JP3064306B2 - 弱結合ジョセフソン接合の形成法及びこれを用いた超電導素子 - Google Patents

弱結合ジョセフソン接合の形成法及びこれを用いた超電導素子

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は酸化物超電導体のジョセフソン接合、特に弱
結合ジョセフソン接合の形成法及び、これを用いた超電
導素子に関する。
【従来の技術】
超電導臨界温度(Tc)が液体窒素温度(77K)を超え
る酸化物超電導体の出現により、新しい超電導素子が開
発できるものと期待されている。しかしながら、酸化物
超電導体を用いて、素子とくにエレクトロニクス素子を
形成する時、いくつかの課題が残されている。その中の
一つは、ジョセフソン接合の形成である。従来の金属超
電導体を用いたジョセフソン接合素子では、超電導体薄
膜の間に極薄の絶縁層を設けるトンネル型ジョセフソン
接合が形成されてきた。金属超電導体の場合には、超電
導薄膜と反応せず、かつ膜厚が極めて薄くても絶縁性に
優れた絶縁膜(例えば、SiO2)が形成できること、金属
超電導体はコヒーレント長が数10Åと長いこと、がこの
接合を実現できた主な理由である。これらのトンネル型
接合を用いることにより超電導スイッチング素子などが
開発されている。 しかしながら、酸化物高温音超伝導体は、コヒーレ
ント長が数Åと短いため、絶縁層の厚さをこれまで以上
に薄くしなければならない、Tcの高い超電導薄膜を形
成するには、基板温度が高い条件で膜を形成するか、高
温での熱処理をしなければならない。これに加え、金属
と異なり、酸化物超電導体は絶縁材料(一般に酸化物)
と反応しやすく、それ故、トンネル型のジョセフソン接
合を形成することは、極めて難しい。そのため、これま
でのジョセフソン接合は第14図に示すように超電導体セ
ラミックスの棒10を超電導体11に押しつけた時に得られ
ているのみで、積層膜でのジョセフソン接合は作られて
いない。 薄膜で作られたジョセフソン接合としては、部分的に
膜厚を薄くしたり、電流の流れる部分を狭くしたりし
て、超電導結合を弱くする弱結合型ジョセフソン接合が
知られている。 弱結合を形成する具体的方法としては、第15図に示す
ように基板20に段差21を設け、その上に形成した超電導
薄膜22の厚さ変える方法の他、水素イオンを打ち込み、
狭い領域にのみ超電導電流を流す方法、粒界を利用する
方法などが行われている。粒界を利用する方法の例には
フィジカルレビューレター、60巻16号(1988年4月)16
53ページ(Phys.Rev.Lett.60(1988)1653)、および特
開昭62−273782がある。しかしながら、これらの方法
は、偶然に多結晶超電導薄膜粒界が接合を形成しようと
している場所にくることを期待するもので、再現性に劣
る他、形状や、接合の位置を任意に選択することができ
ないという問題があった。さらに、複数の粒界が存在す
るので接合が電流の方向に対して多数直列に形成され、
その結果I−V特性が悪くなるという問題があった。 特開昭62−273782では、所定の位置に特性の揃った弱
結合ジョセフソン接合を再現性よく形成することを目的
に、エピタキシャル成長の応用が図られている。該従来
技術によれば単結晶基板上にスリット状のパターンを形
成し、この上に超電導薄膜をエピタキシャル成長させ
る。スリット状のパターンの上の超電導薄膜はエピタキ
シャル成長が阻害され、当初多結晶となり、その後の膜
厚の増大の結果、スリット状のパターンの上に単一の粒
界が形成されるものである。しかしながら、該従来技術
の方法では、パターン形成のためにホトレジスト工程を
必要とするので、エピタキシャル成長を阻害する要因と
なる基板表面の汚染が生じやすく、再現性に劣る。ま
た、パターンの幅は微細加工技術によりその最小幅が制
限される為、超電導薄膜の膜厚を薄くし難いという問題
があった。 なお、イオン打込みにより結晶粒界を形成する技術
は、平成1年6月26日付で公開された特開平1−161881
号公報に開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
酸化物超電導薄膜における従来の弱結合ジョセフソン
接合形成法は、所定の位置に特性の揃った弱結合ジョセ
フソン接合の形成が難しく、再現性の点から問題があっ
た。本発明の目的は、所定の位置に特性の揃った弱結合
ジョセフソン接合を再現性よく形成することにある。ま
た、このようにして形成した弱結合ジョセフソン接合を
使用して、超電導素子を作ることにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の手段は、人工的に
形成した結晶欠陥を反映して生成させた結晶粒界を弱結
合ジョセフソン接合として利用するものである。具体的
には、まず、基板上に超電導材料とは異る異種原子を付
着させたり、基板表面を乱し、次にこの上に薄膜をエピ
タキシャル成長させる。上記の付着,破壊の手段には加
速,収束されたイオンビームを使用する。 また、第2の手段として次のものがある。すなわち、
基板上にエピタキシャル成長させた超電導薄膜に、超電
導電流が流れることを阻害する異種原子を拡散させた
り、薄膜表面近傍を乱した後、この超電導薄膜を熱処理
することにより、結晶粒界を形成する。上記の拡散,損
傷を与える手段には加速,収束されたイオンビームを使
用する。 さらに、第3の手段として次のものがある。すなわ
ち、基板上に人工的に結晶面方位の異なる部分を形成
し、この上に成長方位の異なる超電導薄膜をエピタキシ
ャル成長させ、基板の結晶面方位を変位させた部分に超
電導電流が流れることを阻害する結晶粒界を形成する。
【作用】
上記第1の手段の具体的作用について第1図(a)〜
第1図(c)に従って説明する。収束イオンビーム(fo
cused ion beam)により、基板30の表面にGaなどのイオ
ンビーム31を照射すると、加速電圧の大きさに従って、
金属が蒸着されたり、基板30表面下約100〜200Åの深さ
まで損傷層32が生じる。(第1図(a)) 蒸着領域および損傷領域の幅はイオンビームの収束の
仕方によって変化でき、1μm以下の幅にできる。 また蒸着物の厚さはイオンのドーズ量とビーム幅で決
まる。1016/cm2のドーズを1μmのビーム径で照射する
と39Åに相当する膜厚の蒸着物が形成される。 このように加工した基板30に超電導薄膜33をエピタキ
シャル成長する条件で形成すると、蒸着されていない領
域や、損傷を受けていない領域では、超電導薄膜33がエ
ピタキシャル成長するが、イオンビームにより加工され
た領域34では、エピタキシャル成長が阻害され、微結晶
35が生成する。(第1図(b))膜厚が厚くなるとイオ
ンビームにより加工された領域34の両側から成長してき
た結晶が互いにぶつかる。両側の結晶の結晶方位は同じ
であるが、僅かなずれがあるため、2つの結晶の間には
ミスフィットが殆どない結晶粒界36が生成する。(第1
図(c))結晶粒界によって粒界をはさむ両側での位相
差は保たれ、両側の超電導電流は低くなり、磁場が侵入
できる弱結合が形成される。 次に上記第2の手段の具体的作用について第2図
(a)および第2図(b)に従って説明する。収束イオ
ンビーム(focused ion beam)により、基板130にエピ
タキシャル成長させた超電導薄膜131にGaなどのイオン
ビーム132を照射すると、加速電圧の大きさに従って、
金属が蒸着されたり、超電導薄膜131表面下約100〜200
Åの深さまで拡張領域133が生じる。(第2図(a))
このように加工した超電導薄膜134を熱処理すると、蒸
着されたり、損傷を受けた領域では、再結晶化が生じ、
結晶粒界135が生成する。(第2図(b))両側の結晶
の結晶方位は同じであるため、結晶粒界の両側の結晶粒
の間にはミスフィットは殆どない。 次に上記第3の具体的作用を説明する。 Ln1Ba2Cu3Oy(Ln=Y,Er,Hoなどの希土類金属)からな
る酸化物超電導材料は、斜方晶型ペロブスカイト構造を
もち、a軸,b軸,c軸、の長さが各々3.83Å,3.89Å,11.7
Å、となっている。これら酸化物超電導薄膜材料の臨界
温度(Tc)や臨界電流密度(Jc)などの特性を向上させ
るには、薄膜の組成や適正な基板材料を選択することが
重要である。特に酸化物超電導薄膜材料は、成膜過程に
おいて600℃〜950℃の高温プロセスを経過するため、基
板材料としては薄膜との反応性の少ない材料を選ぶ必要
がある。さらに、良好な超電導特性をもった薄膜結晶を
形成するには、結晶粒界の少ないエピタキシャル成長し
易い基板を選ぶ必要がある。この点から望ましい基板材
料は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3),酸化マグネ
シウム(MgO),酸化ジルコニウム(ZrO2)などであ
る。 酸化物超電導薄膜を真空蒸着法やスパッタ法で形成す
る場合、基板材料の種類や基板の結晶面方位によって薄
膜結晶の成長方向が異なることが明らかになった。例え
ば、MgO(100)基板やZrO2(100)基板上に、前記酸化
物超電導薄膜を形成した場合、基板と薄膜のa,b軸の格
子定数のミスマッチが大きいため、エネルギー的に安定
なc面を基板面に接した膜、すなわちc軸配向した酸化
物超電導薄膜が形成される。 これに対して、SrTiO3(100)基板上に前記酸化物超
電導薄膜を形成した場合、SrTiO3の格子定数(3.90Å)
と、酸化物超電導薄膜のb軸の格子定数およびc軸の格
子定数の1/3の長さがほぼ等しいため、薄膜は基板上に
エピタキシャル成長して、a軸に配向した酸化物超電導
薄膜が形成される。同様にSrTiO3(110)基板では(11
0)方向に配向した酸化物超電導薄膜が形成される。 さらに、第3図に示したように、例えばSrTiO3(10
0),SrTiO3(110),SrTiO3(111)基板において、基板
面がわずかの角度θだけ傾いた(オフした)基板を用い
ると、この上に形成する酸化物超電導薄膜の結晶配向が
制御できることが明らかになった。例えば、SrTiO3(10
0)基板230の表面を(100)面に正しく合わせた領域231
と(100)から角度θだけ傾いた領域232に同一条件で前
記酸化物超電導薄膜を形成すると、(100)面に正しく
合わせた領域231では、a軸方向に配向した酸化物超電
導薄膜が生成され、一方、角度θだけ傾いた領域232で
は、c軸方向に配向した酸化物超電導薄膜が生成される
ことを見出した。この場合、基板の結晶面方位がわずか
に傾斜した境界部分では薄膜の結晶方位が異なるため、
結晶粒界233が形成される。 この場合、オフ角度θは、0.5度以上が望ましい。ま
た、SrTiO3(110),SrTiO3(111),MgO,ZrO2基板を用い
ても同様の効果がある。
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。 実施例1. 第4図(a)〜第4図(c)により本発明の実施例1
を説明する。 無歪,鏡面に研磨した面方位(110)のチタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)単結晶基板40の上に収束イオンビ
ーム(FIB)法により、ガリウム(Ga)41を[011]およ
び[001]方向に線状に照射した。照射条件は加速電圧3
0kV、線幅(SIM:走査イオン顕微法で測定)は1μm、
線の長さは0.5mmである。Gaのドーズ量は5×1011〜5
×1018/cm2で、1桁ずつ量を変化させた。各ドーズ量の
8本の線42を3mmおきに形成した。 この加工を施した基板43上にErBa2Cu3O7−δ薄膜44
をスパッタ法で形成した。エピタキシャル成長を行わせ
るために、基板温度は成膜時700℃に保った。膜厚は0.7
μmであった。スパッタで形成した膜にはイオンを照射
した場所に線状の欠陥がみられた。但し、線状の欠陥が
観察されたのはドーズ量が5×1014/cm2以上の5本であ
った。この膜を830℃で2時間、酸素中で熱処理した。
熱処理後、線状の欠陥すなわち粒界45は明瞭になった。 粒界45の超電導特性を調べるために、粒界45の両端部
の超電導膜を除去して超電導膜のネック部を形成し、4
端子法でI−V特性を測定した。I−V曲線はその代表
例を第12図に示すように超電導の特徴を示していた。77
Kにおける粒界のない領域での臨界電流密度は電流を[1
10]方向に流した時、2×104A/cm2であったが、粒界45
の場所での臨界電流密度は第1表に示すように50%から
3%に減少した。電流の流す方向を[001]にした場
合、電流の絶対値は約半分に減少するものの、粒界の影
響は同じ傾向にあった。イオンを照射したにもかかわら
ず、粒界45が観察されない場所での臨界電流密度は照射
しない領域と殆ど差がなかった。臨界電流密度(Jc)の
温度依存性を調べた結果、Jc∝{1−(T/Tc)}1.6
関係になっていた。また、磁場に対する臨界電流の変化
を調べた結果、超電導電流の周期的磁場依存性が観察さ
れ、弱結合ジョセフソン接合になっていることを確認し
た。 実施例2. 実施例1と同じ条件でイオンを照射した基板を用い、
この上にErBa2Cu3O7−δ薄膜をスパッタ法で形成し
た。成膜条件は実施例1と同じであるが、膜厚は3500Å
であった。830℃で2時間、酸素中で熱処理した膜に
は、ドーズ量が5×1012/cm2以上の7本に粒界が観察さ
れた。実施例1の場合と同じように、4端子法で粒界の
I−V特性を調べた。実施例1の膜は臨界温度(Tc)が
88Kと高かったが、膜厚3500Åの膜のTcは83Kに低下し
た。これは基板からの不純物の拡散の影響を強く受けた
ためである。77Kにおける粒界のない領域での臨界電流
密度は6×104A/cm2であったが、粒界のある場所での臨
界電流密度は第1表に示すように50%から1%に減少し
た。イオンは照射したにもかかわらず、粒界45の観察さ
れない場所での臨界電流密度は実施例1と同様、照射し
ない領域と殆ど差がなかった。イオンドーズ量が5×10
16/cm2以上の粒界での臨界電流密度(Jc)が低いのは膜
厚が薄いためにドーズ量が5×1016/cm2以上の粒界の幅
が広くなっているためである。温度依存性を調べた結
果、イオンドーズ量が5×1015/cm2以下の粒界ではJc∝
{1−(T/Tc)}1.6の関係になっていた。また、磁場
に対する臨界電流の変化を調べた結果、フラウンホーフ
ァ曲線が観察され、弱結合ジョセフソン接合になってい
ることを確認した。 実施例3. 実施例1,2と同じように、イオン照射した基板上にErB
a2Cu3O7−δ薄膜を1000Å形成し、酸素中で熱処理し
た。この膜の臨界温度(Tc)が80Kであった。熱処理後
にはすべての個所に粒界が観察された。77Kにおける粒
界のない領域での臨界電流密度は2×103A/cm2であり、
粒界の場所での臨界電流密度は第1表に示すように75%
から0%に減少した。 実施例4. 実施例1と同じように、イオン照射した基板上にErBa
2Cu3O7−δ薄膜を1.5μm形成し、酸素中で熱処理し
た。この膜の臨界温度(Tc)が85Kであった。熱処理後
にはドーズ量が5×1016/cm2〜5×1018/cm2の個所に粒
界が観察された。77Kにおける粒界のない領域での臨界
電流密度は3×104A/cm2であり、粒界の場所での臨界電
流密度は第1表に示すように60%から32%に減少した。 実施例5. 形成するErBa2Cu3O7−δ薄膜の膜厚を3μmにし
た。この場合に粒界が観察された条件は、5×1018/cm2
照射した個所だけであり、この部分だけが弱結合ジョセ
フソン接合として利用できることが分かった。 以上の実施例1〜実施例5の結果を膜厚と照射ドーズ
量の関係でまとめると、第5図の黒点で示す領域が適切
な領域であることが分かった。 実施例6. 照射するFIBのイオン源として、基板のチタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)の構成元素であるチタン(Ti)を
使用し、実施例1と同じ条件でSrTiO3(110)基板上にT
iを線状に照射した。この上に実施例1と同じく厚さ0.7
μmのErBa2Cu3O7−δ薄膜を形成した。イオン源をGa
からTiに変更しても、粒界の発生に差はなく、I−V特
性とJcの値に関しても再現性が極めて高いことが明らか
になった。 実施例7. Gaイオンの照射において、加速電圧を30kVから15kVに
下げた。加速電圧以外は実施例1と同じ条件でSrTiO
3(110)基板上にGaを線状に照射した。この上にスパッ
タ法で厚さ0.35μmのErBa2Cu3O7−δ薄膜を形成し
た。熱処理後の粒界はドーズ量が5×1014/cm2以上の個
所に観察された。加速電圧が30kVの場合に比較して、粒
界形成に照射の効果が少なくなったのは、基板の損傷の
程度が少なく、Gaが蒸着されている状況に近づいたため
と考えられる。 実施例8. 基板にSrTiO3(100)を用い、実施例1と同じ条件でG
aイオンを線状に照射した。このイオンビーム加工した
基板の上に、膜厚0.7μmのYBa2Cu3O7−δ薄膜を形成
した。薄膜はa軸[100]が膜面に垂直になるように成
長した。面内にはc軸とb軸が混じっていたが、線状に
Gaを照射した部分の実施例1と同じドーズ量の条件下の
部分で粒界が明瞭に観察された。これから、基板方位と
超電導薄膜の材料に殆ど影響されないことが示された。 実施例9. 基板に酸化マグネシウム(MgO)(100)を使用し、実
施例6と同様にTiイオン加速電圧30kVで、5×1011/cm2
〜5×1018/cm2のドーズ量照射した。この上に膜厚0.35
μmのYBa2Cu3O7−δ薄膜を形成した。薄膜はc軸が基
板面に垂直になり、a軸とb軸の区別はできなかった
が、5×1012/cm2〜5×1018/cm2のドーズ量の個所で粒
界が発生した。粒界を形成していない領域に対してのJc
の値は、基板の種類に依存せず、膜厚とドーズ量でほぼ
規定される値であった。 実施例10. 以上の実施例1〜実施例9に示した方法で形成した結
晶粒界を弱結合ジョセフソン接合に利用し、dcSQUIDを
作製した。SrTiO3(110)基板70に加速電圧30kVで、Ga
イオンをドーズ量5×1015/cm2で線幅1μm、長さ0.5m
m、間隔0.8mmで直列に2本照射した。この上には実施例
1と同じ条件で膜厚0.35μmのErBa2Cu3O7−δ薄膜71
を形成した。このようにして形成した薄膜をホトリソグ
ラフィと化学エッチングにより第6図に示すように、2
つの粒界72を利用したSQUIDのパターンに加工した。 このSQUIDにバイアス電流を流し、磁束の測定を76Kで
おこなった。その結果、第13図に示すように量子磁束に
対応する電圧が観測され、本発明で形成した粒界利用の
弱結合ジョセフソン接合が超電導素子に応用できること
が示された。 実施例11. 本発明の実施例11を第7図(a)〜第7図(c)によ
り説明する。 無歪,鏡面に研磨した面内方位(110)のチタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3)単結晶基板140の上にErBa2Cu3O
7−δ薄膜141をスパッタ法で形成した。エピタキシャ
ル成長を行わせるために、基板温度は成膜時700℃に保
った。膜厚は0.7μmであった。この薄膜141にガリウム
(Ga)の収束イオンビーム(FIB)142を[011]および
[001]方向に線状に照射した。照射条件は加速電圧30k
V、線幅(SIM:走査イオン顕微法で測定)は1μm、線
の長さは0.5mmである。Gaのドーズ量は1×1012〜1×1
019/cm2で、1桁ずつ量を変化させた。各ドーズ量の8
本の線143を3mmおきに形成した。 この加工を施した薄膜144を830℃で2時間、酸素中で
熱処理した。熱処理後、イオンを照射した場所に欠陥の
粒界が発生した。但し、線状の欠陥が観察されたのはド
ーズ量が1×1015/cm2以上の5本であった。この線状の
欠陥すなわち粒界145は明瞭になった。 粒界145の超電導特性を調べるために、粒界145の両端
部の超電導膜を除去して超電導膜のネック部を形成し、
4端子法でI−V特性を測定した。I−V曲線はその代
表例を第12図に示すように超電導の特徴を示していた。
77Kにおける粒界のない領域での臨界電流密度は電流を
[110]方向に流した時、2×105A/cm2であったが、粒
界145の場所での臨界電流密度は第2表に示すように52
%から11%に減少した。電流の流す方向を[001]にし
た場合、電流の絶対値は約半分に減少するものの、粒界
の影響が同じ傾向にあった。イオンを照射したにもかか
わらず、粒界145が観察されない場所での臨界電流密度
は照射しない領域と殆ど差がなかった。臨界電流密度
(Jc)の温度依存性を調べた結果、Jc∝{1−(T/T
c)}1.6の関係になっていた。また、磁場にたいする臨
界電流の変化を調べた結果、超電導電流の周期的磁場依
存性が観察され、弱結合ジョセフソン接合になっている
ことを 確認した。 実施例12 実施例11と同じ成膜条件で膜厚0.35μmのErBa2Cu3O
7−δ薄膜をスパッタ法で形成し、これに実施例11と同
じ条件でイオンを照射した。その後、830℃で2時間、
酸素中で熱処理した。薄膜には、ドーズ量が1×1013/c
m2以上の7本に粒界が観察された。実施例11の場合と同
じように、4端子法で粒界のI−V特性を調べた。実施
例11の膜は臨界温度(Tc)が88Kと高かったが、膜厚0.3
5μmの膜のTcは83Kに低下した。これは基板からの不純
物の拡散の影響を強く受けたためである。77Kにおける
粒界のない領域での臨界電流密度は6×104A/cm2であっ
たが、粒界のある場所での臨界電流密度は第2表に示す
ように50%から1%に減少した。イオンは照射したにも
かかわらず、粒界145の観察されない場所での臨界電流
密度は実施例11と同様、照射しない領域と殆ど差がなか
った。イオンドーズ量が1×1017/cm2以上の粒界での臨
界電流密度(Jc)が低いのは膜厚が薄いためにドーズ量
が1×1017/cm2以上の粒界の幅が広くなっているためで
ある。温度依存性を調べた結果、イオンドーズ量が1×
1016/cm2以下の粒界ではJc∝{1−(T/Tc)}1.6の関
係になっていた。また、磁場にたいする臨界電流の変化
を調べた結果、フラウンホーファ曲線が観察され、弱結
合ジョセフソン接合になっていることを確認した。 実施例13 実施例11と同じように、ErBa2Cu3O7−δ薄膜を1000
Å形成し、これに、イオンを照射し、酸素中で熱処理し
た。この膜の臨界温度(Tc)は80Kであった。熱処理後
にはすべての個所に粒界が観察された。77Kにおける粒
界のない領域での臨界電流密度は2×103A/cm2であり、
粒界の場所での臨界電流密度は第2表に示すように39%
から0%に減少した。 実施例14 基板上にErBa2Cu3O7−δ薄膜を1.5μm形成し、実施
例11と同じように、イオン照射し、これを酸素中で熱処
理した。この膜の臨界温度(Tc)は85Kであった。熱処
理後にはドーズ量が1×1017/cm2〜1×1019/cm2の個所
に粒界が観察された。77Kにおける粒界のない領域での
臨界電流密度は3×105A/cm2であり、粒界の場所での臨
界電流密度は第2表に示すように64%から35%に減少し
た。 実施例15 形成するErBa2Cu3O7−δ薄膜の膜厚を3μmにし
た。この場合に粒界が観察された条件は、1×1019/cm2
照射した個所だけであり、この部分だけが弱結合ジョセ
フソン接合として利用できることが分かった。 以上の実施例11〜実施例15の結果を膜厚と照射ドーズ
量の関係でまとめると、第8図の黒点で示す領域が適切
な領域であることが分かった。 実施例16. 照射するFIBのイオン源として、基板のチタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)の構成元素であるチタン(Tii)
を使用し、実施例11と同じく厚さ0.7μmのErBa2Cu3O
7−δ薄膜に実施例11と同じ条件でTiを線状に照射し
た。イオン源をGaからTiに変更しても、粒界の発生に差
はなく、I−V特性とJcの値に関しても再現性が極めて
高いことが明らかになった。 実施例17 Gaイオンの照射において、加速電圧を30kVから15kVに
下げた。加速電圧以外は実施例11と同じ条件でSrTiO
3(110)基板上の厚さ0.35μmのErBa2Cu3O7−δ薄膜
にGaを線状に照射した。熱処理後の粒界はドーズ量が1
×1015/cm2以上の個所に観察された。加速電圧が30kVの
場合に比較して、粒界形成に照射の効果が少なくなった
のは、薄膜の損傷の程度が少なく、Gaが蒸着されている
状況に近づいたためと考えられる。 実施例18. 基板にSrTiO3(100)を用い、この上に膜厚0.7μmの
YBa2Cu3O7−δ薄膜を形成した。実施例11と同じ条件で
Gaイオンを線状に照射した。このイオンビーム加工した
薄膜はa軸[100]が膜面に垂直になるように成長した
もので、面内にはc軸とb軸が混じっていたが、線状に
Gaを照射した部分では実施例11と同じドーズ量の条件下
の部分で粒界が明瞭に観察された。これから、基板方位
と超電導薄膜の材料に殆ど影響されないことが示され
た。 実施例19. 基板に酸化マグネシウム(MgO)(100)を使用し、こ
の上に膜厚0.35μmのYBa2Cu3O7−δ薄膜を形成した。
実施例16と同様にTiイオンを加速電圧30kVで、1×1012
〜1×1019/cm2のドーズ量照射した。薄膜はc軸が基板
面に垂直になり、a軸とb軸の区別はできなかったが、
1×1013〜1×1019/cm2のドーズ量の個所で粒界が発生
した。粒界を形成していない領域に対してのJcの値は、
基板の種類に依存せず、膜厚とドーズ量でほぼ規定され
る値であった。 実施例20. 以上の実施例11〜実施例19に示した方法で形成した結
晶粒界を弱結合ジョセフソン接合に利用し、dcSQUIDを
作製した。SrTiO3(110)基板170に実施例11と同じ条件
で膜厚0.35μmのErBa2Cu3O7−δ薄膜171を形成した。
この上に加速電圧30kVで、Gaイオンをドーズ量5×1015
/cm2で線幅1μm、長さ0.5mm、間隔0.8mmで直列に2本
照射した。このようにして形成した薄膜をホトリソグラ
フィと化学エッチングにより第9図に示すように、2つ
の粒界172を利用したSQUIDのパターンに加工した。 このSQUIDにバイアス電流を流し、磁束の測定を76Kで
おこなった。その結果、第13図に示すように量子磁束に
対応する電圧が観測され、本発明で形成した粒界利用の
弱結合ジョセフソン接合が超電導素子に応用できること
が示された。 実施例21. 本発明の実施例21を第10図(a)および第10図(b)
により説明する。まず第10図(a)に示すように、面内
方位(100)のチタン膜ストロンチウム(SrTiO3)単結
晶基板240の表面を、面方位(100)に正しく合わせた面
241と、これに対して角度θだけ傾斜した面242となるよ
うに切断し、各々の表面を無歪,鏡面に研磨した。基板
の傾斜角θは、0.5度,1度,2度,6度,10度,14度とした基
板を用いた。次に成膜時の基板温度を700℃に保持し
て、前記基板上にEr2O3,BaO,Cu各々の一層の膜厚を60
Å,185Å,60Åとして全膜厚0.7μmの積層膜243を真空
蒸着法により形成した。 ついで薄膜243を900℃で2時間、酸素中で熱処理して
第10図(b)に示したようなEr1Ba2Cu3O7の酸化物超電
導薄膜を形成した。この熱処理により、面方位(100)
に正しく合わせた領域241では、a軸方向に配向した酸
化物超電導膜が形成された。一方、面方位が(100)に
対して角度θだけ傾斜した領域242では、c軸方向に配
向した酸化物超電導膜が形成された。上記薄膜において
基板の結晶面が傾斜した境界部分に薄膜結晶の配向の違
いにより、結晶粒界244が発生した。 粒界244の超電導特性を調べるために、実施例1と同
じように粒界244の両端部の超電導膜を除去して超電導
膜のネック部を形成し、4端子法でI−V特性を測定し
た。I−V曲線はその代表例を第12図に示すように超電
導の特徴を示していた。77Kにおける粒界のない領域で
の臨界電流密度は、2×105A/cm2であったが、粒界244
の場所での臨界電流密度は傾斜角θの大きさにより第3
表に示すように52%から11%に減少した。臨界電流密度
(Jc)の温度依存性を調べた結果、Jc∝{1−(T/T
c)}1.5の関係になっていた。また、磁場にたいする臨
界電流の変化を調べた結果、超電導電流の周期的磁場依
存性が観察され、弱結合ジョセフソン接合になっている
ことを確認した。 実施例22. 面内方位(100)の酸化マグネシウム(MgO)単結晶基
板の表面を第10図(a)に示したように実施例21と同様
の形状に加工した後、各々の表面を無歪,鏡面に研磨し
た。次に、第10図(b)に示したように、スパッタ法に
より基板上に膜厚0.3μmのEr1Ba2Cu3O7の酸化物超電導
膜を形成した。薄膜形成時の基板温度は700℃とした。
その後、830℃で2時間、酸素中で熱処理した。得られ
た試料は、面方位(100)に正しく合わせた領域241(θ
=0度)およびこれに対して角度θだけ傾斜した領域24
2ともに、各々の基板面に垂直にc軸配向した酸化物超
電導薄膜が形成され、また基板の結晶面が傾斜した境界
部分には、薄膜結晶の配向の傾きにより、粒界が発生し
ていた。なお、本実施例ではスパッタ中に膜の超電導化
が行なわれているので、その後の熱処理工程は必ずしも
必要ではない。 粒界の超電導特性を調べるために、実施例21の場合と
同じように、粒界の両側を除去し、4端子法で粒界のI
−V特性を調べた。I−V特性は、第12図に示すような
超電導の特徴を示していた。77Kにおける粒界のない領
域での臨界電流密度は6×104A/cm2であったが、粒界の
ある場所での臨界電流密度は第3表に示すように60%か
ら12%に減少した。傾斜角θが大きいほど、粒界での臨
界電流密度が低いのは、薄膜結晶の成長軸の傾きが大き
くなることにより、粒界の幅が広くなるためである。臨
界電流密度の温度依存性を調べた結果、傾斜角θが0.5
度以上の基板を用いた薄膜の粒界ではJc∝{1−(T/T
c)}1.5の関係になっていた。また、磁場にたいする臨
界電流の変化からも弱結合ジョセフソン接合になってい
ることを確認した。 実施例23. 本発明の実施例21〜実施例22の弱結合のジョセフソン
接合を利用し、第11図に示したようなdcSQUIDを作製し
た。面内方位(100)の酸化マグネシウム(MgO)単結晶
基板の表面の一部を傾斜角θ=2度に切断した基板260
を用いて、実施例22と同じ条件で膜厚0.3μmのEr1Ba2C
u3O7薄膜261を形成した。このようにして形成した薄膜
において、基板の傾斜角のずれた部分に粒界262が生成
された。このようにして形成した薄膜をホトリソグラフ
ィと化学エッチングにより第11図に示すように、2つの
粒界262を利用したSQUIDのパターンに加工した。 このSQUIDにバイアス電流を流し、磁束の測定を76Kで
おこなった。その結果、第13図に示すように、量子磁束
に対応する電圧が観測され、本発明で形成した粒界利用
の弱結合ジョセフソン接合が超電導素子に応用できるこ
とが示された。
【発明の効果】
本発明によれば、所定に位置に単一の結晶粒界が形成
できるため、これを超電導弱結合ジョセフソン接合に利
用できる。また、膜厚、ドーズ量を選択することによ
り、素子作製時のバイアス電流を制御できることも大き
な特長である。 なお、本発明における薄膜形成法はスパッタ法あるい
は積層蒸着法であったが、酸化物超電導薄膜はこの他、
反応性蒸着法でも形成可能であり、他の成膜法が適用可
能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】 第1図(a)〜第1図(c),第2図(a)〜第2図
(b)及び第3図は、いずれも所定の位置に結晶粒界を
形成する一方法を説明する図、第4図(a)〜第4図
(c)は本発明の実施例1〜実施例9の製造工程を示す
図、第5図は実施例1〜実施例5より求めた弱結合ジョ
セフソン接合が得られるドーズ量と膜厚の関係を示す
図、第6図は本発明の実施例10で作製したSQUIDの構造
を示す図、第7図(a)〜第7図(c)は本発明の実施
例11〜実施例19の製造工程を示す図、第8図は実施例11
〜実施例15より求めた弱結合ジョセフソン接合が得られ
るドーズ量と膜厚の関係を示す図、第9図は本発明の実
施例20で作製したSQUIDの構造を示す図、第10図(a)
および第10図(b)は本発明の実施例21および実施例22
の製造工程を示す図、第11図は本発明の実施例23で作製
したSQUIDの構造を示す図、第12図は本発明で得られた
粒界のI−V特性を示す図、第13図はSQUIDで測定した
量子磁束に対応する電圧の変化を示す図、第14図はトン
ネル型ジョセフソン接合の断面図、第15図は薄膜による
弱結合ジョセフソン接合の従来例の断面図である。 10……超電導体セラミックスの棒、11……超電導体、2
0,30,130,230,240,260……基板、21……段差、22,33,13
1,243,261……超電導薄膜、31,132,142,……イオンビー
ム、32……損傷、34……イオンビームにより加工された
領域、35……微結晶、36,135,233……結晶粒界、40,70,
140,170……SrTiO3単結晶基板、41……Ga、42,143……
各ドーズ量の8本の線、43……加工を施した基板、44,7
1,141,171……ErBa2Cu3O7−δ薄膜、45,145,244……粒
界、72,172,262……2つの粒界、133……拡散領域、13
4,144……加工された超電導薄膜領域、231,241……θ=
0度の基板表面、232,242……角度θで傾斜した基板表
面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間所 祐一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 宮内 克己 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 会田 敏之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 平谷 正彦 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 本多 幸雄 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 二本 正昭 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−65583(JP,A) 特開 昭62−273782(JP,A) 特開 平1−211983(JP,A) 特開 平1−95576(JP,A) 特開 平1−161881(JP,A) 特開 平1−161880(JP,A) 特開 平1−241874(JP,A) 特開 平1−218077(JP,A) 特開 平1−202876(JP,A) 特開 昭63−283176(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 39/24 H01L 39/22 H01L 39/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に物質を照射し、該物質を該基板表面
    に線状に堆積するか、もしくは該物質により該基板表面
    に線状の損傷を与えるかの加工をしたのち、前記線状の
    加工を施した基板表面上に酸化物超電導体の薄膜をエピ
    タキシャル成長させることにより、前記線状の加工を施
    した位置に結晶粒界を形成し、該結晶粒界を弱結合ジョ
    セフソン接合と成し、上記加工は、収束イオンビームに
    よってなされ、上記収束イオンビームのドーズ量は、5
    ×1011〜5×1018/cm2であることを特徴とする弱結合ジ
    ョセフソン接合の形成法。
  2. 【請求項2】基板上にエピタキシャル成長した酸化物超
    電導薄膜に臨界電流密度を減少させる物質を照射し、該
    物質を上記酸化物超電導薄膜の内部に線状に拡散させる
    か、もしくは該物質により上記酸化物超電導薄膜に線状
    の損傷を与えるかの加工をしたのち、熱処理をすること
    により、前記の線状の加工を施した位置に結晶粒界を形
    成し、該結晶粒界を弱結合ジョセフソン接合に利用する
    ことを特徴とする弱結合ジョセフソン接合の形成法。
  3. 【請求項3】前記の照射は、収束イオンビームによって
    なされることを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載
    の弱結合ジョセフソン接合の形成法。
  4. 【請求項4】前記収束イオンビームのドーズ量は、5×
    1011〜5×1018/cm2であることを特徴とする特許請求の
    範囲第3項に記載の弱結合ジョセフソン接合の形成法。
  5. 【請求項5】単一の基板の平坦部に傾斜面を設けて結晶
    面方位の異なる部分を設けた基板上に酸化物超電導薄膜
    を成長して、 平坦部の上に平坦部の表面に垂直にa軸配向した酸化膜
    超電導薄膜と傾斜面の上に傾斜面の表面に垂直にc軸配
    向した酸化膜超電導薄膜、または 平坦部の上に平坦部の表面に垂直にc軸配向した酸化膜
    超電導薄膜と傾斜面の上に傾斜面の表面に垂直にc軸配
    向した酸化膜超電導薄膜 を形成して、 該基板上の結晶方位の異なる部分の境界に結晶粒界を形
    成し、該結晶粒界を弱結合ジョセフソン接合と成すこと
    を特徴とする弱結合ジョセフソン接合の形成法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項、第2項または第5
    項に記載の弱結合ジョセフソン接合を用いたことを特徴
    とする超電導素子。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第6項記載の超電導素子は
    薄膜SQUID(超電導量子干渉素子)であることを特徴と
    する超電導素子。
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