JP3066883B2 - 3,6,8−トリメチル−n,n−ジフェニル−1−ピレニルアミン誘導体及びその製造中間体並びにそれらの製造方法 - Google Patents

3,6,8−トリメチル−n,n−ジフェニル−1−ピレニルアミン誘導体及びその製造中間体並びにそれらの製造方法

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JP3066883B2
JP3066883B2 JP03329603A JP32960391A JP3066883B2 JP 3066883 B2 JP3066883 B2 JP 3066883B2 JP 03329603 A JP03329603 A JP 03329603A JP 32960391 A JP32960391 A JP 32960391A JP 3066883 B2 JP3066883 B2 JP 3066883B2
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知幸 島田
正臣 佐々木
保 有賀
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用の有機光導
電性材料として有用な、新規なピレニルアミン誘導体、
及び該ピレニルアミン誘導体を製造するための中間体、
並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
感光体の有機光導電性素材としては、例えば、ポリ−N
−ビニルカルバゾール、トリフェニルアミン化合物(米
国特許第3,180,730号)、ベンジジン化合物
(米国特許第3,265,496号、特公昭39−11
546号公報、特開昭53−27033号公報)等のよ
うな数多くの提案がなされている。ここにいう「電子写
真方式」とは、一般に光導電性の感光体を、先ず暗所で
例えばコロナ放電などにより帯電せしめ、次いで画像状
露光を行なって露光部の電荷を選択的に放電させること
により静電潜像を得、更にこの潜像部をトナーなどを用
いた現像手段で可視化して画像を形成するようにした画
像形成法の一つである。このような電子写真方式におけ
る感光体に要求される基本的な特性としては、1)暗所
において適当な電位に帯電されること、2)暗所におけ
る電荷の放電が少ないこと、3)光照射により速やかに
電荷を放電すること、などが挙げられる。しかしなが
ら、従来の光導電性有機材料は、これらの要求を必ずし
も満足していないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基本
的な電子写真特性を全て満足し、光導電性材料として有
用な、新規な3,6,8−トリメチルN,N−ジフェニ
ル−1−ピレニルアミン誘導体及びその製造中間体、並
びにそれらの工業的に有利な製造方法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記化
【化1】 (式中、R1,R2は水素原子、置換もしくは無置換のア
ルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換も
しくは無置換のフェニル基、ハロゲン原子、ニトロ基又
はシアノ基を表わす。但しR1,R2は同一でも異なって
いてもよい。)で表わされる3,6,8−トリメチル−
N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン誘導体が提供
される。
【0005】また本発明によれば、下記化2
【化2】 (式中、R1は前記と同じ)で表される3,6,8−ト
リメチル−N−フェニル−1−ピレニルアミン誘導体が
提供される。
【0006】また本発明によれば、下記化3
【化3】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
トリメチル−N−アセチル−N−フェニル−1−ピレニ
ルアミン誘導体が提供される。
【0007】また本発明によれば、下記化4
【化4】 で表される3,6,8−トリメチル−N−アセチル−1
−ピレニルアミンが提供される。
【0008】また本発明によれば、下記化5
【化5】 で表される3,6,8−トリメチル−1−ピレニルアミ
ンが提供される。
【0009】また本発明によれば、下記化6
【化6】 で表される3,6,8−トリメチル−1−ニトロピレン
が提供される。
【0010】また本発明によれば、下記化2
【化2】 (式中、R1は前記と同じ)で表される3,6,8−ト
リメチル−N−フェニル−1−ピレニルアミン誘導体と
下記化7
【化7】 (式中、Xはハロゲンを表わし、R2は前記と同じ)で
表わされるハロゲン化ベンゼン誘導体と反応させること
を特徴とする下記化1
【化1】 (式中、R1,R2は前記と同じ)で表わされる3,6,
8−トリメチル−N,N−ジフェニル−1−ピレニルア
ミン誘導体の製造方法。
【0011】また、本発明によれば、下記化5
【化5】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ピレニルア
ミンと下記化8
【化8】 (式中、Xはハロゲンを表わし、R1は前記と同じ。)
で表わされるハロゲン化ベンゼン誘導体とを反応させる
ことを特徴とする下記化10
【化10】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
トリメチル−N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン
誘導体の製造方法が提供される。
【0012】また本発明によれば、下記化3
【化3】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
トリメチル−N−アセチル−N−フェニル−1−ピレニ
ルアミン誘導体を加水分解することを特徴とする下記化
【化2】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
トリメチル−N−フェニル−1−ピレニルアミン誘導体
の製造方法が提供される。
【0013】また本発明によれば、下記化4
【化4】 で表わされる3,6,8−トリメチル−N−アセチル−
1−ピレニルアミンと下記化8
【化8】 (式中、R1は前記と同じ、Xはハロゲンを表わす)で
表わされるハロゲン化ベンゼン誘導体とを反応させるこ
とを特徴とする下記化3
【化3】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
トリメチル−N−アセチル−N−フェニル−1−ピレニ
ルアミン誘導体の製造方法が提供される。
【0014】また本発明によれば、下記化5
【化5】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ピレニルア
ミンをアセチル化することを特徴とする下記化4
【化4】 で表わされる3,6,8−トリメチル−N−アセチル−
1−ピレニルアミンの製造方法が提供される。
【0015】更に、本発明によれば、下記化6
【化6】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ニトロピレ
ンを還元することを特徴とする下記化5
【化5】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ピレニルア
ミンの製造方法が提供される。
【0016】更にまた、本発明によれば、下記化9
【化9】 で表わされる1,3,6−トリメチルピレンを直接ニト
ロ化することを特徴とする下記化6
【化6】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ニトロピレ
ンの製造方法が提供される。
【0017】本発明者らによる特願平1−77839号
には、N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン誘導体
が開示されており、該誘導体は基本的な電子写真特性を
全て満足し、光導電性材料として有用なものであること
が記載されている。本発明者らは更に前記N,N−ジフ
ェニル−1−ピレニルアミン誘導体のピレン環上にアル
キル基を導入することを試み、その結果、3,6,8−
トリメチル−N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン
誘導体が更に優れた光導電性有機材料であることを知見
した。
【0018】本発明の化1で表わされる3,6,8−ト
リメチル−N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン誘
導体及びその製造上の中間原料である化2で表わされる
3,6,8−トリメチル−N−フェニル−1−ピレニル
アミン誘導体、化3で表わされる3,6,8−トリメチ
ル−N−アセチル−N−フェニル−1−ピレニルアミン
誘導体、化4で表わされる3,6,8−トリメチル−N
−アセチル−1−ピレニルアミン、化5で表わされる
3,6,8−トリメチル−1−ピレニルアミン、及び化
6で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ニトロピ
レンはいずれも新規化合物である。
【0019】前記化1、化2、化3、および化10にお
いてR1、R2の具体例としてのアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの低級ア
ルキル基が、またアルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基などの低級アルコキシ基が挙
げられる。更に、アルキル基、アルコキシ基における置
換基としては、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アリールオキシ基などが挙げられ、またフェニル基
における置換基としては、低級アルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、低級
アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基など)及びハロゲン原子(例えば臭素、塩素、
フッ素)が挙げられる。また前記化7、化8のXの具体
例としては臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0020】本発明に係る前記化1または化10で示さ
れる3,6,8−N,N−ジフェニル−1−ピレニルア
ミン誘導体は、新規物質であり、このものは、前記した
ように化2で表わされる3,6,8−トリメチル−N−
フェニル−1−ピレニルアミン誘導体または化5で表わ
される3,6,8−トリメチル−1−ピレニルアミンと
化7、化8で表わされるハロベンゼン誘導体とを、好ま
しくは銅粉、酸化銅あるいはハロゲン化銅などと、縮合
反応中に生ずるハロゲン化水素を中和するのに充分な量
のアルカリ塩を加え、溶媒の存在下又は無溶媒下で、窒
素雰囲気下、150〜250℃程度の温度において反応
させることにより製造することができる。この場合、ア
ルカリ塩としては、苛性ソーダ、苛性カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムなどを挙げることができる。ま
た、反応溶媒としては、ニトロベンゼン、ジクロルベン
ゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができ
る。
【0021】また、前記化2で表わされる3,6,8−
トリメチル−N−フェニル−1−ピレニルアミン誘導体
は、酸性もしくはアルカリ性条件下で前記化3で表わさ
れる3,6,8−トリメチル−N−アセチル−N−フェ
ニル−1−ピレニルアミン誘導体を加水分解することに
より容易に製造することができる。この場合、酸として
は塩酸、硫酸が、アルカリとしては水酸化カリウム、水
酸化ナトリウム水溶液等が挙げられる。又、溶媒として
はヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、イソアミルアルコール、エタノー
ル、メタノール等を挙げることができる。
【0022】次に、前記化3で表わされる3,6,8−
トリメチル−N−アセチル−N−フェニル−1−ピレニ
ルアミン誘導体は、前記化4で表わされる3,6,8−
トリメチル−N−アセチル−1−ピレニルアミンと前記
化8で表わされるハロゲン化ベンゼン誘導体とを、銅
粉、酸化銅あるいはハロゲン化銅などと縮合反応中に生
ずるハロゲン化水素を中和するのに充分な量のアルカリ
塩を加え、溶媒の存在下で、窒素雰囲気下、150〜2
50℃程度の温度において反応させることにより製造す
ることができる。この場合、アルカリ塩としては、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどを挙げることができる。
また、反応溶媒としては、ニトロベンゼン、ジクロルベ
ンゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができ
る。
【0023】更に、前記化4で表わされる3,6,8−
トリメチル−N−アセチル−1−ピレニルアミンは、前
記化5で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ピレ
ニルアミンに、溶媒の存在下もしくは無溶媒下で無水酢
酸を加え、加熱することにより容易に製造することがで
きる。溶媒の具体例としてはn−ヘキサン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
できる。
【0024】又、前記化5で示される3,6,8−トリ
メチル−1−ピレニルアミンは前記化6で示される3,
6,8−トリメチル−1−ニトロピレンを接触水素化反
応もしくはその他の一般的還元反応により容易に製造す
ることができる。前者の接触水素化反応における触媒と
しては、酸化白金、パラジウム−炭素、ラネーニッケ
ル、銅クロム酸化物などを挙げることができる。また後
者の一般的還元反応の還元試薬としては、スズ−濃塩
酸、鉄−濃塩酸、硫化水素ナトリウムなどを挙げること
ができる。又、溶媒としてはメタノール、エタノール、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド等を挙げることができる。
【0025】本発明に係る前記化6で示される3,6,
8−トリメチル−1−ニトロピレンは新規な物質であ
り、このものは前記化9で示される1,3,6−トリメ
チルピレンを溶媒の存在下、適当なニトロ化試薬により
0℃〜120℃程度の温度において容易に製造すること
ができる。具体的にはニトロ化試薬としては混酸、濃硝
酸、硝酸銅(II)、硝酸ナトリウム−濃硫酸、発煙硝
酸、硝酸カリウム−濃硫酸、濃硫酸−無水酢酸、ニトロ
ニウムテトラフルオロボレート、ニトロニウムパークロ
レートなどを挙げることができ、溶媒としては氷酢酸、
無水酢酸などを挙げることができる。尚原料である1,
3,6−トリメチルピレンの製造法はM.D.Cler
cq,Bull.Soc.Chim.Belg.,6
4,367(1955)もしくはE.Clar,eta
l.,Tetrahedron,26,2099(19
70)に記載されている。
【0026】本発明で得られる新規なピレニルアミン誘
導体は、電子写真用感光体に於ける光導電性素材として
極めて有用であり、染料やルイス酸などの増感剤によっ
て光学的あるいは化学的に増感される。更にこのもの
は、有機顔料あるいは無機顔料を電荷発生物質とする、
所謂機能分離型感光体に於ける電荷輸送物質としてとり
わけ有用である。
【0027】上記増感剤としては、例えば、メチルバイ
オレット、クリスタルバイオレット等のトリアリールメ
タン染料、ローズベンガル、エリスロシン、ローダミン
等のキサンチン染料、メチレンブルー等のチアジン染
料、2,4,7−トリニトロ-9-フルオレノン、2,4
−ジニトロ−9−フルオレノン等が挙げられる。
【0028】また、有機顔料としてはシーアイピグメン
トブルー25(CI No.21180)、シーアイピ
グメントレッド41(CI No.21200)、シー
アイピグメントレッド3(CI No.45210)等
のアゾ系顔料、シーアイピグメントブルー16(CI
No.74100)等のフタロシアニン系顔料、シーア
イバットブラウン5(CI No.73410)、シー
アイバットダイ(CINo.73030)等のインジゴ
系顔料、アルゴスカーレットB、インダンスレンスカー
レットR等のペリレン系顔料が挙げられる。また、セレ
ン、セレン−テルル、硫化カドミウム、α−シリコン等
の無機顔料も使用できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0030】実施例1 3,6,8−トリメチル−N−(3−メチルフェニル)
−N−(4−メチルフェニル)−1−ピレニルアミンの
製造 3,6,8−トリメチル−N−(4−メチルフェニル)
−1−ピレニルアミン0.84g(2.4mmol)、
m−ヨードトルエン20.9g(96.0mmol)、
炭酸カリウム1.32g(9.6mmol)及び銅粉
0.15gを窒素気流下、エステル管で共沸脱水しなが
ら、208〜210℃で7時間撹拌した。室温まで放冷
した後、セライトを用いて濾過し、濾液にクロロホルム
を加え、クロロホルム層を分液ロートを用いて水洗し、
次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、更に減圧濃縮して、
暗赤色の油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマ
ト処理〔溶離液;トルエン/n−ヘキサン(1:3)混
合溶媒〕し、トルエン/エタノール混合溶媒から再結晶
して、黄色針状結晶の下記化11で示される3,6,8
−トリメチル−N−(3−メチルフェニル)−N−(4
−メチルフェニル)−1−ピレニルアミン0.63g
(収率59%)を得た。融点は251.0〜252.0
℃であった。
【化11】 元素分析値はC3329Nとして下記の通りであった。 C% H% N% 実測値 90.30 6.53 3.12 計算値 90.16 6.65 3.19
【0031】実施例2 3,6,8−トリメチル−N,N−ジフェニル−1−ピ
レニルアミンの製造 3,6,8−トリメチル−1−ピレニルアミン0.57
g(2.2mmol)、ヨウ化ベンゼン22.44g
(0.11mmol)、炭酸カリウム1.22g(8.
8mmol)及び銅粉0.14gを窒素気流下、エステ
ル管で共沸脱水しながら、184℃で8時間撹拌した。
室温まで放冷した後、セライトを用いて濾過し、濾液に
クロロホルムを加え、クロロホルム層を水洗し、次いで
硫酸マグネシウムで乾燥し、更に減圧濃縮して、暗赤色
の油状物を得た。これをシリカゲルカラムで処理〔溶離
液;トルエン/n−ヘキサン(1:3)混合溶媒〕し、
トルエン/エタノール混合溶媒から再結晶して、淡黄色
針状結晶の下記化12で示される3,6,8−トリメチ
ル−N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン0.38
g(収率42%)を得た。融点は232.0〜232.
5℃であった。
【化12】 元素分析値はC3125Nとして下記の通りであった。 C% H% N% 実測値 90.67 5.87 3.40 計算値 90.47 6.12 3.41 この化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)
を図1に示す。
【0032】実施例3〜5 実施例2と同様な方法により実施例3〜5のピレニルア
ミン誘導体を得た。その結果を表1に示す。
【表1】
【0033】実施例6 3,6,8−トリメチル−N−(4−メチルフェニル)
−1−ピレニルアミンの製造 3,6,8−トリメチル−N−アセチル−N−(4−メ
チルフェニル)−1−ピレニルアミン2.54g(6.
50mmol)、イソアミルアルコール50ml、水5
mlに86%水酸化カリウム0.85g(13mmo
l)を加え20時間還流攪拌を行なった。室温まで放冷
した後、水を加えて水蒸気蒸留にて溶媒を留去した。得
られた残渣をトルエンにて抽出し、有機層を水洗し、次
いで硫酸マグネシウムにて乾燥し、更に減圧濃縮して、
暗赤色結晶を得た。これをシリカゲルカラムクロマト処
理〔溶離液;トルエン/n−ヘキサン(1:1)混合溶
媒〕し、トルエン/エタノール混合溶媒から再結晶し
て、黄色針状結晶の3,6,8−トリメチル−N−(4
−メチルフェニル)−1−ピレニルアミン0.77g
(34%)を得た。融点は184.0〜185.0℃で
あった。元素分析値はC2623Nとして下記の通りであ
った。 C% H% N% 実測値 89.65 6.50 3.92 計算値 89.36 6.63 4.01 この化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)
を図2に示す。
【0034】実施例7 3,6,8−トリメチル−N−アセチル−N−(4−メ
チルフェニル)−1−ピレニルアミンの製造 3,6,8−トリメチル−N−アセチル−1−ピレニル
アミン2.41g(8.00mmol)、p−ブロモト
ルエン20.5g(120mmol)、炭酸カリウム
2.21g(16.0mmol)及び銅粉0.51gを
窒素気流下、エステル管で共沸脱水しながら、180〜
185℃で6時間撹拌した。室温まで放冷した後、クロ
ロホルムを加え、セライトを用いて濾過し、濾液を分液
ロートを用いて水洗し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥
し、更に減圧濃縮して、橙色油状物を得た。これをシリ
カゲルカラム処理〔溶離液;ジクロロメタン〕し、ジオ
キサン/エタノール混合溶媒から再結晶して、薄橙色棒
状結晶の3,6,8−トリメチル−N−アセチル−N−
(4−メチルフェニル)−1−ピレニルアミン2.60
g(収率83.1%)を得た。融点は205.5〜20
6.5℃であった。元素分析値はC2825NOとして下
記の通りであった。 C% H% N% 実測値 85.89 6.37 3.61 計算値 85.90 6.44 3.58 この化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)
を図3に示す。
【0035】実施例8 3,6,8−トリメチル−N−アセチル−1−ピレニル
アミンの製造 3,6,8−トリメチル−1−ピレニルアミン2.59
g(10.0mmol)、トルエン150mlに無水酢
酸1.53g(15.0mmol)を加え、2時間還流
攪拌をおこなった。室温まで放冷した後、析出した結晶
をグラスフィルターにて濾取し、これをシクロヘキサン
にて洗浄することにより乳白色の粗結晶を2.92g得
た。更にこれをジメチルホルムアミド(DMF)にて再
結晶して、薄褐色針状結晶の3,6,8−トリメチル−
N−アセチル−1−ピレニルアミン2.73g(収率9
0.7%)を得た。融点は280℃以上であった。元素
分析値はC2119NOとして下記の通りであった。 C% H% N% 実測値 83.65 6.23 4.72 計算値 83.69 6.35 4.65 この化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)
を図4に示す。
【0036】実施例9 3,6,8−トリメチル−1−ピレニルアミンの製造 3,6,8−トリメチル−1−ニトロピレン0.67
g、5%パラジウム−炭素0.13g、THF25ml
を振とう式水素化装置で室温下水素圧1気圧にて1時間
10分水素添加をおこなった。内容物をセライトにて濾
過をおこない、濾液を減圧濃縮して、橙褐色結晶の3,
6,8−トリメチル−1−ピレニルアミン0.59g
(収率98%)を得た。融点は268.5〜271.5
℃であった。元素分析値はC1917Nとして下記の通り
であった。 C% H% N% 実測値 88.05 6.61 5.46 計算値 87.99 6.61 5.40 この化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)
を図5に示す。
【0037】実施例10 3,6,8−トリメチル−1−ニトロピレンの製造 1.3,6−トリメチルピレン1.00g(4.09m
mol)、氷酢酸50mlに濃硝酸0.55g及び氷酢
酸2mlの溶液を10分間かけ滴下した後、室温にて1
時間半、50℃〜70℃の温度で3時間半攪拌した。内
容物を氷水に注ぎ析出した固体を濾過し、これを水にて
2回、メタノールにて1回洗浄をおこない乾燥して赤橙
色結晶1.05gを得た。これをシリカゲル処理〔展開
溶媒クロロホルム〕し、更にジオキサンにて再結晶して
赤橙色針状結晶の3,6,8−トリメチル−1−ニトロ
ピレン0.72g(収率61%)を得た。融点は27
2.0〜273.0℃であった。元素分析値はC1915
NO2として下記の通りであった。 C% H% N% 実測値 78.81 5.06 5.06 計算値 78.87 5.23 4.48 この化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)
を図6に示す。
【0038】 応用例 電荷発生物質として下記化13で表わされるビスアゾ化合物 7.5部
【化13】 及びポリエステル樹脂〔(株)東洋紡績製バイロン20
0〕の0.5%テトラヒドロフラン溶液500部をボー
ルミル中で粉砕混合し、得られた分散液をアルミニウム
蒸着ポリエステルフィルム上にドクターブレードで塗布
し、自然乾燥して約1μm厚の電荷発生層を形成した。
次に、ポリカーボネート樹脂〔(株)帝人製パンライト
K−1300〕1部とテトラヒドロフラン8部の樹脂溶
液に、電荷輸送物質として実施例4の化合物1部を溶解
し、この溶液を前記電荷発生層上にドクターブレードで
塗布し、80℃で2分間、次いで120℃で5分間乾燥
して厚さ約20μmの電荷輸送層を形成して感光体を作
成した。
【0039】次に、こうして得られた積層型電子写真感
光体の可視域での感度を調べるため、この感光体に静電
複写紙試験装置〔(株)川口電機製作所製SP428
型〕を用いて暗所で−6KVのコロナ放電を20秒間行
なって帯電させた後、感光体の表面電位Vm(v)を測
定し、更に20秒間暗所に放置した後、表面電位Vo
(v)を測定した。次いで、タングステンランプ光を感
光体表面での照度が4.5luxになるように照射し
て、Voが1/2になるまでの露光量E1/2(lux
・sec)及び30秒間照射後の残留表面電位Vr
(v)を測定した結果は以下のようであった。 Vm=−1428(V)、Vo=−1222(V)、Vr=0(V) E1/2=0.97(lux・sec)
【0040】
【発明の効果】本発明の前記化1で示される新規な3,
6,8−トリメチル−N,N−ジフェニル−1−ピレニ
ルアミン誘導体は、前記したように光導電性素材として
有効に機能し、また染料やルイス酸などの増感剤によっ
て光学的あるいは化学的に増感されることが、電子写真
用感光体の感光層の電荷輸送物質等として好適に使用さ
れ、特に電荷発生層と電荷輸送層を二層に区分した、い
わゆる機能分離型における電荷輸送物質として有用なも
のである。また、本発明の前記化2、化3、化4、化5
及び化6で表わされる化合物はいずれも新規化合物であ
って、前記化1で表わされる本発明の3,6,8−トリ
メチル−N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン誘導
体の製造中間体として有用である。そして前記化1で表
わされる3,6,8−トリメチル−N,N−ジフェニル
−1−ピレニルアミン誘導体は、前記化2〜化6で表わ
される各製造中間体を経て簡便かつ安価に製造すること
ができ、この製造方法は工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル図(KBr錠剤法)である。
【図2】実施例6で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル図(KBr錠剤法)である。
【図3】実施例7で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル図(KBr錠剤法)である。
【図4】実施例8で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル図(KBr錠剤法)である。
【図5】実施例9で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル図(KBr錠剤法)である。
【図6】実施例10で得られた化合物の赤外線吸収スペ
クトル図(KBr錠剤法)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 209/58 C07C 209/58 213/02 213/02 217/94 217/94 231/02 231/02 231/08 231/08 233/07 233/07 (72)発明者 安達 浩 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平5−88389(JP,A) 特開 平4−323662(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 211/61 C07C 201/08 C07C 205/06 C07C 209/10 C07C 209/36 C07C 209/58 C07C 213/02 C07C 217/94 C07C 231/02 C07C 231/08 C07C 233/07 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1 【化1】 (式中、R1,R2は水素原子、置換もしくは無置換のア
    ルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換も
    しくは無置換のフェニル基、ハロゲン原子、ニトロ基又
    はシアノ基を表わす。但しR1,R2は同一でも異なって
    いてもよい。)で表される3,6,8−トリメチル−
    N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン誘導体。
  2. 【請求項2】 下記化2 【化2】 (式中、R1は前記と同じ)で表される3,6,8−ト
    リメチル−N−フェニル−1−ピレニルアミン誘導体。
  3. 【請求項3】 下記化3 【化3】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
    トリメチル−N−アセチル−N−フェニル−1−ピレニ
    ルアミン誘導体。
  4. 【請求項4】 下記化4 【化4】 で表される3,6,8−トリメチル−N−アセチル−1
    −ピレニルアミン。
  5. 【請求項5】 下記化5 【化5】 で表される3,6,8−トリメチル−1−ピレニルアミ
    ン。
  6. 【請求項6】 下記化6 【化6】 で表される3,6,8−トリメチル−1−ニトロピレ
    ン。
  7. 【請求項7】 下記化2 【化2】 (式中、R1は前記と同じ)で表される3,6,8−ト
    リメチル−N−フェニル−1−ピレニルアミン誘導体と
    下記化7 【化7】 (式中、Xはハロゲンを表わし、R2は前記と同じ)で
    表わされるハロゲン化ベンゼン誘導体と反応させること
    を特徴とする下記化1 【化1】 (式中、R1,R2は前記と同じ)で表される3,6,8
    −トリメチル−N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミ
    ン誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 下記化5 【化5】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ピレニルア
    ミンと下記化8 【化8】 (式中、Xはハロゲンを表わし、R1は前記と同じ。)
    で表わされるハロゲン化ベンゼン誘導体とを反応させる
    ことを特徴とする下記化10 【化10】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
    トリメチル−N,N−ジフェニル−1−ピレニルアミン
    誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 下記化3 【化3】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
    トリメチル−N−アセチル−N−フェニル−1−ピレニ
    ルアミン誘導体を加水分解することを特徴とする下記化
    2 【化2】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
    トリメチル−N−フェニル−1−ピレニルアミン誘導体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 下記化4 【化4】 で表わされる3,6,8−トリメチル−N−アセチル−
    1−ピレニルアミンと下記化8 【化8】 (式中、R1は前記と同じ、Xはハロゲンを表わす)で
    表わされるハロゲン化ベンゼン誘導体とを反応させるこ
    とを特徴とする下記化3 【化3】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる3,6,8−
    トリメチル−N−アセチル−N−フェニル−1−ピレニ
    ルアミン誘導体の製造方法。
  11. 【請求項11】 下記化5 【化5】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ピレニルア
    ミンをアセチル化することを特徴とする下記化4 【化4】 で表わされる3,6,8−トリメチル−N−アセチル−
    1−ピレニルアミンの製造方法。
  12. 【請求項12】 下記化6 【化6】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ニトロピレ
    ンを還元することを特徴とする下記化5 【化5】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ピレニルア
    ミンの製造方法。
  13. 【請求項13】 下記化9 【化9】 で表わされる1,3,6−トリメチルピレンを直接ニト
    ロ化することを特徴とする下記化6 【化6】 で表わされる3,6,8−トリメチル−1−ニトロピレ
    ンの製造方法。
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