JP3083144B2 - 金属繊維の製造方法 - Google Patents
金属繊維の製造方法Info
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Description
方法に関するものである。
として、本出願人による特開平1−153231号公報が知ら
れている。
付けた回転軸を回転しつつ、巻付け材料板の端面を切削
刃で周方向に切削して繊維を束状に得るもので、該製造
方法によれば巻付けられた金属板を無駄なく利用して長
尺の金属繊維を効率よく連続して製造でき、また材料自
体の硬さに関係なく各種の金属材料から繊維を製造でき
る利点がある。
面に密着状態で積層されているため、特に低融点材料を
用いた場合や回転軸を高速で回転させる場合に、切削時
に発生する熱(切削熱)によって切削と同時に金属繊維
が相互に融着して結合する恐れがある。
的とするところは、切削時における繊維相互の融着を防
止できる金属繊維の製造方法を提供することにある。
くとも一表面に、水溶性樹脂から成る被膜を形成して材
料板を得る工程と、この材料板を回転軸の周面に多数回
巻付ける工程と、材料板が巻付けられた回転軸を所定方
向に回転しながら巻付け材料板の端面をこの端面に向か
って移動する切削刃によって切削して、金属部分と水溶
性樹脂部分とが一体化された複合繊維を得る工程と、こ
の複合繊維を水に浸漬してその水溶性樹脂部分を溶解除
去して金属繊維を得る工程によって金属繊維を製造す
る。
け材料板の端面が切削刃によって周方向に切削され、こ
の切削によって金属部分と水溶性樹脂部分とが一体化さ
れた複合繊維が連続的に生成される。材料板を構成する
金属板は水溶性樹脂から成る被膜を介して回転軸の半径
方向に積層されているので、切削時に熱が発生しても水
溶性樹脂被膜の存在及びその断熱作用によって複合繊維
の金属部分同士が融着することがない。次に、前記の複
合繊維は水に浸漬され、この浸漬によってその水溶性樹
脂部分を溶解除去されて金属部分のみが繊維状に残る。
融着防止用の被膜が水溶性樹脂から形成されているの
で、複合繊維を水に浸漬することで水溶性樹脂部分の除
去を容易に行なえる。
該製造装置を使用した金属繊維の製造について順に説明
する。
ィング装置を示すもので、図において1は可溶性材料F
を受容する供給槽、2a乃至2cは計3個のローラ、Kは金
属板、Hは金属板Kの一表面に形成された可溶性の被膜
である。
ル),ポリアクリル酸,ポリエチレンオキシド,ポリエ
チレンイミン,ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂か
ら選ばれる1種もしくは2種以上の樹脂材料から成り、
必要に応じて加熱を行なう等して、供給槽1内に液相状
態で受容されている。
溶性材料F内に浸漬しており、図示省略のモータによっ
て矢印方向に回転駆動される。また、このローラ2aの上
部にはほぼ同一径の2つのローラ2b及び2cが上下方向に
配置されており、最下段のローラ2aと中段のローラ2bは
接触状態で、また中段のローラ2bと最上段のローラ2cと
の間には、金属板Kが両者に接触状態で通過可能な隙間
が形成されている。
2aを回転させた状態で中段のローラ2bと最上段のローラ
2cとの間に金属板Kを挿入することで、該金属板Kを矢
印方向に移動させつつ、その下面に可溶性材料Fを一定
の厚みで被膜状に付着できるようになっている。
化させる乾燥装置を示すもので、図において11は加熱
炉、12は加熱炉12内に配置されたヒータ、Kは金属板、
Hは被膜、Zは材料板である。
口11bと、所定長さの加熱空間11cを有している。
下部に長手方向に亘って配置されている。
付着した後の金属板Kを加熱空間11c内に移動させるこ
とで、加熱によって被膜Hを乾燥固化し、これにより金
属板Kの一表面に可溶性材料から成る被膜Hが一体に形
成された材料板Z(第3図参照)が得られるようになっ
ている。
体化された複合繊維を得る切削装置を示すもので、図に
おいて21は基台、24は回転軸、25は切削刃、26は刃物台
である。
台22,23が所定間隔をおいて対向配置されている。ま
た、両軸受台22,23の内部には、軸受22a,23aが同一軸線
上に設けられている。
22の軸受22aに、また他端部を他方の軸受台23の軸受23a
に夫々回転自在に軸支されている。また、回転軸24の両
軸受台22,23の間に位置する部分には、該回転軸24の軸
線Jと軸線を一致する円柱状外面を有し、且つその表面
に軸線方向の溝24aを有する巻付け部24bと、該巻付け部
24bの軸受台23側に大径の鍔部24cが夫々設けられてい
る。図示を省略したが、回転軸24の軸受台23側の軸端部
は、モータに直接またはベルト等を介して連結されてお
り、モータの作動によって所定方向に回動できるように
なっている。
する刃物台26に固定されている。この切削刃25は第5図
にも示すように、その刃線の延長線Eを回転軸24の軸線
Jと直交し、且つ刃線を巻付けられた材料板Zの端面の
高さ方向の中心位置に接している。また、この切削刃25
はそのすくい面25aと回転軸24の軸線Jとのなす角(す
くい角)γを21゜〜37゜の範囲内、好ましくは35゜前後
に設定され、またその逃げ面25bと巻付け材料板Zとの
なす角(逃げ角)αを10゜前後に設定されている。
に形成されたガイド溝26aを、基台21上に回転軸24の軸
線Jと平行に配置されたガイドレール21aに摺動自在に
嵌合している。図示を省略したが、刃物台26はガイド溝
26a部分に設けられた駆動片をガイドレール21aの中央孔
を通じて下方に垂下し、該駆動片をボールねじ等を用い
た微量送り機構の作動によって回転軸24の軸線Jと平行
に移動できるようになっており、切削刃25の送りによっ
て巻付け材料板Zの端面を周方向に切削し、金属部分Ka
と可溶部分Haとが一体化された複合繊維FS(第6図参
照)を束状に形成できるようになっている。
る除去装置であり、図において31は基台、32は水Wを受
容する除去槽、33a乃至33eは案内ローラである。
り、右端の案内ローラ33aは垂直状態で切削装置の刃物
台26に対向して配置され、他の2つの案内ローラ33b,33
eは水平状態で除去槽32の開口縁に対向配置され、他の
2つの案内ローラ33c,33dは水平状態で除去槽32の底面
に間隔をおいて配置されている。
通じて切削装置側から案内された複合繊維FSの束を他の
案内ローラ33b乃至33eによって水中に誘導し、該複合繊
維FSの可溶部分Haを水Wで溶解して除去し、金属部分Ka
のみを繊維状に残せる(第8図参照)ようになってい
る。
て説明する。
ーラ2aを回転させた状態で、中段のローラ2bと最上段の
ローラ2cとの間に所望の金属板、例えば厚さ約100μm
の黄銅製金属板Kを挿入する。これにより、金属板Kが
矢印方向に移動し、その下面に可溶性材料Fが一定の厚
さ、例えば約50μmの厚さで被膜状に形成される。
熱空間11c内に移動させる。これにより、金属板Kに付
着された被膜Hが加熱によって乾燥固化し、金属板Kの
一表面に可溶性の被膜Hが一体に形成された材料板Z
(第3図参照)が得られる。
け部24bに巻付ける。つまり、金属部分を上向きにして
材料板Zの端縁を溝24aに差込んで折曲げ、その一側が
鍔部24cの側面に接するようにして第4図で時計回り方
向に堅密に多数回巻付け、そして所定の径になったとこ
ろで材料板Zを切断し、該切断端縁を表面に止着する。
この止着には接着剤を用いる他、各種の溶接が使用でき
る。
て、回転軸24を第4図で反時計回り方向に、即ち材料板
Zの巻付け方向とは逆方向に一定速度で回転させる。こ
れと共に刃物台送り用の微量送り機構を作動して、刃物
台26をガイドレール21aに沿って巻付け材料板Zの端面
に向かって移動させる。
板Zの端面に当接し、当接後は切削刃25の送り量に従っ
て巻付け材料板Zの端面が周方向に切削される。つま
り、この切削では材料板Zを構成する金属板Kと可溶性
の被膜Hとが同時に削られ、金属部分Kaと可溶部分Haと
がほぼ平行に一体化された、太さが約150μm複合繊維F
S(第6図参照)が束状に連続的に生成される。
去装置の右端の案内ローラ33aを通じて除去槽32方向に
案内され、他の案内ローラ33b乃至33eに誘導されて除去
槽32内の水Eに浸漬される。つまり、複合繊維FSの束は
水中を通過する際、その可溶部分Haを該水Wで溶解して
除去され、即ち溶解後には太さが約100μmの金属部分
Kのみが繊維状に残ることになる(第8図参照)。
ータ等によって強制的に乾燥させた後、適当な巻取り装
置で巻取られる。
24bに巻付けられる材料板Zとして、金属板Kの一表面
に可溶性の被膜Hが形成された材料板Zを用いているの
で、材料板Zを構成する金属板Kは巻付け状態で被膜H
を介して回転軸24の半径方向に積層されることになり、
切削時に熱が発生しても被膜Hの存在及びその断熱作用
によって切削された金属部分に融着を生じることがな
い。従って、金属板Kとして低融点材料を用いたり、回
転軸を高速で回転させる場合でも、金属繊維の相互融着
を確実に防止して、該繊維を適当に分離した状態で製造
することができる。
浸漬することで簡単に除去できるので、製造工程が煩雑
化することもない。
によるコーティングの他、噴霧やはけ塗り等で採用して
もよく、また速乾性の材料を使用したり、自然乾燥を行
なう場合には、被膜の乾燥を行なう乾燥装置を排除して
もよい。
槽内の溶解液に複合繊維の束を連続的に通過させる他、
所定量の複合繊維を溶解液中に所定時間浸漬する方法等
を採用してもよい。
くとも一表面に水溶性樹脂被膜を形成した材料板を回転
軸の周面に多数回巻付け、回転軸を回転しながら巻付け
材料板の端面を切削刃によって切削して金属部分と水溶
性樹脂部分とが一体化された複合繊維を得た後、この複
合繊維を水に浸漬してその水溶性樹脂部分を溶解除去し
て金属繊維を得ているので、切削時に熱が発生しても水
溶性樹脂被膜の存在及びその断熱作用によって複合繊維
の金属部分同士が融着することがなく、金属板として低
融点材料を用いたり、回転軸を高速で回転させる場合で
も、金属繊維の相互融着を確実に防止できる。また、融
着防止用の被膜が水溶性樹脂から形成されているので、
金属板への被膜形成及び複合繊維からの水溶性樹脂部分
の除去を製造工程の煩雑化を招くことなく容易に行なっ
て、所期の金属繊維を的確に製造することができる。
1図はコーティング装置の概略図、第2図は乾燥装置の
概略図、第3図は材料板の部分拡大図、第4図は切削装
置の斜視図、第5図は第4図の部分拡大図、第6図は複
合繊維の拡大斜視図、第7図は除去装置の概略図、第8
図は金属繊維の拡大斜視図である。 図中、K……金属板、Ka……金属部分、H……被膜、Ha
……可溶部分、F……可溶性材料、Z……材料板、24…
…回転軸、25……切削刃、FS……複合繊維、W……水、
KS……金属繊維。
Claims (1)
- 【請求項1】金属板の少なくとも一表面に、水溶性樹脂
から成る被膜を形成して材料板を得る工程と、 この材料板を回転軸の周面に多数回巻付ける工程と、 材料板が巻付けられた回転軸を所定方向に回転しながら
巻付け材料板の端面をこの端面に向かって移動する切削
刃によって切削して、金属部分と水溶性樹脂部分とが一
体化された複合繊維を得る工程と、 この複合繊維を水に浸漬してその水溶性樹脂部分を溶解
除去して金属繊維を得る工程とを具備した、 ことを特徴とする金属繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02210387A JP3083144B2 (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 金属繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02210387A JP3083144B2 (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 金属繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0493123A JPH0493123A (ja) | 1992-03-25 |
JP3083144B2 true JP3083144B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=16588493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02210387A Expired - Lifetime JP3083144B2 (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 金属繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3083144B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04130556U (ja) * | 1991-05-24 | 1992-11-30 | 三菱自動車工業株式会社 | 出入口扉のシール構造 |
JPH05555U (ja) * | 1991-06-24 | 1993-01-08 | 豊田合成株式会社 | 車両乗降口のシール構造 |
WO2010108779A1 (en) | 2009-03-24 | 2010-09-30 | Nv Bekaert Sa | Regenerator for a thermal cycle engine |
WO2010108778A1 (en) | 2009-03-24 | 2010-09-30 | Nv Bekaert Sa | Regenerator for a thermal cycle engine |
WO2010149693A1 (en) | 2009-06-25 | 2010-12-29 | Nv Bekaert Sa | A diesel soot particulate filter cartridge |
WO2010149692A1 (en) | 2009-06-25 | 2010-12-29 | Nv Bekaert Sa | Multicartridge diesel soot particulate filter |
-
1990
- 1990-08-10 JP JP02210387A patent/JP3083144B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04130556U (ja) * | 1991-05-24 | 1992-11-30 | 三菱自動車工業株式会社 | 出入口扉のシール構造 |
JPH05555U (ja) * | 1991-06-24 | 1993-01-08 | 豊田合成株式会社 | 車両乗降口のシール構造 |
WO2010108779A1 (en) | 2009-03-24 | 2010-09-30 | Nv Bekaert Sa | Regenerator for a thermal cycle engine |
WO2010108778A1 (en) | 2009-03-24 | 2010-09-30 | Nv Bekaert Sa | Regenerator for a thermal cycle engine |
WO2010149693A1 (en) | 2009-06-25 | 2010-12-29 | Nv Bekaert Sa | A diesel soot particulate filter cartridge |
WO2010149692A1 (en) | 2009-06-25 | 2010-12-29 | Nv Bekaert Sa | Multicartridge diesel soot particulate filter |
US8784539B2 (en) | 2009-06-25 | 2014-07-22 | Nv Bekaert Sa | Diesel soot particulate filter cartridge |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0493123A (ja) | 1992-03-25 |
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