JP3783992B2 - 音声警報装置、住棟用受信機及び共同住宅用火災報知システム - Google Patents

音声警報装置、住棟用受信機及び共同住宅用火災報知システム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声警報を出力するための音声信号を生成して出力する音声警報装置、この音声警報装置を用いた住棟用受信機及びこの住棟用受信機を用いた共同住宅用火災報知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の音声警報を行う共同住宅用火災報知システムにあっては、住戸内に設けられた火災感知器が発報すると、住戸内に設置している住宅情報盤(住戸用受信機)から管理人室等の中央に設置された防災情報を集中監視する住棟用受信機に火災信号が送られる。火災信号を受信した
住棟用受信機では、自己の音声警報装置を起動して所定の音声信号を生成した後、近隣住戸、例えば出火階及びその直上階の住戸に音声警報信号として出力する。これにより、出火階及びその直上階の出火住戸以外の住戸用受信機のスピーカ及び出火住戸の戸外表示器のスピーカに住棟用受信機からの音声警報信号が供給され、例えば「(ピンポン、ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)×2回繰り返し+(フィフィフィ)×3回繰り返し」などの出火場所を含む音声警報メッセージが出力される。
【0003】
一方、一般的に火災報知システムにあっては、試験器を使い強制的に火災感知器を作動試験させてシステムの点検を行う保守点検の際に、点検を効率的に行うために火災感知器の作動試験による火災信号を自己保持しないと共に、火災信号受信後数秒間経過したところで火災感知器の電源供給を一旦停止して復旧させる試験復旧モードを受信機に設定する。試験復旧モードを設定することで、住棟用受信機は、火災感知器の作動試験による火災信号を受信している期間、数秒間のみ警報動作を行うようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の共同住宅用火災報知システムにあっては、保守点検時、住棟用受信機に試験復旧モードを設定する場合にあっては、火災信号を自己保持しないため、火災感知器の作動試験による火災信号の出力時間のみ音声警報信号を出力することになる。通常、火災感知器の作動試験による火災信号の出力時間は数秒程度と短く、更に音声警報装置のアンプ立ち上がりに2秒程度が掛かることを考慮して実際の音声出力はアンプ起動後2秒程度ウエイトしてから行うため、結果、住棟用受信機から出力される音声警報信号の出力時間、即ち住戸側のスピーカからの音声警報メッセージの時間は数秒以下と短く、このため点検者は正常に点検が終了したか否か容易に確認できなく、最悪の場合、音声警報メッセージを聞き逃す可能性がある。
【0005】
ちなみに、音声警報メッセージの「ピンポン」でも約1.5秒掛かることから、保守点検時、「ピンポン」程度しか出力されないことになる。
また、この程度の長さの音声警報メッセージを確認しただけでは、音声警報装置の機能チェックを十分行ったとは言えず、例えば音声ファイルが途中で壊れていた場合には、確認できない問題がある。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、起動信号が数秒間しかオンにならなくても、点検の結果を確実に認識することができる音声警報装置、住棟用受信機及び共同住宅用火災報知システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による音声警報装置は、通常時、起動信号がオンになることで異常発生を知らせる音声警報信号を出力し、起動信号がオフになることで音声警報信号の出力を直ちに停止し、点検モードを設定した場合には、音声警報信号の出力途中で起動信号がオフになってもその時点で音声警報信号の出力を停止せず、音声警報信号のうちの予め決められた音声警報メッセージまで出力してから停止することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、点検モードが設定されていない通常時には、起動信号がオンになると音声警報信号(音声警報メッセージ)が出力され、オフになると直ちに出力されなくなる。点検モードが設定されると、音声警報信号が出力されている間に起動信号がオフになってもその時点で直ちに音声警報信号の出力が停止せず、予め決められた区切りまで出力されてから停止する。
例えば、通常時に出力する音声警報信号が「(ピンポン、ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)×2回繰り返し+(フィフィフィ)×3回繰り返し」であるとして、「(ピンポン、ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)」までを区切りとすると、例えば「ピンポン」まで出力された時点で起動信号がオフになっても、その時点で音声警報信号の出力が停止せず、その後の「(ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)」まで出力されてから停止する。
【0009】
したがって、住戸点検時に外部試験器による火災感知器の遠隔作動試験が正常に終了して、中継器からの火災信号が数秒間しかオンにならなくても、住棟用受信機からは通常時に出力する音声警報信号のうちの予め決められた区切りまで出力されるので、住戸点検において、音声警報装置の機能を確実に確認できるようになる。また、当然ながら音声警報信号線及び戸外表示器の試験結果も確実に認識することができる。
【0010】
請求項2記載の発明による住棟用受信機は、
請求項1記載の音声警報装置を備え、火災信号を受けることで起動信号をオンし、前記音声警報装置を起動させて音声警報信号を出力することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明による共同住宅用火災報知システムは、管理人室等の中央に設けられる請求項2記載の住棟用受信機と、各住戸毎に設けられる、火災感知器と、該火災感知器を感知器回線を介して接続し、火災確定信号を受けた場合に前記住棟用受信機に火災信号を出力する中継器と、前記中継器が前記火災感知器の発報を検出した場合に出力する作動信号を受信した場合には、自己のスピーカにより音声警報を行うと共に前記作動信号を受けて所定の遅延時間後に火災確定信号を中継器に出力する住戸用受信機と、音声警報信号を出力するスピーカを備えた戸外表示器とを備えた共同用住宅用火災報知システムにあって、前記火災感知器の遠隔作動試験を含む住戸点検時に前記中継器に接続し、試験開始操作を行った場合に前記中継器を介して前記住戸用受信機に試験中信号を出力し、前記火災感知器の試験が正常に終了した場合に前記中継器に試験正常終了信号を数秒間出力する回路部を設けた外部試験器を有し、前記中継器に、前記外部試験器より試験中信号を受けた場合に前記感知器回線を住戸用受信機側から外部試験器側に切り換え接続して外部試験器から前記火災感知器の遠隔作動試験を可能とし、前記外部試験器より試験正常終了信号を受けた場合に、試験正常終了信号の出力時間程度だけ前記住戸用受信機に作動信号を出力し、該作動信号を出力した後前記住戸用受信機より火災確定信号を受けた場合に、該火災確定信号の出力時間程度だけ前記住棟用受信機に火災信号を出力する回路部を設け、前記住棟用受信機に、前記中継器から送られる火災信号を保持しない試験復旧モードを備え、住戸点検時に該試験復旧モードが設定されている状態で、前記中継器からの火災信号を受けると、前記音声警報装置に対する起動信号をオンし、火災信号を受けなくなった時点で前記音声警報装置への起動信号をオフする回路部を設け、自己の前記音声警報装置は、住戸点検時に点検モードが設定されていることで、前記回路部からの起動信号がオンになることで異常発生信号を知らせる音声警報信号の出力を開始し、音声警報信号の出力途中で起動信号がオフになってもその時点で音声警報信号の出力を停止せず、音声警報信号のうちの予め決められた音声警報メッセージまで出力してから停止し、前記住戸用受信機に、前記中継器経由で前記外部試験器からの試験中信号を受けることで、前記戸外表示器に試験中信号を出力し、更に自己のスピーカによる音声警報及び前記遅延時間による遅延動作を禁止し、また、該試験中信号を受けている状態で前記中継器より作動信号を受けた場合に、音声警報を行わず、直ちに前記中継器に火災確定信号を作動信号の出力時間程度だけ出力する回路部を設け、前記戸外表示器に、前記住戸用受信機より試験中信号を受けている状態で、前記住棟用受信機から出力される音声警報信号を自己のスピーカから出力可能とする回路部を設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面例と共に説明する。
図1は本発明に係る共同住宅用火災報知システムの実施の形態の構成を示すブロック図、図2は図1の共同住宅用火災報知システムの住棟用受信機1の構成を示すブロック図、図3は図2の住棟用受信機1の音声警報装置56の構成を示すブロック図である。
この実施の形態の共同住宅用火災報知システムは、住棟用受信機1と、自火報総合盤2と、中継器3と、住戸用受信機4と、戸外表示器5と、共用部スピーカ6とを備えて構成される。住棟用受信機1は管理人室等の中央に配置され、自火報総合盤2は警戒区域毎に例えば各階毎に配置される。住戸用受信機4は各階の各住戸毎に住戸内に配置され、中継器3及び戸外表示器5は各階の各住戸毎に玄関外側等の住戸外に配置される。共用部スピーカ6は各階の廊下やエレベータ等の共用部に配置される。
【0013】
住棟用受信機1からは地区音響制御信号E6と音声警報信号E7が出力される。地区音響制御信号E6は各階の自火報総合盤2と共用部スピーカ6に供給されると共に、各階の各住戸の住戸用受信機4及び戸外表示器5に供給される。音声警報信号E7は各階の共用部スピーカ6に供給されると共に、各階の各住戸の戸外表示器5に供給され、さらに各階の自火報総合盤2を介して各住戸の住戸用受信機4に供給される。中継器3には自己復旧型の遠隔作動試験機能付火災感知器10,10が感知器回線11a,11bを介して接続されており、この自己復旧型の火災感知器10,10は、火災により熱や煙などを検出することで感知器回線11a,11b間に発報電流を流し、検出しなくなることで復旧する。外部試験器40は、火災感知器10の遠隔作動試験を含む住戸点検時に中継器3に接続して使用する。以下、自火報総合盤2、中継器3、住戸用受信機4、戸外表示器5、住棟用受信機1の順で詳細を説明する。
【0014】
(I)共同住宅用火災報知システムの構成
(a)自火報総合盤2、中継器3、住戸用受信機、戸外表示器5及び共用部スピーカ6
図1において、自火報総合盤2にはリレーBF,BN,スピーカ7等が設けられており、リレーBF,BNは住棟用受信機1からの地区音響制御信号E6で作動して、その接点bn,bfを閉じ、音声警報信号E7の入力可能状態とする。共用部スピーカ6には、リレーBK、スピーカが設けられており、リレーBKは住棟用受信機1からの地区音響制御信号E6で作動して、その接点bkを閉じ、音声警報信号の入力可能状態とする。中継器3には、外部試験器40による火災感知器10の遠隔作動試験時に、感知器回線11aを外部試験器40側へ切り換える接点k1と、閉状態とすることで住戸用受信機4に試験中信号E9を出力する接点k2と、閉状態とすることで火災確定移報リレーSに24Vの電源を供給する接点k3と、火災感知器10の発報検出時及び外部試験器40から所定の短い時間例えば2秒間出力される試験正常終了を示すOK信号の検出時に閉状態とする接点okと、外部試験器40からの試験中信号E9により作動し、上記接点k1,k2,k3を備えるリレーKと、外部試験器40からの試験正常終了を示すOK信号により作動する接点okを備えるリレーOKと、外部試験器40からの試験信号Qを試験信号線11cに通過するための線路とが設けられている。
【0015】
火災感知器10が火災による熱や煙などを検出することで、感知器回線11a,11b間に発報電流が流れ、この発報電流が中継器3に出力されると、中継器3内の受信回路12の受信リレーLが作動し、そのリレー接点lを閉じて感知器作動信号(以下、単に「作動信号」という)E1が住戸用受信機4に供給される。また、中継器3では、受信リレーLの作動と同時に保持リレー回路13の保持リレーMも作動して、そのリレー接点m1,m2を閉じて、火災信号E4の出力許容状態及び作動信号E1の保持許容状態が作り出される。
【0016】
住戸用受信機4では、中継器3より作動信号E1が入力されると、受信回路14の受信リレーRが作動し、例えば10秒間継続して作動すると、作動信号E1の受信状態が保持されると共に保持リレーHが作動し、そのリレー接点hが閉じて、中継器3に対し「L」レベルとなる保持信号E2が出力される。この保持信号E2を中継器3の保持回路17がリレー接点f2を介して取り込むと、保持リレー回路13の保持リレーMを火災感知器10が復旧しても非作動とならないように保持する。また保持回路17は、同時に戸外表示器5に対する供給電圧を+12Vから電源・火災信号E8となる+24Vに変化させて火災表示を行わせる。戸外表示器5の検出回路19は電源・火災信号E8となる+24Vを検出して表示灯20を点滅させる。住戸用受信機4は中継器3より作動信号E1を入力することで、自己の音声合成部27を起動し、火災感知器10の作動を示すメッセージを合成し、アンプ28で増幅した後、リレー接点dcを介してスピーカ26から出力する。
【0017】
また、住戸用受信機4では、中継器3より作動信号E1が送られてきた時から2〜5分の範囲内の所定時間の監視が行われる。即ち、作動信号E1が入力されると、受信リレーRが作動すると同時に火災確認時間となる2〜5分の遅延時間T1が設定されている遅延タイマ15が起動し、この遅延タイマ15の起動後の2〜5分の間に復旧スイッチ(図示略)が操作されたか否かの判定が行われ、この間に復旧スイッチが操作されなければリレー接点t1が開き、有電圧信号が遮断されることで火災確定信号E3が中継器3に出力される。住戸用受信機4は、火災確定信号E3を出力する際に、音声合成部27で火災発生を示すメッセージを合成し、アンプ28で増幅した後、リレー接点dcを介してスピーカ26から出力する。
【0018】
住戸用受信機4より火災確定信号E3が出力されることで有電圧信号が遮断されると、中継器3ではフォトカプラ21の出力が「L」レベルから「H」レベルになり、インバータ22で「L」レベルに反転されて出力されることで、この時点で既にリレー接点m2は閉じられて出力許容状態となっていることから、火災確定移報リレーSに電流が流れ作動する。火災確定移報リレーSが作動すると、リレー接点s1が閉じて「L」レベルとなる火災信号E4が火報信号線23を介して住棟用受信機1へ出力される。またリレー接点s2が閉じて、住棟用受信機1からの確認信号E5の受信可能状態が作り出される。
また、住戸用受信機4では、中継器3より作動信号E1を受けない状態で地区音響制御信号E6を受けると、フォトカプラ25のフォトトランジスタがオンしてリレーBが作動し、リレー接点bを開くことでリレーDCが不作動となり、その接点dcが音声警報信号線91側に切り換わり、スピーカ26が接続され、音声警報信号E7の入力可能状態となる。
【0019】
更に、住戸用受信機4には、中継器3を介して外部試験器40から出力される試験中信号E9を検出したときに試験中信号E9を戸外表示器5に供給する手段が設けられており、戸外表示器5にあっては、住戸用受信機4より試験中信号E9が供給されると、リレーJが作動して、そのリレー接点j1,j2が切り換わり、スピーカ29が音声警報信号線91に接続され、音声警報信号E7の入力が可能となる。
また、戸外表示器5にあっては、検出回路19で中継器3からの電源・火災信号E8の検出している状態で地区音響制御信号E6が供給されるとリレーJが作動して、リレー接点j1,j2が切り換わり、スピーカ29が音声警報信号線91に接続され、音声警報信号E7の入力可能状態となる。
【0020】
(b)住棟用受信機1
住棟用受信機1は、図2に示すように、地区音響停止モードの設定や試験復旧モードの設定等の操作を行う操作部51と、
火災表示等を行う表示部52と、自己のスピーカ54を鳴動させる音響部53と、中継器3からの火災信号E4を受信する受信部55と、自火報総合盤2のスピーカ7,住戸用受信機4のスピーカ26,戸外表示器5のスピーカ29及び共用部スピーカ6を鳴動させるための音声警報信号E7を出力する音声警報装置56と、自火報総合盤2,共用部スピーカ6,各住戸に設置された住戸用受信機4,戸外表示器5に地区音響制御信号E6を送るための複数のリレーB,B1,B2,…、Bnと、これら複数のリレーB,B1,B2,…,Bnの夫々を駆動するためのトランジスタ58と、受信部55にて受信された火災信号E4の取り込みを行うと共に操作部51からの操作信号の取り込みを行い、これらの信号に基づいて表示部52,音響部53,音声警報装置56及び複数のトランジスタ58の制御等を行う制御部57と、24V定電圧を生成し、中継器3に供給する24V定電圧部59とを備えて構成される。
【0021】
制御部57は、受信部55にて受信された火災信号E4を取り込み火災と判断すると、火災代表信号FAと、出火地区に対応する火災地区信号FA1,FA2,…,FAnと、出火階とその直上階に対応する地区リレー駆動信号SB1,SB2,…,SBnと、地区音響制御信号の代表となる地区音響代表信号Bとを出力する。例えば1階の住戸で火災が発生した場合、火災代表信号FA,火災地区信号FA1,地区リレー駆動信号SB1,SB2,地区音響代表信号Bをそれぞれ出力する。また、2階の住戸で火災が発生した場合、火災代表信号FA,火災地区信号FA2,地区リレー駆動信号SB2,SB3,地区音響代表信号Bをそれぞれ出力する。また、3階の住戸で火災が発生した場合、火災代表信号FA,火災地区信号FA3,地区リレー駆動信号SB3,SB4,地区音響代表信号Bをそれぞれ出力する。
【0022】
そして、例えば地区リレー駆動信号SB1,SB2が出力されると、地区リレーB1,B2を駆動するトランジスタ58,58がそれぞれオンし、地区リレーB1,B2の接点b1,b2が閉じる。また、地区音響代表信号Bが出力されると、地区音響代表リレーBを駆動するトランジスタ58がオンし、地区音響代表リレーBの接点bが閉じる。地区音響代表リレーBの接点bと地区リレーB1,B2の接点b1,b2がそれぞれ閉じることで、1階と2階の各自火報総合盤2,共用部スピーカ6,1階と2階の各住戸の住戸用受信機4及び戸外表示器5に向けて地区音響制御信号E6が出力される。このように、制御部57から地区音響代表信号Bと地区リレー駆動信号SB1,SB2,…,SBnが出力されることで地区音響制御信号E6が出力される。
【0023】
音声警報装置56は、通常時に制御部57からの火災代表信号FA,火災地区信号FA1,FA2,…,FAn,地区音響代表信号Bの全てがオンになると、音声警報信号E7を生成し、また同時に音声警報信号E7を出力するための音声警報信号線9n,9n+1を選択する。例えば1階で火災が発生した場合、火災代表信号FA,火災地区信号FA1及び地区音響代表信号Bがオンになるので、この際に生成した音声警報信号E7を1階の音声警報信号線91と2階の音声警報信号線92に出力する。1階と2階に対して地区音響制御信号E6が出力されている状態で、このように音声警報信号E7が出力されると、1階と2階の自火報総合盤2のスピーカ7,共用部スピーカ6,出火住戸を除く1階と2階の各住戸の住戸用受信機4のスピーカ26及び出火住戸の戸外表示器5のスピーカ29から音声警報信号E7が出力され、それぞれ鳴動する。そして、復旧操作が行われるまで「(ピンポン、ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)×2回繰り返し+(フィフィフィ)×3回繰り返し」なる音声警報メッセージが繰り返し出力される。
【0024】
また、2階で火災が発生した場合は、火災代表信号FA,火災地区信号FA2及び地区音響代表信号Bがオンになるので、この際に生成した音声警報信号E7を2階の音声警報信号線92と3階の音声警報信号線93に出力する。2階と3階に対して地区音響制御信号E6が出力されている状態で、このように音声警報信号E7が出力されると、2階と3階の自火報総合盤2のスピーカ7,共用部スピーカ6,出火住戸を除く2階と3階の各住戸の住戸用受信機4のスピーカ26及び戸外表示器5のスピーカ29から音声警報信号E7が出力され、それぞれ鳴動する。
【0025】
このように、火災が発生すると、出火住戸の階とその直上階の自火報総合盤2のスピーカ7,共用部スピーカ6,出火住戸を除く出火階とその直上階の各住戸の住戸用受信機4のスピーカ26及び出火住戸の戸外表示器5のスピーカ29から音声警報信号E7が出力され、出火階とその直上階の居住者や共用部にいる人に対して火災の発生を知らせる。
その後、復旧操作が行われて、火災代表信号FA又は火災地区信号FA1,FA2,…,FAnのいずれかがオフになると、音声警報装置56は音声警報信号E7の出力を停止する。これにより、出火階とその直上階の自火報総合盤2のスピーカ7,共用部スピーカ6,出火住戸を除く出火階とその直上階の各住戸の住戸用受信機4のスピーカ26及び出火住戸の戸外表示器5のスピーカ29から音声警報信号E7が出力されなくなり、鳴動しなくなる。
【0026】
操作部51には、地区音響停止モードを設定する地区音響停止スイッチ80と試験復旧モードを設定する試験復旧スイッチ81が設けられている。地区音響停止スイッチ80を操作して、制御部57に地区音響停止モードに設定することで、制御部57は、中継器3からの火災信号E4がオンになっても地区音響代表信号B及び地区リレー駆動信号SBは出力しないようになり、このことで地区音響制御信号E6及び音声警報信号E7は出力されないようになる。一方、試験復旧スイッチ81を操作して試験復旧モードに設定することで、中継器3からの火災信号E4がオンになる期間のみ制御部57から火災代表信号FA,火災地区信号FA1,FA2,…,FAn,地区音響代表信号Bが出力される。即ち、試験復旧モードに設定することで、中継器3からの火災信号E4がオンになる期間のみ地区音響制御信号E6及び音声警報信号E7が出力される。火災信号E4がオフになった場合には自動的に復旧する。尚、試験復旧モード、地区音響停止モードの両方が設定されている場合には火災信号E4がオンになっても、地区音響制御信号E6及び音声警報信号E7は出力されず、火災信号E4がオンになっている期間のみ表示部52で火災表示、スピーカ54で火災警報がなされるのみである。
【0027】
音声警報装置56には、外部試験器40による火災感知器10の遠隔作動試験(住戸点検)などの保守点検時に点検モードを設定する点検スイッチ73が設けられており、この点検スイッチ73をオンして点検モードを設定すると、起動信号となる火災代表信号FA及び火災地区信号FA1,FA2,…,FAnがオンすると地区音響代表信号Bがオンしなくとも音声警報信号E7を出力する。そして、火災代表信号FA及び火災地区信号FA1,FA2,…,FAnのいずれか一つでもオフすると音声警報信号E7の出力を停止する。また、この点検モードが設定されることで、音声警報装置56は、住戸点検で火災感知器10が正常に作動して外部試験器40より試験正常終了信号が約2秒間出力されることで、中継器3より出力される火災信号E4が約2秒間しかオンにならず起動信号となる火災代表信号FA及び火災地区信号FA1,FA2,…,FAnがこの間しかオンにならなくても、通常時に出力する音声警報メッセージのうちの予め決められた区切りまで出力する。
【0028】
例えば、通常時の音声警報メッセージが上述のように「(ピンポン、ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)×2回繰り返し+(フィフィフィ)×3回繰り返し」であるとして、そのうちの例えば「(ピンポン、ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)」までが区切りとして設定されているとすると、例えば「ピンポン」まで出力された時点で火災信号E4が出力されなくなって、起動信号となる火災代表信号FAと火災地区信号FA1,FA2,…,FAnのいずれか一方がオフになっても、その後の「(ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)」まで出力して停止する。
【0029】
一方、住戸点検時では、地区音響停止スイッチ80をオンして地区音響停止モードを設定することで、住棟用受信機50からは地区音響制御信号E6が出力されないでの、音声警報装置56から音声警報信号E7が出力されても、自火報総合盤2のスピーカ7,共用部スピーカ6,点検住戸の戸外表示器5のスピーカ29を除く出火階及びその直上階の各住戸の住戸用受信機4のスピーカ26及び戸外表示器5のスピーカ29からは音声警報信号E7が出力されず、鳴動しない。点検住戸の戸外表示器5は、点検住戸の住戸用受信機4から試験中信号E9が供給されてリレーJが作動していてスピーカ29が音声警報信号線9に接続されているので、そのスピーカ29から音声警報信号E7が出力され、鳴動する。
【0030】
ここで、音声警報装置56の通常時と点検モード時の動作をまとめると、次のようになる。
通常時:火災代表信号FA、火災地区信号FA1,FA2,…,FAn及び地区音響代表信号Bの全てオンになると音声警報信号E7を出力し、火災代表信号FA、火災地区信号FA1,FA2,…,FAn及び地区音響代表信号Bのいずれか一つでもオフになると音声警報信号E7の出力を直ちに停止する。
点検モード時:火災代表信号FA及び火災地区信号FA1,FA2,…,FAnがオンになると、地区音響代表信号Bがオンしなくとも音声警報信号E7を出力し、火災代表信号FA及び火災地区信号FA1,FA2,…,FAnのうちのいずれか一つでもオフになると音声警報信号E7の出力を停止する。但し、音声警報メッセージが所定の区切りに至るまでに、火災代表信号FA及び火災地区信号FA1,FA2,…,FAnのうちのいずれか一つでもオフになっても、その時点では音声警報信号E7の出力を停止せず、音声警報メッセージが所定の区切りに至るまで出力する。
【0031】
この音声警報装置56は、図3のブロック図に示すように、上述した点検スイッチ73の他に、インタフェース60と、制御回路61と、データファイル62と、音声ファイル63と、音声合成回路64と、アンプ65と、アンプ電源制御回路66と、スピーカ回線制御回路67と、リレーK1〜K20と、短絡保護回路68と、電源回路69とを備えて構成される。
アンプ65は、アンプ電源制御回路66により電源が供給されることで起動し、音声合成回路64から出力される音声警報信号を所定のレベルまで増幅して出力する。アンプ電源制御回路66は、トランジスタ70、トランジスタ71及び抵抗72を備えて構成されており、制御回路61のアンプ起動信号がオフになると即ち”L”レベルになると、トランジスタ70の出力が”L”レベルになり、これによってトランジスタ71と抵抗72からなるスイッチ回路がオフし、アンプ65がオフする。これに対し、制御回路61のアンプ起動信号がオンになると即ち”H”レベルになると、トランジスタ70の出力が”H”レベルになり、これによってトランジスタ71と抵抗72からなるスイッチ回路がオンして、アンプ65がオンする。
【0032】
短絡保護回路68は、音声警報装置56から自火報総合盤2のスピーカ7,共用部スピーカ6,各住戸の住戸用受信機4のスピーカ26及び戸外表示器5のスピーカ29までの間の配線障害(即ち、例えば音声警報信号線9の断線、短絡等)によるアンプ65の破壊を防止するものであり、過電流を検出することで音声警報信号線9を切り離す。電源回路69は商用電源100Vから直流24Vを生成して出力する。制御回路61は、MPUで構成され、ROMに記憶されているプログラム及び例えばメモリカードで成るデータファイル12に記憶されている音声の組み合わせデータ等に従って他の回路を制御する。
【0033】
制御回路61は、通常時にインタフェース60を介して制御部57から出力される火災代表信号FA、出火階を示す火災地区信号FA1,FA2,…,FAn、地区音響代表信号Bを取り込むと、アンプ電源制御回路66を動作させてアンプ65を起動させると共にスピーカ回線制御回路67に選択信号を供給して音声警報信号線を選択し、更に音声合成回路64を起動させる。例えば1階と2階の音声警報信号線91,92を選択するにはリレーK1,K2を作動させる信号をスピーカ回線制御回路67に供給する。これによりリレーK1,K2が作動し、それぞれに対応する接点k1、k2が閉じて1階と2階の音声警報信号線91,92が接続される。
【0034】
音声合成回路64は、音声データが記憶されたROMで構成される音声ファイル63から必要な音声データを読み出し、これにディジタル信号処理を行って音声警報信号E7として出力する。この場合、上述したように、「ピンポン、ピンポン、ピンポン、火事です、火事です、1階で火災が発生しました。安全を確認のうえ避難して下さい。)×2回繰り返し+(フィフィフィ)×3回繰り返し」からなる音声警報メッセージが合成され、音声警報信号E7として出力される。
【0035】
一方、点検モード時には、制御回路61はインタフェース60を介して火災代表信号FA及び出火階を示す火災地区信号FA1,FA2,…,FAnを取り込むと、地区音響停止モードが設定されていることで地区音響代表信号Bが取り込めなくても通常時と同様にアンプ電源制御回路66を動作させてアンプ65を起動させると共にスピーカ回線制御回路67に選択信号を供給して音声警報信号線9n,9n+1を選択し、更に音声合成回路64を起動させて音声警報信号E7を出力させる。住戸点検時では、火災感知器10が正常に作動すると外部試験器40より試験正常終了信号が約2秒間だけ出力されるので、中継器3より出力される火災信号E4は約2秒間オンし、その後オフになる。したがって、住棟用受信機50の制御部57から出力される火災代表信号FA及び出火階を示す火災地区信号FA1,FA2,…,FAnも約2秒間だけ入力されることになるが、制御回路61は通常時に出力する音声警報メッセージのうちの予め決められた区切りまで出力するように音声合成回路64を動作させる。そして、予め決められた区切りまで音声警報メッセージを出力すると、音声合成回路64,アンプ65,リレーKをそれぞれオフして音声警報信号E7の出力を停止する。
【0036】
(c)音声警報装置56の動作
ここで、図4に示すフローチャートを参照しながら点検モード時における音声警報装置56の制御回路61の動作について説明する。
まず、S10で火災信号(火災代表信号FA及び出火階を示す火災地区信号FA1,FA2,…,FAn)の入力の有無を判定する。この判定において、火災信号が入力されていないと判断するとこのS10を繰り返し、火災信号が入力されたと判断すると、S12に進み、アンプ電源制御回路66を制御してアンプ65を起動させる。そして、アンプ65の立ち上がりを考慮して0.5〜1.0秒間待機した後、S14でスピーカ回線制御回路67に選択信号を供給して出火階及びその直上階へ音声警報信号E7を送るための音声警報信号線9n,9n+1を選択する。
【0037】
音声警報信号線9n,9n+1を選択した後、制御回路61は、S16で音声合成回路64を起動させる。これにより、音声合成回路64にて音声警報信号E7の源信号が生成され、それがアンプ65で所定レベルまで増幅された後、選択された音声警報信号線9n,9n+1へ出力される。音声合成回路64を起動させた後、制御回路61は、S18で火災信号の入力が無くなったか否かを判定し、火災信号が継続して入力されていると判断するとS16に戻る。これに対して火災信号の入力が無くなったと判断すると、S20に進み、音声警報メッセージが予め決められた区切りまで出力されたか否かを判定し、予め決められた区切りまで出力されていないと判断するとS16に戻り、継続して音声警報信号E7を出力する。これに対して、音声警報メッセージが予め決められた区切りまで出力されたと判断すると、S22に進み、アンプ電源制御回路66を制御してアンプ65を停止させ、更にS24で音声合成回路64を停止させる停止信号を出力して、音声警報信号E7の出力を停止する。
【0038】
(II)共同住宅用火災報知システムの動作
次に、上記構成の共同住宅用火災報知システムの通常時と住戸点検時の動作を説明する。
(イ)通常時
通常の火災時に、住棟用受信機1は中継器3より火災信号E4を受けると、出火階及び直上階に対し地区音響制御信号E6及び音声警報信号E7を出力する。住棟用受信機1より地区音響制御信号E6が出力されると、自火報総合盤2の地区音響制御信号E6を通す回線に設けられたリレーBF,BNが作動して、夫々のリレー接点bf,bnが閉じる。リレー接点bnが閉じることで、自火報総合盤2のスピーカ7が音声警報信号線91に接続され、住棟用受信機1からの音声警報信号E7がスピーカ7から出力され、鳴動する。
【0039】
一方、リレー接点bfが閉じると、自火報総合盤2内で音声警報信号E7を通す回線が繋がって住棟用受信機1からの音声警報信号E7が出火階及び直上階の各住戸の住戸用受信機4へ流れる。この場合、出火住戸の住戸用受信機4にあっては、中継器3より火災感知器10の作動を示す作動信号E1を受けるので、自己の音声合成部27を起動し、火災感知器10の作動を示すメッセージを合成し、アンプ28で増幅した後、リレー接点dcを介してスピーカ26から出力する。また、火災確定信号E3の出力時には、音声合成部27を起動し火災発生を示すメッセージを合成して、スピーカ26から出力する。出火住戸の住戸用受信機4は、中継器3から作動信号E1を受信することで受信リレーRが作動し、地区音響制御信号線81に設けられているリレー接点rが開放するため地区音響制御信号E6の入力が禁止され、結果、リレー接点dcが切り換わらないため音声警報信号E7はスピーカ26から出力されない。これに対し出火住戸を除く出火階とその直上階の各住戸の各住戸用受信機4にあっては、作動信号E1を受けないので、リレー接点rが閉じたままであることから、住棟用受信機1からの地区音響制御信号E6によりフォトカプラ25のフォトトランジスタがオンしてリレーBが作動し、リレー接点bを開くことでリレーDCが不作動になり、そのリレー接点dcが音声警報信号線91側に切り換わりスピーカ26が接続され、住棟用受信機1からの音声警報信号E7がスピーカ26から出力され鳴動する。
【0040】
また、出火住戸の戸外表示器5にあっては、検出回路19で中継器3からの電源・火災信号E8を検出している状態で、地区音響制御信号E6が供給されると、リレーJの作動でリレー接点j1,j2が切り換わり、スピーカ29が音声警報信号線91に接続されて、住棟用受信機1からの音声警報信号E7がスピーカ29から出力され、鳴動する。
また、住棟用受信機1より地区音響制御信号E6が出力されると、共用部スピーカ6のリレーBKが作動して、接点bkが閉じる。リレー接点bkが閉じることで、共用部スピーカ6が音声警報信号線91に接続され、住棟用受信機1からの音声警報信号E7が共用部スピーカ6から出力され、鳴動する。
【0041】
(ロ)住戸点検時(外部試験器40による火災感知器10の遠隔作動試験時)
住戸点検時には、まず住棟用受信機1の地区音響停止スイッチ80をオンして制御部57を地区音響停止モードすると共に、試験復旧スイッチ81をオンして制御部57を試験復旧モードにする。更に点検スイッチ73をオンして音声警報装置56を点検モードにする。地区音響停止モード、試験復旧モード及び点検モードを設定した後、点検住戸において、外部試験器40を中継器3に接続し火災感知器10の遠隔作動試験を開始する。まず、外部試験器40から試験中信号E9が出力されることで、中継器3ではリレーKが作動し、接点k1,k2が切り換わり、感知器回線11a,11bが外部試験器40側に切り換わり、また試験中信号E9が住戸用受信機4へ出力される。
【0042】
住戸用受信機4は、試験中信号E9を受信することで、自己での警報動作及び遅延タイマ15の起動を禁止する。この状態で外部試験器40は試験信号線11cを介して火災感知器10に試験信号Qを出力して、その際の火災感知器10の疑似発報状態から試験状態を確認する。試験信号Qを受けた最初の火災感知器10は疑似発報を行い、次段の火災感知器10へ試験信号Qを出力する。火災感知器10の試験が正常に終わったと判断すると、外部試験器40は、中継器3へ試験正常終了を示すOK信号を約2秒間出力する。中継器3では、OK信号を受けることで、リレーOKが作動し、接点okを閉じることで作動信号E1をOK信号の出力される約2秒間程度だけ住戸用受信機4へ出力する。
【0043】
住戸用受信機4は、試験中信号E9を受けることで遅延タイマ15の起動が禁止されていることから、作動信号E1を受信すると直ちに、火災確定信号E3を作動信号E1の出力される約2秒間程度だけ中継器3へ出力する。中継器3は、火災確定信号E3を受信すると、直ちに火災信号E4を火災確定信号E3の出力される約2秒間程度だけ住棟用受信機1に出力する。この約2秒間程度の火災信号E4を受けた住棟用受信機1は、地区音響停止モード、試験復旧モード及び点検モードが設定されていることから音声警報信号E7のみを予め決められた区切りまで出力する。このとき点検住戸の住戸用受信機4にあっては、中継器3より試験中信号E9を受けて警報動作を禁止しているため、音声合成部27が起動せず、スピーカ26から音声警報は出力されず、鳴動しない。また、点検住戸を除く点検住戸の階の住戸とその直上階の住戸の各住戸用受信機4にあっては、地区音響制御信号E6が来ないことから、リレーBは不作動のままであり、したがって接点dcは切り換わらず、スピーカ26から音声警報信号E7は出力されない。
【0044】
一方、点検住戸の戸外表示器5だけにあっては、点検住戸の住戸用受信機4より試験中信号E9を受けてリレーJが作動しているので、リレー接点j1が閉じていて、リレー接点j2が音声警報信号線91側に切り換わっていることから、住棟用受信機1より音声警報信号E7が出力された場合に、戸外表示器5のスピーカ29から音声警報信号E7が出力され、鳴動する。これに対して、点検住戸を除く点検住戸の階の住戸とその直上階の住戸の戸外表示器5にあっては、住戸用受信機4より試験中信号E9を受けないので、リレーJは不作動のままで、リレー接点j1は開放状態、リレー接点j2は内部回路(ドアホン)側に接続されていることから、住棟用受信機1より音声警報信号E7が出力されても戸外表示器5のスピーカ29から音声警報信号E7は出力されず、鳴動しない。
【0045】
このように、火災感知器10の作動試験が正常に終わって、外部試験器40から試験正常終了信号となるOK信号が出力されることに連動して中継器3より火災信号E4が出力され、住棟用受信機1から音声警報信号E7が正常に出力されると、点検住戸の戸外表示器5のスピーカ29からのみ音声警報信号E7が出力され、鳴動する。そして、住戸点検時には音声警報装置56に点検モードを設定することで、音声警報信号E7を通常時に出力する音声警報メッセージのうちの予め決められた区切りまで出力するので、点検者は、このスピーカ29からの音声警報を聞くことで、音声警報装置56の機能を確実に確認できるようになる。また、当然ながら音声警報信号線9及び戸外表示器5の試験結果も確実に認識することができる。
【0046】
尚、上記実施の形態では、外部試験器40による火災感知器10の遠隔作動試験を、試験信号線11cを使い、試験信号を順次送る方式としていたが、試験信号線11cをなくし、感知器回線11a,11bを使い、火災感知器10を一つずつアドレス指定して試験発報させような方式としても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、音声警報装置を点検モードに設定することで、音声警報信号の出力途中で起動信号がオフになっても、その時点で音声警報信号の出力を停止せず、音声警報メッセージのうちの予め決められた音声警報メッセージまで出力するので、音声警報装置の状態を含めて点検の結果を確実に認識することができる。
また、住戸点検時、火災感知器の試験が正常に終了した場合に外部試験器より試験正常終了信号が数秒間出力されることに連動して、火災信号が数秒間しかオンにならなくても、通常時に出力する音声警報メッセージのうちの予め決められた音声警報メッセージまで出力するので、住戸点検の結果を確実に認識することができる。
また、点検住戸の戸外表示器及び該戸外表示器と住棟用受信機との間の音声警報信号線に障害がなければ、その戸外表示器から音声警報信号が出力されるので、音声警報信号線及び戸外表示器の試験結果も確実に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共同住宅用火災報知システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の共同住宅用火災報知システムの住棟用受信機の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の住棟用受信機の音声警報装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の音声警報装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 住棟用受信機
2 自火報総合盤
3 中継器
4 住戸用受信機
5 戸外表示器
6 共用部スピーカ
10 火災感知器
51 操作部
55 受信部
56 音声警報装置
57 制御部
60 インタフェース
61 制御回路
62 データファイル
63 音声ファイル
64 音声合成回路
65 アンプ
66 アンプ電源制御回路
73 点検スイッチ
80 地区音響停止スイッチ
81 試験復旧スイッチ

Claims (3)

  1. 通常時、起動信号がオンになることで異常発生を知らせる音声警報信号を出力し、起動信号がオフになることで音声警報信号の出力を直ちに停止し、点検モードを設定した場合には、音声警報信号の出力途中で起動信号がオフになってもその時点で音声警報信号の出力を停止せず、音声警報信号のうちの予め決められた音声警報メッセージまで出力してから停止することを特徴とする音声警報装置。
  2. 請求項1記載の音声警報装置を備え、火災信号を受けることで起動信号をオンし、前記音声警報装置を起動させて音声警報信号を出力することを特徴とする住棟用受信機。
  3. 管理人室等の中央に設けられる請求項2記載の住棟用受信機と、
    各住戸毎に設けられる、
    火災感知器と、
    該火災感知器を感知器回線を介して接続し、火災確定信号を受けた場合に前記住棟用受信機に火災信号を出力する中継器と、
    前記中継器が前記火災感知器の発報を検出した場合に出力する作動信号を受信した場合には、自己のスピーカにより音声警報を行うと共に前記作動信号を受けて所定の遅延時間後に火災確定信号を中継器に出力する住戸用受信機と、
    音声警報信号を出力するスピーカを備えた戸外表示器と、
    を備えた共同用住宅用火災報知システムにあって、
    前記火災感知器の遠隔作動試験を含む住戸点検時に前記中継器に接続し、試験開始操作を行った場合に前記中継器を介して前記住戸用受信機に試験中信号を出力し、前記火災感知器の試験が正常に終了した場合に前記中継器に試験正常終了信号を数秒間出力する回路部を設けた外部試験器を有し、
    前記中継器に、前記外部試験器より試験中信号を受けた場合に前記感知器回線を住戸用受信機側から外部試験器側に切り換え接続して外部試験器から前記火災感知器の遠隔作動試験を可能とし、前記外部試験器より試験正常終了信号を受けた場合に、試験正常終了信号の出力時間程度だけ前記住戸用受信機に作動信号を出力し、該作動信号を出力した後前記住戸用受信機より火災確定信号を受けた場合に、該火災確定信号の出力時間程度だけ前記住棟用受信機に火災信号を出力する回路部を設け、
    前記住棟用受信機に、前記中継器から送られる火災信号を保持しない試験復旧モードを備え、住戸点検時に該試験復旧モードが設定されている状態で、前記中継器からの火災信号を受けると、前記音声警報装置に対する起動信号をオンし、火災信号を受けなくなった時点で前記音声警報装置への起動信号をオフする回路部を設け、自己の前記音声警報装置は、住戸点検時に点検モードが設定されていることで、前記回路部からの起動信号がオンになることで異常発生信号を知らせる音声警報信号の出力を開始し、音声警報信号の出力途中で起動信号がオフになってもその時点で音声警報信号の出力を停止せず、音声警報信号のうちの予め決められた音声警報メッセージまで出力してから停止し、
    前記住戸用受信機に、前記中継器経由で前記外部試験器からの試験中信号を受けることで、前記戸外表示器に試験中信号を出力し、更に自己のスピーカによる音声警報及び前記遅延時間による遅延動作を禁止し、また、該試験中信号を受けている状態で前記中継器より作動信号を受けた場合に、音声警報を行わず、直ちに前記中継器に火災確定信号を作動信号の出力時間程度だけ出力する回路部を設け、
    前記戸外表示器に、前記住戸用受信機より試験中信号を受けている状態で、前記住棟用受信機から出力される音声警報信号を自己のスピーカから出力可能とする回路部を設けたことを特徴とする共同住宅用火災報知システム。
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