写記録は、記録感度が低く、また形成された画像の安定
性、特に定着性や耐光性が悪いという欠点を有してい
る。このような欠点を改良するために、特願平1−33
2952号にはポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールを含有する感熱転写材料が、また特願平2
−57322号にはアミド系化合物を含有する感熱転写
材料が開示されている。
【0004】しかし、これらの画像記録方法は記録感度
を改良する方法としては優れた方法ではあるが、形成さ
れた画像の定着性や耐光性については十分な改良効果が
あるとはいえず、感熱転写記録材料の保存安定性が悪い
という欠点も有していた。さらに特開昭59−1093
49号、同60−2398号の各公報には、キレート化
可能な熱拡散性色素(以下、ポストキレート色素と称
す。)を用いてキレート化された色素によって画像を形
成する画像記録方法が開示されている。これらの方法も
記録感度を改良する方法としては優れているが、画像の
耐光性および感熱転写記録材料の保存安定性については
十分な改良効果があるとはいえず、キレート化反応が不
十分なため未キレート色素が残存することによる色濁り
が生じるという欠点も有していた。
【0005】本発明は前記事情に基ずいてなされたもの
である。すなわち、本発明の目的は、記録感度が高く、
色再現性、定着性、耐光性の良好な画像を形成すること
のできる感熱転写記録材料、感熱転写受像材料、および
感熱転写記録方法を提供することである。
【0006】
【前記課題を解決するための手段】前記目的を達成する
為の請求項1に記載の本発明は、キレート化可能な熱拡
散性色素と金属イオン含有化合物との反応により形成さ
れるキレート色素によって画像を感熱転写受像材料上に
形成させることのできる感熱転写記録材料において、感
熱転写記録材料用支持体上に、下記一般式(化1)で表
わされる化合物および下記一般式(化2)で表わされる
化合物のうち、実質的に無色または白色である化合物の
少なくとも一種を含有する層を設けてなることを特徴と
する感熱転写記録材料である。
【0007】
【化1】
【0008】[ただし、式中R1 、R2 およびR3
は、水素原子または置換基を有していても良いアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表わ
し、また、R1 、R2 およびR3 は互いに結合して
環を形成しても良く、その場合にはR1 、R2 および
R3 は環を形成するのに必要な原子群を表わす。
た、前記式で示される化合物は、分子中に金属イオンを
含有しない。
【0009】
【化2】
【0010】[ただし、式中Xは=C(R4 )−また
は=N−を(ただし、R4 は水素原子または一価の有
機基を表わす。)、Zは窒素原子とXと共に5〜6員環
の芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表わす。
また、前記式で示される化合物は、分子中に金属イオン
を含有しない。]請求項2に記載の発明は、キレート化
可能な熱拡散性色素と金属イオン含有化合物との反応に
より形成されるキレート色素によって画像を形成するこ
とのできる感熱転写受像材料において、支持体上に、前
記請求項1に記載の一般式(化1)で表わされる化合物
および前記請求項1に記載の一般式(化2)で表わされ
る化合物のうち、実質的に無色または白色である化合物
の少なくとも一種を含有する層を設けてなることを特徴
とする感熱転写受像材料である。
【0011】請求項3に記載の発明は、キレート化可能
な熱拡散性色素と金属イオン含有化合物との反応により
形成されるキレート色素により画像を形成する感熱転写
記録方法において、前記請求項1に記載の一般式(化
1)で表わされる化合物および前記請求項1に記載の一
般式(化2)で表わされる化合物のうち、実質的に無色
または白色である化合物の少なくとも一種の存在下に、
画像が形成されることを特徴とする感熱転写記録方法で
ある。
【0012】以下本発明について詳細に説明する。 A.基本的原理 本発明の感熱転写記録材料、感熱転写受像材料および感
熱転写記録方法のいずれにおいても、キレート化可能な
熱拡散性色素と金属イオン含有化合物との反応により形
成されるキレート色素により画像を形成するときに特定
の化合物を存在させることを基本的原理とする。本発明
における特定の化合物はキレート化可能な熱拡散性色素
の熱拡散性を促進する効果を有し、さらにキレート化反
応を促進する効果を有するので、未キレート色素の残存
がないので、未キレート色素の逆拡散に基づく記録感度
の低下、未キレート色素による定着性、保存性の劣化、
未キレート色素とキレート色素との色調のずれによる色
再現性の劣化が改善される。
【0013】この特定の化合物は、前記一般式(化1)
または一般式(化2)で示されると共に、実質的に無色
または白色である(以下においてかかる特定の化合物を
特定化合物と略称する。)。前記一般式(化1)につい
て詳しく説明すると、互いに独立した基としてR1、R2
およびR3 で表されるアルキル基、シクロアルキル基
は、炭素数1〜20の基、例えばメチル基、プロピル
基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ
る。R1 、R2 およびR3 で表されるアリール基は、例
えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げら
れる。
【0014】また、互いに独立した基としてR1 、R2
およびR3 で表されるヘテロ環基は、芳香族環基と脂肪
族環基との両基を含み、芳香族複素環として、例えばピ
リジン、ピリミジン、トリアジン、ピラジン、ピリダジ
ン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾー
ル、テトラゾール、オキサゾール、チアゾール、チアジ
アゾール、オキサジアゾール等の複素環を挙げることが
でき、脂肪族複素環として、例えばピロリジン、ピペリ
ジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ
ピラン、テトラヒドロチオフェン、スルホラン等の複素
環を挙げることができる。
【0015】R1 、R2 およびR3 で表される前述の基
はさらに各種の置換基が置換されていてもよく、置換基
としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アシル基、ア
シルアミノ基、カルバモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ
基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ウ
レイド基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等の基が
挙げられる。
【0016】R1 、R2 およびR3 が互いに結合して形
成される環としては、5〜7員の脂肪族環を挙げること
ができる。前記一般式(化2)において、R4 で表され
る一価の有機基としてはアルキル基、アリール基、アル
コキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ
基、アシル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルス
ルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基、ウレイド基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニ
トロ基等の基を挙げることができる。
【0017】窒素原子、XおよびZにより形成される5
〜6員の芳香族複素環としては、例えばピリジン、ピリ
ミジン、トリアジン、ピラジン、ピリダジン、ピロー
ル、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラ
ゾール、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、
オキサジアゾール等の複素環を挙げることができ、これ
らの複素環はさらに他の芳香族環と縮合していてもよ
い。前記複素環は置換基を有していてもよく、前記置換
基としてはR4 で表される一価の有機基と同じ基を挙げ
ることができる。
【0018】本発明においては一般式(化1)または一
般式(化2)で表される化合物の中でも実質的に無色ま
たは白色である化合物が使用される。使用される化合物
が実質的に無色または白色であることにより、色調の良
好な画像が形成される。
【0019】本発明に用いられる、前記一般式(化1)
で表わされる化合物および前記一般式(化2)で表され
る化合物の代表例を以下に示すが、本発明に用いられる
前記化合物は例示した化合物に限定されるものではな
い。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】
【化21】
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
【0041】
【化24】
【0042】
【化25】
【0043】
【化26】
【0044】
【化27】
【0045】
【化28】
【0046】
【化29】
【0047】
【化30】
【0048】
【化31】
【0049】
【化32】
【0050】本発明においては、キレート化可能な熱拡
散性色素と金属イオン含有化合物との反応により形成さ
れるキレート色素による画像形成時に前記特定化合物を
存在させることを基本原理とするから、前記特定の化合
物を有する層を設けた下記構成の感熱転写記録材料、前
記特定の化合物を有する層を設けた下記構成の感熱転写
受像材料およびこれらを使用する画像形成方法が導き出
される。
【0051】B.感熱転写記録材料 本発明の感熱転写記録材料は、キレート化可能な熱拡散
性色素を熱エネルギーの印加により拡散移動させ、金属
イオン含有化合物と反応することにより形成されるキレ
ート色素により画像を形成することができる構造であれ
ば良く、具体的には、受像層を有する被記録材料例えば
感熱転写受像材料を使用する場合には、支持体とキレー
ト化可能な熱拡散性色素を含有する感熱転写層とをこの
順に積層してなる層構成の感熱転写記録材料、受像層を
有しない被記録材料例えば紙類を使用する場合には、支
持体とキレート化可能な熱拡散性色素を含有する感熱転
写層と熱溶融性化合物を含有する熱溶融性層とをこの順
に積層してなる層構成を有する感熱転写記録材料を挙げ
ることができる。なお、上記層構成は、一例であって、
本発明の目的を達成することができる限り、本発明の感
熱転写記録材料は他の層構成を有していても構わない。
次に、各層について分説する。
【0052】(1) 支持体 支持体は、寸法安定性がよく、感熱転写記録時の熱エネ
ルギー印加手段例えば感熱ヘッド等の加熱に耐えられる
ものであれば、特に限定されるものではなく、例えばコ
ンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネートのよ
うな耐熱性のプラスチックフィルム等が好ましく用いら
れる。前記支持体の厚さは、2〜30μmが好ましい。
また、支持体とバインダーとの接着性の改良や、支持体
への色素転写、色素染着を防止する目的で選択されたポ
リマーからなる中間層(下引層)を有することが好まし
い。さらに、支持体の裏面(感熱転写層と反対側)に、
感熱ヘッドが支持体に粘着することを防止する目的でス
リッピング層を有してもよい。
【0053】(2) 感熱転写層 感熱転写層は、感熱転写記録時の熱エネルギー印加手段
による像様に印加される熱エネルギーにより拡散移動す
るキレート化可能な熱拡散性色素を含有する層であり、
支持体上に積層されてなる。被記録材料が画像の形成可
能な受像層を有する感熱転写受像材料であるときには、
この感熱転写層は、キレート可能な熱拡散性色素とバイ
ンダーと前記特定化合物と必要に応じて配合される各種
添加剤とを含有して形成される。便宜上、かかる感熱転
写層を第一感熱転写層と称することがある。そして、こ
の第一感熱転写層が、特定化合物の少なくとも一種を含
有する層になる。第一感熱転写層における前記特定化合
物の配合量は、通常支持体1m2 当り0.05〜1.0
0gが好ましい。
【0054】また、被記録材料が、受像層を有しない紙
類などであるときには、この感熱転写層は、キレート化
可能な熱拡散性色素とバインダーと各種添加剤とを含有
して形成され、特定化合物は特に含有されていなくても
良い。便宜上、かかる感熱転写層を第二感熱転写層と称
することがあり、また、前記第一感熱転写層および第二
感熱転写層の両方を含んで単に感熱転写層と称すること
がある。なお、この第二感熱転写層には特定化合物が含
有されていても差し支えはない。第一感熱転写層の厚み
は、通常、乾燥膜厚で0.1〜10μmであり、また第
二感熱転写層の厚みは、通常、乾燥膜厚で0.1〜10
μmである。
【0055】本発明の感熱転写記録材料をフルカラー画
像の形成が可能な材料にするには、イエロー画像を形成
することができるキレート化可能な熱拡散性色素を含有
するイエロー感熱転写層、マゼンタ画像を形成すること
ができるキレート化可能な熱拡散性色素を含有するマゼ
ンタ感熱転写層およびシアン画像を形成することができ
るキレート化可能な熱拡散性色素を含有するシアン感熱
転写層の合計3層を支持体上の同一表面上に面順次に繰
り返して設けるのが良い。また、必要に応じて他に黒色
画像形成物質を含む感熱転写層の合計4層が支持体上の
同一表面上に面順次に繰り返して設けられているのも良
い。
【0056】なお、フルカラー画像を形成するには、上
記層構成の感熱転写記録材料を使用する外に、イエロー
画像を形成することができるキレート化可能な熱拡散性
色素を含有するイエロー感熱転写層を支持体の片面全面
に設けてなるところの、しかも本発明の範囲内にあるイ
エロー感熱転写記録材料と、マゼンタ画像を形成するこ
とができるキレート化可能な熱拡散性色素を含有するマ
ゼンタ感熱転写層を支持体の片面全面に設けてなるとこ
ろの、しかも本発明の範囲内にあるマゼンタ感熱転写記
録材料と、シアン画像を形成することができるキレート
化可能な熱拡散性色素を含有するマゼンタ感熱転写層を
支持体の片面全面に設けてなるところの、しかも本発明
の範囲内にあるシアン感熱転写記録材料との三種の感熱
転写記録材料を使用するのも良い。
【0057】−キレート化可能な熱拡散性色素− キレート化可能な熱拡散性色素としてはシアン色素、マ
ゼンタ色素、イエロー色素を挙げることができる。感熱
転写層に含有されるキレート化可能な熱拡散性色素は、
形成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色
素、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても
良い。
【0058】金属イオン含有化合物とキレート化可能な
熱拡散性色素としては、公知の各種の化合物を適宜に選
定して使用することができる。具体的には例えば、特開
昭59−78893号、同59−109349号、同特
願平2−213303号、同2−214719号、同2
−203742号に記載されているシアン画像形成色素
(以下シアン色素と称す)、マゼンタ画像形成色素(以
下マゼンタ色素と称す)、イエロー画像形成色素(以下
イエロー色素と称す)などを挙げることができる。
【0059】上記の色素の中でも、少なくとも前記記載
の金属イオン含有化合物と3座のキレートを形成するこ
とができる化合物を使用するのが好ましい。そのような
色素として、例えば、X1 −N=N−X2 −Gで表され
る色素などを挙げることができる。ただし、上記式中X
1 は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成さ
れる芳香族の炭素環、または複素環を完成するのに必要
な原子の集まりを表わし、アゾ結合に結合する炭素原子
の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレート
化基で置換された炭素原子である。X2 は、少なくとも
一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環
または、芳香族炭素環を表わす。Gはキレート化可能な
基を表す。このようなキレート化可能な好ましい熱拡散
性色素の具体例を以下に例示する。
【0060】
【化33】
【0061】
【化34】
【0062】
【化35】
【0063】
【化36】
【0064】
【化37】
【0065】
【化38】
【0066】
【化39】
【0067】
【化40】
【0068】
【化41】
【0069】
【化42】
【0070】
【化43】
【0071】
【化44】
【0072】
【化45】
【0073】
【化46】
【0074】
【化47】
【0075】
【化48】
【0076】
【化49】
【0077】
【化50】
【0078】
【化51】
【0079】
【化52】
【0080】
【化53】
【0081】
【化54】
【0082】
【化55】
【0083】
【化56】
【0084】
【化57】
【0085】
【化58】
【0086】
【化59】
【0087】
【化60】
【0088】
【化61】
【0089】
【化62】
【0090】金属イオン含有化合物とキレート化可能な
熱拡散性色素の使用量は、通常、支持体1m2 当り0.
05〜10gである。 −バインダー 前記バインダーとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアセタール、ニトロセルロ
ース、エチルセルロース等の溶剤可溶性ポリマ−が好ま
しい。これらのバインダーは、一種または二種以上を有
機溶媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分散の
形で使用してもよい。
【0091】前記有機溶媒としては、アルコ−ル類(例
えばエタノール、プロパノール等)、セルソルブ類(例
えばメチルセルソルブ等)、芳香族類(例えばトルエ
ン、キシレン等)、エステル類(例えば酢酸エステル
等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン
等)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)等が挙げられる。
【0092】−添加剤− さらに前記感熱転写層には、各種の添加剤を適宜に添加
することができる。その添加剤としては、シリコン樹
脂、シリコンオイル(反応硬化タイプも可)、シリコン
変性樹脂、フッ素樹脂、界面活性剤、およびワックス類
等の剥離性化合物、金属微粉末、シリカゲル、金属酸化
物、カーボンブラック、および樹脂微粉末等のフィラ
ー、バインダー成分と反応可能な硬化剤(たとえばイソ
シアネート類やアクリル類やエポキシ類等の放射線活性
化合物)などを挙げることができる。 (3) 熱溶融性層 画像が形成される被記録材料が紙類等の、受像層を有し
ない部材であるときには、前述したように、第二感熱転
写層上に熱溶融性層が形成された感熱転写記録材料が使
用される。この熱溶融性層は、熱エネルギーの印加時に
拡散移動して来る、第二感熱転写層中に含まれるキレー
ト化可能な熱拡散性色素を受容し、しかも熱溶融性層の
凝集破壊あるいは第二感熱転写層との界面剥離により被
記録材料に転写される。その結果、被記録材料の表面
に、キレート化可能な熱拡散性色素を含有する熱溶融性
層が固着して、被記録材料自体が受像層を有していなく
ても、画像が形成される。
【0093】もっとも、この熱溶融性層を有する感熱転
写記録材料は、受像層を有しない被記録材料に対しての
み画像形成に預かる訳ではない。受像層を有する感熱転
写受像材料に対しても、この熱溶融性層を有する感熱転
写記録材料を使用することもできる。受像層を有する感
熱転写受像材料と、この熱溶融性層を有する感熱転写記
録材料を用いて画像を形成する場合、熱エネルギーの印
加によって感熱転写受像材料における受像層表面に、キ
レート化可能な熱拡散性色素を受容した熱溶融性層が転
写されて画像が形成されるのであるが、熱溶融性層の転
写後に受像層表面を加熱処理することにより、熱溶融性
層中のキレート化可能な熱拡散性色素が受像層中に拡散
移動し、更に定着性の高い画像が形成される。したがっ
て、かかる機能を有する限り熱溶融性層を形成する成分
組成については特に制限がなく、その主成分としては熱
溶融性化合物を挙げることができる。また、この熱溶融
性層の厚みは、通常、0.1〜20μmである。
【0094】−熱溶融性化合物− この熱溶融性化合物としては、特開昭59−10699
7号公報に記載されているような熱溶融性化合物を使用
することができ、65〜150℃の温度で溶融する無色
または白色の化合物が好ましく用いられ、例えばカルナ
バロウ、蜜ロウ、カンデリンワックス等のワックス類が
挙げられる。なお、これらの熱溶融性層には、例えばポ
リビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリエス
テル、酢酸ビニル等のポリマーが含有されていても良
い。
【0095】−特定化合物− もっとも、第二感熱転写層中に本発明における特定化合
物が含有されていないときには、この熱溶融性層中に本
発明における特定化合物が含有される。熱溶融性層にお
ける特定化合物の含有量は、通常支持体1m2 当り0.
05〜1.00gが好ましい。
【0096】−金属イオン含有化合物− 第二感熱転写層中にキレート化可能な熱拡散性色素が含
有されるときには、この熱溶融性層中に金属イオン含有
化合物を配合しておくことが望ましい。
【0097】金属イオン含有化合物としては、金属イオ
ンの無機または有機の塩および金属錯体が挙げられ、な
かでも有機酸の塩および錯体が好ましい。前記金属イオ
ン含有化合物を構成する金属イオンとしては、例えば周
期律表の第I〜第VIII族に属する1価および多価の金属
が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、F
e、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、TiおよびZnが
好ましく、特にNi、Cu、Cr、CoおよびZnが好
ましい。前記金属イオン含有化合物としては、例えばN
2+、Cu2+、Co2+、Cr2+、Zn2+、酢酸やステア
リン酸等脂肪族の塩、安息香酸、サリチル酸等芳香族カ
ルボン酸の塩等を挙げることができ、特にNi2+、Cu
2+、Co2+、Cr2+およびZn2+を含有した下記一般式
で表される錯体が好ましく用いられる。
【0098】 [M(Q1k (Q2m (Q3np+ P(L- ) ただし、式中Mは金属イオンを表し、Q1 、Q2 、Q3
は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化
合物を表し、互いに同じであっても異なっていても良
い。前記配位化合物としては例えば「キレート化学
(5)(南江堂)」に記載されている配位化合物から選
択することができる。特に好ましくは、金属と配位結合
する少なくとも一個のアミノ基を有する配位化合物を挙
げることができ、さらに具体的には、エチレンジアミン
およびその誘導体、グリシンアミドおよびその誘導体、
ピコリンアミドおよびその誘導体が挙げられる。
【0099】Lは錯体を形成しうる対アニオンであり、
Cr、SO4、ClO4 等の無機化合物アニオンやベン
ゼンスルホン酸誘導体、アルキルスルホン酸誘導体等の
有機化合物アニオンが挙げられるが、特に好ましくはテ
トラフェニルホウ素アニオンおよびその誘導体、ならび
にアルキルベンゼンスルホン酸アニオンおよびその誘導
体である。kは1、2または3の整数を表し、mは1、
2または0を表し、nは1または0を表すが、これらは
前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かに
よって決定されるか、あるいはQ1 、Q2 、Q3 の配位
子の数によって決定される。pは1、2または3を表
す。
【0100】この種の金属イオン含有化合物としては、
米国特許第4,987,049号明細書に例示されたも
のを挙げることができる。前記金属イオン含有化合物の
添加量は、支持体1m2 当たり、0.5〜20g/m2
が好ましく、1〜15g/m2 がより好ましい。
【0101】(4) 感熱転写記録材料の製造 感熱転写記録材料は、感熱転写層を形成する前記各種の
成分を溶媒に分散ないし溶解してなる感熱転写層形成用
塗工液を調製し、これを支持体の表面に塗工し、乾燥す
ることにより製造することができる。熱溶融性層を設け
る場合には、熱溶融性層を構成する各種成分を溶媒に分
散ないし溶解してなる熱溶融性層形成用塗工液を調製
し、これを第二感熱転写層の表面に塗工し、乾燥するこ
とにより製造することができる。
【0102】なお、前記バインダーは、一種または二種
以上を溶媒に溶解もしくはラテックス状に分散させて用
いる。前記溶媒としては、水、エタノール、テトラヒド
ロフラン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、
クロロホルム、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサ
ン、酢酸ノルマルブチル等を挙げることができる。
【0103】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる面順次塗り別け塗布法、押し出し塗布法、ワ
イヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することがで
きる。なお、感熱転写記録材料に、パーフォレーション
を形成したり、あるいは色相の異なる区域の位置を検出
するための検知マークなどを設けることによって、使用
時の便を図ることもできる。
【0104】D.感熱転写受像材料 本発明の感熱転写受像材料は、基本的に感熱転写受像材
料用支持体と前記感熱転写受像材料用支持体上に形成さ
れた受像層とで構成され、前記感熱転写受像材料用支持
体上に前記一般式(化1)で表わされる化合物および前
記一般式(化2)で表わされる化合物のうち、実質的に
無色または白色である化合物を含有する層を有してい
る。
【0105】(i) 感熱転写受像材料用支持体 感熱転写受像材料用支持体としては、特に制限はなく、
使用目的等に応じて種々の材質、層構成およびサイズの
ものを適宜に選定して使用することができる。また、感
熱転写受像材料用支持体の材質によっては前記感熱転写
受像材料用支持体自体が受像層としての機能を有するこ
ともあるので、そのような場合にあっては、前記感熱転
写受像材料用支持体自体を受像層とすることもできる。
【0106】前記感熱転写受像材料用支持体としては、
例えば、紙、コート紙、および合成紙(ポリプロピレ
ン、ポリスチレンもしくは、それらを紙とはり合せた複
合材料)等の各種紙類、塩化ビニル系樹脂シート、AB
S樹脂シート、ポリエチレンテレフタレートベースフィ
ルム、ポリブチレンテレフタレートベースフィルム、ポ
リエチレンナフタレートベースフィルム、ポリアリレー
トベースフィルム、ポリカーボネートベースフィルム、
ポリサルフォンベースフィルム、ポリイミドベースフィ
ルム等の単層あるいはそれらを2層以上に積層した各種
プラスチックフィルムないしシート、各種の金属で形成
されたフィルムないしシート、各種のセラミックス類で
形成されたフィルムないしシート、あるいは前記記載の
ものの中から適当に組み合わせ積層した複合材料等を挙
げることができる。感熱転写受像層用支持体の厚みは通
常20〜1,000μm、好ましくは20〜800μm
であり、このような範囲の中から適宜に選定される。
【0107】(ii)受像層 本発明の感熱転写受像材料の受像層としては、熱エネル
ギーにより感熱転写記録材料から拡散移動して来るキレ
ート化可能な熱拡散性色素を受容し、この熱拡散性色素
と金属イオン含有化合物とのキレート反応により画像を
形成することができるのであれば特に制限がなく、使用
目的等に応じて、各種の材質で、各種の組成をもって、
各種の層構成に形成することができる。通常の場合、受
像層は、受像層用バインダーと前記特定化合物と金属イ
オン含有化合物と必要に応じて配合される添加剤とを含
有する。既述したように、金属イオン含有化合物は熱拡
散性色素とキレートを形成するので、画像の定着性の向
上を図ることができる。
【0108】−受像層用バインダー− 受像層用バインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル
樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばアルキルビニ
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル、プロピオン酸
ビニル等)との共重合体樹脂等の塩化ビニル系樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)
アクリル系樹脂(例えばアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル等)、スチレン系樹脂(例えばスチレンア
クリレート樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂等)、
エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール
系樹脂(例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセ
トアセタール等)、ポリビニルピロリドン、ポリカーボ
ネート、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリパラバ
ン酸、セルロース系樹脂(例えば三酢酸セルロース、エ
チルセルロース等)、ビニルトルエンアクリレート樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポ
リカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等を
挙げることができる。これらの中でも、塩化ビニル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ス
チレン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビ
ニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が好まし
く、特に、塩化ビニル系樹脂、ポリエスタル系樹脂、ス
チレン系樹脂、エポキシ樹脂などが好ましい。なお、こ
れらの樹脂はその一種を単独に用いることもできるし、
二種以上を混合するなどして併用することもできる。
【0109】上記各種の樹脂は新たに合成して使用して
もよいが、市販品を使用することもできる。なお、受像
層の形成に際しては、上述した各種の樹脂はその反応活
性点を利用して(反応活性点が無い場合はそれを樹脂に
付与する。)、放射線、熱、湿気、触媒等により架橋も
しくは硬化してもよい。その場合には、エポキシ、アク
リルの如き放射線活性モノマーや、イソシアナートの如
き架橋剤を用いることができる。
【0110】−特定化合物− 受像層中に含有される特定化合物は、前記「基本原理」
の欄にて説明したのでその詳細な説明を省略する。な
お、特定化合物の感熱転写受像材料に対する含有量は、
感熱転写受像材料用支持体1m2 当たり0.05〜1.
00gが好ましい。 −金属イオン含有化合物− 金属イオン含有化合物については、「B(3) 熱溶融性
層」の欄にて説明したのでその詳細な説明を省略する。
なお、受像層中における金属イオン含有化合物の含有量
は、通常、受像層に対して、0.5〜20g/m2 が好
ましく、1〜15g/m2 がより好ましい。
【0111】−添加剤− 前記受像層には、必要に応じて、剥離剤、酸化防止剤、
UV吸収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、有機樹
脂粒子)、顔料等の添加剤を添加してもよい。また増感
剤として可塑剤、熱溶剤などを添加してもよい。剥離剤
は、感熱転写記録材料と感熱転写受像材料との剥離性を
向上させるためのものであり、前記剥離剤としては、シ
リコーンオイル(シリコーン樹脂);ポリエチレンワッ
クス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固型ワッ
クス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性剤等が挙げ
られ、中でもシリコーンオイルが好ましい。このシリコ
ーンオイルは、単に添加するタイプ(単純添加型)と、
硬化もしくは反応させるタイプ(硬化反応型)とがあ
る。
【0112】単純添加型の場合には、前記樹脂との相溶
性を向上させるために、変性シリコーンオイル(例えば
ポリエステル変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコン
樹脂、アクリル変性シリコン樹脂等)を使用するのが好
ましい。これらの単純添加型のシリコーンオイルの添加
量は、その種類に応じて様々に変化することがあるから
一律に決定することができないが、一般的にいうと、通
常、受像層用樹脂に対して0.1〜50重量%であり、
好ましくは0.5〜20重量%である。
【0113】硬化反応型のシリコーンオイルとしては、
反応硬化型(たとえばアミノ変性シリコーンオイルとエ
ポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたもの
等)、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられる。これら硬
化型シリコーンオイルの添加量は受像層用樹脂の0.5
〜30重量%が好ましい。なお、受像層の表面の一部
に、上記剥離剤を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて
塗布した後、乾燥させる等によって剥離剤層を設けるこ
ともできる。
【0114】次に前記酸化防止剤としては、特開昭59
−182785、同60−130735、特開平1−1
27387等に記載の酸化防止剤、および写真その他の
画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして
公知の化合物を挙げることができる。前記UV吸収剤お
よび光安定剤としては、特開昭59−158287、同
63−74686、同63−145089、同59−1
96292、同62−229594、63−12259
6、同61−283595、特開平1−204788な
どに記載の化合物、および写真その他の画像記録材料に
おける画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を
挙げることができる。
【0115】前記フィラーとしては、無機微粒子や有機
樹脂粒子を挙げることができる。この無機微粒子として
はシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白
土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微
粒子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、ア
クリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げ
ることができる。これらの無機・有機樹脂粒子は比重に
より異なるが、0〜30重量%の添加が好ましい。
【0116】前記顔料としては、代表例としてチタンホ
ワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シ
リカ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土
などを挙げることができる。前記可塑剤としてはフタル
酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸
エステル類、その他飽和あるいは不飽和カルボン酸エス
テル類、クエン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポ
キシ化アマニ油、エポキシステアリン酸エポキシ類、正
リン酸エステル類、亜燐酸エステル類、グリコールエス
テル類などが挙げられる。
【0117】なお、本発明では、添加剤全体の添加量
は、通常、受像層用樹脂に対して0.1〜30重量%の
範囲に選定するのが好ましい。なお、受像層の厚みは、
通常、3〜20μm、好ましくは5〜15μmの範囲に
選定するのが適当である。また、受像層は、単層として
してもよく、あるいは必要に応じて、組成等が同一の、
あるいは相違する2層以上の多層構造として設けてもよ
い。
【0118】さらに、受像層と支持体との間に断熱性、
クッション性、バリアー性、接着性等の性質を付与する
目的として下引層を設けてもよい。また、受像層の表面
には、感熱転写記録材料と感熱転写受像材料との融着防
止等を目的にして、オーバーコート層が積層されていて
もよい。前記の中間層やオーバーコート層を設ける場
合、それぞれの厚みは、通常、0.1〜20μmの範囲
に選定するのが好適である。
【0119】C.感熱転写記録方法 −階調性画像− 本発明の感熱転写記録方法は、本発明にかかる感熱転写
記録材料および/または本発明にかかる感熱転写受像材
料を使用することにより、被記録材料あるいは感熱転写
受像材料に、階調性のある画像が形成される。すなわ
ち、本発明にかかる感熱転写記録材料を使用する場合
に、その感熱転写記録材料が熱溶融性層を備えず、支持
体と感熱転写層とを積層してなる層構成のときには、受
像層を有する感熱転写受像材料を使用する。なお、この
感熱転写受像材料は、本発明にかかる感熱転写受像材料
であっても良いし、受像層を有するが本発明の範囲外で
ある感熱転写受像材料を使用しても良い。
【0120】そして、画像を形成するには、先ず、感熱
転写記録材料における感熱転写層と感熱転写受像材料に
おける受像層とを重ね、熱エネルギー印加手段によって
像様に熱エネルギーを感熱転写層に印加する。すると、
感熱転写層中のキレート化可能な熱拡散性色素は、印加
された熱エネルギーに応じた量だけ気化あるいは昇華
し、受像層側に拡散移動し、受像層中の金属イオン含有
化合物と熱拡散性色素とがキレートを形成する結果、定
着性の良好な色素画像が受像層に形成される。
【0121】本発明に係る感熱転写記録材料が第二感熱
転写層と熱溶融性層とを有する場合に、受像層を有しな
い例えば紙類等の被記録材料を使用するときには、先ず
感熱転写記録材料の熱溶融性層と被記録材料とを重ね、
熱エネルギー印加手段によって像様に熱エネルギーを感
熱転写層に印加する。すると、第二感熱転写層中のキレ
ート化可能な熱拡散性色素は、印加された熱エネルギー
に応じた量だけ熱溶融性層に拡散移動する。同時に印加
された熱エネルギーによって、熱溶融性層の少なくとも
その表面が溶融し、被記録材料に重ねた感熱転写記録材
料を被記録材料から剥離すると、熱溶融性層の凝集破壊
もしくは感熱転写層との界面剥離より、キレート化可能
な熱拡散性色素を含有する熱溶融性層の一部が被記録材
料の表面に接着残留し、被記録材料の表面に画像が形成
される。
【0122】このとき、熱溶融性層中に金属イオン含有
化合物が含まれており、感熱転写記録材料における第二
感熱転写層中にキレート化可能な熱拡散性色素が含まれ
ているので、転写された熱溶融性層中で熱拡散性色素と
金属イオン含有化合物とのキレート反応により生じたキ
レート色素により定着性の良好な色素画像が形成され
る。上記のいずれにおいても、特定化合物が感熱転写層
あるいは熱溶融性層に含まれているので、画像の高感度
記録が達成され、形成された画像は色再現性、定着性、
および耐光性に優れている。
【0123】本発明に係る感熱転写受像材料を使用する
場合には、本発明に係る感熱転写記録材料あるいは本発
明の範囲外であるところの、熱拡散性色素を含有する感
熱転写層を支持体上に積層してなる感熱転写記録材料を
使用することにより、感熱転写受像材料における受像層
に画像を形成することができる。画像を形成するには、
先ず、感熱転写受像材料における受像層と感熱転写記録
材料における感熱転写層とを重ね、熱エネルギー印加手
段によって像様に熱エネルギーを感熱転写層に印加す
る。
【0124】すると、感熱転写層中のキレート化可能な
熱拡散性色素は、印加された熱エネルギーに応じた量だ
け受像層側に拡散移動して受容され、受像層中の金属イ
オン含有化合物とキレート反応を起こしてキレート化合
物を生じさせる結果、受像層に定着性の良好な色素画像
が形成される。このとき、受像層中には特定化合物が含
まれているので、画像の高感度記録が達成され、形成さ
れた画像は定着性、耐光性および色再現性に優れてい
る。
【0125】上記いずれの場合においても、熱エネルギ
ー印加手段としては、サーマルヘッドが一般的である
が、このほかにレーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペン
などの公知のものを使用することができる。熱エネルギ
ー印加手段としてサーマルヘッドを用いるときは、サー
マルヘッドに印加する電圧あるいはパルス巾を変調する
ことにより、与える熱エネルギーを連続的にあるいは多
段階に変化させることができる。
【0126】熱エネルギー印加手段としてレーザー光を
用いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化させ
ることにより与える熱エネルギーを変化させることがで
きる。この場合、レーザー光を吸収し易くするため、レ
ーザー光吸収材料(例えば、半導体レーザーの場合、カ
ーボンブラックや近赤外線吸収物質など)を感熱転写層
中、もしくは感熱転写層近傍に存在せしめるとよい。な
お、レーザー光を用いるときは感熱転写記録材料と感熱
転写受像材料とを充分に密着させて行うとよい。
【0127】音響光学素子を内蔵したドットジェネレー
ターを用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与え
ることもできる。熱エネルギーを与える熱源として赤外
線フラッシュランプを用いるときは、レーザー光を用い
る場合と同様に、加熱を黒色などの着色層を介して行う
とよい。あるいは黒色などの、画像の濃淡を連続的に表
現したパターンあるいは網点パターンを介して加熱を行
なってもよいし、また一面の黒色などの着色層と前記の
パターンのネガに相当するネガパターンを組み合わせて
加熱を行なってもよい。
【0128】熱エネルギーの与え方としては感熱転写記
録材料側から行なっても、感熱転写受像材料側から行な
っても、あるいは両側から行なってもよいが、熱エネル
ギーの有効利用を優先させるなら、感熱転写記録材料側
から行なうのが望ましい。以上の熱転写記録により、感
熱転写受像材料の受像層に一色の画像を記録することが
できるが、下記の方法によると、各色の掛け合せからな
るカラー写真調のカラー画像を得ることもできる。
【0129】たとえばイエロー、マゼンタ、シアンおよ
び必要に応じて黒色の感熱転写記録用感熱シートを順次
取り換えて、各色に応じた熱転写を行なうと、各色のか
けあわせからなるカラー写真調のカラー画像を得ること
もできる。
【0130】それから、次の方法も有効である。すなわ
ち、上記のように各色の感熱転写記録材料を用いるかわ
りに、予め各色に塗り分けて形成した区域を有する感熱
転写記録材料を用いるのである。
【0131】そして、まずイエローの区域を用いてイエ
ローの分色画像を熱転写し、次にマゼンタの区域を用い
てマゼンタの分色画像を熱転写し、以下、順次に繰り返
すことによりイエロー、マゼンタ、シアン、及び必要に
より黒色の分色画像と順に熱転写する方法を採る。この
方法でも、カラー写真調のカラー画像を得ることが可能
であるが、さらに好都合なことに、この方法には前記の
ような感熱転写記録材料の交換が不要になるという利点
がある。
【0132】さらに上記記載の方法で画像を形成した後
に、画像保存性の向上の目的で、加熱処理を施してもよ
い。たとえば、画像形成面全面にわたって、サーマルヘ
ッドで感熱転写記録材料の感熱転写層を設けていない部
分を用いて、加熱処理したり、あるいは新たにヒートロ
ール等の加熱処理を行ってもよい。また、近赤外線吸収
剤を含有している場合には、赤外線フラッシュランプを
用いて画像形成面を露光させてもよい。いずれの場合
も、加熱手段は問わないが、受像層内部に色素をさらに
拡散させるのが目的であるので、加熱方向は受像層の支
持体側から加熱するのが効果的で好ましい。
【0133】−非階調画像の形成− 本発明の画像記録方法によると、上記のようにして階調
性のある画像を形成することができるのであるが、画像
記録体の用途あるいは目的によっては、階調画像の形成
に先立って、あるいは階調性画像の形成の後に、公知の
熱溶融転写用インクシートを用いて、階調性画像の形成
された被記録体あるいは感熱転写受像材料に、階調性の
ない画像を形成しても良い。なお、階調性のない画像と
しては、例えば、文字、図形、記号あるいは罫線等を挙
げることができる。
【0134】−具体的説明− 以下、図面を参照しながら本発明の感熱転写記録方法を
説明する。図1および図2は、本発明の感熱転写記録方
法の一例を概念的に示したものであり、本発明の感熱転
写記録方法は図に示す態様に限定されるものではない。
さらに、図面を参照しながら、金属イオン含有化合物と
キレートを形成することのできる熱拡散性色素を用いた
本発明の感熱転写記録方法を説明する。図1において、
感熱転写受像材料用支持体1と受像層2とからなる感熱
転写受像材料3の前記受像層2中に金属イオン含有化合
物を存在させた場合、支持体4と感熱転写層5とからな
る感熱転写記録材料6の前記感熱転写層5中に含有され
たところの、金属イオン含有化合物とキレート化可能な
熱拡散性色素が、サーマルヘッド7の発熱抵抗体8によ
って加熱された結果、感熱転写受像材料3に拡散移行
し、受像層2において金属イオン含有化合物と反応して
キレート色素画像を形成する。
【0135】また、図2において、感熱転写層5上に設
けた熱溶融性層9中に金属イオン含有化合物を存在させ
た場合、支持体4と、感熱転写層5と、熱溶融性層9と
からなる感熱転写記録材料10における前記感熱転写層
5中に含有されるところの、金属イオン含有化合物とキ
レートを形成することのできる熱拡散性色素は、サーマ
ルヘッド7の発熱抵抗体8からの熱によって熱溶融性層
9に拡散移行し、金属イオン含有化合物と反応してキレ
ート色素を形成し、前記キレート色素を含む熱溶融性層
9aが凝集破壊もしくは界面剥離することによって感熱
転写受像材料11に移行して画像が形成される。
【0136】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。 (実施例1) −感熱転写層形成用塗工液の調製− 下記の原料を混合し、参照記号A−1で表わされる化合
物と参照記号PCY−1で表わされる熱拡散性色素(化
33)とを含有する均一な感熱転写層形成用塗工液を調
製した。
【0137】 <感熱転写層形成用塗工液> 熱拡散性色素[参照記号;PCY−1]・・・・・・・・・・5g 特定化合物[参照記号;A−3]・・・・・・・・・・・・・3g ポリビニルブチラール樹脂(BL−1、積水化学工業(株)製) ・・・・・・・・・・・・・5g メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・200ml。
【0138】−感熱転写記録材料の製造− 厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
を感熱転写記録材料用支持体とし、前記感熱転写記録材
料用支持体上にワイヤバーを用いて、乾燥後の塗布量が
0.8g/m2 になるように、上記感熱転写層形成用塗
工液を塗布乾燥し、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に感熱転写層を形成してなる感熱転写記録材料を製
造した。なお、前記ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの裏面には、スティキング防止層としてシリコン変性
ウレタン樹脂(SP−2105、大日精化製)を含有す
るニトロセルロース層を形成した。
【0139】−感熱転写受像材料の製造− 紙の両面にポリエチレンをラミネートした感熱転写受像
材料用支持体(片側のポリエチレン層に白色顔料(Ti
2 )と青味剤とを含む。)上に、受像層としてエステ
ル変性シリコン(付量0.15g/m2 )と金属イオン
含有化合物としての[Ni2+(H2 NCOCH2 NH
23 ][B- (C6542 (付量3.5g/ m2
)とを含有するポリ塩化ビニル樹脂(付量5g/m
2 )を塗布し、感熱転写受像材料を製造した。
【0140】−感熱転写記録方法− 前記感熱転写記録材料における感熱転写層と前記感熱転
写受像材料における受像層とを重ね合せ、感熱ヘッドを
感熱転写記録材料の裏面からあてて、下記の記録条件で
画像記録を行なったところ、階調性の優れたイエロー画
像が得られた。 (記録条件)主走査、副走査の記録密度:8ドット/m
m 記録電力:0.6W/ドット 加熱時間:20msecから0.2msec の間で段階的に加
熱時間を調整 得られたイエロー画像の評価(最大濃度、定着性、耐光
性)およびキレート化反応性の評価を下記の方法で行な
った。結果を表1に示す。
【0141】−評価方法− <最大濃度の評価>画像の最大反射濃度(通常、印加時
間が最大の部分)を、X−rite310TRにより測
定した。 <定着性の評価>画像が形成された受像層の表面と、厚
さ180μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に厚さ5μmのニトロセルロース層を塗設してなるシー
トの塗布面とを重ね合せた後、140℃で2分間加熱
し、前記受像層から前記ニトロセルロース層へ色素が転
写する程度を目視により評価した。
【0142】 ○:再転写が認められない。 △:再転写がわずかに認められる。 ×:再転写が顕著である。
【0143】<耐光性の評価>形成された画像にキセノ
ンフェードメーターで72時間光照射を行ない、照射前
の濃度をD0 、照射後の濃度をDとし、(D/D0 )×
100を色素の残存率として耐光性を評価した。
【0144】<キレート化反応性の評価> ○:ほぼ十分にキレート色素画像を形成。 △:キレート色素の形成が不十分。 ×:一部の色素のみキレート色素を形成。
【0145】(実施例2〜9)実施例1で使用した参照
記号PCY−1で表わされる熱拡散性色素を、参照記号
PCY−5、同PCY−8、同PCM−2、同PCM−
3、同PCM−5、同PCC−1、同PCC−4、同P
CC−10で表わされるところの、金属イオン含有化合
物とキレートを形成することのできる熱拡散性色素に代
え、参照記号A−3で表わされる化合物を参照記号A−
4、同A−10、同A−16、同A−17、同A−2
0、同A−22、同A−25、同A−30で表わされる
化合物に代えたこと以外は実施例1と同様にして8種の
感熱転写記録材料を製造し、実施例1と同条件で画像記
録を行なった結果、いずれも階調性の優れたイエロー、
マゼンタおよびシアン画像を得た。形成した画像と製造
した感熱転写記録材料とについて実施例1と同様の評価
を行った。さらに、キレート化反応性の評価についても
下記の評価基準で行った。結果を表1に示す。
【0146】(実施例10)参照記号A−25で表わさ
れる化合物を感熱転写記録材料の感熱転写層と、感熱転
写受像材料の受像層との両層に添加(付量0.5g/ m
2 )したこと以外は実施例8と同様にして感熱転写記録
材料と感熱転写受像材料とを製造し、実施例1と同条件
で画像記録を行なった結果、階調性の優れたシアン画像
を得た。形成した画像と製造した感熱転写記録材料とに
ついて実施例1と同様の評価を行った。さらに、キレー
ト化反応性の評価についても同時に行った。結果を表1
に示す。
【0147】(実施例11)感熱転写記録材料中に参照
記号A−25で表わされる化合物を含有させなかった以
外は実施例10と同様にして感熱転写記録材料を製造
し、実施例1と同条件で画像記録を行なった結果、階調
性の優れたシアン画像を得た。形成した画像と製造した
感熱転写記録材料とについて実施例1と同様の評価を行
った。さらに、キレート化反応性の評価についても同時
に行った。結果を表1に示す。
【0148】(比較例1〜9) 前記一般式(化1)で表わされる化合物および前記一般
式(化2)で表わされる化合物を含有させないこと以外
は、実施例1〜と同様にして種の感熱転写記録材料
を製造し、実施例1と同様の記録条件で画像記録を行な
った。得られた画像および感熱転写記録材料について実
施例1と同様の評価をおこなった。また、熱拡散性色素
として金属イオン含有化合物とキレートを形成すること
のできる熱拡散性色素を使用した比較例については、キ
レート化反応性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0149】(比較例10)参照記号A−25で表わさ
れる化合物を、ポリエチレングリコール(分子量30
0)に代えた以外は実施例8と同様にして感熱転写記録
材料を製造し、実施例1と同様の記録条件で画像記録を
行なった。得られた画像および感熱転写記録材料につい
て実施例1と同様の評価をおこなった。また、キレート
化反応性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0150】(比較例11)参照記号A−25で表わさ
れる化合物を下記に示す比較化合物に代えた以外は実施
例8と同様にして感熱転写記録材料を製造し、実施例1
と同様の記録条件で画像記録を行なった。得られた画像
および感熱転写記録材料について実施例1と同様の評価
を行なった。また、キレート化反応性の評価を行なっ
た。結果を表1に示す。
【0151】
【化63】
【0152】表1から解るように、本発明の感熱転写記
録材料は、高濃度で画像の定着性、耐光性に優れたイエ
ロー、マゼンタおよびシアン画像が得られ、しかも感熱
転写記録材料の保存性も良好であった。さらに熱拡散性
色素として金属イオン含有化合物とキレートを形成する
ことのできる熱拡散性色素を用いた場合、本発明の感熱
転写記録材料および感熱転写受像材料ではキレート化反
応性が向上し色濁りが改善された。
【0153】
【表1】
【0154】(実施例12)実施例1で感熱転写記録材
料用支持体として用いたポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に、参照記号PCC−4で表わされるシアン画
像形成用色素(付量0.4g/m2 )と参照記号A−2
0で表わされる化合物(付量0.2g/m2)とを含む
シアン感熱転写層、参照記号PCM−2で表わされるマ
ゼンタ画像形成用色素(付量0.5g/m2 )と参照記
号A−10で表わされる化合物(付量0.25g/m
2 )とを含むマゼンタ感熱転写層、および前記PCY−
5で表わされるイエロー画像形成用色素(付量0.5g
/m2 )と参照記号A−24で表わされる化合物(付量
0.25g/m2 )とを含むイエロー感熱転写層を順次
塗設して感熱転写記録材料を製造した。なお、各感熱転
写層のバインダーは実施例1と同じもの(付量は各層と
も0.4g/m2 )を用いた。次に、前記感熱転写記録
材料および実施例1と同じ感熱転写受像材料を用いて、
ニコン製フルカラープリンターCP3000Dによりフ
ルカラー画像を形成したところ、良好な色再現性を示す
フルカラー画像が得られた。また、この画像の安定性
(定着性、耐光性)は良好であった。
【0155】(実施例13)実施例12の感熱転写記録
材料上に中間層としてP−トルアミドのボールミル分散
物5g、ポリビニルピロリドン7g、ゼラチン3gおよ
び下記化学式(化64)で表わされる硬膜剤0.3gを
含む水溶液100mlを、P−トルアミドの付量が0.
5g/m2 となるように塗設した。
【0156】さらに前記中間層上に、金属イオン含有化
合物として、 [Ni2+(H2 NCOCH2 NH23 ][B- (C6542 (付量1.0g/m2 )、参照記号A−10で表わされ
る化合物(付量0.2g/m2 )、下記化学式(化6
5)で表わされる紫外線吸収剤(付量0.1g/m
2 )、下記化学式(化66)で表わされる酸化防止剤
(付量0.1g/m2 )およびエチレン−酢酸ビニル共
重合体(酢酸ビニルの含量20%、付量0.2g/m
2 )を含有するカルナバロウ(付量2.0g/m2
を、熱溶融性層としてホットメルト塗布により塗設し
て、感熱転写記録材料を製造した。
【0157】前記感熱転写記録材料と感熱転写受像材料
とを用いて実施例12と同様にしてフルカラープリンタ
ーによりフルカラーの画像記録を行なった。なお、感熱
転写受像材料は白色の普通紙を用いた。得られたフルカ
ラー画像は色再現性、階調性、画像安定性とも良好であ
った。また感熱転写記録材料の保存性も良好であった。
【0158】
【化64】
【0159】
【化65】
【0160】
【化66】
【0161】
【発明の効果】本発明によると、前記一般式(化1)で
表わされる化合物および前記一般式(化2)で表される
化合物のうち、実質的に無色または白色である化合物の
少なくとも一種を用いることにより、高濃度で安定性に
富む画像が得られ、且つ色再現性に優れた感熱転写記録
材料と感熱転写受像材料とを提供することができると共
に、前記感熱転写記録材料および/または前記感熱転写
受像材料を用いて効率的に記録することができる感熱転
写記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による感熱転写記録方法の一実施例を示
す概略図である。
【図2】本発明による感熱転写記録方法の一実施例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 感熱転写受像材料用支持体 2 受像層 3 感熱転写受像材料 4 感熱転写記録材料用支持体 5 感熱転写層 6 感熱転写記録材料 7 サーマルヘッド 8 発熱抵抗体 9 熱溶融性層 10 感熱転写記録材料 11 感熱転写受像材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キレート化可能な熱拡散性色素と金属イ
    オン含有化合物との反応により形成されるキレート色素
    によって画像を被記録材料に形成させることのできる感
    熱転写記録材料において、感熱転写記録材料用支持体上
    に、下記一般式(化1)で表わされる化合物および下記
    一般式(化2)で表わされる化合物のうち、実質的に無
    色または白色である化合物の少なくとも一種を含有する
    層を設けてなることを特徴とする感熱転写記録材料。 【化1】 [ただし、式中R1 、R2 およびR3 は、水素原子
    または置換基を有していても良いアルキル基、シクロア
    ルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表わし、また、R
    1 、R2 およびR3 は互いに結合して環を形成して
    も良く、その場合にはR1 、R2 およびR3 は環を
    形成するのに必要な原子群を表わす。また、前記式で示
    される化合物は、分子中に金属イオンを含有しない。] 【化2】 [ただし、式中Xは=C(R4 )−または=N−を
    (ただし、R4 は水素原子または一価の有機基を表わ
    す。)、Zは窒素原子とXと共に5〜6員環の芳香族複
    素環を形成するのに必要な原子群を表わす。また、前記
    式で示される化合物は、分子中に金属イオンを含有しな
    い。
  2. 【請求項2】 キレート化可能な熱拡散性色素と金属イ
    オン含有化合物との反応により形成されるキレート色素
    によって画像を形成することのできる感熱転写受像材料
    において、支持体上に、前記請求項1に記載の一般式
    (化1)で表わされる化合物および前記請求項1に記載
    の一般式(化2)で表わされる化合物のうち、実質的に
    無色または白色である化合物の少なくとも一種を含有す
    る層を設けてなることを特徴とする感熱転写受像材料。
  3. 【請求項3】 キレート化可能な熱拡散性色素と金属イ
    オン含有化合物との反応により形成されるキレート色素
    により画像を形成する感熱転写記録方法において、前記
    請求項1に記載の一般式(化1)で表わされる化合物お
    よび前記請求項1に記載の一般式(化2)で表わされる
    化合物のうち、実質的に無色または白色である化合物の
    少なくとも一種の存在下に、画像が形成されることを特
    徴とする感熱転写記録方法。
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