JP3075940B2 - 自動火災報知システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動火災報知システム
に関し、特に音声により火災情報を告知する非常放送装
置をもつ自動火災報知シテムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の自動火災報知システム
は、警戒区域を所定範囲毎に分割し、各警報区域毎に設
置された複数の火災感知器からの火災検出信号（発報信
号）を回線を介して火災受信機に送信し、受信機が該発
報信号を受信し、“火災発生”と判断した時に、受信機
側での警報表示と共に各区域毎に設置された音響設備
（例えば、ベル）の鳴動制御が行なわれる。即ち、各区
域に設置された複数の火災感知器からの発報信号が回線
を介して受信機に送出されるように構成され、火災警報
時には、火災が検出された回線の警戒区域、及び該区域
の隣接区域（一般的には、同じフロアー、ないしは直上
階のフロアー）の地区音響設備を制御して警報を発して
いる。

【０００３】一方、近年になって、この地区音響設備
（ベル）の音響警報とは異なった非常放送装置による音
声警報も実用化されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の自
動火災報知システムでは、地区音響設備としてのベルを
動作制御するベル制御出力や消火栓等を制御する移報出
力は用意されているが、非常放送装置を動作させるため
の格別な移信出力は用意されておらず、通常、火災発生
時の消火活動に用いられる消火栓ポンプ起動用の信号が
非常放送装置駆動信号として使用されている。

【０００５】したがって、当然のことながら消火栓動作
を停止するための停止スイッチが操作されると非常放送
装置の動作も停止してしまう。その結果、火災の程度が
消火栓を用いる必要がない場合等には、消火栓動作のみ
を停止させたくても非常放送も停止してしまうという問
題が生じる。

【０００６】そこで、本発明の目的は、非常放送装置の
動作を火災程度に応じ、また確実に制御可能とする自動
火災報知システムを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明による自動火災報知システムは、複数の警戒
区域の各警戒区域に設置され、火災を検知して発報信号
を出力する複数の火災感知器及び特定操作により発報信
号を出力する発信機と、該複数の火災感知器及び発信機
からの発報信号に基づいて火災監視を行ない、火災警報
を行なう自動火災報知システムにおいて、火災情報を音
声で告知する非常放送部と、前記警戒区域からの発報信
号に基づく移報信号と、警報の程度を示す移報信号を出
力して前記非常放送部を動作させる動作制御部と、停止
スイッチの操作により前記移報信号を停止して前記非常
放送部の動作のみを停止する停止部と、を備えて構成さ
れる。

【０００８】ここで、前記動作制御部は、前記火災感知
器からの発報信号が同時に２以上発生したとき、及び／
または前記発信機からの発報信号が発生したとき前記非
常放送部を動作させることができ、また、前記非常放送
部は、前記発報信号に基づいて判定された火災の程度を
告知することもできる。

【０００９】

【作用】本発明では、複数の火災感知器からの発報信号
と、特定操作により動作する発信機からの発報信号とに
基づいて火災監視を行ない、非常放送装置により火災警
報を音声で告知する際、上記非常放送部の動作を停止す
る格別な停止手段を設けて非常放送動作の確実な制御を
可能とするとともに、火災状況の程度に対応した音声警
報を行なっている。

【００１０】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図１は、本発明による自動火災報知シ
ステムが適用されるＰ型の自動火災報知システムの全体
構成を示すブロック図である。

【００１１】図１において、本発明による自動火災報知
システムは、火災受信機１、非常放送装置２及び各地区
火災監視ブロック３（１），３（２），……，３（ｎ）
に設置されている複数の火災感知器（Ｄ）３１（１，
１），３１（１，２），……３１（１，ｍ），３１
（２，１），３１（２，２），……３１（２，ｍ），…
…，３１（ｎ，１），３１（ｎ，２），……，３１
（ｎ，ｍ）、発信機（Ｐ）３２（１），３２（２），…
…，３２（ｎ）及びスピーカ３３（１，１），３３
（１，２），３３（２，１），３３（２，２），……，
３３（ｎ，１），３３（ｎ，２）とを備えて構成されて
いる。

【００１２】図２は、図１に示されている火災受信機の
構成例を示すブロック図である。図２において、火災受
信機１は、火災感知器３１（１，１）〜３１（ｎ，ｍ）
の動作信号を各回線（一対の線路）を介して受信する。
火災感知器の動作信号、または発信機３２（１）〜３２
（ｎ）からの発報信号は、インタフェース１０８を介し
て中央処理装置（ＣＰＵ）１０１に取り込まれる。

【００１３】中央処理装置１０１は、本実施例の自動火
災報知システムを全体的に制御するもので、ＲＯＭ１０
３に格納されている制御プログラムに基づいて、インタ
フェース１０８を介して各地区監視ブロック３（１）〜
３（ｎ）からの信号及び入出力インタフェース１０５を
介して操作部１０６からの操作信号を受け、ＲＡＭ１０
４を用いて所定の演算処理を施し、インタフェース１０
２を介して警報出力を行なうための各種のリレーに制御
信号を供給している。表示部１０７は、自動火災報知シ
ステム全体の所要の情報を表示する。

【００１４】中央処理装置１０１は、動作した火災感知
器（Ｄ）または発信機（Ｐ）が設置された地区（例え
ば、フロアー）に対応した移信用リレーＦ１〜Ｆｎを付
勢する。付勢されたリレーＦ１〜Ｆｎの常開接点ｆ１〜
ｆｎが閉じて、非常放送装置２を動作せしめる。また、
火災感知器（Ｄ）からの動作信号を発している回線、す
なわち発報回線の個数が２以上の場合、または、発信機
（Ｐ）からの発報があった場合には、火災第２報用リレ
ーＦＸを付勢して、その常開接点ｆｘを閉じて警報の程
度を示す移報出力を行なう。

【００１５】操作部１０６の非常放送停止スイッチ（Ｓ
Ｗ１）４が操作されると、リレーＳ１が付勢されて常閉
接点ｓ１ａを開き移報の停止が行われる。

【００１６】図３は、図２に示されている火災受信機の
中央処理装置の動作処理手順を示すフローチャートであ
る。火災発報があると（ステップＳ１）、火災発報が発
信機）３２（１）〜３２（ｎ）からの発報か否かを判定
し（ステップＳ２）、発信機（Ｐ）からの発報の場合は
ステップＳ４に進む。発信機（Ｐ）からの発報でない場
合は、ステップＳ３に進み、火災発報が２報以上あるか
否かを判定し、２報以上あった場合は、ステップＳ４に
進み、火災第２報用リレーＦＸを駆動して移報接点ｆｘ
を閉じて移報信号を出力し、ステップＳ５に進む。ステ
ップＳ３において、火災発報が２報以上でない場合、即
ち１報の場合はステップＳ５に進み、移信用リレーＦ１
〜Ｆｎを駆動して、常開接点ｆ１〜ｆｎを閉じて、移報
信号を出力して、火災処理を行ない（ステップＳ６）、
本動作処理手順を終了する。

【００１７】また、図２に示した実施例においては、非
常放送停止スイッチ４が操作されたときに移報停止用の
リレーＳ１の常閉接点ｓ１ａを設けて移報停止を行なっ
ているが、この非常放送停止リレーＳ１を設けなくて
も、非常放送停止スイッチ４が操作されたときに移報中
の接点を閉じている移信用リレーの常開接点ｆ１〜ｆ
ｎ，ｆｘを開路することにより行なうこともできる。

【００１８】また、非常放送装置からの音声警報の内容
を火災発報の信頼性の高低の程度や、火災状況の程度に
対応して、異なる種類の警報で行なうこともできる。例
えば、火災感知器による発報では、１回線のみからの発
報で第１レベルの警報内容（注意程度）を放送し、２回
線以上からの同時に発報があった時、または、発信機か
らの発報があった時には、第２レベルの警報内容（本警
報）を放送する等の動作も可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上、説明したように本発明による自動
火災報知システムは、例えば、従来の火災受信機にあっ
た発報回線に対応した移報出力のほかに、火災感知器の
発報が２報以上あった場合、または、発信機からの発報
があった場合に出力される移報出力により、非常放送装
置を動作させ、この非常放送動作は非常放送停止スイッ
チだけで停止させるように構成しているので、非常放送
装置の動作制御が容易になり、また、非常放送装置から
放送する異なった内容の音声警報を容易に構成すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動火災報知システムが適用され
るＰ型の自動火災報知システムの全体構成を示すブロッ
ク図である。

【図２】本発明による図１に示されている火災受信機の
一実施例を示すブロック図である。

【図３】図２に示されている火災受信機の中央処理装置
の動作処理手順を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ 火災受信機 ２ 非常放送装置 ３（１）〜３（ｎ） 地区火災監視ブロッ
ク ４ 非常放送移報停止ス
イッチ ３１（１，１）〜３１（ｎ，ｍ） 火災感知器（Ｄ） ３２（１）〜３２（ｎ） 発信機（Ｐ） ３３（１，１）〜３３（ｎ，２） スピーカ １０１ 中央処理装置（ＣＰ
Ｕ） １０２，１０８ インタフェース １０３ ＲＯＭ １０４ ＲＡＭ １０５ 入出力インタフェー
ス １０６ 操作部 １０７ 表示部 Ｆ１〜Ｆｎ 移信用リレー ｆ１〜ｆｎ 移信用リレー常開接
点 ＦＸ 火災第２報用リレー ｆｘ 火災第２報用移報接
点 Ｓ１ 非常放送移報停止リ
レー ｓ１ａ 非常放送移報停止常
閉接点

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の警戒区域の各警戒区域に設置され、
   火災を検知して発報信号を出力する複数の火災感知器及
   び特定操作により発報信号を出力する発信機と、該複数
   の火災感知器及び発信機からの発報信号に基づいて火災
   監視を行ない、火災警報を行なう自動火災報知システム
   において、 火災情報を音声で告知する非常放送部と、 前記警戒区域からの発報信号に基づく移報信号と、警報
   の程度を示す移報信号を出力して前記非常放送部を動作
   させる動作制御部と、停止スイッチの操作により前記移報信号を停止して 前記
   非常放送部の動作のみを停止する停止部と、 を備えて成ることを特徴とする自動火災報知システム。
2. 【請求項２】前記動作制御部は、前記火災感知器からの
   発報信号が同時に２以上発生したとき、及び／または前
   記発信機からの発報信号が発生したとき前記非常放送部
   を動作させる請求項１に記載の自動火災報知システム。
3. 【請求項３】前記非常放送部は、前記発報信号に基づい
   て判定された火災の程度を告知する請求項１に記載の自
   動火災報知システム。